第12節 林 産 加 工

 

第1.「林産加工」の性質と目標  「林産加工」は,木材の合理的な利用法および森林副産物の能率的生産ならびに合理的な利用法を学ぶ科目であって,その目標を細分すると次のようになる。 1.木材の性質をよく理解して合理的に利用し,加工する能力を養う。

2.森林植物の特殊成分を能率的に採取し,合理的に利用する能力を養う。

3.森林副産物(たとえば,きのこなど)を能率的に生産する能力を養う。

4.自然物をむだなく科学的に利用する態度を養う。

 

第2.「林産加工」の具体的な到達目標

〔技  能〕
〔一般的な知識・理解〕
 (木材の理学および化学)

1.重要な木材の識別ができること。

2.木材の比重・含水率・膨脹・収縮の測定ができること。

 

1.木の種類によって,その材の構造や物理的・化学的性質が違い,それぞれの適当な用途がある。

2.防腐その他いろいろな木材保存法がある。

 (木材加工)

3.簡単な方法で,木材の製材・乾燥・工作ができること。

4.木材を接着してその接着ぐあいの検査ができること。

5.竹工ができること。

 

3.木材を乾燥するには,いろいろな方法がある。

4.木材を製材加工するには,構造や働きの違う製材機械や木工機械がある。

5.木材の加工方法には,切削・接着・くぎ付などによる結合や曲木などがある。

6.いろいろな物理的・化学的処理によって,合板・積層木材・圧縮材・注入材・繊維板などをつくって木材の性質を改良し,用途を広くすることができる。

 (林産製造)

6.炭がまを築いて炭を焼くことができることおよび,木材の乾留による生産物の採取ができること。

7.木炭の良否の鑑別ができること。

8.オートクレープなどを使って簡易ソーダパルプの製造ができること。

9.和紙をすくことができること。

10.テックスの製造ができること。

11.いろいろな林産油脂・樹脂・精油・タンニンなどの採取ができること。

12.食用きのこの栽培ができること。

 

7.木材は,焼いたり熱によって分解したりするといろいろな物質となる。また,炭焼きにはいろいろな方法がある。

8.木炭にはいろいろな性質があり,品質も違う。そして,それぞれに応ずる使い方がある。

9.木材パルプの製造法には,材料の種類・性質,製品の用途,施設の規模などによっていろいろな方法がある。

10.和紙の原料としていろいろな林産繊維が使われる。

ll.森林内には,いろいろな油脂・樹脂・精油,タンニンなどの原料がとれる植物がある。

12.森林内には,食用きのこ・有毒きのこや,木材を腐朽させるきのこなどいろいろなきのこの種類がある。

 

第3.「林産加工」の教育内容  木材の識別,木材の比重・含水率・膨脹・収縮の測定,木材の強さ・硬さ,木材の化学的性質,木材の防腐防虫,耐火木材,木材の乾燥,木材および竹材の工作,塗装と接着,べニヤおよび合板の製造,積層木材・圧縮材・注入材などの製造工場の見学,簡易な製材および製材工場見学,テックスの製造と硬質繊維板の製造工場の見学,炭がまの築き方,炭の焼き方,炭の性質および使い方,木材の乾留,木材パルプの製造と製紙,製紙工場と人造繊維工場の見学,木材の糖化および家畜飼料の製造,松脂(やに)と漆の採集,木ろうと桐油の採集,松根油・針葉油の採集,タンニンの採集,しいたけ菌のおがくず培養,しいたけ接種とほだ木の処理,ひらたけ・なめこ・えのきたけの培養,まつたけの増殖。

 

第4.地方の必要に応じた教育課程構成への適用

1.化学的・物理的知識を応用して各種林産物の用途が新しく開け,また加工法もたえず進歩するから,「化学」,「物理」などの諸科目との関連を考慮して理解させること。

2.できるだけ機会をとらえて,研究所や工場における実習あるいは見学をさせること。