は じ め の 学 習
要 旨
物理ではどのようなことを,どのような方法で学習していくか,科学的にものごとを考えたり研究したりするにはどのようにしたらよいかを学習する。
目 標
2.自然科学にはどのような部門があるか,物理学は,その中でどのような位置にあるかについての知識を得る。
3.物理で,この1年間に学習するおもな問題を知る。
4.物理の学習は,どのような方法で行われるかについての知識を得る。
5.研究の計画をたてる能力を高める。
6.自然現象を,科学的な立場から分類する能力を高める。
学習の内容と順序
生徒のこれまでの経験の中からいろいろの自然現象をとり出し,それらの実例によって,自然現象には,物質変化を起す現象,生命に関係した現象,物理現象などがあることを問答や生徒の発表をもとにして明らかにする。
(2) いろいろな物理現象をあげこれらの実例によって物理現象は,力学的な現象,電気現象,熱現象その他に分類することができることを明らかにする。
(3) 物理現象は,どのような方法で研究されるか
物理現象の研究には実験・観察などの方法が非常に重要であることを実例によって教師が説明し,実験・観察の際には,どのような態度が必要であるかを問答する。また,実験や観察をして得た結果から論理的に考察していくみちすじの一例を示して,その際の科学的方法を明らかにする。
自然科学の内容を,これまでの理科の学習の経験から数えあげ,これらを分類し,また教師が補って,自然科学のおもな部門を表にまとめてみる。
(2) 物理学にはどんな部門があるか
さきに学習した物理現象の分類と対応させながら,物理学の各部門と,そこで取り扱われるおもな事がらについて説明する。
(2) 物理学の発達は,われわれの生活にどのような影響を与えているか
現代の生活を百年も前のそれと比べてみて,それがどのように変ったか,その変化は物理学の進歩にどのように関係していたかを考察してみる。
これまでの経験やはじめの学習を通して,この1年間に学習すべき問題を選び出し,整理して,大まかな内容の計画をたてる。
(2) 物理の学習には,どのようなところに気をつけたらよいか
これから学習を進めていく際の心がまえをつくり,教室のきまりや約束などについて理解しておく。
単元Ⅰ 電流にはどんなはたらきがあるか
要 旨
いろいろな物理現象のうち,最初に電流のはたらきをとりあげるのは,この現象が生徒にとって興味深いものであって学習意欲を起しやすく,しかも物理的な考え方や,実験のしかたになれるのに適しているからである。もとより電気現象全般をとりあげることは,それに必要な基礎がないのでできないが,この単元で取りあげる程度の現象の学習は,中学校の理科からすぐに続けても無理はないと思われる。また,わが国の大部分は,つゆごろから秋にかけては,静電気の実験をしにくいのであるが,1学期の初めの時期ならば,さほど困難を伴わないであろう。
この単元の趣旨はこのような考えから,生徒の実験を中心にして学習を進めながら,静電現象や電流の諸作用について基本的な理解をし,物理的な考え方,数量的な取扱方,実験のしかたなどに慣れることにある。電流のエネルギーとしての利用法については,それの基礎となる学習がすんでからとし,単元Ⅶにとりあげることにした。
目 標
2.これらの原理の日常生活や産業への応用について理解する。
3.電流と電圧と電気抵抗の関係について理解する。
4.予想したことを検証し,実験する能力を養う。
5.日常生活や普通の産業に用いられる電気計器や電気機械を取り扱う技能を高める。
6.電気についての合理的でない考えを捨て,批判的,実証的に物事をみたり考えたりする態度を養い,日常生活の他の場面にもこれを適用する習慣をつける。
7.身辺に起る電気現象についての興味を深める。
8.わが国の家庭生活や産業における電気の諸問題に関心をもち,これを解決しようと努力し,またそのために協力する態度を養う。
9.科学者の業績が科学的方法を高め,人類の福祉に貢献していることを認識する。
学習の範囲と順序,学習活動
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問答(導入と復習) | 日常生活や環境の自然の中に現われる電気のいろいろな現象について話し合う。 |
教師の説明 | 電気の種類はどんなことから区別できるかについて簡単に話す。 |
観 察 | ガラス棒やエボナイト棒あるいは鉄棒などを絹布や毛布でこすり,絹糸でつるした軽い物体に近づけてみる。 |
話合い | 電気には2種あり,また2種しかないことについて話し合う。 |
実 験 | −に帯電したエボナイト棒を用いて,−の電気,あるいは+の電気を箔検電器に貯える実験を行ってみる。 |
記 録 | 実験の過程を整理して記録し,その説明を書く。 |
(2) 電気を帯びた物体の間にはどんな力がはたらくか
観 察 | (1)の観察と同様な実験を行い,物体と帯電体との距離によって,力がどのように違うかを観察する。 |
話合い | 帯電体の間にはたらく力はどんな要素によって決まるかを話し合う。 |
教師の説明と問答 | 電気量の単位,クーロンの法則について説明し,問答する。 |
問題演習 | 問題を解いてクーロンの法則の理解を確実にする。 |
(3) 電気を帯びた物体のまわりはどのような状態になっているか
実験(グループ) | 起電機を用いて強く帯電させた物体にガラス板をのせ,その上に石膏粉末等をふりかけ,粉末の並び方を見る。 |
作 図 | 上の実験で,粉末の一つ一つにどのような向きの力が働くか考え,電気力線を作図する。 |
講義と問答 | 帯電体のまわりの状態を表わす方法について話合い,電界・電気力線・電位およびその単位などについて教師が説明し,問答を行う。 |
(4) 電気を帯びた物体に他の物体を近づけるとどうなるか
実 験 | 絹糸でつるした金属球を二つ接触させて置き,それに帯電体を近づけて二つの球を離し,おのおのの球の帯電状態を検電器で調べる。 |
講義と問答 | 静電誘導について説明する(導体の場合)。 |
話合いと教師の説明 | 電界内に導体をもってくると,電気力線はどうなるかを話し合う。実際の電界の例をスライドまたは掛図などを用いて説明する。 |
話合いと教師の実験 | とがった先端をもつ導体の附近の電界について話合い,先端附近にある微細な物体の動きについて問答する。
起電機を用い,先端放電の実験をする。 |
作 図 | 2個の帯電体によってできる電界を想像して描く。 |
代表の生徒の実験 | 検電器を金網でかこみ,または接地した金網で上部をおおい,それに帯電体を近づけてみる。この現象について話し合う。 |
(5) 導体に多量の電気をたくわえるにはどうすればよいか
実 験 | 頭部に平らな金属板のついた箔検電器に電気をたくわえ,接地した金属板を,検電器の金属板に近づけてみる。さらにこの相対した2枚の金属板の間にガラス板または雲母板などをはさんでみる。 |
話合い(小グループ) | この実験で箔が少し閉じる理由について話し合う。 |
教師の説明と問答 | 絶縁体が電界内にあるときに生じる誘電分極について説明する。 |
実験と観察 | 1〜2μFぐらいの紙蓄電器に100Vぐらいの直流電圧を加えて充電し,しばらく放置してから放電してみる。紙蓄電器を分解してその構造を調べる。各種の蓄電器について観察する。 |
生徒の説明と話合い | 蓄電器の容量,容量の単位について説明し,容量を大きくする方法について話し合う。 |
問題演習 | 電気容量に関する計算問題を解いて知識を確実にする。 |
実験と観察 | 希硫酸に亜鉛と銅板をひたし,それの起電力を測る。また,豆電球をつけてみる。そして極板の表面に起る変化を観察する。 |
発表と教師の説明 | 電池の起電力について発表する。局部電流・分極作用について説明する。 |
報 告 | 種々の電池(一次)について調べ,説明図などを使って報告する。 |
問答とまとめ | 電気の回路・電流の方向・電流の強さなどについて問答を行い,これらをまとめる。 |
(2) 電流と電圧とはどんな関係があるか
実 験 | 乾電池を1個,2個直列,および3個直列につないだときその電圧は各どれほどか,それを同一の抵抗線につないだとき,それぞれどれくらいの電流が流れるかを測定する。
次に別の抵抗線について測定する。 |
問答と説明 | 抵抗線に流れる電流の強さは,どういう要素によって決まるかを話し合う。
オームの法則,抵抗・電圧・電流の単位について生徒が説明する。 |
問題演習 | オームの法則に関する問題を解く。 |
(3) 導線の抵抗は何によって決まるか
実験(グループ) | 電源の電圧を一定にしておき,それにつないだ抵抗線に流れる電流を,長さ・太さ・種類を変えて測定する。 |
話合い(グループ) | 導線の抵抗は何によって決まるかについて話合い,抵抗値と長さ・太さ・抵抗率の間の関係を式で表わしてみる。 |
講 義 | 抵抗率と温度との関係をグラフなどを用いて説明する。 |
測 定 | 数種の導線につき,その長さ・太さ・抵抗値を測定し,抵抗率を算出する。 |
問題演習 | 導線の抵抗を実際の例について計算する。 |
(4) 導線をいくつもつなぐと全体の抵抗はどうなるか
問答と話合い | いろいろな抵抗値をもった導線や電気器具を,直列あるいは並列につないだ場合,電源電圧を一定として各抵抗線に流れる電流や,両端の電圧はどうなるかについて問答と話合いをする。 |
実 験 | 抵抗を直列につなぎこれに電流を流した場合について,各抵抗の両端の電圧を測り,また並列につないだ場合について各抵抗線に流れる電流を測定して,上の結果を確かめる。 |
計算と問答 | 上の結果から各のつなぎ方の場合の全抵抗の大きさを実際例について計算し,問答をしながら公式を導く。 |
教師の説明 | 電圧降下の考え方について説明する。
電流計の分流器,電圧計の倍率器について実物や図を用いて説明する。 |
教師または生徒の演示 | 電流計・電圧計の使い方を演示する。 |
問題演習 | 分流器や倍率器に関する問題を解いて,理解を確実にする。 |
(5) 電池のつなぎ方にはどんな方法があるか
説 明 | 乾電池を並列につないだり,大型の乾電池を使ったりする理由を,実物について実験しながら話す。 |
実験(グループ) | 乾電池の両極を可変抵抗器につなぎ,その抵抗をしだいに減らして,その時々の電流と,乾電池の端子間の電圧を測定する。 |
グラフの作製 | 電流の大きさと乾電池の端子電圧の関係をグラフに描く。 |
講 義 | 上のグラフを用い,電池の起電力と内部抵抗について説明する。 |
話合い | 電池を並列や直列につないだときの得失について討議する。 |
実験と観察 | 食塩・砂糖・硫酸・カセイソーダなどの各種の溶液や,アルコールなどに電極を入れ,電流が流れるか否かを調べる。
電流が流れる場合は電極附近の変化について観察する。 |
講 義 | 電解質・非電解質・イオンなどについて説明する。 |
(2) 電流によって物質はどのくらい分解されるか
教師と代表の生徒との実験 | 硫酸銅・硝酸銀などの溶液を電解して,電流の強さおよび時間と析出した銅または銀の量との関係を調べる。 |
教師の説明 | 電気分解に関するファラデーの法則を説明する。 |
話合い | ファラデーの法則から,イオン1個の電荷は原子価に比例することを話合いによって導く。 |
問題演習 | ファラデーの法則の適用される問題を解く。 |
(3) 蓄電池はどんな原理によってつくられているか
実 験 | 希硫酸中に鉛板をひたし,それに電流を通して極板の変化をみる。電流を断ってから,極板に豆電球をつないで点じてみる。 |
観 察 | 蓄電池の極板を取り出して観察する。 |
教師の説明 | 上の実験に基き,蓄電池の原理を説明する。 |
話合い | 蓄電池の充電・放電の程度はどんなことによってわかるかを話し合う。 |
説明(教師または生徒) | 次の題目について話す。
a.蓄電池と乾電池の比較 b.電池の容量 c.蓄電池の利用(実用) d.蓄電池取扱方の注意 e.その他 |
(4) 電気分解はどのように利用されているか
実験(小グループ) | 銀メッキ・ニッケルメッキ・銅メッキなどの実験を行う。 |
発表と話合い | 銅の電気精錬・電気鋳造,アルミニウムの電気精錬,食塩の電解工業などについて発表し話し合う。 |
見学またはスライド | 電気化学関係の工場を見学する。またはそれらの工場のスライドを見る。工場の様子について発表する。 |
問 答 | 家庭や工場で電気は熱源としてどのように使われているかについて問答をする。 |
実 験 | 熱量計(または口の広い魔法びん)の水中にニクロム線を入れて電流を通じ,発生する熱量と電流の強さ・電圧・時間の関係を測定して調べる。 |
グラフの作製 | 発熱量と,電流×電圧×時間の関係を示すグラフを描く。 |
話合いと説明 | 電流の発熱に関するジュールの法則を導く。電力およびその単位について説明する。 |
問題演習 | 電熱器その他の具体例について発熱量を計算し,理解と応用を確実にする。 |
(2) 電燈はどのように作られているか。また,どのように進歩してきたか
話合い | 電球の良否と能率について話し合う。よい電球・悪い電球などについて話し合う。また,電球がどのように進歩してきたか,また,させるべきかを話し合う。 |
観 察 | いろいろな電球について,その形・フィラメント・口金などを比較観察する。 |
見学または研究発表 | 電球の製造工場を見学する。あるいは製造過程の研究,燈火の変遷などについて発表または報告をする。 |
(3) 電流を安全に流すにはどうすればよいか
調査と報告 | 参考書等によって電線やコードの安全電流について調べ,これを報告する。 |
実 験 | ヒューズに過大電流を流してみて,電流値と溶断する時間の関係を調べる。 |
話合いまたは発表 | 種々の電気機器(電気座ぶとん・電気ごたつ・電車・電話)の避雷器などの安全装置および取扱方について発表する。 |
自由研究と報告 | 家庭で使う最大電流を考えて,その電気配線の設計図を作ってみる。 |
実 験 | 棒磁石を水平につるし,それに別の棒磁石の極を近づけて,互にどのような力を及ぼし合うかをみる。 |
講 義 | 磁極間にはたらく力について,クーロンの法則を説明する。 |
(2) 磁石のまわりにまいた鉄粉はどのように並ぶか
観察またはスライド | 棒磁石・馬蹄形磁石などの上にガラス板を置き,その上に鉄粉をまいて並び方を見る。 |
話合いと説明 | 電気の場合と比較しながら,磁界・磁力線・磁気誘導などについて話し合う。教師は必要に応じて補う。 |
(3) 地球上の磁界はどのようになっているか
話合い | 地球上で磁石がほぼ南北をさす理由について話し合う。
地球上の一地点での地球磁界の様子を表わす3要素について討論する。偏角の図を用いて磁石針から正確に南北を知る方法を話し合う。 |
実 験 | その土地における地磁気の伏角を測ってみる。 |
作 図 | 地球磁界のようすを図に描いてみる。 |
(4) 電流によってどのような磁界ができるか
実 験 | 1本またはコイル状にまいた十数本の電線束に合計数十アンペアの電流を通じ,そのまわりの磁界のようすを鉄粉の並び方によって調べる。また磁界の向きを磁石針によって調べる。 |
講 義 | 電流によって生じる磁界について,右ネジの法則を説明する。また,磁界の強さと,電流の強さ・距離との関係を説明する。 |
話合い | 電線をコイル状にまいたとき,どのような磁界ができるかについて話し合う。 |
実 験 | コイルに電流を通じたとき,どのような磁界ができるかを小磁針によって調べる。 |
まとめ | 上の話合いおよび実験の結果をまとめて記録する。 |
(5) コイルに鉄心を入れるとなぜ磁力が強くなるか
実験(教師または生徒) | 電流を通じたコイルからやや離れたところに小磁石針をおき,コイルに鉄心を入れた場合と,入れない場合について磁石針の動きを比較する。 |
講 義 | 分子磁石説について説明する。磁気誘導・磁化・磁束などについて説明する。磁気履歴現象について説明する。 |
話合い | 強い電磁石をつくるにはどうするか,また,その利用等について話し合う。 |
(6) 電流は磁界によってどんな力を受けるか
実験(教師または生徒) | 馬蹄形磁石の磁極間に細い針金でつるした矩形コイルの一辺を入れておき,これに電流を通じて,磁界が電流に及ぼす力を観察する。 |
話合いと問題演習 | 磁界が電流に力を及ぼすいろいろの場合について,教科書または教師から与えられた問題を考え,互に及ぼす力の方向の表わし方,強さなどについて討論し,結論を導く。 |
講 義 | 上の事項についてまとめて説明する。(力の大きさ・方向と,磁界・電流の強さ・方向との関係) |
(7) 電流計や電圧計はどのようにできているか
観察と作図 | 可動コイル型電流計の構造を観察し図解する。 |
教師の説明 | 電流計の原理について話す。目盛が等分になっている理由その他について話す。 |
話合い | 電流計の感度をよくするにはどうしたらよいかを討議する。 |
発表または説明 | いろいろの電流計について発表する。または教師が説明する。 |
単元Ⅱ 光学機械には光のどんな性質が利用されているか
要 旨
波動に関する事項を分けて,おもに幾何光学に含まれる部面を比較的初めの単元に取りあげたのは,これらの光の諸現象が具体的に実験しやすく,生徒は光学機械の使用にはかなり慣れており,また,単元Ⅰで取り扱った電気とは,また性質の異なった物理現象の研究に慣れるのにつごうがよいからである。
したがって,この単元では,光の諸性質や光学機械についての知識を得るのみでなく,実験の方法を計画したり,実験機械を正しく取り扱ったり,実験の結果から法則を帰納したり,物理現象を数量的に取り扱ったりして,今後の学習の態度を作っていくことを目ざすべきである。
光の波動としての性質については,ここでは理解が困難であると思われるので,後の単元で学習することにした。
目 標
2.光学機械の構造・原理および日常生活や産業への応用を理解する。
3.光の性質に関して数量的に考える能力を高める。
4.現象の観察を基礎として,光の一般的な性質や原理を見いだす能力を高める。
5.レンズや鏡やプリズムや光学機械を実際の場面に使う技能を高める。
6.光の性質に関連して,正確な測定を行う技能を養い,これを日常生活の他の場面にも適用する習慣を養う。
7.身辺に起る光に関係した物理現象についての興味を深める。
8.科学的方法の重要さを理解する。
学習の範囲と順序,学習活動
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展示と教師の説明 | 平面鏡・球面鏡・放物面鏡・ヘッドライトなどの鏡・各種のレンズ・光学機械などを展示し,この単元の概観を説明する。 |
実 験 | 平面鏡を用いて光の反射について実験する。また透明な平面ガラスによって反射してできた像を探す。 |
作 図 | 平面鏡による像の位置や大きさを図に描く。 |
発 表 | 像と実物の位置や大きさについて発表する。 |
話合い | 平面鏡による像および乱反射について話し合う。 |
教師の説明 | 光の反射の法則について説明する。 |
(2) 凹面鏡や凸面鏡はどのように使われているか
実 験 | a.凹面鏡や凸面鏡の焦点距離を求める。
b.凹面鏡や凸面鏡の像と実物との関係を見いだす。 |
作 図 | 凹面鏡や凸面鏡の像を作図する。 |
教師の説明 | 球面鏡の式について説明する。 |
問題演習 | 球面鏡に関する問題を解いて理解を確実にする。 |
話合い | 諸種の鏡のそれぞれの用途について話し合う。(平面鏡・球面鏡・自動車のヘッドライトの反射鏡・バックミラーなど) |
研究と発表・話合い | 放物面鏡の理を研究し発表する。また反射望遠鏡について研究し,その長所・短所について話し合う。 |
(3) レンズによってどんな像ができるか
分 類 | 光が発散するか集まるか,レンズを通して遠い物体がどのように見えるか,厚さが中心部と周辺部でどう違うかなどより,諸種の単レンズを分類してみる。 |
実 験 | 遠方にある物体の像または日光の集まる点までの距離を測定して,凸レンズの焦点距離を求める。
凸レンズで生じた像の位置・形・大きさを調べる。レンズの一部分を紙片でおおったとき,像がどのように変るかを調べる。 |
記 録 | 上の実験の方法と結果を記録する。 |
問答と教師の説明 | 実験の結果を基礎にして凸レンズの公式を導く。 |
作 図 | 凸レンズによって生ずる像を作図する。
作図によって凸レンズの公式を確かめる。 |
問題演習 | 凸レンズに関する問題を解く。 |
実 験 | a.細い光線を凹レンズにあて,光線がどのように曲げられるかを調べる。
b.凹レンズの虚焦点を見いだし,焦点距離を測定する。 |
作 図 | 凹レンズを通る光線を作図する。 |
講 義 | 凹レンズの公式と凹レンズの利用について説明する。 |
問 答 | 凸レンズの公式と凹レンズの公式とを比較する。 |
問題演習 | これらの公式に関する問題を解く。 |
見学または研究 | レンズ製作工場を見学する。または参考書などによってレンズの製作法を調べる。 |
(4) 虫めがねを用いるとなぜ物は大きく見えるか
問 答 | 凸レンズの虚像の位置の見つけ方,どんな虫めがねが倍率が大きいかなどについて問答する。 |
測 定 | 虫めがねの倍率を測定する。 |
作 図 | 虫めがねによる像を作図する。 |
教師の説明 | 虫めがねの倍率について説明する。 |
実 験 | 虫めがねの倍率の計算値と実験値とを比較する。 |
話合い | 光が二つの媒質の境界でどのように反射し屈折するかについて,また光の屈折に基く種々の現象について話し合う。 |
実験(教師と数名の生徒で) | 水槽を用いて光の屈折を実験して見せる。また,水中の物体が浅く浮き上って見えることを示す。 |
講 義 | 光の屈折率の概念および屈折の法則について講義をする。 |
(2) プリズムはどんなことに使われるか
教師の説明 | ‘光の逆行’について説明する。 |
話合い | 光が臨界角以上の角度で投射した場合について話し合う。 |
実 験 | 水の場合の全反射について調べる。 |
教師の説明 | 全反射について説明する。 |
発 表 | 生徒が経験した種々の全反射現象について発表し合う。 |
自由研究 | 環境に起る全反射現象について研究する。 |
観 察 | 光線がプリズムによって方向が変えられること,および全反射プリズムについて観察する。 |
問 答 | 全反射プリズムの利用について問答する。 |
実 験 | 光がプリズムを通して分散されること,またはプリズムを通して光った針を見る実験をする。 |
講 義 | 分散の起るわけを説明する。 |
問 答 | 光の屈折率を示し,屈折の大小を問答して分散の知識を確実にする。 |
(3) にじはどのようにして現れるか
発 表 | にじを見た経験を発表する。 |
観 察 | 霧吹きでにじをつくって,そのできる位置,色の順序などを観察する。 |
教師の実験 | 球状フラスコに水を満たし,日光をあてて生じるスペクトルを示す。 |
教師の説明 | にじのできるわけを説明する。 |
話合い | 室の照明のしかたについて話し合う。 |
教師の実験 | 光線のあたる角度と面の明るさの関係を実験して示す。(折った白紙の両面の明るさを比べるなどの方法をとる。) |
実 験 | 光度計とろうそくを用いて光源の強さと距離の関係を調べる。 |
まとめ | 上の関係をまとめ,一般的な関係を導く。 |
(2) 光源の強さはどのようにして測るか
講 義 | 照度の意味および照度の単位を説明する。 |
実 験 | 電燈の光の配光を調べる。かさの影響を調べる。 |
(3) 適当な明るさはどのようにして得られるか
報 告 | 学校や家庭の照明について調べ,報告書を作る。 |
調査と計画 | 各種の照明法について調査し,照明法の改善の計画をたてる。 |
観 察 | Na,Ne,Hなどの光源を観察する。 |
教師の実験と観察 | 分光器の構造・機能・使用法を教師が示し,生徒はこれによって各種のスペクトルを観察する。 |
講 義 | スペクトルの種類について,例を実際に示して説明する。 |
話合い | 物を高温度に熱したとき,それから出る光の強さや色について話し合う。 |
観 察 | 分光器を用いてNaの吸収スペクトルを観察する。恒星のスペクトル写真を見る。 |
話合い | 分光器の用途と,スペクトルによってわかることについて話し合う。 |
(2) 違った色の光をまぜるとどんな色に見えるか
実 験 | 2種の色の光を混合する実験を行う。 |
教師の実験 | 光の補色・3原色を示す実験を行う。 |
問答と教師の説明 | 光の混合の起る実例につき問答し,教師は必要に応じて補足する。 |
(3) 物体の色は何に基くか
観察と問答 | 透明体の色・金属の表面反射の色・種々の物の色を観察し,その特徴について問答する。 |
講 義 | 物体の色の原因について実例をあげながら説明する。 |
教師の実験と問答 | 暗室内で,Naの光で色紙などを照し,白色光で照したのとどう違うかを観察する。そのわけについて問答をする。 |
(4) 絵の具をまぜ合せるとどんな色になるか
発 表 | 絵の具をまぜた経験を発表し合う。 |
実験(教師または生徒) | 絵の具を混合してみる。 |
教師の説明 | 絵の具をまぜると色が変化するわけを,図などを使って説明する。
絵の具の3原色について実験しながら説明する。 |
研究・見学と報告 | 原色版の原理についてしらべ,印刷工場を見学し,報告する。 |
自由研究と発表 | 天然色写真の原理について研究し,説明図などを用いて発表する。 |
実 験 | 天然色写真をとり,スライドとして写してみる。 |
観 察 | 写真機の構造を観察し,各部の機能を調べる。 |
話合い | 被写体の明るさと絞り・露出の関係,被写体の距離とピントについて話し合う。 |
説 明 | フィルター・感光材料について,生徒が説明する。 |
研究と報告 | 実物について弓伸機・スライド投影機の構造を調べ,説明図などによって報告する。 |
問 答 | 近接したものを写す方法,高速で動く物を写す方法について問答する。 |
実 験 | 写真をとり,現像・焼付をする。またスライドをつくり映写してみる。 |
(2) めがねはどんなはたらきをするか
展 示 | 目の構造図や標本を展示する。 |
実 験 | 残像について各個に実験をする。 |
問 答 | 目と写真機の類似点について問答する。 |
講 義 | 近視・遠視・乱視を,図を用い,またそれの生徒の視力等をきいたり,調べたりしながら教師が説明する。 |
話合い | 近視・遠視・乱視のめがねについて話し合う。 |
説 明 | めがねの度について,教師または生徒が問答する。 |
実験と問答 | 二つの目の作用について,実験と問答をする。 |
実 験 | 実体鏡で,実体写真を見る。 |
(3) 望遠鏡を使うとなぜ遠くの物が大きく見えるか
実 験 | 二つの凸レンズで望遠鏡を作る。 |
作 図 | 望遠鏡による像を作図する。 |
問答と教師の説明 | よい望遠鏡とはどんなものであるかについて問答し,望遠鏡の倍率と分解能について教師が説明する。 |
自由研究と発表 | 望遠鏡の型式の種類について調べ,発表する。 |
話合い | 望遠鏡の利用について話し合う。 |
(4) 顕微鏡を使うとなぜ小さい物が大きく見えるか
実 験 | 2枚の凸レンズで顕微鏡を作る。 |
作 図 | 顕微鏡による像を作図する。 |
問答と教師の説明 | よい顕微鏡とはどんなものであるかについて問答し,顕微鏡の倍率と分解能について教師が説明する。 |
(5) 光学機械に組合せレンズを用いるのはなぜか
観 察 | 単レンズによってできた窓わくなどの像を観察する。
単レンズによる色収差を観察する(電燈のフィラメントの像などを見る)。写真レンズを用いて上のことを試み,比較してみる。 |
話合い | 良いレンズや,光学機械は,どういうものであるかについて話し合う。 |
単元Ⅲ 力を受けた物体はどんな運動をするか
要 旨
この単元では運動の調べ方,力の働き,次いで,運動と力との関係を取り扱う。まず,身近かな現象である物体の落下をとりあげ,ここで直線運動の調べ方,速度と加速度の意義,投射体の運動について曲線運動の調べ方を学び,これらを通して身につけた研究方法を,次の円運動・単振動で活用し拡充する。ここで,ひとまず運動の研究を終り,力のつりあい,力の合成分解の問題に移り,またこれの応用として重心や簡単な機械の働きをとりあげ,次に,上の考察の結果と実際の現象との間の差を説明するために,摩擦や抵抗の性質を調べる。こうして最後に力と運動との関係を考察し,この単元の主題目に対する一般的な解答を得て,この単元を終る。
この単元では類推によって推論することや(斜面上の球ころがしから落体の運動を類推する),グラフを用いて推論していく方法,直観を定量化していく能力,推論を実験によって確めていく態度などを学びとることがたいせつである。
力と運動との関係は終りに近づいてから取りあげるようになっているが,これに関係したことは,その前にもしばしば現われる。このような場合は,それぞれ一つの特殊な場合として取り扱っておき,単元の最後に帰納的にまとめることが望ましい。
以上のように,この単元の組立ては学習の効果をあげるために,見なれている現象,日常親しんでいる現象の研究を中心として発展していくようになっている。力学の体系は論理的に組みたてられているので,論理的な考究にのみ終始しやすいが,実験を行っては推論していくようにくふうをしていきたいものである。これは科学的な態度や能力を高める上からいっても,また自然の妙趣を感得するためからいっても必要なことであろう。
目 標
2.ニュートンの運動の法則を理解し,質量・運動量の概念を得る。
3.力や運動の合成と分解,力のつりあいについての知識を得る。
4.円運動・振子の運動・振動に現われる諸法則を理解する。
5.摩擦およびそれを増減する方法についての知識を得る。
6.以上の原理の知識や理解を日常生活に活用する能力を高める。
7.運動や力に関して,論理的に考察する能力を高める。
8.運動や力の研究に用いられた科学的な方法をよく理解し,これを実生活に適用する能力を高める。
9.科学的な研究方法の意義と,自然界の調和の微妙さを感得する。
10.運動や力に関する現象を調べ,それから原理を見いだす能力を高める。
11.運動や力についての原理が応用されている産業について,ある程度の知識と理解を得る。
学習の範囲と順序,学習活動
|
|
問 答 | 中学校で得た力や運動に関する知識を問答しながら復習する。また,この単元で学習する問題や目標を実例によって明らかにしていく。 |
問 答 | 等速度運動の性質を問答しながら調べる。 |
問題演習 | 等速度運動と不等速度運動に関する二,三の例題を解き,帰納的な方法で二つの運動における距離・速さ・時間の関係を明らかにする。 |
話合い | 落体の運動を,どのように調べたらよいかについて話し合う。 |
実 験 | 斜面を転がり落ちる物体の動いた距離と時間との関係を調べる。 |
グラフの作製 | 上の実験の距離と時間との関係をグラフに表わす。 |
話合い | グラフを用いて,上で調べた運動を等速度運動と比較し,その差違について話し合う。 |
教師の説明 | 実験や実例によって,自由落体の落下距離と時間との関係を説明する。 |
(2) 落下する速度は時間とともにどのように増していくか
問答と教師の説明 | 落体の瞬間の速さの表わし方を問答し,必要に応じて教師が補う。 |
教師の説明 | 加速度の意義とその単位について,図などと用いて説明する。 |
話合い | 等加速度運動の速さおよび経過距離の求め方について話合いながら公式を導いていく。 |
問題演習 | 等加速度運動に関する問題を解く。 |
実験(グループ) | 屋上などから小石を落し,地上に到達するのに要する時間を測って,その建物の高さを求めてみる。 |
(3) 鉛直に投げ上げた物体や投げおろした物体はどんな運動をするか
問答(復習と準備) | 鉛直に投げ上げた物体の速さはどう変っていくか,どこまで上がるか,出発点に帰るまでにどのくらい時間がかかるかを問答する。 |
教師の説明 | 上で問答した運動を実例について考察しながら式で示していく。 |
自由研究 | 鉛直に投げおろした物体の運動を調べる。 |
報 告 | 上の研究の結果を簡単に報告する。 |
問題演習 | 鉛直に投げ上げた物体,投げおろした物体の問題を解く。 |
問 答 | 動いている船の上を歩く人はどんな運動をしているか,その他の実例について問答しながら速度の合成・分解の概念を得る。 |
作 図 | 実例につき速度の合成と分解の作図をする。 |
教師の説明 | ベクトルとスカラーの違いについて説明する。ベクトルの合成と分解の意義を,明らかにする。 |
問題演習 | 速度の合成・分解の問題を解く。 |
話合いと教師の説明 | 動いている電車から動いている自動車を見ると,どんな運動をしているように見えるかなどについて,話合いをしながら教師が説明する。 |
(2) 運動の道筋は投げ出した速さや角度によってどう違うか
話合いと問答 | 落下する物体を走っている車中から見るとどんな運動をしているように見えるか,その他の実例について互に話合い,また教師と問答する。 |
観 察 | 水でぬらした球を斜面にそって投げ出して曲線を描かせ,その曲線の形を調べる。 |
問 答 | 投げられた物体の道すじを変える要素につき問答をし,まとめる。 |
教師の実験(数人の生徒と共に) | 細管から水を噴出させ,投射角と到達距離との関係を示す。 |
発 表 | 上の実験の結果を発表し,整理する。 |
話合い | 日常生活に現われるいろいろな投射体の運動について調べて話合い,明らかにする。 |
教師の説明 | 斜に投げた物体の運動の性質についてまとめる。 |
問題演習 | 斜に投げた物体の運動に関する問題を解く。 |
教師の指示 | 力と加速度との関係について考察するように教師はヒントを与える。 |
教師の実験(数名の生徒と共に) | いろいろな速さの,各種の円運動を示す。 |
(2) 円運動の回転の速さはどのように表わしたらよいか
発 表 | 蓄音機の回転台,地球の自転その他の実例を用い,円運動の周期・回転数・角速度・接線速度の意義や求め方を発表し,教師は必要に応じて補う。 |
自由研究と報告 | 回転速度が変る回転の角速度の意義について調べ,報告する。 |
(3) 円運動に必要な求心力の大きさはどれほどか
実験(個人またはグループ) | ひもの先におもりをとりつけ,他端を手で持って振りまわし,求心力の性質を調べる。 |
問 答 | 求心力の性質について問答しながらまとめていく。 |
話合いと実験 | 教師の指導のもとに,円運動に求心力が必要な理由,求心力の大きさを決める要素は何かなどを話合い,まとめていく。 |
教師の説明 | 上の話合いで得られた結果をもとにして,求心力の式の導き方を説明する。 |
(4) 遠心力とはどんな力か
問答(復習と導入) | 電車が加速度運動をしているときのつり皮の運動などをもとにして,慣性力の意義について問答する。 |
話合い | 加速度運動をしている電車の中での落体や水の表面の有様などについて,教師の指導のもとに話し合う。 |
教師の実験 | 回転台にのせた振子のおもりが中心から遠ざかることを示す。 |
教師の説明と問答 | 遠心力や慣性力について説明し,問答をする。 |
問題演習 | 求心力・遠心力に関する問題を解く。 |
(5) 惑星の運動からどのようにして万有引力の法則が導かれたか
自由研究と発表 | 万有引力の発見の歴史を発表する(劇型式とかパネル討議等で)。 |
話合いと教師の説明 | 惑星の運動を円運動とし,ケプラーの法則を適用して,万有引力の法則を導き出すことを説明する。地球上の二物体間の引力について話合と説明をする。 |
計 算 | 落体の運動を万有引力の法則から考えなおし,重力による加速度を計算する。 |
自由研究と報告 | 潮汐現象について研究し,報告書を提出する。 |
(6)重力は場所によってどう違うか
実験と報告 | 単振子を利用して重力による加速度の大きさを求め,これを報告する。 |
話合いと教師の説明 | 上のgの測定値の誤差について話合い,教師が説明する。
また,gの正しい値を測定するときの注意を話し合う。 |
問答と教師の説明 | gの値は何で決まるかを問答しつつgを導き出す。 |
研 究 | 地球の質量について調べ,各個で計算したのち互に報告し合う。 |
問 答 | 単振子の運動と単振動との関係について問答する。 |
実験(グループ) | 単振子を振らせて,周期を変える要素を調べる。 |
生徒の説明 | 単振子を振動させる力を説明し合う。 |
問答と教師の説明 | 単振子の運動の有様を説明する。単振子の周期の式の意味について問答する。 |
自由研究 | 振子時計の構造を各家庭で調べる。 |
(2) 単振動とはどのような振動か
問 答 | どんな振動があるかについて実例をあげながら問答する。
また単振動の性質を復習する。 |
観 察 | 円錐振子をま横からながめ,単振動の性質を調べる。 |
スライドまたは説明図 | 単振動の合成・分解の図を見る。 |
グラフの作製 | 単振動の距離と時間の関係を示すグラフを作る。 |
教師の説明 | 角速度・接線速度・周期の意義と,これらの間の関係を実例を示しながら説明する。 |
グラフの作製 | 単振動の距離−時間グラフから,速度−時間グラフ,加速度−時間グラフを描く。 |
話合い | 上のグラフより,加速度と変位との関係を調べて話合う。 |
(3) 物体にどんな力がはたらくと単振動をするか
問答(導入) | いろいろな振動の実例をあげる。 |
教師の実験 | 実体振子・弾性振子・水平振子を振らせる。 |
生徒の説明と発表 | 振子が振動するわけを説明する。
振動の利用について調べてきて発表し合う。 |
自由研究と報告 | 地震計の機構を参考書等で調べ,説明図を書いて報告する。 |
実 験 | 厚紙の1点をゼンマイばかりでひっぱり,その力の加え方をいろいろとかえて,力のはたらきがどんなことで違ってくるかを調べる。 |
整理と教師の説明 | 上の実験の結果を整理する。これをもとにして力を図で示す方法を教師が説明する。実例について練習する。 |
(2) 1点にはたらく三つの力がつりあうのはどんなときか
話合い | 小グループに分れ,2または3力がつりあっている実例について話し合う。 |
実 験 | 厚紙とゼンマイばかりを用い,2力および3力のつりあいの条件を調べる。 |
話合いと問答 | 2力および3力のつりあいの条件を発表し,互に問答しながら,教師の指導のもとに結論を出す。 |
教師の説明,報告 | 力の合成・分解について,教師が説明する。合成・分解の実例を調べ報告する。 |
話合い | 教師の指導のもとに,力の作用点について話し合う。 |
問題演習 | 3力のつりあいに関する問題を解く。 |
(3) 物体にはたらく三つの平行力がつりあうのはどんなときか
話合い | 二つの平行力は上で学んだことから合成できるかどうかを話し合う。 |
報 告 | 三つの平行力の合成の方法について考えついたことを報告する。教師が整理する。 |
発 表 | 平行力がつりあっている実例について発表し合う。 |
実験と報告 | 棒とゼンマイばかり3個を用い,机上で3平行力のつりあいの条件を調べる。その場で報告し,実験の概略について報告書を提出する。 |
問答と教師の説明 | 交わらない二つの力の合成の問題について教師と問答する。
この問題のむずかしいところを教師が説明し,整理する。 |
話合い | 力の能率という考え方について話し合う。教師からも説明する。 |
研究と報告 | 2平行力の合成を力の能率ということから考えるとどうなるかについて各自で研究し,報告書を提出する。 |
問答と話合い | 二つの平行力はいつでも合成できるかについて問答し,偶力の働きとその働きを示す方法を教師の指導のもとに話合いながら調べる。 |
自由研究と報告 | 一つの力が物体の重心に働く場合とそうでない場合に起る違いについて参考書などで調べ,これを報告し,その報告について話し合う。 |
問題演習 | 平行力の合成・分解・能率・偶力に関するいろいろな問題を解く。 |
(4) 重心を求めるにはどうしたらよいか
問 答 | 実験で重心を求めるにはどうしたらよいか,および,重心の物理的意義について問答する。 |
実 験 | 四角板・三角板等を糸でつるして重心を見いだす。 |
教師の説明 | 生徒からの質問を受けながら,理論的に重心を求める方法について説明する。 |
問題演習 | 重心に関する問題を解く。 |
話合い | 物体のすわりの安定・不安定について教師の指導のもとに話合い,調べていく。 |
(5) 単純な機械はどんなはたらきをもっているか
問答(導入と復習) | 日常生活でどのように単純な機械を用いてるかについて問答する。 |
分 類 | グループに分れ,各種のてこを集め,はたらきの上からこれらを3種に分類する。 |
生徒の説明 | てこのはたらきおよびてこの運動と力との関係などについて,一つのグループが実験などをしながら全員に説明する。
教師はこれを補う。 |
測定の実習と報告 | グループに分れ,てんびんの構造を調べ,教師の指導を受けて秤量を行い,秤量法と秤量の結果について報告書を提出する。 |
教師の説明 | 実物および図を用い,精密てんびんの構造と秤量法について説明する。 |
測定の実習と報告 | 精密てんびんで秤量を行って報告書を提出する。 |
スライド | 滑車の輪軸の応用を示すスライドを見る。 |
発表と話合い | 滑車の種類と滑車の綱の運動と力とについて各グループから発表し,これらについて話し合う。
また輪軸の種類と輪軸における綱の運動と力とについて各グループから発表し,これらについて話し合う。 |
話合いと実験,教師の説明 | 斜面の利用,斜面の傾きと力との関係およびくさびの利用とその働きなどについて話合い,代表者が実験を行い教師の指導により一般的な関係を導く。 |
問 答 | ねじの用途とはたらきについて問答しながら調べる。 |
教師の実験と説明 | 教師は実験を示しながらねじのはたらきを斜面のはたらきから説明する。 |
スライドまたは見学 | 歯車やベルトがどのように利用されているかを工場などのスライドまたは見学によって見る。 |
生徒の説明 | 歯車とベルトの働きを説明する。 |
自由研究 | 巻き上げ機・自転車の歯車・自動車の変速機の作用などを参考書や実物について調べ,報告する。 |
問題演習 | 日常よく用いている単純な機械に関する問題を解く。 |
実験と話合い | 摩擦力の大きさを決める要素を調べる簡単な実験を行い,摩擦力について問答する。 |
実 験 | 机の上に木片を置き,ゼンマイばかりでこれを引き,いろいろと条件を変えて摩擦の法則を調べる。同時に静止摩擦と動摩擦,ころがり摩擦についても実験を行う。 |
観 察 | ボールベアリングやローラーベアリングの構造や働きを調べる。 |
教師の実験 | 鋼球をガラス板と毛布の上でころがし,二つの場合の違いを示す。 |
教師の説明 | ころがり摩擦について説明する。 |
話合い | 摩擦を増したり,減らしたりする方法について話し合う。 |
(2) 流体中を動く物体はどんな力を受けるか
問 答 | 空気が抵抗を及ぼすいろいろな実例について問答する。また空気の抵抗と物体の形との関係についても調べる。 |
教師の説明 | 物体の速さや形と物体がうける抵抗の大きさの関係を図や模型を使って説明する。 |
研究と発表 | 船の受ける抵抗をいくつかに分類して調べ,発表する。 |
教師の説明 | 図やスライドを利用してゆるやかに流れる川の流速と深さとの関係を示し,流体の粘性が,流体中を運動する物体に与える影響,さらに水中や空中を浮遊する小粒子の運動の有様を説明する。 |
実 験 | 洗面器に水を入れ,その表面に歯みがき粉などをまいておいて,この水中を運動する物体のまわりの流線を観察し,写生する。 |
スライドと問答,話合い | いろいろな型の流線を見る。また,流線から流体の動きを問答しながら調べでいく。
なぜ,うずがおこるか。また,うずはなぜ抵抗の原因になるかについて話合い,教師の指導で結論を出す。 |
実 験 | 流れている流体内の圧力と流速との関係を実験で調べる。 |
教師の説明 | 上の実験で調べた関係(ベルヌイの原理)を問答しながら説明する。 |
研究と報告 | 野球のボールがカーブする理由,飛行機の翼の働き,たこの上がる理由などから題目を選び,参考書で調べ報告書を提出する。報告書を基にして話合いをする。 |
(3) どのようにしたら摩擦や抵抗を少なくすることができるか
話合い | 摩擦や抵抗を少なくする方法について教師の指導のもとに話し合い,まとめる。 |
問 答 | 力の働きについて,これまで調べたことなどを問答する。 |
観察と報告,教師の説明 | 重い石・軽い石をつり下げ,あるいは水平に押して,力・質量・加速度の間の関係を調べて報告する。教師はこれを補う。 |
教師の説明 | 力の単位について説明する。 |
問答と教師の説明 | 力の絶対単位と重力単位とを問答しながら比較し,説明する。 |
教師の説明 | 運動量および力積という量を使うとどんな便利があるかについて教師が説明する。 |
問題演習 | 力・加速度・運動量に関する問題を解く。 |
(2) 重量は質量とどんな関係にあるか
討議と教師の説明 | 重量と質量の違いを話合い,教師の指導によって解決し,次に,なぜ重量と質量を混同しやすいかを明らかにする。 |
説 明 | メートル原器・キログラム原器設定の歴史と意義について教師が説明をする。あるいは生徒が発表する。また基本単位・誘導単位・次元について教師が実例をあげて説明する。 |
(3) 衝突によって物体の速度はどう変るか
問答と実験 | 机上の物体はどんな力が働いていて静止しているかを問答して明らかにする。またゼンマイばかりを柱にかけ,これを他のゼンマイばかりで引いてみる。これより,押し合う2物体,引き合う2物体の間にはどのように力がはたらいているかを明らかにする。 |
実験と問答 | 貨幣を1列に並べ,横から別の1個をあてて,他端の1個の運動の有様を調べる。この実験の意味について問答する。 |
教師の説明 | 運動量の保存について説明する。 |
問題演習 | 作用・反作用と運動量の保存に関する問題を解く。 |
(4) どんな物体がまわしやすいか
自由研究と報告 | 希望者ははずみ車の応用例について参考書または実地について調べ,報告する。 | |
問 答 | 偶力のはたらき,力の能率について問答して復習する。 | |
実験と報告 | グループに分れ,図のような装置を用い,回転能はどのように回転をはやめていくかをグラフを用いながら調べ,報告書を提出する。 | |
教師の説明 | 上の実験をもとにして,回転能と角加速度との関係を説明する。 | |
実験と報告 | 上の装置を用い,おもりの位置を変えると角加速度がどのように変るかを調べ,報告書を提出する。 | |
話合いと教師の説明 | 一つの報告をもとにして話合い,慣性能率・回転能・角加速度間の関係を導き出す。教師がまとめて説明する。 | |
自由研究と報告 | 時計の切りテンプの機構を調べて報告する。 | |
教師の実験と説明 | ジャイロスコープを用いて回転体のいろいろの性質を示す。これをもとにして話合い,また教師が説明する。 | |
研究と報告 | 参考書その他につき,ジャイロスコープのいろいろの性質がどのように利用されているかを調べ,グループごとに発表をする。 |
単元Ⅳ 力や熱によって物の形や状態はどのように変るか
要 旨
単元Ⅲで力や運動について調べたときには,物体を剛体または質点として取り扱ったのであるが,実際には,物体それ自身が力によって大なり小なり変形を受ける。それで,たとえば構造物を取り扱うときには,単に力のはたらき方だけでなく,それにともなう材料の変形や強さを考えなければならない。このように,われわれの接する具体的な物理現象は,いろいろな原因や要素が関係していて,これを考慮しなければならないことが多い。力や運動を取り扱って,次に力や熱による変形や状態の問題を取りあげるのは,これらの間の関連が密であり,また次の単元への発展につごうがよいからである。ここでは,固体・液体・気体などが熱や力に対してそれぞれの性質をもっており,また,温度や圧力によって他の状態に移り変ること,また物の性質のいくつかの性質が,分子のはたらきという見方から,よく説明されることなどを学習する。これらの現象は,具体的で,生活や産業に深い関係をもっており,実験の材料も豊富である。実験を計画し,正しく器具を使い正確な測定を行う能力を高め,また,環境の現象に対する興味を深めるにも,よい機会となるであろう。
目 標
2.液体の圧力,液体の性質に関する知識を得る。
3.熱による物体の膨脹や状態の変化について理解する。
4.温度・熱量・圧力などを測定する機械を取り扱う能力を高める。
5.温度・熱量・圧力などを正確に測定する技能を高め,また日常生活においても,物事を正確に測定する習慣をもつようにする。
6.科学的な方法をよく理解し,生活の場面にもこれを適用するようにする。
7.環境に起る熱や力に関する現象について興味を深める。
8.熱や力に関する物の性質についての知識が必要な産業の分野について,ある程度の理解を得て,これを職業の選択に役だたせる。
9.すべての物体が熱や,力の影響を受けることを認識する。
10.科学的方法の重要性を認識する。
学習の範囲と順序,学習活動
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|
観 察 | ゴムや粘土の変形を観察する。 |
教師の説明 | 物の弾性変形・塑性変形について説明する。 |
実 験 | ゴムを用いて力と弾性変形の種類や変形の大きさの関係を調べる。 |
教師の説明 | 実験によって,伸びと縮みとずれが変形の基本であることを説明する。 |
研究と報吉 | 種々の変形について,その変形の性質を調べ,図などを使って報告する。 |
(2) 加えた力と生じた変形との間にはどんな関係があるか
実 験 | 弾性に極限があることをゼンマイなどを使って調べる。力と変形の関係を明らかにする。 |
教師の説明 | 上の実験の結果から,‘フックの法則’を導き出す。 |
問題演習 | フックの法則に関する問題を解く。 |
話合い | 物質の弾性の応用について話し合う。 |
(3) 材料の強さはその質や形によってどのように違うか
実 験 | 細いヒューズや銅線などをゼンマイばかりでひっぱり,たえうる力に違いがあることを調べる。 |
問 答 | 物質の強さを表わす方法について問答する。 |
教師の説明 | ひっぱりの強さ,圧縮の強さ,ずれの強さを実験や表を使いながら説明する。 |
実 験 | 切り口が長方形の棒を曲げる実験を行う。 |
研究と報告 | レールや諸種の構造の鋼材などの断面の形について研究し報告する。 |
(4) 一般に金属を針金や板に伸ばすことのできるのはなぜか
教師の説明 | 物質の弾性や塑性グラフを用いて,塑性について説明する。 |
見 学 | 引線工場・圧延工場を見学する。 |
自由研究と報告 | 細い線や箔を造る方法について研究し報告する。 |
教師の説明 | 水圧機のスライド・説明図または模型を示して説明する。 |
教師の実験 | 小孔をあけたゴムまりなどに水を満たし,これを押しつぶして水がほとばしり出ることを示す。 |
教師の説明と問答 | パスカルの原理について説明し,その応用について問答する。 |
見 学 | 水圧機を使っている工場を見学する。 |
(2) 重力を受けている流体は,どんな圧力を生ずるか
教師の実験 | 水銀を入れたU字管を水中に入れ,深さによって圧力が違うこと,上圧・側圧が下圧に等しいことを示す。 |
生徒の説明 | 液体の圧力について説明する。 |
自由研究と報告 | 上水道施設について調べ,報告する。 |
(3) 流体の中で物体が軽くなるのはなぜか
話合い | 液体の中で物が軽くなる実例について話し合う。 |
教師の説明 | 浮力の生ずるわけを説明する。 |
実 験 | 浮力を測る。 |
(4) 比重はどのようにして測るか
問 答 | 比重の概念について問答をして明確にする。 |
教師の実験と説明 | 固体・液体・気体の比重の測り方について,実際に示しながら説明する。 |
実 験 | 固体・液体の比重を測る。 |
話合い | 比重と密度との関連について話し合う。 |
(5) 気体の体積は圧力によってどのように変るか
教師の実験 | 大気の圧力の測り方を示す。 |
実 験 | 気体の圧力と体積との関係を調べる。 |
作 図 | 上の関係をグラフに表わす。 |
教師の説明と問答 | ボイルの法則を説明する。 |
研究と報告 | ボイルの法則の実際的応用について調べ報告する。 |
問題演習 | ボイルの法則に関する問題を解く。 |
実 験 | 固体の線膨脹について実験する。 |
問答と教師の説明 | 線膨脹と体膨脹の関係について問答し,一般的関係を説明する。 |
話合い | 固体膨脹の実例と日常生活との関係について話し合う。 |
問題演習 | 固体の熱膨脹に関する問題を解く。 |
(2) 温度が変ると液体の体積はどのように変るか
実 験 | 液体の膨脹について実験する。 |
話合い | 実験の結果などをもとにして,真の膨脹と見かけの膨脹とについて話し合う。 |
研究と発表 | 液体温度計の構造・目盛り・使い方・長所・短所などを調べ発表する。 |
(3) 温度が変ると気体の体積はどのように変るか
実 験 | 気体の膨脹について実験する。 |
教師の説明 | 気体の膨脹係数および絶体温度について説明する。 |
問題演習 | 気体・液体の膨脹に関する問題を解く。 |
(4) 温度と圧力が変ると気体の体積はどのように変るか
問 答 | 気体の体積と圧力,体積と温度の間の関係について,問答する。 |
教師の説明 | ボイルシャールの法則を説明する。 |
話合い | とじこめた容器内の気体について,圧力と温度との関係を調べて話し合う。 |
問題演習 | ボイルシャールの法則に関する問題を解く。 |
問 答 | 熱と温度の違いについて問答する。 |
教師の説明 | 熱と温度の違いと関係を説明する。 |
(2) 熱の量はどのようにして測るか
問答と教師の説明 | 熱量の単位について問答し必要な説明をする。 |
実験(教師または生徒) | 熱量を測定する。 |
自由研究と発表 | 熱量を測定する諸種の方法を調べ,できるだけ多くの方法で実験し,方法と結果を発表する。 |
(3) あたたまりやすいものと,あたたまりにくいものがあるのはなぜか
問答と教師の説明 | 比熱の定義を問答し,必要に応じて説明する。 |
実 験 | 金属の比熱を測定する。 |
教師の説明 | 熱容量の概念を説明する。 |
話合い | 種々の物質の比熱と日常生活について話し合う。 |
問 答 | 融解・凝固および融解熱について問答する。 |
実 験 | 氷の融解熱を測る。 |
説 明 | 溶液の氷点降下を説明する。 |
実験(教師または生徒) | 寒剤,圧力と氷の融解,凍るときの体積の変化などについて実験する。 |
(2) 液体はどのようにして気体になるか
問答と教師の説明 | 蒸発・飽和蒸気・蒸気圧について問答し説明する。 |
教師の実験 | エーテルを用いて蒸気の圧力の存在を示す。 |
観察と話合い | 水の沸騰を観察し,これについて話し合う。 |
教師の説明 | 液体の沸騰について蒸気圧から説明する。 |
実 験 | 低圧では低温度で沸騰することを実験する。 |
話合い | 圧力と沸騰点との関係について話し合う。 |
教師の実験 | 断熱冷却によって霧が発生することを示す。 |
研究と報告 | 溶液の沸騰点,山の頂上などでは沸点が低いこと,圧力釜などについて研究し報告する。 |
(3) 物の状態は熱と圧力によってどう変るか
問 答 | 固体から直ちに気体になる場合と,その逆の場合について問答する。 |
教師の実験 | 昇華の現象を示す。 |
作 図 | 水・いおう・金属など各種の物質が圧力と温度によって状態を変えることを図に表わす。 |
話合い | 上の状態図から昇華・融解・蒸発などの条件を話し合う。 |
(4) 温度は日常生活とどんな関係があるか
話合い | 日常生活に及ぼす温度の影響について話し合う。 |
問 答 | 温度の表わし方について問答し,まとめる。 |
実 験 | 種々の方法で温度を測る。 |
問 答 | 原子・分子の考え方から説明される諸現象をあげる。
原子・分子の大きさ,数,種類などについて問答する。 |
(2) 固体・液体・気体の別は,分子の考えによってどのように説明されるか
教師の説明 | 固体・液体・気体における分子の集合状態について説明する。また分子間の引力について説明する。 |
問 答 | 上の説明を証拠だてる現象について問答する。 |
(3) 霧はなぜ球状になるか
観 察 | 水滴ができるようすを観察する。またスライドや写真によって,水滴の形を観察する。 |
実 験 | 水面に針を浮ばせること,その他の表面張力に関する実験を行う。 |
話合い | 上の実験の結果について話し合う。 |
教師の説明 | 実験や話合いに基いて表面張力を説明する。 |
話合い | 表面張力による諸現象を話し合う。 |
(4) 細い管に水がのぼるのはなぜか
実 験 | 大小種々の毛細管に上る水の高さを調べる。 |
教師の説明 | 毛細管を水が上る高さは,細い管ほど高いわけを説明する。 |
話合い | 日常生活における毛細管現象について話し合う。 |
問答と教師の実験 | 水銀などの場合はどのように毛細管現象が現われるかを問答し,実験してみる。 |
(5) 液体が広がり,まざるのはなぜか
実 験 | 液体の拡散・気体の拡散を実験する。 |
問答と教師の説明 | 拡散がなぜ起るかを問答し,説明する。 |
実 験 | 半透膜を用いて浸透圧の実験をする。 |
教師の説明 | 浸透圧について説明する。 |
話合い | 日常生活における浸透の現象について話し合う。 |
単元Ⅴ エネルギーはその形をどのように変えていくか
要 旨
単元Ⅲ,Ⅳで力と運動の関係,熱量などについて取り扱ってきたが,この単元ではこれをエネルギーの立場から考えてみることにする。さらに進んで,多種多様でその間に何の関係もないように思われる自然現象もこれをエネルギーの概念によって,統一的に理解することができることを導く。それで,まずエネルギーとはどんな量であり,どのようにして測定するかを明らかにし,位置エネルギーと運動のエネルギーを調べ,落体の場合には,これらのエネルギーの和が一定に保たれていることを確かめる。次に気体分子の運動と温度・圧力との関係を考察し,さらに—般に熱エネルギーが分子の運動からいかに理解されるかを明らかにし,また熱エネルギーの伝わり方について調べる。次に熱エネルギーが機械的エネルギーにどのように変換するかについてその関係を求め,力学的エネルギーの保存,されないような摩擦を伴う現象も,熱エネルギーをも加えて考ればエネルギーが保存されることを明らかにする。また熱エネルギーを機械的エネルギーに変える装置としての熱機関についても簡単にふれる。最後にわれわれが利用しているエネルギーの源が太陽にあることをいろいろの例から理解し,またエネルギーはいろいろとその姿を変えても常に一定に保たれていることを明らかにする。
目 標
2.熱の伝わり方について理解する。
3.熱機関の働きについての知識を得る。
4.エネルギー変化について,合理的に考える能力を伸ばし,この習慣を日常生活に適用する。
5.自然現象を調べ,これをもとにしてエネルギーの一般的な原理を導き出す能力を高める。
6.エネルギーに関する不合理な考えを批判的に見る態度を養い,またこのような態度を日常生活においてももつ習慣を身につける。
7.特にエネルギーの知識の必要な産業の分野について,ある程度の理解と知識をもち, これを職業の選択に資する。
8.身辺におこるエネルギー現象についての興味を深める。
9.自然の調和の微妙さを感得する。
10.科学的方法の重要さを認識する。
11.知的な誠実さと,真理を愛好する態度を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
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問 答 | 復習と導入として,力をどのように表わし,その大きさを何で表わすかについて問答する。
力を加えて重い物体を動かすとき,その骨折りの程度はどのようにして表わしたらよいかについて問答する。 |
教師の説明 | 仕事の測り方,その単位について説明する。 |
計算と話合い | 物体を垂直に持ち上げるときの仕事を重力単位と絶対単位とで計算し,両者の関係を明らかにする。 |
話合い | 力の方向と重力の方向とが異なるときは,仕事の量をどのように表わしたらよいかについて話し合う。 |
発 表 | てこ・滑車・斜面などを用いた種々の仕事の例や,その仕事の測り方について調べ発表する。 |
(2) てこや滑車や斜面を用いて仕事を利することができるか
生徒の説明 | てこを用いると力を利することができることを図を用いて説明する。 |
問題演習 | てこを用いたときの物体と加えた力の移動距離に関する問題を解く。 |
問答と教師の説明 | 上の答を用いて,てこに与える仕事とてこのなす仕事は等しいことを,問答しながら計算し,明らかにする。また,同様のことを滑車や斜面について行う。 |
教師の説明 | 仕事の原理について説明する。 |
(3) 物体はどのような状態のときエネルギーをもつか
問 答 | どのような状態の物体が仕事をなしうるか問答する。 |
教師の説明 | 上の答を分類・整理して,エネルギーについて説明する。 |
問 答 | 実際の問題を例にして,エネルギーの測り方,その単位について問答する。 |
(4) エンジンのはたらきはどのようにして比べるか
問答と話合い | 単位時間にする仕事の量を考える必要のあることを問答し,その表わし方を話し合う。 |
教師の説明 | 仕事率およびそのいろいろな単位について説明する。 |
測定と計算 | 一階から屋上までかけ足で上がり,それに要する時間を測定して,屋上までの高さと体重から各自の最大馬力を計算する。 |
研究と報告 | 各種の動力源の馬力やワット数を調べ,報告書を提出する。 |
問題演習 | 仕事率に関する問題を解く。 |
話合い | 高い所にある物体がエネルギーを持っている例と,それが何に利用されているかについて話し合う。 |
教師の説明 | 重力による位置エネルギーの表わし方を説明する。 |
問題演習 | 高い所にある物体の位置エネルギーに関する問題を解く。 |
(2) 物体を運動させると,どれだけエネルギーが増すか
話合い | 運動している物体がエネルギーを持っている例と,それが何に利用されているかを話し合う。 |
問答と計算 | 運動している物体に逆向きの力が働くとき,その物体が止まるまでにどれだけの仕事をするかを問答しつつ計算する。 |
教師の説明 | 運動のエネルギーについて説明する。 |
問題演習 | 運動している物体の運動エネルギーを計算する。 |
(3) 落下している物体はそのエネルギーをどのように変えていくか
問答と計算 | ある高さから自由落下した物体が地面に当る直前の運動エネルギーを問答しながら計算し,この運動エネルギーと,はじめ物体が持っていた位置エネルギーとを比較する。 |
教師の説明 | 落下している物体について,どの点においても,運動エネルギーと位置エネルギーの和は常に一定に保たれていることを説明する。 |
話合い | 落下した物体が地面に衝突して失ったエネルギーはどうなったかを話合い,明らかにする。 |
問答と教師の説明 | 単振子のエネルギーの移り変りについて問答し,機械的(力学的)エネルギーの保存則について説明する。 |
(4) ゆがんでいる弾性体はどれだけのエネルギーをたくわえているか
話合い | ゆがんでいる弾性体が,エネルギーを持っている例と,それが何に利用されているかを話し合う。 |
教師の説明と計算 | 図などを参考にして弾性体のもっているエネルギーについて説明し,そのエネルギーを計算する。 |
自由研究 | a.竹で弓を作り,弓の弦を張るに要する力をバネばかりで測定し,矢の得た位置エネルギーおよびとび出した矢の運動エネルギーを求め,矢に加えた仕事と比較する。
b.振動しているつるまきばねのエネルギーの移り変りについて,また,その全エネルギーは振幅の2乗に比例することについてを調べる。 |
問答(復習) | 花や薬品の香がへや中に広がるのはなぜかを問答し,気体分子について復習する。 |
問答と教師の説明 | 気体分子が壁に衝突するときの運動量の変化について問答し,それが壁の受ける圧力になる事を説明する。 |
自由研究 | 壁が受ける圧力を数量的に取り扱い,気体の圧力と密度より標準状態における種々の気体の分子の平均速度を求める。 |
(2) 気体分子の運動は温度が上るとどのように変るか
教師の実験 | ラジオメーターに光を当てて,羽根車を回転させてみる。 |
問答と説明 | 上の実験で回転する理由を問答し,温度が上ると気体分子の運動が盛んになることを説明する。 |
研究と発表 | 体積を一定にして温度を上げると圧力はどうなるか,また分子の運動によってこれをどのように説明するかを研究し発表する。 |
自由研究 | 分子の平均運動エネルギーが絶対温度に比例することについて調べる。 |
(3) 気体を液化するにはどうしたらよいか
問 答 | 気体と液体の分子運動はどのように違うかを問答する。 |
教師の説明 | グラフを用いていろいろな温度における圧力と体積との関係を示し,臨界温度・臨界圧力について説明する。 |
研究と発表 | 気体の液化の方法につきグループごとに研究し,図を用いて発表する。 |
問 答 | 固体を通して熱が伝わる例を話合い,移動する熱量は何によって決まるかを問答する。 |
生徒の説明 | 熱伝導について図を参照しながら説明する。 |
教師の説明 | 熱の伝導を分子運動からどう説明するかを話す。 |
話合い | 熱伝導率の表を見ながら,熱伝導の良否を日常生活においてどのように利用しているかを話し合う。 |
(2) 液体や気体中では熱はどのように移るか
観 察 | 水を入れた試験管の上部を熱して,下部が熱くなるかどうかを調べ,次にのこくずを入れて底から熱してその運動を観察する。 |
問答と説明 | 上の観察について問答し,対流について説明する。 |
話合い | 日常生活や自然界に見られる対流現象について話し合う。 |
(3) 高温の物体はどのように熱を放射(輻(ふく)射)するか
実 験 | 凸(とつ)レンズで太陽の光を集め,途中にガラス板や水槽を入れると,こげ方がどう変るかを調べる。 |
話合い | 上の実験について,物質の種類やその表面の状態によって放射の吸収の程度がどのように違うかを話し合う。 |
教師の説明 | 高温体の温度と放射する熱量との関係について説明する。 |
話合い | 日常生活に見られる熱放射の現象について話し合う。 |
自由研究 | 太陽常数から太陽の表面の温度を求めてみる。 |
(4) 高温の物体はどのように冷えていくか
実 験 | 小さなフラスコに入れた湯が時間とともにどのように冷えていくか調べてみる。 |
グラフの作製 | 上の結果をグラフに表わす。 |
問 答 | 上のグラフからどのようなことがわかるかを問答する。 |
教師の説明 | 冷却の法則について説明する。 |
発 表 | 魔法びんの構造とその働きについて図などを用いて発表する。 |
話合い | どのようにすれば保温が良くなるか,また熱をよく放散するかを話し合う。 |
実 験 | きりで穴をあけたり,金属片を何回も折り曲げると熱が発生することを実験する。 |
問 答 | 仕事をしても機械的(力学的)エネルギーが増加しない例や,機械的エネルギーが保存されない例について問答する。 |
教師の説明 | ジュールの実験装置の図等により,熱の仕事当量について,また熱を含めたエネルギー保存の法則について説明する。 |
話合い | 熱エネルギーが機械的エネルギーに変る例について話し合う。 |
問題演習 | 摩擦のある場合や衝突した場合に発生する熱量に関する問題について計算する。 |
(2) 気体を圧縮すると熱が出るのはなぜか
教師の実験 | a.自転車の空気入れで空気を圧入すると,筒の根本が熱くなることを実験して示す。
b.湿ったフラスコにポンプで空気を圧入し,急に膨脹させて霧を作ってみる。 |
問 答 | 上の実験をもとにして。断熱的に気体を圧縮したり,膨脹したりすると,温度が変るわけを問答する。 |
教師の説明 | 気体の断熱変化,等湿変化について,また気体の2種の比熱について説明する。 |
問 答 | 定圧比熱が定容比熱より大きい理由について問答する。 |
自由研究 | 雲のできるわけとウイルソン霧函の原理について調べ発表する。 |
(3) 熱を仕事に変えるにはどうしたらよいか
問 答 | 熱を仕事に変える実例について問答する。 |
発 表 | スライドや図を使って自動車のエンジンの構造と動きについてグループごとに発表する。 |
問 答 | エンジン内に起るエネルギーの変化について問答する。 |
自由研究と報告 | 蒸気機関やジーゼル機関の構造と働きについて調べ,報告書を提出する。 |
(4) 熱をすべて仕事に変えることができるか
問答と教師の説明 | 機械的エネルギーを熱に変える場合と,熱エネルギーを機械的エネルギーに変える場合との違いについて問答し,教師が補う。 |
話合い | 非可逆現象の例を話し合う。 |
教師の説明 | 拡散の逆の現象が起きないことを分子運動から説明する。 |
教師の説明と討論 | 例をあげて第一種・第二種の永久機関について説明し,その他の例について討論する。 |
(5) 熱機関の効率を上げるのにはどのようなくふうがされているか
研究と発表 | 各種の熱機関の効率についてグループに分れて調べて発表する。 |
教師の説明 | 熱効率と温度との関係について説明する。 |
問 答 | 過熱蒸気を用いたり,復水器を使うわけを問答する。 |
発 表 | 太陽のエネルギーが,いろいろのエネルギーに変る実例を調べて,スライドや図を用いて発表する。 |
教師の説明 | 太陽常数について説明する。 |
話合い | 太陽エネルギーの利用方法について話し合う。 |
(2) 熱,光,機械的,電気的,化学的エネルギーなどを互に他のエネルギーに変えるにはどのような装置を用いたらよいか
問答と教師の説明 | 各種のエネルギーを互に他のエネルギーに変える装置について問答し,図などを用いて説明する。 |
(3) エネルギーがその姿を変えていくとき,それぞれの量はどのように変るか
問答(復習) | 位置エネルギーと運動エネルギーとの関係について,また機械的エネルギーと熱エネルギーとの関係について問答し,復習する。 |
話合い | 化学的エネルギーの表わし方について話合い,石炭や食物等の発熱量を表で調べる。 |
自由研究 | 電気料金はどのようにして決められるかを各自の家庭で調べて発表する。 |
教師の説明 | 電気エネルギーと仕事,熱との関係を数量的に説明する。 |
問題演習 | 機械的エネルギー・熱エネルギー・電気エネルギー・化学的エネルギーなどが互に他のエネルギーに変る例を取扱った問題を解く。 |
単元Ⅵ 音波や光波はどんな性質をもっているか
要 旨
自然界には多種多様の波動現象がみられる。ことに音波と光波はその著しいもので,われわれはこれらの波動に満たされた空間に生活しており,おもにこれらの波動現象によって外界を認識しているのである。それだけに,物理現象として取り上げる内容も多いが,ここに光波と音波をまとめて単元としたのは,これらを別々に学習するよりも,波動としての性質から同時に,あるいは比較しながら取り扱うほうが,より統一的に,より容易に,これらの現象を理解することができるからである。
この単元では,水面の波やバネを伝わる波などの観察からはいって波動の一般的性質を調べ,次いで音の性質をこれまでの経験や,実験によって明らかにし,これを波の性質に結びつけていく。光波についても同様で,光の波動説が,光のいろいろな現象を,どのように巧妙に説明していくかを学ぶ。この単元には,日常,経験する現象がたくさん現われるので,問題を見いだし,正しく観察する能力,原理や法則から事実を解釈する能力などを高めていくのにつごうがよく,また,自然の微妙さを味う機会も多いことと思われる。
他の単元との関連については,単元Ⅱ(光と光学機械)との関係は,いうまでもないが,単元Ⅲの振動,単元Ⅳの弾性などと関係が深い。波動のような一見まったく異種の現象が,力学的な振動と結びつき,また媒質や空間の性質に関係をもっていることは,物理的な考え方を理解していくのによい材料となるであろう。
目 標
2.音波の性質や,伝わり方についての知識を得る。
3.楽音と非楽音の違いと,それぞれの特徴を理解する。
4.反響・うなり・共鳴の原理についての知識を得る。
5.弦や気柱の振動,楽器に関する法則についての知識を得る。
6.光の干渉・回折・かたよりの原理について理解する。
7.赤外線・紫外線についての知識を得る。
8.環境の光や音に関する現象について理解する。
9.推論を確めるために実験を行う能力を高める。
10.光や音の世界に関する興味を深める。
11.科学的方法の重要さを認識する。また,これを進歩させることによって人類の福祉に貢献した物理学者の功績を味わう。
12.われわれの生活には,光や音に関してどのような問題があるかを見いだし,社会のために,これの解決に協力していこうとする意欲を高める。
13.音や光の知識を必要とする産業の分野について,ある程度の知識をもち,職業の選択に資する。
学習の範囲と順序,学習活動
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話合い(導入) | いろいろな波について話し合う。 |
観 察 | 水の表面の波を観察する。 |
スライド・写真 | 大洋の波・さざ波・地震計に現われた地震波の記録・音波の記録などのスライドや写真を見る。 |
問 答 | 波の大小・速さ・ゆれ方の遅速は,どのように示したらよいかについて問答する。 |
教師の説明 | 波の波長・振幅・振動数・位相について説明する。 |
(2) 波があるとき媒質の各部はどのように動いているか
観 察 | 水面に波をつくり,波が伝わるときの水面に浮ぶ小さい物体の運動を観察する。 |
問 答 | 波はどのように伝わるかについて,上の観察に基いて問答し,まとめる。 |
教師の実験(数名の生徒と共に) | 波動実験装置などを用いて,横波と縦波を示す。 |
教師の説明 | 問答しつつ,横波と縦波の違いを説明する。また,縦波を図に表わす方法について説明する。 |
自由研究と報告 | 地震波の種類や性質や伝わり方を参考書などで調べ,報告する。 |
話合いとグラフの作製 | 正弦波の伝わる様子はどのようにグラフに表わしたらよいかについて話合い,教師の指導の下にグラフに表わす。グラフは何をどのように示しているかについて話し合う。 |
教師または生徒の説明 | 波の伝わり方と媒質粒子の運動について説明する。 |
(3) 波はどのような伝わり方をするか
問答と教師の説明 | 波長・振動数・速さの間の関係について問答しつつ,説明する。 |
観 察 | 水面の波のいろいろな反射について観察する。
また,水面の波がスリットにあたると,スリットのところが波源となって波がでることを観察する。 |
教師の説明 | 上の観察に基いてハイゲンスの原理を説明する。 |
間答と教師または生徒の説明 | 反射や屈折がハイゲンスの原理からどのように説明されるかについて問答しつつ説明する。 |
(4) 二つの波が重なるとどうなるか
教師の実験(数名の生徒と共に) | 水の表面の波を用いて,二つの波の干渉を示す。 |
教師の説明 | 上の実験の結果から波はどのように干渉するかを説明する。 |
図の製作 | 二つの波の干渉の様子を図を描いて調べる。 |
教師の実験 | 音叉(さ)の端に糸をつけ,他の端におもりをつるし,音叉をたたいて定常波をつくってみる。 |
教師の説明 | 図などを用い,定常波ができる理由を説明する。 |
問題演習 | 波の性質に関する問題を解く。 |
実 験 | ひょうし木の音の反射を利用して音の速さを測る。 |
説 明 | 音波はどのようにして起り,どのように伝わっていくかを説明する。 |
教師の説明 | 音速が空気の温度でどのように違ってくるかについて,問答しながら説明する。 |
実 験 | 音は固体・液体の中にも伝わることを実験する。 |
話合いと教師の説明 | 固体・液体を音波が伝わる速さを決める要素について話し合う。教師が簡単に説明する。 |
(2) 音の進路はどんなときに変るか
発 表 | 夜間や曇った日に音がよく聞えることなどについて経験したことを発表する。 |
教師の説明 | 音はどんなときに反射・屈折するかについて説明する。 |
話合いと実験 | 音は直進するかどうかについて話合い,実験する。 |
教師の説明 | 音の回折について説明する。 |
自由研究と報告 | 音のレンズや音の鏡がつくれるかどうかについて参考書などで調べ,報告する。 |
(3) 反響を防ぐにはどうしたらよいか
話合い | いろいろな反響や残響の例について話し合う。 |
教師の説明 | 反響や残響の性質について説明する。 |
実 験 | たらいや角箱内の水の波が反射し,往復する様子を調べる。 |
スライド・写真 | へやの中の音波の反射のようすを示したスライドや写真を見る。 |
実 験 | 振動している音叉と共鳴箱の間にいろいろな物質を入れ,これらの物質が音波を吸収するようすを調べる。 |
見 学 | 放送演奏室を見学する。 |
研究と報告 | 反響や残響を防ぐにはどんな注意を払ったらよいかについて調べ報告する。 |
自由研究と報告 | 講堂などの残響を測定し,報告書を提出する。 |
(4) 音源が動くと音の高さはどう変るか
話合い | 通過する汽車の汽笛の音の高さが急に変ること,その他いろいろな経験を話し合う。 |
教師の説明 | 問答しながらドプラー効果について説明する。 |
自由研究と報告 | 光のドプラー効果について調べて報告する。 |
スライド・写真,教師の説明 | 光のドプラー効果のスライドまたは写真を見る。光のドプラー効果はどのように利用されているかについて説明する。 |
問題演習 | 音波の性質に関する問題を解く。 |
問 答 | バイオリンやピアノなどはどのようにしていろいろな高さの音を出すかを問答する。 |
実験と報告,教師の説明 | モノコードの長さ・張力・綿密度をいろいろと変え,これらと音の高さとの関係を調べ,報告する。
教師がこれをまとめて説明する。 |
問 答 | 定常波,糸を伝わる波の速さについて問答しながら復習する。 |
教師の説明 | 糸の振動について説明する。 |
問 答 | 管楽器ではどのように音の高さを変えるかについて問答する。 |
実験と報告 | 開管・閉管から出る音の高さと管の長さとの関係を調べ,報告書を提出する。 |
説 明 | 気柱の振動のようすを説明する。 |
自由研究と報告 | 膜・板・棒の振動を実験と参考書で調べ,報告する。 |
説 明 | 人の発音機関の構造と働きについて調べ,説明する。教師は必要に応じて補う。 |
(2) 音の高さや強さは音波のどんな性質によるか
観察と報告 | たいこの音の強さと膜の振動の振幅との関係を観察し,報告する。 |
問 答 | 振動体の振動の様子とそれから出る音波の振動の様子との関係を問答しながら明らかにする。 |
教師の説明 | 音の強さを量的に表わすにはどうするかについて説明する。 |
代表の生徒の実験と説明 | 歯車を回転させ,その歯にカードをあてて,出る音の高さと振動数との関係を実験して示し,簡単な説明をする。 |
自由研究 | 音の強さは音源からの距離とともにどのように減るかを調べる。 |
生徒の説明 | メガホン・聴診器などのはたらきを説明する。 |
自由研究 | 超音波の発生方法・性質・応用について参考書などで調べ,互に発表し合う。 |
(3) 楽器によって音色の違うのはなぜか
実 験 | いろいろの楽器から出るc音を聞いて楽器をあててみる。 |
教師の実験 | いろいろな音波の形を感音炎の装置を用いて見る。 |
教師の説明 | 音色について説明する。 |
説 明 | 子音と母音について参考書などで調べできて,報告し合う。 |
自由研究 | 録音の方法とその原理を調べ,報告する。 |
(4) 共鳴やうなりはどんなときに起るか
実験と報告 | どんなときに二つの振子が共振するかについて実験し,報告する。
鉄線を交流で励磁するときに起る共振,気柱の共鳴などを実験し,報告する。 |
教師の実験と説明 | 共鳴音叉の実験を示し,どんなときに共鳴が起るかについて説明する。 |
代表の生徒の実験 | 振動数がわずかに違う二つの音叉を同時に振動させ,うなりを聞く。振動数の差を加減して調べる。 |
教師の説明 | うなりが起るわけを説明する。 |
自由研究 | 共鳴の利害について調べ,発表する。 |
(5) どんな音が協和するか
代表の生徒の実験 | 楽器を利用していろいろな協和音を出し,ド・ミ・ソ・ドなどが互によく協和することを実験する。 |
教師の説明 | 音階がどのようにして組み立てられるかを説明する。 |
自由研究と報告 | 純正調と平均律の音階の違い,楽音と非楽音の違いを調べ,実験しながら報告する。 |
問題演習 | 振動と音波に関する問題を解く。 |
教師の説明 | 木星の衛星の食,フィゾーの実験などから,どのようにして光の速さが測られたかを説明する。 |
教師の説明 | 相対性原理についておもしろい話,たとえば,光より速く走るものはないというようなことを話す。 |
問 答 | 屈折率と光の速さとの関係について問答して復習する。 |
(2) 水面に広がった油はなぜ色がついて見えるか
観 察 | シャボン玉の膜の色やニュートン輪を観察し,その結果を記録する。 |
問 答 | 波の干渉について問答して復習する。 |
教師の説明 | 薄膜に色が現われるわけについて説明する。 |
自由研究 | 厚い膜に色が出ないわけを調べ,発表し合う。 |
(3) 光が回折することはどうするとわかるか
実験と報告 | 家庭で,指のすきまや二つのスリットを通したり,または布目を通したりして遠方の電燈をながめ,その結果を記録し,報告する。 |
教師の実験 | スリット,針などによる回折像を示す。 |
教師の説明 | どのように光が回折するかについて説明する。 |
代表の生徒の実験 | 回折格子によってスペクトルを作りこれを観察する。 |
自由研究と説明 | 回折格子のはたらきや日常生活に見られる回折現象を調べ,説明する。また,フレネルがどのようにして波動説により光の直進を説明したかを調べ,報告する。 |
(4) 光の波長はどのようにして測るか
代表の生徒の実験 | バイスリットまたはバイプリズムによる干渉縞をつくり,全員に示す。 |
教師の説明 | 上の実験から,どのようにして光の波長を求めるかの力法を説明する。 |
計 算 | 上の実験の結果を用い,光の波長の略値を計算する。 |
教師の説明 | 1メートルの長さがカドミウムの赤光の波長によってどのように正しく決められるかについて説明する。 |
(5) 光が横波であることはどんなことからわかるか
問 答 | 光が横波であることを確かめる方法について問答する。 |
代表の生徒の実験 | 電気石板,ネーレンベルクの装置,ポラロイドなどで光のかたよりの現象を見る。 |
教師の説明 | 光は横波と考えなくてはならないことについて説明する。 |
実 験 | 方解石を通して字をながめ,二重に見えることと,これをさらに偏光板を通してながめ,かたよっていることを確かめる。 |
教師の説明 | 複屈折が起るわけについて説明する。 |
研究と話合い | 偏光はどのように利用されているかを調べてきて説明し合う。 |
自由研究 | 反射光の偏光の度合を実験して調べ,ネーレンベルクの装置をつくり,ゆがんだセルロイド板などに色があらわれるのをさらにポラロイド板その他の偏光をうる装置で調べ,報告する。 |
(6) 紫外線や赤外線はどんな性質をもっているか
問 答 | 紫外線や赤外線はどんなはたらきをもっているかについて問答し,まとめていく。 |
教師の実験 | 水銀燈と紫外線フィルターを用いて,紫外線を発生させ,その性質を示す。 |
教師の説明 | 紫外線の性質とはたらきについて説明する。 |
教師の実験 | 電燈と赤外線フィルターを用いて赤外線を出し,ラジオメーターなどでその存在を示し,またその他の性質を示す。 |
教師の説明 | 赤外線の性質とはたらきについて説明する。 |
自由研究と発表 | 蛍光と燐光について実験を行い,また参考書などで調べ発表し合う。 |
話合い | 光・紫外線・赤外線の間の関係について話合い,結論を出す。 |
教師の説明 | 熱ふく射に関するいろいろな現象について問答しながら説明する。 |
自由研究と報告 | 炉のような高温度の物や太陽の表面の温度をどのようにして測るか,赤外線写真はどのようにして写すかなどについて調べ,報告する。 |
専門家の話,見学 | 紫外線・赤外線を利用している医師・技術家等を招いて話を聞く。またはこれらを利用している病院や工場等を見学する。 |
問題演習 | 光の波動性に関する問題を解く。
またこの単元で学習した事項に関するいろいろな問題を解く。 |
単元Ⅶ エネルギーはどのように利用されているか
要 旨
単元Ⅰでは,電流の働きを現象としてながめたのであるが,これをさらに電気エネルギーという見方から,それがどのようにして発生され,どのように利用されているかを調べ,理解していくのがこの単元の趣旨である。すなわち力学的エネルギーがどのようにして電気エネルギーに変えられるか,その電気エネルギーはどのようにして輸送され,どのように力学的エネルギーに変えて利用されるかという問題を取り扱う。また,比較的小さい電気エネルギーではあるが,それが空間に電磁波のエネルギーとして流れ出す特性があることから通信にも利用されているが,通信における電気エネルギーの利用はどんな原理に基いているか,真空管の原理と働き,電気エネルギーを音のエネルギーに変える方法なども重要な問題となる。また電気エネルギーの利用としては大きな分野である熱源と光源としての利用があるので,これを総括的に取り扱う。
こうして学習を進めていくうちに,身辺にある電気機械・器具に対する理解を深め取扱に習熟すると同時に,このように生活を豊かにしている機械・器具が,純粋に真理への探求心によって発見された原理や法則に基礎をおいているものであり,これに技術者の努力が加わり,社会の必要に伴って発達したという自然科学の進歩のすがたを理解して,物理学者・技術者の努力と,そのとってきた科学的方法の意義を感得することができるであろう。
目 標
2.電気エネルギーを機械的エネルギーや,熱または光エネルギーに変換する原理を理解する。
3.交流の基本的な性質と,それの便利な点について理解する。
4.電気振動の発生・電磁波の性質・真空管の性質,およびこれらの無線通信への応用を理解する。
5.電気器具を実際の場面において取り扱う技能を高める。
6.普通の実際的な電気の実験を行う能力を高める。
7.電気に関する現象について合理的に考え,またそれを正確・簡明に記述する能力を高める。
8.電気についての知的な興味を高める。
9.電気に関する知識が必要な産業について,ある程度の知識を得て職業の選択に資する。
10.身辺に起る問題の解決に,科学的方法を適用する能力を高める。
11.物理学者が科学を進め,人類の福祉に貢献したことを認識する。
学習の範囲と順序,学習活動
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問 答 | 家庭や工場その他一般社会で交流がどのように広く利用されているかについて,次に交流を起す方法について問答する。 |
実 験 | 数百回以上まいたコイルの中に,棒磁石を出し入れして,どのように電流が流れるかを電流計で調べる。 |
説 明 | コイルに生じる起電力と,磁石の運動速度・磁石の強さ・コイルの巻数などの関係について説明する。 |
教師の説明 | 電流の流れる方向と磁石の運動方向との関係を整理して,レンツの法則を説明する。 |
話合い | 上の現象について,電気エネルギーと機械的エネルギーの移り変りについて話し合う。 |
実 験 | 二重コイルの一方に電流を流し,それを断続して二次コイルに生じる起電力を調べる。二重コイル中に鉄心を入れた場合と入れない場合について,起電力の大きさの違いを見る。 |
教師の説明 | その結果を整理してコイルに生じる誘導起電力の大きさについて話す。 |
実 験 | 誘導コイルによって高電圧放電の実験を行う。 |
説明(教師または生徒) | 誘導コイルの構造,原理を説明する。 |
教師の説明 | 電磁誘導の原理は,どんな機械に応用されているかについて話す。 |
(2) 磁界中でコイルをまわすと,どのように電流が流れるか
話合いと図表の作製 | 長方形のコイルを均一な磁界中で回転させたときに生じる起電力の大きさの変化について話合い,グラフをかく。 |
実 験 | a.交流の波形をオッシログラフで観察する。
b.ネオンランプを交流と直流で点燈し,回転する鏡に写して比較する。 c.ヨードカリでんぷん液(または紙)に,交流および直流を通して変化を比較する。 |
話合い | 上の実験結果についてその理由を話し合う。 |
自由研究 | レコードの回転速度を測るとき使うストロボスコープの原理を考え,実験する。 |
(3) 発電機はどのようにして電気エネルギーを起すか
討 論 | 磁界中でコイルを回転し,そのコイルから電流を取り出すとき,コイルにどのような力がはたらくかについて,また,発電に必要な仕事について話し合う。 |
観 察 | 実際の小型発電機を分解して構造を調べる。 |
教師の説明 | 発電機の原理・構造について話す。 |
実 験 | 発電機をまわしたとき,電流を取り出すとその回転が重くなって強い力がいるようになることを確かめる。 |
研究と報告 | 教科書や参考書により発電所の構成,構造について調べる。実際の大型交流発電機を調べる。 |
見 学 | 発電所を見学し報告書をつくる。 |
自由研究 | 各種の発電機について調べ,報告する。 |
問答と教師の説明 | 交流の電圧や電流の最大値・周波数・位相などについて,単振動と比較しながら問答し説明する。 |
話合いと教師の説明 | 抵抗線に交流が流れたとき,それと同じ熱効果をもつ直流電流の強さはどのくらいかを話合い,実効値について説明する。 |
(2) 交流の流れ方はコイルがあるとどのようになるか
実 験 | 自己誘導係数の大きいコイルに,電池から電流を流し,それを断続して,回路が切れた瞬間に高い電圧が生じることを,火花放電やネオンランプの点燈などにより調べる。 |
話合いと講義 | 上の現象の理由について話し合う。自己誘導現象について説明する。 |
講義(図表を用いる) | 自己誘導のある回路に交流電圧を加えたとき,流れる電流の強さ,位相についてグラフを用いて説明するする。 |
(3) 交流の流れ方は蓄電器があるとどのようになるか
実 験 | 蓄電器と電球を直列につなぎ,直流電源および交流電源に接続してみる。 |
教師の説明 | 蓄電器のある回路に交流電圧を加えたとき,流れる電流の強さ,位相について,グラフを用いて説明する。 |
自由研究 | コイル,蓄電器,抵抗より成る回路のインピーダンスについて研究し,報告する。 |
実験と観察 | 小型直流電動機を分解して,その構造を調べてみる。
電流を流して回転させてみる。 |
話合いと教師の説明 | 実際の直流電動機について,回転する原理を考え,話し合う。教師は必要に応じて説明する。 |
(2) 電動機に流れる電流はその負荷によってどのように変るか
実 験 | 小型の直流電動機を回転させ,まさつ等によってそれに負荷をかけたときの電流を測ってみる。 |
話合い | 直流電動機と発電機の原理・構造について,類似点と相異点を比較し,話し合う。 |
教師の説明 | 電動機の電機子に生じる逆起電力と,回転速度について説明する。また電動機の起動電流,銅損,鉄損等について説明する。 |
(3) 交流電動機は交流のどんな性質を応用しているか
実験と観察 | 円形の銅板を糸で水平につるし,その下で馬蹄(てい)形磁石を回転させて,銅板が回転するのを観察する。 |
説 明 | 渦電流について説明する。 |
講義と話合い | 単相誘導電動機の原理について説明し,互に話し合う。 |
(4) 三相交流とはどんな交流か
問 答 | 三相交流はどのような所に使われているかを問答し,話し合う。 |
教師の説明 | 位相が120°ずつ異なる3種の交流を同時に発生させる方法について,またその電力輸送回路について説明する。 |
講 義 | 三相交流による回転磁界と,三相誘導電動機の構造について説明する。 |
実 験 | 三相誘導電動機をまわしてみる。その回転方向を逆にしてみる。 |
話合い | 交流電動機と直流電動機の特徴を比較する。 |
問答と教師の説明 | 交流の電力はどのように表わされるかを問答し,電圧と電流の間に位相差があるときの消費電力についてグラフを用いて説明する。
力率,無効電力について説明する。 |
生徒の説明 | 電力計および積算電力計について説明する。 |
実 験 | 積算電力計で電気器具の電力を測ってみる。 |
(2) 変圧器によって交流の電圧や電流はどのように変えられるか
問 答 | 二重コイルによる相互誘導現象について問答する。
変圧器の原理について問答する。 |
話合いと教師の説明 | 変圧器ではなぜ巻数と電圧とが比例するかを話合い,必要に応じて教師が説明する。 |
実 験 | 小型変圧器について,二次電流を変化したときの一次電流の変化を測定する。 |
話合い | 上の結果の理論について話し合う。 |
研究と発表 | 実際に使われている種々の変圧器について調べ,発表する。 |
(3) 電力をどのようにして送っているか
話合いと教師の説明 | 遠く離れた所に,できるだけ損失が少なく経済的に電力を送る方法について話合い,必要に応じて説明する。 |
発 表 | 発電所から消費地までの電力輸送の実際について調べ,発表する。 |
見学またはスライド | 発電所または変電所を見学する。あるいはスライドなどにより説明する。 |
(4) 交流を直流にするにはどうしたらよいか
問 答 | どんなときに交流を直流に変える必要があるかを問答する。 |
教師の説明 | 整流にはどんな方法があるかを説明する。 |
話合い | 交流電動機で直流発電機をまわす方法の利害得失について話し合う。 |
生徒の説明 | 二極真空管を用いる整流方法について説明する。 |
観 察 | 二極真空管による整流電圧の波形をオッシログラフで観察する。 |
実 験 | ヘルツの実験,または簡単な火花発振器によって電波を出してみる。 |
教師の説明 | 高周波電流がアンテナに流れたときに輻射される電磁波に ついて話す。 |
生徒の説明 | 各種の波長の電波についてその伝達・性質・応用を説明する。 |
教師の説明 | 高周波電流と低周波電流の相違について(表皮効果・誘電体中の発熱・容量や自己誘導の影響など)説明する。 |
(2) 電気振動の振動数は回路によってどのように違うか
問 答 | ライデンびんとコイルを用いた火花発振器について,LとCの働きを,他の振動と比較しながら問答する。 |
講 義 | CとLを含んだ回路の固有振動数について説明する。 |
教師の実験 | 電気共鳴の現象を実験して示す。 |
(3) 真空管はどんなはたらきをもっているか
問 答 | 二極真空管の働きについて問答しながら復習する。 |
教師または生徒の説明 | 三極真空管の構造およびそれがどんな所に利用されているかについて話す。 |
問 答 | 三極真空管の働きはどのようにして調べたらよいかを問答する。 |
発表または教師の説明 | 三極真空管の特性とそのおもな応用を説明する。 |
実 験 | 三極真空管を用いた低周波増幅機で音声またはレコードを増幅してみる。また各段ごとの電圧を測ってみる。 |
観 察 | 三極真空管,多極真空管の構造を分解して調べてみる。 |
自由研究 | 種々の多極真空管の特長と,その応用について研究し報告する。 |
(4) ラジオには真空管や高周波電流の性質がどのように応用されているか
発表と教師の説明 | 四球・高周波一段ラジオ受信機の原理と構造,その性能について説明する。 |
自由研究 | 与えられた真空管の特性から受信機の配線図などを設計してみる。 |
見学またはスライド | 放送局を見学し,その設備や構成を見る。 |
自由研究 | a.簡単な発信器について調べ,製作または報告をする。
b.超短波の応用について調べ,報告する。 c.校内放送施設について研究し,報告する。 |
問 答 | 電熱器について問答する。 |
発 表 | 電気炉(高周波・アーク・抵抗の各種)・電気よう接などについて,また,その他電気エネルギーを熱に変えて利用している例について発表する。 |
(2) 電気エネルギーを光に変えるにはどんな方法があるか
問 答 | 白熱電燈について問答する。 |
教師の実験と説明 | 種々の真空放電を実験して示し,説明する。 |
研究と発表 | ネオンサインや,蛍光放電燈について研究し,発表する。 |
単元Ⅷ 物質構造の研究は,文化の発展にどのように役だってきたか
要 旨
最近の物理学は原子および原子核の構造の研究から,さらに進んで物質の諸性質や電磁波の諸現象まで原子論的な立場で解明しようとしている。もちろんこれを深く学習することは不可能なことであるが,物質の構造についてひととおりの知識を得,また,物質構造の研究が今日われわれの文化にいかに多くのものをもたらしたかを知ることは,現代人の常識としても必要なことであろう。
それでまず陰極線の研究からはじめて,電子はどんな性質をもっているか,またそれはどのような面で利用されているかを調べ,次にX線の発生とその利用について学習する。さらに原子の構造はどのようなことから明らかにされたか,あるいは放射性元素,元素の人工変換などについてもひととおり学習する。
最後に,今までに学習してきた物理の知識がいろいろの産業にどのように応用されているか,また,物理の研究がわれわれの生活や文化をどれたけ豊かにしてきたかを総括的に学習し,将来の職業の選択に役だたせ,また生活を科学的に処理する能力を養うようにする。
目 標
2.X線・陰極線の性質,発生の方法,それらの応用についての知識を得る。
3.原子の構造についての知識を得る。
4.元素の普通の変換の知識を得る。
5.物理現象の全般的な研究を通じて,職業の選択に役だつ知識を得る。
6.物理的な事象を論理的に考察する能力を養い,またこれを日常生活に適用する習慣をつける。
7.科学的態度とはどういうものかを理解し,またこれを常に用いる習慣を形成する。
8.解決を要する問題が,まだたくさん存在することを知り,そのような問題の解決に役だつように努力する態度を養う。
9.物理学者がこれまでにはらった努力と,その現代文化の建設に果した役割の大きさを認識する。
学習の範囲と順序,学習活動
(A) 物質構造の研究はどのように進んできたか
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問 答 | 導入として電子についてこれまでに学んだことを問答する。 |
話合い | 電子の働きを利用としている装置について話し合う。 |
教師の実験(数名の生徒と共に) | クルフクス管を用いた種々の陰極線の実験を行う。 |
問答と教師の説明 | 上の観察をもとにして,陰極線の性質について問答し,その本性について説明する。
電子の電気量を求める方法について,定性的に説明する。 |
自由研究と発表 | 高真空を得るにはどのような装置を用いたらよいか,またその技術などの発達が物理の発展にどのように影響したかを研究し,発表する。 |
(2) ブラウン管はどんな原理ではたらくか
話合い | ブラウン管はどのように用いられているか話し合う。 |
問答と説明 | ブラウン管の構造とその各部のはたらきについて,実物または図やスライドを見ながら,問答しつつ説明する。 |
教師の説明 | 電子が電界や磁界によってどのように運動を変えるかを定性的に説明する。 |
話合い | 電子の質量が上に述べた方法によって求められることを話し合う。 |
(3) 光電管はどのようにはたらくか
観 察 | 光電管の構造を観察する。 |
問 答 | 上の観察に基いて各部の働きについて問答する。 |
教師の実験 | 光源と光電管との距離をいろいろと変えて,流れる光電流を測定する。 |
教師の説明 | 光電効果について説明する。 |
問 答 | 光電管の利用について問答する。 |
研究と発表 | 電子をとびださせる種々の方法について研究し,図などを用いて発表する。 |
教師の説明 | 光の二重性について簡単に話す。 |
自由研究または討議 | 特別な興味をもっている生徒は,次の題目を選んで研究し,報告書を作る。
a.光電管を用いた盗難予防装置 b.トーキー c.テレビジョン |
発 表 | X線について経験したことを発表する。 |
教師の説明 | X線管を示して,構造および各部の働きを説明する。 |
問 答 | X線管とラジオ用真空管・放電管との構造上の比較を問答する。 |
自由研究 | 実用のX線装置について研究し,報告書を提出する。 |
(2) X線の性質はどのように利用されているか
教師の実験 | a.X線を発生させ,種々の物質や手などを透過して蛍光板に写してみる。
b.磁界を作用して,X線による影が動くか否かを見る。 c.箔検電器を用いて電離作用を見る。 |
話合いと教師の説明 | 上の観察からX線の性質について話合い,その本性について説明する。 |
教師の説明 | X線によって結晶構造が明らかにされることを,図などを用いて簡単に説明する。 |
研究と発表 | X線が医学や工業上にどのように利用されているかを研究し,発表する。 |
見 学 | 研究所・病院等でX線をどのように利用しているかを見学する。 |
発 表 | 原子の構造について知っていることを発表し合う。 |
研究と発表 | 計数管およびウイルソン霧函の構造と働きについて研究し,図やスライドを用いて発表する。 |
教師の説明 | ラザフォードのα線の散乱の実験の写真などを示し,原子核の存在することを説明する。 |
話合い | 原子と原子核の大きさの比較を話し合う。 |
教師の説明 | 水素のスペクトル写真などを示し,ボーアの原子模型について簡単に説明する。 |
(2) 元素の性質は原子の構造とどのような関係があるか
問答と説明 | 原子番号・原子量,周期律について問答し,また互に説明し合う。 |
教師の説明 | 元素の周期律と核外電子の配置の関係を二,三の族について説明する。 |
教師の説明と問答 | 原子核の構造について簡単に説明し,同位元素について問答する。 |
自由研究 | 周期律表が元素発見にどのように役にたってきたかを調べ報告書を提出する。 |
発 表 | 放射性元素について知っていることを発表し合う。 |
教師の説明 | α,β,γ,三線の性質と本性について説明する。 |
問答と発表 | α,β崩壊によって元素の原子番号・質量数がどのように変るかを問答し,放射性系列について調べて発表する。 |
自由研究 | キュリー夫妻の研究について調べて,報告書を提出する。 |
(2) 元素はどのようにして人工的に他の元素に変えられるか
話合い | 元素を人工変換するにはどうしたらよいか,その原理について話し合う。 |
教師の説明 | a.天然の放射性物質による核反応について簡単に説明する。
b.陽子・中性子などによる核反応について簡単に説明する。 |
発 表 | ラジオ・アイソトープの製法・用途について調べて発表する。 |
自由研究 | 次の事項について調べて,報告書を提出する。
a.原子エネルギーの利用について b.粒子の加速装置について c.宇宙線について |
(B)物理の知識は産業や生活や文化にどのように役だっているか
(2) 物理の研究は土木建築にどのように応用されているか
(3) 物理の研究は交通機関をどのように発達させたか
(4) 物理の研究は通信をどのように発達させたか
(5) 物理の研究は農業・商業・水産業などにどのように応用されているか
問 答 | 産業にはどんな種類があるかを問答する。 |
分 類 | 上の問答の結果を分類し,どの産業について研究するか話合い,グループに分れる。 |
グループ研究 | 各種の産業における生産物・生産過程および操作などについて調べ,物理のどの知識がどこに応用されているかを明らかにする。 |
発表と話合い | スライド・映画・写真・図表などにより,上に調べた結果を発表し,話し合う。 |
話合い | おのおのの産業に関係する各種の職業について話し合う。 |
(2) 動力や機械の進歩はどのように産業を発達させたか
(3) われわれの家庭生活を科学的にするには物理のどのような知識が必要か
(4) 物理の研究によってわれわれの自然に対する見方がどのように変ってきたか
グループ研究 | 各グループは上の問題の一つを分担し,資料によって調査研究し,発表して話合い,結論を出す。 |
生徒発表 | スライド・映画・写真・図などにより,上に調べたことを発表する。 |
討 論 | 上の発表について全員で討論する。 |
(付 録)参 考 書
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石 原 純・外 | 理化学辞典 | 岩 波 書 店 | 理工学事典
編纂委員会 |
理工学事典1,2,3 | 森 北 出 版 |
岩波編集部 | 科学の事典 | 〃 | 日本気象学会 | 理科学年表 | 日本評論社 |
平 凡 社 編 | 理 科 事 典 | 平 凡 社 | 藤 沢 信 | 科学写真便覧 | 丸 善 |
武 谷 三 男 | 自然科学辞典 | 霞 書 房 | 東京天文台 | 理 科 年 表 | 〃 |
芝 亀 吉 | 物理常数表 | 岩 波 書 店 |
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田 辺 敏 郎 | 望遠鏡と顕微鏡の作り方 | 誠文堂新光社 | ||
吉田 卯三郎
武 居 文 助 |
物理学実験 | 三 省 堂 | 藤 沢 信 | 写 真 | 岩 波 書 店 |
福 本 喜 繁 | 一般物理学実験法 | 理 工 出 版 | 関 正 雄
湯 沢 博 訳 |
パロマーの巨人天文台 | 鬼 怒 書 房 |
松 永 義 明 | 物理学実験の基礎 | 広 川 書 店 |
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中 村 清 二 | 物理実験法 | 岩 波 書 店 | 友 近 晋 | 流 体 力 学 | 共 立 出 版 |
真島 正市 外 | 応用物理学実験 | 内田老鶴輔 | 玉城 嘉十郎 | 質点剛体の力学 | 内田老鶴圃 |
平 田 森 三 | 物理実験をはじめる
人のために |
目 黒 書 店 | 〃 | 弾性体・流体の力学 | 〃 |
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藤 田 三 郎 | 力 学 | 共 立 出 版 | ||
管 井 準 一 | 真理愛の科学者 | 文 理 書 院 | 田 丸 卓 郎 | RIKIGAKU NO
KYOOKASYO |
日本ローマ字社 |
岡 邦 雄 | 大科学者伝 | 〃 | 森 口 英 一 | 変形する物体の力学 | 広 文 館 |
ホ ワ イ ト
森 島 恒 雄 |
科学と宗教との闘争 | 岩 波 書 店 | 井 上 栄 一 | 流 れ と 渦 | 目 黒 書 店 |
ステパーク
立 上 二 郎 |
偉大なる法則の発見 | 民 友 社 | 谷 一 郎 | 流 水 学 | 岩 波 書 店 |
矢 島 祐 利 | マックスウェル | 弘 文 堂 | 阪 田 巻 蔵 | 力 と 運 動 | 文 祥 堂 |
田 村 松 平 | プ ラ ン ク | 〃 | 原 島 鮮 | 一 般 力 学 | 河 出 書 房 |
加 茂 儀 一 | ダ・ヴィンチ | 〃 | 寺 沢 寛 一 | 初 等 力 学 | 裳 華 房 |
菅 井 準 一 | ガ リ レ イ | 〃 | 佐 藤 瑞 穂 | 力 学 汎 論 | 内田老鶴圃 |
ダンネマン
安田徳太郎訳 |
大自然科学史 | 三 省 堂 | 木 下 是 雄 | まさつの研究 | 創 芸 社 |
エーブキュリー
川 口 訳 |
キュリー夫人伝 | 白 水 社 | マックス
ウエル 三石・田中訳 |
物質と運動 | 学 術 図 書 |
矢 島 祐 利 | ファラディー | 岩 波 書 店 | 原 島 鮮 | 力の科学 | 〃 |
ディッキンソン
原 光 雄 訳 |
ジェイムスワット | 創 元 社 | 小 林 正 久 | 自然と力学 | 増 進 堂 |
矢 島 祐 利 | 電磁気学史 | 岩 波 書 店 | 平 野 正 雄 | 図 解 力 学 | 丸 善 |
アッシャー
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機械発明史 | 〃 | プ ラ ン ク
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一 般 力 学 | 裳 華 房 |
田口 卯三郎
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音の文化史 | 誠文堂新光社 | 勝 見 勝 | 手,道具,機械
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菅 井 準 一 | アインシュタイン | 岩 波 書 店 | ガリレオ
ガリレイ 今 野 訳 |
新科学対話 上下 | 岩 波 書 店 |
湯 淺 光 朝 | 科学文化史年表 | 中央公論社 | 末 岡 清 市 | 一 般 力 学 | 広 文 館 |
マイヤー他
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エネルギー理論の成立 | 創 元 社 | 黒 田 武 定 | 初 等 力 学 | 理 工 図 書 |
岡 邦 雄 | 自然科学史1.2.3.4.5.6. | 白 楊 社 | 堀 健 夫 | 壷中の天地(分り易く
といた相対性原理) |
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森 島 恒 雄 | 科学の歴史 | 青 也 書 店 | 宮城 音五郎 | 水 力 学 | 岩 波 書 店 |
黒 柳 準 | 光学発達史 | 誠文堂新光社 | 栗原 かな芽 | 科学のめがね | ジ ー プ 社 |
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中谷 宇吉郎 | 科学と社会 | 岩 波 書 店 | ティンダル
三 宅 泰 雄 |
火のすがた | 創 芸 社 |
ダイジエス
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日本の発明 | ジ ー プ 社 | 白 井 俊 明 | 火 と 焔 | 誠文堂新光社 |
水 野 義 男 | 環境と生活の物理学 | 東海出版社 | 福 本 喜 繁 | 熱 の 科 学 | 森 北 出 版 |
G.S.グレイグ
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科学の教室 | 時事通信社 | 芝 亀 吉 | 熱 学 | 岩 波 書 店 |
アインシユタ
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藤 岡 由 夫 | 物理学ノート | 河 出 書 房 | 福 本 喜 繁 | 火,熱,温度 | 富 山 房 |
ヘンリー・トマス
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科学十講 上下 | 評 論 社 | 芝 亀 吉 | 温 度 | 岩 波 書 店 |
ホ グ ベ ン
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市民の科学 | 日本評論社 | 玉木 嘉十郎 | 弾性体の力学 | 内田老鶴圃 |
菅 井 準 一 | 科 学 読 本 | 実 教 出 版 | 岸保 勘三郎 | 気 体 | 目 黒 書 店 |
ハツクスリー
山家,鈴木共訳 |
科 学 入 門 | 創 元 社 | 中谷 宇吉郎 | 雪 | 岩 波 書 店 |
福島 栄之助 | 科学技術への道 | 岩 波 書 店 | 〃 | 雪 の 研 究 | 〃 |
ティンダル
平田 実 訳 |
科学と空想 | 創 元 社 | 久 保 亮 五 | ゴ ム 弾 性 | 河 出 書 房 |
ハイベルグ
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古代科学 | 〃 | 戸 田 盛 和 | 液 体 理 論 | 〃 |
中谷 宇吉郎 | 霧 退 治 | 岩 波 書 店 | 野 口 尚 一 | 材 料 力 学 | 産 業 図 書 |
ドライエル・
ハーマー 日 本 学 振 |
科学の活動 | 丸 善 |
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ハツクスレー
日 本 学 振 |
科学と社会 | 〃 | 井 田 光 雄 | エネルギー | 日本出版社 |
高 橋 重 雄 | テレビジョンの話 | 日本放送出版 | 菅 原 菅 雄 | 熱 機 関 | 産 業 図 書 |
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杉 田 元 宣 | 熱力学新講 | 地 人 書 店 | ||
朝永振一郎 外 | 物理学読本 | 学 芸 社 | 吉 田 順 五 | 熱 輻 射 | 北方出版社 |
菊 池 正 士 | 物理学概説 | 富 山 房 | オストワルド
山県 春次 訳 |
エネルギー | 岩 波 書 店 |
一 瀬 正 巳 | 物理学概要 | 培 風 館 | ヘルムホルツ
矢島 祐利 訳 |
力の恒存について | 〃 |
中 村 清 二 | 中村物理学 上下 | 富 山 房 | ファラデー
稲沼 瑞穂 訳 |
力 と 物 質 | 〃 |
本多 光太郎 | 物理学本論 | 内田光鶴圃 | ボクベン著
今野・石村 訳 |
市民の科学第三部
動力を求めて |
日本評論社 |
寺沢 寛一 他 | 物理学 上下 | 裳 華 房 | 三 縄 秀 松 | 基礎熱力学 | 山 海 堂 |
鏑木 政岐 他 | 物理の科学 上下 | 朝 倉 書 房 | 坂 井 卓 三 | 熱力学の基礎 | 誠文堂新光社 |
石 原 純 | 物理学概論 | 岩 波 書 店 | 生 源 寺 順 | 水 車 | 岩 波 書 店 |
森本 弥三八 | 新講物理学 | 大 雅 堂 | 沖 巌 | ポンプ及び水圧機 | 〃 |
金 原 寿 郎 | 物理の研究 上下 | 旺 文 社 | 電 気 学 会 | 蒸気タービン | 電 気 書 院 |
吉田 卯三郎 | 物 理 学 上下 | 三 省 堂 | 公 文 館 | 内燃機関1
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一 瀬 正 巳 | 一般物理学 | 培 風 館 | 公 文 館 | 内燃機関2
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〃 |
佐 藤 瑞 穂 | 物 理 学 | 〃 | 八田 桂三 外 | 熱機関概論 | 養 賢 堂 |
原 島 鮮 | 物理学概論 | 山 海 堂 | 宮 本 晃 男 | 初歩の自動車
ハンドブック |
山 海 堂 |
秋 元 和 雄 | 物理学通説 | 誠文堂新光社 | 古 賀 豊 城 | エネルギー物語 | 創 芸 社 |
栗原嘉名芽 外 | 新制高等物理 上下 | 実業教科書 |
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共 立 出 版 | |
松 永 義 明 | 最新物理学綱要 | 広 川 書 店 | 森本 弥三八 | 物 理 光 学 | 日本出版社 |
造 賀 常 一 | 高等家事物理 | 培 風 館 | 水野 国太郎 | 高校生の
振動,波動,音響 |
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田 丸 卓 郎 | 中等教育物理学講義 | 東京開成館 | 井 田 光 雄 | 物 理 光 学 | 日本出版社 |
クラウズ・ベ
ンジック著 沢田 富雄 訳 |
図解の物理 | 文 祥 堂 | 塚 越 修
田口 卯三郎 |
音の文化史 | 誠文堂新光社 |
山 田 光 男 | 物理学大要 | 岩 波 書 店 | 中村
左衛門太郎 |
波 と 音 | 学 術 図 書 |
湯 川 秀 樹 | 理論物理学講話 | 朝日新聞社 | 末 岡 清 市 | 振動と波動 | 朝 倉 書 店 |
森 総 之 助 | 物 理 解 説 | 英 進 社 | 小 幡 重 一 | 音 | 岩 波 書 店 |
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栗原 嘉名芽 | 音響学序説 | 共 立 出 版 | ||
林 伝一郎 | 初歩の電気学 | 大阪教育図書 | ブ ラ ツ グ
栗原 嘉名芽 訳 |
音 の 世 界 | 創 元 社 |
吉川 亀次郎 | 蓄電池及びその取扱法 | 丸 善 | 森本 弥三八
杉 浦 義 勝 |
物 理 光 学 | 学 術 図 書 |
ブ ラ ッ グ
稲沼 瑞穂 訳 |
電気と生活 | 創 元 社 | 栗原 嘉名芽
小 幡 重 一 |
音響実験及び測定法 | 河 出 書 房 |
平 尾 邦 雄 | 静 電 気 学 | 目 黒 書 店 | 大 矢 正 次 | 音 | 霞ヶ関書房 |
森 野 捨 信 | 電気と生活 | 日本出版社 | ド・ブロイ
河野 与一 訳 |
物質と光 上下 | 岩 波 書 店 |
霜 田 光 一 | 真 空 管 | 山 海 堂 | 小 幡 重 一 | 音楽愛好者
のための音響学 |
内田老鶴圃 |
樫 田 恒 一 | 電気の科学 | 文 祥 堂 | 坪 井 忠 二 | 地 震 の 話 | 岩 波 書 店 |
中 村 幸 男 | 楽しい電気学 | 長谷川書房 | 木 内 政 蔵 | 光 | 〃 |
富 塚 清 | ぼくたちの電波研究 | さえら書房 | 松 沢 武 雄 | 地 震 | 〃 |
内藤 卯三郎 | 電気と磁気 | 研 究 社 | 小 幡 重 一 | 小国民のために
とは何か |
〃 |
日本放送協
会 編 |
ラジオ技術教科書 | 日本放送出版 | 早 坂 寿 雄 | 音響・振動論 | コ ロ ナ 社 |
荒 川 文 六 | 電 気 工 学 | 丸 善 | 伊藤 徳之助 | 海 の 波 | 創 元 社 |
藤 沢 義 男 | 高校生の電気学入門 | 北 森 出 版 |
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汎 荘 平 | 交 流 理 論 | 理 工 学 社 | ミリカン
太田・石田 訳 |
エレクトロン | 彰 国 社 |
岩田・中野 | 電気磁気学(応用編) | 日本出版社 | 田 崎 秀 夫 | X 線 | 日本出版社 |
鈴 木 重 夫 | 電子顕微鏡 | 河 出 書 房 | 村 岡 敬 造 | 原 子 の 話 | 国民科学社 |
内 田 知二 | 電気術語事典 | オ ー ム 社 | 水島 三一郎 | 電波と物質 | 岩 波 書 店 |
武 田 元 敏 | 国民の電気読本 | 山 海 堂 | 菊 地 正 士 | 物質の構造 | 創 元 社 |
三 枝 守 男 | 電気の一般知識 | 牧 書 房 | 湯 川 秀 樹 | 目に見えないもの | 丸 善 |
伊 賀 秀 雄 | 家庭の電気器具 | 実験出版社 | 玉 木 英 彦
田 島 英 三 |
物質—その窮極構造 | 日本評論社 |
矢島祐利 外訳 | ファラデイ
電気実験研究 |
岩 波 書 店 | 菊 地 正 士 | 粒 子 と 波 | 創 元 社 |
平 尾 邦 雄 | 静 電 気 学 | 目 黒 書 店 | 藤 岡 由 夫 | 原子核から素粒子へ | 弘 文 堂 |
宮 原 将 平 | 磁気と磁石 | 白 水 社 | 児 島 邦 夫 | 分子のりんかく | 日本評論社 |
熊 谷 寛 夫 | 電気学の基礎 | 電 気 書 院 | 嵯 峨 根
小 谷 |
原子核物理学解説 | コ ロ ナ 社 |
谷 菅 井 | 電気磁気学(物理概説) | 岩 波 書 店 | 湯 川 秀 樹 | 極微の世界 | 岩 波 書 店 |
大隅 菊次郎 | 電 気 機 械 | 共 立 出 版 | 〃 | 中間子の本性について | 秋 田 屋 |
長 島 躬 行 | ブラウン管及び光電管 | 〃 | ブ ラ ッ グ
三 宅 訳 |
物とは何か | 創 元 社 |
佐 野 昌 一 | 真空管入門 | 力 書 房 | 創 元 社 | 物質の神秘 | 〃 |
岩 田 久 吉 | 放 電 | 日本出版社 | 木 村 恒 行 | 原 子 の 話 | 文 理 書 院 |
槇 尾 栄 | 電 池 | 修 教 社 | ド・ブロイ
河野 与一 訳 |
物 質 と 光 | 岩 波 書 店 |
窪 川 真 男 | 蓄電池とその保存法 | 電 気 書 院 | ヘ ヒ ト
崎 川 訳 |
原子の謎をとく | 白 楊 社 |
岡部 金治郎 | 応用電気学 | 誠文堂新光社 | 菊 地 正 士 | 原子物理学概論 | 岩 波 書 店 |
谷 村 功 | 電気ラジオ初等数学 | 力 書 房 | 杉 本 朝 雄 | 原子核と同位元素 | 青 山 書 院 |
阪 本 捷 房
前 田 一 郎 |
ラジオの原理と作り方 | コ ロ ナ 社 | 松 田 栄 | 高校生の原子物理学 | 有 宏 書 房 |
三橋 鉄太郎 | 磁石(科学の泉叢書) | 創 元 社 | 湯 川 秀 樹 | 原子と人間 | 甲 文 社 |
弘 山 尚 道 | 発 送 配 電 | 実業教科書 | 仁 科 芳 雄 | 原子力と私 | 学 風 書 院 |
青木・友田 | 電 気 計 器 | 修 教 社 | ガ モ フ
伏見・山崎 訳 |
不思議の国の
トムスキンス |
白 楊 社 |
電気通信学会 | 通信工学大鑑(共通編) | 電 気 書 院 | ガ モ フ
伏見・市井 訳 |
原子探険のトムキンス | 〃 |
電 気 学 会 | 電 気 物 理 | 〃 | 藤 岡 由 夫 | 現代の物理学 | 岩 波 書 店 |
大 智 浩 | 電気と家庭生活 | 富 山 房 | ブレークスリ
山屋 三郎 訳 |
原子力の将来 | 朝日新聞社 |
稲田 金次郎 | 電気実験法 | 共 立 出 版 | 〃 | 続 同上 | 〃 |
福 本 喜 繁 | 電磁気学の法則雑講 | 力 書 房 | 〃 | 水素爆弾 | 〃 |
中谷 宇吉郎 | 雷 | 岩 波 書 店 | 藤 岡 由 夫 | 物質の究極 | 河 出 書 房 |
電 気 学 会 | 電気工学ポケットブック | 丸 善 | 菊 地 正 士 | 原子物理学 | 〃 |
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水島 三一郎 | 物質の骨組 | 学 術 図 書 | ||
吉田 正太郎 | 光 学 器 械 | 東西出版社 | 松 田 栄 | 原子物理学 | 研 究 社 |
東 尭 | 色 | 河 出 書 房 | 吉田 卯三郎
田 中 憲 三 |
X線結晶学 | 三 省 堂 |
日 野 栗 夫 | 幾 何 光 学 | 日本出版社 | 渡 辺 慧 | 原子核理論の概観 | 河 出 書 房 |
山田 幸五郎 | 幾 何 光 学 | 共 立 出 版 | 玉 木 英 彦 | 周期律から
超ウラン元素まで |
春日出版社 |
関 重 広 | 電燈及び照明 | 岩 波 書 店 | 奥 田 毅 | 原 子 の 話 | 学 習 社 |
内藤 卯三郎 | 光 学 要 論 | 培 風 館 | 伏 見 康 治 | 相対論的世界像 | 弘 文 堂 |
山田 幸五郎 | 光学機械篇 | 共 立 出 版 | 石 津 武 彦 | 相対性理論 | 朝 倉 書 店 |
正 木 修 | 幾 何 光 学 | 培 風 館 | 菊 地 正 士 | 原子論から素粒子論へ | 丘 書 房 |
山田 幸五郎 | 光学の知識 | 岩 波 書 店 | 井 田 光 雄
森本 弥三八 |
原子及び原子核 | 日本出版社 |
日本化学会編 | 写真と印刷 | 大日本図書 | 朝永 振一郎 | 量子力学的世界像 | 弘 文 堂 |
ニュートン
阿 部 勉 訳 |
光 学 | 岩 波 書 店 | 松 本 朝 雄 | 放 射 能 | 河 出 書 房 |
堀 健 夫 | 宇 宙 と 光 | 岩 波 書 店 | 荒木 源太郎 | 素 粒 子 | 弘 文 堂 |
東 条 四 郎 | レ ン ズ | 〃 | ローレンス
崎 川 範 行 |
O の 暁 | 創元 社 |
木 内 政 藤 | 光 | 岩 波 書 店 | ガ モ フ
伏見 康治 訳 |
太陽の誕生と死 | 白 楊 社 |
扇 谷 英 一 | レンズの歴史 | ジ ー プ 社 | 沢 宗 誠 | 原子力の科学 | 青 山 書 院 |