第2学年 主題「日常の科学」
単元Ⅰ われわれは自然界のどこから食物を得ているか。また,それをどのように使っているか
要 旨
日常生活の科学には,なんといっても衣・食・住の問題が大きな部分を占めるであろう。この単元では,その中の食の問題について,食品およびその原料がどのような過程を経て作られ,どのように利用されるかを扱うのであるが,これによって生徒は食物の選択・利用のしかたに対する科学的な目が開らかれるであろう。また興味調査の結果によれば,この学年の生徒は人体ならびに一般の生物体の機能についての学習に特に関心をもつことが明らかにされているが,人・動物・植物の生活機能を関連的に扱う学習はかれらの自発的学習意欲ともよく合致するものといえよう。
またこの単元の学習を社会的観点から見れば,食糧生産の増強,未利用資源の活用などに対する科学的基礎をつちかうことにもなる。 内容とするところは,まずわれわれの食物の原料を調べ,さらに食物が体内で消化・吸収されてからわれわれが生活活動を営むことができるようになるまでの経過を,人体のおもな構造と合せて理解する。また植物性および動物性の食物原料が自然界ではどのようにして作られるかを知るために,緑色植物の炭酸同化,動物の食性,動物と植物との依存関係なども明らかにする。このような学習の間に,食物を有効に利用しようとする態度と,実際に利用する能力とを伸ばすことも目標となる。
この単元の指導にあたっては次の単元Ⅱとの関連に注意すべきである。すなわち,この単元では,食物の成立,それの人体内での変化に関する学習経験に主体を置き,次の単元では食品の正しい配合に関する学習経験に主体を置いている。
目 標
2.消化器官・循環器官・呼吸器官などの構造や機能についての知識を得る。
3.未利用のものを食糧資源として利用する方法を見つけ出そうとする態度とその意欲とを養う。
4.太陽エネルギーの人類や他の生物の生活に対する恩恵を感得する。
5.生物の生命は緑色植物の光合成作用(炭酸同化作用)によって維持されていることを理解する。
6.自然界の調和を感得する。
7.いろいろな生物の生活を関係的に観察し,正しく解釈する能力を養う。
8.はっきりした目的をもって実験を計画し,実行する態度を養う。
9.動物や植物を飼育・栽培する技能を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
問 答 |
どんな食品を毎日食べているか,それらの食品は何から得られるかなどについて問答をする。 |
掛図の作製 |
日本人のおもな食品が,どのような有機物または無機物から得られるかを示す掛図を作製する。 |
(2) どんな植物のどの部分が食物として利用されるか
講 義 |
われわれの食物は主として植物・動物・鉱物より成ることを説明する。 |
話合い |
日常の食事を思い出して,どのような植物が食用にされるかを話し合う。 |
読書または見学 |
教科書や参考書を読んだり,近くの農家を訪問したりして,どんな植物が食料用に栽培されているか,どんな植物が食用となるかなどについて調べる。 |
掛図の作製 |
上の学習結果を一覧表または掛図に作る。 |
(3) どんな動物のどの部分が食物として利用されるか
話合いと分類 |
毎日の食事についての話合いをして,食料として利用される動物の種類を列挙する。さらにそれらの動物を地上・水中・人に飼育されているものなどに分類する。 |
研 究 |
教科書や参考書を読んだり,家人の話を聞いたりして,食用に供されるのは,動物体のどの部分であるかを調べる。 |
掛図の作製 |
上の学習の結果を一覧表または掛図に作る。 |
(4) 食塩はどこから得られるか。またそれはどのようにして精製されるか
問 答 |
食塩がどのように日常の食事に使われているかについて問答をする。 |
研究と見学 |
教科書または参考書によって,食塩はどこからとれるか,食塩はどのようにしてとり,精製するかを調べる。(地方によっては,製塩所・塩田などに行って,作業を見学する。) |
発 表 |
スライド・写真などを使って,食塩の製造法やその過程を口頭で発表する。 |
表の作製 |
上で学習したことを表にまとめる。 |
(5) われわれは食糧の増産のために,どんな努力をしているか
調 査 |
参考書を読んだり,町村役場・農事試験場などの係員の話を聞いたりして,自分たちの郷土および日本の食糧の年産額,郷土または日本における食糧生産額の年々の変化,郷土における食糧増産のための実際などを調べる。 |
作 文 |
「わが郷土における食糧生産の現状」という題で作文をつくる。 |
展 示 |
この学習の結果をまとめて展示を行い,他の学年の生徒に公開する。 |
2.食物は人の体内でどのように変化するか
問 答 |
食物をよくかむと,どうなるか,また味はどのように変わるかについて問答をする。 |
教師または代表の生徒の実験 |
唾液が食物の中のでんぷんに及ぼす作用を,実験によって示す。 |
討議と記録 |
上の実験に基いて,唾液の作用を討議し,学習の結果を記録する。 |
読 書 |
個人またはグループで,教科書または参考書によって,消化系の器官の形状とおもな機能とを調べる。 |
講 義 |
模型・掛図などを使って,おもな消化器官・消化液・消化酵素のおもな性質などについて講義する(教師は詳細にわたりすぎないように注意する)。ついで,消化された食物がどこで,どのようにして吸収されるかについて説明する。 |
観 察 |
学校備付の顕微鏡標本によって,消化器の内壁(たとえば小腸のじゅう毛など)を顕微鏡で観察する。 |
紙しばいと報告 |
グループごとに人体内にはいった食物のゆくえについての紙しばいを作り,また体内にはいった食物の通路と,変化についての報告文を作製する。 |
(2) 吸収された養分はどこをどのように移動するか。また,その間にどんなはたらきをするか
問 答 |
吸収された養分は,どのようにしてからだの他の部分に運ばれるかについて問答する。 |
研 究 |
個人またはグループで教科書または参考書によって,次のことを調べる。 a.血管の分布とその作用 b.心臓の構造と機能 |
観 察 |
教師が準備したカエル・メダカなどによって,みずかきや,ひれの毛細血管を血液が流れるのを顕微鏡で観察する。 |
発 表 |
グループごとに,模型・掛図などを使って,上の学習で明らかにしたことを口頭で発表する。 |
講 義 |
循環器とその機能について,教師が説明によって補う。 |
(3) 運ばれた養分はどんな仕事をするか。また,その間に呼吸作用がどんな役割を果すか
問 答 |
運動をするとからだにどんな変化が現われるかについての教師の発問に対し,これまでの経験に基いて,脈はく・体温・呼吸・空腹・食事の分量などの変化について答える。 |
測 定 |
グループで,運動の前後の呼吸・脈はくの数を数え,回復するまでの時間を測定する。その後で,個人またはグループによって,上の測定結果をグラフに描く。 |
研 究 |
グループごとに下の問題のうちの任意の一つを選び,教科書または参考書によって調べる。 a.体物質の燃焼による生活活動のエネルギーの発生 b.血液の組成と機能 c.動脈と静脈との分布と機能 d.肺その他の呼吸器官の構造と機能 e.筋肉と骨格の構造と運動のしくみ |
発 表 |
グループごとに,模型・掛図などを使って,上で学習したことを口頭で発表し,教師の適切な指導と,講義とによってたりないところを補う。 |
記 録 |
上の学習の要点を記録する。 |
(4) 排出器官はどんな構造と機能とをもっているか,また,それは健康にどんなに重要であるか
話合い |
家族や知人で排出器官の病気にかかったことのある者があれば,その症状について話し合う。 |
読 書 |
個人またはグループで,次のことを調べる。 a.あせがどこで,どのようにして作られるか。 b.皮膚の構造(特に,かん腺の構造について) c.あせの保健上の意義 |
発 表 |
個人またはグループで上の学習結果を口頭で発表する。 |
講 義 |
模型・掛図などによって,次のことを講義する。 a.じん臓の構造と機能 b.じん臓炎・糖尿病のような排出器官の故障によって起る病気 c.あせをかいた後のからだや衣服の正しい処置 |
まとめ |
興味をひくような方法で,上に学習したことのまとめをする。 |
(5) 食べた物が体内で有効に使われるためには,どんな注意が必要か
話合い |
これまでの学習に基いて,食物を有効に使うにはどのように食事をしたらよいか話し合う。(たとえば,よくかむ,環境を整える,静かに食べるなど。) |
問 答 |
次のことについて問答する。 a.食物をよくかむことの理由 b.食事の場所を清潔にする必要 c.食後の休息の必要な理由 |
計画と話合い |
教師の指導のもとに,これまでの学習の結果から,食物の利用価値を高めるには食事のしかたをどんなに改めたらよいかの計画をたてて話し合う。 |
3.植物はどのようにして養分を作るか
問 答 |
種子・球根・球茎・地下茎などを食用とする植物の種類についての教師の質問に対して,知っていることを述べる。 |
実験と教師の説明 |
ジャガイモ・ムギなどはでんぷんを含み,ある種の植物の種子は脂肪を含むことを顕微鏡や簡単な実験によって教師または一部の生徒が実験する。教師はこれに関連してある植物の種子・いも・地下茎などにはたんぱく質も含まれていることを説明する。 |
話合い |
従来の経験をもとにして,日かげの植物の生育のようすについて話合い,植物の生育に日光の必要なことを確かめる。 |
観察と実験 |
各グループは教師の指導のもとに下の問題のうち任意の一つを選び,実験や観察を行う。 a.日光のよくあたった葉にはでんぷんが含まれているが,日かげの葉やふ入りの葉にはこれがないこと b.木の葉やアオミドロを顕微鏡で観察したときの緑色の部分の様子 c.表皮の気孔 d.緑葉が日光を受けると炭酸同化を行うことを示す簡単な実験 e.水草を材料にして,植物が炭酸同化の結果,酸素を排出することを示す簡単な実験 |
記 録 |
上の学習の要点を記録し,写生をする。 |
発表と討議 |
各グループごとに教師の指導のもとに,実物・標本・絵などを使って上の学習の結果を順次口頭で発表する。その結果に基いて,学級全体で緑色植物の養分形成について討議する。 |
講 義 |
視覚教具を使いながら,緑色植物の営む炭酸同化について,上の学習でじゅうぶんでないところを講義によって補う。 |
(2) 種子や球根などに含まれている養分は,植物の生活にどんな役割を果すか
実 験 |
植物の種子や,いもなどに合まれている養分の役めを明らかにするために次のような実験を行う。 a.水栽培 b.ジャガイモのいもを,畑に植える前と後とで比較する c.胚(はい)乳の豊富な種子をまいてみる |
記 録 |
上の実験の結果を写生したり,記録したりする。 |
講義と討議 |
上の実験の結果に基いて,植物の種子やいもの中の養分が発芽や成長にどんな役割を果すかを討議し,その間に足らないところを講義によって補う。 |
(3) どうしたら植物にいっそう多くの養分を作らせることができるか
話合い |
これまでの経験をもとにして,イネ,ジャガイモなどの収穫を増すにはどのようなことをしているか,果樹をじょうずに栽培するためにどのようなことをしているかについて話合いを行う。 |
実 験 |
タマネギや球根植物の水栽培を行って,水中(できれば蒸留水を使う)で栽培された場合の成長の様子,肥料を溶かした水,またはクノップ液の中で栽培した場合の成長の変化を確かめる。 |
発 表 |
上の実験の結果を口頭で発表する。 |
講 義 |
上の発表を補足して,植物の成育を支配する要因(特に肥料の役割)について講義をする。 |
討 議 |
園芸植物や作物の栽培のしかたについて討議し,希望者はその結果に基いて栽培を実際に行う。 |
(4) 植物の葉で作られた養分は,どのようにして種子や球根などに貯蔵されるか
問 答 |
野菜や草の茎に繊維が含まれていること,キュウリ・ダイコンなどの切り口に細かい点が多数あることなどを思い出させるために問答をする。 |
観察と記録 |
草の茎の切片を顕微鏡で観察し,その構造を写生する。 |
講 義 |
掛図・絵・スライドなどを使いながら,導菅・ふるい管などの構造と機能について講義をする。 |
4.動物はどのようにして食物を得るか
話合い |
これまでに学習したことをもとにして,普通の家畜の食べ物の種類,こん虫や野生の動物の食べ物の種類について話し合う。 |
調査と発表 |
広く動物の食物を調べるために動物園を見学したり,話を聞いたり,教科書や参考書を読んだりして調べ,その結果を発表する。 |
講 義 |
動物の食性についてまとめて説明する。 |
(2) 動物はどこから,どのようにして食物を得ているか
問 答 |
種々な動物の食物のとり方,動物のからだの構造と,その食物との間の関連について,これまでの経験に基いて問答をする。 |
研 究 |
教科書または参考書によって,動物は概してその食物に適した構造や習性をもっていること,動物の間には食物を求めて闘争や相互扶助があること,動物は概して敵を攻撃し,敵から身を護るためのしくみをもっていることなどを調べる。 |
映画・スライド |
動物の生活(特に食物を求めての)についての映画またはスライドを見る。 |
報 告 |
この学習の報告書を作り,提出する。 |
(3) 動物は食べた物をどのようにして消化するか
観 察 |
いろいろな動物(たとえばウシ・ニワトリ・カエル・魚・こん虫・ミミズなど)の消化器を,解剖図・模型・教師または業者の作製した標本などを使って比較観察する。 |
講 義 |
適当な視覚教具を使いながら,いろいろな動物について人の消化器と著しく異なる点を講義する。(教師は講義の間に,おりおり上の学習で明らかにしたところを生徒に質問する)。 |
まとめ |
上で学習した結果を興味ある方法でまとめる。 |
(4) 有用な動物をじょうずに飼育するには食物の選び方や与え方をどのようにくふうしたらよいか
発 表 |
これまでにウシ・ウマ・ニワトリ・ヤギ・ウサギ・アヒルなどの家畜を飼った経験をもつ者があったら,これらの動物を飼育するときの注意について発表する。 |
研究と調査 |
有用動物を飼育する際の食物の選び方と与え方とを,教科書や参考書を読んだり,農事試験場・農業会などを訪問したり,家族や農夫の話を聞いたりして調べる。 |
計 画 |
学校や家庭で飼っている家畜の飼養計画をたてる。 |
掛図の作製 |
動物の種類と食物,およびそれの与え方を示した掛図または一覧表を作製する。 |
5.動物と植物とは食物を得る上で,互にどのように関係し合っているか
講 義 |
スライド・掛図などを使って,動物または植物のそれぞれの間で見られる助け合いの著しい例について説明する。(たとえば,シカ・シマウマなどの群,森林の草木など)。 |
問 答 |
上の問題について生徒のこれまでの経験に関して問答をする。 |
講 義 |
写真などを使って共生の著しい例(アリとアブラムシ,マメとバクテリアなど)について説明する。 |
観 察 |
野外に出てまめ科植物の根粒,アリとアブラムシの生活を観察する。 |
記 録 |
上の学習の要点を記録する。 |
(2) 動物や植物は食物を求めてどのような争いをするか
問 答 |
花壇や畑の除草をしばしば行う理由についてこれまで学んだことをもとにして問答をする。 |
講 義 |
食物を求める動物どうしの争いについての学習を思い起させながら,植物界にも同様な争いがあることを説明する。 |
討 議 |
どのような動物あるいは植物が食物を求めるための争いで生き残るかを討議する。 |
講 義 |
生存競争,適者生存に関するダーウィンなどの説を紹介する。 |
(3) 動物や植物は自然界でどのように釣り合っているか
問 答 |
生物には繁殖力の盛んなものと,そうでないものとがあるのに,自然界ではいつもほぼ一定の数になっている理由について問答をする。 |
研 究 |
教科書または参考書によって植物と動物との食物の連鎖,野鳥をふやして森林をこん虫の害から守ること,自然界が平衡を保とうとする傾向について調べる。 |
発 表 |
写真・掛図などを使って,上の学習の結果を口頭で発表する。 |
紙しばい |
植物と動物との生活上のつながり,自然の平衡を破らないために動植物の保護の必要を主題にした紙しばいを作る。 |
単元Ⅱ われわれが健康を保ち進めるためには,どのような飲食物や衣服を必要とするか
要 旨
日常生活の科学化をはかるときに,まず衣・食・住の問題が大きく浮び上がることは前単元の要旨においてすでに考察したところである。その中で,住は家族とともに生活を営む場所であり,また社会的な関連が大きい。これに反して,食と衣の問題は主として個人生活に関するものであり,これを正しく選ぶかどうかは,ただちに個人の健康に対して著しい影響を及ぼす。その意味において,衣と食とを一つの単元にまとめて,これを健康の,維持増進という面から学習の対象とするところに,この単元の設定の趣旨が存するのである。
内容とするところは,われわれが健康を保ち進めるには,適当な食物と衣服とを選ばなければならないことを科学的に調べ,さらに衣服や食物に関する知識を日常生活に応用する能力と習慣を養うことなどにある。
指導にあたっては,まず職業科・家庭科・保健体育科などの他教科との限界を明らかにし,さらにこれらの諸教科との関連をはかることが必要である。たとえば衣料の製造工程などについて深く立ち入るのは職業科に譲るべきであろう。要するに個人の健康の維持増進という点に主体を置き,これに関する科学的な考察・処理と知識の習得に重きを置きたい。
目 標
2.衣服の役割を科学的に理解する。
3.繊維の材料や製法についての知識を得る。
4.衣服や食物の保存のしかたについての知識を得る。
5.日常生活を科学的に,健康的にし,健康を保ち進める習慣を作ろうとする態度を養う。また健康を増進するためには,飲食物や衣服が重要な役割を持っていることを認識する。
6.自分たちの食生活や衣生活について,新しいものを利用したり作り出したりして,これを改善しようとする態度を養う。
7.日常生活を美しく幸福なものにしようとする態度を養う。
8.適切な衣服を選び,食物をじょうずにとる能力や習慣を養う。
9.統計表や図表,特に食物に関するものを読んで理解する技能を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
問 答 |
次のことについて問答をする。 a.どんなときにひどい飢えを感ずるか b.食物が不足すると,われわれの成長はどんなに影響を受けるか |
話合い |
次のような点について話し合う。 a.毎日食べている食物の材料の種類 b.おとなと若い人との食物の材料の種類と量の違い |
表の作製 |
上の話合いから,食物の材料の種類と量の表をつくる。 |
(2) どんな種類の食物が人体の成長に役だつか。また,それらの食物はおもにどんな成分からできているか
研究と発表 |
教科書や参考書を使って,次のようなことを調べて発表する。 a.人体はおもにどんな種類の物質からできているか b.人体の成長とたんぱく質の役割 c.たんぱく質はどんな食物の材料に多く含まれているか |
教師または代表の生徒の実験 |
卵白や小麦粉を用いて食物の中にたんぱく質のあることを見いだす実験をする。 |
研究 |
郷土の食物の中から,たんぱく質をたくさん含んでいる食物の材料にどんなものがあるかを調べる。 |
(3) どんな食物がどのようにして人体内でエネルギーを発生するか。また,それらの食物はおもにどんな成分からできているか
問 答 |
単元Ⅰの学習を思い出させるために,人体内のエネルギー発生の機構と構造について問答をする。 |
研究と発表 |
教科書や参考書を用いて,次のことを調べて発表する。 a.どんな種類の物質が人体内でエネルギーを発生するために用いられるか b.どんな食物の材料の中に,炭水化物や脂肪がたくさん含まれているか |
教師または代表の生徒の実験 |
次のような実験を示す。 a.ヨードヨードカリ液を加えて,食物の中にでんぷんのあることを実験する b.いろいろな食物の材料のでんぷん粒を顕微鏡で見る c.適当な反応によって,糖類や脂肪を見つけ出す実験をする |
表の作製 |
次のようなことを説明する表をつくる。 a.炭水化物と脂肪のおもな特性 b.郷土の食物の中で,炭水化物や脂肪を供給するために用いられているおもな食品 |
(4) どんな食物がどのようにして人体内の機能の調節を行っているか
問 答 |
予備知識を調べるために次のことについて問答をする。 食事に,次のようなものを食べるように勧められるのはどうしてか。 a.食塩 b.ミルクや小魚 c.新鮮な野菜 d.にんじん |
教師の説明 |
カルシウム,塩化ナトリウムなどの無機質やビタミンが人体の機能を調節するのに必要なことを,それらのものが欠除している食物で動物を飼育する動物実験の絵や表を用いて説明する。 |
研 究 |
食品分析表から,ビタミンやからだにたいせつな無機質を含んでいる食物の材料を選び出す。 |
表の作製 |
毎日食べている食物のどんな材料の中にどんな種類のビタミンや無機質があるかを調べ,上の研究をもとにして表をつくる。 |
2.健康を保特するには,どれだけ食べたらよいか
問 答 |
a.食事のとき,食物の量をどのようにして決めているかについて問答をする。空腹とか満腹とかいう感じで食物の量を決めることは科学的であり衛生的であるかどうかについて,さらに問答をする。 b.食物の量は労働の激しさにも関係することについて問答する。 |
計 画 |
日々の食物の量や労働による食物の量の増減を,およそ測る計画をたてる。 |
教師の説明 |
絵や説明図を用いて,次のことを説明する。 a.栄養の量はカロリーで表わされること b.休息時や睡眠時に必要な熱量 c.労働による必要熱量の増加 |
まとめ |
ノートにこれまでの学習の概要をまとめる。 |
(2) からだの健康を保ち進めるためには,炭水化物・たんぱく質・脂肪・ビタミン・塩分などをどれだけとったらよいか
計 算 |
次の計算をする。 a.毎日の食事の総熱量 b.毎日の食事の中に含まれている炭水化物・たんぱく質・脂肪・ビタミン・塩分などのだいたいの量(食品分析表などを用いて) |
研 究 |
からだの健康を保ち進めるために炭水化物,脂肪・たんぱく質・ビタミン・塩分・水などをどれだけとったらよいかを資料により調べる。 |
話合い |
次のことを話し合う。 a.自分たちの毎日の食物の中に,炭水化物・たんぱく質・脂肪・ビタミン・塩分が適当に含まれているかどうか b.もし,含まれていないならば,毎日の食事の計画をどのように改善したらよいか |
(3) われわれはなぜ食事の均衡をはからなければならないか。また,食物の価値を減じたり失ったりしないためには,どのように献立をつくり,料理したらよいか
講 義 |
スライド・写真・絵などを用いて次のことを説明する。 a.炭水化物・たんぱく質・脂肪が多すぎたり,少なすぎたりするために体格上,身体の機能上に起る欠陥 b.人体に必要なアミノ酸の種類と栄養価の高いたんぱく質や栄養価の低いたんぱく質の種類 c.ビタミンの熱や水に対する抵抗力 |
話合いと計画 |
均衡のとれた食事の必要について話合い,均衡のとれた食事のいくつかの例をつくる。 |
研究と話合い |
教科書や参考書によって次のことを調べて話し合う。 a.消化しにくい食物を,消化しやすくするためのくふう(豆腐やみそなどのようなもの) b.ビタミンを含んでいる食物のよい料理法 |
整 理 |
これまでの学習の概要をノートにかく。 |
(4) われわれは毎日の食事をどのように改善したらよいか。また,未利用の食物をどのように利用したらよいか
研 究 |
a.各家庭の献立表がいろいろな栄養素の必要量を含むように計画されているかどうかを研究する。 b.使用されないで捨てられている食品の中には,どのくらいの栄養が含まれているかを研究する。(たとえば大根の葉や魚の骨) |
話合い |
次のようなことについて話し合う。 a.自分たちの献立表をどのように改善したらよいか b.自分の家庭や郷土の家庭の食事の作法や習慣をどのように改善したらよいか c.未利用の食物を利用するために料理法をどう改善したらよいか |
教師の説明 |
次のことについて説明をする。 a.日本人の食事の特徴 b.日本人の食事の共通の欠陥 c.日本人の食事の改善法 |
3.必要な栄養がいつでも手にはいるようにするためには,どうしたらよいか
話合い |
これまでの経験をもとにして,次のようなことを話し合う。 a.食品の貯蔵の重要性 b.必要な栄養がいつでも得られるようにしばしば貯わえられる食品の種類 |
教師の説明 |
穀物を貯蔵する方法と過程をスライド・写真・模型などを用いて説明する。 |
見 学 |
郷土の穀物貯蔵の倉庫や研究所を見学し,専門家から話を聞く。 |
整 理 |
ノートにこれまでの学習の摘要を書く。 |
(2) 野菜を季節はずれに栽培するにはどうしたらよいか
問 答 |
季節はずれにとれる野菜の種類について問答をする。 |
教師の説明 |
季節はずれに野菜を栽培するにはどうしたらよいかをスライド・絵などを用いて説明する。 |
見 学 |
近くの農家を見学し,野菜を季節はずれに栽培するためにどのような栽培法が行われているかを調べ,結果を発表する。 |
報 告 |
見学の結果を整理して報告書を提出する。 |
(3) 食物はなぜ腐敗するか。また,腐った食物は健康をどのようにそこねるか
問 答 |
次のことについて問答をする。 a.どんな条件のときに食物は腐敗しやすいか b.どんな種類の食物が腐敗しやすいか |
研 究 |
教科書や参考書によって次のことを調べる。 a.食物を腐敗させる細菌の働きと種類 b.腐敗した食物の健康に対する害 |
実 験 |
次のような実験の計画をたて,実施する。 a.どんな条件のときに食物は腐敗しやすいか b.食物を腐敗させる細菌はどんな方法で伝わり広がっていくか |
報 告 |
実験の結果を報告する。 |
(4) 家庭や社会では,どんな方法で食物を保存しているか。また,その方法はなぜ食物の腐敗防止に役だつか
話合い |
これまでの経験を思い出しながら次のことを話し合う。 a.食物の腐敗を防止するためにどんな保存法があるか b.食物の腐敗防止のために,そのような方法が用いられるのはなぜか |
スライドまたは見学 |
スライドなどの視覚教具によって,食品貯蔵の工場や研究所の様子を見る。または見学して専門家の話を聞く。 |
研 究 |
各家庭・学校・社会の台所・食事部屋・献立表を調査し,どのように改善すべきかを見いだす。 |
4.衣服は体温の保持にどんなにたいせつか
話合い |
冬に用いられている衣服の材料・色・織り方・型などについて,話し合う。 |
実 験 |
綿布・人絹布・羊毛製品で包んだ各のびんに湯を入れ,風通しのよい所に置き,温度の下がり方を測ってそれぞれその布の熱の保特力を比較する。 |
説 明 |
図や表を用いて上の実験の結果を説明する。 いくつかの例によって,衣服が空気を含み,空気の移動を妨げていると,熱の逃げるのを防ぐのに役だつことを説明し,教師は必要事項をつけ加える。 |
実 験 |
白布と黒布を用いて,ふく射熱の吸収のしかたを調べる装置をくふうし,実際に調べてみる。 |
報 告 |
上の実験の結果を報告する。 |
教師の説明 |
ふく射熱の吸収について説明する。 |
研究と報告 |
防水布の種類を研究する。 |
(2) 衣服はどのようにして熱や日光を防ぐか
話合い |
夏に用いられる衣服の材料・色・型などについて話し合う。 夏にはなぜそのような衣服が用いられるかを話し合う。 |
研究と話合い |
教科書や参考書によって,夏の着物をどのように改良したらよいか研究し,その結果を話し合う。 |
(3) 気候の変化につれて,どのように衣服を選べば皮膚のはたらきを盛んにすることができるか
問 答 |
異った気候のもとで,どんな型のどんな種類の衣服が用いられているかについて問答する。 |
教師の説明 |
体温を調節するための皮膚の機能を説明する。 |
研究と発表 |
次のような条件のもとで,どのような衣服を選ぶべきかを研究し,発表する。 a.高温・多湿のとき b.低温のとき c.低温で風の強いとき |
研究と報告 |
郷土の自然環境の下で衣服をどのように改良すべきかを参考資料により研究し,報告する。 |
5.衣服はどのように取り扱ったらよいか
話合い |
a.衣服がよごれる原因について話し合う。 b.よごれた衣服の悪い影響について,経験をもとにして話し合う。 |
教師の説明 |
よごれた衣服の悪影響(たとえば,徴生物の繁殖・シラミおよびそれによる病気の媒介など。また,皮膚の機能を妨げることなど)や,きれいな衣服がどうして健康によい影響を与えるかについて説明する。 |
(2) 衣服はどんな方法で洗たくするか。また,それらの方法でなぜ衣服が清潔になるか
話合い |
次のことを話し合う。 a.われわれの家庭ではどんな方法で洗たくをしているか b.われわれの家庭ではどんな洗剤を用いているか |
実験と話合い |
せっけんや洗たくソーダの作用を調べるために,次の実験を行い,その結果について話し合う。 a.せっけん水の油に対する作用 b.洗たくソーダの油に対する作用 |
話合い |
各家庭で行われている衣服の漂白方法やしみ抜きの方法について話し合う。 |
研究と発表 |
参考資料によって次のことを調べ,発表する。 a.漂白の方法,漂白の機構,油・インク・ペンキなどのしみ抜きの方法 b.衣服の異なった型や衣服の材料の種類によって,洗たくのしかたをどう変えたらよいか |
話合い |
衣服をきれいにする方法をどのように改良すべきかについて話し合う。 |
(3) 衣服を害するこん虫にはどんなものがいるか。また,その害を防ぐにはどうしたらよいか
話合い |
衣服に対するこん虫の害につき経験をもとにして話し合う。 |
研究と発表 |
衣服を害するこん虫の種類とその生活状態を教科書や参考書によって研究し,発表する。 |
観 察 |
衣服を害する虫,および害された衣服を観察する。 |
話合い |
衣服をこん虫の害から防ぐのにどんな方法を用いているかを話し合う。 |
研究と話合い |
こん虫の衣服に対する害を防ぐ方法を研究し,それについて話し合う。 |
6.衣服は何からどのようにして作るか
話合い |
衣服にはどんな材料が用いられているかをこれまでの経験をもとにして話し合う。 |
研究と発表 |
教科書や参考資料によって,つぎのことを研究し,発表する。 a.衣服に用いられている材料の種類 b.衣服に利用される材料の歴史 c.どんな材料が衣服の繊維に適するか |
実験と話合い |
繊維の種類を見分ける実験を計画して行い,その結果について話し合う。 |
収集と話合い |
布きれを収集し,その材料の種類と長所短所について話し合う。 |
(2) どんな種類の植物が織物の材料に使われるか
話合い |
どんな種類の植物が織物の材料に使われているかをこれまでの経験をもとにして話し合う。 |
研究と発表,教師の説明 |
前のことをさらに細かく参考資料などで研究し,それについて話合い,教師が補足的な説明をする。 |
観 察 |
いろいろの植物性繊維を観察し,その性質を調べる。 |
教師の説明 |
表・写真・絵・スライドなどを用いて次のことを説明する。 a.織物に利用される植物の産地と成長のしかた b.植物のどんな部分がどのようにして織物の繊維になるか |
(3) どんな種類の動物が織物の材料に使われるか
話合い |
織物の材料に利用されている動物の種類について話し合う。 |
研究と話合い,教師の説明 |
前の問題をさらに細かく研究し,それについて話し合い,教師が補足的説明をする。 |
観 察 |
いろいろの動物性繊維を観察し,その特性を調べる。 |
教師の説明 |
表・絵・写真・スライドなどを用いて,次のことを説明する。 a.織物の材料に利用される動物の産地や成長のしかたなど b.動物のどんな部分がどのようにして衣料繊維に利用されるか |
飼育と観察,報告 |
蚕を飼育し,その成長を観察し,報告書を作る。 |
(4) 人造あるいは合成繊維はどのようにしてつくられるか
展 示 |
各種の人造あるいは合成繊維の製品を展示する。 |
研究と話合い |
人造繊維や合成繊維の種類を研究して話し合う。 |
教師の説明 |
表・スライド・写真・絵などを用いて次のことについて説明する。 a.レイヨン・ステープルファイバーなどの人造繊維の製造過程 b.ナイロン・ビニロンなどの合成繊維の製造過程 c.人造繊維や合成繊維の特徴 |
観察と実験,話合い |
各種の人造繊維や合成繊維の特性を観察・実験し,その結果について話し合う。 |
見学と話合い |
人造繊維や合成繊維の製造工場を見学する計画をたて,見学の結果について話し合う。 |
(5) それぞれの材料でつくった織物にはどんな特徴があるか
収集と観察 |
いろいろの種類の織物を収集し,それぞれの間の違いを観察する。 |
教師の説明 |
絵・写真・スライドを用いて次のことを説明する。 a.布の織り方の基本的な型 b.いろいろの織物の織り方の特徴や方法 c.編み物の編み方と特徴 d.糸のつむぎ方 |
観察と話合い |
虫めがねや顕微鏡でいろいろの織物を観察し,その特徴について話し合う。 |
見学と報告 |
織物工場を見学し,報告書を書く。 |
討 議 |
天然繊維と合成繊維の優劣について討議をする。 |
(6) 織物はどのようにして染められるか
話合い |
染め物の経験や染める目的について話し合う。 |
教師の実験と説明 |
織物の染め方やその特徴および染料の種類について実験しながら説明する。(酸性染料・塩基性染料・直接染料・媒染染料・バット染料と硫化染料など) |
実験と展示 |
植物性繊維・動物性繊維・人造繊維の染色の実験を行い,その結果について話合い,染めたものを展示する。 |
単元Ⅲ 家を健康によく安全で便利なものにするにはどうしたらよいか
要 旨
家はわれわれの生活にとって基本的に必要な衣食住の一つである。大昔の人々でもすまいをもっていたし,現在極寒地に住む人々はいうまでもなく,年中ほとんど裸で生活する熱帯地方の人々でもすまいをもっている。それらのすまいは,土地の習慣・気候などの地域的な環境に支配されて,それぞれ特有な形や構造になっている。文化の進むにつれて生活様式はしだいに変り,建築に関する学問・技術も進歩し,また幾多の災害の経験から建築の方法も改良され,安全で住みよい家になってきた。けれども,多くの人はまだ自分の家に種々の欠点を感じており,また天災や火災などの災害を受けるごとに,もっと安全で住みよい家を望まぬものはない。
われわれは一日の多くの時間を家で過ごしており,それだけに家の作り方は健康や仕事の能率に大きな影響をもっている。したがって,いたずらに古いしきたりや迷信にこだわらずに,健康で安全で便利な家を作って生活の合理化を図ることがたいせつである。ことに家は一度作ってしまえば容易に変えることができないだけに建築の専門家だけに任せず,ひとりひとりが家についてもっと深い理解と関心をもつと同時に,現在の家をいっそう住みよくするためにくふうし改善するようにしたいものである。
この単元では,家と健康との関係,建築の材料,家の間取りと施設,災害防止などに関する基礎的な事項について学習し,家をいっそうよりよいものにするために必要な知識や能力,態度などを伸ばすことをめざしている。
目 標
2.家が健康と深い関係のあることを理解する。
3.家を健康によく安全で便利なものにするために,くふう改善する能力や態度を養う。
4.どんな家が健康に適するかを判断する能力を養う。
5.家に関する迷信を科学によって正す態度や能力を養う。
6.科学的な事実や原理を家の改善に応用する能力を伸ばす。
7.家についての専門家の意見や新しい考えをとり入れる態度を養う。
8.家を災害から守る態度や能力や習慣を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
話合い |
家はどんな役めをするか。また,家は健康とどんな関係があるかについて話し合う。 |
調査と討議 |
郷土について家がどんな場所にたてられているかを調べ,その場所が健康上よいかどうかを話し合う。 |
教師の説明 |
住宅を建てる場所を選ぶにはどんな条件を考えたらよいか(たとえば地形・土質・用水・交通・安全など)について説明する。 |
研究と発表 |
a.郷土について健康上特に良い場所や悪い場所を調べて発表する。 b.現在すんでいる場所を改良するにはどうしたらよいかを各自の家について調べて発表する。 |
(2) 日当りをよくするにはどのように建てたらよいか
話合い |
日当りの良い家はなぜ健康によいかについて話し合う。 |
測定と話合い |
a.教室でどの室が日当りが良いか調べ,その理由について話し合う。 b.天気のよい日に南向きの室と北向きの室との気温を測り,その結果を話し合う。 |
作図による研究 |
げし・秋分・とうじ・春分の日の太陽の高さを調べ,日光の室内へのさし込み方を調べる。 |
話合い |
上の研究をもとにして日当りについて季節によってどんなくふうがいるかを話し合う。 |
観察による研究 |
日当りを考えてうまく建てられた家の絵やスライドを見てくふうされている点を調べる。 |
計画と発表 |
a.日当りの点で理想的な家を計画して発表する。 b.自分の家について適当な日光をうるためにどのように改善したらよいかを研究して報告する。 |
(3) 通風や換気をよくするにはどうしたらよいか
話合い |
通風や換気は健康上なぜたいせつかについて話し合う。 |
実験と観察 |
教室や自分の室で空気の動きや出入りのようすを煙で調べる。 |
研究と討議 |
次のことを調べて討議する。 a.通風や換気をよくするにはどんなくふうがいるか b.日本の住宅は通風・換気の点でどんな特徴をもっているか c.冬季や夏季における室内の温度と換気との関係について |
教師の説明 |
次のことについて説明する。 a.冬季や夏季の季節風と家の向きや窓の位置との関係 b.映画館やビルディングなどでは通風・換気にどんなくふうがなされているか |
研究と報告 |
自分の家を通風・換気の点から調べ,欠点やそれを改良する方法などについて報告する。 |
(4) 室内を明るくするにはどうしたらよいか
話合い |
室内を明るくすることは健康や仕事の能率などの上からなぜたいせつかについて話し合う。 |
調査と話合い |
学校のいろいろな向きの室の明るさ,または同じ室内での明るさの違いなどを調べ,明るさに違いができる原因とそれを改善する方法について話し合う。 |
研究と報告 |
自分の家で最も採光の悪いところはどんなところか。またこれを改良するにはどうしたらよいかを調べて報告する。 |
問答と教師の説明 |
室の明るさと窓の大きさ・室の向き・ひさしの長さと傾斜・壁や天井の色・間取り・庭木などとの関係について問答や説明をする。 |
2.健康によくじょうぶな家を建てるには,どんな材料を用いたらよいか
話合い |
家にはどのような材料が用いられているかをあげこれを種類分けにしてみる。 |
問 答 |
次のことについて問答する。 a.屋根にはどんな材料が用いられているか b.郷土では屋根にどんな材料が多く使われているか。またそれはなぜか。 |
研究と発表 |
次の材料の造り方・じょうぶさ・保温・その他の性質をグループ別に調べて発表する。 a.トタン b.かわら c.スレート d.わら,その他 |
表の作製 |
屋根の材料の種類とその性質の一覧表を作る。 |
研究と討議 |
郷土の気候風土にはどんな材料が最も適しているかについて調べて討議する。 |
(2) 壁やしきりにはどんな材料を用いたらよいか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.自分の家の壁やしきりはどんな材料からできているか b.その他の材料にはどんなものがあるか |
研究と話合い |
a.壁やしきりに使われている材料について,保温・防湿・防火・じょうぶさなどの点から,その長所・短所を調べて話し合う。 b.障子とからかみの長所と短所について調べて話し合う。 |
教師の説明 |
壁の種類とそのつくり方について絵・写真などを用いて説明する。 |
(3) 床や天井にはどんな材料を用いたらよいか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.自分の家の床や天井にはどんな材料が使われているか b.洋間と日本間では床や天井の材料や作り方がどのように違うか c.畳にはどんな長所・短所があるか |
教師の説明 |
いろいろな材料について健康・じょうぶさ・防火・防音などとの関係を説明する。 |
研究と報告 |
各自の家の床や天井をいっそう健康的にするにはどんなくふうがいるかを調べて報告する。 |
(4) 柱や土台にはどんな材料を用いたらよいか
調査と話合い |
各自の家の柱や土台にはどんな材料が用いられているかを調べて話し合う。 |
実験と話合い |
厚紙・木・鉄板などを用いて圧力・張力などに対する材料の強さを実験し,結果について話し合う。 |
教師の説明 |
次のことについて説明する。 a.柱や土台に用いる材料の種類とそれらの特性について b.高層建築の骨組や土台について |
研究と報告 |
土台や柱の組立てや,それらに用いる材料をじょうぶにするためのくふうについて調べて報告する。 |
(5) かきねやへいを健康的でじょうぶにつくるにはどうしたらよいか
話合い |
かきねやへいの役めとその材料について話し合う。 |
研究と発表 |
いろいろなかきねやへいの写真・絵などを利用し,それらの種類・役め・長所・短所について調ベ,発表する。 |
話合いと教師の説明 |
次の問題について話合い教師が説明を加える。 a.美しいかきねやへいをつくるにはどうすればよいか b.かきねやへいの高さと家からの距離について c.郷土では家によってどんなかきねやへいが適切か |
表の作製 |
家の材料と種類とその特徴などについて一覧表を作る。 |
3.家は家族の健康と便利のためにどのように設計したらよいか
話合い |
各自の家庭の事情に適した健康と便利のために最もつごうのよい家をたてるには,どんなことを考えたらよいかについて話し合う。 |
研究と話合い |
郷土の家の様式を調べ,その様式が健康と便利のためにどんな長所・短所をもっているかを調べて話し合う。 |
研 究 |
日本や世界のいろいろの様式の家の絵はがき・写真などを集め,その特徴について話し合う。 |
討 議 |
洋風建築と和風建築の長所・短所について討議する。 |
話合いと教師の説明 |
郷土の家の様式の改良すべき点について話合い,教師が説明を加える。 |
(2) 家の間取りはどのようにしたら便利で健康的か
話合い |
間取りを決めるにはどんな点を考えなければならないかを話し合う。 |
調査と発表 |
a.自分の家ではだれがどんな室に何時間ぐらいいるかを調査して発表する。 b.自分の家では1日のうちで家の中をだれがどのように動くかを調べて発表する。 |
設計図の作製と発表 |
a.上の調査をもとにして自分の家族の健康と便利を考えた家の設計図をかいて発表する。 b.自分の家の間取りについてどんな点をどのように改良したらよいかを調べて発表する。 |
資料の収集と話合い |
いろいろな設計図を集め,それらの長所・短所について話し合う。 |
(3) 家の中にはどんな設備があったらよいか
研究と話合い |
次のことについてグループ別に調べて話し合う。 a.暖房設備にはどんな種類があるか。また,郷土ではどんな暖房が便利で健康によいか b.照明にはどんな種類があるか。また,室の照明はどのようにしたら能率的で健康によいか c.どのような便所が衛生的か |
話合いと教師の説明 |
台所にはどんな設備があったらよいか,またそれらをどのように配置したら能率的で便利かを話合い,教師が説明を加える。 |
教師の説明 |
写真・絵ハガキ・スライドなどを利用して近代的生活の室内の設備について説明する。 |
調査と報告 |
a.健康と便利のために自分の家の設備を実現可能な程度に改良するにはどうしたらよいかを報告する。 b.室内の設備について各自で理想案を考えて,その設計図を提出する。 |
4.健康増進のためには,屋外にどんな施設があったらよいか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.屋外の施設にはどんなものがあったらよいか b.家の庭はどんな役割をもっているか c.自分の家では庭をどんなことに使っているか |
研究と発表 |
グループ別に次の問題の一つを選んで研究し,発表する。 a.庭にはどんな木を植えたらよいか b.庭の広さはどのくらいあったらよいか c.庭を健康的にするにはほかにどんなことを考えたらよいか |
収集と観察(または見学) |
いろいろな種類の庭の絵や写真を集めて展示する。または近くの庭をたずねてみる。 |
研究と報告 |
自分の家の庭をもっと健康的で便利にするためにはどんな点を改良したらよいかを調べて報告書を出す。 |
(2) ごみや下水などの始末をどのようにしたらよいか
教師の説明 |
下水設備が整ったために伝染病が減少したことなどの実例によって,下水やごみなどの始末がたいせつであることを説明する。 |
観 察 |
a.肉眼・虫めがねまたは顕微鏡などで下水にはどんな有害な生物がいるかを調べる。 b.ごみ捨場のごみの中にどんな生物がいるかを調べる |
調査と話合い |
a.学校の下水やごみの始末はどのようになっているか調べ,改善すべき点について話し合う。 b.郷土では下水やごみをどのように処理しているかを調べ,改善すべき点について話し合う c.ごみ箱を観察し,ふたの必要なわけを話し合う。 |
研究と報告 |
自分の家ではごみや下水をどのように処理しているか,また,どんな点を改善したらよいかを調べて報告する。 |
見学または掛図,スライドの観察 |
汚水処分場を見学したり,掛図・スライドなどで調べる。 |
教師の説明 |
以上の調査・観察・見学をもとにして,ごみや下水はどのように処理するのがよいかをまとめて説明する。 |
(3) 衛生的な井戸や水槽はどのようにつくったらよいか
研究と話合い |
次のことについて調べて話し合う。 a.自分の家の井戸は下水や便所に対してどのような位置にあるか b.ポンプとつるべとはどちらが便利で健康的か c.どんな井戸が便利で健康的か |
教師または代表の生徒の実験 |
学校または近くの井戸水の性質を実験し,飲み水として適当かどうかを調べる。 |
調査と発表 |
グループで郷土の井戸を調べ,不良のものはその原因について調べて,発表する。 |
観察と話合い |
近くに水槽,(タンク)があったら見学し,その長所・短所について話し合う。 |
教師の説明 |
水槽の便利な点や,水を常にきれいに保つための注意などについて説明する。 |
研究と発表 |
今まで調べたもの以外に屋外にはどんな施設があったらよいかを調べて発表する。 |
5.家を災害から防ぐにはどのようにしたらよいか
話合い |
家に関する災害にはどんなものがあるか,また,郷土ではどんな災害が多いかについて話し合う。 |
調査と発表 |
次のことを調べて発表する。 a.自分の家では火を安全に使うためにどんなくふうがなされているか b.自分の家や学校などでは,火災を防ぐためにどのようなことがなされているか |
研究と発表と話合い |
グループで次の問題を調べて発表し,結果について話し合う。 a.火災を防ぐにはどんな建物が安全か b.火災を防ぐには場所や材料をどのように選んだらよいか c.火災予防に関する法規について |
見学と報告 |
防火建築の構造や材料について見学し,結果について報告書を出す。 |
研究と話合い |
次のことを資料によって調べて話し合う。 a.火災の回数と季節との関係 b.火災の原因の種類とその件数 c.家の種類や場所と火災の回数との関係 |
教師の説明 |
火災のときの処置と消火器の原理について説明する。 |
(2) 風水害を防ぐには家をどのように建てたらよいか
研究と話合い |
a.風害や水害の多い季節はいつごろか,またどの地方に多いかを調べて話し合う。 b.風害や水害を防ぐために郷土ではどんなくふうがなされているか,また家ではどのようなくふうがなされているかを調べて話し合う。 |
教師の説明 |
水害を防ぐためには家の建て方や場所の選定にどんな考慮がいるか,また,風害を防ぐためには家の建て方や風よけなどをどのようにしたらよいかについて説明する。 |
研究と報告 |
自分の家は風水害の防止に対してどのような欠点をもっているか,また,それをどのように改善したらよいか調べて報告書を出す。 |
(3) 地震の損害を少なくするには家をどのように建てたらよいか
資料による研究 |
過去の地震の資料をもとにして次のことを調べる。 a.過去の大きな地震とその被害の程度 b.地震の時に倒れやすい家と倒れにくい家とはどんな点が違うか c.地盤の性質と地震の損害との関係 |
話合い |
上の結果をもとにして,どうしたら地震の損害を少なくすることができるかを話し合う。 |
研究と発表 |
グループで次の問題の一つを選んで調べ,結果を発表する。 a.すじかいのはたらき b.ほおづえとひうちのはたらき c.コンクリート造り・石造り・モルタル造りなどの家の地震に対する長所・短所 |
研究と報告 |
自分の家が地震に対してどのようなくふうがなされているかを調べて報告する。 |
(4) 雪国では家にどんなくふうがいるか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.わが国ではどの地方に雪が多いか。雪によってどんな被害を受けるか b.雪国の冬の室内の生活について |
写真・絵・スライドなどによる話合い |
雪国の建物の写真・絵・スライドなどを見て,(または実際の建物を見て)どんな特徴があるかを話し合う。 |
研究と話合い |
次のことを調べて話し合う。 a.雪国では家についてどのようなくふうがなされているか b.雪国の生活をいっそうよくするためには家の形・窓の高さ・屋根の材料と傾斜などをどのように改善したらよいか |
研究と発表 |
次のことについて調べて発表する。 a.防雪林の役め b.凍上の害 c.郷土と雪の関係 |
(5) その他の災害を防ぐには,家にどんなくふうをしたらよいか
調査と話合い |
今までに調べたもの以外に家の害にはどんなものがあるか,またそれらの災害について郷土ではどんな防止の方法がとられているかを調べて話し合う。 |
研究と発表または教師の説明 |
次のような災害やその防ぎ方についてグループで研究して発表する。または教師が説明する。 a.津波 b.崖くずれや地すべり c.雷 d.白あり,その他の生物 |
まとめの報告 |
今までに学習した結果をもとにして,自分の家をいろいろな点から研究し,今後改善したいと思う点を書いて提出する。 |
単元Ⅳ 熱や光は近代生活にどのように利用されているか
要 旨
熱や光は冬の暖房・夜の照明・毎日の食事の調理など,われわれの家庭生活になくてはならぬものである。また,工場で種々の機械が動いて生活に必要ないろいろな製品ができるのも,各種の交通機関が動くのも,その多くは熱や光の恩恵である。このほかわれわれは生活のあらゆる面で熱や光と密接な関係をもっており,ことに現代ではその利用がいっそう拡大され,それに伴って生活もしだいに合理化され,便利になってきた。
しかし,われわれの熱や光の利用のしかたはじゅうぶんとはいえず,むだも多く,今後改善しなければならぬ点が少なくない。したがって生活をいっそうよりよいものにするためには,熱や光の性質やその利用法をよく理解し,その知識を実生活に応用する能力を得ることがたいせつである。
この単元では熱や光の性質,燃料の種類と利用法,温度の違いによる物質の状態の変化,および近代生活における熱や光の利用面などについて理解し,さらに熱や光に関する現象を数量的に取り扱って正しい結論に導く能力や,熱や光をよりよく実生活に利用する能力・態度などを養うことを目ざしている。
目 標
2.熱や光が人生にどのように利用されているかを理解する。
3.燃料の種類や使い方について理解する。
4.物の状態の変化と熱との関係について理解する。
5.熱の伝わり方を理解し,それを実生活に応用する能力を養う。
6.熱や光に関する現象を数量的に観察し,正確に判断する能力を伸ばす。
7.熱や光に関する原理を実生活に応用する能力を伸ばす。
8.熱や光に関する現象に興味をもち,それらの現象を注意深く観察する態度を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
話合い |
熱と光が人類に与える恩恵や燃料の種類について話し合う。 |
研究と発表 |
次のことについて調べて発表する。 a.家庭燃料の種類とその特徴 b.主として家庭以外で用いられている燃料の種類とその特徴 |
教師の説明 |
次のことについて図表・スライドを用いて説明する。 a.各種の燃料の産地・製法・輸送経路など b.固体・液体・気体燃料の特徴・発熱量・用途 |
図表の作製 |
グループにより燃料の種類・発熱量・生産法・輸送経路・性質・用途などを調べて図表を作る。 |
(2) 物をよく燃やすにはどうすればよいか
話合い |
燃やし方についての過去の経験を自由に話し合う。 |
グループまたは教師の実験 |
グループによる実験または教師の演示により次のことを確かめる。 a.ものが燃えるには新しい空気が必要なこと b.ものが燃え出すには発火点以上に熱することが必要なこと c.発火点は物質によって異なること |
観察と話合い |
グループで次のことについて観察して話し合う。 a.ストーブ・コンロ・かまど・ガスバーナーなどの構造とこれらの有効な使用法 b.煙突の原理 |
問 答 |
問答により次の事がらを理解する。 a.消火の原理 b.燃料の経済的な使い方 |
(3) ものが燃えると何ができるか
グループまたは教師の実験 |
a.元素(いおう・りん・炭素・マグネシウムなど)を集気びん中で燃やしてその生成物を調べる。 b.これらの生成物についてリトマスおよび石灰水に対する反応を見る。 c.別な集気びん中で化合物(ろうそく・紙など)を燃やしてその生成物を調べる。 d.閉じたびん中でりんを燃やすことなどで,ものが燃えると空気中の酸素がなくなることを確かめる。 また,空気の組成は体積でほぼ酸素1/5,窒素4/5であることを確かめる。 e.マグネシウムをるつぼ内で燃やしてその目方のふえることを見る。 f.ろうそく・ガスバーナーの炎の構造を調べる |
問 答 |
問答により燃焼とはどんなことかを明らかにする。 |
(4) 燃焼以外に熱が出るのはどんなときか
話合い |
燃焼以外に熱の出る場合について自由に話し合う。 |
グループまたは代表の生徒の実験 |
実験によって次のことをたしかめる。 a.電流により熱が出ること b.摩擦によって熱が出ること c.濃硫酸をうすめたり,かせいソーダを水に溶かすとき熱が出ること d.発酵や生物の呼吸によって熱が出ること |
講 義 |
太陽の熱源について説明する。 |
話合い |
上の実験の結果や,燃焼以外の方法によって出る熱の利用などについて話し合う。 |
(5) 熱量の単位はどのようにして決めるか
問 答 |
a.熱の意味や熱と温度のちがいについて問答する。 b.食品や燃料の発熱量の意味について復習する |
講義と演習 |
カロリーの決め方について講義をし,これに関する計算問題を演習する。 |
(6) 高温や低温を得るにはどうすればよいか
話合い |
高温や低温はどんな時に必要であるかを自由に話し合う。 |
説 明 |
鉄のよう接や融点の高い金属をとかす方法について図表を用いて説明する。 |
グループまたは代表の生徒の実験 |
グループまたは代表の生徒でテルミットの実験を行い,結果について話し合う。 |
問 答 |
問答によりアイスクリームのつくり方について,材料・冷却法・保存法などを明らかにする。 |
講 義 |
絵・写真・スライドなどを用いて次のことを講義する。 a.寒剤の種類と冷凍温度の限界 b.人造製氷の原理 |
見学と報告 |
製氷工場または冷凍工場などが近くにあったら見学し,報告書を提出する。 |
2.熱はどのようにして伝わるか
話合い |
熱を伝えやすいものと伝えにくいものについて話し合う。 |
実 験 |
a.各種の金属の熱伝導を比較する。 b.金属と非金属の熱伝導の違いを調べる。 |
図表の作製 |
上の実験や他の資料をもとにして,いろいろな物質の熱伝導を示す図表を作る。 |
研究と話合い |
熱伝導度の違いが生活に利用されている例について研究して話し合う。 |
(2) 湯はどのようにしてわくか
問 答 |
問答により熱の移り方にいろいろな場合のあることを明らかにする。 |
実 験 |
a.おがくずや紙片を用いて水の対流を示す実験を行い,対流のしかたについて話し合う。 b.水は熱を伝えにくいことを確かめる。 |
問 答 |
空気も対流によって暖まることを問答によって理解する。 |
話合い |
ふろのじょうずなわかし方・部屋の換気のしかたについて話し合う。 |
模型の作製 |
グループまたは各自で対流によって動くおもちゃをくふうして作る。(たとえは風車・回りどうろうなど。) |
(3) 太陽の熱はどのようにして地球に達するか。また,太陽の熱をいっそう利用するにはどうしたらよいか
観察と実験 |
グループで次の実験や観察を行い,その結果を話し合う。 a.日かげと日向の温度を計りその違いをみる b.黒く塗った温度計が太陽の熱をよく吸収することを観察する c.凸レンズで太陽の熱を集める。 d.ふく射計があれば実験してその原理を理解する |
話合い |
上の実験・観察の結果から熱はふく射により移ること,およびふく射熱の性質について話し合う。 |
問 答 |
問答によりひばちやストーブの熱はふく射熱によっても伝わることを理解する。 |
話合い |
次のことについて話し合う。 a.防寒・防暑の設備とその改良 b.ふとん・畳を干すことの効果 c.温室の原理 d.太陽の熱をよく利用する方法 |
(4) 温度を一定に保つにはどうすればよいか
話合い |
どんな場合に温度を一定に保つ必要があるかを話し合う。 |
実 験 |
綿や空気が温度の変化を防ぐに役だつことを実験し,その理由について話し合う。 |
研究と発表 |
グループで次の問題の一つを研究して発表し,教師の説明を加える。 a.まほうびんの構造と原理 b.冷蔵庫の構造と原理 c.氷室の構造やいもの貯蔵法など |
講 義 |
恒温槽・バイメタル恒温器の構造と,原理について説明する。 |
(5) 温度の上がり方は物によってどんなに違うか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.夏の海岸で砂地と海水の温度の違うわけ b.海風・陸風・朝なぎ・夕なぎの起るわけ |
実 験 |
いろいろな金属の冷え方・暖まり方の速さの違いを調べる。(たとえば重さの等しい金属球を,同温度に暖めこれらがパラフィンをとかす量が違うことを実験する。) |
教師の説明 |
次のことを説明する。 a.比熱の意味とその決め方 b.熱容量 |
図表の作製 |
種々の物質の比熱を調べて図表を作る。 |
話合い |
湯たんぽなど比熱の大小を利用した物について話し合う。 |
3.熱はどのように役だつか
話合い |
物を熱するとどんな変化が起るかを話し合う。 |
実験と観察 |
a.固体は熱することにより長さも体積も膨脹することを実験によって確かめる。 b.鉄橋やレールの膨脹・収縮に対するくふうを観察する。 |
図表の作製 |
参考書などにより種々の物質の線膨脹係数を調べて表を作る。 |
グループによる実験と教師の説明 |
a.液体の膨脹の実験をする。 b.教師は見かけの膨脹の説明をする。 c.気体の膨脹の実験をし気体の膨脹率の測定をする。 d.教師は気体の体積は温度と圧力とによって変ることを説明する。 |
研究と報告 |
膨脹を利用した器械について調べ報告書を作る。 |
図表の作製 |
いろいろな物質について沸点と融点を調べて表を作る。 |
教師の説明 |
融解熱と気化熱について説朋をする。 |
研究と発表 |
気化熱と融解熱の利用について調べて発表する。 |
(2) 家庭では熱をどのように利用しているか
研究と話合い |
グループで次の問題の一つを選んで調べ,発表や話合いをする。 a.食物の調理と熱のはたらき(栄養価・殺虫・殺菌・食物の味などに及ぼす影響など) b.衣服と熱の関係(洗たく・乾燥・アイロン・染色など) c.住居と熱との関係(暖房・冷房・日当り・ふろなど) d.その他家庭で利用している熱について |
問 答 |
家庭以外で利用される熱の概要について問答する。 |
(3) 生物の生活や物質の変化は,温度によってどんなに違うか
話合い |
生物の分布と気温との関係について話し合う。 |
実験またはグループによる研究 |
a.甘酒・水あめ・パンなどをつくって,酵母菌や乳酸菌の働く適温を理解する。 b.カビや微生物の繁殖と温度・湿度の関係を調べる。 |
教師の説明 |
次のことについて説明する。 a.物質の変化と温度との関係 b.化学変化や触媒のはたらきと温度との関係 |
4.光にはどのような性質があるか
話合い |
光はどんな場合に出るかを話し合う。 |
実験または観察 |
a.電燈・ろうそく・石油ランプ・アーク燈の光を観察し,それぞれの光の特徴を話し合う。 b.誘導コイルの火花を観察する。 c.蛍光燈の光を普通の電燈の光と比較してその特徴を話し合う。 |
研究と発表 |
次のことを調べて発表する。 a.固体の温度と光の色との関係 b.蛍光・燐光を発する物質や生物 |
分類と図表の作製 |
今までの学習をもとにして光の出る場合を分類して表を作る。 |
実験と教師の説明 |
a.光度計を用いて,光度が光源からの距離の自乗に反比例することを理解する。 b.照度について説明する。 |
(2) 太陽の光はどのようにして地球に達するか
話合い |
太陽の光の進み方について話し合う。 |
実験と観察・教師の説明 |
a.光の直進を説明するいろいろな実験を行う。 b.いろいろな方法で影を作って観察する。 |
研究と発表 |
光の速度を測定するために昔の科学者の行った研究や業績などについて調べて発表する。 |
教師の説明 |
次のことについて説明する。 a.光の速度とその測定法 b.光波と音波との進み方の違い |
(3) 鏡はどのようにして物を写すか
観察と話合い |
鏡を用いて平鏡面に映る像についてその特徴を話し合う。 |
実験と観察 |
a.紙や針などを用いて平面鏡による光の反射の径路を観察し反射の法則を見いだす。 b.乱反射についての実験や観察をする。 c.鏡以外の物体による反射を観察する。 |
教師の説明 |
虚像について説明する。 |
作 図 |
平面鏡によって像のできる径路を作図する。 |
実験と研究 |
a.鏡を作る。 b.鏡の変遷の歴史を研究して発表する。 c.平面鏡を作用している事がらを研究し,また新しい利用法を考案して報告書を書く。 |
(4) 凹(おう)面鏡や凸(とつ)面鏡はどのような像を作るか
実験と観察 |
a.凹面鏡を用いて実像および虚像を作ってみる。 b.鏡と実物との距離や像の大きさと鏡からの距離に数量的な関係のあることを見いだす。 c.凹面鏡の焦点を見つけ出す。 d.実像と虚像のできる場合を研究する。 |
作 図 |
凹面鏡により像のできる場合の光の径路を作図する。 |
実験と観察 |
凸面鏡の作る像につき凹面鏡の場合と同様な実験・観察・作図などをする。 |
研究と話合い |
平面鏡・凸面鏡・凹面鏡の間の違いについて調べて話し合う。 |
研究と発表 |
凹面鏡・凸面鏡の利用について調べて発表する。 |
(5) レンズはどのようにして像を作るか
観察と話合い |
凹・凸レンズを使って次のことを観察し,話し合う。 a.凸レンズと凹レンズの作る像について b.レンズの種類とその利用 |
実験と観察 |
a.両種のレンズの曲率と焦点距離との関係を研究する。 b.レンズと実物との距離を変えることにより像の位置および大きさが変化することを観察し,その間の数量関係を調べる。 |
教師の説明と生徒の作図 |
レンズによって像のできるまでの光の径路について説明し,図をかく。 |
問 答 |
レンズのはたらきと利用を問答により理解する。 |
(6) 光がプリズムを通るとどうなるか
話合い |
光の屈折について話し合う。 |
観察と実験 |
a.プリズムを通った光の屈折状態を観察する。(紙と針を用いて光の通路をたどる。) b.厚いガラス板を通った光の屈折状態を同様にして観察する。 c.水中の物体または半ば水につかった棒などの見える状態を観察する。 |
研究と教師の説明 |
いろいろな物質の光の屈折率を調べ,教師が説明する。 |
実験と観察 |
a.直角プリズムを用いて,全反射によってできた像を観察する。 b.光学水槽などを用いて全反射の実験をし,その原理について話し合う。 c.フラスコその他の器具や装置を用いて全反射の起ることを調べる。 |
講 義 |
次のことを講義する。 a.全反射の原理と臨界角 b.いろいろな物質の臨界角 |
問 答 |
ダイアモンドがよく光る理由や全反射プリズムを利用した器械について問答する。 |
実験・観察と教師の説明 |
a.プリズムを通った後の日光の分散について実験する。 b.スペクトルを色ガラスを通して観察し,透明体の色の生ずるわけを考える。教師が説明を加える。 c.スペクトルを色紙に当てて観察し,不透明体の色の生ずるわけを考え,教師が説明する。 |
観察と教師の説明 |
次のことを観察し,教師が説明を加え。 a.白色光と単色光 b.色光と波長との関係 c.物体の色 d.絵の具の混合によって生ずる色 |
5.光はどのように役だつか
話合い |
次のことを話し合う。 a.太陽の光はわれわれの健康にどのようにたいせつか b.日光にはどんなはたらきがあるか |
教師の説明 |
太陽のふく射線(可視光線・紫外線・赤外線)とその性質を説明する。 |
研究と話合い |
日光と健康との関係につき次のような事がらをとりあげて話し合う。 a.日光浴・サンルーム・くる病 b.日光消毒 c.太陽燈 d.日光に対する眼や皮膚の保護 |
観察と計画 |
a.健康に適する明るさを調べる。 b.理想的な室内の照明について計画する。 c.学校や自宅の机の位置を健康に適する明るさになるように考案する。 |
(2) 光を利用した機械にはどんなものがあるか
話合い |
光を利用した機械にどんなものがあるか,またそれらはわれわれの生活にどんなに役だっているかを話し合う。 |
研究と模型の作製 |
写真機・望遠鏡・顕微鏡・スライドの投影機の構造を観察し,できるものは簡単な模型などを作る。その他光やレンズ,プリズムを利用した機械を研究したり考案したりする。 |
研究と話合い,教師の説明 |
次のことについて調べて話合い,教師が説明を加える。 a.映画の動いてみえるわけ b.舞台照明の構造とその効果 c.誘が燈や集魚燈のはたらき |
6.熱と光の利用をどのように改良したらよいか
話合い |
太陽の熱と光をより以上に生活に利用するにはどんなくふうをしたらよいかについて話し合う。 |
研究と発表 |
熱や光の利用について,新しいくふうや考察がなされたものについて調べて発表する。 |
(2) 室内の照明をどのように改良したらよいか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.室内照明が日常生活にどんなに重要か b.いろいろな室内照明の種類とその特徴 |
研究と話合い |
電燈のかさの役割や適切な明るさと電燈の位置について調べて話し合う。 |
研究と報告 |
各自の家の照明について調べ,その欠点や改良の方法などについて報告書を提出する。 |
(3)暖房や冷房はどのように改良したらよいか
研究と話合い |
a.世界各地の気候・風土に関係して家屋の構造・暖房・冷房・採光法などを紹介し,わが国のものをそれらど比較して,改善すべき点を話し合う。 b.食品を冷凍により保存する状況を調査し,その進歩状態と改良すべき点について話し合う。 |
見学または視覚教具による研究 |
付近に見学できる場所があれば,暖房・冷房装置とその実際を見学する。またはスライド・写真などで理解する。 |
考案と話合い |
理想的な暖房・冷房装置について考案や計画をして話合いをする。 |
話合い |
今までに学習したこと以外の熱や光の利用について話し合う。 |
単元Ⅴ 電気は家庭や社会でどのように使われているか
要 旨
電燈や電熱器として,また電話やラジオとして,われわれの日常生活と切りはなすことのできない電気は,また産業・交通・通信にも広く利用され,あらゆる近代社会の発展に欠くことのできない重要な役割を果している。ことに水力に恵まれたわが国にとっては,この電源の開発・有効な利用が産業復興の一つのかぎをなしているともいえよう。この重要な意味を持つ電気について理解し,正しい取扱になれ,活用の方法を知り,有効に利用することは,せつに望まれることである。
一面,生徒は日常の生活で電気に接する機会が多く,非常に強い興味をいだいているが,とかく電気は恐しいもの,扱いにくいものとして親しみを持たないか,あるいは正しい取扱に慣れないため思わぬ危険を犯かすことがある。
機械や道具がいかに複雑に見えても,部分に分析しつながりをたどっていけば,そのはたらきを理解することがやさしいのに比べて,電気の機械・器具は簡単なものでも,見ただけでははたらきを理解することができない。電気のいろいろの機械・器具の取扱になれ,活用できるようになるにはそれらの構造を知るだけでなく,電気についての基礎的な性質を理解することがたいせつで,この単元の取扱にあたって忘れてはならないところであろう。
人体に対する危険,器具の破損の防止については,電気の性質に照して科学的な取扱方法を考えて守るようにし,いたずらに無意味な恐れをいだかせることがないように指導すべきであろう。
目 標
2.電流と抵抗と電圧の間の関係を理解する。
3.発電・送電の原理と方法を理解する。
4.電気現象を調べる方法を理解する。
5.電気に関する以上の原理を,家庭・学校・社会等における実際の場面に応用する能力を高める。
6.生命や物をきずつけないように安全に電気を取り扱う態度を養う。
7.電気が社会に広く利用されていることを感得する。
8.電気に関する実際的な実験を計画し,行う態度を養う。
9.電気についての実際上の諸問題を解決していく態度を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
話合い |
導入として,電気がとまった時どのように困るかについて話し合う。 |
分類と図表の作製 |
電気の利用を分類して図表を作る。 |
観 察 |
電球の構造を観察する。 |
問 答 |
光が電球のフィラメントから出る原理,電球の中を真空または特殊な気体を入れる理由について問答する。 |
図の作製 |
スイッチ・ソケット・コードその他の器具を観察し,図をかく。 |
収集と展示 |
いろいろの型や大きさのヒューズを集めて展示する。 |
自由研究と報告 |
エジソンの伝記を調べ,紙しばいなどにして報告する。 |
(2) 電熱器やアイロンはどんなしくみになっているか
観 察 |
電熱器やアイロンを分解して,各部分の構造を観察する。 |
実験と教師の説明 |
電熱器で一定量の湯をわかし,使用電力量と発熱量の関係を調べる。この関係を教師がまとめて説明する。 |
研究と話合い |
電熱をガス・たき木・木炭その他の燃料と比べその得失を研究し,話し合う。 |
(3) どんなものが電気をよく伝えるか
実 験 |
いろいろな物質(銅線・鉄線・ニクロム線・鉛筆のしん・水・塩水・木・その他)について電気を伝えるようすを実験して調べる。 |
表の作製 |
参考書によってそれらの物質の抵抗率の表を作る。 |
測 定 |
太さや長さの違う銅線の抵抗を測る。 |
研 究 |
いろいろの電気器具を観察し,絶縁物の種類や利用について参考書によって調べる。 |
話合い |
電気の取扱上の注意について話し合う。 |
(4) 抵抗によって電流の強さはどう変るか
実 験 |
一つの乾電池にいくつかの豆電球を直列につなぎ豆電球の数を変えて明るさを調べる。さらに,電球の抵抗・電池の電圧・電流の強さを測る。 |
話合いと教師の説明 |
電圧と電流の強さと抵抗の関係について話合い,教師はこれを補う。その結果から一般式を導く。 |
問 答 |
オームの法則について問答をする。 |
問題演習 |
オームの法則に関する問題を解く。いろいろの電気器具の抵抗・電流・電圧の値をオームの法則をつかって計算してみる。 |
(5) 電気を通すにはどのようにつないだらよいか
実 験 |
電池と電鈴・豆電球・スイッチ等を使っていろいろな回路を作ってみる。また,それぞれの回路を,符号で図にかく。 |
話合いと問答 |
上の実験について話し合う。また,一つのスイッチでたくさんの電燈を点滅すること,その他の問題を出しあい,配線図をかいて答える。 |
教師の説明 |
回路は導体で連続し,輪になっていること,直列・並列のつなぎ方の電流と電圧の関係などについて説明する。 |
自由研究 |
いろいろの電気器具について,回路を図にかいて調べる。 |
2.電気は動力としてどのように利用されているか
問答と表の作製 |
電動機の利用,電磁石の応用について問答し,表にまとめる。 |
実 験 |
磁石針が電流によって方向をかえることを実験して調べる。 電磁石を作り次のことを実験する。 a.まき数や電流の強さと磁力の強さとの関係 b.電流の方向と磁界との関係 c.鉄心が磁力の強さに及ぼす影響 |
問 答 |
強い電磁石を作る方法,電流の方向と磁界の方向について問答する。 |
話合い |
耐久磁石と電磁石のちがいについて話し合う。 |
(2) 電磁石はどのように使われているか
収 集 |
電磁石の使われている電気機器,またはその写真や絵を収集し展示する。 |
模型の製作 |
電鈴や電信機の模型を作る。 |
観察と教師の説明 |
a.電話の送話機・受話機・ラジオのスピーカーなどのしくみを観察する。 b.図や模型を使ってそのしくみやはたらきを説明する。 |
(3) モーターはどうして回るか
観察と教師の説明 |
電圧計・電流計のしくみを観察し,教師は図や模型によりそのはたらきを説明する。 |
模型の製作と討議 |
グループで,電動機の模型を作り回してみる。また,互に比べて討議する。 |
教師の説明 |
模型や図を使って,モーターの回るわけを説明する。 |
問 答 |
モーターの種類や利用について問答する。 |
研究と報告 |
モーターの種類とそれぞれの特徴と用途を調べ報告する。 |
自由研究(模型の製作) |
誘導モーターの模型を製作する。 |
3.電気はどのようにして起され,どのようにして送られるか
研 究 |
各自の家庭や,学校の配線状況を調べ,図にかく。 |
報 告 |
電線の支持,絶縁,接続などのしかたを報告する。 |
教師の説明 |
電気配線の原則について説明する。 |
図の作製 |
簡単な家の平面図を見て配線を計画し,図をかく。 |
(2) 電力をどのようにして測るか
教師の説明 |
電力の意味と単位について例をあげながら説明する。 |
研究と報告 |
各種の電気器具の使用電力を調べて報告する。 |
実 験 |
電熱器・電球などについて,電圧計と電流計を用いて使用電力を調べる。 |
教師の説明 |
電力量の意味と単位,積算電力計のはたらきなどを説明する。 |
観 察 |
電燈・電熱器などの使用電力量を積算電力計で測定する。 |
自由研究と報告 |
家庭や,学校で使う毎日の電力使用量を調べてグラフを作る。 |
(3) 変圧器はどのようなはたらきをするか
調査と話合い |
変圧器はどのようなところに利用されているかを調査する。 変圧器の必要な理由について話し合う。 |
教師の実験と説明 |
二重コイルを使って変圧器の原理を示し,その説明をする。 |
自由研究(製作・研究) |
変圧器を作る。ファラデーの伝記を調べて報告する。 |
見 学 |
変電所を見学し,変圧器・高圧線・スイッチ・配電板その他のものを観察する。 |
(4) 直流と交流はどのように違うか
教師の実験 |
スピーカーまたはオッシログラフに直流・交流を流して,両方の違いを示す。 |
教師の説明 |
図またはスライドを使って,直流・交流の違いを説明する。 |
観 察 |
ネオンランプ・蛍光燈などが,すみやかに点滅していること,これを利用してターンテーブルの回転数を調べる方法を観察する。 |
研 究 |
直流・交流の使い道を研究し表にかく。 |
(5) 交流はなぜ広く使われるか
生徒の説明 |
スライドなどを使って,交流の使い道と,それぞれに使われている電圧について説明する。 |
話合い |
電圧を変えることの必要,電圧を変える方法について話し合う。 |
教師の説明 |
a.交流は変圧器で容易に変圧できることを説明する。 b.三相交流について,簡単に説明する。 |
(6) 電力はどのようにして送られるか
図の作製 |
参考書・写真・雑誌などを調べて送電の径路を示す図を作る。 |
教師の説明 |
電圧を高くして送ると電力の消耗が少ないことを説明する。 |
研究と発表 |
送電の径路,変圧器・高圧線・絶縁方法などを調べ図にかいて発表する。 |
話合い |
交流・直流の長所・短所について話し合う。 |
(7) たくさんの電力をどのようにして起すか
見学またはスライド |
発電所を見学する。またはスライド・写真・映画等を見る。 |
教師の実験と説明 |
磁界の中でコイルを動かし,電気が起ることを示す。また発電の原理を説明する。 |
観 察 |
自転車の発電ランプ,手動の発電懐中電燈(ホタル電気)などを分解し,そのしくみを観察する。 |
4.電気分解や電気メッキはどのようにしてするか
収集と話合い |
電気メッキをしてあるいろいろの品物を集めて展示し,電気メッキの効用について話し合う。 |
実 験 |
ニッケル(または亜鉛・銅)メッキをする。 |
研 究 |
銅の電気精錬について調べ,報告する。 |
見 学 |
メッキ工場を見学する。 |
(2) いろいろな溶液に電流を通すとどんな変化が起るか
実 験 |
塩水・ま水・砂糖水・アルコール・その他の溶液に電流を通してみる。 |
実 験 |
食塩水の電気分解をして,両極にできたものを調べる。 |
問答と教師の説明 |
上の実験について問答し,必要な事を説明する。 |
研究と発表 |
電気分解は工業上にどのように応用されているかを調べ,発表する。 |
(3) 電池はどのように電気を起すか
研究と報告 |
電池の種類や使い道について研究し,報告する。 |
実 験 |
ボルタの電池を作り,豆電球・電鈴などをつないでみる。 |
教師の説明 |
電池の原理について説明する。 |
観 察 |
古い乾電池を分解し,その構造を調べる。 |
教師の実験 |
蓄電池の充電方法や使い方を示す。 |
研究と報告 |
電池の発明の歴史,いろいろな電池の種類やしくみなどを調べて,図にかいて報告する。 |
問答と教師の説明 |
今までのまとめとして発電方法について問答し,教師がこれを補う。 |
5.家庭や学校や社会や産業で,電気の利用をどのように改善したらよいか
話合い |
感電した経験について話し合う。 |
研究と報告 |
漏電の起る原因について研究し発表する。 漏電やショートの危険の防ぎ方を研究し,安全に電気器具を扱うための規則を作る。 |
自由研究と報告 |
興味のある生徒は,電気の誤った使い方によって起った火事の発火の状況や数を調べ,また,落雷の危険を避ける方法を研究して,図にかいて執告する。 |
教師の説明 |
避雷針のしくみやはたらきについて説明する。 |
(2) 電気の照明を有効にするにはどうしたらよいか
観 察 |
いろいろな種類の電球・蛍光燈・ネオンランプなどを観察し,光の量・性質・電力などを研究する。 |
実 験 |
電燈のかさの効果を調べる。 |
研究と討議 |
それぞれの仕事に適した明るさを参考書などで調べる。また照明方法(直接照明・間接照明など)について研究し,その長所・短所を討議する。 |
研 究 |
家庭や学校の電燈を正しい照明の立場から吟味し,それを改善する。 |
(3) 電気を利用すると,人の労力はどのように省けるか
分類と討議 |
家庭・社会・学校・工場などで使われている電気設備を分類し,これらがそれぞれどのように役だっているかを討議する。 |
研究と報告 |
電気の動力としての使い道を調べ,人力と電力を比較してみる。 |
見 学 |
電力を効果的に利用している農場や工場を見学する。 |
(4) 電気の故障はどのような場合に起るか
自由研究と報告 |
電熱器のソケット・コードその他の部分について故障しやすいところを捜し,その原因や防止方法を考える。 |
教師の実験と説明 |
接触抵抗を測って示す。また電気の故障が線と線,線と器具などの接続部分に多いことを明らかにする。 |
討 議 |
故障部分の見つけ方,修理する時の順序などについて話し合う。 |
修 理 |
こわれた電熱器・アイロン・電鈴その他の電気器具を修繕してみる。 |
(5) 生活を改善するために電気をどのように使ったらよいか
スライド・映画 |
便利な家庭電気器具についてのスライドまたは映画を見る。 できれば実際に使用してみる。 |
生徒の説明 |
電気そうじ機・洗たく機・電気冷蔵庫などの便利な家庭用の電気器具について説明する。 |
自由研究(模型の製作) |
自分のすきな電気器具の模型を作る。 |
報 告 |
われわれの今後の理想的な電気の利用方法について報告書を作る。 |
単元Ⅵ 機械や道具を使うと仕事はどのようにはかどるか
要 旨
われわれは,日々,道具や機械の中に生活しているともいえる。土を耕すにも,物を動かすにも,加工するにも,すべて道具や機械を用いており,これによって著しく仕事の能率を高めているばかりでなく,素手では不可能なことを,たやすくやりとげている。また,道具や機械の利用によって人力以外の畜力や火力・水力などを有効に使用するようになり,1/10馬力にも足りない人力のかわりに,数千,数万馬力という大きな仕事率で物を動かし,加工することができるようになった。これらはいずれも機械や道具が進歩したからである。このようにして人は,動力の源という役めから解放されて,機械を操縦し監視する立場にたつようになってきたのである。われわれは,生産を盛んにするためにも,生活を豊かにするためにも道具や機械をよく理解し,取扱になれることが必要である。
機械や道具の種類は非常に多く,なかにはきわめて複雑なものもある。しかし,これらの原理や組立を調べてみると,結局は,てこ・車・斜面・滑車などのいわゆる単一機械の組合せであることがわかる。したがって,単一機械についてよく理解することが,道具や機械を研究する基礎となるであろう。
これらの取扱にあたっては,抽象的に力の関係を明らかにすることにとどめたり,ことさらに複雑な数学的な取扱をして,かえって理解を困難にすることがないように留意すべきである。また,道具や機械を破損させず,身体をきずつけぬよう,正しい取扱になれるように指導すべきである。
目 標
2.単一機械の原理を理解する。
3.日常生活や産業に用いられる機械のいくつかについての知識を得る。
4.摩擦,および摩擦をふやしたり減らしたりする方法についての知識を得る。
5.道具や機械に関する一般的な原理を,家庭や学校や社会における実際の場面に応用する能力を高める。
6.生命や物をきずつけないように,安全に道具や機械を取り扱う態度を養う。
7.普通の道具や機械を取り扱う技能を高める。
8.われわれの家庭・学校・社会等における生活を改善する基礎として,環境にある道具や機械を注意深く観察する態度を養う。
9.人の労力を省く道具や機械のはたらきによって,われわれの生活の水準が上がってきたことを感得する。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
導入の話合い |
動物と人間のすることの違いを考察しながら話し合う。 |
発 表 |
道具を使って仕事のはかどった経験を発表する。 |
スライド・写真,教師の説明 |
道具や機械と仕事との関係を明らかにするため,建築場などのスライドや写真を示して説明する。 |
話合い |
ピンセット・ナイフ・針・金づちなどのはたらきについて話し合う。 |
実 験 |
金づちを使いながら柄の長さと打撃力との関係を考え,有効な使い方をくふうする。 |
表の作製 |
日常使われている道具・工具・機械などを分類し,図表を作る。 |
(2) 機械や道具によって重いものをどのように動かすか
発 表 |
重いものを運んだ経験を発表する。 |
話合い |
重い物を楽に動かしたり,持ち上げたりする方法を話し合う。 |
まとめ |
重い物を動かしたり持ち上げたりするためのくふうをまとめて表にする。 |
(3) 動くものの方向や速さを変えるにはどのようにしたらよいか
話合い |
動いているものの方向や速さを変えるしかけについて話し合う。(滑車,てこなど) |
表の作製 |
ベルトや歯車・てこ・滑車を用いた機械を表にまとめる。 |
(4) 長さ・大きさ・重さなどを測るにはどんな計器を用いるか
話合い |
次の題目について話し合う。 a.長さ・体積・重さなどを測る計器にはどんなものがあるか b.なぜわれわれは計器を用いるか |
表の作製 |
前の話合いの結果をまとめて表を作る。 |
教師の説明 |
メートル原器について説明する。 |
2.簡単な道具にはどんなものがあるか。それはどんな原理ではたらくか
実 験 |
くぎ抜きを用いてくぎを抜き,くぎおよびくぎ抜きの有効な使い方をくふうする。 さお秤(ばかり)を使っていろいろのものの重さを測り,また,さおにはたらく力の関係を明らかにする。 |
グラフの作製 |
さお秤についての実験結果をグラフにかく。 |
話合いと教師の説明 |
上のグラフについて話し合う。 教師はグラフと話合いの結果から,てこにはたらく力の関係を導き出す。 |
問題演習 |
てこの公式を応用したいろいろの問題を解く。 |
研究と報告 |
てこが用いられている各種の道具や機械を研究し(タイプライター・はさみ・くぎ抜きなど)図をえがいて報告をする。 |
設 計 |
てこの原理を応用した機械をくふうし,設計図を書いて出す。 |
(2) 滑車はどんなはたらきをするか
話合い |
どんな場合に滑車が用いられているか,これまでに見聞したことについて話し合う。 |
実 験 |
一つの滑車や組合せ滑車のはたらきを調べる。 |
発表と話合い |
前の実験の結果を図表などを使って発表し,また滑車にはたらく力の関係について話し合い滑車の公式を導き出す。 教師は必要に応じて補う。 |
問題演習 |
滑車の公式に関係したいろいろの計算問題を解く。 |
研究と報告 |
滑車が巧みに使われている機械や装置を研究し報告する。 |
(3) 輪軸はどんなはたらきをするか
実 験 |
2人ずつ組になり野球バットの細いところと太いところを握って,互にねじりごっこをして回転能のはたらきを比べる。 輪軸を作り,おもりで力を加えて調べ,力の関係式を導き出す。 |
問答と教師の説明 |
輪軸を応用した機械について問答する。教師は要点を説明する。 |
話合い |
輪軸を応用した機械について話し合う。 |
問題演習 |
輪軸に関する問題を解く。 |
設 計 |
輪軸を応用した装置を設計してみる。 |
(4) ころや車はどんなはたらきをするか
実 験 |
ばね秤を使って摩擦力を測定する。 |
話合い |
前の実験結果を話合い,摩擦力は圧力に比例することを明らかにする。 |
実 験 |
ひとりの生徒は地上に置いた板に乗り,他の生徒がその板を引っぱる。次に板と地上の間にころを入れて同様に引っぱり,両方の場合の摩擦力の大きさを比較してみる。 |
話合い |
車がどのように広く利用され,またどんな方法で使われているかを話し合う。 |
観 察 |
ボールべアリングの構造を観察し,そのはたらきを明らかにする。 |
研究と図表による発表 |
摩擦を増したり減らしたりする方法を研究し,図表などを使って発表する。(できれば実演してみる。) いろいろな種類の車の効用を調べ,図表などを使って発表する。 |
(5) 斜面やねじはどんなはたらきをするか
実 験 |
斜面の角度と斜面に沿って物体を上げるに要する力との関係を調べる。 |
発 表 |
前の実験の結果について発表し,また斜面の公式を導き出す。 |
問題演習 |
斜面に関する問題を解く。 |
話合い |
斜面の応用について話し合う。 |
教師の説明 |
円筒に斜面を巻きつけて,ねじは斜面の原理から考えられるものであることを説明する。 |
収 集 |
いろいろのねじを集めてみる。 |
観察と話合い |
ねじの構造を観察し,用途について話し合う。 |
教師の説明 |
ねじは大きな力を得るために,長さを正確に測ったり機械を精密に調整したりするのに使われることを説明する。 |
教師の説明と示範 |
ねじ回しのはたらきを説明し,正しい使い方を示す。 |
(6) ばねはどんなはたらきをするか
話合い |
ほねはどのように使われているかを話し合う。 |
実 験 |
つるまきばね,竹片などを使って,力とひずみの関係・弾性の際限について調べる。 |
分 類 |
ばねを用途別に分類する。 |
話合い |
ばねのはたらきを用途別に話し合う。 |
3.家庭ではどんな機械や道具を使うか。また,それらはどんな原理ではたらくか
観 察 |
井戸ポンプの構造を観察する。 |
工 作 |
ポンプを作り,ピストンやべんのはたらきを調べる。 |
発 表 |
図やスライドを用い,ポンプの構造とはたらきを発表する。 |
教師の説明 |
気圧と水圧との関係を説明する。 |
研究と発表 |
いろいろの種類のポンプを研究し,図表などを使って発表する。 |
(2) とけいはどのように動くか
研究と報告 |
参考書などで時計の歴史を調べ,発表する。 |
観察と実験 |
振子の周期を測り,振子の等時性を明らかにする。またとけいのおもな構造を図にかく。 |
分解と組立 |
とけいを分解して調べ,また組み立てる。 |
研究と報告 |
とけい使用上の注意事項を調べ報告する。 |
(3) 自転車はなぜ速くなめらかに走るか
観 察 |
自転車の構造を観察し,おもな部分の図をかく。 |
説 明 |
自転車の構造とはたらきを図を用いて説明する。 |
分解と組立 |
自転車を各部分に分解して点検し,また組み立てる。 |
話合い |
チューブとタイヤの構造とはたらきについて話し合う。 |
計算と実験 |
グループでペダルの回転と自転車の進む距離との関係を計算する。また実際に走ってみて計算した数値と比較する。 |
自由研究と報告 |
自転車の発達の歴史を研究し,図表などを書いて報告する。 |
(4) 家庭ではこのほかにどんな機械や道具が使われるか
観察と説明 |
ミシン・およびその図を使ってミシンの構造とはたらきを説明する。 |
自由研究と図表による発表 |
家庭で使われるいろいろの機械や道具について研究し,発表する。 |
4.工業や農業にはどんな機械が使われているか。それらはどんな原理ではたらくか
観察と製図 |
各種の刃物を観察し,その断面の形を図に描く。 |
生徒の説明 |
刃物の断面の形がその使い方でどんなちがいがあるかを考察して説明する。 |
観 察 |
旋盤・穿孔機・製粉機・帯鋸(おびのこ)・回転鋸などの構造とはたらきを観察し,おもな構造を描く。 |
教師の説明 |
いろいろのものがどのようにして刃物で切られるかを説明する。 |
(2) 印刷機にはどんなものがあるか。それらはどんなしくみになっているか
実験と観察 |
騰写版の原紙に書いた画や文をルーペで観察する。これで印刷し,どのように騰写されるかを調べる。 |
自由研究 |
タイプライターの構造を調べる。 |
研究と収集 |
各種の印刷法を研究し,それぞれの方法による印刷物を収集する。 |
見 学 |
印刷工場を見学する。 |
(3) 精米や精麦にはどんな機械を使うか
見 学 |
農家や精米所の見学を計画して行い,精米や精麦のしかたを観察する。 |
報 告 |
精米所や精麦所の見学をしたことを図表などによって報告する。 |
生徒の説明 |
精米機の構造とはたらきを説明する。 |
(4) なわない機はどんなしくみになっているか
実 験 |
わらでなわをなってみる。 |
話合い |
なわやひもができるようすについて話し合う。 |
観 察 |
なわない機の各部の機構を観察し,これでなわをなってみる。 |
話合い |
なわない機の各部のはたらきと,なわない機がどんなに便利であるかを話し合う。 |
(5) はたおり機械はどんなしくみになっているか
スライド・映画・写真 |
紡織工場や紡織機械のスライド・映画・写真などを教師の説明によって見る。 |
教師の演示と説明 |
ひもを縦糸と横糸にして布を織る原理を示す。実際にはこれがどのように行われるかを説明する。 |
見 学 |
紡織工場を見学する。 |
発 表 |
見学したことについて発表し,布の織り方や紡織機械の構造を説明する。 |
(6) 農耕用の機械や道具にはどんなものがあるか
研 究 |
郷土で使っているくわ・すき・シャべルなどについて調べる。また,その他の農具や農耕機械を調べて,それらの図を描く。 |
見 学 |
農耕機具を観察するために農場を見学する。 |
収 集 |
諸種の農耕機械の写真を収集し展示する。 |
映画・スライド |
大農式農業を行っているところの映画やスライドを見る。 |
教師の説明 |
諸種の農耕機械のおもな構造とはたらきについて話す。 |
5.機械や道具を使うと労力がどのように省けるか。また,機械や道具の使い方をどのように改善したらよいか
教師の説明 |
いろいろの例を示して‘仕事’の意味を説明する。 |
問 答 |
仕事の量を測る方法について問答する。 |
実験と計算 |
てこ・滑車・斜面を使ってなされた仕事を計算する。機械によらないでする仕事の量を計算する。また,ねじで生ずる力の強さとねじの歩みとの関係を明らかにする。 |
(2) 機械や道具で仕事の量はふえるか
計 算 |
てこや滑車に加えた仕事と,それがした仕事とを計算して比較する。 |
話合い |
前の計算の結果について話合い,道具や機械を使っても仕事の量に増減はないということを導く。 |
教師の説明 |
仕事の原理を説明する。 |
パネル討議 |
道具や機械の効果についてパネル討議をする。 |
(3) 機械や道具はどのように取り扱ったらよいか
研 究 |
道具や機械の取扱上の注意事項を研究し,その表を作る。 |
問 答 |
機械や道具をよく管理すること,ことにさびや磨耗の防ぎ方,安全な使い方について問答する。 |
(4) 家庭や産業にさらにどんな機械を取り入れたらよいか
討 議 |
次の場合どんな道具や機械が必要であるかについて討議する。 a.われわれの生活を便利にするため b.工場でいっそう良い製品をより多く生産するため c.穀物を増産するため |
教師の説明 |
土木・建築などで使われる機械のスライドや写真を示し,それらの機械がどのように人力を助けるかを説明する。 |
自由研究 |
われわれが道具や機械によって,家庭生活や工場生産の改善を図るにはどうしたらよいかを研究して,報告書を提出する。 |