第Ⅷ章 高等学校地学の単元とその展開例
は じ め の 学 習
要 旨
地学でこれから学習する内容の大要を知り,科学的にものごとを考えたり研究したりする方法や,地学にふくまれる自然科学の発達のみちすじ,他の諸科学との関係などについて学習する。
目 標
2.地学と他の自然科学との関係を理解する。
3.地学と人生との関係を理解し,地学の重要性を認識する。
4.地学がどのようにして発達してきたかの大要を理解する。
5.地学現象に対する関心を高める。
6.地学現象に関する問題を発見し,これを解決する方法についての知識を得る。
7.地学の学習に必要な心がまえや基礎的な技能を養う。
学習の内容と順序
これまでの学習をもとにして,地学の学習の対象になることがらや現象にはどんなものがあるかを話合いや問答などによって取り上げ,教師の示さによって,これらが天体に関するもの,気象に関するもの,地質や鉱物に関するもの,地形や海に関するものなどに分類できることを知り,地学の学習内容の大要を認識する。また,教師はいろいろの地学現象はばらばらのものではなく,互に密接な関係があり,生物以外の自然界を学習するというねらいからも一つの科目としてまとまりをもっていることを説明する。
(2) 地学の学習にはどんな考え方や技能が必要か。また,どのような方法で学習したらよいか
地学の内容はひじょうに広く,しかも対象によって研究方法も異なることや,地学の学習には,器械・器具を用いて行ういろいろな観測や,野外での観察・調査などが重要であり,これらの学習ができるような能力や技能がたいせつであることを具体的な例によって教師が説明する。また,観測や調査の結果をもとにしてどのように問題を解決していくかを実例によって調べる。
2.自然科学にはどんな部門があるか
自然科学はそれ以外の学問とどんな違いをもっているか。また,自然科学は研究の対象や方法によってどんな部門に分けられるかについて,生徒のこれまでの知識をもとにして話合い,教師がこれをまとめ,説明を加える。
(2) 地学には自然科学のどんな部門がふくまれているか。また,それらの部門は自然科学の中でどんな位置を占めているか
自然科学の各部門の中のどれが地学の内容にはいるか。また,各部門は互にどんな関連をもっているかについて教師が説明したり,生徒と問答したりする。
3.地学に関する諸科学はどのように発達してきたか。また,それらの科学の進歩は人生にどんな貢献をしたか
地学に関する諸科学はどんな道すじを経て発達してきたか,それに伴って人人の自然観や宇宙観はどのように変ってきたかなどの大要について,教師が説明したり,科学史に関する書物を読み合ったりする。
(2) 地学は人生とどんな関係をもっているか
歴法の決定・災害の防止・地下資源の利用などいろいろな面で,地学は人生と密接な関係をもっており,地学に関する科学の進歩は生活の改善向上に大きな貢献をしていることを問答や教師の説明によって認識する。
4.地学の内容をどんな順序で学習したらよいか
これから1年間で学習する内容や順序について,教師の案をもとにして質問や意見を出し,だいたいの案をきめる。また,これからの学習に必要な準備や注意について教師が説明する。
単元Ⅰ われわれの住んでいる地球はどのようになっているか
要 旨
われわれは地球上に住み,そこで生活を営んでいる。この地球上には昼夜の別や季節の変化がある。またその表面には複雑な起伏があって海や陸をつくり,陸上にはいろいろな地形が見られる。さらに地球全体は大気と呼ぶ空気の層に包まれている。これらの世界には,気象の変化・火山の活動・地震・潮汐(せき)・海流などさまざまな自然現象が起っていて,われわれの生活に絶えず大きな影響を与えている。また地表は土壌や岩石におおわれ,そこからはいろいろ有用な資源が供給されている。
このような自然現象が起る舞台であり,われわれの生活の場であるこの地球には,どんな物理的性質があるであろうか。地球の形や大きさはどのようにして知ることができるであろうか。また地球はどんな物質からできているであろうか。水や空気はどのように広がっているであろうか。岩石・土壌・地下資源などはいったいどのようにしてできたものであろうか。
この単元は主として以上の問題についての基礎的な事実や原理などについて学習することを目ざしているが,これからの地学の学習の導入ともなる単元であるから,地球の概観を有機的に取扱うことを重視している。また,実証的な学習態度・数量的に物を見る態度などを養うと同時に,実験・実習・見学などをできるだけ多く行うことが望ましい。また,問題はできるだけ生活の場面からとらえるようにし,学習の成果を実際生活にあてはめて生活の向上に役だてるようにしたい。
目 標
2.地球の気圏・水圏・岩石圏の相互の関連性を理解する。
3.鉱物,岩石および地下資源の成因・種類・性状・利用などについて理解する。
4.地球の物理的性質を数量的にまた関係的に見る能力や態度を養う。
5.各種の地図についての理解や,これを利用する能力を高める。
6.野外の調査をし,岩石や鉱物を採集整理し,各種の標本を作る技能を伸ばす。
7.自然環境特に岩石や鉱物などに興味をもち,これを注意深く観察する態度を養う。
8.みずから進んで問題を解決しようとする態度を養う。
9.地下資源が人間生活に重要であることを認識する。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
発 表 |
地球の性質について知っていることや疑問に思っていることを発表する。 |
教師の説明 |
地球の形・大きさ・水陸分布などの一般的な性質について説明する。 |
問 答 |
復習のために海の広さや深さ,大陸の広さや高さなどについて教師の問に答える。 |
計算(理科表などを用いる) |
地球をいろいろな縮尺に縮めたときの赤道半径と極半径の差,高山と深海の凹凸(おうとつ)の程度などを計算する。 |
(2) 地球の形や大きさはどのようにして決めるか
話合い |
地球が丸いことを示す証拠について話し合う。 |
教師の説明(レベル・トランシット・平板などを用いる) |
次のことについて説明する。 a.地球の半径を定めるのに古代人はどのようにしたか b.三角測量と水準測量の方法 |
測 量 |
トランシット・平板などを用いて,グループごとに校庭や学校付近の見取図を作る。 |
計 算 |
ほぼ同一子午線上にある2点の緯度の差および距離を知って,地球の半径を計算する。 |
話合い |
地図の重要性について話し合う。 |
教師の説明 |
地図のいろいろな投影法について説明する。 |
研究と発表 |
グループ別に地図のいろいろな投影法について研究し,それらの長所・短所,利用法などについて発表する。 |
講 義 |
次のことを講義する。 a.地球の質量を測定する方法 b.地球の形と重力の分布との関係 |
実 験 |
単振子の周期を測って重力加速度を求める実験を行う。 |
報 告 |
実験の結果ならびにそれに基いて推算した地球の質量について報告書を提出する。 |
(3) 地球にはどんな磁気的性質があるか
話合い |
次の事がらについて知っていること,疑問に思っていることを話し合う。 a.磁石はいつも北をさすか b.磁石がないとき,北の方向を知るにはどうすれはよいか |
講 義 |
次のことについて簡単に講義する。 a.地磁気の要素 b.地球磁界の変動(地磁気の日変化・デリンジャー現象・磁気嵐・永年変化など) |
測定(偏角および伏角計を用いる) |
教師あるいは特定の生徒によって,地磁気の伏角の測定を行う。 |
図の作製 |
ある特定の子午面にそった伏角の分布を示す図を作る。 |
問 答 |
地磁気の極の位置や,偏角の最大・最小の地点などについて教師の問に答える。 |
研究と発表 |
グループごとに,次の事がらの中の適当なものを選んで研究し,形式をくふうして発表する。 a.太陽黒点・磁気嵐・極光の関係 b.デリンジャー現象と磁気嵐が無線通信に及ぼす影響 c.電離層と地磁気の日変化との関係 d.その他 |
2.地球はどんな物質からできているか
話合い |
次の事がらについて話し合う。 a.空気の重要性 b.大気の存在を示す証拠 c.気圏の構造 |
実 験 |
教師または生徒の代表によって空気の存在を示す実験を行う。 |
問 答 |
上の実験について教師の問に答える。 |
教師の説明 |
気圧を測る単位について説明する。 |
計算(理科表などを用いる) |
次の計算をする。 a.大気の質量および密度を一定とした場合の大気の高さ b.大気の平均の気温減率(11kmぐらいまで) |
研究と話合い |
次のことを調べて話し合う。 a.今までに人類がのぼり得た最高の高さとその方法 b.上層雲の現われる高さ c.流星や極光の出る高さ |
講 義 |
次のことについて講義する。 a.成層圏・対流圏および圏界面 b.電離層と宇宙線によって起る現象 c.超高層大気について現在知られている事がら |
報 告 |
まとめのために,大気の構造について図解した報告書を提出する。 |
(2) 水圏はどのように広がっているか
話合い |
次の事がらについて知っていることを話し合う。 a.われわれは水をどんなことに利用しているか b.水は自然界をどのように循環しているか |
研究と発表 |
グループまたは個人で次の事がらのうち適当なものを選んで研究し,形式をくふうして発表する。 a.海洋の広がりとその深さ b.海水の全質量 c.世界における陸水(河・湖沼など)の分布 d.地下水のあり方 |
劇または紙しばい |
「水の旅」という題で紙しばいまたは劇を作って発表する。 |
(3) 岩石圏はどんな構造をしているか
話合い |
次の事がらについて知っていることを話し合う。 a.大地をつくっている岩石の種類について b.地下の岩石が分布する深さとその深さを推測する手がかりについて |
教師の説明(表・掛図・地球儀などを用いる) |
次のことについて説明する。 a.地殻の厚さとそれを推測する手がかり b.岩石の種類と分布の概観 c.地表から約20kmまでの地殻の平均化学組成 d.地殻の平均密度 |
問 答 |
次の事がらについて教師の問に答える。 a.地殻を構成するおもな元素 b.気圏・水圏・岩圏相互の関係 |
(4) 地球の内部はどうなっているか
話合い |
地球の内部(温度・密度・化学成分・圧力など)を推測する手がかりについて話し合う。 |
教師の説明 |
次のことについて説明する。 a.地球内部の温度を推測する科学的な基礎(火山の噴火・地下増温率など) b.地球の内部状態を知る物理的な方法(地震波の観測・重力の分布など) c.地球をつくる物質といん石を構成する物質の比較(化学組成・比重などについて) |
計算(グラフ・理科表などを用いる) |
a.地球の質量を与えてその平均密度を求める。 b.地球の中心の温度と地表の平均温度を与えて,地下の増温率を求める。 |
グラフおよび断面図の作製 |
地球の内部状態を概観するため,に次のような研究をする。 a.地球の内部において深さと密度との関係を示すグラフを作る b.地球の内部構造を示す断面図を作る |
研究と発表 |
グループに分れて,次の事がらの中の一つを選び,研究結果を形式をくふうして発表する。 a.重力の分布と地殻均衡説との関係 b.地震波の観測と地球の内部構造との関係 |
見学と報告 |
気象台・大学・研究所・博物館などに行って,いん石や地震観測の方法などを見学し,その結果を報告する。 |
3.岩石や鉱物はどのようにしてできたか
話合い |
次のことについてこれまでの知識をもとにして話し合う。 a.岩石と鉱物の違い b.おもな造岩鉱物の種類 c.鉱物の結晶の種類と形態 |
教師の説明 |
おもな造岩鉱物の種類や産地などについて説明する。 |
観察と測定(接触測角器・硬度計などを用いる) |
グループでおもな造岩鉱物について次のようなことを調べて話し合う。 a.鉱物結晶の対応する面角は同種のものでは相等しい(面角安定の法則)ことを確かめる b.物理的性質(劈開・硬度・複屈折など) |
講 義 |
主要な鉱物の化学成分について講義する。 |
実験(グループ) |
明ばん・食塩・いおうなど適当なものの人工結晶を作り,結果について話し合う。 |
教師の説明(模型や図表などを用いる) |
次のことについて簡単に説明する。 a.岩漿(しょう)の性質とおもな鉱物の成生順序 b.結晶の内部構造 |
採集と見学 |
a.鉱物を採集し,産状を観察する。 b.鉱物に関して博物館・研究所・大学などを見学する。 c.調査や見学した結果の報告書を出し,標本を作る。 |
図表の作製と発表 |
グループで次のような表または図を作って発表する。 a.おもな造岩鉱物の性質を示す表 b.郷土の鉱産分布図 |
研究と発表 |
次のことについて調べて発表する。 a.放射能鉱物の種類と産地 b.主な飾石や宝石の種類と産地 |
(2) 火成岩はどのようにしてできたか。また,どんな種類があるか
野外観察または映画・スライド・絵・写真などの観察 |
次のような火成岩地帯の風景を観察し,その結果について話し合う。 a.火山の噴火と火山岩の産状 b.玄武洞(どう)・熔(よう)岩台地・かこうの山など |
観察と話合い |
火成岩の外観やでき方などを比較観察し,その結果について話し合う。 |
講義と問答(図表・スライド・標本などを用いる) |
次のことについて講義し,次に問答する。 a.火成岩のおもな種類と特徴および火成岩相互の関係 b.火成岩の産状と成因 |
野外調査と採集 |
火成岩地帯の野外研究を行い,火成岩の産状を調べ,標本を採集し,その結果を整理する。 |
表の作製 |
火成岩の分類表を作って提出する。 |
研究と発表 |
郷土の火成岩の種類や分布などを調べ,その結果を発表する。 |
(3) 火成作用は地下資源とどんな関係があるか
話合い |
地下資源の種類や産状などについて知っていること,または調べてみたいことを自由に話し合う。 |
観察と実験 |
いろいろな鉱石の形・色・条痕(こん)などを調べ,その結果について話し合う。 |
実 験 |
鉱石の吹管分析や炎色反応を行い,その結果について話し合う。 |
講義(図表・標本・スライドなどを用いる) |
次のことについて講義する。 a.火成鉱床の種類・成因・産状 b.脈石や母岩と鉱石の関係 |
見 学 |
火成鉱床の鉱山を見学し,見学の結果について話し合う。 |
分布図の作製 |
グループで各方面の資料を集め,郷土または日本の鉱産物(火成作用でできた鉱山)の分布図を作る。 |
(4) たい積岩はどのようにしてできたか。また,どんな種類があるか
話合い |
たい積岩と火成岩との違いについて話し合う。 |
観察(標本を用いる) |
いろいろなたい積岩を観察し,種類や異同を調べる。 |
実験(ガラス製の水槽(そう)などを用いる) |
各種の土砂を用いて,沈でん・たい積や地層のできる様子を調べ,その結果について話し合う。 |
見 学 |
河原の土砂,がけなどの地層を見学し,その結果について話し合う。 |
講義と問答(標本・地質図・スライド・写真などを用いる) |
次のことを講義し,結果について問答する。 a.たい積作用とそのりんね b.たい積岩のおもな種類・産状・分布 |
実習(クリノメーター・地形図を用いる) |
教室や野外で地層の走向・傾斜を測る練習をし,その利用について話し合う。 |
表の作製 |
まとめ方をくふうし,たい積岩の分類表を作って提出する。 |
実 習 |
たい積岩の鑑定をする。 |
(5) たい積作用は地下資源とどんな関係があるか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.石炭や石油はどんな岩石と関係して産するか b.砂金や砂鉄はどんな所に産するか |
講義と問答(地質図・スライド・写真・標本などを用いる) |
次の事項を講義し,理解を深めるために生徒と問答する。 a.炭田や油田の成因・産状・分布 b.砂金・砂鉄・鉄鋼などの水成鉱床の成因・産状・分布 c.岩塩・石膏(こう)・石灰岩・グアノなどの成因・分布 |
観察と実験(標本・試薬などを用いる) |
石灰岩や岩塩・石膏などについてその形態や化学的性質などを調べ,その結果について話し合う。 |
模型の製作と展示 |
グループで炭田・油田などの地質構造を示した模型を作り展示する。 |
研究と報告 |
次のようなことを研究し,報告書を提出する。 a.木材の炭化 b.郷土あるいは日本の主な水成鉱床の分布 c.石炭・石油・石灰岩などの用途 d.鉄の鉱石と鉄の用途 |
(6) 変成岩はどのようにしてできたか。また,どんな種類があるか
話合い |
火成岩やたい積岩のほかにどんな岩石があるかを話し合う。 |
観察と話合い |
変成岩を観察し,他の岩石と比較してその特徴について話し合う。 |
講義と話合い(標本・掛図・地質図・スライドなどを用いる) |
次のことを講義したあとで,話合いをする。 a.変成岩の種類とその成因 b.おもな変成岩の組織・構造・石理・産状・分布など |
見学と採集 |
変成岩地域の見学をし,変質している状態・分布・構造などを調べ,その結果について話合い,報告書を提出する。 また岩石を採集し整理する。 |
表の作製と発表 |
変成岩の分類,他の岩石との性質の比較を示した表を作製し,発表する。 |
(7) 変成作用は地下資源とどんな関係があるか
話合い |
火成作用の熱変質による鉱床(接触鉱床)について前に調べたことを話し合って復習する。 |
講義(地図・掛図・スライドなどを用いる) |
動力による変成作用でつくられた鉱床の成因・性質・分布などについて実例を示して講義する。 |
観 察 |
変成作用でできた鉱石を観察し,話し合う。 |
(8) 地下資源はどのように利用されているか
話合い |
地下資源は身のまわりのどんなことに利用されているかを話し合う。 |
研究と発表 |
個人またはグループごとに次の中から一つを選んで研究し,その結果を発表する。 a.金属の種類とその利用 b.石油の利用 c.石炭の利用 d.石材の種類とその利用 e.宝石・飾石の種類・性質・利用 f.ガラス・セメント・陶磁器 g.その他の地下資源の種類と利用 h.日本の鉱業史の大要 |
講義(写真・絵・スライドなどを用いる) |
採鉱,選鉱,精錬(れん),冶(や)金の大要および採鉱の原理と方法について講義する。 |
見学と報告 |
a.石切場を見学し報告書を出す。 b.鉱山・精錬所を見学し報告書を出す。 c.ガラス・セメント・陶磁器の工場を見学し報告書を出す。 |
図表の作製 |
地下資源の種類とその利用状況を示す表を作って提出または展示する。 |
単元Ⅱ 太陽や月や星の位置は,われわれの生活とどんな関係があるが
要 旨
太陽はわれわれに光と熱を与え,これが人間を始めすべての生物の生存のエネルギーの源となっている。また,雲・雨・雪・風などの気象現象や,大気や水などの作用によって起る地学現象もすべてその源は太陽のエネルギーにあることを考えると,太陽の地球に及ぼす影響の深さは測り知れないものがある。
また月の満ち欠けの周期は,われわれに一月という手ごろな時間の周期を与え,潮の満ち欠けも月と密接に結びついている。このように月の地球に及ぼす影響もきわめて大きい。
夜空に一段と強く輝き,長い月日の間に星の間を行きつ,もどりつする惑星の動きは,昔から神秘ななぞであったが,これの研究からついに万有引力の法則が発見され,近代科学の発展のいとぐちが得られた。また晴れた夜空に輝く無数の星は,東から西にゆっくりと動き,約1日を周期としてもとの位置にもどる。このような星の規則正しい動きは,昔から人々に注目され,これが夜の時刻を知り,季節の移り変りを知る手がかりとなった。現在でも,天文台で行う時報は星の観測をもとにしており,また航海や航空の際には,天体観測は自分の位置を定めるのにたいせつなものである。
このようなことからわかるように,遠く隔たった天体も,われわれの生活と密接な結びつきがあり,その動きを研究することはきわめて必要なことである。このような見地から,この単元では,太陽・月・星の位置とわれわれの生活との関係について理解を深めると同時に,継続して注意深く天体を観察する能力や,機械器具を正しく取り扱う技術,物事を数量的に考える能力などを養い,あわせて規則正しい星の動きを観察することによって,自然の調和を感得することなどを目的としている。
目 標
2.地球上の緯度や経度や時を決定する方法について理解する。
3.太陽系を構成している天体の種類やその運動について理解する。
4.問題解決のために天文に関する資料を利用する能力を養う。
5.天体の観測に必要な機械器具を取り扱ったり,利用したりする能力や技能を伸ばす。
6.天体の運行を継続的に観察する能力やこれに対する興味を深める。
7.天体の運行が人間生活に深い関係があることを理解し,認識する。
8.天体の運行の規則性を理解し,自然界の調和を感得する。
9.天体に興味をもちこれに親しむ態度を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
教師の説明と話合い |
この単元で学ぶおもな事がらについて説明し,太陽が地球に及ぼす影響について話し合う。 |
観察(望遠鏡による) |
太陽の表面を望遠鏡にサングラスをつけたり,紙に投影したりして観察する。 |
実験(分光器・黒塗りおよび白塗りのびん・温度計などを用いる) |
a.分光器によって太陽のスペクトルを調べる。 b.一方を黒く塗り,他方を白く塗ったびんにおのおの同量の水を入れ,日光をあてて温め,数時間後に水温の上昇を比較する。 |
講義(写真・絵などを用いる) |
次のことについて講義する。 a.太陽の自転 b.太陽の表面の状態 c.太陽のふく射 |
報 告 |
グループで,次の事がらの一つを選んで報告書を提出する。 a.太陽大気の組成 b.コロナ c.太陽の表面温度の測定法 d.太陽の黒点 e.太陽の熱源 |
(2) 月はどのような性質をもっているか
観察(望遠鏡を用いる) |
月の表面を観察する。 |
教師の説明 |
月の表面の状態や明るさなどについて説明する。 |
計 算 |
月の質量および半径を調べ,月の表面における重力の値を計算する。 |
(3) 惑星の表面はどうなっているか
話合い |
惑星と恒星とを区別する方法を話し合う。 |
観察(望遠鏡を用いる) |
金星・土星・木星などを望遠鏡で調べる。 |
研究と発表 |
グループまたは各自で各惑星の明るさ・大きさ・質量・太陽からの距離・自転・公転・表面の状態などを調べ,形式をくふうして発表する。 |
討 議 |
地球を除いてどの惑星が生物の発育に最も適しているかについて討論する。 |
研究と報告 |
次の事がらのうち,グループ別に適当な題目を選んで研究し,報告書を提出する。 a.惑星発見の歴史 b.太陽系の成因 c.小惑星 d.その他 |
(4) すい星や流星はどのようなものか
話合い |
すい星や流星について生徒の知っていることを話し合う。 |
観 察 |
夜星を観察して流星の出現度や,出現のだいたいの位置を調べ,一定期間の観測をまとめて報告する。 |
研 究 |
大すい星の出現の時期を理科表などで調べる。 |
研究と発表(写真・絵などを用いる) |
割当を決め,各自で次の事がらについで調べ,発表や話合いをする。 a.流星といん石 b.すい星の構造と軌道 c.過去に現われた大すい星 d.すい星と流星群との関係 |
報 告 |
前に発表した事がらについての報告書を提出する。 |
2.地球の自転および公転によって,星の見える位置はどのように変るか
観 測 |
家庭で日の出・日の入の時刻,星がある一定の方向に見える時刻を一定期間にわたって記録し報告する。 |
問 答 |
星の日周運動について,回転の向きや日周運動における不動点などについて教師の問に答える。 |
教師の説明(天球儀・地球儀などを用いる) |
次のことについて説明をする。 a.天球とはどのようなものか(天の北極・天の赤道など) b.星の高度と方位角 |
工作と観測 |
星の高度・方位角を測る簡単な装置を作り,これを用いて,南天の明るい星の南中時刻とその時の高度を測る。これをある期間にわたって行う。 |
話合い(地球儀・天球儀などを用いる) |
季節によって日の出,日の入の太陽の方位角や,太陽の南中高度はどのように変るか,またそれはなぜかを話し合う。 |
講義(絵・地球儀・天球儀などを用いる) |
次のことについて講義する。 a.太陽の年周運動 b.星の赤緯と赤経 c.黄緯と黄経 d.太陽年と恒星年 |
計算(星図を用いる) |
星の南中の日時とその時における高度を与えて,その星の赤緯と赤経を計算する。 |
研究と報告 |
次の事項をグループ別に研究し報告書を提出する。 a.太陽の南中高度の観測の資料から黄道と赤道の傾斜角を求める方法 b.日時計の作り方 |
(2) 季節によって星座の見え方はどのように変るか
話合い |
星座の名前やその星座のあらわれる季節などについて知っていることを話し合う。 |
教師の説明(天球儀・掛図・星図などを用いる) |
次のことについて説明する。 a.星座の名前のつけ方 b.古代人の季節の決め方 c.天球儀の原理とその用い方 |
表の作製 |
おもな星座の明るい星について,それらが何月ごろ南の空に中天高く輝くかを示す表を作る。 |
3.地球上の位置や時を定めるのに天体観測はどのように役だつか
研 究 |
グループに分れて次の研究をする。 a.天球儀によって,南半球ではどんな星座が見えるかを調べる。 b.地球儀と電燈を用いて,日の出の時が地球上の場所によって違うわけを調べる。 |
教師の説明 |
教師が地球の緯度や経度の定め方を説明する。 |
計算(星表を用いる) |
星の南中の時刻と高度とを与えて経度および緯度を求める計算をする。 |
研究と発表 |
グループごとに次の事がらの一つを選んで研究し,発表する。 a.天文航法 b.天文学上における食や掩蔽(えんぺい)現象の意義 c.地図の発達史 |
(2) 時はどのようにして定められるか
問答(地球儀を用いる) |
地方恒星時と緯度との関係について教師の問に答える。 |
講義(地球儀・掛図などを用いる) |
次のことについて講義する。 a.恒星時・太陽時および時差 b.平均太陽時と標準時 |
討 議 |
時を定めるにはどんな現象を利用したらつごうがよいかについて討議する。 |
研究と発表 |
次の題目から一つを選んで研究し,発表する。 a.ラジオの時報はどのようにして出されるか b.時計の発達史 c.もし,地球の自転速度が変化したらどんなことが起きるであろうか |
(3) 暦は何をもとにして作られるか
話合い |
暦の重要性と暦の種類について話し合う。 |
教師の説明 |
次のことについて説明する。 a.太陰暦にはどんな欠点があるか b.現行の暦法 |
研 究 |
月の満ち欠けの周期を理科年表や暦によって調べる。 |
討 論 |
世界暦の使用の可否について討論する。 |
研究と発表 |
次のことを発表する。 a.暦の歴史 b.古い歴史上のできごとの日付を調べる方法 |
4.月や惑星の運動は,どのような法則に支配されているか
観 測 |
惑星の観測を毎日一定時刻に行い,その位置や明るさを星図に記入し,その結果について話し合う。 |
研 究 |
理科表を用いて,いろいろな惑星の見かけの運動を調べ,その結果について話し合う。 |
話合い |
次のことについて話し合う。 a.天動説の立場から見た惑星の見かけの運動の説明 b.地動説の根拠 c.金星の満ち欠けを説明する方法が天動説と地動説ではどう違うか |
説明図の作製 |
太陽系の構造を示す図や理科年表などをもとにして,惑星の見かけの運動の径路を作図し,合・衝などの位置を記入する。 |
計算(理科表を用いる) |
惑星の会合周期を計算する。 |
講 義 |
次のことを講義する。 a.惑星の距離の測定法 b.ケプラーの法則 |
参考書による研究と報告 |
次のことを調べて報告し,話し合う。 a.コペルニクス・ケプラー・チコブラーエ・ガリレイ・ニュートンなどの伝記 b.トレミーからニュートンに至るまでの天文学の発達 |
(2) 太陽や惑星の質量はどのようにして測るか
研究と問答 |
地球の質量を測定する方法について調べ,教師の問に答える。 |
教師の説明 |
次のことを説明する。 a.ケプラーの法則と万有引力の法則との関係 b.太陽・月・惑星の質量を測る方法 |
話合い |
天体の質量を測る方法について話し合う。 |
計算(理科表を用いる) |
惑星の運動に関する資料を用いて太陽の質量を計算する。また衛星の運動と質量から惑星の質量を計算する。 |
参考書による研究と報告 |
グループ別に次の題目の中から一つを選んで研究し報告書を提出する。 a.万有引力の常数を決定する方法 b.恒星の質量を決定する方法 c.衛星のない惑星の質量を測定する方法 d.その他 |
(3) 月の運動は地球にどんな影響を与えるか
話合い |
太陽・月・地球の関係位置を示す模型を用いて次の事がらについて話し合う。 a.月の自転と公転周期との関係 b.食の現象はなぜおきるか |
研 究 |
理科年表によって日食および月食の起きる周期を調べる。 |
研究と発表 |
次のことを調べて発表する。 a.恒星月と朔(さく)望月との関係 b.日食と月食 |
観 測 |
家庭で,月の出の時刻を継続的に測って記録する。 |
教師の説明(掛図・スライドなどを用いる) |
月の引力が地球におよぼす影響を明らかにするために,次のことを説明する。 a.潮汐の現象はどのようにして起きるか b.歳差運動 |
表の作製 |
月が地球に及ぼす影響を示す一覧表を作って提出する。 |
単元Ⅲ 大気中にはどんな現象が起っているか
要 旨
われわれの住む地球は大気という厚い空気の層で包まれており,この大気は,直接に間接にわれわれの生活に深い影響を及ぼしている。もし大気がなければ,生物の呼吸が不可能となるばかりでなく,風も吹かず,音も聞えず,水もなく,雲も生ぜず,雨も降らず,地球はまったく死の世界となってしまうであろう。しかし大気は常にわれわれに恩恵だけを与えているとは限らない。わが国は有名な天災国であって,毎年天災によって失う生命・財産などの被害は多額なものであるが,この天災は地震によって起るものを除いては,ほとんど気象現象によって起る災害である。このように考えると,われわれが大気中に起っているいろいろな現象について理解を深め,あるときにはこれを利用し,またあるときは災害を未然に防ぐことはわれわれの生活を豊かにするのにきわめてたいせつである。
このような立場から,この単元では,気象や気候についての理解を深め,それが人生にどのような影響を与えているかを研究すると同時に,日常の気象現象に興味をもち,これを継続的に観察する能力や,機械を正しく取り扱う能力を養い,あわせて郷土の気候の特性に適応してよりよい生活を営む態度や,気象の災害を防止し,正しい処置をとる態度を作ることを目的としている。
目 標
2.風・雨・雪などの現象が起るおもな原因を理解する。
3.天気予報のできる原理やその機構について理解する。
4.地域によって気候型の異なること,および気候と人生との関係について理解する。
5.各種の気象機械を正しく使って観測する技能を伸ばす。
6.気象に関する知識や天気図を応用して天気の移り変りをだいたい予知し,これを日常生活に利用する能力を養う。
7.日常の気象現象に興味をもち,これを継続的に観察し,その結果を利用する能力を伸ばす。
8.郷土の気候の特性を理解し,これに適応した生活を営もうとする態度を養う。
9.干ばつや暴風雨による損害を防ぐために生活をくふう改善しようとする態度を養う。
学習の範図と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
問答と教師の説明 |
単元Ⅰの2で学んだ事がらについて教師の問に答え,大気の状態を調べる方法について教師の説明を聞く。 |
観測(温度計・湿度計・気圧計・風速計・風向計を用いる) |
気温・気圧・湿度・風向・風速,雲量などの観測を定時に行い,当番をきめて長期間にわたってその記録をとる。 |
(1) 大気は何からできているか
問 答 |
大気の上層ではどんなことが起っているか,また大気の存在はどんなことからわかるかについて問答する。 |
話合い |
大気の組成について話し合う。 |
研究と発表 |
個人で次の題目から適当なものを選んで研究し発表する。 a.酸素と生命 b.窒(ちつ)素の利用 c.天気と水蒸気との関係 d.大気中の夾(きょう)雑物が天気や人生に与える影響 e.空の色 |
討 論 |
大気がなくなったらどんなことが起るだろうかについて討論する。 |
報 告 |
大気の諸成分が人生に及ぼす影響について報告書を出す。 |
(2) 気圧は高さによってどう変るか
話合い |
知識や経験をもとにして次の事がらについて話し合う。 a.平地と高山における動植物の相違 b.高山病 |
教師または生徒の代表による実験(マノメーターを用いる) |
ボイル・シャールの法則(気体の温度・圧力・密度の関係)を示す実験を行う。 |
講 義 |
飛行や登山に用いられる高度計の原理(気圧と高さとの関係)について講義する。 |
計 算 |
山頂における水の沸点と,ふもとにおける気圧の値とを知って山の高さを求める。 |
グラフの作製 |
いろいろな緯度で,温度と高さとの関係を示すグラフを作る。 |
(3) 気温の変化は何によって起るか
観測結果の整理 |
既に行った観測結果を利用して,気温の日変化を示すグラフを作る。 |
研究と討議(理科表を用いる) |
晴天の日と曇天の日,海岸と内陸とにおける気温の日変化の差異を調べ,その違いが何によって起るかについて討論する。 |
問 答 |
理解の不足を補うために,教師は次の事がらを問答する。 a.気温の最高と最低は1日の中のいつ頃起るか b.このような気温変化の起るのはなぜか |
教師の説明 |
次のことがらについて説明する。 a.大気中における熱の出入り b.気温の日較差は場所によってどのように違うか c.気温の非周期的変化 d.断熱変化 |
研究と報告 |
次のことがらのうち適当なものを選んで研究し報告書を出す。 a.気温日変化の場所による差異とその原因 b.気温の年変化とその原因 c.気温年変化の場所による差異とその原因 d.断熱変化の気象現象における重要性 |
(4) 大気は上層ではどうなっているか
話合い |
次のようなことについて話し合う。 a.成層圏について知っていること b.成層圏飛行にはどのような利点があるか。またどのような衛生上の注意が必要か |
教師または専門家の説明 |
次のことについて説明する。 a.成層圏の気象状態 b.超高層に起っている諸現象 |
劇化または報告 |
ロケットによって200kmの上空まで飛行したと仮定したときの状況を劇または報告書にする。 |
2.風はどのように吹くか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.風はどんなときに強く吹くか b.風の速さや方向はどのようにして測ったらよいか |
教師の説明と話合い(風速計・風向計を用いる) |
次のことについて説明し,全体で話し合う。 a.風向計の構造 b.風速計の原理 |
教師の説明 |
次のことについて説明する。 a.風力階級 b.地球の自転による転向力 c.地衡風と傾度風 |
研究とグラフの製作 |
いろいろの緯度で気圧傾度と風速との関係を調べ,グラフを作る。 |
話合い |
陸上と海上とで風の吹き方はどう違うか。また,地上と高空ではどうかを話し合う。 |
報 告 |
いろいろな等圧線を与えて,風向を記入する練習を行い,それらの作図の結果を提出する。 |
(2) 低気圧や高気圧が来ると,風はどのように吹くか
話合い |
低気圧,高気圧について知っていることを話し合う。 |
教師の説明(天気図・絵などを用いる) |
次のことについて説明する。 a.低気圧と高気圧における風の吹き方の違い b.低気圧・高気圧と天気との関係 c.台風 |
グラフの作製 |
低気圧・台風の区域内での気圧分布を研究しグラフを作る。 |
報 告 |
台風が近づいて付近を通過し,遠方に去るときの風の吹き方のようすを報告する。 |
参考書による研究と発表 |
個人またはグループ別に次のことがらの適当なものを選んで研究し,発表する。 a.台風の目 b.台風による災害 c.低気圧の構造 d.高気圧の種類 e.その他 |
(3) 大気中にはどんな対流現象が起るか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.対流とは何か b.昼と夜とでの風の吹き方の違い |
実 験 |
教師,または生徒の代表によって水の対流の実験を行う。 |
問 答 |
次のことについて問答する。 a.気温が場所によって異なるのはなぜか b.気温の差異があると大気中にはどんな対流が起るか |
教師の説明または話合い |
次のことについて説明する。または全体で話し合う。 a.海陸風と山谷風 b.季節風 c.大気の環流 |
研究と発表 |
個人またはグループ別に日本各地の主風を月別に統計し発表する。 |
図表の作製 |
a.季節風・海陸風・山谷風についてその原因・周期・卓越する区域の差異を示す表を作る。 b.大気の環流を示す図を作る。 |
3.大気中の水分は天気の変化にどんな役割を果すか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.洗たく物が乾きやすいのはどんなときか b.むし暑いと感じるのはどんなときか c.空気中の水分はどこから来たものか |
実験(いろいろな湿度計を用いる) |
教師または代表の生徒が大気中の水蒸気量を測る方法を演示し,その原理を説明する。 |
実験(乾湿計・毛髪湿度計を用いる) |
前の説明に基いて,毛髪湿度計・乾湿計を用いて湿度を測る実験をする。 |
話合い |
湿度と生活との関係について話し合う。 |
参考書による研究と発表 |
個人またはグループで,次の事項から一つを選んで研究し,発表する。 a.大火がよく起るのは1年のうちのいつごろか b.カタ寒暖計とは何か c.郷土のクライモグラフ |
(2) 雲や霧はどのようにしてできるか
問 答 |
雲にはどんな種類があるかについて教師の問に答える。 |
話合い(雲の写真を用いる) |
雲形を示す写真をもとにして次の事がらについて話し合う。 a.写真にあるような雲はどんなときに出るか b.季節によって雲にどんな特色が見られるか |
講義(雲や霧の写真・図表などを用いる) |
次のことについて講義する。 a.雲・霧・もやなどの成因 b.雲・霧・もやなどの種類 c.上昇気流はどんなときに起きるか |
観測と記録 |
当番をきめてかなりの長期間にわたって毎日一定の時刻に雲(雲形・雲量・雲向・雲速度など)の観測を行い記録する。 |
(3) 雨や雷はどのようにして降るか
話合い |
降水と人生との関係について話し合う。 |
問 答 |
次のことについて問答する。 a.どんな種類の雲から雨が降るか b.雨滴の大きさに違いがあるのはなぜか c.雪と氷の形はどのように違うか |
討議と実験(雨量計などを用いる) |
次の事がらについて討議し,できたら実験する。 a.雨や雪の量を測るにはどうすればよいか b.雨滴の大きさを測るにはどうすればよいか c.雪の結晶を調べるにはどんな注意がいるか d.雨滴の落下速度を測るにはどうすれはよいか |
教師の説明 |
次のことについて説明する。 a.雨滴の生長の機構 b.雪の成因 c.ひょうのでき方 d.その他の降水の種類と成因 |
参考書による研究と発表 |
グループまたは個人で次の中の一つを選んで研究し,発表する。 a,大気中の凝結核および昇華(か)核 b.雪の結晶 c.人工降雨 d.雷雨 e.気象と航空との関係 f.フェーン現象 |
表の作製 |
降水の種類と成因を表にしてまとめる。 |
4.天気予報はどのようにして行うか
話合い(天気図を用いる) |
次のことについて話し合う。 a.天気予報の重要性 b.天気予報を出すのに,天気図はどのような役割を果しているか |
見学および研究と発表 |
天気図がどのようにして作られるかを理解するために気象台や測候所を見学したり,参考書を読んだりして,そこで得た知識をまとめ,次の事がらを主題として発表を行う。 a.気象台や測候所では気象観測がどのように行われているか b.気象電報および気象台相互間の連絡法 c.日本および世界における観測所の分布 |
教師の説明 |
天気図の描き方について説明する。 |
天気図の作製 |
ラジオの漁業気象または極東天気図の裏にある資料などを利用して,天気図のかき方を練習する。 また当番をきめて毎日天気図をかき,長期間にわたって天気図を作製する。 |
(2) 気圧型と天気とはどんな関係があるか
話合い |
なぜ天気図に等圧線をかく必要があるかを話し合う。 |
研究と話合い |
季節風の強いときの冬の天気図や,晴天の続くときの夏の天気図を調べ,天気と等圧線の形との関係について話し合う。 |
教師の説明 |
天気図の見方について(連続の法則・天気東漸の法則・気圧型と天気との関係・低気圧・高気圧・不連続線と天気との関係など)説明する。 |
天気図の分類 |
気象台発行の天気図または新聞から切り抜いた天気図を気圧型によって分類し,気圧型と天気との関係を調べる。 |
報 告 |
気圧型と天気との関係について報告書を提出する。 |
(3) 気団や不連続線はどのようなものか
問 答 |
復習のために,次の事がらについて問答する。 a.気温の急激な変化は何によって起きるか b.温帯の低気圧はどんな所で発生するか |
講義(天気図・地図などを用いる) |
次のことについて講義する。 a.気団ができるのにはどんな条件が必要か b.日本付近の気団の特性 c.暖気団および冷気団と天気との関係 d.不連続線と天気との関係 e.低気圧と不連続線との関係 |
研究と話合い |
自分でかいた天気図または新聞から切り抜いた天気図をもとにして,不連続線や低気圧の移動のようすを調べて話し合う。 |
図表の作製 |
a.日本付近の気団の性質を示す表を作る。 b.不連続線の性質を示す表を作る。 c.低気圧および不連続線の構造を示す断面図を作る。 |
(4) 気象通報をよりよく利用するにはどうすればよいか
話合い |
a.天気に関する昔からの言い伝えを集め,それらの科学性について話し合う。 b.天気図による天気予報の科学的な基礎について話し合う。 |
教師の説明 |
次のことについて説明する。 a.気象台から発表されている予報の種類(短期間の予報,週間天気予報,季節予報など) b.気象台から発表される気象特報 |
話合い |
次のことについて話し合う。 a.週間天気予報をどのように利用するか b.気象特報が出たらどんな処置をとればよいか |
研究と発表 |
天気予報が農業・漁業・航空・航海などにどのように利用されているかを調べ,その結果を発表する。 |
報 告 |
天気予報をもっとよく利用するにはどうしたらよいかについて論文を書き,提出する。 |
5.気候は場所によってどのように違うか
話合い(地図・海流分布図などを用いる) |
日本の気候が季節風・海流・地形・水陸の分布・緯度などの影響をどのようにうけているかについて話し合う。 |
教師の説明 |
日本の気候の特性とその季節的変化について説明する。 |
研究と話合い |
気候に関連した郷土の年中行事を調べ,それについて気のついたこと,疑問に思うことなどを話し合う。 |
表・グラフの作製 |
a.日本の気候(気温・湿度・降水量・風速・風向など)を要約した表を作る。 b.郷土の気候の特性を示すグラフを作る。 |
(2) 世界各地の気候はどのように分類されるか
話合い |
次のことを話し合う。 a.気候の特性を示すにはどうすればよいか b.気候の特性は何によって支配されるか |
教師の説明 |
上の談話に基き,次の事がらについて説明する。 a.気候要素と気候因子 b.気候型 |
参考書による研究と発表 |
グループに分れて世界のおもな気候型の特性を調べて発表する。 |
(3) 気候は人生にどんな影響を与えるか。また,気候の変化に適応することによって,生活を改善するにはどうしたらよいか
研究と話合い |
次のことについて調べて話し合う。 a.日本および世界各地の家屋の構造と気候との関係 b.日本および世界各地の国民の衣服と気候との関係 c.日本および世界各国の産業と気候との関係 d.郷土の気候に適応して生活を改善するにはどうすればよいか |
観 察 |
写真・スライド・絵などを集めて,世界各地の住民の生活と気候との関係を理解する。 |
劇 化 |
以上で調べたことに基いて生活と気候との関係を示す簡単な劇を作って見せる。 |
計画と報告 |
次の事がらについて計画をたて報告書にして提出する。 a.気象に関する災害を防ぐにはどうしたらよいか b.われわれの家を気候にいっそう適応させるには,どんなくふうや改良が必要か |
単元Ⅳ 海はどのようになっているか。また,それは人生とどんな関係があるか
要 旨
海は地球の表面積の約7割を占めており,資源を供給し,交通に利用され,気候を緩和するなど,直接間接に人生に大きな影響を与えている。ことにわが国は周辺を海に囲まれた島国で,海から受ける恩恵は特に大きい。しかし海の利用をさらに高め,その恩恵をいっそう大きなものにするためには,海についてのより深い理解が必要である。海は神秘に満ちており,われわれの今後の開拓を待っている宝庫ともいえる。この神秘を解き,その宝庫を開くかぎは海に関する絶えざる研究である。
海には海流や潮の流れがあり,これらは漁業や航海と密接な関係をもっている。このような海水の流れはどのようにしてでき,どのように流れているであろうか。海岸には遠浅のもの,切り立ったがけになっているもの,単調なもの,複雑なものなど,いろいろな地形が見られるが,このような地形はどうしてできたのであろうか。また海水はどんな性質をもち,海底の地形やそこに見られるたい積物にはどんなものがあるであろうか。
この単元では上のような問題を中心にして学習をすすめ,海への関心と理解を深めるとともに,われわれが海からどんな多くの恩恵を受けているかを知り,今後いっそうその利用を高めようとする態度を養うことを目ざしている。
目 標
2.海水の性質や運動に関するおもな事項を理解する。
3.海岸の地形を比較観察し,これらの地形と自然の営力との関係を理解する。
4.われわれの生活に海が大きな恩恵を与えていることを理解し,感得する。
5.海に関する資料を利用して問題を解決する能力を養う。
6.海に関する事実や原理を日常生活に応用する能力や態度を養う。
7.海の偉大さや美しさを感得する。
8.問題解決のために専門家の意見をきいたり,未解決な問題をはっきりつかんで,これを自力で解決しようとして努力する態度を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
話合い |
次のことについて話し合う。 a.海の恵み・美しさ・航海の経験など b.海岸の地形にはどんなものがあるか |
(1) 海岸の地形は所によってどのように違うか
参考書による研究と話合い |
次のことについて調べて話し合う。 a.日本の海岸線と海岸地形の特徴 b.世界における種々の海岸線と海岸地形 c.海岸線と海岸地形との関係 |
収集と観察 |
世界におけるいろいろな海岸地形の写真・スライド・絵などを集めて観察し話し合う。 |
分 類 |
いろいろな海岸地形の分類をする。 |
(2) 海岸では侵食やたい積がどのように行われているか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.種々の海岸地形をつくる要因 b.海岸付近ではどのような侵食作用が行われるか |
野外調査と話合い |
海岸で波の侵食作用を観察し,話合いをする。 |
参考書による研究と話合い |
海食洞(どう),海食崖,海食台などの地形とその成因について調べて話し合う。 |
話合い |
海のたい積作用について話し合う。 |
研究と話合い |
三角州・砂州・砂嘴(し),陸繋(けい)島などの形態とその成因について調べて話し合う。また教師が説明を加える。 |
研究と発表 |
グループごとに次の題目を選んで研究し発表する。 a.隆起海岸 b.沈降海岸とリアス式海岸 c.フィヨルド式海岸 d.断層海岸 e.さんごしょう海岸 |
2.海水にはどんな性質があるか。また,海の底はどのようになっているか
話合い |
海水と淡水との違いについて話し合う。 |
講 義 |
海水の温度の測定法について講義する。 |
研究と話合い |
次のことを調べて話し合う。 a.日本近海における夏・冬の海水の温度および水温分布図と気温分布図との比較 b.海水の深さによる温度の変化とその原因および気温の高度分布図と海水の深度による温度分布図との比較 |
研究と発表 |
次のことについて調べて発表する。 a.海水の温度の日変化と年変化 b.海水の温度の日変化・年変化と気温のそれとの比較 c.海水の凍結 |
研究と話合い |
海水の密度・色について調べて話し合う。 |
講義(写真・絵などを用いる) |
次のことについて講義する。 a.海水の色と透明度の測定法 b.日本近海における海水の色と透明度 |
観測と話合い |
海水の温度・色・透明度などを調べ,その結果について話し合う。 |
参考書による研究と報告 |
光の海水中に到達する深さの限度について調べて報告する。 |
(2) 海水にはどんなものが溶けているか
話合い |
海水に溶けている物質の種類とその量について話し合う。 |
研究と発表または教師の説明 |
塩分の測定法について調べて発表するか教師が説明する。 |
グループによる実験 |
海水または塩水の塩分を測定する。 |
研究と発表 |
日本近海の海水の塩分について調べて発表する。 |
話合い |
世界における塩分分布図を見て,塩分の分布を左右する原因について話し合う。 |
研究と発表または教師の説明 |
海水の成分と海の生物との関係について調べて発表するか教師が説明する。 |
参考書による研究と話合い |
次のことについて調べて話し合う。 a.海水の塩分の利用 b.海水中の塩分の起源 |
(3) 海底の地形はどうなっているか
話合い |
陸上の地形と海底の地形との差異について話し合う。 |
研究と話合い |
海の深さの測り方について調べて話し合う。 |
講義(絵・写真・図表などを用いる) |
次のことについて講義する。 a.海の深さの測り方(音響測深法・鋼索測深法) b.世界の海底地形 |
断面図の作製 |
グループで日本付近の東西にわたる地形の断面図を作る。 |
参考書による研究と報告 |
海溝(こう)の成因に関する諸学説について調べて報告書を出す。 |
(4) 海底にはどんなものがたい積しているか
話合いと教師の説明 |
海底のたい積物の調査法とその歴史について話合い,教師が説明を加える。 |
講義(絵画・図表などを用いる) |
陸だな・大陸傾斜面・大洋底上のたい積物の種類と起源について講義する。 |
話合い |
陸上のたい積物と海底のたい積物との差異について話し合う。 |
3.海水にはどのような動きがあるか
話合い |
海の波について海水浴や航海などで観察した事がらについて話し合う。 |
講 義 |
海の波の種類と波の起る原因について講義する。 |
研究と報告 |
磯(いそ)波・土用波・津波などについて調べて報告書を出す。 |
観 察 |
海岸で波を観察し記録する。 |
研究と話合い |
波による被害とその対策について調べて話し合う。 |
(2) 潮流はどのように流れるか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.潮汐と潮干狩との関係 b.潮の干満の起る原因 c.潮の高さの測定法 |
研究と発表 |
グループ別に問題を選んで研究し発表する。 a.大潮・小潮と季節との関係 b.満潮から次の満潮までの時間,潮の干満と月の満ち欠けとの関係 c.同潮時線 |
問 答 |
次のことについて問答する。 a.潮流の起る原因 b.潮流の速さと場所との関係 c.潮流と人生との関係 |
測定と見学 |
a.近くの海岸で潮の間隔・潮差などについて測定し,その結果を表やグラフにまとめる。 b.気象台や測候所で験潮器の構造や潮汐予報のしかたなどを調べる。 |
(3) 海流はどのように流れるか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.難波船の漂流径路や生物の分布と海流との関係 b.海流と潮流との違い |
講義(写真・絵・海図・地図などを用いる) |
次のことについて講義する。 a.海流の種類と海流の起る原因 b.潮目 c.海流の調査法 |
研究と報告 |
a.世界のおもな海流について調べ,海流図を作る。 b.黒潮や親潮の特徴について調べ,報告書を出す。 |
(4) 海流は人生にどのような影響を与えるか
話合い |
海流と人生との関係について話し合う。 |
研究と話合い |
グループで次のことを調べて話し合う。 a.航海と海流との関係 b.気候に及ぼす海流の影響 c.漁業と海流との関係 |
4.海や海の産物をよりよく利用するにはどうしたらよいか
話合い |
われわれは海からどんな恩恵を受けているかについて話し合う。 |
研究と発表 |
グループ別に次の問題を選んで研究し発表する。 a.海から得られる食糧資源にはどんな物があるか b.食塩の製造とその利用 c.海を交通路としてどのように利用しているか d.海と気候との関係 e.海は観光や休養とどのような関係をもっているか |
計画と話合い |
次のことについて計画して話し合う。 a.海産物のよりよい利用法 b.海水に溶けている物質のよりよい利用法 c.観光や健康増進のための海のよりよい利用法 d.海のもつエネルギーの利用法(たとえば海流や潮流など) |
単元Ⅴ 空気や水は地表をどのように変えるか
要 旨
日本の自然は変化に富んでいる。陸地には起伏が多く,山や平野が複雑に分布し,その間をぬって川が流れ,所々に湖がつくられている。われわれはこのような地表に住み,それぞれの地域の特性に応じた生活を営んでいる。それでは,このような地表の起伏はどのようにしてできたのであろうか。
地形を形造る原因には,火山・地震・造山運動・造陸運動など地球の内部に起因する地殻変動があり,これらは地形の骨組をつくっている。しかし,谷を刻み,植物が生育できる土地をつくり,われわれが生活できるような土地を形成したのは,おもに空気や水などの外から働く営力である。
陸上の水は川・湖・地下水・氷河などになって,地表をめぐり,その間に侵食・運搬・たい積の作用を行い,地表にいろいろな変化を与えている。それではこれらの陸上の水は地表にどのように利用し,どんな地形を形成するであろうか。また,どんな性質をもち,どのようにしてつくられ,さらにそれらは人生とどんな関係をもっているであろうか。
また,空気・生物・気温の変化なども地表にいろいろな変化を与えており,人生に大きな影響を与えている。
土壌はこのような外力によってつくられたものであり,われわれの生活に最も深い関係をもつものである。したがって土壌の成因・性質・改良などについて学習することも重要なことである。
以上の問題は常にわれわれの目にふれ,身近な所に存在しており,しかも人生に密接なつながりをもち,生活を豊かにするためにもいっそう深い探究と理解を必要とする。この単元では上の問題について学習を進める間に,身近な自然環境に興味をもち,その中から疑問と解決のいとぐちを見いだし,野外の観察や調査をもとにして問題を解決する技能を養うことなどを目ざしている。
目 標
2.侵食作用・風化作用の営力と地形との関係について理解する。
3.土壌の成因・種類とその利用について理解する。
4.郷土の川・湖・地下水の性質や分布を調べて,これを実生活に利用する能力を高める。
5.地形図を読みとって地形の特徴を理解し,これをいろいろな場面に利用する能力を高める。
6.野外に出て地表のようすを正しく観察し記録する能力を高める。
7.湖・川・地下水などに関する地学現象に興味をもち,そこから問題を見つけてみずから解決しようとする態度を養う。
8.現在の地形から過去の変遷を読みとる能力や態度を養う。
9.郷土の土地の性質を理解し,これを有効に利用しようとする態度を伸ばす。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
話合い |
次のことについて話し合う。 a.地上に降った水はどのようになるか b.地上の水はどんな形で存在するか |
図の作製 |
水の循環の径路を示す図を作製する。 |
分布図の作製 |
日本および世界におけるおもな川・湖の分布図を作製する。 |
研究と報告 |
日本および世界のおもな川・湖の大きさ・特徴・利用などについて調べて報告する。 |
問 答 |
日本の川・湖と世界のそれとの比較について問答する。 |
(2) 川はどのようにしてできたか。また,それはどのように流れているか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.川の重要性 b.河水の源・集水のしかた・範囲および河水のゆくえなど |
野外観察または参考書による研究 |
a.郷土の川の水位と流れ方を調べる。 b.郷土の川の流速を測る。 c.蛇(だ)行のようすとその原因を調べる。 |
講 義 |
次のことについて講義する。 a.河水の流量と河水に含まれている物質 b.川のりんね(輪廻) |
断面図の作製 |
二,三の川について平衡曲線を作りその特徴を比較する。 |
研究と発表 |
グループ別に次の事がらについて調べて発表する。 a.洪(こう)水の利害 b.洪水の起る原因 c.日本において洪水のよく起る川・時期・被害など d.洪水対策 |
(3) 湖はどのようにしてできたか。また,湖にはどんな性質があるか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.川と湖との関係 b.日本のおもな湖の特徴(形・大きさ・位置など) c.世界のおもな湖の特徴と日本の湖との比較 |
講義(写真・地図・模型などを用いる) |
次のことについて講義する。 a.湖・沼・沢の区別 b.湖の成因 c.湖の深さ・透明度・水色・水温・水質・湖の生物などの調査・観測の方法 |
表の作製 |
日本のおもな湖について種々の性質を示す一覧表を作り,提出する。 |
野外調査と報告 |
郷土の湖の調査をし,結果をまとめて報告する。 |
(4) 地下にしみ込んだ水はどうなるか
話合い |
飲料水の源とそれを得る方法について話し合う。 |
講義(地図・図表などを用いる) |
地下水の種類・地下水面・水温・水質などについて講義する。 |
野外調査 |
グループでいろいろな井戸について水面の高さ・水温・水質などを調べ,その結果について話し合う。 |
研究と話合い(地図・地形図・図表など使用) |
郷土の地下水の状態と地形や地質との関係について調べて話し合う。 |
研究と発表 |
次のことを調べて発表する。 a.掘抜井戸と泉 b.地下水と川との関係 |
(5) 湖・川・地下水はどんなことに利用されているか
話合い |
川・湖・地下水の利用について話し合う。 |
研究と報告 |
グループ別に次のどれかを選んで研究し,報告する。 a.家庭用水 b.灌漑(かんがい)用水 c.工業用水 d.水力発電 e.交通と湖・川との関係 f.湖や川から得られる食糧資源 g.観光と湖・川との関係 h.川・湖・地下水のその他の利用 |
話合い |
次のことについて話し合う。 a.水源を養うにはどうしたらよいか b.川・湖・地下水のよりよい利用のしかたと今後の新しい利用面 |
2.空気・水・氷などは陸地をどのように変えるか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.地形は長い間にどのように変っていくか b.地形を変える要因にはどんなものがあるか(内因作用と外因作用) |
教師の説明(地図・図表・絵・写真などを用いる) |
風化作用について次の事がらを説明する。 a.水と氷の作用 b.温度の変化のはたらき c.大気の作用 d.生物の作用 |
野外調査と話合い |
野外で岩石の風化面を観察し,話合いをする。 |
研究と発表 |
次のことについて調べて発表する。 a.砂丘 b.陶磁器の原料とその起源 |
(2) 流水はどんなはたらきをするか
問 答 |
流水のはたらき(侵食・運搬・たい積)について問答する。 |
教師の説明(図表・絵・写真などを用いる) |
河の侵食・運搬・たい積の作用と流速・水量などとの関係について説明する。 |
野外調査と報告 |
郷土の川について次の事がらを調べて報告書を提出する。 a.流水によって削られた河床や河の側壁の状態 b.河床における砂や小石の大きさ・形・排列・分布など c.流路・流速・冲(ちょう)積地の分布の状態 |
研究と報告 |
次のことについて調べて報告書を出す。 a.三角州・扇状地などの成因と発達 b.浄水場のため池のはたらき c.カルスト地形と悪地形 d.黄土とロームの特徴・分布・起源など |
劇 化 |
河の旅とその作用を示す紙しばいや劇を作って発表する。 |
(3) 氷河はどんなはたらきをするか
話合い(地図・絵・写真などを用いる) |
次のことについて話し合う。 a.氷河とは何か b.氷河の分布する地域 c.氷河による侵食・運搬・たい積 |
講義(写真・絵画・スライドなどを用いる) |
次のことについて講義する。 a.雪線と高度・緯度との関係 b.氷河の種類 c.氷河の地形・たい積物・氷河遺跡 |
研究と発表 |
日本の氷河について調べ,結果を発表する。 |
(4) 地形は長い間にどのように変っていくか
話合い |
山の地形は長い間にどんなに変っていくかを話し合う。 |
観察による研究(写真・絵などを用いる) |
侵食の程度によって,地形がどのように変るかを観察し,その特徴について話し合う。 |
実 験 |
地形の模型を作り,水を流して地形の変化を調べる。 |
教師の説明(写真・絵画・模型・地図などを用いる) |
次のことについて説明する。 a.地形の侵食りんねと,その各期における特徴 b.地形の若返り |
地図による研究(地形図を用いる) |
適当な地域を選んで,峯の分布・高度の比較・稜線・川の系統などを調べ,侵食と地形との関係や地形の特徴を調べる。 |
模型や絵の作製 |
侵食のりんねを示す模型や絵を作る。 |
3.土は場所によってどのように異なるか
話合い |
郷土の土は場所によってどんなに違うか話し合う。 |
教師の説明 |
次のことについて説明する。 a.岩石から土になるまで b.土によってできかたがどのように違うか |
観察と研究 |
a.がけ・河岸・海岸などで土の形成について観察する。 b.肉眼や顕微鏡で土の組成を観察し,成因との関係を考える。 |
野外調査と話合い |
郷土の土の分布を調べ,その成因を考えて話し合う。 |
研究と報告 |
土壌発達の要因(気候・水・植物など)について調べて話し合う。 |
(2) 日本や世界にはどんな種類の土があるか
観察と実験 |
a.水田の土・畑の土・庭土などを肉眼で比較観察する。 b.上の土について土粒の種類や大きさなどを比較観察する。 |
講義(標本・絵・写頁などを用いる) |
次のことについて講義する。 a.土の種類と分類のしかた b.日本および世界の土壌型 |
研究と話合い |
郷土の土を調べ,その特性について話し合う。 |
分布図の作製 |
郷土の土を分類し,その分布図を作る。 |
(3) 土をよりよく利用するにはどうしたらよいか
話合い |
郷土の土の利用状況について話し合う。 |
講義(地図・写真・絵などを用いる) |
土地の利用と土性との関係について講義する。 |
実 験 |
土の透水性や土の酸性度を調べる実験をする。 |
研究と話合い |
土性と植物との関係について話し合う。 |
分布図の作製 |
郷土の土地利用の分布図を作る。 |
研究と報告 |
土質改良・土地改良・未利用地の利用の方法について調べて報告する。 |
単元Ⅵ 地殻にはどのような変動があるか
要 旨
日本は昔から地震や火山活動の多い国といわれている。このような地殻変動については多くの生徒が深い関心をもっており,また人生とも深い関係をもっている。ことに地震は今までにおびただしい災害を与えてきた。したがって,地震や火山の性質を理解し,その災害を軽減することは,生活をいっそうよくするために重要なことである。
地震や火山活動のような急激な地殻の変動のほかに,緩慢な地殻の運動があることはいろいろな事実から知られている。たとえば,ある地域では年々土地が少しずつ傾動あるいは沈下して,農地をせばめ,漁村を後退させ,橋を破壊し,交通路を切断している事実がある。また,このような動きは過去にも起っていたことは,海にたい積した地層が陸地に広く分布していることからも知られる。このような動きを精密に知るのにはどのようにしたらよいのであろうか。さらに山脈には,たい積岩が折り重なってできているものもあり,このことから地殻には山をつくるような運動も起ることが考えられる。それでは過去に起ったこれらの運動は何を手がかりにして調べたらよいであろうか。
この単元では主として,地震・火山・温泉などに関する基礎的な事項とそれらと人生との関係,土地の昇降運動とその結果地表に起った変化や山ができる原因などについて学習する。この学習を通して国土の自然に対する理解を深め,国土愛を呼び起し,また,天災防止の方策や,自然力の利用開発の方法を考え,あわせて,直接自然に触れて学習する態度を養い,自然力の偉大さを感得することなどを目ざしている。
目 標
2.いろいろの場所における土地の昇降運動が地表にどのような変化を与えるかを理解する。
3.山ができる原因と長い間における山の地形の変化について理解する。
4.地質図を読んで地下の構造を推究する能力を養う。
5.自然力の偉大さを感得する。
6.地殻変動に関する地学現象に興味をもち,みずから野外で調査研究する能力や態度を養う。
7.地震や火山の災害の原因を理解し,これを防いで生活をよりよくする能力や態度を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
話合い |
地震についての経験や疑問について話し合う。 |
研究と発表(図表・写真などを用いる) |
次のことについて調べて発表する。 a.地震動の程度と震度階級 b.過去に起った大地震の震度分布 |
観察と話合い |
a.地震計の記録(地震記象)を見てゆれ方について話し合う。 b.掛図・模型・実物などによって地震計の構造・原理を調べて話し合う。 |
教師の説明 |
地震計の種類・構造・原理について説明する。 |
模型の製作と展示 |
クラスまたはグループで地震計の模型を作り展示する。 |
見学と話合い |
地震研究所や観測所などを見学し,その結果について話し合う。 |
(2) 地震の波動からどんなことがわかるか
話合い |
地震記象からどんなことがわかるかについて話し合う。 |
研究と発表 |
グループで次の問題について研究発表し,結果を教師が補説する。 a.地震波の伝わり方 b.深発地震と浅発地震との波の広がり方の違い c.縦波(P波)と横波(S波)の性質 d.初期微動継続時間からわかること e.震源・震央を決定する方法 f.その他 |
計 算 |
数個所の地震記象をもとにして,震央や震源を求める。 |
講義(図表・絵などを用いる) |
地震波の研究は,地球内部の推定にどのように役だっているかについて講義する。 |
研究と発表 |
人工地震とその利用について調べて発表する。 |
(3) 地震はどのようなところに起るか
話合い(震央分布図を用いる) |
次のことについて話し合う。 a.世界ではどの地域に多く地震が起っているか b.日本の地震分布はどのようになっているか c.深発地震と浅発地震とを出現度と分布の点で比較する |
分布図の作製 |
グループで理科表などから資料を得て,近年に起った日本とその付近の震央分布図を描く。 |
話合い(震央分布図を用いる) |
日本の地震について,震源や震央の位置によってどんな特性があるかを話し合う。 |
(4) 地震は地表にどんな変化を与えるか
問 答 |
地震によって起る地表の変化にはどんな種類があるかについて問答する。 |
研究と発表 |
グループで地震による地表の変化について次の題目を選んで研究し,発表する。 a.地震断層 b.土地の隆起・沈降 c.地震津波 d.山くずれ・地すべり e.その他 |
教師の説明(写真・図表・スライドなどを用いる) |
次のことについて説明する。 a.最近起った大地震による地表の変化 b.地震津波の原因と過去に多く起った地域 |
(5) 地震の災害はどのようにしたら軽減できるか
研究と話合い |
過去に起った大地震の災害について調べて話し合う。 |
研究と発表 |
次の題目を選び,研究の結果を発表し,教師があとで補説する。 a.耐震家屋 b.地震動と地盤の関係 c.地震と火災 d.大地震に対する処置 e.地震津波に対する処置と災害防止 |
計画と話合い |
郷土における地震や津波の災害防止の対策を計画し,話し合う。 |
教師の説明 |
地震の原因と予知について現在一般に考えられていることを説明する。 |
2.火山はどのようにしてできたか
話合い |
火山と火山でない山との違いや火山についての疑問などについて話し合う。 |
観察と話合い,教師の説明 |
世界及び日本の火山分布図を見て次の事がらについて話し合う。また,教師が説明を加える。 a.世界のおもな火山帯と火山および火山分布の特徴 b.日本のおもな火山帯と火山および火山分布の特徴 c.郷土の火山とその分布 d.火山帯と地震帯の分布の関係 |
分布図の作製 |
グループで日本の主な火山や火山帯の分布図を描く。 |
研究と問答 |
活火山・休火山・死火山の区別とその例について調べて問答する。 |
(2) 火山はどのような活動をするか
話合い |
次のことについて知っていることを話し合う。 a.最近にあった火山の噴火 b.火山噴火のようすやこれに関する経験 |
資料の収集と展示 |
火山噴火の情景を示す写真や絵を集めて展示し,できたら映画やスライドをみる。 |
観 察 |
よう岩流・火山弾・火山灰などの火山噴出物の標本を観察し,それらの特徴について話し合う。 |
講義(掛図・スライド・写真などを用いる) |
次のことについて講義する。 a.噴火の型 b.噴火の原因と活動のようす c.新火山の誕生 |
研究と発表 |
日本のおもな活火山の噴火の形式について調べて発表する。 |
野外の調査 |
郷土の火山の外観・噴出物・噴火のようすなどを調べ,その結果を話し合う。 |
研究と発表 |
次の問題の一つを選んで研究し,発表する。 a.最近活動を始めた火山 b.最近つくられた火山 c.火山活動の周期性 d.噴火の予知 |
(3) 火山にはどのような型があるか
断面図・模型などの作製(地形図を用いる) |
グループで郷土または日本の代表的な火山の断面図・模型などを作る。 |
資料の収集と展示 |
いろいろな火山の写真・絵などを集めて展示し,その型を調べる。 |
研究と話合い |
日本のおもな火山の型について調べて話し合う。 |
分類と表の作製 |
火山の型を分類して表を作る。 |
講 義 |
火山の型がつくられる原因について講義する。 |
(4) 温泉はどのようにしてわくか
話合い |
温泉に関する経験について話し合う。 |
研究と話合い(温泉の分布図や地図を用いる) |
日本の温泉の分布を調べ,火山と温泉との関係について話し合う。 |
地図の作製 |
グループで日本の火山分布と温泉分布との関係を示す図を作る。 |
研究と話合い |
グループで次のような題目を選んで研究し話合いをする。 a.温泉の原因 b.温泉の含有物や種類 c.温泉・冷泉の種類と療養との関係 |
調査と報告 |
郷土の温泉の特徴やわき出る状態などについて調べ,結果を報告する |
研究と発表 |
次のことについて調べて発表する。 a.間けつ泉 b.温泉の沈でん物 |
(5) 火山や温泉は人生にどんな影響を与えるか
問 答 |
火山や温泉が人生にどんな関係をもっているかについて問答する。 |
研究発表と教師の説明(スライド・掛図・地図などを利用する) |
次のような研究題目を選んで研究発表し,教師はこれを補説する。 火山の災害について a.火山の噴火による農作物の被害 b.よう岩流・火山泥流などによる被害 c.火山灰による被害 d.火山の爆発に伴う地震や津波による被害 e.その他の災害 火山・温泉の恩恵について a.火山と風景 b.火山作用(火成作用)と地下資源 c.火山活動による地下の推究 d.温泉の効用 e.その他の恩恵 |
研究と発表 |
次のような題目を選んで研究し,発表する。 a.郷土の火山とわれわれの生活との関連 b.火山の災害防止について c.火山・温泉のよりよい利用法 |
3.土地の隆起や沈降はどのようにして知ることができるか
話合い |
土地の隆起や沈降を知る手がかりについて話し合う。 |
(1) 海岸線の形や海岸の地形からどんなことがわかるか
話合い |
a.地図によって海岸線にはどんな形があるかを話し合う。 b.絵・写真などによって海岸地形の種類について話し合う。 c.陸地と海底では地形にどんな違いがあるかを話し合う。 |
話合いと教師の説明(地形図・写真・などを用いる) |
次のことについて話合い,教師が説明を加える。 a.志摩半島や瀬戸内海などの複雑な海岸線はどのようにしてできたか b.九十九里浜のような単調な海岸線はどのようにしてできたか |
地形図・海図による研究 |
ある地域について,もし陸地が現在より100m沈み,あるいは上昇したとしたら,海岸線はどうなるかを調べる。 |
研究と発表 |
次のような題目を選び,研究して発表する。 a.おぼれ谷や海底谷は何を物語るか b.リアス式海岸の形成 c.海岸平野の形成 |
(2) 海岸段丘や河岸段丘はどのようにしてできたか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.段丘の形と特徴 b.海岸段丘と河岸段丘の違い |
講義(地形図・写真などを用いる) |
次のことについて講義する。 a.海岸段丘の形成と土地の隆起との関係 b.河岸段丘の形成と土地の隆起との関係 |
研究と話合い |
今までに調べたこと以外の土地の隆起や沈降を示す証拠について調べて話し合う。 |
調査と報告 |
郷土の土地の隆起や沈降を示す証拠を調査し,その結果を報告する。 |
表の作製 |
土地の隆起・沈降の結果を推定する証拠を分類し表にする。 |
(3) 水準点の変化からどんなことがわかるか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.水準点とは何か b.水準点は何のためにあるか |
教師の説明 |
グラフなどを用い,日本における過去の水準点の変化と,それからわかる土地の隆起・沈降について説明する。 |
研究と発表,教師の説明 |
次のような題目を調べ,その結果を発表し,教師の説明を加える。 a.検潮儀 b.検潮儀の記録からわかる土地(または水準面)の昇降 c.郷土における土地の昇降 |
研究と報告 |
土地の水平運動とそれを知る手がかりについて調べて報告する。 |
4.山はどのようにしてつくられたか
話合い |
山をつくる原因にはどんなものがあるか話し合う。 |
研究と発表,教師の説明(写真・模型・断面図・クリノメーターなどを用いる) |
次のことがらについて調べて発表し,教師が補説する。 a.断層の形式(正断層・逆断層・衝上断層・地塁・地溝など) b.褶(しゅう)曲の形式(背斜・向斜・横臥褶曲など) c.地層の走向・傾斜とこれの測定法 |
模型の作製(パラフィン・粘土などを用いる) |
グループで,断層や褶曲を示す模型をつくって展示する。 |
教師の説明 |
掛図・模型などを用いて,山脈のつくられる原因とその過程について説明する。 |
野外観察と話合い |
がけや露頭などで断層や褶曲を観察し,その結果について話し合う。 |
(2) 日本のおもな山脈はどのようにしてできたか
観察と話合い |
地図をもとにして日本のおもな山脈と,その走る方向について話し合う。 |
講義(地図・図表などを用いる) |
次のことについて講義する。 a.日本のおもな山脈の成因・構造およびつくられた時代 b.日本列島の地質構造の大要 |
話合いと野外調査,教師の説明 |
a.地質図の読み方と作り方の大要について話合い教師が説明を加える。 b.郷土の山脈の岩質・時代・構造などを地質図で調べ,野外調査をする。 |
研究と発表 |
次の題目を選んで研究しその結果を発表する。 a.フォッサマグナ(糸魚川−静岡県) b.中央構造線 c.その他 |
(3) 世界のおもな山脈はどのようにしてできたか
観察と話合い |
地図を見て世界のおもな山脈の位置・走る方向などを話し合う。 |
講義(地図・図表・写真・などを用いる) |
世界のおもな山脈の構造の大要と形成された時代について講義する。 |
研究と発表 |
地殻運動の原因に関する学説について研究発表し,教師がこれを補説する。 |
(4) 山は長い間にどのように変っていくか
話合い |
地形の変化について単元Ⅴで調べた事がらを話合い,これを整理する。 |
研究と発表 |
a.掛図・写真などを用い,山の侵食りんね・各期の特微・実例などについて話し合う。 b.山の若返りについて調べて発表する。 c.侵食りんねからみた郷土の山の時期について調べて発表する。 |
表の作製 |
地形の変化にあずかるあらゆる営力(外からの営力・内部からの営力)の種類とそのおもな作用について表を作ってまとめる。 |
単元Ⅶ 陸地や生物はどのように移り変ってきたか
要 旨
現在の地表の起伏やそこにすむ生物は長い間にしだいに移り変ってきたものである。いったい大昔にはどんな生物がいたであろうか。それらの生物がどのように移り変ってきたであろうか。また大昔にはどんな地かく変動が起ったであろうか。
これらに対する疑問や興味はほとんどすべての生徒がもっており,またこのような問題を学習することは,現在の生物や地表のようすをよりよく理解するためにも重要なことである。さらにこの学習の機会を利用して,実証的にものごとを考察する態度や,自然物や自然現象を長い時間的尺度で見る態度・習慣などを養うことを大きなねらいとしている。
この単元では,化石の意義と価値,地球の年齢の推定のしかた,地質時代の区分,地質時代における陸地や生物の移り変り,人類の発達の順序,日本列島のおいたちなどの大要について学習する。
この単元を取り扱うにあたっては,単に興味本位の学習に終ることなく,事実に基き,実証的でしかも帰納的に考察して結論を得る能力や態度を養うように努め,ふじゅうぶんな資料から直ちに結論に導くことを避けたい。また,事実と学説とをめいりょうに区別して批判的に考察する態度で学習し,誤った概念や思想を与えることのないようにしたい。また郷土の地質や地史を取り扱うことは,生徒の学習意欲を高める上にきわめて有効であるから,野外実習などによって,できるだけその機会を多くしたい。
目 標
2.地球の年齢の推定法や地質時代の区分のしかたの大要を理解する。
3.地質時代における地表の変動や生物の変遷について理解する。
4.人類の出現とその発達に関する基礎的な事項を理解する。
5.日本の地質時代のようすについて基礎的な事項を理解する。
6.化石を採集・整理し,それからその土地の過去の状態を推察する能力を養う。
7.野外調査を行い,簡単な地質図を作製する能力を養う。
8.化石や地層の中に見られる事実を尊重する態度や,これを科学的に解釈する能力を養う。
9.専門家の意見をきいて疑問解決の助けとし,問題解決にあたってかるがるしく断定をくださない態度を養う。
10.現在の自然環境は過去の幾多の変遷を経てきたものであり,このような変化は今後も続けられることを認識する。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
話合い |
次のことについて話し合う。 a.地球の歴史について知っていることや疑問に思うこと b.地球の歴史を調べる手がかり |
講義(図表・模型・標本などを用いる) |
次のことについて講義する。 a.岩石の種類や性質から得られる地史を調べる手がかり b.岩石の重なり方(整合・不整合・断層・褶曲など)からわかること |
野外の観察と話合い |
前の教師の説明と関係のある露頭を観察し,そこから推定できる事項について話し合う。 |
研究と報告 |
次の題目を選んで研究し報告書を提出する。 a.偽層 b.漣痕(れんこん) c.その他 |
(2) 化石とはどのようなものか。また,それからどんなことがわかるか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.化石の意義について b.化石について知っていること |
研究と発表 |
次の中から研究題目を選び,調べた結果を発表する。 a.化石の成因 b.化石から推定できる過去の状態 c.化石と現在の生物の関係 |
講義(標本・図・絵などを用いる) |
化石が地史の研究の上に果す役割について説明する(標準化石・示相化石など)。 |
化石採集と話合い |
郷土の化石産地に行って化石を採集し,化石がはいっている状態やたい積当時の環境などについて調べ,化石の分類や整理をする。 |
分布図の作製 |
グループで郷土の化石産地に関する資料を集め,その分布図を作る。 |
模型の作製 |
化石産地の断面図を示す模型を作る。 |
見学と話合い |
博物館や研究所などを訪問し,化石の標本を見学する。 |
2.地質時代はどのようにして区分されるか
話合い |
地質時代の意味と区分のしかたについて話し合う。 |
問 答 |
不整合の意味と時代区分との関係,および化石と時代区分との関係について問答する。 |
教師の説明(図表などを用いる) |
地質時代を区分する目安と,それによってなされた地質時代の区分について説明する。 |
表の作製 |
地質時代の区分表を作る。 |
(2) 地球の年齢はどのようにしてはかるか
話合い |
このようにしたら地球の年齢を推定することができるかについて話し合う。 |
研究と発表 |
現在までに唱えられた地球の年齢とその推定法を調べて発表する。 |
討義と教師の説明 |
次の学説について意見を交換し,教師が説明を加える。 a.岩石の冷却過程から見た地球の推定年齢 b.海水中の塩分量から推定した地球の年齢 c.たい積岩の厚さから推定した地球の年齢 d.ウラニウム原子の崩壊速度から推定した地球の年齢 e.その他 |
3.地質時代に陸地や生物はどのように変化したか
話合い |
地質時代の陸地や生物の変遷について調べてみたいことを話し合う。 |
観察(標本・写真などを用いる) |
始原代の岩石や化石の写真や絵などを観察し,その特徴について話し合う。 |
講義(標本・写真・地質図などを用いる) |
始原代の岩石の種類・分布・化石などの特徴について講義する。 |
研究と発表 |
グループ別に次のような題目の一つを選び,調べた結果を発表する。 a.始原代が他の地質時代に比べて非常に長いわけ b.始原代の終りの地変 c.生物の起源について |
(2) 古生代の自然界はどのようであったか
話合いと問答 |
古生代の区分と長さについて話合いや問答をする。 |
観察と話合い(標本・地質図・写真を用いる) |
標本や地質図などを観察し,古生代の岩石や化石と分布する地域などについて話し合う。 |
教師の説明(標本・写真・絵などを用いる) |
次のことについて説明する。 a.古生代の区分と各区分の特徴・おもな生物 b.古生代のおもな地変 c.日本の古生代の岩石・化石・分布 |
表の作製 |
古生代の生物界と地変を示す一覧表を作って展示する。 |
研究と発表 |
次の題目を選び,調べた結果を発表する。 a.三葉虫について b.古生代の魚類 c.石炭紀の植物 |
劇または紙しばいの演示 |
古生代の自然界を示す劇または紙しばいを作って発表する。 |
(3) 中生代の自然界はどのようであったか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.中生代について知っていることや調べたいこと b.中生代の長さと区分 |
観察と話合い |
中生代の岩石や化石の標本を観察し,また,地質図などによって分布を調べ,その結果について話し合う。 |
教師の説明(写真・地質図などを用いる) |
次のことについて説明する。 a.中生代の生物の変遷と地変 b.日本の中生代の岩石・化石・分布 |
研究と発表 |
次のような研究題目を選んで研究し発表する。 a.中生代のおもなはちゅう類とこれが衰退した原因 b.アンモナイト c.始祖鳥 d.その他 |
表の作製 |
グループで創意をこらして中生代の特徴を示す図表を作製する。 |
劇または紙しばいの演示 |
中生代の自然界を示す劇または紙しばいを作って発表する。 |
(4) 新生代の自然界はどのようであったか
話合いと問答 |
次のことについて話合いや問答をする。 a.新生代について知っていることや知りたいこと b.新生代の長さ・区分など |
観察と話合い |
新生代の岩石や化石などの標本を観察し,また地質図によってその時代の岩石の分布を調べ,結果について話し合う。 |
教師の説明(掛図・標本・地質図を用いる) |
新生代の生物界の変遷や地変,日本の新生代の特徴などついて説明する。 |
図表の作製 |
a.新生代の岩石・化石・著しい地変などを表わす一覧表を作る。 b.始原代から新生代までのおもな生物の移り変りを示す図表を作る。 |
研究と発表 |
次のような研究題目を選び,研究の結果を発表する。 a.ほにゅう類(ぞう・うまなど)の発達 b.日本の油田・炭田などがつくられた時代 |
劇または紙しばいの演示 |
新生代の自然界を示す劇または紙しばいを作って発表する。 |
4.人類はいつごろ現われたか。また,どのように発達してきたか
話合い |
人類の起原に関する諸学説や,人類が地球上に現われはじめたころの自然の状態などについて知っていること,調べてみたいことについて話し合う。 |
教師の説明(絵・スライド・図表などを用いる) |
次のことについて説明する。 a.大氷河の時期とその盛衰 b.大氷河時代の生物界 c.人類が地球上に現われはじめた時代 d.氷河時代の日本の状態 |
研究と発表 |
グループで氷河の遺跡と分布について調べて発表する。 |
報 告 |
大氷河時代の特徴的な生物についての報告書を出す。 |
(2) 人類の発達のようすはどんなことから調べられるか
話合い |
大昔の人類について知っていること,調べてみたいことなどを話し合う。 |
研究と話合い |
化石人類(直立猿(えん)人・ネアンデルタール人・クロマニオン人など)の骨格などを,絵・写真・模型で調べ,現代人と比較してその特徴を話し合う。 |
講義(掛図・写真・図表などを用いる) |
次のことについて講義する。 a.化石人類の研究のしかたと今までに発見されたおもな化石人類 b.人類の起原と,その後の形態上の発達 |
(3) 地質時代の人類はどんな生活をしていたか
研究と話合い |
化石人類の生活を示す資料を集め,その特徴や発達程度について話し合う。 |
教師の説明(図表・絵・写真・標本を用いる) |
次のことについて説明する。 a.石器時代の区分とその特徴 b.日本の石器時代 |
表の作製 |
個別またはグループで化石人類の文化の発達を示す図表を作る。 |
研究と発表 |
次の題目について一つを選んで研究し発表する。 a.直立猿人のころの生活 b.ネアンデルタール人のころの生活 c.クロマニオン人のころの生活 d.貝ずかについて |
5.地質時代の日本はどんなであったか
話合い |
地形図や地質図をもとにして日本やその近くの地形,地質の特色を調べて話し合う。 |
研究と発表,教師の説明 |
次のような題目を選び,研究結果を発表し,教師が補説する。 a.日本列島の地形の大要と特色 b.日本列島の地質の大要と特色 |
教師の説明(地質図・図表などを用いる) |
次のことについて説明する。 a.日本列島の主要な地質構造線 b.日本で発見されたおしかぶせその他の著しい地質構造 |
(2) 日本列島はどのような生いたちをしてきたか
話合い |
今までに学習した地史の内容,日本列島や郷土の地史について調べたことを話し合う。 |
研究と発表 |
グループごとに次の題目の一つを選んで調べ,結果を発表し合う。 a.古生代のころの日本のようす b.中生代のころの日本のようす c.新生代のころの日本のようす |
教師の説明(標本・地質図・絵・図表などを用いる) |
次のことについて説明する。 a.日本列島の生いたちの大要 b.郷土の地史 c.日本の地質時代における生物界の特徴 |
見学と野外調査 |
a.博物館・研究所などを見学し,日本列島や郷土の生いたちを知る標本などの参考物を観察し,結果を報告する。 b.郷土の地質を調べ,野外調査をもとにして地史を知る方法の大要を理解し,報告書を提出する。 |
地質図の作製 |
調査結果や参考資料をもとにして郷土の簡単な地質図を作る。 |
劇や紙しばいの作製と発表 |
日本列島や郷土の地史に関する劇や紙しばいを作り,発表する。 |
単元Ⅷ 地球は宇宙の中でどのような位置を占めているか
要 旨
昔から星は人の運命を導くものとして信仰され,星についての迷信や伝説はかなりの数にのぼっている。しかし自然科学の進歩は,宇宙のなぞを一歩一歩合理的に解決し,現在では迷信や伝説の入りこむすきはまったくなくなってしまった。しかし自然科学が明らかにした宇宙の正体は,われわれの想像をはるかに越えた雄大なものであり,宇宙の広大さとあわ粒にも似た地球の大きさを見比べるとき,そのあまりに大きな隔たりにただ驚くばかりである。しかし一方,小さな地球に住む人類がこのように壮大な宇宙観に到達し得たことを思うとき,人類の努力の偉大さにも感嘆せざるを得ない。
人間の探究の精神は,さらに前進を続け,この広大な宇宙の正体を余すことなく描き出そうとする努力を続けている。また,今日では一つ一つの星を人類のもつ巨大な実験室と見なし,そこで起っているいろいろな現象を研究することによって,根本的な物理法則に役だてようとしている。
この単元では,星の光を手がかりにして,宇宙の姿がどのようにして調べられるか,個々の恒星はどんな性質をもっているかなどについて理解を深めると同時に,天体に親しんでみずから観察や記録する能力や,原理を応用して問題を解決する能力を養い,あわせて自然科学の進歩に絶えず注意を払って正しい宇宙観を確立することを目的としている。
目 標
2.星の種類・色・明るさなどに関する基礎的な知識を得る。
3.宇宙の広さと調和を感得する。
4.自然科学の進歩に伴って,宇宙観がどのように変遷してきたかを理解する。
5.天体に関する資料を調べたり,専門家の意見をきいたりしてみずから疑問を解決する能力や態度を養う。
6.天体に興味をもち,みずから進んで観察や記録をする能力と態度を養う。
7.天体に関する問題を解決するために,観測の事実や科学の基礎的な原理を応用する能力を養う。
8.自然科学の進歩に注意する態度を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
教師の説明と生徒の話合い |
ここで学ぶおもな事がらについて教師が説明し,星に関する疑問や興味などについて話し合う。 |
観 測 |
明るい星・赤い星・青い星・変光星・二重星・三重星を望遠鏡によって観測し,星図によってそれらの名前や属する星座を調べる。 |
話合いと教師の説明(写真を用いる) |
次のことについて話合い,教師が説明を加える。 a.星の朋るさを定める方法 b.星の発光量を比べる方法(絶対等級) |
計 算 |
理科年表を用いて太陽・満月などの明るさが1等星の何倍であるかを計算する。 |
問 答 |
明るさのほかに,星のもっている性質にはどんなものがあるかについて,教師の問に答える。 |
研究と発表 |
次のことがらについて,グループ別に問題を選んで調べ発表する。 a.スペクトル型による星の分類 b.連星 c.変光星の観測法とその分類 d.その他 |
表の作製 |
星の種類を示す一覧表を作る。 |
(2) 星の色や明るさの違いは何を示すか
討 議 |
次のことについて討議する。 a.星の明るさの違いは何によって生じるか b.星の色に違いのあるのはなぜか |
講義(写真やスライドを用いる) |
次のことについて講義する。 a.ラッセル図(絶対等級とスペクトル型との関係) b.恒星の表面温度と質量を測る方法 c.変光星の変光周期と光度との関係(短周期変光星の絶対等級を推測する方法) |
研究と報告 |
次の題目の中の一つを調べて報告する。 a.恒星の熱源 b.白色矮(わい)星 c.新星および超新星現象 d.その他 |
2.宇宙はどのようにひろがっているか
問 答 |
次のことについて問答する。 a.遠い所までの距離を測る方法 b.星の絶対等級の測定は距離を知る上にどのように役だつか |
研究と発表,教師の説明 |
グループごとに次の事がらの一つについて調べて発表する。 a.月や惑星の距離の測り方 b.天文に用いる距離の単位 c.年周視差の測定によって星の距離を推定する方法 d.絶対等級と星の距離との関係 e.星図や星雲の距離の測定法 |
計算(理科表を用いる) |
年周視差,または見かけの等級と絶対等級を調べ,星までの距離を計算する。 |
(2) 恒星・星団・星雲の分布は何を物語るか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.大空には太陽・月・惑星・恒星のほかにどんな天体が見られるか b.銀河・星雲・星団とは何か |
研究と話合い |
星団や星雲の写真を集め,それがどんなものであるかを知り,またその位置を調べる。 |
問 答 |
星団や星雲の種類について問答する。 |
講義(写真やスライドを用いる) |
次のことについて講義する。 a.恒星の分布から推定した銀河系の構造と太陽系の位置 b.球状星団の分布から調べた太陽系の位置 c.銀河系の形・大きさと宇宙の広がり |
研究と報告 |
次の事がらの中の一つを選んで報告書を提出する。 a.恒星の固有運動と視線速度 b.太陽系の向点と銀河系内の恒星の相対運動 c.銀河系外星雲の運動 d.その他 |
3.人類は現在の宇宙観に到達するまでに,宇宙についてどんな考え方をしてきたか
話合い |
星座の名まえがどのようにしてつけられたかについて知っていることを話し合う。 |
討議と教師の説明 |
次のことについて討議し,教師が説明を加える。 a.昔の人の宇宙観はどんな事実に基いていたか b.昔の人の宇宙観は時代の進むにつれてどのように変ってきたか |
表の作製 |
宇宙観の発達や,昔のおもな天文学者の業績を示す年表を作る。 |
劇または紙しばいの作製と発表 |
昔の人の宇宙観の移り変わりを示す劇または紙しばいを作って見せる。 |
(2) 観測機械や技術の進歩とともに宇宙観はどのように進歩してきたか
話合い |
望遠鏡の発明と発達が天文学の進歩にどんな影響を及ぼしたかについて話し合う。 |
問 答 |
われわれの宇宙観はどんな事実に基いているかを問答する。 |
教師の説明(写真・スライドを用いる) |
次のことについて説明する。 a.望遠鏡の構造とその発達 b.天体観測はどのようにして行われているか c.天文学の発達と他の自然科学との関係 |
討 議 |
宇宙の構造の研究がなぜたいせつであるかを討議する。 |
研究または見学と報告 |
教科書や参考書を調べたり,大学の研究室や天文台を見学し,次の事がらについて報告書を提出する。 a.天文学者はどんな研究をしているか b.現在,世界の文明国の天文台ではどんな性能の望遠鏡が用いられているか |
単元Ⅸ 地学は日常生活や職業にどんな関係をもっているか
要 旨
この単元は今までに学習した地学の内容を職業や人生との関係においてながめ,今後の職業に対する理解や選択に役だたせると同時に,日常生活をいっそうよりよいものにするために,地学がどのような役割をもっているかを総括的に取り扱うものである。
地学は天体・気象・地殻などに見られるいろいろな現象を学習の対象にしており,非常に広い分野にわたっている。したがってこれらの内容に関係をもつ職業は非常に多いが,中でも農業・牧畜・林業・鉱業・漁業・土木や交通などに関する職業とは特に深いつながりを持っている。これらの職業は地学とどんな点で関係をもち,地学のどんな知識や技能を必要とするかについて学習することは,生徒の将来の生活にとって重要なことである。
地学と人生との関係については,それぞれの単元において学習したが,ここでは特に天然資源の開発や地学現象による災害の軽減などの問題に重点を置き,これらを地学のあらゆる分野からとりあげ,今後の生活改善に役だたせることを目ざしている。
この単元は最後のまとめの意味をもっているから,学習にあたっては既習事項を総括することに留意するとともに,地学の重要性や正しい職業観を認識させ,進んで生活改善の意欲を高めるように指導することが望ましい。
目 標
2.地学と人生との関係や地学の重要性についての理解や認識を深める。
3.職業に対する理解と尊敬の態度を養う。
4.資源を開発し,自然の災害を防止して,生活を改善しようとする態度を養う。
5.地学に関係の深い職業に対する適性について認識する。
6.地学に関する知識や技能が生産や文化の向上にどのように役だっているかを感得する。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
話合い |
次のことについて話し合う。 a.地学と関係の深い職業にはどんなものがあるか b.生徒の家庭のどんな職業が地学と関係が深いか c.地学のどんな分野が農・牧・林業と深い関係をもっているか |
研究と発表 |
今までの学習で得た地学の知識や技能の中で,次の職業に必要なものをとりあげて整理し,グループ別に発表する。 a.農業 b.牧畜 c.林業 |
教師の説明(各地の産業,気候,土地利用の分布図などを用いる) |
前の発表を整理し,農・牧・林業の分布と気候・土質・地形などとの関係について説明する。 |
見学と報告 |
農・牧・林業に関係のある試験所・研究所などを見学し,それらと地学との関係について調べて報告する。 |
(2) 鉱業には地学のどんな知識や技能が必要か
問 答 |
今までに学習した地下資源の種類について問答する。 |
研究と話合い |
次のことについて調べて話し合う。 a.地下資源の採掘から利用までの過程の大要 b.今までの学習で得た地学の知識や技能の中で,特に鉱業に必要なものについて |
教師の説明(写真・絵・スライド・図表などを用いる) |
探鉱・採掘・選鉱・精錬などに必要な地学の知識や技能について説明する。 |
見学と話合い |
近くの鉱山や研究所に行って鉱業と地学との関係について調べて報告する。 |
(3) 漁業には地学のどんな知識や技能が必要か
話合い |
次のことについて話し合う。 a.漁業の重要性 b.今までに学習した地学の知識や技能の中で,特に漁業に関係の深いものについて |
教師の説明(写真・絵・スライドなどを用いる) |
海に関する研究の進歩によって漁業はどのような影響を受けたか,また日本の漁業が将来発展するためには,地学のどのような知識や技能が必要かについて説明する。 |
見学と報告 |
漁業に関係のある学校・研究所・試験所などを見学し,報告書を提出する。 |
(4) 土木工業には地学のどんな知識や技能が必要か
話合い |
土木工業の仕事の内容や今までに学習した地学の知識や技能の中で,特に土木工業に関係の深いものについて話し合う。 |
研究と発表 |
次にあげたような仕事には,どのような地学の知識や技能がいるかについて一つを選んで発表する。 a.トンネル工事 b.ダム工事 c.道路工事 d.治水工事 e.その他 |
教師の説明(写真・絵・図表などを用いる) |
土木工事に地学の知識や技術が応用された実例について説明する。 |
(5) 陸上交通・航海・航空には地学のどんな知識や技能が必要か
話合い |
交通に関係のある地学の知識や技能について話し合う。 |
教師の説明(地図・図表・写真・絵などを用いる) |
次のことについて説明する。 a.航海と気象・天文との関係 b.航空と気象との関係 |
研究と発表 |
次の問題の一つを選んで研究し発表する。 a.陸上交通と地形との関係 b.海上交通と潮流・海流との関係 c.航空と成層圏 |
(6) 地学に関係の深い職業には,ほかにどんなものがあるか
問 答 |
今まで調べた以外の職業で,地学と関係の深いものにはどんなものがあるかについて問答する。 |
研究と発表 |
次のことについて調べて発表する。 a.通信事業と天文や気象との関係 b.観光事業と地学との関係 c.その他 |
教師の説明 |
前の発表をもとにして補説し,地学と職業との関係を総合的に説明する。 |
(7) 職業を選ぶためにはどのような適性を必要とするか
話合い |
次のことについて話合う。 a.どんな職業につきたいと思うか b.希望する職業にはどんな知識や技能が必要か c.希望する職業は地学にどんな関係をもっているか |
研究と発表 |
次のことについて調べて発表する。 a.希望する職業に必要な知識や技能を得る方法と自己の適性について b.希望する職業の将来性と社会的意義について c.その他 |
2.われわれの生活は地学の進歩によってどのように改善されたか
話合い |
最近,どのような天然資源がその利用度を増してきているかについて話し合う。 |
研究と話合い |
次のことについて調べて話し合う。 a.土壌の生産力は土壌の研究によってどのように増進したか b.地学の研究によって地下資源の開発や利用度はどのように進められたか c.温泉は地学の研究によってどのようにいっそうよく利用されるようになったか d.海の資源は地学の研究によってどのように開発されたか e.川や湖などは地学の研究によってどのようにいっそう利用されるようになったか |
(2) 地学の研究は,自然の災害の軽減にどのように役だっているか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.地学現象に関係のある自然の災害の種類 b.今までに経験した自然の災害について c.昔の人がとった自然の災害に対する防止策 |
研究と話合い,教師の説明 |
グループ別に次の問題の一つを選んで研究し,発表や話合いをし,教師が補説する。 a.天気予報は自然の災害防止にどのように役だつか b.地学の研究は地すべりの災害防止にどのように必要か c.地学の研究は大水やかんばつの防止にどのように役だつか d.地学の研究は鉱山における事故防止にどのように必要か e.震災防止のためにどんな研究がなされてきたか f.その他 |
研究と報告 |
次の問題の一つを選んで調べ,報告書を提出する。 a.郷土の生活改善のために,地学のどのような研究がたいせつか b.郷土の天然資源と将来の開発 c.健全な人生観や宇宙観に寄与する地学の役割 d.地学の研究は他の科学の進歩とどのような関係をもっているか |
(付 録)参 考 書
著 者 |
書 名 |
発 行 所 |
著 者 |
書 名 |
発 行 所 |
総 記 |
単元 Ⅲ |
||||
加 藤 武 夫 渡 辺 貫 |
地 学 辞 典 |
古 今 書 院 |
加 藤 藤 吉 |
気象の一般知識 |
牧 書 房 |
石原 純・他 |
理化学辞典 |
岩 波 書 店 |
阿 部 安 三 |
気象観測と天気 |
日本出版社 |
東京天文台編 |
理 科 年 表 |
丸 善 |
小 杉 泰 |
天気はどうして変るか |
好 学 社 |
弥 永・他 |
科学の辞典 |
岩 波 書 店 |
荒 川 秀 俊 |
日本の気象 |
平 凡 社 |
伊 藤 隆 吉 |
最新地学(学生叢書) |
研 究 社 |
中村左衛門太郎 |
家庭と気候 |
富 山 房 |
松沢・日高・津屋 |
地学の研究(上・下) |
旺 文 社 |
荒 川 秀 俊 |
気象学発達史 |
河 出 書 房 |
加 藤 武 雄 小 林 貞 一 |
地 学 図 集 |
目 黒 書 店 |
平田 徳太郎 |
積雪の科学 |
地 人 書 館 |
日本気象学会 |
理化学年表 |
日本評論社 |
岡 田 武 松 |
気象学の開拓者 |
岩 波 書 店 |
岡 山 俊 雄 小笠原 義勝 |
地 学 概 論 |
学 芸 図 書 |
〃 |
気候学(岩波全書) |
〃 |
辻 村 太 郎 |
地 球 の 話 |
古 今 書 院 |
中央気象台編 |
日本気象史料総覧 |
地 人 書 館 |
東京天文台編 |
天 文 年 表 |
東京天文台 |
高橋 浩一郎 |
天気予報講話 |
〃 |
中村左衛門太郎 |
地 学 概 論 |
コ ロ ナ 社 |
〃 |
気象統計 |
河 出 書 房 |
蔵 田 延 男 |
地 学 入 門 |
光 風 館 |
大 後 美 保 |
旱害の研究 |
地 人 書 館 |
渡 辺 景 隆 |
地学単元別解説全集 |
自 由 書 院 |
三浦 栄五郎 |
気象観測法講話 |
〃 |
尾 沢 栄 三 |
〃 |
〃 |
加 藤 藤 吉 |
学校における気象観測の 実際 |
誠文堂新光社 |
利 達 清 夫 |
地 球 と 人 |
岩 波 書 店 |
荒 川 秀 俊 |
気候と生活 |
山 海 堂 |
藤 本 治 義 |
地質学汎論 |
地 人 書 館 |
北 田 道 男 |
気象の科学 |
文 祥 堂 |
望 月 勝 海 |
地質学講話 |
古 今 書 院 |
正 野 重 方 |
天気はどう変るか |
東 洋 図 書 |
〃 |
地貿学入門 |
〃 |
福井 英一郎 |
気 候 学 |
古 今 書 院 |
藤 本 治 義 |
地 学 提 要 |
三 省 堂 |
正 野 重 方 |
風はどうして吹くか |
東 洋 図 書 |
稲 井 豊 |
地 質 調 査 |
丸 善 |
〃 |
天気の変り方 |
〃 |
単元 Ⅰ |
単元 Ⅳ |
||||
西 村 英 一 |
地球の診断 |
目 黒 書 店 |
宇 田 道 隆 |
海 |
岩 波 書 店 |
小 島 丈 児 |
岩石の成因 |
日本出版社 |
〃 |
海の探究史 |
河 出 書 房 |
和田 八重造 粟 津 秀 幸 |
原色日本岩石図譜 |
目 黒 書 店 |
岸 春 雄 |
海 の 化 学 |
春 陽 堂 |
須 藤 俊 男 |
鉱物学概論 |
朝 倉 書 店 |
日 高 孝 次 |
海 流 の 話 |
岩 波 書 店 |
富 田 直 夫 |
鉱物と岩石の話 |
さえら書房 |
安 井 善 一 |
海 と 生 活 |
目 黒 書 店 |
山 岸 忠 夫 |
鉱 物 学 |
目 黒 書 店 |
小 倉 伸 吉 |
潮汐(岩波全書) |
岩 波 書 店 |
松 山 基 範 |
地球の出来るまで |
成 象 堂 |
宇 田 道 隆 |
海 洋 学 |
朝日新聞社 |
京大地学会編 |
新制図解地学 |
増 進 堂 |
吉 田 耕 造 |
海 の 波 |
目 黒 書 店 |
武 藤 勝 彦 |
地 図 の 話 |
岩 波 書 店 |
竹上 藤七郎 |
黒潮・親潮 |
東 洋 図 書 |
河田 喜代助 |
地殻の科学 |
国 民 図 書 |
新 野 弘 |
海 の 地 学 |
天 然 社 |
益富 寿之助 |
実験鉱物学 |
日本鉱物趣味 の会 |
伊藤 徳之助 |
海 の 波 |
創 元 社 |
坪 井 忠 二 |
重 力 |
岩 波 書 店 |
寺 田 寅 彦 |
海の物理学 |
岩 波 書 店 |
鈴 木 猶 主 |
地形図の読み方とその利 用 |
古 今 書 院 |
吉 田 耕 造 |
海洋学(学生物理学全書) |
目 黒 書 店 |
吉 村 典 文 望 月 勝 海 |
鉱物学入門 |
〃 |
単元 Ⅴ |
||
和田 八重造 粟 津 秀 幸 |
原色日本鉱物図譜 |
松邑三松堂 |
クレイグ・久 保亮五 外五名 |
科学の教室(上巻) |
時事通信社 |
桐 山 良 一 |
新制図解鉱物学 |
増 進 堂 |
松 本 吾 樓 |
土 壌 |
明 文 堂 |
畠山・鈴木・ 湯淺 その他 |
宇宙と地球 |
中 教 出 版 |
辻 村 太 郎 |
地 形 の 話 |
古 今 書 院 |
松 沢 武 雄 |
地 球 |
弘 文 堂 |
原 田 三 夫 |
山 の 科 学 |
明 文 堂 |
粟 津 秀 幸 |
原色鉱石図譜 |
共 立 出 版 |
富 永 正 義 |
河 川 |
岩 波 書 店 |
坪井 誠太郎 |
岩石学(岩波全書1) |
岩 波 書 店 |
辻 村 太 郎 |
山 |
岩 波 書 店 |
大 橋 良 一 |
鉱物岩石鑑定要覧 |
太 陽 堂 |
北 田 宏 蔵 |
地形図に関する作業 |
古 今 書 院 |
単元 Ⅱ |
三 野 与 吉 |
地形の手引 |
〃 |
||
村 上 忠 敬 |
全 天 星 図 |
恒 星 社 |
単元 Ⅵ |
||
鈴 木 敬 信 |
太陽の熱源 |
〃 |
坪 井 忠 二 |
地 震 の 話 |
岩 波 書 店 |
G・ガモフ 白 井 俊 明 |
太陽の誕生と死 |
白 楊 社 |
松 沢 武 雄 |
地震と物の動き |
東 洋 図 書 |
平 山 清 次 |
一般天文学 |
共 立 出 版 |
佐 々 憲 三 |
地 震 の 話 |
文 化 書 房 |
土 居 客 郎 |
天 球 図 譜 |
恒 星 社 |
永 田 武 |
火山の噴火 |
東 洋 図 書 |
鏑 木 政 岐 |
天文学習図鑑 |
東 洋 図 書 |
〃 |
地震と津浪 |
〃 |
竹 田 新 郎 |
遊星から恒星へ |
恒 星 社 |
黒 田 和 夫 |
温泉と科学 |
長谷川書店 |
鏑 木 政 岐 |
太 陽 と 月 |
東 洋 図 書 |
鷺 坂 清 信 |
地震と津浪 |
目 黒 書 店 |
関 口 鯉 吉 |
天文学入門 |
古 今 書 院 |
国 富 信 一 |
地震の知識 |
古 今 書 院 |
荒 木 俊 馬 |
時測と暦法 |
恒 星 社 |
松 沢 武 雄 |
地 震 学 |
角 川 書 店 |
森 原 雄 祐 |
日 食 |
〃 |
杉本 音次邸 |
地球と地震と地形 |
富 士 出 版 |
村 上 忠 敬 |
太 陽 |
日本出版社 |
宮 部 直 己 |
地震の科学 |
学術図書出版社 |
村 上 忠 敬 |
星 座 物 語 |
日本出版社 |
大塚 弥之助 |
山はどうしてできたか |
岩 波 書 店 |
山 本 一 清 |
初等天文学講話 |
恒 星 社 |
小林 房太郎 |
火 山 |
南 光 社 |
宮本 正太郎 |
初級天文学要論 |
〃 |
山 口 俊 作 |
天災とその対策 |
目 黒 書 店 |
山 本 清 一 |
天球と星座 |
〃 |
水 上 武 |
地震と火山 |
国 民 図 書 |
〃 |
太 陽 |
〃 |
松 沢 武 雄 |
地震(岩波全書) |
岩 波 書 店 |
〃 |
地 球 と 月 |
〃 |
中村左衛門太郎 |
大地震を探る |
河 出 書 房 |
〃 |
遊 星 |
〃 |
岩 崎 岩 次 |
温 泉 |
白 水 社 |
野 尻 抱 影 |
全天星座図説 |
鎌 倉 書 房 |
単元 Ⅶ |
||
神 田 茂 |
日本天文史料 |
丸 善 |
浅 野 清 |
化石の採集と研究 |
目 黒 書 店 |
渡 辺 敏 夫 |
暦 |
恒 星 社 |
上 田 仲 雄 |
地球と人類の起源 |
世 界 社 |
関 口 鯉 吉 |
暦 と 気 候 |
古 今 書 院 |
鹿 間 時 夫 |
古生物譚(前編) |
日本鉱物趣味 の会 |
荒 木 俊 馬 |
四季の星座 |
恒 星 社 |
中 村 健 治 |
手足の起源と進化 |
臼 井 書 房 |
辻 光 之 助 |
星より地球へ |
〃 |
ガ モ フ 内山 賢次 訳 |
地球の伝記 |
白 楊 社 |
東亜天文学会 |
天体観測の手引 |
〃 |
井 尻 正 二 |
古生物学論 |
平 凡 社 |
村 上 忠 敬 |
天 文 学 |
朝日新聞社 |
駒 井 卓 |
日本の資料を主とした生 物進化学 |
培 風 館 |
日本天文学会編 |
天体観測入門 |
恒 星 社 |
鹿 間 時 夫 |
日本化石図譜 |
日本鉱物趣味 の会 |
小槇 孝二郎 |
流星の研究 |
〃 |
青 山 信 雄 |
地球発達史 |
天松堂出版部 |
平 山 清 次 |
暦法と時法 |
〃 |
早 坂 一 郎 |
化石の世界 |
誠文堂新光社 |
鈴 木 敬 信 |
暦 と 迷 信 |
〃 |
神戸 伊三郎 |
恐 竜 |
東 洋 図 書 |
鈴 木 敬 信 |
太陽系の発見 |
〃 |
富 士 川 浩 |
地史研究・採集鑑定便覧 |
恒 星 社 |
荒 木 俊 馬 |
天 文 学 概 論 |
〃 |
単元 Ⅸ |
||
神 田 茂 |
彗 星 |
古 今 書 院 |
相田 八之助 |
天文学史物語 |
恒 星 社 |
単元 Ⅲ |
藤 田 良 雄 |
宇宙物理学 |
東西出版社 |
||
大 谷 東 平 |
暴 風 雨 |
岩 波 書 店 |
平 山 清 次 |
一般天文学 |
共 立 出 版 |
中谷 宇吉郎 |
雪(岩波新書) |
〃 |
アレニウス 寺田 寅彦 訳 |
史的に見たる科学的宇宙 観の変遷(岩波文庫) |
岩 波 書 店 |
〃 |
雷(〃) |
〃 |
山 本 一 清 |
図説天文講座 「銀河と宇宙」 |
恒 星 社 |
〃 |
雷 の 話 |
〃 |
〃 |
東西天文学史 |
〃 |
中 原 孫 吉 |
日本の気候 |
北 隆 館 |
荻 原 雄 祐 |
星雲の彼方 |
恒 星 社 |
大 谷 東 平 |
天気図と天気予報 |
河 出 書 房 |
野 尻 抱 影 |
星 |
〃 |
日本気象学会 |
気象常用表 |
地 人 書 院 |
荒 木 俊 馬 |
天文と宇宙 |
〃 |
中央気象台 |
地上気象観測法 |
気 象 協 会 |
堀 健 夫 |
宇 宙 と 光 |
岩 波 書 店 |
〃 |
地名別日本気候表 |
〃 |
村 上 忠 敬 |
要説天文学通論 |
恒 星 社 |
寺 田 一 彦 |
気象の科学 |
岩 波 書 店 |
鏑 木 政 岐 |
星 と 星 雲 |
東 洋 図 書 |
藤 原 咲 平 |
雲 |
〃 |
鈴 木 敬 信 |
宇 宙 |
恒 星 社 |
内 田 泰 |
成 層 圏 |
三 省 堂 |
松 隈 健 彦 |
宇宙(岩波全書) |
岩 波 書 店 |
藤 原 咲 平 |
雲を掴む話 |
岩 波 書 店 |
神 田 茂 |
日本の天文気象資料 |
あしかが書房 |
正 野 重 方 |
気象の科学 |
国 民 図 書 |