第6節 農 産 加 工

 

第1.「農産加工」の性格と目標  「農産加工」,は農産物あるいは副産物の利用価値を高めて,農業経済や農村生活を豊かにすることを学ぶ科目であって,その目標を細分すると次のようになる。 1.郷土の自然的・社会的・経済的な環境と農産加工との関係を理解する。

2.農産加工の技術の根拠となる科学的な知識・理解および,これを改善するために必要な知識・理解を養う。

3.農産加工の経営に関する社会的・経済的な知識,理解を養う。

4.農産物の組成や性質に応じて適切な加工をし,商品化する技能を養う。

5.農産加工を織り込んだ農業の経営を計画し,これを実施する能力を養う。

6.食用農産物を合理的に貯蔵する能力を養う。

7.農産物の用について創意くふうする態度を養う。

 なお,「農産加工」の具体的な到達目標や教育の内容はほとんど全部「総合農業」の欄に出ているので,ここにかかげることを省略した。

 

第2.地方の必要に応じた教育課程構成への適用

1.農産加工に関する教育内容のうち,必修の時間に学ぶべきものは,原則として「総合農業」にまとめて他の教育内容と一体として指導し,選択の時間などに学ぶべきことはこの科目で独立に指導するがよい。

2.選択の時間などにこの科目を設ける場合には,「総合農業」の具体的な到達目標の中の「農産加工に関するもの」,「経営に関するもの」などを参考にするがよい。

3.農産加工は耕種・畜産や農業経済などと離れて成立しないのであるから,選択の時間などに「農産加工」を独立させて指導する場合にも,これらの諸科目とじゅうぶんに関連を保って教育内容を選択して指導しなければならない。