第Ⅳ章 中学校理科の単元とその展開例
第1学年 主題「自然のすがた」
単元Ⅰ 季節や天気はどのように変化するか。また,これらの変化は人生にどのような影響を及ぼすか
要 旨
単元学習では生徒自身に問題を発見させ,これをみずからの努力によって解決させることを重んじる。しかも生徒に解決すべき問題を見つけ出させるためには,学習の環境を整備し,その機会を準備することが必要である。この単元は中学校3か年の理科学習への導入として,広く一般の自然物および自然現象に触れさせ,その間に生徒に問題発見の機会をもたせようとするものである。
さらにまた最初の理科学習として必要なことは,生徒の側からはこれまで小学校において習得した知識・技能などをいったん整理し確実なものとして,新しい学習に進むことであり,教師の側からは,これまでの学習に対してさぐりを入れることである。このような目的に対しても,この単元が役だつことが考えられる。
内容とするところは,季節や天気の変化に伴い,地上にはどのような現象が見られるか,また生物はどのようにこれに適応して生活するかを学習し,さらにわれわれがこれらの変化に対して健康を保ち,自然の災害を防ぎ,また収穫をあげる方法を科学的に考察することである。
したがって,このような内容をもつ単元の指導では,継続的な観測や飼育・栽培などによる観察を行うことが望ましい。したがってその季節に調べられることは一応これを明らかにし,観察や観測などのできないものについてはその後にさらに継続的に行う計画をたて,それに沿って実行していく方法も考えられる。そして,その記録を,次に続く諸単元の学習と関連させて,ときどき整理・考察するように計画をたてることができるであろう。指導の間には,観察・測定・記録などの習熟に特に注意することが望ましい。
目 標
2.各季節の暖かさ・湿りけ・天気その他の特徴について理解する。
3.雨・雲・風,その他の日々の気象の要素についての知識を得る。
4.季節や天気のような環境の変化に適応するためには,われわれはどのように生活したらよいかを理解する。
5.生物を飼育・栽培する技能を高める。
6.自然現象を長期間にわたって継続的に観察することに興味をいだき,またそれを行う能力を高める。
7.自然の美しさと調和を感得する。
8.気象観測のための機械・器具を操作する技能を高める。
9.自然の事物や現象を関係的に見ようとする興味を深め,またその能力を高める。
10.生産を高め,また,からだを健康に保つために,科学的な知識を応用する態度を養う。
11.気象による災害から自分をまもっていく態度と習慣とを養う。
12.解決すべき問題を,環境から見つける能力を高める。
13.問題を解決するために,資料を捜し,またそれを使いこなしていく能力を高め,そのようなことに対する興味を深める。
14.正確な観察や測定を行い,またその結果を記録する習慣を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
問 答 |
郷土の風光は季節によって,どんな特徴をもっているかを問答し,これまでの経験を思い起す。 |
グラフの作製 |
統計表や前年の生徒の行った観測記録などをもとにして,1年間の気温の変化をグラフに表わす。 |
話合い |
統計表や前年の生徒の行った観測記録などをもとにして,1年を通じて気温がどのように変化するかを話し合う。 |
教師の演示 |
温度計の正しい使用法を示す。 |
測 定 |
温度計を使って,いろいろの時刻・いろいろの場所・いろいろの高さの気温を測ってみる。 |
報 告 |
時刻や高さによって気温がどのように変化するかについて報告書を書く。 |
計 画 |
一定の時刻・一定の場所で,今後続けて気温を測る計画を話し合ってたてる。 |
(2) 天気には季節によってどのような特徴があるか
話合い |
梅雨・台風・晩秋から冬にかけての晴天続きなどのような季節による天気の特徴について話し合う。 |
グラフの作製 |
統計表や前年の生徒が実際に観測した記録などをもとにして,1年間の各月の雨天・晴天の日数をグラフに表わす。 |
教師の説明 |
天気は季節によってどのような特徴をもっているかについて,生徒の研究をさらに正しいものにするために,過去数年間の記録を用いて説明する。 |
記 録 |
今後1か年間続けて毎日の天気の記録をする。 |
(3) 生物の繁殖は季節とどのようなつながりがあるか
問 答 |
戸外では,それぞれの季節にどんな状態の生物が見られるかを復習的に問答する。 |
野外観察 |
a.それぞれの季節に独特な動植物の活動を観察するために野外観察を行い,実際の動植物を採集する。 b.卵や幼虫も採集する。 |
話合い |
生物の繁殖が季節とどのようなつながりをもっているかを話し合う。 |
ノートの整理 |
観察の結果をノートに書いて整理する。 |
研 究 |
a.採集してきた生物の飼育栽培法を参考書や他の人の話などをもとにして研究する。 b.飼育栽培する計画をたて,続けて実行する。 |
グラフや図表の作製 |
実際の観察をもとにして,1年間の開花期や播種期を示すグラフや図表を作る。 |
(4) 種子が発芽してよく生育するためには,どのような条件が必要であるか
話合い |
これまでの経験を思い起し,いつ,どのようにして種子がまかれるかを復習的に話し合う。 |
実 験 |
a.水分や温度など種子の発芽に必要な条件について実験をする。 b.根の成長点を見つけるための実験をする。 c.明るい部屋と暗い部屋,普通の部屋と温室などのように条件が異なると,植物の成長はどんなに違うかをいろいろの種子について実験してみる。 |
報 告 |
実験の結果をノートに書いて提出する。 |
講 義 |
植物の成長と日光との関係を説明する。 |
戸外作業 |
まく種子とその植物の成長に適した土地を選んで,実際に種をまいて育てる。 |
(5) 生物はどのようにして生活に不適当な季節を過ごすか
話合い |
生徒がもっている知識や経験をもとにして,生物は生活に不適当な季節をどのようにして過ごすか(たとえば冬眠・渡り鳥・落葉など)について話し合う。 |
研究と野外観察 |
植物の冬の芽を観察したり,冬眠中の動物やつばめなどのような渡り鳥を観察したり,それについて本を読んだりする。 |
報 告 |
学習の結果をまとめて報告書を作る。 |
話合い |
生物は生活に不適当な季節を過ごすために,どんな点がつごうよくできているかを話し合う。 |
教師の説明 |
生徒の行った研究に,スライド・絵・図表などを用いて補足的な説明をする。 |
2.風の強さや方向は朝・昼・晩でどのように変化するか。また,季節によってどのように変化するか
話合い |
夏と冬とでは風の方向がどんなに違うかを,経験をもとにして話し合う。 |
研 究 |
次のことがらについて研究をする。 a.日本の気象表や過去の気象観測記録などを用いて,季節によって風向きがどのように変化するかを調べる。 b.教科書・理科年表・参考書などを用いて毎年何月ごろに台風が多くやってくるかを調べる。 c.教科書・参考書・地図などを用いて台風の径路(特に季節によって台風の径路が一般的にどう変化するかなど)を研究する。 |
教師の説明 |
台風の危険性についてスライドや絵などを示して説明する。 |
話合いと観測 |
a.簡単に風向きを観測するにはどうしたらよいかについて話し合う。 b.時刻によって(特に昼と夜とで)風向がどのように変化するかを観測する。 c.毎日の風向きを時刻を決めて続けて観測し,その結果を調べる。 |
教師の説明 |
海岸では時刻によって風向きがどのように変化するかを説明する。 |
(2) 風はどんな吹き方をするか
教師の説明 |
風向きや風力の観測が気象学上どんなに重要な意味をもっているかを説明する。 |
話合い |
風力を簡単に測るにはどうしたらよいか(たとえば煙突から立ちのぼる煙を観察したり,吹き流しを用いたりする方法など)を話し合う。 |
研 究 |
a.教科書や参考書を使って,風力階級を研究する。 b.実物を見たり,教科書や参考書を読んだりして,風速計の構造と機能を研究する。 c.実物を見たり,教科書や参考書を読んだりして,風向計の構造と機能を研究する。 |
観測と記録の作製 |
a.風力や風速を今後続けて観測する計画(時刻・観測方法・記録方法など)を教師の指導のもとに話し合ってたてる。 b.グループで風力や風速を実際に観測する。 c.観測結果の記録をつくる。 |
研 究 |
日常生活に風をどのように利用しているかを研究する。 |
(3) 気圧は場所によってどのように違うか
教師の説明 |
気圧の意味やその重要性について説明する。 |
教師または代表の生徒の実験 |
a.大気が圧力を及ぼしていることを立証する実験を行う。 b.空気の重さを測定するために,簡単な実験を行う。 c.水銀・ガラス管・ものさしなどを用いて気圧を測る方法を示す。 |
整理と話合い |
ノートに実験の結果を整理し,空気の特性について話し合う。 |
講 義 |
次のことを説明する。 a.気圧の単位 b.高気圧・低気圧 c.いろいろの気圧計の取扱方 |
天気図の作製 |
ラジオ放送を聞いて,場所によって気圧がどのように違うかを研究し,地図に記入する。 |
教師の補足的説明 |
a.一般的に見て,一日の気圧はどんな変化をするか説明する。 b.気圧を天気予報に利用する上のくふうを暗示する。 |
(4) 風はどのような原因によって吹くか
話合い |
たき火の煙や灰の動き方などから,空気の対流について話し合う。 |
教師の実験と講義 |
a.空気の一部分を熱すると,対流の起ることを実験する。 b.暖め方は同じでも,物質によって温度の上がり方が違うことを説明する。 c.風の起るわけを説明する。 |
話合い |
次のことを話し合う。 a.風の吹く原因 b.海風・陸風の吹くわけ c.季節風の吹くわけ |
3.空気中の水分はどのように変化するか
話合い |
これまでの経験をもとにして次のようなことを話し合う。 a.雨がもっとも多いのは何月ごろか b.雨の降り方は季節によってどんな特徴があるか c.雪の害にはどんなものがあるか |
教師の説明 |
実物や絵を使って次のようなことを説明する。 a.雨量の測り方 b.降雨量・積雪量の測り方 c.天気(快晴・晴・曇の区別)の決め方 |
測 定 |
規格の雨量計や,考案した雨量計を用いて,雨量を測定する。 |
計 画 |
今後続けて毎日の雨量や積雪量を測定する計画をたてる。 |
グラフの作製 |
a.郷土の雨量や積雪量を月別に合計してグラフを作る。 b.そのグラフについて考察する。 |
研 究 |
次のようなことについて調べる。 a.日本における降雨量の分布を調べ,地形と雨量との関係,季節風と雨量との関係などを考える b.日本における積雪量の分布を調べ,地形と積雪量との関係,風と積雪量との関係などを考える |
報 告 |
上で学習した結果を報告する。 |
教師の説明 |
映画やステイドを用いて,雪の結晶や積雪の害について説明する。 |
(2) きり・つゆ・しもはどんな時に生じるか
話合い |
過去の経験を思い出しながら次のことを話し合う a.きり・つゆ・しもはどんな日に生じるか b.きり・つゆ・しもは何月ごろ多く生じるか c.きり・つゆ・しもは人間の生活にどんな影響を与えるか |
教師と代表の生徒の実験 |
簡単な道具を用いて,きりやつゆはどうしてできるかを示す実験をする。 |
問 答 |
上の実験をもとにして,きり・つゆ・しもはどうして生じるかを考え,これについて問答する。 |
観 察 |
a.きり・つゆ・しもはどんな場所に多く生じるかを観察したり,教科書や参考書を読んだりして明らかにする。 b.ルーペを用いてしもなどを観察する。 |
スライド |
陸上や海上に生じる濃霧のスライドや絵を示す。 |
教師の説明 |
しも柱の写真を示し,次のことを説明する。 a.そのでき方 b.しもとの違い c.農業に及ぼす影響 |
(3) 雲はどうしてできるか
話合い |
過去の経験を思い出しながら,雲のいろいろなでき方について話し合う。 |
教師の説明 |
スライドや写真・絵など用いて次のことを説明する。 a.いろいろの雲の名称 b.雲の高さ c.雲と天気との関係 d.雲量の決め方 |
観 察 |
雲量や雲の形を観察する。 |
計 画 |
今後続けて毎日の雲の形や雲量を観察し,記録する計画をたてる。 |
実 験 |
簡単な道具を用いて,気圧や気温の変化によってきりの生じることを示す実験をする。 |
教師の説明 |
a.雲はどこでどのようにしてできるかを説明する。 b.雨・雪・ひょう・あられなどはどうしてできるかを説明する。 |
整 理 |
学習の結果をノートに整理する。 |
(4) 湿度はどのようにして測るか
話合い |
洗たく物のかわきぐあいは天候とどんな関係をもっているかについて,過去の経験を思い出しながら話し合う。 |
教師または代表の生徒の実験 |
空気の中に含まれる水の量は一定の限度をもっていることを実験によって明らかにする。 |
研 究 |
a.温度計の球のところをぬれた布で包むと示度が下がることを実験する。 b.蒸発熱について資料により調べる。 |
整 理 |
上記の学習の結果をノートに整理する。 |
教師の説明 |
a.湿度の定義を説明する。 b.実際の器具や絵などを用いて,毛髪湿度計や乾湿球湿度計の使い方を説明する。 |
工 作 |
セロファンなどを使って簡単な湿度計を作る。 |
計 画 |
今後続けて毎日の湿度を測る計画をたてる。 |
グラフの作製 |
前年の記録またはその他の統計表により次のグラフを作る。 a.郷土の1年間の湿度の変化について b.1年を通じての日本の湿度の一般的な変化について |
問 答 |
これまでの学習を総括するために,日本の夏のむし暑さと湿度との関係について問答をする。 |
4.気節や天気の変化によって,われわれの生活はどのような影響を受けるか
問 答 |
衣食住などのわれわれの日常生活は,季節によってどのような影響を受けるかについて,これまでの経験をもとにして問答する。 |
研 究 |
a.郷土の人々が着ている夏や冬の着物について研究する。 b.郷土の建物の特徴や家の設計について,資料を読んだり実地に調査したりして研究する。 c.郷土の独特な食物や各季節のおもな食料品について,社会の人々をたずねて話を聞いたり,本を読んだりして研究する。 |
報告と話合い |
a.上記の学習の結果について報告書を作る。 b.その報告をもとにして,衣食住などの日常生活をいかに改善すべきかについて話し合う。 |
展 示 |
郷土の人々の生活を改善するために,ポスター・グラフ・絵などを作り,それを展示する。 |
(2) 季節によってどのような病気がふえるか
問 答 |
経験を思い出しながら,季節によって増減する病気について問答する。 |
統計表やグラフの作製 |
a.学校に残してある前年度の月々の資料を用いて,生徒の欠席日数および欠席理由に関する統計表やグラフを作る。 b.郷土や日本で毎月はやる病気についての統計表やグラフを読んで研究する。 |
研 究 |
教科書や参考書を使って,各季節に流行する病気の予防法を研究する。 |
話合い |
各季節を通じて自分たちの生活を健康にするためには生活をどのように計画したらよいかを話し合う。 |
(3) 作物の栽培や家畜の飼育のしかたは,季節によってどう変えたらよいか
教師の説明 |
季節と天候は作物や家畜の発育にどのような影響を与えるかを説明する。 |
表の作製 |
郷土の1年間の農業上の通例の仕事(たとえば,もみまき・田植え・稲刈り)などを本や人の話によって調べ,一覧表を作る。 |
見学と調査 |
農家や農事試験場を見学したり,過去の記録を調べたりして次のことを研究する。 a.農作物に対する天候の害 b.その対策 |
教師の説明 |
上記のことについて補足的な説明をする。 |
研究と発表 |
天候の害を予防するために作物をどのように扱ったらよいか。また,季節によって農作法の計画をどのように調節したらよいかについて調べて発表する。 |
(4) 天気はどうしたら予知できるか。また,天気予報をどのように利用したらよいか
話合い |
自分たちの毎日の生活を考えながら,天気予報をどのように利用しているかについて話し合う。 |
教師の説明 |
天気図を使って,次のことを説明する。 a.天気図の見方 b.天気図の書き方 |
研 究 |
a.数日間続けて新聞の天気図を集め,高気圧や低気圧の移動と日々の天気との関係を明らかにする。 b.郷土に伝わっている天気予報についての言伝えを集め,それが正しいか誤っているか調べる。 |
見 学 |
気象台や測候所を見学し,次のようなことを調べる。 a.気象観測のいろいろの方法 b.天気予報のいろいろの種類とそのおもな用途 |
報 告 |
気象台や測候所を見学したことについて,また天気予報をいかに利用すべきかについて報告書を書く。 |
単元Ⅱ 地球の表面はどのような形をしているか。また,それは人生にどんな影響を与えるか
要 旨
大地はわれわれの生活の舞台である。われわれが生活しているこの大地は,空気や水などのはたらきで絶えずけずられたり,土砂のたい積が行われたりして変化している。また地面には火山・地震などの活動や,土地の昇降などの変動があり,それらの自然現象はわれわれの生活に密接な関係をもっている。
わが国は面積の狭いわりに山地が多く,また火山や地震の多いことも大きな特色で,それらによる災害の防止や温泉の利用などは特に考えなければならない問題であろう。さらにわが国の自然は非常に変化に富み,狭い細長い陸地の四面は海に囲まれており,いたるところに山あり川あり湖があって,すぐれた自然の美を作りあげている。こうした美しい自然の環境はわれわれの情操にも大きな影響を与えている。
このように大地の表面はわれわれの生活と深いつながりがある。したがってわれわれの日常生活を合理化し,その向上をはかるためには,その土地をよく理解し,これに適応した生活を営むようにしなければならない。
この単元では,地球の表面の様子,地球を絶えず変化させている空気や水などのはたらき,火山・温泉・地震その他の地かく変動などに関する基礎的な事実や原理およびそれと人生との関係を理解させるとともに,自然環境に興味をもち,その中の問題をみずから解決する能力や態度などを養うことをめざしている。
目 標
2.地表に働く空気や水などの力と,地形との関係について理解する。
3.火山や地震に関する基礎的な知識を得,それらと人生との関係について理解する。
4.山のでき方や陸地の上昇・下降などによって起る地表の変化について理解する。
5.郷土の自然の特色について理解する。
6.地表の変化やその原因となる種々の自然現象に興味をもち,みずから進んで研究しようとする態度を養う。
7.標本や資料を集め,これを問題解決のために利用する能力を伸ばす。
8.自然力の偉大さを感得する。
9.自然の災害を軽減し,よりよい生活をしようとする能力や態度を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
教師の説明 |
地球の形・広さ・水陸の分布・地形などについて地球儀・地図などを用いて説明する。 |
話合いと教師の説明 |
日本の地球上における位置と地形のおもな特色について話し合い,教師がこれを補説する。 |
研究と発表 |
グループで日本のおもな山脈・火山・川・湖・海などの特徴について題目を選んで研究し,発表する。 |
地図の作製 |
グループで日本の地形(おもな山脈・火山帯・川・平野・湖などの分布)を示す地図をかく。 |
(2) 地球上には陸と水とがどのように分布しているか
研究と発表 |
次の題目を選んで研究し発表する。 a.世界の陸地と海の分布の様子 b.世界のおもな川・湖などの分布 c.世界のおもな山脈の分布とその高さ d.世界の海底の様子とその深さ |
講義または研究と発表 |
世界の水陸の分布に関する学説の大要について講義する。または調べて発表する。 |
(3) 陸地の様子は場所によってどんなに違うか
話合い |
場所によって陸地の様子がどのように違うかについて話し合う。 |
収集と展示 |
世界のいろいろな陸地の様子を示す写真・絵などを集めて展示する。 |
教師の説明 |
砂ばく・山地・石灰岩地帯・極地・多雨地帯などの特徴について絵・写真・スライドなどを用いて説明する |
研究と話合い |
次のことを研究し,話し合う。 a.場所によって陸地の様子に違いができる原因 b.地形と人生との関係 |
2.空気や水などは地表をどのように変えるか
話合い |
地表に働く外からの営力の種類について話し合う。 |
(1) 雨水や川は地表をどのように変えるか
教師の説明 |
次のことについて説明する。 a.雨水による風化作用 b.流水による侵食の作用 c.川の運搬作用 d.たい積作用と扇状地・三角州・平野などの形成 |
実 験 |
砂板を利用して,水のはたらきによる地形の変化を観察する。 |
野外調査と話合い |
次のことについて野外調査をし,結果について話し合う。 a.流水の侵食・運搬・たい積のはたらき b.川のはたらきと地形(たとえば,蛇行・三角州・扇状地・V字形谷・滝など) |
研究と話合い |
グループで,次の題目を選んで研究して話し合う。 a.川の若返り b.山の移り変り(侵食段階) c.地すべりとその原因 d.土柱と悪地形 e.石灰岩地方の特有な地形 |
(2) 海水は地表をどのように変えるか
話合い |
海水のはたらきによってできる地形にはどんなものがあるかについて,経験・絵・写真などをもとにして話し合う。 |
研究と話合い |
海水の侵食・運搬・たい積のはたらきについて研究し,視覚教材を利用して話し合う。 |
野外観察と報告 |
波のはたらきと海岸近くのたい積の様子について,観察し報告書を提出する。 |
研究と発表 |
砂州や陸けい島などを例にして海水の流れと地形との関係を研究し,発表する。 |
(3) 気温の変化や生物は,地表にどのような影響を与えるか
教師の説明と問答 |
次のことについて説明し問答する。 a.気温の変化による岩石の表面の変化 b.岩石に対する植物の根のはたらき |
野外観察と話合い |
地表におよぼす気温の変化のはたらきと,生物のはたらきについて観察し,話し合う。 |
研究と発表 |
次の題目の中から選んで研究し,発表する。 a.せん孔動物のはたらき b.さんご礁の形成 c.水の体積変化によるはたらき d.氷河と氷河地形 |
(4) 空気は地表にどんなはたらきをするか
話合い |
地表に対する空気のはたらきについて話し合う。 |
教師の説明 |
風の侵食・運搬・たい積のはたらきとそれによってできる地形について絵・写真などを使って説明する。 |
研究と発表 |
砂ばくと砂丘の成因について調べて発表する。 |
表の作製 |
地表に働く外力の種類・はたらき・それによってできる地形の特色などを表にまとめる |
3.火山はどのように活動するか
話合い |
火山や火山現象に対する疑問・興味などについて話し合う。 |
生徒の説明と話合い |
日本や世界における火山の分布について地図を用いて説明し,分布上の特色について話し合う。 |
地図の作製 |
日本のおもな火山と火山帯を示す分布図をかく。 |
問 答 |
活火山・休火山・死火山の差異とその実例について問答する。 |
(2) 火山はどのようにしてできるか
問 答 |
火山はどのようにしてできたかについて問答する。 |
教師の説明 |
絵・写真・標本などを用いて次のことを説明する。 a.火山のいろいろな形式 b.火山活動の原因と噴火の様子 c.火山の噴出物 |
収集と観察 |
火山の噴出物(火山灰・火山礫・火山砂・火山弾・よう岩など)を採集し,その特色を話し合う。 |
模型の作製 |
日本または郷土の代表的な火山の模型を作る。 |
研究と発表 |
次のことについて研究し発表する。 a.最近におけるわが国の火山活動の例について b.複式火山の成因とその例について |
生徒の説明と話合い |
火山と普通の山との違いについて説明し,話し合う。 |
(3) 火山は人生とどんな関係をもっているか
話合い |
火山と人生との関係について話し合う。 |
研究と発表,教師の説明 |
生徒は次の題目の一つを調べて発表し,教師は必要な説明を加える。 a.火山の噴火による災害 b.火山地帯と作物との関係 c.火山地帯と風景 d.火山から得られる資源 |
研究と報告 |
郷土の火山と生活との関係について調べて話し合い,報告書を書く。 |
(4) 温泉はどうしてわくか。また,どのように利用されているか
話合い |
温泉についての経験や知識について話し合う。 |
研究と発表,教師の説明 |
生徒は次の題目の一つを調べて発表し,教師は必要な説明を加える。 a.日本の温泉の分布 b.温泉と火山との関係 c.温泉の種類と性質 |
教師の説朋 |
次のことについて説明する。 a.温泉がわく原因 b.温泉の性質と療養との関係 c.温泉のその他の利用 |
調査と報告 |
郷土の温泉を調べ,その成因・性質・利用などについて報告する。 |
4.地震はどのようなゆれ方をするか。また,地震はわれわれにどんな災害を与えるか
話合い |
地震に関する経験や疑問などについて話し合う。 |
研究と話合い |
日本や世界の過去の地震の分布を調べ,分布の特色について話し合う。 |
研究と発表 |
次の題目の中から選んで研究し発表する。 a.日本の地震帯と郷土との関係 b.郷土で過去に起った大きな地震の回数 |
(2) 地震はどんなゆれ方をするか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.地質とはどのようなものか b.地震のゆれ方についての体験 |
研究と話合い |
地震の強さの段階とその実例について調べて話し合う。 |
図表の作製 |
地震の程度を示す図表を作る。 |
教師の説明 |
次のことにつき視覚教具を利用して説明する。 a.地震計の原理と構造 b.地震波の伝わり方 c.震源と震央の意味とその決め方 |
計 算 |
P—S時間などの資料から計算で震央を決定する。 |
模型の作製 |
クラスまたはグループで地震計の模型を作る。 |
見学と話合い |
気象台などを見学し,地震の波はどのように記録されるかを調べ,得た知識をもとにして話し合う。 |
(3) 地震によって地表にはどんな変化が起るか
問 答 |
地震によって起る地表の変化の種類について問答する。 |
研究と話合い |
地震による地割れ・断層・地すべり・土地の隆起と沈降などについて調べて話し合う。 |
教師の説明 |
日本の最近の地震による地表の変化について写真・絵などを利用して説明する。 |
(4) 地震の災害はどのようにして防いだらよいか
研究と発表 |
過去の大地震による災害について研究し発表する。 |
話合いと教師の説明 |
次のことについて話し合い,教師はそれについて説明を加える。 a.地震津波のおそった地帯とその災害 b.地震津波の原因 c.海岸の様子と地震津波の災害との関係 |
研究と報告 |
次の題目の一つを選んで研究し,報告書を提出する。 a.地震と火災から家を守ること b.地震津波の災害防止 c.大地震の際の対策(処置) |
教師の説明 |
地震の原因と予知の問題について説明する。 |
5.地表には長い間にどんな運動が見られるか
研究と発表,教師の説明 |
グループで次の題目から選んで研究発表し,教師が説明を加える。 陸地の上昇について a.陸地に見られる海底のたい積物 b.陸地の上昇と海岸線との関係 c.陸地の上昇と海岸平野の形成 d.海岸段丘や河岸段丘の成因 e.陸地の上昇を示す他の証拠 陸地の下降について a.おぼれ谷やリヤス式海岸の成因 b.瀬戸内海や三陸海岸の近くに見られる小島郡の成因 c.陸地の下降を示す他の証拠 |
講 義 |
次のことについて講義する。 a.三角点や水準点の変化による地表の運動の証拠 b.地層に見られる不整合と過去の土地の運動 |
(2) 山はどのようにしてできるか
話合い |
山脈と火山の違いとそれを知る手がかりについて話し合う。 |
教師の説明 |
次のことを絵・写真などを利用して説明する。 a.断層の形式と断層による山のでき方 b.しゅう曲の形式としゅう曲による山のでき方 |
野外観察と話合い |
野外で断層・しゅう曲を観察し,それについて話し合う。 |
講 義 |
次のことについて講義する。 a.日本や世界におけるしゅう曲山脈の例とその成因 b.日本や世界における断層山脈の例とその成因 c.日本の主要な地質構造線と地質構造の大要 |
研究と報告 |
次のことについて報告書を提出する。 a.郷土の土地の特徴について b.郷土の地形と生活との関係について |
単元Ⅲ 水は自然界のどんなところにあるか。また,水は生活にどのようなつながりをもっているか
水は土や空気などと同様に,われわれの生活にあまりにも密接なものなので,かえってその存在やはたらきに無関心になりがちである。しかし,水が自然界のいたるところに存在し,またそれぞれ重要なはたらきをしていることを,一つ一つ具体的に考察してみると,水のはたらきが,想像以上に重大なものであることが改めて強く認識されてくるであろう。この単元は,生物が,たえず水をとり入れて生命を保っているという,水の存在を最も切実に感ずる問題からはいり,次いで,水をどこから得ているかを調べる。自然に存在する水はいろいろなものを含んでいて,飲料や洗たくに不適当な場合があるので,これをよい水にする原理や方法を学習する。次に,水の物理的・化学的性質を調べ,液体の一般的性質や,原子・分子・化合物の概念も明らかにする。水はただ多量にあるというだけでなく,その状態を変えながら自然界を循環して,気象現象や地形に変化を与え,川・湖や地下水となり,生物の生命をささえ,また動力の源となっている。水が自然界のあらゆるところで大きなはたらきをしているのは,このように水が自然界をめぐるためであるということもできよう。このように水の性質・はたらき・利用に関する問題はきわめて広範であるので,基礎的なものを見のがすことなく指導すべきである。実験もこの単元で多く行われるであろうが,安全に行うことと,基礎的な技術を身につけることを考慮する必要がある。
目 標
2.水の性質・分布および水中にすむ生物について理解する。
3.水を浄化する方法に関する知識を得る。
4.水の組成に関する知識を得る。
5.水が自然界をめぐることについての知識を得る。
6.水は自然界に存在する物質のうちで,最も豊富にあるものの一つであることを感得する。
7.水についての実際的な実験を計画し,これを行う能力を高める。
8.自然現象を注意深く観察する能力を高める。
9.環境に対する興味を深める。
10.水を合理的に使って日常生活を科学的・健康的にしていく態度を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
話合い |
動植物がどのように水を求めているかについて,具体的ないろいろな例によって話し合う。 |
測 定 |
植物体内に含まれている水の量を測定する。 |
実 験 |
はち植えの植物にじゅうぶん水を与えた場合と,あまり与えない場合とで,育ち方を比べてみる。 |
問 答 |
動植物体内での水のはたらきについて問答する。 |
生徒の説明 |
生物の生活に水のたいせつなわけを説明する。必要に応じて教師が補う。 |
(2) 水はどんなところから得られるか
話合い |
水はどこにどんな形で存在するかについて話し合う。 |
研究と報告 |
次の事項を研究し,報告する a.川・湖・池の水の源 b.地下水・井戸と泉の水の源 c.土や岩に含まれている水 d.その他 |
生徒の説明 |
水の得られる源について説明をする。 |
(3) 物を洗ったり,飲んだりする水をどのようにしてきれいにするか
実 験 |
濁水をろしでこしてみる。 |
調 査 |
いろいろの場所(井戸・水道・川・泉・湖・その他)の水を集め,比較して調べる。 |
実 験 |
次の事項を実験して調べる。 a.水にとけているもの b.濁水に明ばんを入れてどのようにきれいになるかをみる c.井戸水の水質 |
自由研究 |
郷土で行っている飲料水の浄化法について研究し発表する。 |
教師の実験と説明 |
軟水と硬水について説明し,硬水の軟化法について実験し,説明する。 |
実 験 |
せっけんを使って水の硬度を調べる。 |
見 学 |
水道の浄水池を見学し,水道の専門家の説明を聞く。 |
研究と報告 |
上水道について研究し報告する。 |
(4) 家庭では水をどのように使うか
研究と報告 |
自分の家での水の使いみちや使用量について研究したり,測定したりして用途別にグラフに表わしてみる。 |
話合い |
水のどのような性質が洗たくや調理に適しているか,また,家庭での水のよりよい利用法などについて話し合う。 |
2.水にはどんな性質があるか
観察と話合い |
次のような場合,水の表面はどうなるかを観察し,その理由について討議する。 a.いろいろな器の水の表面(水の表面のふちのようすを注意してみる) b.毛細管の水の表面 c.連通管の水の表面 d.植物の葉の上の水滴 |
教師の実験 |
水準器の使い方や水盛りのしかたを示す。 |
実 験 |
水の深さと水圧の関係や水の表面張力についての実験を行う。 |
問答と教師の説明 |
水圧や表面張力についての実際例について問答をし,必要な事項を説明する。 |
(2) 水は何でできているか
実 験 |
水の電気分解の実験をする。 |
教師の実験 |
水素を燃やすと水ができることを実験して示す。 |
話合い |
上の実験からの水の組成について話し合う。 |
教師の説明 |
分子・原子を表わす記号,元素・化合物について説明をする。 |
(3) 水はどのように物をとかすか
問 答 |
水にとける物ととけないものについて問答する。 |
実 験 |
水の温度をかえて,物質の溶解度を測定する。 |
グラフの作製 |
溶解度と温度との関係を示すグラフを作る。 |
実 験 |
物をとかした水を蒸発させて,とけている物が結晶していくようすを観察する。 また,蒸留水を得る実験をする。 |
話合いと教師の説明 |
上の実験結果を明らかにするため,次の話合いをし,必要なことを説明する。 a.物質が水にとける量には一般に限度がある b.その限度は水の温度によって変る c.このときの水蒸気は純粋である d.水にとける物質は再結晶の方法で純粋にすることができる |
実 験 |
水をあたためると出る気泡を,ろうとを使って試験管に集め,水蒸気でないことを確かめる。 |
話合い |
気体が水にとける実例について話し合う。 |
実 験 |
水にアルコール・油を加え,まじりぐあいを調べる。 |
教師の説明 |
液体が液体にとけることについて簡単に説明する。 |
3.海はどんなはたらきをするか
観 察 |
海岸で,海岸線・波・潮せきなどを観察する。 |
自由研究と報告 |
潮の満干の差を判定し,図にかいて報告する。 |
生徒の説明 |
潮流についての説明をする。 |
教師の説明 |
潮の満干の起るわけを説明する。 |
研 究 |
参考書などによって海流を調べ,地図に記入する。 |
生徒の説明 |
おもな海流(寒流・暖流)とその気候や漁業に及ぼす影響について説明する。 |
(2) 海にはどんな生物がいるか
観 察 |
浜べの生物やその環境を観察する。 |
研究と報告 |
打上げられる海そうの種類や,市場に出まわる魚の種類などを季節ごとに調べ,表に書いて報告する。 |
話合い |
プランクトンの季節による変化について話し合う。 |
図表の作製 |
海の生物の種類や分布についての図表を作る。 |
(3) 海水中にはどんなものがとけているか
実 験 |
海水を蒸発させて塩をとる。 |
研 究 |
製塩の方法を研究する。 |
見学またはスライド |
塩田を見学する。または,海水から塩をつくるようすを示すスライドや写真をみる。 |
(4) 海の底はどうなっているか
観察と話合い |
海図を観察し,海底の地形について話し合う。 |
説 明 |
海底の様子,海の深さを測る方法を説明する。 |
研究と話合い |
グループで,海の深さ・水圧・生物などについて調べて話し合う。 |
(5) 海は気候にどんな影響を与えているか
研 究 |
同じ緯度の各地の気温を調べる。また,海に近い場所と離れた場所の気温を調べる。 |
研究と報告 |
昼間と夜間,および季節によっての風の変化を調べ,図をかいて報告する。 |
教師の説明 |
季節風・たい風・海風・陸風などについて説明をする。 |
話合い |
海の気候に及ぼす影響について話し合う。 |
4.水は自然界をどのようにめぐるか
調 査 |
郷土の川や湖を調査して,それらの利用について研究する。 |
観 察 |
河原の石や河水中の物質を観察する。 |
生徒の説明 |
川や湖のはたらきと利用について説明する。 |
研究と報告 |
川や湖の水源について研究し,図を作って報告する。 |
(2) 地下水はどのようなものか
測 定 |
井戸の深さや水温の季節による変化を測定する。 |
自由研究と報告 |
井戸の湧(ゆう)水量を調べ報告する。 |
教師の説明 |
泉の成因について説明する。 |
話合い |
地下水の源と利用について話し合う。 |
(3) 水はそのすがたをどのように変えるか
話合い |
水はどんな時にはやく蒸発するかについて話し合う。 |
実 験 |
水の沸点と氷点を測定し,水が水蒸気になるとき,氷が水になるときには多くの熱が必要であることを調べる。 |
生徒の説明 |
a.温度の変化によって水の体積が変ることを説明する。 b.水の蒸気圧は温度が上がるにつれて増すことを説明する。 |
教師の説明 |
物質の三態について説明する。 |
(4) 水は自然界をどのようにめぐるか
図の作製 |
個人またはグループで自然界における水の循環を示す図をかく。 |
話合い |
自然界で水が循環をするわけについて教師を中心として話し合う。 |
問 答 |
水が自然界をめぐることによって起るいろいろな現象もわれわれの生活に及ぼす影響について問答する。 |
単元Ⅳ 生物はどこで,どのように生育するか
要 旨
中学校第1学年の生徒が,生物の採集・飼育などに関して強い興味をもつことは,各種の興味調査の結果からも明らかである。したがって,この単元のような問題を学習にとり上げることは,生徒の自発的学習意欲は高まり,自然環境から問題を見いだしつつ,これを継続的,関連的に調べようとする態度と能力とを身につけるのに役だつであろう。
さらに,このような学習の意義を社会生活の面から考察すると,生物の生活が人生と深い関連をもつことに気づくであろう。すなわち,われわれの衣食住の資源の多くは生物界より得られ,また逆に生物によって少なからざる害もこうむっている。したがって,有用生物を育成し,有害生物を除去することは重要な問題であるが,それには生物の種類・形態・習性などに関する理解を必要とする。
この単元の内容とするところは,家の中・野山・田畑・池や川などに生育する生物について,種類・生活のしかた・人生との関係を調べ,さらに生物を一定の規準によって分類することにある。
指導にあたっては,まず,この学年の単元Ⅰとの関連に注意しなくてはならない。すなわち,すでに生物の飼育・栽培を継続的に行い,諸種の環境条件の測定を行っているのであるから,それらの記録を適当な時期にまとめながら,この単元の学習に発展させることが望まれる。次に,生物の生活をつとめて環境と関連的に扱うことが必要である。それには,植物と動物との生活の相互依存,生物の生育をはぐくむ無機環境の特性などを,この学年相応につっこんで学習させたい,なお,学習の時期は,夏の休と関連させたり,問題の性質によっては,別の時期にゆずったりすることも,学習の効果をあげる一方法として考えられよう。
目 標
2.身のまわりの動物や植物に興味をもち,そこから問題を見つけ出す態度を養う。
3.自然界の美しさや調和を感得する。
4.人類と生物との間の関係や,いろいろな生物相互の関係について理解する。
5.生物の生活を関係的に正確に観察する能力を養う。
6.有用な生物の種類を維待したり,ふやしたりする方法を理解する。
7.生物を愛育する態度を養う。
8.動植物を飼育・栽培する技能を養う。
9.有害な生物を駆除する方法についての知識を得る。
10.生物資源を保護したり,ふやしたりしようとする態度を身につける。
11.環境が生物に与える影響や,生物の環境への適応について理解する。
12.生物を分類する能力や知識を身につける。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
話合い |
家の中にいる有害な生物の種類と,それらの害について,これまでの経験をもとにした話合いをする。さらにその結果に基いて,家の中の有害生物の一覧表を作製する。 |
研 究 |
教科書・参考書によって,次のことを調べる。 a.家の中にいるおもな害虫の特徴・生活(たとえば,カ・ハイ,ノミ・シロアリ・シミなど) b.ネズミ・ノミ・シラミ・ナンキンムシなどの生活史,ふえ方 c.伝染病の仲だちをする動物の種類 d.カビのふえ方と害 |
映画・スライド |
上の学習に関連した映画・スライド・写真などを,教師の説明によって見る。 |
計 画 |
家の中の有害な生物をなくする方法を計画し実行する。 |
(2) 庭にはどんな草やこん虫が見られるか
問 答 |
庭に雑草の茂りやすい時期,除草の必要な理由などについて問答をする。 |
観 察 |
校庭で,次のことを観察する。 a.どんな種類の雑草が,どんな場所に茂っているか b.雑草はどのようにしてふえるか c.どんな種類のこん虫が,どんな場所で,どのような生活をしているか |
採 集 |
校庭で見られる草やこん虫の採集をする。 |
集めたものの整理 |
採集した雑草の名まえ・特徴を,絵・図鑑・検索表などによって調べ,さらにウサギ・ニワトリなどのえさになるものをえり分ける。 |
飼 育 |
飼いやすいこん虫の飼育を行い,その生活史を継続的に観察・記録する。 |
映画・スライド |
庭で普通に見られるこん虫の種類・生活などに関する映画・スライド・写真などを見る。 |
記 録 |
上の学習について必要な写生を行い,記録を作製する。 |
討 議 |
討議によって,次のことを決める。 a.校庭や家庭の庭の除草をする時期と,その方法 b.1年を通じて庭の雑草やこん虫を調べる計画 |
(3) 人はどんな動物を飼っているか
話合い |
飼養されている動物の種類や飼育法について,従来の経験をもとにして話合い,さらに利用の道によるそれの分類表を作製する。 |
研 究 |
教科書または参考書を使って,家畜の歴史,いろいろな家畜の品種とその特徴を調べる。 |
計 画 |
適当な家畜を選び,それを学校で飼育する計画をたてる。 |
研 究 |
上で選択した家畜の飼育法を,教科書や参考書を読んだり,人の話を聞いたりして調べる。 |
見 学 |
牧場,ハチ・ニワトリ・カイコなどを飼っている所を見学し,そこの仕事を観察する。 |
記 録 |
上の学習の結果や,学校や家庭における家畜の飼育についての記録を作製する。 |
(4) 庭にはどんな植物が栽培されるか
話合い |
学校や家庭の庭の木の種類や効用などについて,従来の経験をもとにした話合いを行う。 |
実 習 |
校庭で,庭木のさし木・株分けなどを行い,また成長度を測定する。 さらに代表的な庭木につき,その構造を教室内で調べる。 |
記 録 |
上の学習の結果を,記録する。 |
研 究 |
教科書または参考書を読んで,次のことを調べる。 a.秋に紅葉するしくみ b.庭木とこん虫との関係 c.いろいろな庭木の効用 |
計 画 |
学校園の今後の運営の計画をたて,それを実施する方法を討議する。 |
2.野山にはどんな生物が見られるか
観察と採集 |
野山に行き,そこにすむ目だったこん虫の種類とその生活の様子および生育場所を観察し,採集を行う。 |
研 究 |
採集したこん虫,および学校備え付けの標本についてその名まえを,図鑑・検索表などによって調ベ,さらに,それらのこん虫の特徴・生活法・越冬法,人生との関係を,教科書または参考書によって調べる。 |
飼 育 |
採集したこん虫の一部を,グループまたは学級全体で飼育し,その生活史を調べる。 |
映画・スライド |
こん虫の変態に関する映画・スライド・写真・絵などを見る。 |
まとめ |
写生・報告などによって上の学習のまとめを行う。 |
(2) 野山にはどんな草がはえているか
観察と採集 |
野外に行き,次のことを観察したり調べたりする。また採集する。 a.生育する草の種類と場所 b.種子の散布の方法 c.種子の形と構造 |
分 類 |
採集した草の名まえを,図鑑・検索表などによって調べ,さらに,それらを次の観点で分類する。 a.1年生と多年生 b.有毒と薬用 c.人生への効用 |
発表と討議上 |
の学習の結果の発表を口頭で行い,その結果についての討議を学級全体で行う。 |
(3) 鳥はどこに巣をつくるか
問答と発表 |
郷土に普通に見られる鳥の種類,鳥類保護の必要などに関する教師の発問に,これまでの経験や知識をもとにして答える。なお,野外で,鳥の巣を見たことのある生徒は,それについて発表する。 |
見 学 |
林業試験場その他の施設を見学し,係員の説明を聞いたり,資料を見たりして,野鳥の生活や巣のことを調べる。 |
研 究 |
教科書または参考書によって次のことを調べる。 a.鳥のひなの育て方 b.巣を作り,卵を産む時期 c.巣箱の作り方 |
映画・スライド |
野山の野鳥の生活を映画・スライドなどで見る。 |
巣箱の製作 |
巣箱を作り,適当な場所につける。 |
計 画 |
巣箱にはいった野鳥のせわと継続観察の計画をたてる。 |
(4) 森や草原の生物はどのように育つか
話合い |
森林の植物の種類につい,従来の経験を思い起しながら話し合う。 |
野外観察 |
森林や草原に行き,次のことを調べる。 a.きょう木・かん木・下草の種類と分布 b.そこにみのっている果実や種子 c.一定面積中に多く生育している植物の種類 d.木の切り株があれば,その年輪の構造 e.そこにすむ動物 |
発 表 |
上の学習の要点を記録し発表する。 |
研 究 |
教科書または参考書を読み,次のことを調べる。 a.森林の構造 b.群落の遷移 c.そこの動植物の相互関係 |
映画・スライド |
映画・スライド・絵などで次のことを見る。 a.森林の構造 b.群落を構成する植物の生態 |
展 示 |
生徒が作ったり,学校に保管してあったりする標本や,絵・模型などを使って森林や草原の構成を示す展示物を作製する。 |
(5) 生物の種類は山の高さと関連してどのように変化するか
問 答 |
高山に登った経験などをもとにして,次のことについて問答する。 a.山の高さによる植物の種類の変化 b.高山にすむ特殊な鳥やこん虫 |
話合い |
高山の生物の標本または絵を調べ,平地の生物と異なるところを話し合う。 |
講 義 |
絵写貞などを用いて次のことを講義する。 a.高さによって生物の種類や形態が変化すること b.地球の緯度によっても同様な変化が見られること |
研 究 |
教科書または参考書によって次のことを調べる。 a.高さや緯度によって生物が変化するおもな原因 b.日本における主要な動植物の分布 |
記録と発表 |
上の学習の要点を記録し発表する。 |
3.田畑にはどんな生物が生育するか
問 答 |
次のことについて,これまでの経験や知識をもとにして問答する。 a.農夫が田の除草をする時期と理由 b.田にいる動物の種類と,イネの生育に及ぼす影響 c.田にはえる雑草の種類 |
観察と採集 |
田に行き,目だつ雑草や,その環境について観察し,さらにこれらを採集し,稲田の水を持ち帰る。 |
研究と観察 |
a.上で採集した生物について図鑑・検索表などによって,名まえ・形態・構造その他の特徴を調べる。 b.ウキクサその他の水草を水ばちで栽培し,そのふえ方を観察する。 c.淡水巻貝・ザリガニなどの小動物を水ばちの中で飼育し,その様子やふえ方を調べる。 d.稲田の水を顕微鏡で観察し,その中の微生物を調べる。 |
記録と発表 |
上の学習の要点を記録し,グループ別に発表する。 |
研 究 |
教科書または参考書によって,次のことを調べる。 a.稲田の動物とイネの生育や収穫との関係 b.稲田にレンゲソウを育てる理由と,その根の構造 c.稲田の害虫を駆除する方法 |
映画・スライド |
映画・スライド・絵などから稲田の害虫の害や生活史を明らかにする。 |
討 議 |
上の学習の結果に基いて,稲田の害虫を駆除するにはどうしたらよいかを討議する。 |
(2) 畑にはどんな生物が見られるか
野外観察 |
学校の農園や自分の畑に行って,虫取りや除草を行い,どんな虫や雑草があるかを調べる。 |
研 究 |
教科書または参考書を読み,次のことを調べる。 a.畑に見られる野生の生物の名まえ・特徴・生活の様子 b.それらが畑の作物に対する影響 c.畑の雑草のふえ方 d.害になる草や動物を除く方法 |
討 議 |
上の結果に基いて,有害な草や動物を除くにはどうしたらよいかを討議する。 |
表の作製 |
グループごとに次のことを示す一覧表を作る。 a.害虫の名まえ b.多く発生する時期と,害を受ける作物 c.駆除する方法 |
(3) 作物はどのようにして作られるか
話合い |
郷土に作られている作物の種類について,知っていることを話し合う。 |
見 学 |
農家や農業会などに行き,あるいは家族の話を聞いて次のことを調べる。 a.いろいろな作物を作る時期 b.作物の育て方と必要な肥料 |
農業こよみの作製 |
上で得た資料をもとにして農業ごよみを作製する。 |
観 察 |
教科書・参考書などを参照しながら,作物の各部の形態,構造を観察する。(たとえば,イネ・ムギ,主な野菜類について。) |
記録と発表 |
上の学習の要点を記録し,結果を発表する。 |
計 画 |
学校の農園で作物を作る計画をたて,実行に着手する。 |
4.池や川にはどんな生物が見られるか
野外観察と採集 |
池や小川に行き,次のことを調べ,採集をする。 a.目だつ動物の種類 b.それらの生活のしかた c.環境の特徴 |
研究と観察 |
上で採集した動物について,その名まえや特徴を図鑑や検索表などによって調べる。 さらにその中で適当な種類を選んで飼育する計画をたて,これを実行しながら,運動の様子・成長,食性などを観察する。 |
記録と発表 |
上の学習の要点を記録し,発表する。 |
研 究 |
教科書あるいは参考書を読み,普通に見られる淡水動物の種類と特徴とについて明らかにする。 |
映画・スライド・標本 |
映画・スライド・標本などによって池や川の動物の生活を知る。 |
(2) 池や川にはどんな植物がはえているか
野外観察 |
池や小川に行き,次のことを調べ,水草や,もを採集する。 a.おもな水草や,もの種類 b.環境の特徴 |
研究と観察 |
採集した植物の名まえ,形態・構造などを図鑑または検索表などによって調べる。ついで,それを,動物を飼育している水槽に入れ,生活の様子を観察する。 |
記録と発表 |
上の学習の要点を記録し,発表する。 |
研 究 |
教科書または参考書によって,水中植物の水中生活への適応を調べる。 |
映画・スライド・標本 |
映画・スライド・標本などで池や小川の植物の生活を調べる。 |
(3) 池や川にはどんな浮遊生物がいるか
教師の説明 |
問答によって,前に稲田の水の中から微生物の観察をしたことを思い起させ,さらに次のことを説明する。 a.浮遊生物とはどんなものか b.浮遊生物が漁業上どんなに重要か c.浮遊生物の採集法 |
顕微鏡による観察 |
採集しておいた浮遊生物を顕微鏡で観察し,いろいろな浮遊生物を写生する。 |
研 究 |
教科書または参考書によって,次のことを調べる。 a.一年を通しての浮遊生物の分布と消長 b.動物性浮遊生物と植物性浮遊生物との相関 |
発 表 |
本で調べたことを口頭で発表する。 |
(4) 魚類をどのようにして保護するか
教師の説明 |
日本人の食事のたんぱく源として,淡水魚の利用の重要性を説明する。 |
研 究 |
グループで教科書または参考書を読み,次のことを調べる。 a.淡水魚はどんな原因で減少するか b.淡水魚保護のための施設や法律 c.淡水魚の養殖法 |
発 表 |
上の学習の要点をグループ別に発表する。 |
見 学 |
近くの養魚場・水産試験場などに行き,そこの仕事を見学する。 |
映画・スライドなど |
映画・スライドなどを見て,淡水魚の保護・養殖などについて知る。 |
討 議 |
淡水魚を保護するために自分たちでできることを討議する。 |
紙しばい |
魚類保護の重要性,保護の方法などを知らせる紙しばいを作る。 |
(5) 川の水の状態が違うと,そこにすむ生物にはどんな変化が見られるか
話合い |
生物の種類は場所により,また川の上・中・下流によって違うことを,これまでの経験をもとにして話し合う。 |
講 議 |
スライド・標本・掛図などを使って,生物の種類や生活のしかたが川の水の状態によって違うことを講義する。 |
展 示 |
川や池の模型を作り,その適宜な場所に生物の標本や絵などを配置する。 |
映画・スライド |
淡水魚と環境との関係を示す映画やスライドを見る。 |
5.生物はどのように分類することができるか
資料の整理 |
この単元の学習で集めた動物の標本・写生・絵などを整理する。 |
資料の収集 |
日本および世界の動物のカート・絵はがき・写真・絵などを集める。 |
見 学 |
動物園・博物館などを見学し,いろいろ動物の種類について調べる。 |
話合い |
いろいろな動物について,人生との関係を話し合う。 |
(2) 植物にはどんな種類があるか
資料の整理 |
この単元の学習で集めた植物の標本・写真などを整理する。 |
資料の収集 |
日本および世界の植物の標本・絵はがき・写真などを集める。 |
見 学 |
植物園・博物館などを見学し,植物の種類について調べる。 |
話合い |
いろいろな植物の人生との関係について話し合う。 |
(3) 生物は,なにをもとにして分類されるか
話合い |
これまでに学習したいろいろな生物をなにかの規準によって分類すると便利であることを話合い,生物を分類する規準をいろいろ討議する。 |
実 習 |
前に学習した生物を,適当な規準によって分類し,その結果を一覧表に書く。 |
発表と討議 |
口頭で上の分類の結果を発表し,それが適当かどうかを討議する。 |
講 義 |
生物分類表・系統樹の掛図などによって,次のことを構成する。 a.動物および植物の人為分類と自然分類の意味 b.動物および植物の分類法 |
単元Ⅴ 地下はどのようになっているか。また,そこからどのような資源が得られるか
要 旨
地球の表層部は地かくとよばれる岩石の層からできている。地かくを構成している岩石にはいろいろな種類があり,またこの中には有用な鉱物資源が含まれている。われわれはこの地かくの上に生活し,種々の岩石や鉱物を掘り出して利用している。これらの資源の中には近代文化の骨組をなす金属・石炭・石油など重要なものがきわめて多く,その多少は生活の向上に大きな影響をもっている。さらに地かくの表層には土が広がっており,われわれはここに作物を栽培し,樹林を植え,すまいを造るなど種々の生活のかてを得ている。したがって,岩石・地下資源・土などの成因や性質を理解し,これらをいっそうよく利用することは,われわれの生活を向上させる上にたいせつなことである。ことにわが国は面積が狭い上に平地が少なく,土地の有効な利用は大きな問題になっている。
また岩石の中には大昔の生物のあとかたを含むものがあり,これらの化石がおもな手がかりになって地球上に起った生物の移り変りや地かくの変動の歴史などが調べられている。このような地球の歴史に関しては生徒は大きな関心をもっており,さらに現在の生物や地表の様子を理解する上に大きな手がかりにもなる。
この単元では,上に述べたような考えをもとにして,土・岩石や鉱物・地下資源・古生物・地球の内部などに関する基礎的な事項を理解し,あわせて土のでき方・地球の内部・生物の移り変りなどを推論したり,岩石・鉱物・化石などを集めて分類したりする能力を養い,さらに自然に親しみ,自然の偉大さを感得し,自然をいっそう利用して生活を向上しようとする態度を養うことなどをめざしている。
目 標
2.土と作物との関係について理解する。
3.過去の生物の移り変りについて理解する。
4.地球の内部の状態について理解する。
5.地下資源の種類や成因について理解する。
6.岩石・鉱物・化石などを集めて標本を作ったり,分類したりする能力を伸ばす。
7.事実をもとにして岩石のでき方・地球の内部・生物の移り変りなどを推論する能力を養う。
8.郷土の自然と親しみ,その特性に適した生活を営もうとする態度を養う。
9.問題解決のために専門家の意見を聞く態度を養う。
10.事実や原理を応用して生活を改善する能力や態度を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
問 答 |
復習と導入のために次の問答をする。 a.地下に関する知識と疑問 b.土と人生との関係 |
(1) 土はどのように利用されるか
研究と発表 |
次のことについて調べて発表する。 a.土地や土壌はどのように利用されているか b.郷土の土地や土壌はどのように利用されているか |
調査と地図の作製 |
グループで郷土の土地の利用状態を調べ,簡単な土地利用の分布図を作る。 |
話合いと教師の説明 |
前の調査に基き,土地の性質と利用との関係について話合い,教師は必要な説明を加える。また,陶土・粘土・砂などの利用について話し合う。 |
(2) 土は植物とどんなつながりをもっているか
話合い |
砂地・湿地・岩山などの場所の違いによってはえる植物はどのように異なるかについて話し合う。 |
観察と話合い |
グループで郷土の作物と土地や土壌との関係を観察して話し合う。 |
実験と話合い |
各種の土を集め,グループ別にその透水性・保水性を実験し,その結果や作物との関係について発表や話合いをする。 |
教師または代表の生徒実験,説明 |
数種の土について水素イオン濃度を測定し,酸性度を決める。次に土の酸性度と作物との関係について説明する。 |
教師の説明 |
次のことについて説明する。 a.植物と土中の微生物との関係 b.作物と肥料との関係 c.耕作の効果 |
(3) 土にはどんなものがあるか
話合い |
郷土のいろいろな土の違いについて話し合う。 |
教師の説明 |
次のことについて説明する。 土の分類のしかたとその結果について説明する。 |
実験と分類 |
グループ別に各種の土の組成を調べ,これを分類する。 |
地図や図表の作製 |
郷土の土の種類を示す地図や図表を作る。 |
(4) 土はどのようにしてできるか
研究と話合い |
土の成生と風化作用の関係について調べて話し合う。 |
野外観察と話合い |
次のことについて野外や視覚教材によって観察し話し合う。 a.岩石の表面の風化の様子 b.岩石から土へ移り変る様子 c.扇状地・三角州・沖積地・火山地帯などの土の成生 d.郷土の土のでき方 |
表の作製 |
土を成因によって分類し,表を作る。 |
研究と発表 |
土壌や土地の保護と改良について調べて発表する。 |
話合い |
郷土の土地や土壌のいっそうよい利用法について話し合う。 |
2.地かくは何からできているか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.地かくの意義とその構成物質について b.岩石の種類と分類の基礎について |
観察と話合い |
深成岩・火山岩・半深成岩のおもな種類を観察し,その違いや成因について話し合う。 |
教師の説明 |
火成岩の成因・産状・性質などについてややくわしい説明をする。 |
表の作製 |
火成岩の分類表を作製する。 |
観察と話合い |
おもなたい積岩(れき岩・砂岩・でい岩・石灰岩など)を観察し,その成因とそれらの違いについて話し合う。 |
教師の説明 |
たい積岩の成因・産状・特徴などについて,ややくわしい説明をする。 |
表の作製 |
たい積岩の分類表を作る。 |
観察と話合い |
変成岩を観察し,その種類や特徴などについて話し合う。 |
教師の説明 |
変成岩の種類・成因・特徴・分布などについて説明する。 |
話合い |
火成岩・たい積岩・変成岩の違いについて話し合う。 |
野外調査と話合い |
郷土の岩石の種類や分布について野外調査をし,標本を分類し,話し合う。 |
(2) 岩石はどんな鉱物からできているか
話合い |
岩石と鉱物の違いや関係について話し合う。 |
観 察 |
a.かこう岩は石英・長石・雲母などの鉱物からできていることを確かめ,各鉱物の集まり方や性質を調べる。 b.いろいろな岩石について構成鉱物の種類や性質を調べる。 c.造岩鉱物の結晶を観察し,形や特徴を調べる。 |
教師の説明 |
標本や図表を用いて次のことを説明する。 a.おもな鉱物の種類や性質の大要 b.造岩鉱物の種類と火成岩の分類との関係 |
(3) 鉱物にはどんな性質があるか
話合い |
鉱物とはどんなものか,また,岩石とどんな点が違うかを話し合う。 |
実験と話合い |
グループで次の実験をし話合いをする。 a.おもな鉱物の結晶形・色・硬度・光沢・透明度・へき開・条こんなどを調べる b.明ばん・硫酸銅などの結晶を作り,結晶の成長について話し合う |
教師の説明 |
結晶の構造や鉱物の結晶のでき方,産状などについて説明する。 |
図表の作製 |
鉱物の種類・性質・利用などを示す図表を作る。 |
3.地球の内部はどんなになっているか
話合い |
地球の内部に関する知識や疑問などについて話し合う。 |
研究と話合い |
次のことについて調べて話し合う。 a.地球の内部が非常に高温であることの証拠(たとえば,よう岩・地下増温率など) b.地球内部の圧力の推定 |
教師の説明 |
前の話合いをもとにして地球内部の温度と圧力とについて説明を加える。 |
(2) 地球の内部はどんな物質からできているか
研究と発表 |
グループ別に次のことを調べて発表する。 a.地球内部の物質の成分・構造・密度 b.地球内部の状態 |
教師の説明 |
絵・図表などを用いて次のことを説明する。 a.地球の密度を測定する方法 b.地球内部の物質とその構造を推定する方法 c.地球内部の物質はどんな状態になっているか,またそれはどんなことから推定されるか |
断面図の作製 |
地球内部の有様を示す断面図をかく。 |
4.地下からどんな資源が得られるか
話合い |
地下資源や金属の種類と,その重要性について話し含う。 |
研究と発表 |
おもな金属の性質と利用について調べて発表する。 |
教師の説明 |
二,三の例によって金属鉱床のでき方と,採掘から精錬までの過程の大要を説明する。 |
観察と説明 |
おもな鉱石を観察しその特徴について話合い,教師が説明を加える。 |
地図と図表の作製 |
日本のおもな金属鉱山の分布を示す図表や地図を作る。 |
(2) 地下からどんな燃料資源が得られるか
話合い |
次のことについて話し合う。 a.燃料の種類や石炭・石油の重要性について b.世界および日本のおもな炭田・油田の分布について |
教師の説明 |
図表・写真・絵などを用いて次のことを説明する。 a.日本の炭田・油田の構造の大要 b.石炭・石油のでき方 c.採炭・採油の方法 |
観察と実験 |
次の題目について観察または実験をし,結果を話し合う。 a.石炭の種類と性質 b.石炭を乾留してその成生物の性質を調べる c.原油・重油・軽油・揮発油・ピッチなどの性質 |
教師の説明 |
絵・写真・図表などを用いて次のことを説明する。 a.石炭の乾留と成生物の性質・用途 b.石油の分留と成生物の性質・用途 |
研究と図表の作製 |
石炭・石油の用途を示す図表や炭田・油田の分布を示す地図をかく。 |
(3) 岩石や鉱物はどんな役にたつか
話合い |
身のまわりには岩石や鉱物がどんなことに利用されているかを話し合う。 |
研究と発表,教師の説明 |
次の題目の一つを選んで調べ,発表した結果に教師が説明を加える。 a.石材の種類と用途 b.石灰岩の利用 c.陶器やガラスなどの原料 d.飾石と宝石 e.岩石や鉱物のその他の利用 |
図表の作製 |
岩石や鉱物の用途を示す図表をかく。 |
調査と話合い |
a.郷土の石材・石灰岩・陶土などの産地や用途を調べ,現地を見学する。 b.郷土の鉱山の見学をし,その結果について話し合う。 |
5.地表のすがたはどのように移り変ってきたか
話合い |
a.ここで学習するおもな問題や,それに関する興味や疑問などについて話し合う。 b.地球の歴史を調べる手がかりや方法について話し合う。 |
(1) 化石はどんなものか。また,それからどんなことがわかるか
話合いと教師の説明 |
次のことについて話合い,教師が説明を加える。 a.化石とはどんなものか b.化石はどのようにしてできたか |
教師の説明 |
次のことについて化石の標本,絵などを用いて説明する。 a.化石の新旧はどのようにして決めるか b.化石は地層の古さや時代の決定にどのように役だつか c.石は過去の水陸分布・気候・海の様子などの推定にどのように役だつか d.化石は生物の移り変りを知る上にどのように役だつか e.地質時代を区分する方法と各時代の長さ |
見学と調査 |
a.博物館・学校・研究所などで化石を見学し結果を話し合う。 b.近くに化石の産地があったら採集し,化石のはいっている状態や当時の土地の様子などについて話合い,標本を整理し,調査結果を報告する。 |
(2) 生物はどのように移り変ってきたか
読 書 |
グループで生物の歴史に関する書物を読み話し合う。 |
研究と発表,教師の説明 |
グループごとに次の題目の一つを選んで研究し発表する。 教師は説明を加える。 a.太古代の自然界と生物 b.古生代の自然界と生物 c.中生代の自然界と生物 d.新生代の自然界と生物 e.人類の出現と発達 f.その他 |
図表の作製 |
グループで生物の発達を示す図表を作る。 |
劇または紙しばいの作製と発表 |
生物の移り変りを示す劇や紙しばいを作り,それを演示する。 |
(3) 大昔の日本はどんなになっていたか
研究と発表,教師の説明 |
グループ別に次のことについて研究し,発表する。さらに教師が説明を加える。 a.日本の各地質時代の地層の分布とおもな化石について b.各地質時代における日本の有様 |
教師の説明 |
地質図・絵・写真などを用いて次のことを説明する。 a.地質図の作り方・よみ方・利用の方法など b.日本の地質構造の大要 c.郷土の地質の特徴 |
(4) 地球の年齢はどのようにしてはかるか
研究と話合い |
a.地球の年齢を調べるてがかりについて研究し話し合う。 b.今までに試みられたいろいろな地球の年齢の推定法について調べて発表し,その正確さについて話し合う。 |
教師の説明 |
放射性鉱物をもとにした地球の年齢の測り方を説明する。 |
研究と発表 |
地球の誕生についての諸説について調べて発表する。 |
単元Ⅵ 天体はわれわれの生活とどのようなつながりをもっているか
要 旨
天体観測の経験や,太陽系や宇宙についての科学的な知識をもつことは,正しい宇宙観をいだき,また生活をうるおいのあるものにするためにたいせつなことである。さらに天体は,時間・暦・潮汐・方位の決定そのほか多くの問題について,われわれの生活に密接な関係をもっており,ことに太陽は地球上のあらゆる生命や変化の源となっている。一方,天体に関する生徒の興味は,神秘なもの,未知なものに対するあこがれというような素朴な形でとどまっていることも多いが一般に非常に強い。天体の観測を行ってこれに親しみ,また科学者が研究していった方法を調べ,知識を豊富にすることによって,天体に対する興味は深められるであろう。
星の観測には,直接,教師がその場で指導することが困難な場合が多いであろう。星座表を作ったり,北極星やその近くの星座の見方を指導したりして,観測の手引を与えておく必要がある。そして,星座名をたくさん覚えることに終始するようなことなく,次に述べてある目標にそって,観測すべきことをはっきりさせておかなければならない。また,太陽を観測する時には,白紙上に投影するとか,サングラスの完全なものを使うなどの方法をとり,目を痛めないようにじゅうぶんに注意する必要がある。
目 標
2.恒星について,ある程度の知識を得る。
3.太陽について,また,太陽が地球に及ぼす影響についての知識を得る。
4.太陽系についての知識を得る。
5.科学上の発見や,進歩をもたらした科学的方法について理解する。
6.天体を調べることに興味をもつ。
7.宇宙には,秩序があることを感得する。
8.天文学を築きあげてきた偉大な科学者の業績を感得する。
9.天体や環境に対する科学的な態度を養う。
学習の範囲と順序,学習活動
方 法 |
学 習 活 動 |
導入の話合い |
a.太陽の構造,大きさ,われわれの生活との関係について話し合う。 b.太陽が大気の状態によって,その外観がいろいろに変ってみえるありさまを話し合う。 |
観察と話合い |
日の出・日没時の太陽の色や見かけの大きさを観察し,日中の太陽のありさまと比較して話し合う。 |
観 察 |
望遠鏡を使って太陽の像を白紙の上に投影するか,または望遠鏡およびサングラスを通して太陽の黒点を観察する。 |
自由研究 |
毎日,太陽の黒点を観測してその変化を研究する。 |
教師の説明 |
図表を使って太陽の自転・太陽の表面・太陽と地球との距離について説明する。 |
図表の作製 |
太陽・地球および月の大きさの比較を示す図表を作る。 |
(2) 太陽の光や熱はどのようにして地球に来るか
実 験 |
球部にすすをぬった温度計が直射日光に露出された時とさえぎった時とで温度がどう違うかを調べる。 |
問 答 |
太陽から地球への熱や光の伝わり方について問答する。 |
説 明 |
前の実験や問答から,熱や光はふく射によって伝わってくることや,地球上に来る熱量について話す。また日射で空気はどのように暖められるかを説明する。 |
(3) 日光は生物にどんな影響を与えるか
実 験 |
a.水中のもに日光をあてた時と日かげにおいた時とで出る酸素のあわの数がどう違うかを比べる。 b.アサガオなどの葉を数枚ずつ朝早く取ったものと,夕方取ったものとを別々にアルコールにつけ,次に薄いヨードチンキをつけてみて,でんぷんの量を比べてみる。 c.暗い所で植物を育ててみる。 |
話合い |
太陽の熱や光が植物に及ぼす影響について話し合う。 |
討 議 |
動物は太陽なしに生存できるかどうかを討議する。 |
図表の作製 |
太陽とわれわれの生活との関係を示す図表を書いてみる。 |
2.地球の近くにはどんな天体があるか
展 示 |
月の絵や写真を集めて展示する。 |
話合いと教師の説明 |
月に関するいろいろの資料を集めて,月の表面・大きさ・地球との距離・空気の存否などについて話し合う。 教師は必要に応じて補う。 |
(2) 月はなぜ満ちたりかけたりするか
教師の実験 |
ボールが電燈の周囲をまわるにつれて,電燈に照らされているボールの影が変ることを示す。 |
話合い |
a.前の実験に関係づけて月の形の変る理由を話し合う。 b.月の形の変化と潮の満干およびわれわれの生活との関係について話し合う。 |
観察と展示 |
毎晩月の形を観察し,一月の間の変化を示す図を展示する。 |
観 察 |
望遠鏡で月の表面を観察する。 |
(3) 太陽系にはどんな惑星があるか
説 明 |
惑星と恒星を見分ける方法を説明する。 |
観察と発表 |
いくつかの惑星を観察し,その外観・位置などについて発表する。 |
観 察 |
望遠鏡を使って木星・金星・土星などの惑星を観察する。 |
研究と報告 |
参考書などにより惑星の大きさや表面の様子を調べ,報告する。 |
(4) 惑星はどのように動くか
実 験 |
床上に太陽と惑星の軌道をかき,太陽および惑星を示す球を置いて惑星の運動を調べる。 |
教師の説明 |
惑星の天球上の運動について説明する。また万有引力の法則を説明する。 |
(5) ほうき星や流れ星はどんなものか
発 表 |
流星を観察した経験を発表し合う。 |
研究と発表 |
いん石について調べ図表や写真などを使って発表する。 |
教師の説明 |
流れ星のできるわけを説明する。 |
発 表 |
ほうき星を観察した経験について発表する。 |
教師の説明 |
ほうき星について説明をする。また過去に見られた有名なほうき星について説明する。 |
観 察 |
流れ星を観測する。 |
3.宇宙にはどんな天体があるか
観察と報告 |
星座表を参照して星を観察し,星の明るさ・色・またたき・星座の位置について報告する。 |
教師の説明 |
星の大きさ,色,またたきの原因などについて説明する。 |
(2) 星の光からどんなことがわかるか
教師の説明 |
星の色と温度との関係を説明する。また,星の光から星にふくまれている元素や,星が地球から遠ざかっていく速さがわかることなどを話す。 |
(3) 恒星とはどんな星か
研究と報告 |
星の大きさや構造に関して参考書により研究し,報告書を提出する。 |
観 察 |
望遠鏡で天の川や星雲を観察し,図表などを使って発表する。 |
教師の説明 |
写真や図表を使って天の川・星雲・星団について説明する。 |
見 学 |
天文台を見学する。 |
(4) 恒星までの距離はどれくらいあるか
教師の説明 |
光年について説明する。太陽と地球の間の距離を1mに縮めたとしたら,近い恒星の位置はどのへんになるかというような例をあげて,恒星までの距離を説明する。 |
計算と話合い |
いくつかの星と地球との距離を参考書などから調べ,地球と太陽の間の距離の何倍であるか,また汽車や飛行機ならどのくらいかかるかを話し合ってみる。 |
4.星はなぜ空を動くか
観 察 |
北斗七星の位置が時間とともに変化するようすを観察する。 北極星の方向に写真機を向けて2〜3時間露出して写真をとって調べる。 |
測 定 |
簡単な緯度測定器を作り,ある星の一時間毎の高度の変化を測定する。 |
生徒の説明 |
上の測定結果から,恒星が時間的にどのように位置を変えるかを説明する。 |
観 察 |
毎晩一定時刻に星の位置を観察し,一定時刻における星の位置は,日々変化することを調べる。 |
話合い |
天体の運行について話し合う。 |
(2) 惑星は星座の中をどのように動くか
観 察 |
いくつかの惑星の運動を継続観察し,星座表に記入する。 |
教師の説明 |
観察結果を使って,惑星は星座の中をどのように運行するかを説明する。 |
(3) 季節によって見える星はどう変るか
製 作 |
星座早見盤を作る。 |
研 究 |
星座早見盤を使って星を継続観察し,星の年周運動を調べる。 |
説 明 |
見える星は季節によって違うわけを,黄道上の太陽の位置から説明する。 |
(4) 星の動きはどうして起るか
話合い |
星座が時とともに位置を変えるわけを話し合う(日周運動・年周運動)。 |
5.地球の自転と公転は,われわれの生活にどのような影響を与えるか
話合い |
昼の太陽の高さは季節によって変ることを話し合う。 |
観察とグラフの作製 |
地上に鉛直に立てた棒の影の長さから,毎月の太陽の高度を測り,1年を通じての太陽の高度の変化を示すグラフをかく。 |
(2) 季節によって昼夜の長さはどう変るか
調査と図の作製 |
暦などにより日の出・日没の時刻を調べ,年変化をグラフにかく。 |
自由研究 |
毎月2回ずつ日の出・日没の時の太陽の方向と,時刻を観察する。 |
話合い |
季節により昼夜の時間に変化があることについて話し合う。 |
教師の実験 |
地球儀に一方から光をあて,これを回転させ,光源と地球儀の位置の関係によって昼夜の変化が生ずること,時刻が地球上の各地で違うことを示す。 |
(3) 季節の変化はどうして起るか
実 験 |
紙面に光をあて,紙面と光線との角を0°から90°まで変えたとき紙面にあたる光の強さがどう変るかを調べる。 |
教師の実験と説明 |
電燈を中心にして地球儀を公転させ,地球が太陽のまわりを公転していることを示す。 |
話合い |
季節の変化の起るわけを話し合う。また夏至,冬至のあとに気温の最高,最低が来る理由について話し合う。 |
(4) 正確な時間をどのようにして決めるか
研究と発表 |
時報はどのようなしくみで行われるかを調べて発表する。 |
製 作 |
北斗七星の動きを利用して時を計る方法をくふうし星時計をつくる。 |
話合い |
正確に時間を決める方法について話し合う。 |
教師の説明 |
a.時間は地球の自転により定められること,正確な時刻は天文台で星の観測をして修正されることを説明する。 b.教師または生徒は標準時・平均太陽時・恒星時などについて説明する。 |
(5) 1年の長さをどのようにして決めるか
研究と話合い |
暦の種類を調べ,いろいろな暦の優劣について話し合う。 |
教師の説明 |
1年の長さは地球の自転によって決まるものであることを説明する。 |
(6) 日食や月食はどんなときに起るか
教師の実験 |
地球儀・ボール・電燈を使って日食・月食の起るわけを明らかにする。 |
生徒の説明 |
日食・月食の起る時の地球・月・太陽の相対的位置を説明する。 |
観 察 |
日食・月食があったら観測して記録を取っておく。 |
教師の説明 |
日食の場合にどんなことが見いだされるかを説明する。 |