第3節 園  芸

 

第1.「園芸」の性格と目標  「園芸」は,耕種の一部ともみることができるが,そのうち特に高度の技術を必要とする園芸作物の栽培を耕種から独立させて指導しようとする科目であって,その目標を細分すると次のようになる。 1.郷土の自然的・社会的・経済的環境と園芸との関係を理解する。

2.園芸作物の栽培技術の根拠となる科学的な知識・理解および,これを改善するに必要な知識・理解を養う。

3.園芸の経営や園芸生産物の市場についての社会的・経済的な知識・理解を養う。

4.環境を高度に利用し,めんみつな栽培操作を行って園芸作物の望ましい性質をじゅうぶんに伸ばし,一般の栽培よりもいっそう高度な生産力を上げる技能を養う。

5.特に質のよいものを生産したり,栽培の困難な時期に生産したりするために,適当な設備をして環境を調節する技能を養う。

6.文化的な社会の必要に応じたよい園芸生産物を得るために,園共作物の種類や品種を選び,めんみつな栽培操作を行って集約的な経営を行う能力を養う。

7.社会の必要を見きわめ,積極的にくふうして機敏にこれに応じる態度を養う。

8.作物を愛育する態度を養う。

 なお,「園芸」の具体的な到達目標や教育内容は,ほとんど全部「総合農業」の欄に出ているので,ここにあげることを省略した。

 

第2.地方の必要に応じた教育課程構成への適用

1.園芸に関する教育内容のうち,必修の時間に学ぶべきものは原則として「総合農業」で他の教育内容と一体として指導し,選択の時間などに指導すべきものは,「園芸」として独立に指導するがよい。

 選択の時間などにこの科目を設ける場合には,「総合農業」の具体的な到達目標の中の「耕種に関するもの」のほか,「経営に関するもの」などの欄を参考にするがよい。

2.この科目は「耕種」とはっきり分けることができないものであるから,必要に応じ,耕種の内容をこの科目にとり入れて指導してもよい。