第2節 耕  種

 

第1.「耕種」の性格と目標  「耕種」は,作物の性状とこれに関する環境要素すなわち土・肥料・気候・病気・害虫などの有機的な関係を理解して,複雑な社会的・経済的条件の中で営まれる農業経営にどのような作物をとり入れ,どのように栽培するかということを学ぼうとするものであって,その目標を細分すると次のようになる。 1.郷士の自然的環境や社会的,経済的環境と作物の栽培との関係を理解する。

2.栽培技術の根拠となる科学的な知識・理解および,これを改善するために必要な知識・理解を養う。

3.作物の栽培と労力,耕地および資本財との関係を理解する。

4.作物の能率的な作付を計画し,実行する能力を養う。

5.環境に応じた作物の栽培技術に習熟する。

6.作物を愛育し,その栽培を通じて農業経営を改善する熱意を養う。

 なお「耕種」の具体的な到達目標や教育内容は,ほとんど全部「総合農業」の欄に出ているのでここにあげることを省略した。

 

第2.方の必要に応じた教育課程構成への適応

1.耕種の学習内容のうち,必修の時間に学ぶべきものは「総合農業」にまとめて他の学習内容と一体として指導し,選択の時間などに学ぶべきことは「耕種」として独立に指導するがよいであろう。

2.選択の時間などにこの科目を設ける場合には,「総合農業」の具体的な到達目標の「耕種に関するもの」,「経営に関するもの」などや,その他の欄を参考にするがよい。