第9節 農 業 経 済

 

第1.「農業経済」の性格と目標

 「農業経済」は,農業を科学的・経済的に経営して農家の生活を農かにし,農業を通じて社会に貢献するにはどうすればよいかを学ぶ科目であって,その目標を細分すればおおむね次のようになる。

1.わが国および世界の経済の一環としての農業の地位を理解する。

2.自分の家や郷土の自然的・社会的・経済的環境と,農業経営・農村生活との関係を理解する。

3.農業経営をいっそう土地および労働の生産性の高いものとする上に必要な知識・理解を養う。

4.環境に応じて科学的・経済的に農業を計画し,運営する能力を養う。

5.農業の個人的・社会的な意義を自覚し,これに打ち込む態度を養う。

6.農業や農村生活に喜びや楽しみを感じ,たえずこれを改善しようとする態度を養う。

 なお,農業経済の具体的な到達目標や教育の内容はほとんど全部「総合農業」の欄に出ているので,ここにあげることを省略した。

 

第2.地方の必要に応じた教育課程構成への適用

1.農業経済に関する教育内容のうち,必修の時間に学ぶべきものは「総合農業」の中で指導されるであろうから,農業簿記とか農業政策とかいうような部分を特に多く学ぼうとする者に対し,選択の時間を使って,この科目を独立して指導するがよい。

2.選択の時間などにこの科目を設ける場合には,「総合農業」の具体的な到達目標を参考にするがよい。

3.郷土の社会的・経済的な環境については,社会科と連絡をとって学習することが必要である。

4.農村生活の学習は,農業経営に関係の深いものを主とするがよい。