第4節 畜  産

 

第1.「畜産」の性格と目標  「畜産」は,複雑な自然的・社会的・経済的条件の中で営まれる農業経営に,どのような家畜を,どのようにとり入れ,どのように飼育するかを学ぶ科目であって,その目標を細分すると次のようになる。 1.自然的・社会的・経済的環境と畜産との関係を理解する。

2.家畜の飼育技術の根拠となる科学的な知識・理解および,これを改善するために必要な知識・理解を養う。

3.畜産の経営や畜産物の市場についての社会的・経済的な知識・理解を養う。

4.家畜の繁殖・育成,飼養管理,病気の予防・治療,鑑定審査・畜産物販売についての技能を養う。

5.畜産をとり入れた農業を,みずら計画し実行する能力を養う。

6.畜産に関する職業を選択する能力を養う。

7.畜産の個人的・社会的意義を自覚し,これに打ち込む態度を養う。

8.畜産の技術や経営を改善しようとして,くふうする態度を養う。

9.農業・農村生活に喜びや楽しみを感じ,家畜を愛する態度を養う。

 なお「畜産」の具体的な到達目標や教育内容はほとんど全部「総合農業」の欄に出ているので,ここにあげることを省略した。

 

第2.地方の必要に応じた教育課程構成への適用

1.畜産に関する学習内容のうち,必修の時間に学ぶべきものは,「総合農業」にまとめて他の教育内容と一体として指導し,選択の時間に学ぶべきものはこの科目で独立に指導するがよいであろう。

2.選択の時間などに,畜産として指導する場合は,「総合農業」の具体的な到達目標の「畜産に関するもの」,「経営に関するもの」などやその他の欄を参考にするがよい。