第1節 総 合 農 業
第1.「総合農業」の性格
(1) 「総合農業」は,その土地の将来のよい自営農民になるために必要な農業に関する教育の内容を,一つの体系にまとめて学習するものである。
(2) 「総合農業」の教育内容は,地域社会の必要や生徒の必要によって特色をもつ。したがって「総合農業」は,その強調する部分の違いによって,それぞれ農業課程・園芸課程・畜産課程・農林課程などのような特色をもった課程を構成することができる。
(3) 「総合農業」の学習においては教師の指導のもとに生徒みずから行うホームプロジェクト(家庭実習)が学習の大きな原動力になる。
(4) 「総合農業」の学習は,学校農業クラブの活動によって円滑に進められる。
(5) 「総合農業」は,自営農民になる者の学習に適するばかりでなく,初級の技術者になる者にも適する。
第2.「総合農業」の目標
(1) 自分の家と郷土の自然的・社会的・経済的環境と農業生産・農業経営との関係を理解する。
(2) 環境に応じてみずから農業を計画し,実行する能力を養う。
(3) よい農産物を能率的に生産する技術的な能力を養う。
(4) 農産物を正しく,しかも有利に販売する能力を養う。
(5) 土地および労働力に対して,生産性の高い農業を経営する能力を養う。
(6) 土地およびその他の天然資源を保持し,進んでよい環境をつくる能力を養う。
(7) 農業経営に有利な社会的・経済的環境を維持し,進んでいっそうよい環境をつくる能力を養う。
(8) 自分の家や郷土の農業の実態を理解し,進んでこれを改良しようとする態度を養う。
(9) 農業の個人的・社会的な意義を自覚し,これに打ち込む態度を養う。
(10) 農村および農村生活に喜びや楽しみを感じ,作物・家畜を愛育する態度を養う。
以上の目標を完全に達成するためには,中学校における職業・家庭科の学習の基礎の上に,高等学校において必修として36単位以上「総合農業」の学習を行い,選択教科としても相当程度農業に関する科目を選び,さらに卒業後もその学習を続けなければならない。
第3.「総合農業」の具体的な到達目標
「総合農業」の教育目標のところで述べたような目標を達成させるためには,まず,到達すべき具体的な目標を決めておいて,それを一つ一つ達成させていくようにする必要がある。各学校のいろいろな課程においてとり上げられると予想されるものを,一応全分野にわたってあげてみると次のようになる。このほかにも「総合農業」の具体的な到達目標としてとり上げるべきものも少なくないであろう。
したがって,各学校において,ある課程の具体的な到達目標を決めるには,地域社会の実情を調べて,次にあげたものの中から必要なものをとり上げ,足りないものはさらに加えるべきである。
次に,これらの具体的な到達目標の中には,1年間で到達できるものもあるであろうし,2年ないし3年間かからなければ到達できないものもあろう。したがって,各学年の到達目標を決めるには,これを最も適当な学年だけに掲げるものもあるし,さらに中間目標を決めて一歩一歩この目標に近寄り,最後にこれを達成するように計画するものもあるであろう。
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(作物の性質) |
1.作物の発育状態は土地の肥沃(ひよく)度や施肥量によって違う。 2.作物の地上部を発育させるには地下部を発育させねばならない。 3.いもや根などの地下部を肥大させるには,地上部の発育を調節する必要がある。 4.作物の地下部がよく発育するには,そのまわりに空気がいるが,じゃがいも・さつまいものように地下部の肥大を必要とするものには,特にたくさんの空気がいる。 5.作物の花芽の分化や発育は,生育中の温度や日の長さに影響される。 6.作物のうちには,その生育中に一定期間低温に合わなければ成熟しないものがある。 7.くだものの発育は,栄養生長と生殖生長とが調和してはじめてうまく行われる。 8.切り花をするには,水揚げのよいことが必要である。 9.くだものや野菜には,受精しなくても果実が発育するものと,受精しなければ発育しないか,発育のよくないものもある。 10.園芸作物は,自然環境や栽培条件のわずかな変化によっても,収量・品質に大きな違いを生ずる。 |
(作物の種類・品種の選択)
1.郷土の普通の作物のおもな品種および新しい品種の鑑定ができること。 2.郷土にある,おもな工芸作物・果樹・草花などのおもな種類・品種および,新しい種類・品種の鑑定ができること。 |
11.果樹は環境の差によって栽培の分布が決まるが,野菜はさほどでない。 12.ある土地に適する作物の種類・品質は,その土地の栽培環境・輪作関係・栽培目的・栽培方法によって違う。 13.作物の種類・品種の感温性・感光性によって種まきや植付の時期が違い,また栽培適地も異なる。 14.緑肥作物をとり入れた輪作をくふうして,土地の肥沃度を高めることができる。 15.作物の種類によって単位面積あたり,あるいは一定期間あたりの熱量生産量が違う。 16.輸出作物の栽培は,貿易事情に左右される。 17.環境や労力の分配などを考えて果樹・野菜や雑穀などをとり入れることは,農業経営を有利にする上にたいせつなことである。 18.果樹を専業的に栽培するには,特に労力の分配,技能の向上が必要である。 |
(栽培管理)
3.草花や花木の開花期や休眠期間を調節することができること。 4.じゃがいもの芽出しができること。 5.わらがこい,木わくなどの温床がつくれること。 6.よく発熱するように温床をつくることができること。 7.電熱温床の計画や実施が完全にできること。 8.温床の日々の管理がうまくできること。 9.苗床や鉢物(はちもの)に,うまくかん水することができること。 10.種の塩水選ができること。 ll.果樹・草花などの,さし木・さし芽・つぎ木・とり木ができること。 12.草花のかいわれ葉や本葉などによって,目的とする苗の良否を見分けることができること。 13.苗木の良否の鑑定ができること。 14.苗の良否や品種の鑑定ができること。 15.誘引や芽摘みによって,園芸作物の生育を調節することができること。 16.郷土にあるおもな果樹の整枝や,せん定ができること。 17.庭木の簡単な整枝や,せん定ができること。 18.苗の植付や植え方がうまくできること。 19.果菜類の仕立方が自由にできること。 20.すいか・かぼちゃ・なす・トマトなどの人工授粉がうまくできること。 21.野菜の軟化栽培ができること。 22.洋らんの無菌繁殖などができること。 23.こまかな種をじょうずにまき,よく発芽させることができること。 24.くわ・かまなどの人力農具を,作業に応じてらくに調子よく使いこなせること。 25.畜力で平起しし,うねたてがうまくできること。 26.すき,砕土機・カルチベーターなどが使いこなせること。 27.畜力で田の草とりができること。 28.温室の暖房と保温ができること。 29.郷土にあるおもな作物の収穫物の品質の鑑定ができること。 |
19.作物には,生産の時期を変えると市場価値の高まるものがある。 20.作物の中には,栽培法をくふうして生産の時期を変えることのできるものがある。 21.花や野菜を普通と違った時期に生産するには,特別の手入れや,資材や技術を必要とする。 22.作物は,種の貯蔵のしかたや貯蔵の期間によって,発芽や生育の状態が違う。 23.種まき前に種を処理することによって,発芽や生育を促すことが,できる。 24.充実して栄養に富んでいる種からは強い芽が出る。 25.作物の中には,栄養体の一部を繁殖に供するものと,種を使うものとがある。 26.苗の良否には,苗床の地温・水温・日照,有機物の使用量,苗の疎密,草とり・病気・害虫などが影響する。 27.栽培の様式を変えることによって,必要な労力の量や時期を変えることができる。 28.質のよい収穫物をたくさんとり入れるには,均等な発育が必要である。 29.適当な種まき・植付の密度は,気温や土の肥沃度,施肥量,植付の早晩,品種の特性・用途などによって違う。 30.花芽の分化や結実の行われるころの水分・養分・日照・手入れの良否などは,作物の収量に大きな影響を与える。 31.せん定・摘果などの手入れは,木の状態によって違う。 32.作物の収穫の時期は,収量や品質に大きな影響を与える。 |
(収穫・貯蔵・荷造り・輸送)
30.作物の収穫期を見分けることができること。 31.郷土のおもな作物の収穫をすることができること。 32.穀類・豆類や草花の種の燻蒸(くんじょう)がうまくできること。 33.いも類・野菜類・球根類の貯蔵ができること。 34.農産物の荷造り・輸送ができること。 35.花を飾ることができること。 |
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(作物の保護)
36.作物のおもな害虫10種以上を見分けることができること。 37.作物のおもな病気10種以上を見分けることができること。 38.郷土のおもな作物の病気と害虫について防除暦ができること。 39.おもな殺菌殺虫剤を適当に使用できること。 40.種ものの薬剤消毒ができること。 41.種ものの温湯消毒ができること。 42.顕微鏡の操作ができること。 |
33.栽培の時期を変えることによって病虫害を避けることができる。 34.病気や害虫に対する抵抗力は品種によって違う。 35.散布する薬剤の調合割合は作物の種類,発育時期・栽培環境などによって違う。 36.同じ作物でも温室や温床で栽培する場合には,特別の病気や害虫が発生することが多い。 37.殺虫剤の効果は,害虫の形態・習性や薬剤に対する抵抗力によって違う。 38.農業薬剤の中には,混ぜ合わせると効果を減じたり,薬害を起したりするものがある。 39.薬剤使用の時期は,効果・薬害などに大きな影響をもつ。 40.作物の病気は,虫やきずによってひろがる場合もある。 41.冬越しする病菌や虫を駆除することは害虫を防ぐ効果が大きい。 42.病原菌や害虫卵などは種ものについてひろがることがある。 43.病気や害虫の発生は,気象などの条件によって消長する。 44.病気や害虫の発生を予察することによって,予防や駆除を効果的に行うことができる。 45.雑草の種類や生育のしかたは,土地や季節によって違う。 46.薬剤を使って雑草を駆除する場合がある。 47.作物の冬越しの難易は,その含糖量に影響される。 48.くだものの落ちるのは,天候・栄養状態などの不調和による場合と病気や害虫による場合とがある。 |
(土)
43.土性・土層の見分けがつくこと。 44.土の酸性の度合の測定と石灰の必要量の算出ができること。 |
49.土の酸性の程度は,作物の発育や病害と深い関係がある。 50.土の性質は,母岩・気候およびその土のできかたによって違い,管理,施す肥科の種類や量・栽培作物の種類によって変化する。 51.作物の生育には,作り土の性質や深さだけでなく下層土の状態も影響する。 52.気候に応じてそれぞれ決まった型の土ができ,それぞれに適する作物がある。 53.土の水に対する性質は土の種類によって違う。 54.土の中の肥料成分の動きには,にかわ質物の性質が大きく影響する。 55.土の中の肥料成分は,環境の影響を受けて作物の利用できるかたちになったり,利用できないかたちになったりする。 56.土の肥沃度と微生物の作用とには,きわめて密接な関係があり,発育しうる条件をそなえている。 57.土の中における有機物の分解や,腐植のできるようすは微生物の種類によって違う。 58.土の中における窒素化合物の形態の変化には微生物が関与する。 59.畑と水田とでは繁殖する微生物の種類や働き方が違う。 60.水をはった水田では,土層が酸化層と還元層とに分れる。 61.土の乾燥や加熱は土の中の窒素その他の肥料成分を有効にする。 62.土をかわかしたときにでてくるアンモニア態窒素は,ききめが高い。 63.水稲が健全な生育をするには,土の中の鉄の働きが大きい。 64.土の中にマンガンなどの微量要素が欠乏すると,作物の生育が悪くなることがある。 |
(肥 料)
45.根粒菌の接種ができること。 46.おもな化学肥料の鑑定ができること。 47.緑肥の生産量の目安がつくこと。 48.材料に応じてよいつみ肥をつくることができること。 49.つみ肥・下肥などの量の目安がつくこと。 50.下肥を衛生的・効果的に使うことができること。 51.土の種類と三要素欠乏の程度を知ることができること。 52.穂肥の要否と時期を決めることができること。 |
65.肥料の種類は収穫物の品質に大きな影響を与える。 66.肥料の三要素は,作物の生育にそれぞれ独得の影響を与える。 67.肥料成分の作物に吸収される割合は,肥料の種類,使い方,土の状態,作物の種類等によって違う。 68.合理的な施肥を行うには,各種肥料の主成分の含有量や形態を知る必要がある。 69.肥料の性質はその含んでいる三要素の形態によって違い,それぞれ適した使い方がある。 70.有機質肥料の分解には,その中に含まれる炭素と窒素の割合や分解時の反応・通気などが影響する。 71.窒素質肥料は酸化層と還元層の中で,それぞれ違った変化をする。 72.水田に元肥として窒素肥料を施すとき,深肥にすると成分の損失を防ぐことができる。 73.速効性窒素肥料を有効に使うには,適当に分けて施すのがよい。 74.石灰窒素を有効に使うには特殊なくふうがいる。 75.畑地においては,土の反応を直しておくと,過りん酸石灰の肥効が高まる。 76.飼料として価値あるものを直接に肥料として使うよりも,家畜に与えてそのふん尿を利用したほうがよいことが多い。 77.下肥や家畜の尿は,貯蔵のしかたによって成分の損失の程度が違う。 78.つみ肥・うまや肥のつくり方や管理法は,その品質に関係する。 79.緑肥作物は根粒菌を接種するとよくできる。 80.緑肥を使う場合には施肥量と使用法に注意しなければならない。 81.適切な施肥量と施肥法は,土地のようすと作物の種類によって違う。 |
(品種改良)
53.な・だいこんが,他の品種と雑種した個体の見分けがつき,間引きがじょうずにできること。 54.野菜などの種とり用の母本の選択ができること。 55.一代雑種がじょうずにつくれること。 |
82.作物の形質には遺伝するものとしないものとがある。 83.よい遺伝質をもっている種からはよい作物が得られる。 84.品種の改良は生産力に大きな影響を及ぼしている。 85.品種改良には遺伝の法則が大へん役だっている。 86.品種改良には,系統淘汰(とうた)を行う場合,雑種や倍数性や突然変異を利用して新しい品種をつくる場合がある。 87.他花受粉をするものと自花受粉するものとによって種のとり方が違う。 88.一代雑種には生育が盛んで生産力の高いものがある。 89.同じ系統の団体のみでくり返して種をとれば,品質や収量が落ちるものがある。 90.主要作物の品種改良は国や地方の試験場などで行われているが,特殊なものは民間でも行われている。 91.よい種を能率よくとるには,よい採種組織をつくる必要がある。 92.よい種苗を供給するため品種の登録の制度が設けられている。 |
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(品種と規模の選択)
1.家畜のおもな品種の見分けがつくこと。 2.飼育する土地・目的,品種の特徴などから,とり入れる家畜の品種および頭羽数を決めることができること。 |
1.飼育する家畜の種類・品種は,気候・土地・用途などによって決まる。 2.飼育する家畜の頭羽数は,農地の大きさ,飼料の見通し,労力・販路,飼育者の能力などによって決まる。 |
(購 入)
3.家畜の個体について審査ができること。 4.家畜の健否の見分けがつくこと。 5.外形・歯牙(しが)などから年齢の鑑定ができること。 6.血統書がつくれること。 7.家畜の輸送ができること。 |
3.信用ある家畜販売者からよい家畜を買うことができる。 4.家畜の血統から,ある程度までその能力を判断することができる。 5.審査によってよい家畜を選ぶことができる。 6.正確な年齢の鑑定は,不正な売買と無益な損失を防ぐことができる。 7.輸送方法の適否は家畜の消耗に関係する。 |
(繁 殖)
8.家畜の繁殖計画ができること。 9.徴候によって発情の鑑定ができること。 10.家畜の交配ができること。 11.家畜の簡単な人工受精ができること。 12.妊娠の鑑定ができること。 13.妊娠中の管理ができること。 14.家畜の出産の手当ができること。 15.種卵をとることができること。 16.人工および母鶏による,ふ化ができること。 |
8.すぐれた種畜からはよい子孫が得られる。 9.交配する時期は,乳・肉などの販売,育成の時期,子畜生産の目的などから決まる。 10.受胎率は発情期間中の時期によって違う。 11.妊娠中の管理は,流産や出産の難易に関係する。 12.分べんの前後には特別な注意がいる。 |
(育 成)
17.生後の日数に応じて,ほ乳,離乳ができること。 18.人工ほ乳ができること。 19.幼畜の育成ができること。 20.にわとりやあひるの育すうができること。 21.子畜の淘汰(とうた)・選別ができること。 22.雌雄鑑別ができること。 |
13.ほ乳する子の数は,親の,ほ乳能力と乳の出ぐあいによって決まる。 14.親のほ乳力以上の子は淘汰するもよいが,人工ほ乳することによって有利に育成することもできる。 15.離乳の時期は,親の栄養と子の発育の状態によって決まる。 16.子畜育成の適否は,将来の能力発揮に影響する。 |
(飼 養)
23.飼料標準によって飼料の給与計画ができること。 24.家畜の1日分の飼料の量を決めることができること。 25.おもな飼料用の野草の見分けがつくこと。 26.乾草やサイレージをうまくつくることができること。 27.飼料の貯蔵ができること。 28.飼箱や給餌(きゅうじ)器の設計ができること。 |
17.家畜の種類・用途・能力によって与えるべき栄養の量や質が違う。 18.飼料標準によって飼料を配合することは,栄養の効率を高める上に役だつ。 19.粗飼料と濃厚飼料の配合の割合は,経営の所得に関係する。 20.飼箱や給餌器構造は,食べることの難易や飼料を利用する割合に関係する。 21.飼料は,乾燥したり,サイロにつめたりして貯蔵することができる。 22.輪作によって飼料の自給の程度を高めることができる。 |
(管 理)
29.畜舎や舎内設備の設計が,環境や用途に応じてできること。 30.畜舎の整理や清掃が能率よくできること。 31.家畜の標識や鼻環をつけることができること。 32.家畜のと殺・解体ができること。 33.乳をしぼることができること。 34.ぶたやひつじなどの去勢ができること。 35.家畜の肥育ができること。 |
23.畜舎の構造や設備および管理は,家畜の健康,管理の能率に関係する。 24.畜舎を清潔にし,個体の手入れをよくすることは病気を予防し,能力をじゅうぶんに発揮させるのに役だつ。 25.じゅうぶんな運動や放牧は家畜を強健にする。 26.おすは,去勢すると性質が温和になり,肉の質もよくなる。 27.家畜を肥育すると良質の肉が多く得られる。 |
(疾 病)
36.家畜の病気が早めに発見できること。 37.簡単な,かん腸または投薬・注射などの治療ができること。 38.畜舎や家畜の消毒ができること。 39.伝染病にかかった家畜の処置ができること。 |
28.家畜の病気には予防がいちばんたいせつである。 29.病気にかかったらなるべく早めに手当をすると回復を容易にする。 30.適切な消毒と予防注射は伝染病を防ぐのに役だつ。 31.なおる見込のない病気にかかった家畜は,適当な時期にと殺することによって損失を最小限にくいとめることができる。 32.伝染病にかかった家畜の処置を誤ると病気がひろがる。 |
(畜力利用)
40.家畜の調教ができること。 41.役畜に装具をつけることができること。 42.家畜を使って,打起し・中うち・草とりなどができること。 43.駄載(ださい)や牛馬車によって運搬ができること。 |
33.畜力利用の効果は,調教や管理の良否などによって決まる。 34.畜力利用の能率は,地勢・土質,使用する農機具の種類,役用のしかたなどによって決まる。 35.正しく装具をつけることによって,家畜の疲労を少なくし,危害を防止する。 36.規則的な使役と,適時の休息は家畜の消耗を少なくする。 |
(うまや肥)
44.うまや肥やつみ肥を効果的に作れること。 |
37.うまや肥の生産量は,家畜の種類・大小および敷わらの量などによって決まる。 38.うまや肥の肥料成分は,その取扱によっても異なる。 |
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(くわの栽培)
1.郷土に適したくわの品種を決めうること。 2.くわの各種の仕立方ができること。 3.くわの10aあたりの収量が測定できること。 4.くわの全芽育成ができること。 5.くわの苗木をいろいろな方法で育成できること。 6.くわ苗の検査ができること。 7.桑園の施肥量が,算出できること。 8.くわのいろいろな病気や虫の予防・駆除ができること。 |
1.くわは,品種によって葉質・収穫量等の性状や用途が違う。 2.くわは,その品種によって栽培法が違う。 3.くわの仕立方は,気候・収穫法などによって違う。 4.くわは,肥料のやり方,手入れのしかたによってその発育・収量に大きな差ができる。 5.くわの苗木のとり方(繁殖法)は,その気候・土質・品種によって違う。 6.くわの病気や害虫にはいろいろな種類があり,それぞれ適当な予防駆除対策がある。 |
(養 蚕)
9.蚕種の催青ができること。 10.蚕室・蚕具をいろいろな方法で消毒できること。 ll.蟻(ぎ)量1gに要する桑園の面積,蚕室・蚕具の数量が計算できること。 12.くわの発育程度,気候状態などによって掃立時期を決定しうること。 13.各齢に適したくわの選定ができること。 14.春蚕のいろいろな飼育法ができること。 15.夏秋蚕のいろいろな飼育法ができること。 16.繭の鑑定ができること。 |
7.蚕種の催青法は,蚕の健康と収繭量に大きな影響がある。 8.蚕室の位置・構造と蚕具の適否とは,蚕の発育と飼育労力とに大きな影響がある。 9.くわの葉質の適否は直ちに蚕の発育の良否と,繭質・糸質の優劣に影響する。 10.かいこにはいろいろな種類があって,それぞれ発育経過や繭の品質が違う。 11.かいこの品種は,遺伝の法則を応用して新しい形質のものをつくることができる。 12.掃立の時期・方法は,その後のかいこの発育に影響する。 13.かいこの飼育法は稚蚕と壮蚕とで大へん違う。 14.かいこの飼育法は,飼育室の温湿度や給桑のしかた,飼育装置などによって違う。 15.上簇(じょうぞく)法と簇の中の保護は,繭の質,糸の質に大きな影響がある。 16.原蚕を飼育するには,かいこの強健と微粒子病の予防・駆除に重きを置く必要がある。 17.かいこにはいろいろな病気があって,それぞれ適当な予防・駆除対策がある。 |
(蚕 種)
17.蚕種の蚕病の予防・駆除ができること。 18.蚕の雌雄鑑別ができること。 19.各種の蚕種製造ができること。 20.蚕種の病毒検査ができること。 21.蚕種の保護・冷蔵ができること。 22.蚕種の人工ふ化ができること。 |
18.蚕種製造には,用途によって,わく製・平付・ばら種などのいろいろな様式がある。 19.蚕種の保護・取扱は,かいこの健康と収繭量とに大きな影響がある。 |
(製 糸)
23.製糸および生糸の取扱ができること。 |
20.原料の適否は繰糸の能率および生糸の品質に大きな影響がある。 21.製糸法は繰糸機械や繭の煮方などによって種々の方法がある。 |
(副産物利用)
24.飼育量による蚕沙(さんさ)の量の計算ができること。 25.真綿その他の蚕糸の副産物の加工ができること。 |
22.さなぎ・蚕沙(さんさ),くわの皮,残桑,くず繭・くず糸などは,蚕業の副産物として有効に利用される。 |
(経 営)
26.繭の生産費を算出しうること。 27.繭の掛目を算出して1貫目の価格を決めることができること。 28.養蚕協同組合の運営ができること。 |
23.養蚕・製糸は,貿易収支の面からも国民の衣料や農業経営の面からも重要な役目をする。 |
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(一 般)
1.郷土における農産加工の生産計画を立てることができること。 2.農産加工場の建物・設備の設計ができること。 3.各種の加工用機械の取扱と分解・組立ができること。 4.製品の原価計算ができること。 5.製品の品位鑑定ができること。 6.製品の包装・荷造りができる。 |
1.農産物加工をとり入れることによって,農業経営を有利にし,農村生活を豊かにすることができる場合が多い。 2.農産加工事業の規模は,原料の供給・設備・労力,製品の販路などによって違う。 3.農産加工は協同組合で行うのが有利な場合が多い。 |
(食用作物の加工)
7.原料の品質の鑑別ができること。 8.麦芽をつくることができること。 9.水あめ・甘酒の糖化の程度が測定できること。 10.微生物の検鏡と培養ができること。 11.発酵中のパン生地(きじ)の手入れができること。 12.こうじの手入れができること。 13.みそ・しょう油の製造諸原料の配合ができること。 14.とうふ・こんにゃくの凝固剤の添加量を決めることができること。 |
4.めん類に食塩を加えると粘りが強くなる。 5.パンは,アルコール発酵やふくらし粉から出る炭酸ガスの作用でふくれる。 6.大麦は,適度の温度・水分・酸素を与えると発芽して麦芽になる。 7.水あめや甘酒の糖化の程度は殿粉のヨード反応で調べられる。 8.よいこうじや酵母を使わなければ,よい製品はできない。 9.こうじができるには,適度の温度・湿度と,じゅうぶんな酸素が必要である。 10.こうじや麦芽の酵素は,殿粉を分解して糖分にする。 ll.水あめは,酸で分解してつくることができる。 12.みその熟成期間は,使う食塩やこうじの量に影響される。 13.たんぱく質を酸で分解して,しょう油を速く作ることができる。 14.だいずのたんぱく質は,塩化マグネシウムなどで固まる。 |
(園芸作物の加工)
15.乾燥果実の硫黄燻蒸(いおうくんじょう)ができること。 16.簡単な火力乾燥器の設計ができること。 17.かんづめやびんづめの密封や殺菌ができること。 18.ゼリーポイントを決めることができること。 19.つけ物原料の配合ができること。 20.果汁(かじゅう)の清澄ができること。 21.かきの脱渋ができること。 22.生野菜・果実の保存ができること。 |
15.乾燥果実をつくるには,硫黄燻蒸をするとよい製品をつくることができる。 16.野菜や果実の乾燥速度は,温度・湿度・風速,原料の処理法などに影響される。 17.かんづめやびんづめの密封の原理。 18.びんづめの加熱殺菌の温度と時間は,原料の種類,容器の大小,注加液の濃度,水素イオンの濃度,内容固形量などによって決まる。 19.ゼリーポイントの決定には各種の方法がある。 20.つけ物はいろいろな条件によってつかる速さが違う。 21.清澄法にはそれぞれ長所短所がある。 22.かきの脱渋は湯・アルコール・炭酸ガスなどで行われる。 23.埋蔵・冷蔵・ガス貯蔵などによって果実・野菜を生のまま貯蔵することができる。 |
(畜産物の加工)
23.生乳の品質の鑑定ができること。 24.セパレーターを用いてクリームの分離ができること。 25.攪拌(かくはん)の終期を決めることができること。 26.ウォーキングが能率的にできること。 27.クリームの酸度の測定ができること。 28.小家畜の,と殺・解体ができること。 29.豚肉の浸漬(しんせき)液を調製できること。 30.豚肉の燻煙(くんえん)ができること。 31.乳酸発酵中の管理ができること。 |
24.牛乳は,バター・チーズ・コンデンスミルク・粉乳・カセイン・乳糖・乳酸飲料などに加工される。 25.牛乳の脂肪は遠心力によって分離することができる。 26.クリーム脂肪球の凝集は,攪拌器の回転速度と温度とに影響されることが多い。 27.ウォーキングは,バターの色沢・風味・組織・保存性などに関係する重要な作業である。 28.クリームの発酵は人工法による方が安全で,よい製品が得られる。 29.豚肉は,塩づけすることによって風味をよくし,保存性を高める。 30.豚肉は,燻煙することによってその成分が変化する。 |
(工芸作物の加工)
32.茶の蒸葉ができること。 33.茶の手もみができること。 34.製茶用各種の機械の取扱ができること。 35.紅茶の発酵中の手入れができること。 36.たばこの乾燥と,発酵度に応じて適当な手入れができること。 37.搾油機の取扱ができること。 38.植物繊維の調製ができること。 |
31.蒸葉の目的。 32.茶もみは,茶葉の乾燥に応じて行わなければならない。 33.たばこの芳香と風味は発酵によって生ずる。 34.採油の圧搾法・浸出法・溶出法には,それぞれ長所短所がある。 35.繊維作物の収穫期の適否は製品の品質歩止りに大きく影響する。 36.植物繊維は,種類に応じてそれぞれ適当な調製法がある。 |
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(林業通論) |
1.森林は直接・間接に人生にいろいろ役だっている。 2.農村における林業と農業との間には,森林それ自身およびその生産を通じて相互関係がある(森林は,労力・肥料・飼料・燃料あるいはまた,水源涵養林(かんようりん)・防風林・牧野樹林などとして農業経営に関係することが大きい)。 |
(森林生産)
1.自分の家の林地に適した木を選ぶことができること。 2.郷土において重要な2〜3種の木の苗を育てることができること。 3.苗木の良否を見分け,林地にじょうずに植えつけることができること。 4.下刈り・つる切り・除伐・枝うち・間伐ができること。 5.薪炭林の択伐ができること。 6.郷土におけるおもな林木と下草の種類を見分けることができること。 7.郷土に適した竹,その他の特用樹種の栽培ができること。 |
3.環境要素の影響によって木の育ちのぐあいが違う。 4.森林には,更新のしかたや作業の方法の違ういろいろな型のものがある。 5.農用林はその目的によって木の種類が違う。したがって,いろいろな手入れ保護の方法がある。 6.苗木や林木に対しては,急激なあるいは慢性的な危害があり,それぞれの害に対していろいろな対策がある。 7.竹林の経営その他特用樹種の栽培には,特殊な取扱方が必要である。 |
(森林土木)
8.立木を切って運搬することができること。 9.簡単な砂防工事ができること。 |
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(林産加工)
10.重要な木材の鑑別ができること。 11.簡単な方法で木材の製材・乾燥・工作ができること。 12.食用きのこの栽培ができること。 13.炭がまを築いて炭を焼くことができること。 |
8.木の種類によって,その材の構造や,物理的および化学的性質が違い,それぞれ適当な用途がある。 9.防腐,その他いろいろな木材保存法がある。 10.森林内には,食用きのこ・有毒きのこや,木材を腐朽させるきのこなど,いろいろなきのこの種類がある。 ll.森林内には,油脂・樹脂・精油・タンニン原料などのとれるいろいろな植物がある。 12.和紙の原料として,いろいろな林産繊維が使われる。 13.木炭にはいろいろな性質があり,品質も違う。そうして,それぞれに応じた使い方がある。 |
(林業経済)
14.立木や森林の材積の測定や評価ができること。 |
14.適当な伐期は木の生長やその用途によって違う。 15.国家は法規を設けて森林を保護し,林業の発達をはかっている。 |
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(農業測量)
1.巻尺や間なわを使って田畑の測量ができること。 2.平板を使って農場や部落の測量ができること。 3.コンパスを使って山の測量ができること。 4.目的に応じた勾配(こうばい)をじょうずに設置できること。 5.傾斜地の等高線を速く測ることができること。 6.盛土や切取りの計算ができること。 7.溜池(ためいけ)の貯水量が測定できること。 8.水路の流量を測ることができること。 9.トランシットやレベルを正しく使えること。 10.気象観測用器具の取扱や使用が正しくできること。 |
1.農地の事情によって測量のしかたが違う。 2.平板測量器を使うと簡単にいろいろな測量をすることができる。 3.青写真の色合いは薬の調合によって違う。 4.土地の工作をするには高低測量が基になる。 5.計算尺は土工の計算に便利である。 6.大きい川と小川とでは流れの測り方が違う。 |
(農地の開発と改良)
11.簡単な開墾(かいこん)のだんどりができること。 12.開田の方法の指導ができること。 13.耕作による水食(すいしょく)防止の設計ができること。 14.テラス工作ができること。 15.郷土の気象と地形にかなった防風林の設計ができること。 16.地力の判定ができること。 17.営農の規模に応じた耕地の区画が決定できること。 18.水田の状態に応じた水の分配ができること。 19.交換分合の効果と方法が説明できること。 20.下水をじょうずに処理できること。 21.美しく,しかも能率的に作業のできる,農家の庭の設計ができること。 22.水田の用水量を測定できること。 23.揚水機の大きさが決定できること。 24.畑地かんがいの効果や方法が説明できること。 25.湿地の原因の見分けがつくこと。 26.排水量の計算ができること。 27.簡単な暗渠(あんきょ)排水の設計ができること。 28.目的にかなった客土の選定と土の量の計算ができること。 |
7.開墾工事は,周到な用意とともに開墾後の利益計算がたいせつである。 8.傾斜の度合いにより階段工のしかたが違う。 9.いねの直まき栽培は塩分に対する抵抗が強い。 10.水食は,土性・スロープ・雨量や農耕の方法等によって違う。 11.輪作は水食防上の上に大きな効果がある。 12.傾斜が20゜以上の耕地には階段工を施すがよい。 13.防風林の効果は形によって違う。 14.耕地の大きさや形態は,営農規模・地積経済・用水経済に関係が深い。 15.農地の交換分合には,採草地・水利権・水利施設が含まれる。 16.住居や協同施設の配置は村の近代化に影響を与える。 17.水田の用水量は実測によって知ることができる。 18.機械揚水の電動機には予備の電動機を付属させるのが常である。 19.畑地かんがいは,施設に要する資本と収益との関係で行えない場合が多い。 20.湿地の原因は地形に左右されることが多い。 21.暗渠のやり方は地形によって違う。 22.秋落ち田の客土には山土がよい。 23.客土は2〜3年に分けて行うがよい。 24.毒水は,pH.の測定や作物の状態によってだいたい判定できる。 25.排水することによって地方病地の改良をすることができる。 |
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(わら工)
1.規格に合った,なわをなうことができること。 2.わらや麻で,三つよりのなわをつくることができること。 3.各種のなわの結び方ができること。 4.機械を使って,なわをなうことができること。 5.なわを使って,もっこをつくることができること。 6.こもやむしろや俵をつくることができること。 7.役畜の装具(あんこつを除く)をつくることができること。 8.麦わら真田を編むことができること。 9.かま敷・ひつ入れなどをつくることができること。 10.麻ロープをつくることができること。 |
1.わら工品は農村生活や農業経営から切りはなすことができない。 2.わらの性質は品種によって違う。 3.わらの性質に応じて使いみちをくふうする必要がある。 4.わらの打ち方によってその後の硬化の度合いが違う。 5.わら工品には検査の規格が決まっている。 |
(竹 工)
11.竹の製品に適した材料を選ぶことができること。 12.竹の割り方・へぎ方が自由にできること。 13.いろいろな基礎編みができること。 14.かご・ざる・土みなどをつくることができること。 15.おけ類のたがのかけ替えができること。 16.竹がきがつくれること。 17.竹をじょうずに曲げることができること。 18.簡単な丸竹細工ができること。 |
6.竹の種類・年齢や切り時,貯蔵の良否が製品に関係する。 7.竹工具の種類。 8.竹には,あぶら抜き・着色などの加工法がある。 |
(木 工)
19.木工具を適当に分類し,選択し,使用することができること。 20.かんな や のみなどの研摩や修理や手入れができること。 21.普通の木材の鑑別ができること。 22.砥石(といし)の鑑定ができること。 23.木を切ったり,削ったり,穴を彫ったり,ほぞ,みぞの切り込み・組合せができること。 24.かすがいの打ち方,ボルトの締め方ができること。 25.さしがね・けびき・墨つぼが使えること。 26.かんなの裏出し,のこぎりの目立ができること。 27.木工機械が使えること。 28.研摩盤を使いこなせること。 29.簡単な家具,作業具・小畜舎・簡易温室・フレーム・物置・共同作業場,その他小建築物設備などの製作・修理ができること。 30.かまの柄などをつくることができること。 31.ニスやペンキの塗装ができること。 32.パテが使えること。 33.ガラスを切ることができること。 |
9.木材の特徴・規格。 10.木材の種類・用途。 ll.かすがいやボルトの寸法。 12.さしがねや墨つぼはわが国独特のものであるが,使用になれれば便利である。 13.ガラスの規格。 |
(金 工)
34.針金や板金の簡単な細工ができること。 35.はんだろう付ができること。 36.簡単な火造りができること。 37.ねじ切りができること。 38.鋲(びょう)打ちができること。 39.旋盤・ボール盤などが使えること。 40.金属器具や農具や刃物などの修理・手入れができること。 41.簡単な器具の製作ができること。 42.パイプをうまく曲げることができること。 43.コック・弁の修理,パッキングが完全にできること。 44.やすりや金切りのこぎりがうまく使えること。 |
14.金工の諸材料と,それらの物理的,化学的性質。 15.金工の一般的なものとしては,鍛造・板金・溶接・管工・鋳物などがある。 16.針金や板金の種類と規格。 17.金工材料によって接合方法が違う。 18.はんだは種類によって溶ける温度が違う。 19.火造りには,熱鉄の色によって打ちかげんがわかる。 20.ねじの種類・規格。 21.金工・工作機械の種類とその性能。 22.パイプの規格。 23.コックやパッキングの種類・構造。 24.やすりの種類。 |
(土工・コンクリート工)
45.土のくずれない傾斜面をつくることができること。 46.木材の防腐処理をすることができること。 47.簡単な石積みや石工ができること。 48.壁塗りや,れんが積みができること。 49.セメントその他の材料の見積りができること。 50.足洗い場・フレーム・歩道・床・水溜(みずため)・流しなどの,コンクリートの配合,練合せ・打込み・養生・仕上などをすることができること。 51.型わくの製作をすることができること。 52.コンクリートの修理・手入れができること。 |
25.石積工においては,石材の性質により強度が違う。 26.型わくは,正確・じょうぶで離れやすいようにつくることが必要である。 27.コンクリートの配合割合は用途によって違う。 28.コンクリートには鉄筋や竹筋を入れると強くなる。 29.コンクリートの硬化の速さや度合いは,セメントの種類・配合割合・温度・水分などによって違う。 |
(設計と製図)
53.農業器具や小建築物の設計ができること。 54.製図器具が正しく・じょうずに使えること。
56.簡単な見取図や透視図がかけること。 57.簡単な機械製図・建築製図その他がかけること。 58.各種の図をよむことができること。 59.青写真を焼くことができること。 60.仕様書や内訳明細書がかけ,見積りをすることができること。 |
30.製図器具の種類・名称。 31.日本工業規格J.I.S.,または旧日本標準規格J.E.S.による各種材料の表示,寸法の記入。 32.同じ図面を幾とおりか必要の場合は,青写真が必要である。 |
(農機具)
61.経営に適した農機具の選択ができること。 62.人力農具の鑑定ができること。 63.人力農具を正しく使いこなせること。 64.人力農具の整備・修理ができること。 65.噴霧機・散粉機の使用・手入れや修理ができること。 66.役畜に装具を正しくつけることができること。 67.畜力農機具の鑑定ができること。 68.畜力農機具を整備し,正しく使いこなせること。 69.畜力により,さつまいも・じゃがいもの掘とりができること。 70.畜力農具の修理,手入れができること。 71.おもな動力農機具の鑑定ができること(自動耕耘(こううん)機,ハンドトラクター・動力噴霧機・揚水ポンプ・脱穀機・もみすり機・精米精麦機・製粉機など)。 72.おもな動力農機具のすえ付・調節・運転および簡単な修理ができること。 73.おもな動力農機具の故障の発見と整備ができること。 74.電動機と発動機との得失が判定できること。 75.電動機の運転・分解・手入れ・組立ができること。運転方向を変えることができること。 76.発動機の運転・分解・組立や,故障の発見・修理ができること。 77.農村電化を認識する能力。 78.簡単な配線および修繕をすることができる。 79.電気機具を正しく取り扱うことができる。 |
33.わが国の農機具の現状は,調整・加工の部面は相当動力化されているが,耕耘(こううん),整地,中うち・草とり等の諸作業は畜力利用もふじゅうぶんであり,さらに種まき・施肥・収穫の諸作業は全く人力によっている。 34.人力農具の適否・構造は,作業能率,疲労の程度に大きな影響を与える。 35.人力農具の使用の巧拙は能率・できばえ・疲労に大きな関係がある。 36.使用後の手入れや保存のしかたは耐久力に大きな関係がある。 37.役畜の種類と作業の種類によって装具のつけ方が違う。 38.農機具の構造,材料の良否は性能・耐久力に大きな関係がある。 39.機械の構造・性能は,能率および生産物の品質に大きな影響を与える。 40.作業機の回転数は,作業の能率や生産物の品質に影響する。 41.故障の大部分は,締付のふじゅうぶん,潤滑の不完全によって起る。 42.使用の前後には各部を点検して整備する必要がある。 43.故障のまま,または整備不完全のまま運転すれば破損を生じ,危険を伴う。 44.電動機の原理・構造・機能。 45.電動機は種類によって用途や使用法が違う。 46.三相電動機をすえつけるには,配電盤に電流計を取りつける必要がある。 47.電動機を焼くのは過大電流が流れるのと,通風の不完全,潤滑油の過不足などによる。 48.石油発動機の構造,各部の機能と運転の原理。 |
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(農業経営)
1.農業経営の設計ができること。 2.簿記の記帳ができること。 3.農業所得・生産費の計算ができること。 4.郷土や自分の家におけるいろいろな作物の栽培や家畜の飼育について,経営上どれが有利かを比べることができること。 5.経営の実態を知り,総合的な改善の計画を立てることができること。 |
1.耕種・畜産・農産加工は,それぞれ,その種類が多いが,それらをどのように組み合わせて経営するかは,自然環境および経済環境,その経営に属する生産手段,労働力の量・質などの関係によって決められる。 2.農業経営は,自家または世の中で必要なよい農産物を多く生産するばかりでなく,農業所得を大きくするように行わなければならない。 3.経営は,毎年度の前に計画を立て,精密な設計をしておく必要がある。 4.簿記によって資産や損益や経営の実情が明らかになり,農業経営の改善をするための基礎資料が得られる。 |
(土 地)
6.地力を見分けることができること。 7.土地の賃貸借の契約ができること。 8.登記の手続ができること。 |
5.土地の自然条件は,ある程度までは人為的に改良することができる。 6.土地改良や水利改良によって,地力を高めることのできる田畑が少なくない。 7.適地適作,適当な輪作,作付回数の増加により,土地の生産性が高まる。 8.土地の交換分合によって,畜力や機械力の利用が容易になり,労力の節約ができる場合が少なくない。 9.交通輸送の便がよくなれば,農業経営が有利になる。 10.農地改革は,農業生産を高め,農村の民主化をはかるために行われた。 |
(資 本)
9.農業用財産の評価ができること。 10.建物・農機具・果樹・家畜などの減価の計算ができること。 |
11.土地改良・建物・農機具などは協同して設備し,協用して利用すれば有利な場合が多い。 12.固定資本は減価を毎年の費用として見積る必要がある。 13.畜力や機械力の利用により,農業労働力をらくにし,労働能率を高めることができる。 |
(労 力)
11.自家労力の評価ができること。 |
14.自家労力と雇用労力とはその性質が違う。 15.農作業は協同することによって有利となる場合がある。 16.農作業の繁閑の差は,作物の種類・品種の組合せや,耕種・畜産・農産加工・林業,および各種の副業をうまく組み合わせることによっても調節することができる。 |
(農業組織)
12.自分の家や郷土には,どんな農業組織が適当であるかを判定できること。 13.プロジェクトや自分の家の経営に適する作物の種類・品種や,作付面積を決めることができること。 14.その土地に適した輪作計画を立てることができること。 15.プロジェクトや自分の家の経営に適する家畜の種類と数を決めることができること。 16.自分の家の農業経営に適する農産加工の種類と規模を決めることができること。 |
17.単作よりも幾つかの作物を組み合わせて経営するほうが安全であり,有利である場合が多い。 18.耕種と畜産とは,畜力の利用,飼料・肥料の自給を通じて関連し合い,経営を堅実にする。 19.農産加工は,生産物の価値を高め,労力の利用を有効にし,販売を有利にする。 20.農業に林業が加味されると,経営が堅実になる場合がある。 21.農業経営は常に家族単位で営まれるとは限らない。 |
(販売と購入)
17.プロジェクトや自分の家の経営に必要な資材の調達ができること。 18.プロジェクトや自分の家の経営で生産されたものの処理ができること。 19.輸送・販売の規格に応じた包装・荷造りができること。 20.農産物の需給や価格の変動に対する,ある程度の見とおしがつくこと。 |
22.農産物の規格や包装をそろえれば販売につごうがよい。 23.米や麦の価格は,他の農産物の価格に比べて農業経営に大きな関係があり,国民の生活にも影響するところが大きい。 24.農産物の価格は販売の調節によって,ある程度まで調整することができる。 25.農家の必需品は協同購入し,生産物は協同販売すると有利である。 |
(金 融)
21.プロジェクトや自分の家の経営に必要な資金の調達の手続ができること。 22.農業手形の手続ができること。 23.貯金・送金の手続ができること。 |
26.農業金融は商工金融に比べ長期低利のものが多く利用されている。 27.農業金融のために,農業協同組合の機関や農業手形の制度などがある。 |
(農業協同組合)
24.協同組合の伝票の記入ができること。 |
28.農業協同組合は,農民自身が農業経営や農村生活を農かにするための組織である。 |
(国や地方公共団体と農業) |
29.国や地方公共団体は,農業の改良や生活の改善のため,よい助言者として協力している。 30.国や地方公共団体は,農業に関する公共事業に対して助成している。 |
(公租公課)
25.農民にかかる租税の算定ができること。 |
31.農民の公租公課にはいろいろな種類がある。 32.農民は,簿記をつけることによって公正な租税負担額を算定することができる。 |
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(話すこと,聞くこと)
1.大ぜいの人の前で,農業の問題について話すことができること。 2.農業の問題について,他人の意見をよく理解して,これを自分の意見と同じ点や違う点を明らかにし,正しい判断を下すことができること。 |
1.自分の考えを大ぜいに発表することによって,それが正しいかどうかを確かめると同時に,それが正しければ社会で用いられるようになる。 2.意見や研究の発表は,お互の生活を向上させる上に役だつ。 3.他人に話をするには,話の内容をみずからよく理解し,話の要点を明らかにすることがたいせつである。 4.図表・写真,幻燈・実物・模型などの視聴覚材料は,話の内容をよく知らせる上に効果がある。 5.話の内容をよく知らせるには,正しい発音,全部の人に徹底するだけの音声や,落ちついた態度が必要である。 |
(議事法)
3.正しい議事法によって,会議を進めることができること。 |
6.会議を正しく,しかも能率的に進めるには,議事規則を設けるとつごうがよい。 7.会議において,議事規則がよく守られれば,各人の意見を平等に尊重することができる。 8.正しい結論を出すためには,まず,いろいろな意見を発表させ,その議論の中心と,判断すべき点とを明らかにすることが必要である。 9.問題によっては,小委員会を設けて研究する必要がある。 10.会議の結果は正しく記録しておく必要がある。 |
(理解と協力)
4.自分や他人の特徴を理解し,お互に協力し合って仕事を進めることができること。 |
11.各人が互にその特徴を理解し合うことによって,協力することができる。 12.多くの人が互に話し合って,協力することによって,楽しく豊かな生活をすることができる。 |
(催しの運営)
5.品評会・即売会・研究会,農業技術の公開や見学などの催しの中心となって運営することができること。 |
13.催しに参加する人を多くするには,参加する人の立場や状況をよく知る必要がある。 14.催しを円滑に進めるには,多くの人の意見をとり入れ,精密な計画を立て,関係方面との交渉や連絡を確実にすることがたいせつである。 15.催しを愉快に能率的に進めるには,各人の責任を明らかにし,その責任を遂行することがたいせつである。 |
第4.「総合農業」の教育内容
「総合農業」の教育目標を達成するに必要な教育の内容は次のとおりである。しかし,これは「総合農業」の教育内容の総和ともいうべきものであるから,全部をとり上げる必要はない。また,この分類はこの表をつくる上の便宜に基くものであって,単元のまとまりや順序を意味するものではない。
(A) 生産を目的とするもの(生産プロジェクト)
いね・むぎ・豆・雑穀・じゃがいも・さつまいも,その他。
b.工共作物の栽培
あさ類・いぐさ・こうぞ・たばこ・ちゃ・なたね,その他。
c.飼料作物・緑肥作物の栽培
くわ・牧草・れんげそう・青刈りだいず・ザートウィッケン・ルーピン,その他。
d.野菜類の栽培
きゅうり・かぼちゃ・すいか・なす・トマト・いちご・だいこん・にんじん・ごぼう・結球はくさい・たまな・ちしや・セルリー・ほうれんそう・ねぎ・たまねぎ・うど,その他。
e.果樹の栽培
もも・うめ・びわ・おうとう・なし・りんご・かき・みかん・いちじく・くり,その他。
f.花の栽培
切り花,鉢物(はちもの)・盆栽(ぼんさい),その他。
g.家畜の飼育
うさぎ・にわとり・あひる・しちめんちょう・やぎ・ひつじ・ぶた・うし・うま,その他。
h.養 蚕
繭。
i.養 蜂(ようほう)
j.養 魚
k.農産物の加工
(1) 穀類の加工
こうじ・麦芽・水あめ・甘酒・製粉・精米・パン・めん類,その他。
(2) いも類の加工
殿粉,こんにゃく,その他。
(3) 豆類の加工
とうふ・なっとう,その他。
(4) 野菜の加工
トマトの加工,つけ物類・乾燥野菜,野菜のびんづめ・かんづめ。
(5) 果実の加工
かんづめ・びんづめ・ジャム類・果汁(かじゅう)・果実酒・乾燥果実・かき。
(6) 醸 造
みそ・しょう油・酢・アミノ酸。
(7) 工芸作物の加工
茶・たばこ・植物油・いぐさ。
(8) 畜産物の加工
酸乳・アイスクリ—ム・ハム・ベーコン・ソーセージ・肉かんづめ・毛皮・毛糸・ホームスパン・はちみつ。
(9) 繭の加工
生糸・絹織物・真綿・さなぎ。
l.農業工作
なわ・むしろ・かます・ざる・かご・ほうき・くまで,その他。
m.農村林業
苗木・植林・たけのこ・しいたけ・木炭。
作付順序,有望な作物の種類や品種の導入,種物の選択,種とり,種の貯蔵,苗の育成,耕し方,肥料のやり方,間引き・土寄せ・中うち・草とり,水のかけ引き,せん定・整枝・抑成・速成,収穫物の処理・貯蔵,気象の害の対策,病虫害の対策,畜力と機械力の利用,植林。
b.飼育技術の改善
有望品種の導入,自給飼料の生産,飼料の購入・配合・給与法,畜体の手入れ,生産物の処理,家畜の衛生,その他。
c.農産物加工技術の改善
新しい器具・機械の導入,電気の利用,加工施設,器具の改良,新しい加工法の導入,輸出向け加工品の製造,新しい農産物の貯蔵法,副産物の利用,装飾・包装・荷造りの改善,販売経営の改善。
d.農機具の改良
手農具・畜力農具・機械農具・飼育用具。
e.農地の改良
酸性土の改良,かんがい,排水・客土・床締め,農地の大きさ・形,傾斜・農道・水路・あぜ,その他。
f.肥料および施肥法の改善
緑肥の栽培・使い方,つみ肥の製造,うまや肥・下肥の取扱,化学肥料の使い方,肥料の配合,その他。
g.農場建物の改善
物置・畜舎・たい肥舎・家畜運動場・灰作り場・灰置き場・温床・ピット,その他。
h.農業経営の改善
生産計画,適地適作・輪作,土地の利用度,記帳,経営成果の分析と判断,販売・購入,その他。
i.農村生活の改善
台所・ふろ場・便所・井戸・下水・庭・食物・作業衣,その他。
薬剤調製,病気・害虫の鑑別,農機具の使い方,作物の種類・品種の鑑定,雑草の鑑別,種の発芽の検査,取入れ適期の判定,霜害の対策,酸性土の検定。
b.食用作物に関するもの
塩水選・冷水温湯浸法,薬剤による種苗の消毒,種いもの処理,苗の成熟度の見分け,穂肥,豆の摘心,根粒菌の培養と接種,坪刈り,貯蔵穀物の燻蒸(くんじょう),その他。
c.工芸作物に関するもの
茶摘み,たばこの乾燥・展葉・葉わけ,なたね・たばこなどの摘心,あさ・こうぞ・みつまた・こりやなぎなどの剥(はく)皮,その他。
d.飼料・肥料作物に関するもの
飼料作物の干し方,乾燥程度の鑑定,干し草の刈りとり,根粒菌の培養・接種,その他。
e.野菜に関するもの
培養土作り,小粒な種のまき方,練床・温床の踏込み,育苗・植かえ・植付,な・だいこんの間引き,果菜類の整枝,種とり・人工授粉,すいか・かぼちゃの取入れ期の見分け,その他。
f.果樹の栽培に関するもの
実生・さし木・つぎ木・せん定・整枝・摘果(花を含む)・袋掛け,花芽と葉芽の区別,包装・荷造り・貯蔵,その他。
g.花の栽培に関するもの
さし木・つぎ木,球根の植付,花木のせん定と整枝。
h.家畜の飼育に関するもの
品種の鑑定,体形・能力の審査,乳・肉の審査,にわとりの人工ふ化・育すう,うさぎ・やぎの雌雄鑑別,陶汰(とうた),発情の鑑定,交配適期の選定,人工授精,妊娠の診断,分べんの処置,人工ほ乳と離乳,飼料の品質鑑定,栄養価の算定,家畜の保定,ブラシかけ,くらのつけ方,にわとり・ぶた・やぎの去勢・肥育・標識・毛刈り・つめ切り,搾乳,乳の脂肪・酸度・細菌の検査,乗馬,簡単な調教,簡単な注射・投薬・応急手当,かん腸,子宮の洗浄。
i.養蚕に関するもの
くわのつぎ木・とり木,くわ苗の鑑定,蚕種の人工ふ化,稚蚕の特殊飼育,給桑(桑止め・桑付けなど),蚕の発育と桑の熟度,蚕病の鑑定,上蔟(じょうぞく)およびこも抜き,繭の選別。
j.養蜂(ようほう)・養魚などに関するもの
k.農産加工に関するもの
めん類の生地をこねること,発酵中のパンの手入れ,こうじ製造中の手入れ,ペクチンの検定,かんづめの巻締め,びんづめの打栓(だせん),乳酸菌の純粋培養,バター製造におけるウォーキング,と殺と解体,ちゃのもみ方と乾燥。
l.農業工作に関するもの
(49ページ「農業工作の学習」参照)
m.農業土木に関するもの
簡易測量・測鎖測量,平板測量・面積計算・製図,土のくずれない傾斜面作り。
n.記帳に関するもの
設計書の作成,労働日誌・現物出納帳,現物受払帳・覚え帳・財産台帳等の記帳法,評価,財産目録の作成,純利益の計算,所得の計算,生産費の計算,その他。
o.その他
(A) ホーム・プロジェクトの動機づけ
○にわとりの産卵率を高めるにはどのようにしたらよいか。
○国の農業政策は農業の盛衰にどのように関係するか。
農業工作の教育内容を分類してみるとあらまし次のようになる(木工・金工などを組み合わせたようなものも便宜上一方に入れておいた)。
(A) わら工
なわ,なわの結び方,俵・もっこ・むしろ・わらじ・ぞうり,その他。
(B) 竹 工
かご・たが・ざる・土み・ほうき・くまで・竹がき。
(C) 木 工
立札・種子箱・飼料箱・巣箱・ちり取・置物台・簡易器具・うさぎ箱・育すう箱・トラップネスト,蚕の飼育箱,温床の木わく,小温室・離舎・物置・小畜舎,小建築物の塗装・修理,みつばちの箱,その他。
(D) 金 工
金網・ちり取・煙突・じょろ・移植ごて・かけ金・もちおくり・ねじ切り・鋲(びょう)打ち,シャベル・くわ・かまの修理,刃物の研摩,その他。
(E) コンクリート工
壁塗り・れんが積み・足洗い場床・流し・フレーム,その他。
(F) 人力農具
くわ・かまなど,種まき器・散粉器・噴霧器・脱穀機・なわない機・むしろ織機・リヤカーなどの操作と修理。
(G) 畜力農具
牛車・馬車,カルチベーター・草取機・モーアーなどの操作と修理。
(H) 動力農機具
石油発動機・ジーゼル機関の操作・分解・組立,脱穀機・もみすり機・精米機・製粉機・製めん機・搾油機・揚水機・噴霧機・農産加工用機械・その他の操作および簡単な修理。
(I) 農業電気
電熱温床・育すう器・ふ卵器・その他農業用発熱装置,蛍光(けいこう)燈,点燈飼育,その他農業用電光装置。
(J) 工作機械
丸のこぎり・研摩盤,その他の工作機械の操作・手入れ。
D.学校農業クラブの活動
(A) 学校農業クラブとはどんなものか。
(B) 学校農業クラブはどのようにしてつくるか。
(C) 学校農業クラブの会合はどのようにしてもつか。
(D) 学校農業クラブにおいてどのような事業をしたらよいか。
資金の調達,優良品種の斡旋(あっせん)・奨励,協同購入と販売,■同作業,
教室文庫の整備,貯蓄の奨励,その他。
b.地域社会との協力。
家庭農場および郷土の土の検査,測量・植樹・道路愛護・品評会・展示会・競技会,その他。
c.教養活動
会報発行・レポート作成・発表会・読書会・講演会・講習会。
d.レクリェーション,その他。
校庭の美化・親子の会,ピクニック・収穫祝・映画・劇,その他。
(1) 「総合農業」の範囲は,その土地の将来のよい自営農民となるために必要な農業に関する教育の内容ということになっているが,自営農民となるために必要な農業に関する教育の内容は,土地によって大へん違う。したがって,同じ「総合農業」でも,耕種の部分を中心にする普通の農業課程だけでなく,ある土地では園芸の部分が強調されて園芸課程となり,ある土地では林業の部分が強調されて農林課程がつくられるであろう。
(2) 将来のよい自営農民となるために必要な範囲の農業に関する教育の内容を学習するには,ホーム・プロジェクトを中心とする一つの体系として学習することが望ましいから,「総合農業」をとり入れる場合には,毎学年,学校において10単位に相当する時数だけ学級の協同学習を行い,これにホーム・プロジェクトの分を2単位加えて,12単位与えるようにすることが望ましい。
(3) 農蚕課程とか,農産加工課程・農業土木課程などのような特殊化された課程において,分科された科目をとり入れて指導する場合や,普通課程において農業科の学習をする場合には,121ページに示すような「総合農業」の「農業Ⅰ」について1年間,あるいは「農業Ⅰ」と「農業Ⅱ」について2年間学習することもまた望ましいことである。
(4) 定時制課程において「総合農業」の学習をする場合は,1カ年に6単位に相当する時数だけ学級協同の学習を行い,これにホーム・プロジェクトの分3単位を加えて,9単位を与えてもよい。