第2章 社会科の具体目標と内容

 

 ここにかかげる具体目標というのは,中学校における社会科のいろいろな指導計画を作成する際の具体的な手がかりとして,社会科の目標をさらに具体的にわかりやすい形で示したものである。それを地理的分野,歴史的分野,政治・経済・社会的分野に分けて示した。しかし各分野の関係には,第1章で述べたような事情があるから,教師としては常に,三分野全部の具体目標を考えて,効果的な指導計画をつくることがたいせつである。

 中学校社会科の目標を達成するために必要な指導内容については,指導計画によっていろいろなまとめ方があろうが,ここでは具体目標に応じて,地理的分野,歴史的分野,政治・経済・社会的分野に分けて一応示すことにした。ここに示されている内容は,いろいろな指導計画において,どのような観点に立ってまとめられ,組織・配列されようとも,中学校社会科の目標達成のためには適当な素材と考える。

 

1.地理的分野

 

(1) 具 体 目 標

 

 
(2) 内   容

 

 地理的分野に関する指導内容については,日本や世界の諸地域の特色について,他地域との結びつきや世界全体の立場から考えて理解させるということに重点を置き,結果においては,自然環境・経済・政治・民族・人口・集落(村落と都市)・国際関係などに関する諸事象についても,ある程度のまとまった地理的な考え方や知識・技能・態度が身につけられるということがたいせつである。