第2単元 奈良や京都のような都は,どのような世の中でつくられたか。
要 旨
目 標
「理解」
2.現代の社会の中にも,古代社会の遺制が残っていること。
3.国家ができあがっていったこと。
4.民主政治と貴族の政治とは異なること。
5.社会生活が進むと,法律や制度などが必要になってくること。
6.日本の古代文化の発達に,外来文化が大いに影響していること。
7.仏教の渡来のごとく,新しい思想や宗教が,社会に大きな影響を与えること。
8.土地経済の問題が,社会の発展と大きな関係を持っていること。
9.外国との交渉が社会の進展に大きな影響を与えること。
「態度・技能」など
2.国家の成立についての正しい考え方。
3.古代社会の遺制に対して科学的に対処する態度。
内 容
2.どこが早く開け,どんな地方の人々が日本を一つにまとめていったか。
3.このころ,外国とのつながりはどんなであったか。
4.このころ,人々はどのような文化のもとに,どんな生活をしていたか。
5.法隆寺が建てられたころからの日本は,どんな進み方をしていただろうか。
6.社会では,どのような人々が勢力を持ち,どんな文化をつくったか。
7.古い奈良の都は,どのようにしてできあがったか。
8.京都の都は,どのような事情の中につくられたか。
9.京都に都の栄えたころの文化は,どのようなものであったか。
10.古代社会とはどういう世の中なのか。
11.このころの世界の各地方は,どんな有様であったろうか。
12.古代社会と現代とは,どんなにちがっているか。
13.このころの風俗・習慣で,今日にのこっているものがあるだろうか。
14.貴族の世はどうしてくずれかけたか。
学習活動の例
2.各自,次のことがらを調べてみよう。
(2) 大和盆地の中央から,海岸にどれだけの距離があるか調べる。
(3) 大和盆地の米の産出状況を調べる。
3.大和朝廷の起源について,どのように考えるのが科学的であるか,クラス全体で討議しよう。
4.統一事業の進展に関する種々の伝説を調べて,その意味を考えてみよう。
5.大和朝廷の政治が始まったころ,自分たちの郷土はどんなだったか,先生に話を聞いて,調べてみよう。
6.地方では,よく同じ姓がたくさんある部落があるが,そのわけを研究して,レポートをかいてみよう。
7.このころの人々は,どんな方法で税を納めていたか,またそれはどういう方面につかわれていたかを,書物で調べてみよう。
8.先生から,好太王の碑の話を聞き,これに関係のある話があるかどうか書物で調べてみよう。
9.日本へ仏教がやってくるまでの経路を世界地図に書き入れてみよう。
10.帰化人について次のことを調べてみよう。
(2) どんなことをしたか。
(3) どんな取扱を受けたか。
11.近所にあるいちばん大きな古墳や陵を見学して,これを造るには,幾人で何日かかるかを想像してみよう。また古墳に大きな石が使ってあったら,この石をどのようにして運んだか,そして何人ぐらいなければ運べないかを想像してみよう。
12.博物館へ行ったり,地方の郷土史料館や収集家を尋ねたり,また写真を集めて,古墳時代の人々の風俗や生活を考えてみよう。
13.今の葬式の時に棺(かん)の中に入れてやるものと,古墳の中にあるものとを比べてみよう。そして,古墳やその中に入っているものから考えて,そのころの人々が,死や生に対して,どんな考えを持っていたか話し合おう。
14.このころのいろいろな衣服の写真や絵を集めて展覧してみよう。
15.大陸の文物中,この時代に伝来したおもなものをあげ,その結果,人々の生活がどのように便利になったかを考え,またそれが今日の文明にどんな影響を与えているかを調べてみよう。
16.繩文(じょうもん)式文化から古墳時代に至る郷土の採集品を集め,これに各自でそれぞれ説明書を付して,展覧会を開こう。
17.聖徳太子のころの建築・芸術・工芸に関する写真や絵葉書を集めて,展覧しよう。
18.十七条憲法には何が書いてあるか,内容を調べてみて,今日の憲法と比べてみよう。
19.法隆寺はどのような事情でつくられたか調べ,そのころの仏教や聖徳太子のことを研究して発表しよう。
20.大化の改新と,終戦後の日本の改革とを比べ,そのちがいを表にかき,昔と今とでは,なぜそのようなちがいができるかを皆で討議しよう。
21.大化の改新の経過を対話または劇にしてみよう。
22.大化の改新によって,世の中がどう変ったろうか。これを人々の身分・土地制度・地方の政治などについて調べてみよう。
23.わが国の国号はどのようにして生れたか,書物で調べてみよう。
24.西暦紀元のおこりについて,先生に話をしてもらおう。
25.法律や制度は,どのような社会で必要になってくるか討議し,後で先生から,大宝律令のことを聞こう。
26.近くに国分寺の跡があったら調査し,そこの僧侶や先生から話を聞こう。
27.古事記や日本書紀はどんなことを書いてあるのかを書物で調べ,それはどのような目的でつくられたかを皆で話し合おう。
28.グループで,万葉集のことを調べたあとで,それらの歌をとおして,そのころの社会の有様を話し合ってみよう。
29.このころの土地制度を,今の農地制度と比べて表をつくってみよう。
30.貴族はどんな生活をしたか,その生活をかいたものや写真を集めて,話し合おう。
31.貴族がどんな政治をしたか,今の民主政治と比べた表をつくろう。
32.正倉院の御物を見た人から話を聞いたり,その写真を集めたりして,奈良文北の世界性について研究してみよう。
33.唐の文化がどのようにわが国に取り入れられたか,衣食住・年中行事・その他に分けて,表を作ってみよう。
34.かなの発明は,わが国の文化の普及発達に,どのような大きな影響を与えたかを,クラスで討議しよう。
35.今日の日本家屋と寝殿造りを,模型を作ったり,絵や図に書いたりして比べてみよう。
36.飛鳥(あすか)・奈良・平安の代表的な美術・工芸の写真をできるだけ多く集めて展覧し,それぞれの特色について討議しよう。
37.古代社会の特色を表記し,古代社会と現代社会とはどんなに違っているか考えてみよう。
38.このころ世界の各地はどんな有様であったか,先生から話を聞こう。
39.このころの風俗・習慣で,今日に残っているものをあげてみよう。
40.先生から「貧窮問答歌」の話を聞き,地方農民の生活の有様を考え,このような生活はなぜ起るようになったかを皆で話し合おう。
41.律令政治はなぜくずれたか討議しよう。
42.万葉集の中から,都の生活と地方の生活とをよんだものを,先生から捜し出してもらって,比較してみよう。
43.このころのことを扱った映画やスライドがあったら鑑賞しよう。
評価の例
2.生徒が,聖徳太子・空海などの人々に会ったと仮定し,その面会の記録を書かせ,古代の政治や文化・宗教などに対する理解が深まったかどうかを評価する。
3.今の国家と古代の国家を比較させた文を書かせて,古代国家の性格が理解できたかどうかを評価する。
4.古美術品の写真の収集・展覧会・発表会において,古代の文化遺産に対する評価の深度や,愛護の態度を評価する。
5.次の重要概念が歴史的に理解できたかどうかテストする。