は じ め の 学 習
要 旨
化学では,どのようなことを,どのような方法で学習していくか,科学的にものごとを考えたり研究したりするにはどのようにしたらよいかを学習する。
目 標
2.自然科学にはどのような部門があるか,化学はその中でどのような位置にあるかについての知識を得る。
3.化学でこの1年間に学習するおもな問題を知る。
4.化学の学習はどのような方法で行われるかについての知識を得る。
5.研究の計画をたてる能力を高める。
6.化学を学習していく心構えをつくる。
学習の内容と順序
これまでに学習したり経験したりした物質変化を,問答などにより挙げてみる。
(水を分解すると酸素と水素とになる,塩素酸カリウムから酸素をつくる,亜鉛と希硫酸から水素をつくる,燃焼する,でんぷんがだえきによりぶどうとうに変る,でんぷんを原料にしてアルコールを造る,しぼうを原料にしてせっけんをつくる,鉱石から金属をつくる,食塩から水素・塩素・カセイソーダなどをつくる,セルロイド・医薬・繊維・ガラス・セメントなどをつくることなどが,中学校の理科のうち化学に関係の深いものであろう。)
(2) 化学は,どのような方法で研究されるか
化学では,実験や観察などの方法が非常に重要であることを,実例によって教師が説明し,実験・観察の際には,どのような態度が必要であるかを問答する。また,実験や観察をして得た結果から論理的に考察していくみちすじの例を示して,その際の科学的方法を明らかにする。
自然科学の内容を,これまでの理科の学習の経験から数えあげ,これらを整理し,また教師が補って,自然科学のおもな部門を表にまとめてみる。
(2) 化学にはどんな部門があるか
これまでに学習した化学に関する事項を分類しながら,化学の各部門と,そこで取り扱われるおもな内容について説明する。
古代ギリシアの物質についての考え方,中世の錬金術,近世化学のおこりなどについて生徒が参考書などで調べて発表したり,教師が説明したりして,科学的方法の進歩と,物質観の変遷の概要を明らかにする。
(2) 化学の進歩は,われわれの生活にどのような影響を与えているか
衣食住や産業などに,化学の進歩の成果が応用されていることを,実例をあげて考察してみる。
この1年間に学習すべき問題を選び出し,整理して,大まかな学習の計画をたてる。
(2) 化学の学習には,どのようなところに気をつけたらよいか
これから学習を進めていく際の心がまえをつくり,教室のきまりや約束などをきめておく。
単元Ⅰ 水や水溶液にはどんな特性があるか
要 旨
化学の任務は天然の物質や化学変化を理解し,また天然の物質をそのまま,または変化させて利用するにある。われわれの住んでいる地球で直接経験できる部分は,気圏・水圏・岩石圏・生物圏からできていて,天然の物質は,そのいずれかに属するが,このうち最も学習の容易なのは水圏であると考えられるので,最初にそれをとりあげることにする。
水は地球上に,海水その他いろいろの形となって多量に存在する。水は飲み水・洗い水・溶媒その他,いろいろの方面に用いられるので,まず天然水から飲料に適する水や純粋な水をつくる方法や,溶解度について理解させることが必要である。
また,水を分解して得られる水素や酸素,海水から得られる食塩,さらにその食塩から得られる塩素・塩酸・カセイソーダ・炭酸ソーダなどについてもひととおり学習させ,またこれらの物質がつくられるようになったのは化学の研究の結果であり,化学が資源の利用価値を高めることについて感得させたい。なお,上の諸物質のうち,塩酸・カセイソーダ・食塩に関連して,酸・塩基・塩の概念と,水溶液の酸性・アルカリ性についての理解を深め,また,化学の基礎となる原子・分子・イオンなどの概念や基本的な化学量や化学変化の本質についての理解や基礎的な実験技術の習得をも期待している。
目 標
2.混合物・化合物・単体の区別を理解する。
3.普通の化学変化では元素は変化しないで,一つの物質から他の物質に移って含まれることを理解する。
4.物質は一定の量的関係に従って変化することを理解する。
5.溶液の性質についての知識を得る。
6.物質中には酸・塩基・塩に属するものがあることを理解する。
7.化学工業が資源の利用価値を高めることを理解する。
8.実験の基礎的能力や技術を習得する。
9.溶解度曲線を描くことによって,図表の作り方や読み方を習得する。
10.化学式から物質の組成,原料と製品との量的関係を計算する方法や能力を習得する。
11.科学的思考の方法に慣れ,科学的に観察したり,適切な結論をする能力を高める。
12.実験などを行うことによって科学的態度を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
|
|
話合い | 水の重要性について話し合う。 |
実 験 | 濁った水をこして,きれいな水にする実験を行う。 |
観 察 | 溶液とコロイドとの違いを観察する。 |
実 験 | ミョウバンを使って水をきれいにする実験を行う。
蒸留水をつくる。 |
話合い | 水の物理的性質について話し合う。 |
報 告 | 各の実験についての報告書を提出する。 |
問 答 | この部分を明確にするために問答をする。 |
(2) どんな水が飲料に適するか
実 験 | 井戸・川・沼・海・雨・温泉・水道などの水を採集して色・臭・味を調べる。
天然水と蒸留水とに硝酸銀溶液・フェロシアンカリ溶液・ネスラー試薬・過マンガン酸カリ溶液などを加え天然水と蒸留水の違い,および天然水の水質を調べる。 |
見 学 | 上水道の浄水場を見学する。 |
報 告 | 見学の結果をまとめてノートに記録し提出する。 |
自由研究 | 家庭における飲料水の純度を調べる。 |
計 画 | 家庭において水が不純であるとわかったら,純粋にする方法を計画する。 |
(3) 水には物質がどのくらい熔けるか
話合い | 水に物を溶かす性質のあることが,どんなに役だつかを話し合う。 |
実 験 | いろいろのものが水に溶けるか溶けないかを調べてみる。 |
研究と報告 | どうすれば速く溶かすことができるかを研究して,その考えを簡単な談話の形式で報告する。 |
実 験 | 種々の試薬の溶液をつくる。 |
グラフの作製 | 食塩・ホウ酸について溶解度を測定する。
前の実験に基いて溶解度曲線を描く。 |
講 義 | 分子説によって溶解の現象を説明する。説明を具体的にするために,模型・スライド・掛図・表などを用いる。 |
実験(教師または生徒) | 水の電気分解の実験をする。 |
教師の実験 | 水の電気分解によって得た酸素と水素が化合することを実験して示す。 |
教師の説明 | 化合物と単体との違いを説明する。それにより元素の不滅を明らかにする。 |
研 究 | 水の重量組成および体積組成について研究をする。 |
問 答 | 水の組成について問答をする。 |
講 義 | 水の分解および合成を原子・分子の考えから説明する。
原子量・分子量を用いて水の分解・合成の量的関係を説明する。 化学方程式を用いて,水の分解・合成を書き表わすことを説明する。 |
(2) 酸素はどんな性質をもっていて何に使われるか
実 験 | 過酸化水素水と二酸化マンガンとの作用,過酸化ナトリウムと水との反応,または塩素酸カリウムと二酸化マンガンの混合物の加熱によって酸素をつくる。
酸素の中で種々の物質を燃やしてみる。 |
化学方程式の作成 | 炭素・イオウ・リン・マグネシウムの燃焼を化学方程式で書き表わす。 |
研 究 | 酸素の用途を参考書その他の資料によって調べる。 |
問題演習 | 教科書の問題,または教師の作った問題の演習をして報告する。 |
(3) 水素はどんな性質をもっていて何に使われるか
実 験 | アルミニウムとカセイソーダとの反応,または亜鉛と希硫酸との反応によって水素をつくる。
水にナトリウムを入れる。 水素の密度が小さいことを実験する。 |
実験(教師または生徒) | 水素の燃焼について実験する。
水素の還元作用について実験する。 |
話合い | 水素の用途について話し合う。 |
問 答 | 水素の性質および用途について問答する。 |
研 究 | 海水から得られるおもな物質を資料により調べる。 |
見 学 | 塩田・製塩所を見学する。 |
実 験 | 海水または食塩水を煮つめてみる。 |
教師の説明 | 海水にとけている食塩以外の物質について説明する。 |
実 験 | 種々の物質の結晶形を比較する。 |
(2) 食塩は日常の生活や工業にどんなにたいせつか
話合い | 日常生活において食塩がどんなにたいせつであるかを話し合う。
産業における食塩の重要性について話し合う。 |
表の作製 | 食塩の用途をまとめて表にする。 |
(3) 食塩の組成は何か
実験(教師または生徒) | 食塩の水溶液が電流を伝え,電気分解することを実験する。 |
教師の説明 | 電解の現象および食塩の構造をイオンと電子によって説明する。 |
実 験 | 食塩水に硝酸銀の溶液を加える。 |
観 察 | 食塩の炎色反応を観察する。 |
問 答 | 食塩は塩素とナトリウムから成りたっていることについて問答する。 |
(4) 食塩が塩素の化合物であることはどのように利用されているか
実 験 | 塩素をつくる。
塩素中で水素の燃えること,塩素の漂白作用,酸化作用について実験する。 サラシ粉の性質について実験する。 |
話合い | 塩素やサラシ粉で水を消毒することについて話し合う。 |
実 験 | サラシ粉でインク消しをつくる。
塩化水素をつくる。 |
研 究 | 実験をしたり,教科書・参考書を読んだりして,塩化水素の性質について研究する。 |
講 義 | 有機塩素化合物について説明する。 |
(5) 食塩がナトリウムの化合物であることはどのように利用されているか
問 答 | 金属ナトリウムの性質について復習する。 |
研究と話合い | 教科書や参考書によって,アルカリ工業とアルカリの用途について調べ,話し合う。 |
実 験 | カセイソーダの性質を調べる。
炭酸ソーダの性質を調べる。 炭酸水素ナトリウム(重ソウ)の性質を調べる。 フクラシ粉の性質を調べる。 |
計 算 | 原料と製品との量的関係を化学方程式を用いて計算する。 |
問 答 | 工業における食塩の効用について問答する。 |
実 験 | 塩酸・硫酸・硝酸・リン酸・酢酸などの溶液が共通な性質をもっていることを実験する。 |
話合いと問答 | 酸がすべて陽子を与えうる物質であることについて話合い,教師は必要に応じて説明し問答する。 |
実 験 | カセイソーダ・カセイカリ・アンモニア・消石灰などの水溶液が共通の性質をもっていることを実験する。 |
話合いと講義 | 塩基が陽子を受け入れる物質であることについて話合い,教師は必要に応じて説明し問答する。 |
(2) 酸性アルカリ性は何に基くか
教師の実験と説明 | かわいた塩化水素が酸性を呈しないのに塩酸が酸性を呈するのは,塩化水素が水にとけてヒドロニウムイオンを生ずるためであることを実験して示し,説明する。
カセイソーダ溶液がアルカリ性を示すのは水酸イオンのためであることを実験し,説明する。 |
実 験 | 塩酸とカセイソーダで食塩ができることを実験する。 |
教師の説明 | 上の実験について説明する。 |
問 答 | 水が電気的にはわずかに電離していることを問答する。 |
実 験 | ミカンじる・梅じる・酢・灰じるなどの種々の溶液の酸性・アルカリ性の程度を試験紙で調べる。 |
話合い | 水素イオン濃度の意味および用途について話し合う。 |
(3) 溶液中の酸や塩基の量はどのようにしてはかるか
教師の説明と演習 | 種々の例をあげて濃度・当量・規定度・酸アルカリ定量などの新しい術語について説明をし演習を行う。 |
実 験 | 中和滴定によって酸・アルカリの定量を行う。 |
計 算 | 中和に関する種々の問題を解く。 |
問 答 | 酸・アルカリの反応について問答をする。 |
(4) 塩はどのようにしてできるか
実 験 | どの酸とどの塩基とでも中和の起ることを実験する。
金属または金属の酸化物と酸との作用で塩の生ずることを実験する。 炭酸塩と強酸との作用で,その弱酸の塩を生ずることを実験する。 塩の水溶液が酸性またはアルカリ性を呈することのあることを実験する。 |
教師の説明と話合い | 上の実験の結果を説明する。また,教師と生徒とでそれについて話合いをする。 |
単元Ⅱ 空気の成分はどのようなはたらきをするか
要 旨
単元Ⅰの水に引き続き,この単元では気体をとりあげる。単元Ⅰでも,いくつかの気体を取り扱ったが,この単元では空気を例として一般気体の通性をも明らかにしたい。
地球上に起る自然現象は,すべて大気の中で行われ,空気の成分がそれに影響している。化学の研究によって空気の成分がしだいに発見され,それによって自然に対する認識が深まり,また,呼吸に必要な以外には価値のないものと考えられていた空気から,種々の有用な物質が得られるようになったが,これらのことについても理解を深めることが必要であろう。
なお,空気中の窒素からアンモニアが合成され,また,酸素の酸化作用を利用して亜硫酸ガス・硫酸・硝酸がつくられること,およびこれらの化学工業の成功は,触媒の発見や化学平衡に関する研究の進歩に大きな原因があったことがとりあげられる。またこれらの物質に関連して,酸化剤・還元剤の一般的な作用や酸化・還元の意義についても学習するようにしたい。
目 標
2.空気のような混合物の化学的性質は,その成分の性質によるものであることを理解する。
3.空気その他の気体が,どのような共通の性質を有するかを理解する。
4.物質間には平衡の状態が存在し,その状態は種々の条件によって,変えられることを理解する。
5.化学平衡の移動が物質の製造に利用されることを理解する。
6.酸化剤・還元剤が反応する際には,相互に一定の量的関係が存在することを理解する。
7.資料を集め,統計を作る能力を養う。
8.実験に関する種々の技術を高める。
9.科学的思考方法が物質の性質の知識を得るのにどのように用いられるかを理解する。
10.科学の価値を認識し,科学者の貢献に対し感謝する態度を養う。
11.自然をありのままに認め,これを利用していこうとする習慣を身につける。
学習の範囲と順序,学習活動
|
|
研究と話合い | プリーストリー・ラボアジェ・レーリー・ラムゼー等の伝記や業積を調べ,話し合う。 |
実験(教師または生徒) | リンの燃焼によって,空気の組成を知る実験を行う。
金属を空気中で焼くと,重さが増すこと,およびそのとき空気の体積が減少することを教師または生徒の小グループで実験する。 |
実 験 | ろうそく・アルコール等を密閉した集気びんの中で燃やし,燃焼が長統きしないこと,燃焼によって炭酸ガスと水ができることを調べる。 |
問 答 | 上の実験について問答をする。 |
話合い | いろいろの物質について,単体・化合物・混合物の区別を話し合う。 |
研 究 | 空気中には,窒素や酸素のほかに,アルゴン・へリウム・ネオン等が含まれていることを参考書などによって調べる。 |
話合い | アルゴン・へリウム・ネオンの用途について話し合う。 |
(2) 空気などの気体は,圧力や温度の変化でどんな影響を受けるか
実験とグララの作製 | 一定の温度における気体の圧力と体積の関係を,空気・石炭ガスなどを用いて実験し,グラフをかく。
一定の圧力の下における気体の体積と温度との関係を,空気・石炭ガスを用いて実験し,グラフをかく。 |
問 答 | 上の二つの実験で作ったグラフについて問答を行う。気体の法則を推論して導く。 |
話合い | ビールやサイダーのせんを抜くと,あわが出る現象について話し合う。 |
観 察 | 天然水を暖めて,溶けている気体があわとなって出ることを観察する。 |
実 験 | 天然水に炭酸ガスをじゅうぶん通じたものと,これを数分間煮沸したものとについて,石灰水に対する反応を比較する。 |
教師または生徒の説明 | 以上三つの現象を気体の溶解度の法則から説明する。 |
(3) 空気の成分気体は,どのようにして分けることができるか
見 学 | 液体空気をつくっている工場や研究所を見学する。 |
報 告 | 見学した結果をまとめて,報告書を書く。 |
教師の説明 | 液体空気の製造原理を説明する。 |
教師の実験 | 液体空気の性質についての実験を示す。 |
教師の実験 | 蒸留によって,燃料アルコールを精製する。 |
講 義 | 分留の原理を説明する。 |
話合い | 分留の過程と,諸種の工業への応用について話し合う。 |
実 験 | 燃焼に酸素が必要なことを実験する。 |
研究と報告 | さびの生成の条件について調べ,報告する。 |
話合い | どうしたらさびを防げるかについて話し合う。 |
研究と報告 | 電球の中を真空にしたり,窒素やアルゴン等を封入する理由を研究し,報告する。 |
実 験 | 呼気と吸気の成分の相違を実験によって調べる。 |
講 義 | 植物および動物の呼吸の意義を説明する。 |
話合い | 生物や教科書などを見ながら,植物と動物の呼吸について話合いをする。 |
教師の実験と説明 | インキが青から黒色に変ったり,アマニ油・トウ油などがかわいて固まりやすいことについて実験し,その理由を説明する。 |
問 答 | 空気中の酸素のはたらきについて問答する。 |
(2) 亜硫酸ガスはどんな性質をもっていて,何に使われるか
実 験 | イオウの性質について実験をする。 |
観 察 | どんな硫化鉱物があるかを標本について調べる。 |
実 験 | 銅と濃硫酸または亜硫酸ナトリウムと硫酸との反応で亜硫酸ガスをつくり,その性質について調べる。 |
教師の説明 | 亜硫酸ガスの還元作用を説明する。 |
資料による研究 | 亜硫酸ガスが電気冷蔵庫に使われることを調べる。 |
(3) 硫酸はどのようにしてつくられ,どんな性質をもっているか
見 学 | 硫酸工場を見学する。 |
報 告 | 見学した結果をまとめて,報告を書く。 |
講 義 | 硫酸製造の原理を説明する。 |
教師の実験 | 亜硫酸ガスの接触酸化の実験を示す。 |
図 解 | 硫酸の製造工程の図を作る。 |
統 計 | 硫酸の製造方法とそれぞれの生産額とについて統計をつくる。 |
教師の説明 | 発煙硫酸と濃硫酸の区別を説明する。 |
実 験 | 水に濃硫酸を入れて,発熱することを実験する。
濃硫酸の乾燥作用を実験する。 紙に濃硫酸と希硫酸で文字を書き,それの作用を比べてみる。 |
講 義 | 濃硫酸に酸化作用・乾燥作用・脱水作用のあることを説明する。 |
実 験 | 希硫酸の溶液に塩化バリウムを加え,生じた沈でんが,うすい酸にも塩基にも溶けないことを調べる。 |
教師の説明 | 実験の結果について説明する。 |
問 答 | 硫酸の性質について問答する。 |
講 義 | 酸化の意義を説明する。 |
研 究 | オゾン・過酸化水素・過マンガン酸カリウム・二酸化マンガン・重クロム酸カリウム・濃硝酸・濃硫酸が酸化剤であることについて,研究したり,実験したり,話し合ったり,報告書を書いたりする。 |
研 究 | 酸化剤がどのようなことに利用されているか調べ,表や報告を作ったり,討議したりする。 |
実 験 | 酸化剤にヨウ化カリウムデンプン紙を触れて,色の変化をみる。 |
教師の実験 | 放電によってオゾンをつくる。
リンが空気に触れると,オゾンができることを調べる。 |
実験(教師または生徒) | 過酸化ナトリウムや過酸化バリウムと濃硫酸から過酸化水素をつくる。 |
実 験 | 過マンガン酸カリウム溶液と過酸化水素水の反応を実験する。 |
(2) 還元剤にはどんなものがあるか
講 義 | 還元の意義を説明する。 |
研 究 | 水素・亜鉛と希硫酸・ナトリウムと水・スズと塩酸・亜硫酸・硫化水素・修酸などが還元剤であることを,小さいグループで,研究したり,実験したり,話し合ったり,報告の準備をしたりする。 |
(3) 酸化剤と還元剤はどのように作用するか
講 義 | 酸化と還元との関係を説明する。
種々の酸化剤・還元剤の作用のしかたを説明する。 酸化剤・還元剤の当量について説明する。 |
実 験 | 種々の酸化剤・還元剤の1/10規定液をつくる。
1/10規定の過マンガン酸カリウムで,市販のオキシドールの濃度を決定する。 |
問題演習 | 酸化・還元に関する計算問題を解く。 |
話合い | 窒素が含まれている物質について話し合う。 |
図 解 | 窒素の自然界における循環を図解する。 |
(2) アンモニアは空気中の窒素からどのようにしてつくられ,どんな性質をもっているか
見 学 | アンモニアを製造する工場を見学する。 |
講 義 | アンモニアの合成法を説明する。
化学平衡に対する温度・圧力等の影響を説明する。 触媒の作用を実例を示しながら説明する。 |
実 験 | 塩化アンモニウムと消石灰からアンモニアを発生させ,濃塩酸,または赤色リトマス試験紙で検出する。
種々の塩類の水溶液にアンモニア水を加える。 アンモニア水の性質を調べる。 アンモニア水にネスラー試薬を加える。 |
報 告 | 各の実験の結果をノートに記入する。 |
問 答 | アンモニアの性質について問答する。 |
(3) 硝酸はアンモニアからどのようにしてつくられ,どんな性質をもっているか
研究と報告 | 硝酸の歴史を調べて報告する。 |
教師の実験 | アンモニアに,空気中で,赤熱した白金板,または白金アスベストを近づけると,燃えて過酸化窒素になることを実験して示す。 |
講 義 | 硝酸の製法を説明する。 |
実 験 | 銅に希硝酸および濃硝酸を加えて熱する。
タンパク質に濃硝酸を加える。 希硝酸と硝酸塩溶液に褐色環試験を行う。 |
報 告 | 各の実験について報告する。 |
講 義 | 濃硝酸が酸化剤であることを説明する。 |
問 答 | 硝酸の性質について問答する。 |
単元Ⅲ 大地の成分はわれわれの生活とどんな関係があるか
要 旨
岩石の領域についての化学的な問題の学習は,空気や水に比べて困難が多いようである。しかし,われわれは大地の上に住み,大地に作物をつくり,大地から種々有用な物質を得ているのであるから,大地に関し解決の必要を感じ,また,興味をいだいている問題は少なくない。
大地における化学変化は,空気や水におけるよりも複雑なものが多いが,大地が主としてケイ酸塩から成ること,岩石から土のできる経路や石灰洞の生因などについての理解は,さして困難なことではないであろう。
地下から得られる金属資源については単元Ⅳに,石炭・石油については単元Ⅴにゆずり,ここでは,その他の地下資源からつくられる生石灰・消石灰・セメント・ガラス・陶磁器などについて調べ,また,土の性質が作物の生育に関係の深いことや肥料がよく土を改良することを理解し,環境の現象に対する興味を深めることが望ましい。
目 標
2.大地から,日用品・農業・窯業・土木・建築に関係の深い物質が得られることを理解する。
3.土や肥料が,植物の生育に関係が深いことの知識を得る。
4.事実や原理を,個々の場合に応用する能力を高める。
5.物質を溶かしたり,混ぜ合わせたりする技能を養う。
6.環境に興味をもつ態度を養う。
7.観察や実験によって現象を調べようとする態度を高める。
8.自然の妙味を感得する。
9.科学を生活に取り入れる習慣を身につける。
学習の範囲と順序,学習活動
|
|
研究(復習) | 地球の構造,造岩鉱物の成分元素を調べる。 |
生徒の説明 | 上で調べたことについて,表などを作って説明する。 |
図表の作製 | 地球を構成する元素の割合を示す図表を作る。 |
見学と報告 | 博物館を見学し,報告書を作る。 |
(2) 空気や水はどのように大地に作用するか
話合い | 空気や水による大地の変化について話し合う。 |
実 験 | 石灰水に炭酸ガスを通す実験をする。 |
教師の説明 | 上の反応を化学方程式で表わし,説明する。 |
見 学 | 石灰洞を見学する。 |
研究と話合い | コンクリートの建物にできるつらら状の物質について調べ,その生成過程について話し合う。 |
観 察 | 岩石の風化のようすを観察する。 |
研究と話合い | 土はどのようにしてできるかについて研究し,話し合う。 |
映画・スライド | 岩石の風化を示す映画やスライドを見る。 |
実 験 | 貝がらや石灰石に塩酸を注いでみる。
貝がらを焼いて変化を見る。 |
生徒の説明 | 上の実験をまとめて化学方程式で表わし,説明する。 |
見 学 | 石灰がまを見学する。 |
実 験 | 生石灰に水をかけて変化を観察する。 |
話合い | しっくい壁の硬化について話し合う。 |
(2) セメントはどのようにしてつくられ,どんな性質をもっているか
見学または映画 | セメント工場を見学する。または映画やスライドを見るか,参考書などで調べる。 |
図表の作製 | セメントの製造工程の図表を作る。 |
実 験 | セメントの硬化の実験をする。 |
研究または実験 | コンクリートの引っ張り強さ・圧縮強さを調べる。 |
話合い | 鉄筋コンクリートの化学と効用について話し合う。 |
資料による研究 | セメントの需給の状態を調べ,図表を作る。 |
研 究 | 焼セッコウで塑像を作る。 |
専門家の話をきく | 歯科用セメントについて歯科医に話を聞き,クラスに報告する。または歯科医を招いて聞く。 |
報 告 | 石灰とセメントについて研究したことをまとめて提出する。 |
(3) ガラスはどのようにしてつくられ,どんな性質をもっているか
見学または映画 | ガラス工場を見学する。または映画やスライドを見るか,参考書で調べる。 |
研究と報告 | ガラスの種類と特性を研究し,結果を図表にまとめて報告する。 |
教師の実験 | 水ガラスを作る実験をする。 |
実 験 | 水ガラスの水溶液をつくり,それがアルカリ性であること,酸を加えるとコロイド状ケイ酸をつくることを調べる。また,水ガラスの水溶液を紙や木に塗り耐火性ができることを調べる。 |
話合い | 水ガラスの性質について話し合う。 |
観察と研究 | 水晶・石英ガラス・普通ガラスの性質を比較する。 |
実験(教師または生徒) | ホウ砂球反応の実験をする。 |
観察と研究 | 種々の色ガラスの着色について調べ,発表する。 |
実 験 | ガラス細工を行う。
フツ化水素をつくり,ガラスを腐食してみる。 |
報 告 | 上の実験について報告書を提出する。 |
専門家の話を聞く | ガラス繊維・絶縁ガラス・石英ガラス・その他の特殊ガラスについて専門家の話を聞く。 |
研究とグラフの作製 | わが国のガラス工業を統計的に調べ,グラフを作る。 |
(4) 陶磁器はどのようにしてつくられるか
見学と報告 | 陶磁器・かわら・れんが等の工場を見学する。 |
自由研究 | 陶磁器を作ってみる。 |
研 究 | 陶磁器の種類と特性を調べる。 |
教師の実験 | 水耕栽培によって,植物の成長に必要な元素を示す。 |
復習と発表 | 植物を構成している元素について調べ,図表にして発表する。 |
専門家の話を聞く | 肥料の種類・使用法について,農家・肥料会社等の専門家の話を聞く。 |
見学と報告 | 農事試験場等を見学する。
見学の結果,または研究したことをまとめて報告書を作る。 |
(2) どんなものが肥料として用いられるか
研 究 | リン酸肥料の原料・製法を調べる。 |
講 義 | リンカイ石からリンをとる方法を説明する。 |
講義と実験 | リンの同素体について説明し,性質の違いを実験して示す。 |
実 験 | リン酸塩の検出法を実験する。 |
研 究 | カリ肥料の原料・その産出について調べる。 |
見学またはスライド | 塩化カリウム・ヨウ化カリウムをとる作業所を見学する。
またはその写真やスライドを見るか参考書で調べる。 |
実 験 | 炎色反応を利用してカリウムの検出をする。 |
収集と研究 | いろいろな窒素肥料を収集し,それらの性質を調べる。 |
研究と発表 | 硫安・硝安・石灰窒素などの製法を調べ,発表する。 |
説 明 | 上の肥料の製造過程を化学方程式に表わし,説明する。 |
話合い | 肥料として緑肥がどのように価値があるかについて話し合う。 |
研 究 | 自然界における窒素の循環について考察し,それを発表する。 |
実 験 | アンモニウム化合物と硝酸塩を検出する方法について実験する。 |
調査と発表 | 肥料の需給について調査し,発表する。 |
単元Ⅳ 金属にはどんな特性があるか
要 旨
現代の生活には金属が多く用いられる。これらの金属が実用されるに至ったのは,それらを鉱石から得る冶金術の進歩に負うところが多い。これを理解するためには,二,三の冶金法について学習するのがよいであろう。
金属には他の物質と異なった特性があり,また,金属の種類によって,さらにその特性が異なっている。われわれが金属の特性に従ってそれを利用していることや,目的に応じた特性をもつものを求めて種々の合金をつくっていることを理解することがたいせつである。
金属の化学的性質は,そのイオン化傾向と密接な関係があり,そのことが金属の冶金の難易にも関係し,電池の製作にも利用され,金属の腐食にも関係している。この理解のもとに金属製品の正しい取扱を会得するようにしたい。
また,金属化合物には工業的に有用なもののあることの理解も重要である。
さらに,金属と非金属との区別から進んで,元素の分類に周期律の利用されること,周期律と原子構造との関係も明らかにして物質界の妙味を感得するようにしたい。
目 標
2.おもな金属についてその物理的,化学的性質とその用途との関係を理解する。
3.おもに鉄について,さびを防ぐ方法を理解する。
4.化学変化によって電流の生ずることを理解する。
5.電解によって生ずる物質の量と電気量との間には,一定の関係があることを理解する。
6.周期表が元素間の自然法則を見いだすのに役だつことを理解する。
7.原子の構造が化学的性質にどのように関係するかを理解する。
8.科学者の研究の蓄積とその努力を知ることによって,科学者に感謝する態度を養う。
9.問題解決に有効な方法を考案する能力を伸ばす。
10.比較したり,関係を明らかにする能力を養う。
11.いくつかの金属の特別な扱いに慣れ,その特性を日常生活にとり入れる習慣を身につける。
学習の範囲と順序,学習活動
|
|
話合い | 材料としての金属の用途について話し合う。 |
研 究 | いくつかの重要な金属の物理的性質を教科書や参考書などで調べる。(沸点・融点・比重・電気伝導率・熱伝導率・硬度・抗張力など) |
グラフの作製 | 金属の物理的性質をグラフや表に表わす。 |
研 究 | 諸種の金属の展性・延性を比較する。 |
話合い | 金属の物理的性質と用途との間の関係について話し合う。 |
問 答 | 以上の問題について問答をする。 |
(2) 金属の種類によって化学的性質はどのように異なるか
実 験 | 種々の金属を空気中で熱してそれらの変化を比べる。
種々の金属の水に対する反応を比べる。 種々の金属をいくつかの酸の溶液につけて,その変化を観察する。 |
話合い | 種々の金属の化学的性質の相違について話し合う。 |
実 験 | 硫酸銅溶液中で,鉄くぎの表面に銅が析出することを実験する。
酢酸鉛の水溶液中に亜鉛をつるし,鉛樹をつくる実験をする。 |
講 義 | 金属のイオン化傾向について講義をする。 |
表の作製 | 金属のイオン化傾向の表を作る。 |
講 義 | 金属のイオン化傾向の立場から種々の反応を講義する。 |
問 答 | この部分を明確にするために問答をする。 |
問題演習 | 金属のイオン化傾向についての問題を解く。 |
(3) 金属は電池にどのように利用されるか
実 験 | ボルタの電池をつくり電流が起ることを観察する。 |
講 義 | ボルタの電池で電流が起る原理を図表などを使って説明する。 |
実験(教師または生徒) | ボルタの電池で電圧が降下することを観察し,分極作用を確かめる。 |
研究と発表 | 実用になっている種々の電池のはたらきや構造について調べ,実験しながら発表する。 |
講 義 | 電池が化学的エネルギーを電気的エネルギーにかえる装置であることについて説明する。 |
観察と実験 | 鉛蓄電池の構造を観察し,また,鉛板を希硫酸にひたして電流を通すと電池になることを実験する。 |
話合い | 鉛蓄電池の作用を話し合う。 |
教師の説明 | 鉛蓄電池の特性について説明する。 |
教師の実験 | 溶液を電解して析出する物質の量を測り,それに要した電気量を比較する。 |
講 義 | 電解によって生ずる物質とそれに要した電気量との関係を説明する。 |
実 験 | 銀や銅の電気メッキについて実験する。 |
観 察 | 金属の腐食を観察する。 |
話合い | 金属がさびるわけやそれを防ぐ方法について話し合う。 |
講 義 | 金属腐食の原理を説明する。 |
研究と発表 | 家庭で日常使用する金属のさびを防いだり除いたりする方法を研究し,それを生徒が実験しながら発表し,また化学反応を説明する。 |
問 答 | この部分を明確にするために問答をする。 |
問題演習 | 電解に関する問題を解く。 |
(4) どんな金属化合物が種々の工業で材料として用いられるか
実 験 | 硫化水素をつくり,その性質を研究し,いくつかの金属硫化物の沈でんをつくる実験をする。 |
講 義 | 金属分析の原理を説明する。 |
研究と発表 | 水に不溶性の種々の金属化合物をつくり,これについて実験を示しながら発表する。 |
話合い | 金属化合物の利用(顔料など)について話し合う。 |
実 験 | ハロゲン化銀をつくり,それらの性質を調べる。
フィルムを用いて写真をとり,現像・定着・焼付を行う。 青写真の実験を行う。 ブルーブラックインキの実験を行う。 |
研究と報告,専門家の話を聞く | ペンキについて資料による研究を行い報告書を作る。専門家の話と実演を聞いたり見たりする。 |
問 答 | 金属化合物と工業との関係について問答をする。 |
話合い | 金属が得られる重要鉱石について話し合う。 |
研究と報告 | 過去において金・銀・銅・スズがどのように利用されてきたかを調べて報告する。
古代の冶金法を調べて報告する。 |
研究と発表 | いくつかの重要金属の新しい冶金法について資料による研究を行い,発表する。 |
講 義 | いくつかの重要金属の冶金法について説明する。 |
問 答 | 以上のことを明確にするために問答をする。 |
(2) どうして鉄が大量に用いられるようになったか
見 学 | 製鉄所・製鋼所を見学する。 |
生徒の説明 | よう鉱炉・平炉・転炉・電気炉などの構造を示す図を作り,説明する。 |
話合い | 製鉄所・製鋼所の作業の原理について話し合う。
鋼と銑鉄との性質を比較する。 |
実 験 | 縫針などを用いて,焼き入れ,焼きなまし,焼きもどし等の実験を行う。 |
表の作製 | 種々の鋼の利用を示す表を作成する。 |
問 答 | この部分を明らかにするために問答をする。 |
(3) アルミニウムの使用はどうして最も遅れたか
見 学 | アルミニウム工場を見学する。 |
話合い | アルミニウムの物理的性質と用途との関係について話し合う。
ジュラルミンの性質について話し合う。 |
教師の実験 | テルミットの発火について実験して示す。 |
実 験 | アルミニウムの酸やアルカリに対する反応を調べる。 |
研究と発表 | アルマイトの性質について調べ発表する。 |
問 答 | この部分を明らかにするため問答をする。 |
展 示 | アルミニウムで造った多くの品物を教室に特ちより展示する。 |
(4) どうして合金がたくさん用いられるようになったか
表の作製 | 合金の組成と性質を示す表を作成する。 |
話合い | 合金の表によってそれらの特性を話し合う。 |
実 験 | ハンダを作り,これを使ってロウ付けを行う。 |
問 答 | 合金の用途について問答をする。 |
展 示 | 種々の合金を用いて作った器具を持ちより展示する。 |
研究と話合い | 元素の周期表の歴史・メンデレフの伝記を調べ,話し合う。 |
教師の説明 | 周期表の価値を説明する。 |
話合い | 周期表の種々の型を調べて話し合う。
周期表における金属を非金属との分布について話し合う。 各族の元素の性質がどのように似ているかについて調べ話し合う。 元素は原子番号の増加とともに,その性質がどのように変っていくかについて話し合う。 |
問 答 | この部分を明らかにするため問答する。 |
(2) 元素の性質は原子構造からどのように説明されるか
研 究 | 原子の構造について調べる。 |
講 義 | 原子核の構造・電子の排列および原子の構造と元素の化学的性質との関係について説明する。 |
話合い | 放射性元素について説明する。
同位元素について話し合う。 |
講 義 | 原子結合(イオン結合・共有結合)について説明する。 |
問題演習 | この単元に関する問題について演習をする。 |
単元Ⅴ 燃料の特性をどのように活用しているか
要 旨
燃焼を利用して光と熱とを得ることは古くから行われているところであるが,近代工業の発達に伴い熱と動力を得る目的で多量の燃料が必要となり,自然物ばかりでなく,それを加工した燃料が製造されるようになった。
したがって,どんなものが燃料として役だち,また,どんな燃料が製造されるかを知ること,各種燃料の特性をどのように生かして用いるかを知ることは家庭生活をするにも,今日の産業や社会経済を理解するにも必要なことである。
この単元ではこれと同時に燃料に関連してこれの基礎となっている熱化学について理解を深め,また,燃料以外の動力源や原子核エネルギーについても,その概念をもつことが望ましい。
燃料として用いられる水性ガスやアセチレン,燃料製造の際に副生するコールタールなどが,今日では合成化学の重要な原料となっているから,それらから何ができるかということについての学習もたいせつである。また,これらの合成は有機化学の原理に従って行われるのであるから,この単元で有機化学の基礎についての理解をも得ることを期待している。
目 標
2.燃料や燃料に関連する衛生の知識を得る。
3.燃料は燃焼のとき,多量のエネルギーを出すことを理解する。
4.原子核の分裂にあたっては,おびただしいエネルギーを出すことを理解する。
5.燃料の重要な成分をなす炭素は,その化合物の数がきわめて多いことを理解する。
6.燃料が重要な物質の原料としても使用されることを理解する。
7.物質を分離したり,分類したりする能力を高める。
8.資料を利用する能力を高める。
9.蒸留したり,乾留したりする技能を高める。
10.危険から身を守る方法を会得する。
11.観察や実験にうったえる態度を養う。
12.科学を生活にとり入れる習慣を身につける。
学習の範囲と順序,学習活動
|
|
話合い | 家庭で使用されている燃料の種類について話し合う。 |
実 験 | 木片を乾燥させて,目方の減少を測る。 |
資料による研究 | 木炭の種類およびその製法について調べる。 |
見 学 | 炭焼場・れん炭製造所などの見学をする。 |
研 究 | 家庭で使われる木炭・まき・石炭ガス等の1か月の消費量の統計を作る。 |
(2) 家庭では各種の燃料の特性をどのように生かして使ったらよいか
話合い | まき・木炭・れん炭・石炭・コークス・石炭ガスなどについて,その得失を比較する。 |
研 究 | 白炭と黒炭の性質を比較する。 |
話合い | 物が燃焼するための必要な条件を話し合う。 |
研 究 | 燃料とこんろ(かまど)の構造との関係を調べ,燃焼の機構を考察する。 |
実 験 | ランプからススが出る場合と出ない場合とについてその違いを実験によって調べる。
炎のできる条件を調べ,また炎の構造を観察する。 |
研究または話合い | 煙を生ずるいろいろな場合を観察し,そのできるわけを考え,煙の出を少なくする方法をくふうする。 |
(3) 燃料を使うとき衛生上どのような注意が必要か
教師の説明 | 一酸化炭素の性質を調べ,その有益な面と有害な面とについて説明する。
一酸化炭素と炭酸ガスとの平衡について説明する。 |
話合い | こんろで木炭を燃やすときの炭層の厚さと,一酸化炭素の生成との関係を話し合う。 |
研究と教師の説明 | 気体の溶解について調べ,これに関して教師が補足的な説明をする。 |
教師の実験 | 煙の成分について調べる。
固形炭酸(ドライアイス)についての実験をする。 |
工場見学 | ドライアイス工場の見学をする。 |
問 答 | 燃料の使用に関して,衛生上の立場からどのような注意が必要であるかについて問答する。 |
(4) 火を消すにはどうすればよいか
研究とグラフの作製 | 火災の原因を資料によって調べ,その統計をグラフに表わす。 |
研 究 | 種々の消火剤について調べ,これと可燃物との関係について研究する。 |
教師の実験 | いろいろな消火剤の消火の実際を示す。 |
計 画 | 消火法について考え,学校および家庭における防火・消火の計画を立てる。 |
実験と研究 | 炭酸塩の性質を実験によって調べ,また資料によって調査する。 |
研 究 | 資料により,わが国で産出される木材の量を調べそのうち燃料として使われる量の割合を出す。 |
研究と発表 | 石炭の成因について研究し,発表する。 |
研究と実験 | 資料によって石炭の種類とその性質を調査し,また実験によって性質を調べる。 |
実 験 | 石炭を乾留して,留出物について調べる。 |
図表の作製 | 石炭乾留によって得られる物質の一覧表を作る。 |
研 究 | コークスの用途を調べる。 |
教師の実験 | コークスと石炭との燃焼における違いを実験して示す。 |
問 答 | 問答によって,この部分の整理をする。 |
(2) 気体燃料にはどんなものがあるか
見 学 | 石炭ガス工場を見学する。 |
図表の作製 | 石炭ガス製造の過程を示す図表を作成する。 |
研 究 | 発生炉ガスおよび水性ガスを製造する炉の構造を資料によって調べる。 |
図表の作製 | 各種ガス燃料の成分を示す表を作る。 |
実 験 | メタンを捕集して,その性質を調べる。
アセチレンにつき,製法と性質を実験する。 |
研究・専門家の話をきく | 炭坑の爆発について,資料により,または専門家にあって調べる。 |
問 答 | 問答によって,この部分の整理をする。 |
(3) 液体燃料にはどんなものがあるか
見学と標本収集 | 石油工場を見学する。諸種の石油製品の標本を集め,展示する。 |
実 験 | 原油を分留する。
アルコールの性質を調べる。 アルコール発酵の実験をする。 |
研究と報告 | 石油中に含まれている脂肪族炭化水素について研究し,その報告書を作る。
交通の発達と,交通に利用される燃料の変遷について研究し,報告書を作る。 |
研究と討議 | アルコールとガソリンとの性質を比較し,いずれが燃料として有利かを,各方面から討議する。 |
話合いと問答 | 石炭と石油の成分を比較して,石炭の液化の理を推論する。 |
問 答 | 問答によって,固体燃料・液体燃料・気体燃料の特質について明らかにする。 |
話合い | 燃焼熱の測定法について考え,話し合う。 |
研 究 | 熱量計の構造について研究し,その使用法を明らかにする。
資料によって各種燃料の発熱量を調べ,そのグラフを作る。 |
問題演習 | 燃焼の発熱量に関する各種の問題を解く。 |
問 答 | 燃料は燃焼にあたって,多量のエネルギーを放出することについて問答をする。 |
(2) 燃料を用いないで,どのようにして熱や動力が得られるか
話合い | 地熱や太陽熱の利用について話し合う。 |
研 究 | どんなものに,高周波加熱が利用せられるかを研究する。
どんな種類の化学工業に,電熱器や電気炉が利用されているかを資料によって調べる。 |
研究と話合い | 原子構造や原子核反応について研究し,話し合う。 |
講 義 | 放射性元素の性質に関して講義をする。 |
問 答 | 問答によって,原子核が分裂する際に,多量のエネルギーが放出されることを理解する。 |
研究と実験 | 炭素の同素体の種類とその性質を調べる。 |
実 験 | 吹管分析の実験をする。
活性炭による吸着の実験をする。 |
工場見学と報告 | 鉛筆工場また炭素に関係する他の適当な工場を見学して報告書を作成する。 |
(2) 炭素化合物の種類が多いのはどうしてであろうか
研 究 | 炭素原子の特質について資料により研究する。 |
問題演習 | 与えられた実験結果から,その物質の分子式を決定する。 |
問 答 | 問答によって,与えられた分子式に対する構造式を決定する。 |
実験と化学,方程式 | メチルアルコールからホルムアルデヒドを作り,その反応を化学方程式で表わし,また性質を調べる。 |
講 義 | ベンゼンの分子式から,その構造式を決めることについて教師が説明する。 |
研 究 | 炭素化合物の分類について資料により調べる。 |
問 答 | 炭素が非常に多種の化合物を作ることについて問答する。 |
(3) アセチレンから何が得られるか
研 究 | カーバイドの製造工程について資料により研究する。 |
実 験 | カーバイドからアセチレンを作り,その性質を調べる。 |
図表の作製 | おもな有機合成化学工業の系統図を作る。 |
(4) コールタールからどんなものができるか
研究と図表の作製 | コールタールを蒸留して得られるおもな物質の一覧表を作る。 |
講 義 | 芳香属炭化水素について説明する。 |
研究と発表 | コールタール染料について調べ,その結果を発表する。 |
研究と報告 | コールタールから得られるおもな薬品類について調べ,その結果を報告する。 |
問 答 | コールタールの利用について問答をする。 |
単元Ⅵ 食品はどんな成分からできているか
要 旨
食品の栄養的価値は,それに含まれている栄養素の種類と量とによっている。食品中に含まれる炭水化物・油脂・タンパク質の性質,それの消化,栄養的価値について学習することは,食生活を合理化し,健康を増進するのにたいせつなことである。また,これと同時に,ビタミン・ホルモン・酵素などが生理的に重要な意義をもつこと,食品の中の物質には,食料以外の目的に使われることもあることについても,理解を深めることが望ましい。
なお,食品の加工や医薬・農薬についてもこの単元で取り扱い,化学研究が保健・治療に貢献していること,また,それらの知識を活用することによって化学の恩恵を受け幸福を増進しうることを感得させ,よい健康の習慣を養うようにしたい。
目 標
2.コロイド溶液の性質を理解する。
3.食物の化学的な消化について理解する。
4.発酵について理解する。
5.生物体には触媒のはたらきをもつ酵素があることを理解する。
6.炭素の化合物は,特に生物に関係の深いことを理解する。
7.化学研究は栄養や病気の治療に役だつことを理解する。
8.比較したり,関係を明らかにする能力を高める。
9.薬品その他の物質を有効に使う技能を高める。
10.物をくふうして利用する能力を養う。
11.道理に従い,偏見を正す態度を身につける。
12.科学を生活にとり入れる態度を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
|
|
計 画 | この問題についての実験の方法を計画する。 |
実 験 | 牛乳からクリームをとり,脂肪を分ける。
牛乳からカゼインをわかち取る。 牛乳中の糖の検出を行う。 小麦粉からグルテンをとる。 小麦粉を焼いて灰分を観察する。 |
教師の実験 | 玄米・大豆から脂肪をとる。 |
実 験 | じゃがいも(さつまいも)からデンプンをとる。
食酢中の酢酸の定量を行う。 |
報告書 | 以上の実験をまとめて,ノートに記入する。 |
(2) デンプンはどんな性質をもっているか
観 察 | 各種のデンプンを顕微鏡で見る。 |
実 験 | デンプンの糊化の温度を測る。
デンプンの溶液とヨードとの反応を実験する。 |
教師の実験 | デンプン溶液のコロイド状態について実験する。 |
実験(教師および生徒) | デンプンを酸で分解する。 |
講 義 | 酸で分解したデンプン溶液からブドウ糖をとる。
炭水化物の性質と構造について説明する。 |
話合い | 植物の炭酸同化作用について話し合う。 |
問 答 | デンプンの性質について問答する。 |
(3) 油脂はどんな性質をもっているか
話合い | 食用・工業用原料になる油脂について話し合う。 |
実 験 | 脂肪はどんな溶煤に溶けるかを実験する。
セッケンをつくる。 |
見 学 | セッケン工場を見学する。 |
教師の実験 | セッケンから脂肪酸をとる。 |
実 験 | 乾性油・不乾性油について実験する。 |
講 義 | 油脂のヨーソ価,ケン化価について説明する。 |
(4) タンパク質はどんな性質をもっているか
計 画 | この問題についての実験を行う方法について計画をたてる。 |
実 験 | 卵白,ゼラチンの水溶液を用いて,コロイドの性質を実験する。
タンパク質中の窒素を検出する。 タンパク質中のイオウの検出をする。 タンパク質の検出の諸反応の実験をする。 小麦粉・毛髪・乾燥豆腐等を塩酸で分解する。 |
講 義 | アミノ酸とタンパク質の構造について説明する。 |
研 究 | タンパク質の種類について資料により調べる。 |
報 告 | 以上の実験についてまとめて,ノートに記入する。 |
(5) 食物の味やにおいは何によるか
話合い | 甘いとか,塩からいとか,すっぱいとかいう味の種類と,その原因について話し合う。 |
講 義 | アミノ酸が,うま味の原因であることを説明する。 |
話合い | 食物のにおいとその原因について話し合う。 |
実 験 | 人工エッセンスをつくる。 |
教師の実験 | タマネギまたはキクの花の水蒸気蒸留を行う。 |
自由研究 | 茶について新しい風味を作ったり,香料として新しいよいにおいのものを作る。 |
実 験 | デンプンを唾液やアミラーゼで糖化する。 |
話合い | デンプンの消化について話し合う。 |
実 験 | 庶糖の酸による転化の実験を行う。 |
研 究 | 庶糖の味・消化について資料により調べる。
乳糖の味・消化について資料により調べる。 麦芽糖の味・消化について資料により調べる。 |
講 義 | グリコゲンについて講義する。 |
研究と発表 | 油脂の消化について資料により調べ発表する。 |
研究と話合い | タンパク質の消化について話し合う。
食物の腐敗による危険について話し合う。 |
(2) 食品の栄養価値は何によって決められるか
話合い | 消化された食物が体内でどのように役だつかについて話し合う。 |
研 究 | 燃焼熱の測り方を資料により調べる。
三大栄養素の1g当りの燃焼熱を比較してみる。 |
教師の説明 | タンパク質が不可欠の栄養素であることを明らかにする。 |
研究と発表 | ビタミン・無機塩類の栄養上のはたらきを調べて発表する。 |
実 験 | 糖のアルコール発酵の実験をする。 |
観 察 | 酢酸発酵について観察する。 |
実験(教師または生徒) | 甘酒を造ってみる。
果実酒を造ってみる。 |
報 告 | 発酵についての記録を提出する。 |
(2) 食品の加工・製造に化学の研究がどのように利用されているか
研 究 | みそ・しょうゆの造り方を資料により調べる。 |
見 学 | 醸造工場を見学する。 |
研 究 | 日本酒その他の酒類の造り方を資料により調べる。 |
実験(教師または生徒) | 水あめを造る。 |
研 究 | 製糖工業について資料により調べる。
硬化油について資料により調べる。 サッカリンの造り方を資料により調べる。 |
講 義 | ビタミンの合成について説明する。 |
問 答 | この部分を明確にするために問答をする。 |
(3) 食物の衛生に化学がどのように役だっているか
話合い | 食物はどんなときに腐敗しやすいかについて話し合う。
中毒を起しやすい食品について話し合う。 |
研 究 | 食品防腐法・保存法を資料により調べる。 |
話合い | 中毒を起した場合の応急手当について話し合う。 |
研 究 | 殺虫剤の種類と用途について資料により調べる。
ボルドー液・ニコチンについて資料により調べる。 |
教師の実験 | 煙草からニコチンをとる。 |
研 究 | ホルマリン・石炭酸・クレゾール・サルチル酸・ショウノウについて資料により調べる。 |
(2) ふつうの医薬にはどんなものがあるか
研究と話合い | 炭酸水素ナトリウム(重ソウ)・オキシドール・マーキュロクローム・ヨードチンキ・アスピリン・キニーネ・フェナセチン・モルフィン・サルバルサンなどについて調べる。 |
(3) 化学研究の進歩によって,どんな新しい医薬ができたか
研究と話合い | スルファミン剤・ペニシリン・ストレプトマイシンなどの性質・発見された方法・製造法について調べ話し合う。 |
研究と報告 | これらの物質をどのようにしてより多く生産することができるか,またそれらをもっと有効に利用するにはどうしたらよいかを研究し報告書を提出する。 |
単元Ⅶ 衣料は化学の研究によってどのように進歩したか
要 旨
衣料は人間の生活において,住居・食料とともに,最も重要なものの一つである。われわれの身につける衣料繊維には,いろいろな種類があり,それらがどのような原料から作られ,どんな成分からできており,また,その性質がどのようなものであるかを理解することは,その衣料を正しく取り扱うのに必要であるばかりでなく,保健上にもたいせつなことである。これをもとにして,さらに,衣料の洗浄・漂白・染色についての知識や技能を習得することによって,衣料の合理的な処理能力をうることができるであろう。
衣料の原料としては天然繊維だけでは需要を満たすことができないし,また,その生産が特定の地域にかたよっている。これがきっかけとなって人造繊維の研究が進み,人絹や合成繊維が発明され天然繊維をしのぐものさえ現われてきている。これらの問題を学習することによって衣料の改善・進歩がどのように行われつつあるかを理解することができるだけでなく,化学工業が繊維資源の不足を補い,他の天然資源から繊維を製造して,その利用価値を高めていることを通して,化学の重要な原理や法則をも知ることができよう。
さらに,ゴム・合成樹脂などについての理解を広め,化学工業の重要さを認識させることを期待している。
目 標
2.衣料の改善・進歩について理解する。
3.洗浄・漂白・染色についての知識を得る。
4.ゴム・合成樹脂についての知識を得る。
5.同種の化合物が多数結合して,一つの化合物をつくることがあることを理解する。
6.化学工業は,資源の不足を補い,資源の利用価値を高めることを理解する。
7.事実や原理を,個々の場合に応用する能力を高める。
8.薬品,その他の物質を有効に使う技能を高める。
9.物をくふうして利用する技能を養う。
10.新しいものをつくりだす態度を養う。
11.家庭において衣料を合理的に取り扱う習慣を身につける。
学習の範囲と順序,学習活動
|
学 習 活 動 |
復 習 | 天然繊維の原料や種類について教科書や参考書により復習する。 |
生徒の説明 | 上で調べたことについて説明する。 |
観 察 | 顕微鏡で各種繊維を観察する。 |
発 表 | 上で観察したことを図にかいて,発表する。 |
実 験 | コシガミを濃硫酸に溶かし,これをうすめて煮沸し,セルロースの加水分解を実験する。 |
講 義 | セルロースの構造について説明する。 |
実 験 | 羊毛や絹がタンパク質であることを確かめる実験をする。 |
講 義 | 羊毛や絹の化学構造について説明する。 |
問 答 | 問答によって,この部分を整理する。 |
(2) 天然繊維は衣料のほかに何に用いられるか
見学または研究と発表 | 和紙の製造工程を見学する。または資料によって調べ発表する。 |
研 究 | 木材のセルロース含有量について調べ表を作る。 |
見学またはスライド・映画 | パルプ・洋紙製造工場を見学する。または映画・スライドなどを見る。 |
図表の作製 | パルプ・洋紙製造工程の図表を作る。 |
実 験 | 洋紙で吸取紙を作る実験をし,にじみ止めの理を研究する。 |
研究と発表 | ザラ紙と良質洋紙との変色耐久性について比較研究し発表する。
セロハン製造について資料により調べる。 |
教師の実験 | 硫酸によるセロハンの加水分解を示す。 |
研 究 | セルロイド・フィルム・綿火薬について資料により調べる。 |
実 験 | セルロイドの接着や燃焼について実験する。 |
(3) 人絹やスフはどのようにして発明され,発達したか
実 験 | 銅アンモニア人絹製造の原理について実験する。
ビスコース人絹製造の原理について実験する。 酢酸セルロースの製法に関する実験をする。 |
話合い | 天然のセルロースと人絹・スフなどとの違いについて話し合う。 |
研究と報告 | 人絹の種類とその製法について調べ報告書を作る。 |
(4) 合成繊維は何からつくられるか
研究と話合い | ビニロンの構造・製法・性質について調べ,用途についての新しい考えを話し合う。
ビニロンの性質と用途について,絹糸と比較対照する。 ナイロンについて同様に調べ,それを話し合う。 |
話合い | 衣料の発達について話し合う。
天然繊維および合成繊維の資源について話し合う。 |
(5) 他の人工繊維はどのようにしてつくられるか
研 究 | ガラス繊維・カゼイン繊維・石綿繊維について調べる。 |
話合い | ガラス繊維・石綿繊維の不燃性をどのように利用したらよいかを話し合う。 |
問 答 | 問答によって,その他の人工繊維について明らかにする。 |
復習と計画 | 各種繊維の特徴を復習し,これを実験によって調べる方法の計画をたてる。 |
実 験 | 各種繊維の水に対する抵抗について実験する。
各種繊維の熱に対する抵抗について実験する。 各種繊維に対する酸・アルカリの作用を実験する。 各種の繊維を燃やしたときの臭気・燃え方・できる灰について調べる。 |
話合い | 各種繊維の見分け方について話し合う。 |
研 究 | 各種繊維の見分け方について研究する。 |
報 告 | 上の実験研究の結果を報告書にまとめる。 |
(2) セッケンはどのようにしてよごれを落すか
実 験 | 各種洗浄剤の水溶液の性質について実験する。 |
復 習 | セッケンの成分について復習する。 |
実 験 | セッケンの洗浄作用について実験する。
水の硬度とセッケンの溶解度との関係について実験する。 |
研 究 | 硬水の軟化法について研究する。 |
話合い | セッケンのじょうずな使い方について話し合う。 |
復習と計画 | 漂白について復習し,これを行う実験の計画を立てる。 |
実 験 | サラシ粉を使って衣料の漂白について実験する。
ヒドロ亜硫酸ナトリウム(ハイドロサルファイド)や過マンガン酸カリを用いての漂白を実験する。 インキ・鉄さび・どろ・果汁などのしみをとる。 |
報 告 | 以上の実験について報告書を作る。 |
(2) 染料にはどんなものがあるか,また染色はどのようにして行われるか
復 習 | 天然染料・コールタール染料について復習し,表にまとめて発表する。 |
実 験 | ベンゼンからアニリンへの変化について実験する。
アニリンの性質について実験する。 |
研 究 | 染料の種類について資料により研究する。 |
実 験 | 染色の実験をする。 |
実験(教師または生徒) | 防水に関して実験を行う。 |
問 答 | 問答によって,この部分の整理をする。 |
研 究 | 天然ゴムの採取法について資料により調べる。
天然ゴムの化学構造について同様に調べる。 天然ゴムの性質について調べる。 |
発 表 | 以上の天然ゴムに関する研究を発表する。 |
(2) 合成ゴムはどのようにしてつくられるか
研究と報告 | 合成ゴムの原料・製法・用途について調べ,報告書を作る。 |
講 義 | 天然ゴムと合成ゴムの化学的な関係について説明する。 |
(3)合成樹脂にはどんなものがあるか
教師の実験 | 石炭酸とホルムアルデヒドから合成樹脂を作る実験を示す。 |
収 集 | 各種の合成樹脂でつくられた製品を収集し,展示する。 |
講 義 | 各種の合成樹脂の性質およびその特性に応じた扱い方について説明する。 |
問 答 | 問答によって合成樹脂に関する理解を深める。 |
単元Ⅷ 化学の発達は自然の理解や生活の改善にどのように貢献してきたか
要 旨
これまでの学習で,化学の研究が人類の福祉と密接な関係のあることを知り,また,化学的な諸現象のうちに存する諸法則や,それを説明する学説,これらの発展過程ならびにこれまでの化学者の努力と化学の進歩などについて理解を深めてきた。
この単元では,これまでの単元に散在するこれらの諸点についてまとめ,これら相互の連関や科学との関係について,合わせ考究する。そして,科学的な態度や科学的な物の考え方をいっそう深め,常に自然界に対し問題を発見し,その解決法を計画し,真理を求める態度と能力とを養うことをねらっている。
一方,化学を日常生活に応用する心構を伸張し,さらに化学に関係のある職業に対して,じゅうぶんな理解をもつことを期待している。また,化学的研究の進歩発展と,その恩恵をすべての人々が受けるためには,国際協力の必要なことについても理解を与えたい。
目 標
2.科学上の学説・法則の発見過程を理解する。
3.元素の普通の変化についての知識を得る。
4.物質は一定の量的関係に従って変化することを理解する。
5.物質の変化は,エネルギーの変化を伴うことを理解する。
6.職業の選択についての知識や理解を得る。
7.化学と他の科学とは,関係が深いことを理解する。
8.問題の範囲・重点を明らかにする能力を高める。
9.科学的態度や考え方を理解し,それを身につける。
10.事実を尊重し,真理を求める態度を養う。
11.新しい考えをとり入れる態度を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
|
|
研 究 | ドルトン・ゲイルサック・アボガドロの伝記や仮説について調べる。 |
話合い | 上の研究の結果について話し合う。 |
講 義 | 原子量・分子量の決定について説明する。 |
問題演習 | 原子量・分子量を決める計算問題を解く。 |
(2) イオンの概念はどのようにして生じ,どんなに変化してきたか
研 究 | ファラデー・アレニウスの伝記を調べ,また電解の理論を研究する。 |
話合い | 上の研究の結果について話し合う。 |
講 義 | 電子の発見がイオン説にどう影響したかを説明する。 |
問 答 | 分子・原子・イオンの間の関係について問答をする。 |
(3) 放射性元素の発見は,原子の概念をどのように変えたか
復 習 | 放射性物質・同位元素・原子核反応について復習する。 |
講 義 | 原子核反応によって,質量やエネルギーの保存の法則がどのように変ったかについて説明する。
分子の概念の変化と,物質の構造に対する近代の見解について説明する。 |
(4) 化学は他の科学とどんな関係があるか
話合い | 化学と生物との関係について話し合う。
化学と物理との関係について話し合う。 化学と地学との関係について話し合う。 |
報 告 | 湯川博士の貢献について報告書を作る。 |
講義と話合い | 科学の相互依存について教師が説明し,また,話合いをする。 |
収 集 | 職業安定所その他から,化学に関係する職業について知見を集める。 |
話合い | 集めた知見の結果について話し合う。 |
教師の説明 | 上の問題について説明する。 |
指 導 | 生徒ひとりひとりについて教師が指導する。 |
(2) 科学的な態度や考え方が,どんな化学の研究や日常生活に役だっているか
話合い | 科学的態度や考え方が化学の研究に必要な実例について話し合う。
科学的態度や考え方が日常生活に必要な実例について話し合う。 |
教師の説明 | 上の問題について説明する。 |
(3) 国際間の協力によって,化学の研究とその応用はどのように進んだか
話合い | 研究上の協力にはどのような事が行われているかについて話し合う。(学者や資料の交換,元素記号や原子量の国際協定など) |
研 究 | わが国の化学工業界に輸入されている製品および原料について調査する。
わが国から輸出している工業原料ならびに製品について調査する。 |
話合い | 国際的な化学者の貢献について話し合う。
ノーベル賞について話し合う。 |
(付 録)参 考 書
|
|
|
|
|
|
|
|
||||
石原 純 外 | 理化学辞典 | 岩 波 書 店 | 飯 高 一 郎 | 金属と合金 | 岩 波 書 店 |
便覧編修委員 | 理化学便覧 | 共 立 出 版 | 斎 藤 大 吉 | 金属材料とその加工法 | 丸 善 |
実 験 化 学
便 覧 委 員 |
実験化学便覧 | 共 立 出 版 | 葛 原 義 雄 | 鉄 の 話 | 大 雅 堂 |
工業化学会 | 実用化学便覧 | 化学工業協会 | 松本 純三 外 | 顔料絵具インキ | 共 立 出 版 |
物化学同好会 | 化学恒数表 | 広 川 書 店 | 石 橋 正 樹 | 塗 料 | 〃 |
東京天文台 | 理 科 年 表 | 丸 善 | 槇 屋 栄 | 電 池 | 修 教 社 |
岩波編集部 | 科学の事典 | 岩 波 書 店 | 山 口 与 平 | 基礎電気化学 | 裳 華 房 |
平 凡 社 | 理 化 事 典 | 平 凡 社 | 田 村 幹 雄 | 光 化 学 | 至 文 堂 |
理工学辞典
編 集 員 |
理工学辞典 | 森 北 出 版 | 菊地,宮本,福島 | 現像の理論と実際 | ア ル ス 社 |
白 崎 章 一 | 日本国勢図会 | 国 勢 社 | 玉 木 英 彦 | 周期律から
超ウラン元素まで |
春 日 出 版 |
|
武 谷 琢 美 | 高校生の化学無機化学 | 有 宏 書 房 | ||
槌田 竜太郎 | 化学序論Ⅰ,Ⅱ | 増 進 堂 | 岡 本 正 三 | 鉄 の 話 | 三 省 堂 |
津 田 栄 | 化 学 通 論 | 朝 倉 書 店 |
|
||
飯島 俊一郎 | 解説化学通論 | 共 立 出 版 | 衛 藤 隆 | 燃料学,耐火材料 | 淀 屋 書 店 |
越 山 季 一 | 理論化学要説 | 内田老鶴圃 | 大 村 一 蔵 | 石 油 | 岩 波 書 店 |
樫 本 竹 治 | 要説化学通論 | 丸 善 | 舟 阪 渡 | 燃料化学分析試験法 | 修 教 社 |
林 太 郎 | 化学の研究 | 旺 文 社 | 村 田 和 也 | 燃 料 工 学 | 産 業 図 書 |
千 谷 利 三
添 原 義 之 |
現代の化学Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ | 共 立 出 版 | 香坂 洋次郎 | 発生炉ガス及水性ガス | 〃 |
鮫島 実三郎 | 物理化学教本 | 裳 華 房 | 吉 村 万 治 | 燃料の知識 | 誠文堂新光社 |
千 谷 利 三 | 一般物理化学 | 岩 波 書 店 | 沼畑 金四郎 | 家庭燃料の科学 | 光 生 館 |
北 岡 馨 | 化 学 概 論 | 〃 | 三浦 伊八郎 | 薪炭学考料 | 共 立 出 版 |
井 上 敏 | 化 学 概 論 | 〃 | 燃 料 協 会 | 燃 料 大 観 | 丸 善 |
日本化学会 | 解説化学シリーズ(26冊) | 大日本図書 | 栗 原 鑑 司 | 燃 料 工 業 | 〃 |
森 元 七 | 高等化学深論 | 内田老鶴圃 | 村 田 和 也 | 石油と石炭 | 昭 晃 堂 |
植 村 琢 | 化 学 新 講 | 大日本出版 | 岡 新 六 | 石 炭 | 共 立 出 版 |
飯島 俊一郎 | 高校生の化学概論 | 有 宏 書 房 | 香坂 要三郎 | 石 炭 化 学 | 三 共 出 版 |
小 林 正 久 | 新制図解一般化学 | 増 進 堂 | 崎 川 範 行 | 石炭の化学と試験法 | 槇 書 店 |
樫 本 竹 治 | 現代化学通説 | 理化学出版 | 伊 木 貞 雄 | 石炭及その試験法 | 丸 善 |
石 川 清 一 | 化 学 概 論 | 培 風 館 | 香坂 要三郎 | 石炭ガス及工業用ガス | 共 立 出 版 |
槌田 竜太郎 | 化 学 外 論 | 増 進 堂 | 桑 田 勉 | 石 油 化 学 | 河 出 書 房 |
武 原 熊 吉 | 化 学 提 要 | 三 省 堂 | 小 林 久 平 | 人造石油工業 | 丸 善 |
〃 | 新 制 化 学 | 昇 竜 堂 | ルイスフオン
エルベ 河村 竜朗 訳 |
燃焼機構学 | 海 山 堂 |
妻木 外二名 | 無機及理論化学大要 | 三 省 堂 | 大 島 義 清 | 燃料及燃焼概説 | 丸 善 |
津 田 栄 | 無機化学通論 | 裳 華 房 | 黒 川 貞 武 | 応用燃料化学 | 宗 教 出 版 |
〃 | 基礎無機化学 | 有 宏 書 房 |
|
||
武 原 熊 吉 | 高校生の無機化学 | 〃 | 有本 邦太郎 | 食品成分表 | 光 生 館 |
柴 田 雄 次 | 無機化学概要 | 南 江 堂 | 岩 田 久 敬 | 食 品 化 学 | 養 賢 堂 |
永海 佐一郎 | 無機化学の基礎 | 内田老鶴圃 | 高 田 亮 平 | 食 糧 化 学 | 丸 善 |
玉虫・白井共著 | 化学概説1,2 | 岩 波 書 店 | 竹林 松二 外 | 食物の科学 | 学 園 出 版 |
森 元 七 | 新無機化学綱要 | 内田老鶴圃 | 有本 邦太郎 外 | 栄 養 科 学 | 光 生 館 |
石 川 総 雄 | 詳解無機化学 | 〃 | 桜 井 芳 人 | 栄 養 化 学 | 朝 倉 書 店 |
井 上 敏 | 教養無機化学 | 朝 倉 書 店 | 榊 立 誠 | 栄養化学概論 | 〃 |
亀 高 徳 平
樫 本 竹 治 |
要説新無機化学 | 丸 善 | 鈴木 梅太郎 | 栄養学概論 | 雄 山 閣 |
石 井 頼 三 | 無機製造化学 | 有 宏 書 房 | 尾 崎 準 一 | 油 脂 化 学 | 朝 倉 書 店 |
石 川 清 一 | 無機化学要論 | 培 風 館 | 有山 恒外一 | 蛋白質化学 | 〃 |
岩 永 源 作 | 横観無機化学 | 〃 | 内田 正次郎 | 熱量測定法 | 共 立 出 版 |
岩 永 源 作 | 横観有機化学 | 〃 | 鮫島 実三郎 | 膠 質 学 | 裳 華 房 |
柴 田 雄 次 | 無機化学Ⅰ,Ⅱ | 岩 波 書 店 | 朝比奈泰彦 外 | 第六改正日本薬局法註解 | 南 江 堂 |
亀 高 徳 平
樫 本 竹 治 |
要説有機化学 | 丸 善 | 幸田 文次郎 | 小 薬 理 学 | 医 書 出 版 |
小竹 無二雄 | 有機化学 上,中,下 | 理 工 出 版 | 宮 崎 三 郎 | 薬 理 学 | 東 南 書 房 |
後 藤 格 次 | 有 機 化 学 | 朝 倉 書 店 | 二 国 二 郎 | 改訂栄養化学 | 岩 波 書 店 |
漆 原 義 之 | 有機化学Ⅰ,Ⅱ | 共 立 出 版 | 井 上 兼 雄 | 栄 養 学 | 朝日新聞社 |
越 山 季 一 | 有機化学要説 | 内田老鶴圃 | 小 方 芳 郎 | サツカリンとズルチン | 大 雅 書 |
後 藤 格 次 | 有機化学要説 | 朝 倉 書 店 | 住 木 諭 介 | 味の化学(科学の泉) | 創 元 社 |
妻木 外二 名 | 有機化学大要 | 三 省 堂 | 笹 原 安 夫 | 雑草と2—4D | 日本揮発油会社 |
都築 洋次郎 | 教養有機化学 | 朝 倉 書 店 | 鮫島 実三郎 | 煙 霧 質 | 河 出 書 房 |
石 川 清 一 | 新制高校生の有機化学 | 有 宏 書 房 | 桂井 富之助 | コロイドの理論 | 化 学 集 堂 |
近 藤 一 二 | 有機化学解説 | 研 数 書 院 | 玉 蟲 文 一 | 膠 質 化 学 | 岩 波 書 店 |
石 川 清 一 | 有機化学要論 | 培 風 館 | 米国農務省編
佐藤,鈴木訳 |
科学食の知識 | 河 出 書 房 |
菅 沼 市 蔵 | 近世有機化学 | 裳 華 房 | 岩 田 久 敬 | 綜合食品化学 | 養 賢 堂 |
亀 高 徳 平
樫 本 竹 治 |
理論応用有機化学 | 丸 善 | 鈴 木 文 助
小幡 弥太郎 |
生 物 化 学 | 朝 倉 書 店 |
石 渡 三 郎 | 有 機 化 学 | 広 川 書 店 | 鈴木 梅太郎 | 食 料 工 業 | 丸 善 |
竹 林 松 二 | 有機化合物の結合と反応 | 増 進 堂 | 田 中 顕 三 | 農薬の使い方 | 実業教科堂 |
小 泉 正 夫 | 化学結合論 | 共 立 出 版 | 村 川 重 郎 | 農薬の化学と応用 | 朝 倉 書 店 |
友 田 宜 孝 | 最新化学機械学 | 〃 | 鈴木 梅太郎 | 栄 養 読 本 | 日本評論社 |
〃 | 応用化学精義 | 山 海 堂 | 下瀬 川一郎 | 炭 水 化 物 | 目黒学術普及会 |
山 田 桂 輔 | 改訂有機合成化学 | 修 教 社 | 武 渡 三 吉 | 炭 水 化 物 | 朝 倉 書 店 |
三 羽 忠 宏 | 高校生の有機製造化学 | 有 宏 書 房 | 三 宅 捷
林 金 雄 |
炭水化物概論 | 岩 波 書 店 |
友 田 宜 孝 | 解説工業化学 | 共 立 出 版 | 二 国 二 郎 | 澱 粉 化 学 | 朝 倉 書 店 |
岩 瀬 栄 一 | 近代化学工業概論 | 北 隆 館 | 上 野 誠 一 | 油脂化学及油脂各論 | 丸 善 |
田 中 芳 雄 | 化学工業総論 | 誠文堂新光社 | 尾 崎 準 一 | 食用油脂栄養論 | 雄 山 閣 |
産業化学協会 | 化学工業製造工程図集 | 技 報 堂 | 赤堀 四郎 外 | 蛋 白 質 | 三 共 出 版 |
亀 山 直 人 | 化学工業総論 | 共 立 出 版 | 赤 堀 四 郎 | アミノ酸及蛋白質 | 共 立 出 版 |
工業化学会 | 本邦化学工業の概観 | 誠文堂新光社 | 深 井 冬 史 | アミノ酸製造法 | 太 陽 閣 |
田中 芳雄 外 | 有機工業化学 | 丸 善 | 西 村 賢 次 | 酵母の理論と実際 | 河 出 書 房 |
阿武 喜美子 | 家事理化学 | 光 生 館 | 小 野 豊 樹 | 酵 母 化 学 | 経営評論社 |
|
植島 定次郎 | 酵母とペニシリン | 平 凡 社 | ||
越 山 季 一 | 化学実験室 | 内田老鶴圃 | 筑 田 勇 弥 | パ ン の 話 | 大 谷 書 店 |
藤 木 源 吾 | 化学講義実験法 | 共 立 出 版 | 筑 山 義 助 | 麦酒とウイスキー | 大 谷 書 店 |
槌田 竜太郎 外 | 定性分析化学実験 | 増 進 堂 | 鈴 木 一 夫 | 醤油,味噌醸造法 | 富 民 社 |
石 川 潤 一 | 有機化学実験法 | 培 風 館 | 社木 梅太郎 | ビ タ ミ ン | 日本評論社 |
小竹 無二雄 | 有機化学実験法 | 理 工 出 版 | 皆 川 豊 作 | 果物の科学 | 朝 倉 書 店 |
都築 洋次郎 | 有機化学小実験集 | 裳 華 房 | 金原 松次 外 | 食品衛生簡易検査法 | 南 山 堂 |
黒 田 一 夫 | 化学教室実験指針 | 自 由 書 院 | 大岡 増次郎 | 食品分析一般試験法 | 〃 |
鮫島 実三郎 | 物理化学実験法 | 裳 華 房 | 右 田 正 男 | 水産と化学 | 天 然 社 |
河 野 通 匡 | 理化実験法要説 | 日本出版所 | 左右田 徳郎 | 生化学講話 | 日本評論社 |
緒 方 章
近 藤 毅 |
化学実験操作法 | 南 光 堂 | 江上 不二夫 | 生化学研究の進め方 | 創 元 社 |
芝 崎 総 夫 | 基礎化学実験法 | 山 海 堂 | 薮田 真次郎 | 農薬の化学 | 化 学 集 書 |
井 上 敏 | 無機化学製造実験 | 南 光 堂 | 諸 岡 存 | 茶その科学と薬学 | 泰 光 堂 |
西田 伝五郎 | 定性分析実験指針 | 丸 善 |
|
||
河 村 文 一 | 分析化学入門 | 産 業 図 書 | 菱 山 衡 平 | 被服材料学 | 光 生 館 |
高 木 誠 司 | 定性分析化学 | 日本薬版所 | 井 本 稔 | 合成樹脂化学 | 増 進 堂 |
共 立 社 | 実験化学講座 | 共 立 出 版 | 岩波写真文庫 | 木 綿 | 岩 波 書 店 |
阿 藤 質 | 化学実験法 | 培 風 館 | 斉 藤 俊 吉 | 衣 服 材 料 | 光 生 館 |
田中 正三郎 | 電気化学実験法 | 内田老鶴圃 | 厚 木 勝 基 | 繊維素化学工業 | 共 立 出 版 |
木 羽 敏 泰 | 試験管でできる実験 | 創 芸 社 | 川村 新一郎 | 新洗滌剤の発達 | 竜 吟 社 |
|
厚 木 勝 基 | パルプ及紙 | 丸 善 | ||
洞 沢 勇 | 飲 料 水 | 日 本 医 書 | 〃 | 人 造 絹 糸 | 〃 |
日 高 孝 次 | 海 と 人 | 小 山 書 店 | 繊 維 学 会 | 新しい化学繊維 | 高分子化学協会 |
奥 田 毅 | 原 子 の 話 | 学 習 社 | 川上,星野,友成 | 合成繊維 | 〃 |
小 泉 正 夫 | 重水の化学 | 積 文 堂 | 高分子化学協会 | 高分子の化学と工業 | 〃 |
吉 野 諭 吉 | 水 の 科 学 | 東 洋 書 店 | 菱 山 衡 平 | 精練漂白及染色 | 共 立 出 版 |
村 上 秀 二 | 水の生活科学 | 柏 葉 書 院 | 中島 武士郎 | 実用色染学 上,下 | 丸 善 |
福 永 範 一 | 塩及苦汁工業 | 恒 星 社 | 成 田 潔 英 | 木から紙になるまで | 〃 |
庄 司 務 | 曹達と工業 | 河 出 書 房 | 西 田 屹 二 | 木材化学工業 | 朝 倉 書 店 |
広瀬 孝六郎 | 上 下 水 道 | 山 海 堂 | 八 浜 義 和
上 代 昌 |
リグニンの化学 | 日本評論社 |
三 宅 泰 雄 | 水 質 検 査 | 小 山 書 店 | 祖 父 江 寛 | 人 造 繊 維 | コ ロ ナ 社 |
|
谷 崎 隆 嘉 | 人造絹糸と
ステーブルファイバー |
共 立 出 版 | ||
千 谷 利 三 | 燃焼と爆発 | 日 本 評 論 | 祖 父 江 寛 | 新しい合成繊維 | 時事通信社 |
柿 木 二 郎
外二名 |
空気の科学 | 学 園 出 版 | 井 本 稔 | 合成高分子の化学 | 創 元 社 |
北大低温科 | 低 温 科 学 | 岩 波 書 店 | 辻 雄次 訳 | アセチレンの化学 | 北 隆 館 |
久留島 秀三郎 | 空気の液化と其利用 | 相 摸 書 房 | 日 比 藤 治 | カーバイド工業講話 | 丸 善 |
村 井 義 男 | 空気よりの製品 | 共 立 出 版 | 井 本 稔 | ナイロンの発見 | 創 元 社 |
崎 川 範 行 | 触 媒 | 創 元 社 | 井上 健吉 訳 | プラスチツク | 弘 道 館 |
千 谷 利 三 | 化 学 反 応 | 内田老鶴圃 | 松 井 悦 造 | 合 成 樹 脂 | 共 立 出 版 |
白 井 俊 明 | 零 属 元 素 | 昭 文 堂 | 倉 橋 紀 元 | ゴム工業と合成ゴム | 理 工 出 版 |
片 山 正 夫 | 化 学 談 義 | 培 風 館 | 岩 本 義 雄 | 油脂,石鹸,塗料 | 共 立 出 版 |
原 光 雄 訳 | 酸素の発見 | 大日本出版 | 柴田 林之助 | 染 料 化 学 | 朝日新聞社 |
|
斎 藤 辰 雄 | 染 料 | 〃 | ||
中 川 博 | セ メ ン ト | 科学主義工業社 | 服 部 静 夫 | 植物現象と化学 | 化 学 集 書 |
木村 健二郎 | 地 球 化 学 | 化 学 集 書 | 菱 山 衡 平 | 洗濯の化学 | 羽 田 書 店 |
岩 崎 岩 次 | 火山の化学 | 〃 | 山賀 益三郎 | 人造繊維工業 | 朝 倉 書 店 |
上 田 清 外 | 硝 子 | 産 業 図 書 | 小 谷 久 一 | 合成繊維及合成樹脂 | 産 業 図 書 |
各 務 鉱 三 | 硝子の生長 | 七 文 書 院 | 成 田 潔 英 | 繊 維 提 要 | 丸 善 |
永井 彰一郎 | 窯業品の化学試験法 | 内田老鶴圃 | 繊 維 学 会 | 繊維性能表 | 修 教 社 |
〃 | 珪酸塩工業要覧 | 〃 | 沢 宗 誠 | 合成樹脂と化学会維 | 青 山 書 院 |
〃 | 煉瓦,瓦,タイル耐火物 | 共 立 出 版 | 繊 維 学 会 | 繊維工学便覧 | 修 教 社 |
杉 江 重 成 | ガラスと生活 | 河 出 書 房 |
|
||
永井 彰一郎 | 工業化学叢書化学肥料 | 学 術 図 書 | 久 保 昌 二 | 化 学 史 上 | 白 水 社 |
河 島 千 尋 | 工業化学叢書 陶磁器 | 学 術 図 書 | 松 野 吉 松 | 化学思想史 | 共 立 出 版 |
高橋 純一 訳 | 地 球 化 学 | 内田老鶴圃 | 湯 浅 光 朝 | 解説科学文化史年表 | 中央公論社 |
望 月 勝 海 | 地質学入門 | 古 今 書 院 | 山 岡 望 | 化 学 史 伝 | 裳 華 房 |
永井 彰一郎 | 珪酸塩工業 | 共 立 出 版 | 原 光 雄 | ラヴオアジエー | 弘 文 堂 |
庄 司 務 | 酸アルカリ及肥料 | 産 業 図 書 | 菅 井 準 一
杉 田 元 宣 |
科学の成立と発展 | 中 教 出 版 |
三 須 英 雄 | 肥 料 学 | 朝 倉 書 店 | 稲 村 耕 雄
小川 基 訳 |
科学は世界を改造する | 新教育事業協会 |
|
水島 三一郎 | 物質の骨組 | 学 術 図 書 | ||
岡 本 正 三 | 金属の化学 | 洋 々 社 | 菊 地 正 士 | 物質の構造 | 創 元 社 |
槌田 竜太郎 | 金属化合物の色と構造 | 増 進 堂 | 中瀬古 六郎 | 世界化学史 | カ ニ ヤ |
村 上 透 | 電 鍍 化 学 | 修 教 社 | 伊 藤 至 郎 | 化学の発展 | 新 興 出 版 |
中村 道太郎 | 写真化学大系 | 誠文堂新光社 | 真 島 利 行 | 有機化学史 | 化 学 集 書 |
田中 正三郎 | 応用電気化学概論 | 内田老鶴圃 | 小 泉 正 夫 | 化学結合論の近代的発展 | 〃 |
山 本 洋 一 | 銹 | 高 山 書 院 | スヴェドベリー | 物質観の歴史 | 白 水 社 |
亀 山 直 人 | 電 気 化 学 | 岩 波 書 店 | 矢 島 祐 利 | 近世科学史 | 弘 文 堂 |
茅 誠 司 | 金属の物理 | 河 出 書 房 | ダンネマン | 大自然科学史 | 三 省 堂 |
浜住 松三郎 | 金 相 学 | 共 立 出 版 | 岡 邦 雄 | 自然科学史 | 白 楊 社 |
杉 本 朝 雄 | 放 射 能 | 河 出 書 房 | 河崎 文珠之助 | 化学発明の驚異 | 高 山 書 院 |
木 村 一 治 | 原子核エネルギー | 〃 | 高 橋 清 | ノーベル物理化学賞 | 北 隆 館 |
藤 岡 由 夫 | 物質の究極 | 〃 | 桂井 富之助 | ノーベル賞物語 | 興 洋 社 |
沢 宗 誠 | 原子力の解説 | 青 山 書 院 | 白 井 俊 明 | ノーベル賞 | 弘 文 堂 |
河 合 匡 | 金 属 材 料 | 日本工業学会 | 田 中 実 | 岩波全書化学史 | 岩 波 書 店 |
三 宅 泰 雄 | 物とは何か | 創 元 社 | 〃 | 原子論の誕生,追放,復活 | 三 一 書 房 |
浜住 松三郎 | 金 属 | 内田老鶴圃 | 宮 里 長 保 | 原子の世界 | 火 星 社 |
三 島 徳 七 | 金 属 材 料 | 北 原 出 版 | 武谷,中村共訳 | ロスアラモス
原子兵器の効果 |
河 出 書 房 |
加 藤 勉 | 金属の効用 | 創 元 社 | 矢 島 祐 利 | 科学概論と科学史 | 〃 |