§1.中学校数学科の一般目標
中学校数学科の一般目標は,第一章にあげた中学校・高等学校の数学科の一般目標を具体化したものでなければならないことはいうまでもない。この具体化を考えるにあたって,考慮すべきことは,次の二点である。
(2) 小学校における算数科と,どんな違った面をもたせていくか。
中学校は,小学校と同じく,義務教育であることから考えて,小学校での指導がそのまま受け継がれ,これをいっそう強力に推し進めていくべきであることは,当然のことである。
小学校の算数科では,後にあげる一般目標によってもわかるように,ただ単に,算数の技能を発達させることだけをねらってはいない。算数の技能をわけがわかって用いつつ,これによって,自分の生活を高めていくことをねらっている。すなわち,算数科の一般目標は,生活を高めていくのに数学を有効に用いていくようにする面と,この際に,数学的な内容を,わけがわかってじょうずに用いていくようにする面とからあげられている。
このような考え方は,中学校の数学科の指導においても,そのまま受け継がれなければならない。中学校は,義務教育として,国民の全部が受けるものであるから,その指導は,国民の全部の人に有意義であることを目ざすベきである。こうして考えるときは,中学校での指導においてもただ単に,ある職業,ある方面の研究のために必要な数学についての技能を指導するということよりも,一般の人がほんとに自分の生活を高めていくのに数学が用いられるようにするということをねらうべきである。すなわち,数学科の一般目標は,やはり,小学校のように二つの面から考えていくことが必要と認められる。
2.小学校との相違
しかしながら,中学校は,小学校よりも,いっそう発達した面をもつことも当然である。この発達していく面としては,次の二つの点が考えられる。
(b) こどもは,小学生から中学生になるにつれて,いっそう広い範囲に問題をもち,また,いっそう筋道のたつようにものを考え組織的な問題解決や,論理的な思考が,しだいにできるようになってくる。したがって,問題を数学を用いて解決していくことや,数学的な内容を論理的に考えることが,この時期にうんと伸ばすことができる。そして,こうしたことを伸ばすことが,(a)で説明したねらいを達成していくのに有用であることは明らかである。したがって,中学佼の数学科では,こうした面にも大きなねらいをおかなくてはならない。
以上のことから考えると,中学校の数学科の一般目標は,
(b) 小学校における数学的内容を,中学生の程度に,さらに発展させたものとして,数・四則・公式・方程式・測定・近似・表・グラフ・図表示・図形および実務が考えられる。
(c) 数学を用いて問題を解決していく際に,中学校として特に指導を要する面としては,問題を分析する面,基礎とすべき事がらや資料についての知識,数量的に問題を処理していく面,その結果をとおしての反省の面が考えられる。こうしたことから一般目標をあげてみると,次のようになる。
A 数学を手ぎわよく用いていく際の数学についての理解および能力
2.数量的な思考をするのに必要な用語や記号を理解する。
3.計算を,正確にしかも能率のあがるようにする能力を養う。
4.公式で示されている数量的な関係を説明したり,また,公式を用いて数量的な関係を表わしたりする能力を養う。
5.測定の意味と方法を理解し,測定を手ぎわよく,正確に,しかも能率のあがるようにする能力を養う。
6.信頼できる概数や近似値をとったり,また,示された資料に,どの程度の誤差があるかを見積ったりする能力を養う。
7.数量的な資料を示すのに,表やグラフの形式を用いると,簡潔で,しかも具体的であることを知り,表やグラフを用いて,実際的にしかも簡潔に表現する能力を養う。
8.方程式の意味を理解し,簡単な方程式を解く能力を養う。
9.簡単な幾何図形の性質を理解し,これを具体的な場に適用する能力を養う。
1O.簡単な幾何図形は,直観的な明確さをもっていることを知り,簡単な縮図を読んだり,書いたりする能力を養う。
ll.得られた結果を,いろいろな方法で検証する能力を養う。
12.将来を予側するのに,数量的な判断が有効であることを知る。
13.一般的な実務に関係して,数量的な処理をするのに必要な,用語や基本的な概念を理解する。
15.じょうずに経済生活をしていこうとして,(たとえば,ものをうまく消費したり,生産したり,また,流通させたりしていこうとして)数量的な処理をするのに必要な事がらには,どんな種類のものがあり,また,それがどんなところにあるかなどについての知識を身につける。
16.個人的な問題や社会的な問題を処理するのに必要な,信頼できる資料を求めたり,利用したりする能力を養う。
17.問題を見とおして,数量的な関係の適切な処理の方法を定めたり,結果の見当をつけたりする能力を養うとともに,これに基いて問題を処理する能力を養う。
18.数量的な面からみて,正確で,的確で,能率のあがる,しかも筋道のとおった考え方で,その数量的な関係を処理していく能力を養う。
19.的確で,しかも能率のあがる数量的な取扱いをすることが,自分たちの生活に大きな貢献をすることを知る。
20.数量的な処理が,科学や他の分野に大きな貢献をしていることを知る。
21.数量的な処理が,社会の人たちの協力を推進したり,また,労力をいっそう節約したりする上に,大きな貢献をしていることを知る。
次に,参考のために,小学校算数料の一般目標をあげておこう。
小学校算数科の一般目標
(b) 日常生活を,数量関係からみて分析したり,綜合したりして,すじみちをたて,問題をとらえる能力や傾向を伸ばすとともに,これを解決する能力を伸ばす。
(c) 社会,理科,図画工作などの算数以外の分野において,数量関係を見ぬき,それが,巧みに処理できることから,算数が,どんなに大きな貢献をしているかを知り,数量関係を生かして用いる能力や傾向を伸ばす。
(d) 書物を読んだり,実務を処理したりするときに,よく出会う数量関係についての用語や記号の理解を深めるとともに,これらの用語や記号を用いて,正しく考えたり,間違いなく他人に伝えたりする能力や傾向を伸ばす。
(e) もののねうち,長さなどの測定の発達,その測定の社会的意義,実測の手続きについての理解を深め,計器の使用に必要な技能を伸ばすとともに,正確な計器と正しく用いる能力や傾向を伸ばす。
(f) 算数は,数量関係を,一層,正確に,気楽に,能率のあがるように,しかも的確に考察処理するのに有用であることの理解を伸ばすとともに,算数を,生活の向上に生かして用いる能力や傾向を伸ばす。
(b) 必要に応じて,正しく,しかも,適当な速さで計算ができるようにする。
(c) 必要に応じて概数をとったり,概算をしたり,また,近似値を用いる能力を伸ばすとともに,その正確さと,それに対する制約についての理解を深める。
(d) 数量的な用語や記号についての理解を伸ばすとともに,これを正しく用いる能力を伸ばす。
(e) 数量関係をはっきり示す,いろいろな方法を用いたり,その方法をくふうしたりする能力を伸ばす。
(f) 図形の性質や物の形の概略を,直観的にとらえる能力をのばすとともに物の形や構造を,図やことばに表わしたり,模型に作ったりする能力を伸ばす。
(g) 数的な資料を,表やグラフにまとめたり,表やグラフで示されたことを理解したりする能力を伸ばすとともに,表やグラフを有効に用いる能力を伸ばす。
(h) 数量関係を,一層手際よく考察処理しようとして,くふうしつづけるようにする。
§2.中学校数学科の指導内容
中学校の数学科の一般目標を達するために,教師が実際の指導を計画するとき,何をとりあげて指導したらよいかを,まず考えねばならない。このとりあげるべきものをさして,指導内容といっている。それならば,指導内容とは,どんな性格のものか。これを,次に考えてみよう。
人間は,自分が積極的に参加して経験したことからのみ,その経験を一般化して,次の経験に対処する方法を学ぶ。このことは,生徒が,前に述べたような能力や理解を身につけていくときにも同様である。すなわち,数学が有効に用いられる,あるいは新しい数学が必然的に必要となるような場面に生徒が遭遇し,そこにおける問題を生徒が積極的に解決していく過程において,教師が,いろいろ必要な援助を与え,その解決ができるようにしていくとき,生徒は,目標とするような一般化を生み出すのである。このときに注意すべきことは,その解決を経験することに,目標に対して有意義な数学的な面を含み,しかもその数学が,目標にあるように社会的に有意義にきいていることである。
このような経験を名づけて,生活経験とよぶならば,数学科の指導内容は,このような生活経験によって組織されなければならないといえよう。すなわち,生徒は,この生活経験をとおして,一般目標の方向に発達していく。教師は,生徒が次々に一般化して生み出すことが,うまく累積していくように,この生活経験を与えなければならない。
生活経験から生れる一般化が,うまく累積していくように計画を立てるにはどうしたらよいであろうか。
このような経験として適当なものの具体的な系列は,地域によって,また生徒個人によって,いろいろと違っているものであることはいうまでもない。特に,数学は,きわめて応用の広いものであるから,これを含む経験として,これがよくて,あれが悪いということは,全国一律にはなかなかいいうるものでない。ここに,数学科の具体的な指導計画が,教師各人の責任にゆだねられているゆえんがある。
この教師の責任を遂行するための手がかりとなる参考資料として考えられたものが,次にあげる指導内容一覧表である。すなわち,望ましいと考えられる生活経験を,ある観点から類型に分け,この類型を大ざっぱな生徒の発達に沿って配列した参考見本が,この指導内容一覧表である。
この類型を分ける観点としては.一般化され累積されていくもの,すなわち,数学的な内容によるのが至当であろう。そして,その数学的な内容がうまく累積していくように,すなわち,生徒の発達の段階に沿って,学年に配当することが必要になる。次にあげる指導内容一覧表は,このような考えのもとにつくられたものである。
これをもとにして,教師が指導計画を立てるときに注意すべきことをあげてみると,次のようになる。
2.理解および能力と用語の欄にあげてあるのは,このような経験から一般化されて出てくるだろうと予想されるものである。実際にあるひとつの経験をとりあげたとき,これらのすべてが出てくるとは限らない。
3.それゆえ,具体的な経験の系列を計画していくときには,この表は,ひとつのチェックリストとガイドの役目をなすものである。この表にあげてある番号の順に,各番号にひとつずつの経験をあげていけば,それで済むというものではない。
4.学年の程度は,全国的にみて,普通の生徒が普通に学習してだいたいこの程度にいけるであろうと予想される程度にしてある。この程度までは,だれでも到達しなければならないというような強い基準ではない。このような基準は,各個人個人によって異なるものであるし,しかも,その異なるものは,現在までの研究の段階では,はっきり決められるだけの根拠をもたない。
5.経験の例としてあげてあるものは,それ自身の意味のほかに,一方においては,このようなことから一般化される程度にという意味で,右側にあげてある一般化の程度を示している。
6.この表は,各学年でとりあげる経験のおもな分野を示したものともいえる。その内面を流れる数学的な発達については,第Ⅳ章を参照せられたい。
中学校数学科指導内容一覧表
第 7 学 年(中学1年)
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①新聞その他に現れた人口や予算などに関する大きな数を読んだり,理解したりする。
(例)食糧不足の状況からみて,家庭で食物を節約しなければならない。これがよくわかるように,人口や,これに必要な食糧を調べたり,外国からの食糧輸入に要する費用などを調べる。 |
○1兆,およびそれ以上の大きな数を理解したり,それを読んだり書いたりする。
○大きな数を適当に概数で表わしたり,また,概数ともとの数とを区別したりする。 |
○億,兆
○概数 ○未満, 以上 |
②整数の四則計算を含んだ,生徒の日常生活に起る実際問題を解く。
(b)四則のうちの二つ,またはそれ以上を含んだ問題を解く。 |
○大きな数の加法をする。加える順序を変えて検算する。
○大きな数の減法をする。差を減数に加えて検算する。 ○大きな数の乗法をする。乗数と被乗数とを交換して検算する。 ○大きな数を,二けた,または三けたの数でわる。除数に商をかけて検算する。また余りを処理する。 ○乗法・除法に関して概算する。 |
○加法,和,被加数,加数
○減法,差,被減数,減数 ○乗法,積,被乗数,乗数 ○除法,商,被除数,除数,余り ○概算 |
③日常生活に用いられる具体的な物や材料に関連して分数の概念を理解したり用いたりする。
(例) ○かんづめなどを分けるのに,ひとりあての量を分数で表わす。また,あるグループの受け取る量を分数で表わす。 ○仕事の計画を立てるのに,仕上げた分量を分数で表わす。 |
○分数(真分数・仮分数・帯分数)を読んだり書いたりする。
○分数を最も簡単な形に直す。 ○帯分数を仮分数に,仮分数を帯分数に直す。 |
○真分数
○仮分数 ○帯分数 |
④分数に関する四則計算を含んだ具体的な問題を解く。
(b)四則のうちの二つ以上を含んだ問題を解く。 ○配給をしたり,受けたりするのに,分数の計算を用いる。 ○仕上げた仕事の量を分数で表わして,残りを仕上げるに要する時間を見積もる。 |
○数個の数の最大公約数や最小公倍数を求める。
○通分する。 ○分数や帯分数に関する四則計算をする。 ○ある数aと,他の数bを知って,bがaの何分のいくつであるかを求める。 ○bと,aがbの何分のいくつであるかを知って,aを求める。 ○aと,aがbの何分のいくつであるかを知って,bを求める。 |
○素数
○最大公約数 ○最小公倍数 ○通分,約分 ○逆数 |
⑤日常生活において,小数を用いたり,これに関する問題を解いたりする。
(b)四則のうちの二つ,またはそれ以上を含んだ問題を解く。 ○電力を有効に用いるために,その使用計画を立てる。 ○献立を作るとき,各食品100gについての熱量の表をもとにして,全体やひとりあたりの熱量を計算する。 ○畑の収穫高を一反あたりの収穫高の見積りをもとにして計算する。 |
○小数第四位までの小数を用いたり,読んだり,書いたりする。
○分数を小数に,小数を分数に直す。 ○小数の四則計算をする。 ○10,100,……,または,1/10,1/100……をかけたり,それらの数でわったりするのに,小数点の位置だけを移動する。 ○小数の乗除計算で,積や商の位取りや大きさを概算する。 ○ある数aの,他の数bに対する割合を少数で表わす。 ○上の場合に,その割合を表わす小数と,bとを知って,比を求める。 ○また,その割合を表わす少数とaとを知って,bを求める。 |
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⑥新聞・雑誌,その他の出版物に見いだされる棒グラフ・折れ線グラフ・円グラフなどを読む。また,得られた資料をわかりやすくするためにグラフで表わす。
(例) ○各食品の栄養分をグラフに表わす。 ○産業復興の状況を知るために戦前・戦後の生産量・石炭消費量・電力消費量を,グラフに書く。 |
○棒グラフ・折れ線グラフ・帯グラフ・正方形グラフ・円グラフを読んだり,作ったりする。
○グラフに表わすのに資料を適当に整理する。 ○いろいろなグラフの特徴を知って,グラフの適切なものを選択する。 |
○円グラフ
○正方形グラフ ○帯グラフ |
⑦日常生活において,具体的なものや材料に関連して,比・歩合・百分率の概念を用いる。
(例) ○食物を有効に用いるために,その成分の百分率表を用いる。 ○野球の打盤のじょうず・へたを打撃率で比べる。 ○主食の供出がどれくらい進んだかを調べるのに,供出率を計算する。 ○運動場のそうじ分担をクラスの人数の比によって決める。 |
○百分率・歩合の概念を理解する。
○100パーセント,および10割の意味を理解する。 ○分数の形で表わされた比を,百分率や歩合の形に直す。 ○百分率を分数や小数の形に直す。 ○歩合を百分率や分数の形に直す。 ○割合を表わすのに,どんな場合に分数が用いられるか,小数・歩合・百分率が用いられるかを知る。 ○連比を用いて,割合を表わす。 |
○百分率
○パーセント(%) ○歩合 ○割,分,厘 ○比の値 ○連比 |
⑧百分率・歩合を含む実際問題を解く。
(b)割引に関する問題 (c)手数料に関する問題 (d)家計の予算を作る問題 (e)損益に関する問題 (f)価格の上がり,下がりに関する問題 (g)その他日常生活に起る問題 ○学校のバザーで売価の15パーセントを手数料としてとり,共同募金にいれる。 ○商品に原価の10パーセントの利益をつけて,売価を決める。 |
○百分率や歩合を含む計算をする。
○一つの数が,他の数の何パーセント,あるいは何割にあたるかを求める。 ○一つの数の,与えられた百分率や歩合にあたる大きさを求める。 ○一つの数の何パーセントか何割かの大きさが与えられたとき,もとの数の大きさを求める。 ○100パーセントや10割より大きい百分率や歩合,および1パーセントより小さい百分率を理解したり,用いたりする。 ○帯小数で衷わされた百分率を理解する。 |
○利息,利率
○年利,日歩 ○元金 ○期間 ○元利合計 ○単利,複利 ○割引 ○手数料 ○勘定書 ○予算 ○原価 ○利益,損失 ○収入,支出 |
⑨家庭における実際的な仕事をする。
(b)おつり銭を勘定する。 (c)銀行におかねを預けたり,引き出したりする。 (d)売上げ伝票を書く。 (e)勘定書を払う。 (f)収支決算をする。 (g)郵便料を払う。 (h)税金を払う。 (i)かわせでお金を送る。 (j)保険料を払う。 (k)メーターを読む。 |
(これらの処理をするには,上にあげた数学的技能が使われる。) | ○預ける,出す,預金申込書
○保険料,保険証書 ○領収書,請求書 ○売上伝票 ○郵便料 ○貨幣 ○収支の均衡 ○繰越金 ○税 |
⑩家庭・学校・日常の仕事などをするのに,長さ,重さ,時間に関する測定をしたり,これらに関する計算をしたりする。
(例) ○花壇を作るのに,庭を測量したり,肥料の重さを計算したりする。 ○住宅を改造するために,家についての測量をする。 ○外国の統計資料を引用するのに,単位を換算する。 |
○長さ,重さ,時間の単位と,その同じ種類の単位の間にある相互関係を理解し,これを用いる。
○メートル法の単位系とその相互関係を理解し,有効に用いる。 ○日本の重さや,長さの単位(尺度法)を理解し,これをメートル法の単位に換算する。 ○米英の重さや長さの単位(ヤード・ポンド法)を理解し,これをメートル法の単位に換境する。 ○時間についての乗除計算をする。 |
○間・尺
○貫・匁 ○ヤード,インチ,
○ポンド,オンス,
○換算,換算表 |
⑪作業や遊びの中に現れる距離を概測したり,また,その値を実際に測ってみたりする。
(例) ○道を聞かれたとき,できるだけ正しく答えようとして,距離や時間を概測する。 ○遠足で,目的地までの距離を図上で目測したり,所要時間の見当をつけたりする。 |
○目測・歩測などによって概測し,それを巻尺などによって確かめる。
○縮尺(比)を考えて,地図上で実際の長さを求める。 ○磁針によって方位を知る。 |
○概測
○縮尺 ○磁針 |
⑫速度に関した実際的問題を解く。
(例) ○交通機関の進歩によって,どんなに便利になったかを調べるために,いろいろな乗物の速さを計算する。 |
○人や動物や乗物の速さを計算する。
○普通に用いられている速さは,平均の速さであることを知る。 ○数個の数の平均を計算する。 ○速さのいろいろな表わし方を知り,その相互関係を知る。 |
○時速,秒速
○平均の速さ ○ノット,海里 |
⑬自然や人工物について角を見いだしたり,特に垂直・平行などの関係にある直線や平面を見いだしたり,また,それらを利用したりする。
(例) ○教室を整頓するために,文庫だなや,机,いすなどの配置を考える。 ○家の中を整頓するために,小道具を入れる箱をつくるのに,平行や垂直の関係を利用する。 |
○平行・垂直の概念を具体物について理解する。
○平行線や垂線を正確に書く。 ○鋭角・直角・鈍角を区別する。 ○分度器を用いる。 ○いろいろな大きさの角を測ったり,書いたりする。 ○角を二等分する。 |
○平行線
○平行平面 ○垂線 ○点,直線,平面 ○角 ○直角,鋭角,鈍角 ○分度器,度 |
⑭建物や野外その他で,相似な平面形を実際の場面に見いだしたり,用いたりする。またこれらの図形の周の長さなどに関する問題を解く。
(例) ○住宅改良のプランを作るために,屋根や全景の形を調べたり,その模型を作ったりする。また,この住宅のまわりに作るへいの長さを計算する。 |
○地図を実地と相似なものと考えて,地図を用いる。
○正三角形・二等辺三角形・直角三角形・不等辺三角形を実際の場面に見いだしたり,作図したりする。 ○三角形・正方形・長方形の周の長さを求める。 ○平行四辺形・台形・ひし形を実際の場面に見いだしたり,作図したりする。 ○平行四辺形・台形・ひし形の周の長さを求める。 |
○図形
○三角形 ○正三角形 ○二等辺三角形 ○直角三角形 ○対角線 ○中点 ○四辺形 ○平行四辺形 ○台形 ○ひし形 |
⑮家庭・学校・社会に起る,正方形・長方形やこれらから組み立てられた簡単な図形の面積を含むような実際問題を解く。
(例) ○学校園を学年や各クラスに割り当てるために,その面積を測ったり,計算したりする。 ○家の敷地面積を計算する。 |
○面積の諸単位とそれらの間の相互関係を理解し用いること。
○簡単な図形の面積を方眼の数で読む。 ○尺貫法やヤード・ポンド法の面積の単位を,メートル法の単位に換算する。 ○長方形・正方形の面積を計算する。 |
○町,反,段,畝,歩
○平方フート ○平方ヤード |
⑯自然や人工物あるいは美術品などに,円・球・円柱・円すいを見いだしたり,また,それらの図形を用いたりする。
正六角形・正五角形・正八角形のような正多角形を美術品等の模様に見いだし,これをかく。 (例) ○学校やクラブの記章の模様をくふうする。 ○どんな形が使いよいかを研究するために,食器・容器その他の日用品の形を調べる。 |
○円柱・球・円すいなどを実際の場面に見いだす。
○円グラフをかいたり,美術品を作ったりするのに,中心角を理解し,その大きさを測る。 ○円に内接した正六角形・正五角形・正八角形を作る。 |
○中心角
○おうぎ形 ○球 ○円柱 ○円すい ○正六角形 ○正五角形 ○正八角形 ○正多角形 |
⑰自然や人工物について立体図形を見いだしたり,それを実際の場面で用いたりする。
家庭・学校・社会で用いている液量や穀量の単位を用いる。 (例) ○ふだん用いている容器の容積を前もって測っておいて,食糧を分けたり,たくわえたりするのに利用する。 ○倉庫の中の空気の体積を測って,害虫駆除や消毒に必要な薬品の量を計算する。 |
○体積の単位を理解し用いる。
○立方体・直方体の体積を計算する。 ○液量・穀量のメートル法の単位を理解し,用いる。 ○液量・穀量の尺貫法やヤード・ポンド法の単位をメートル法の単位に換算する。 |
○石,斗,升,合
○ガロン,ブッシェル |
第 8 学 年 (中学2年)
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①分数・小数の四則計算を含むような日常生活に起る問題を解く。
(例) ○学校園の耕作などで,一日の仕事の量を分数で表わし,全体の予定を見積る。 ○小数で表わされた測定値についての計算をする。 |
○分数の通分・約分をする。
○除法を,逆数をかける計算に直す。 ○10,100……,または1/10,1/100,……をかけたり,それらの数でわったりするときに,小数点の位置だけ移動する。 ○小数,または整数の乗法・除法の計算で,積・商の大きさや位取りを概算する。 |
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②日常の経済生活や自然現象について,新聞や雑誌などによく現れるいろいろな変化を歩合・百分率,または指数を用いて比べたり,あるいは,これをグラフに表わして比べたりする。
(例) ○わが国の現状を理解するため,新聞に出てくる生産指数・物価指数・生計費指数などを用いる。 ○いろいろな事故の回数を調べて対策を立てるために,その百分率や割合を計算したり,グラフにかいたりする。 |
○歩合・百分率の意味を理解し,これを有効に用いる。
○歩合・百分率の三つの用法の計算をする。 ○指数の意味とその特質を理解し,実際の場合にこれを利用する。 ○経済に関する指数を読んだり,また,その変動を指数に表わして比べたりする。 ○数や量の変化をグラフに表わす。 ○円グラフ・柱状グラフを読んだり作ったりする。 ○グラフにかかれた量の変化から,その変化の特徴や,二つの量の間の関係を見いだす。 |
○指数
生産 消費 生計費 物価 賃金 ○柱状グラフ |
③地域社会における経済的企業や活動を理解したり,それに関係する問題を解いたりする。
(例) ○銀行に預金するのと,株式や公債を買うのとで,どちらがどんな点で有利であるかを研究する。 ○地域社会における株式会社や自治体の事業活動を研究する。 |
○株式・公債・社債などの意味を知る。
○株式・債券などの配当・利まわりを計算する。 ○利息の計算に必要な要素の間にある関係を理解し,日常の具体的な場において利息の計算をする。 ○銀行や郵梗局などでは,どんな方法で利息を計算しているかを知る。 ○複利の意味を理解し複利表を用い,具体的な場において利息の計算をする。 |
○額面
○現価 ○配当,配当率 ○利まわり ○払込高 ○小切手 |
④日常生活に現れる量や,その間の関係を文字や式によって表わす
(例) ○輸入食糧の調理に必要な外国の単位系とメートル法の単位と換算を式に表わしておく。 ○利息や年利の計算に公式を利用する。 ○測近値の誤差を考えて,正しい値を不等式で表わす。 |
○文字を用いて,数や量を表わしたり,表わされたものを理解したりする。
○等号の意味を理解し,量や数の関係を等式を用いて表わす。 ○不等号の意味を理解し,数・量の大小関係を不等号を用いて表わす。 ○基本的な関係を簡単な文章で述べたり,公式の形に表わしたりする。 ○式を最も簡単な形に直す。 ○簡単な場合に,指数法則を理解し,それに関する計算をする。 ○簡単な場合に,かっこでくくったり,かっこをはずしたりする。 ○乗法の記号×を省路したり,÷を分数の形に表わしたりする。 |
○同類項
○係数 ○公式,式 ○等号(=) ○等式 ○不等号 (<>) ○2乗,3乗 (指数) |
⑤日常生活に起る問題を,方程式を用いて解く。
(例) ○株の利まわりをみるのに,買価・配当金・利まわりの公式をもとにして,求める。 |
○未知の量をxなどの文字を用いて表わす。
○量の中に相等関係を見いだして未知量を含む等式を作る。 ○等式の基本的な性質を理解し,これを用いる。 ○簡単な方程式を解く。また,その根をもとの方程式に入れてためす。 |
○方程式
○根,解く ○未知数 ○右辺,左辺 ○両辺 |
⑥自然現象や社会現象の中に比例の関係を見いだしたり,また,その関係を用いて,日常の問題を解決したりする。
(例) ○学校給食に必要な食糧の量を見積るのに,人数や日数に比例するものと考えて計算する。 ○遠足で,目的地までの時間を速さに反比例するものと考えて予定を立てる。 ○電気やガスを節約するために,その消費量が,だいたい,日数に比例するものと考えて見当をつける。 |
○日常の具体的な事実に関連して比例の概念を理解し,これを用いる。
○日常の具体的な事実に関連して反比例の概念を理解し,これを用いる。 ○比例や反比例の関係を式にかく。また,それを利用する。 ○連比で表わされた量についての計算をする。 ○比例や反比例の関係をグラフに表わす。また,グラフに表わされた関係から比例関係を見いだす。(比例と比例でないものとの区別を知る) ○比例関係において,変数と定数とを理解し,比例定数を用いて問題を解く。 |
○比例
○反比例 ○比例定数 |
⑦自然や人工物の中に,合同なものや相似なものを見いだしたりまた,合同や相似の概念を用いて,図形を取り扱ったりする。
(例) ○切抜きや折り紙などをするときに,合同や相似の概念を用いる。 ○ポスターなどを作るために,美しい図形を相似に拡大したり,縮小したりする。 ○学校や町の案内図を拡大したり,縮小したりする。 |
○具体的な物や,具体的な図形について,合同・相似の概念を理解し,合同なもの,相似なものと,そうでないものとの区別を知る。
○三角形について,合同や相似の条件を知る。 ○一つの簡単な図形に合同,または相似な図形を作る。 ○複雑な図形を三角形に分解して合同や相似の関係を用いる。 ○相似形の長さ・面積・体積の比と,その相似比との関係を知り,これを用いる。 |
○合同
○相似 ○相似の中心 ○相似の位置 ○相似比 |
⑧建物や土地などについて,測量によって,その縮図を作ったり,また,縮図や地図によって,長さ・面積あるいは方位などを側ったり,読んだりする。
(例) ○遠足や旅行などで,地図を用いる。 ○室の使い方をくふうするために,必要な部分を側って,その縮図を作る。 |
○地上に直線を設けて,その長さを測る。(200メートルぐらいまで)
○三角形の決定条件を知り,これを用いる。 ○地図を読む。 ○縮図や地図を利用して,長さや面積などを計算する。 ○地図上の位置を表わすのに,座標の考えを用いる。 ○方位を測ったり,また,地図について,それを読んだりする。 |
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⑨日常生活に現れる測定値について,誤差や近似値の概念を知り,それを用いる。また,日常生活において,長さなどを概測する。
(例) ○地図上での長さを測って,距離や面積を計算するときに,正しさや,くわしさを考えに入れる。 ○縮図や簡単な地図を作る場合めに,まず概測して,大きな誤りがないように見当をつける。 |
○誤差の意味を理解する。
○正しさやくわしさの意味を理解する。 ○正しさをそろえて,測定値や近似値の加法や減法をする。 ○有効数字の意味を理解し,近似値や測定値をa×10nの形に表わしたり,書き換えたりして,それらの数に関する乗法や除法をする。 ○計算尺を用いて,乗る法・除法の計算をする。 |
○誤差
○近似値 ○正しさ ○くわしさ ○計算尺 C尺,D尺,CI尺 ○有効数字 |
⑩公式などを利用して,日常生活によく現れる基礎的な図形の面積を計算する。
(例) ○田や畑の収穫量を予想するために,その面積を計算する。 ○花壇にいる種子の量を見積るために,その面積を計算する。 |
○三角形・平行四辺形・台形の面積の求め方を理解し,公式を用いて計算する。
○円周率の意味を理解し,それを用いて,円の周や面積を求める。 ○間接に,複雑な図形の面積などを計算する。 |
○底辺・底面
○高さ ○円周率(π) |
⑪日常生活によく現れる基礎的な立体の体積を,公式を用いて計算する。
(例) ○消毒のために必要な薬品の量を知るために,井戸の水のある部分を円柱と考えて,その体積を計算する。 ○いろいろな物の重さを求めるために,その体積を計算する。 |
○直方体や円柱の体積の計算のしかたを考え,その体積を求める。
○円すいや角すいの体積を,公式を用いて計算する。 ○複雑な立体の体積を間接に測る。 ○体積の単位を,液量や穀量の単位に換算する。 ○簡単な形の立体について,その体積・容積などを計算するのに,その平面図や断面図を用いる。 |
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⑫日常の具体的な事実に関連して,正の数・負の数の概念を理解し,正の数・負の数を用いる。
(例) ○零度以下の気温を,−をつけて,クラスの気温表に記入する。 ○遊戯の得点を記録するのに,+や−を用いる。 |
○量の増加・減少,あるいは一つの方向とその逆の方向を表わすのに,正の符号・負の符号を用いて表わす。
○基準の量よりの大小関係を,正の符号・負の符号を用いて表わす。 ○正負の概念を用いるとき,基準としての0の意味を理解したり用いたりする。 ○数の系統を考え,その中の数としての負の数の意味を理解する。 ○加法に対する逆元としての負の数の存在を知る。 |
○正の数,負の数
○符号 ○正の符号,負の符号 ○絶対値 |
⑬日常問題を解決するのに,正の数・負の数に関する四則計算を用いる。
(例) 家庭やクラスの会計計算をするのに,収入は正の数,支出は負の数として決算する。 |
○負の数の加法・減法に関する法則を理解し,加法・減法の計算をする。
○正の数・負の数の乗法・除法の法則を知って,乗法・除法の計算をする。 ○正の項・負の項の概念を用いて,加法・減法の計算をする。 ○交換法則や結合法則を用いて計算をする。 |
○項
○正の項,負の項 |
第 9 学 年(中学3年)
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①日常生活に関係して起る具体的な問題を,正の数・負の数を用いて解く。
(例) 平均を求めるのに,それに近いと思われ,しかも計算に便利な数をとって,それに対する過不足を正の数・負の数で表わし,それらの和を用いて,平均値を計算する。 |
○符号の法則の意味を理解する。
○正の数・負の数に関する四則計算をする。 ○温度計などに関連して,数直線の意味を理解し,負の数の位置を知る。 ○数直線に関連して,0の意味を知る。 |
○数直線 |
②日常生活に関係して起る具体的な問題を,分数や小数,あるいは歩合・百分率などを用いて解く。
(例) ○国の財政状況をよく知って,税の完納に協力するため,国の歳入における税の占める割合を,分数や百分率で表わして,他の歳入と比べる。 ○肥料の有効成分の百分率を知って,有効に各種の肥料を混合する。 |
○分数の四則に関する計算をする。
○小数の乗法・除法に関する計算をする。 ○歩合・百分率の三つの用法に関する計算をずる。 ○計算尺を用いて乗除の計算をする。 |
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③自然や社会における現象を理解したり,問題を解決したりするのに,比例や反比例を用いる。
(例) ○国の政策を理解して協力するために,主要な物資を実績や重要度に比例して分配することを理解する。 ○単利法では,利息が期間や元金に比例することを理解する。 ○工場経営を調べるとき,原価を見積るのに,人件費が賃銀ベースに比例するものと考える。 |
○具体的な事がらについて,比例する変化の特徴を理解し,これを用いる。
○比例関係を式に表わしたり,その式を用いて問題を解いたする。 ○比例定数と,比例を表わすグラフの直線のこうばいとの関係を知ったり,これを用いたりする。 |
○こうばい |
④日常生活に関係して起る具体的な問題を解くのに,方程式を用いる。
(例) 分配や混合についての具体的な問題を解くのに,連立方程式を用いる。 |
○一次方程式を解く。
○連立一次方程式の意味を理解し,簡単な場合に,これを用いて,問題を解く。 ○グラフにかいて,方程式や連立方程式の意味を知り,グラフを用いて,それらを解く。 ○方程式の根の検算をする。 |
○一次方程式
○連立方程式 ○移項 ○定数項 |
⑤日常生活に用いられる基礎的な公式や等式を知ったり,用いたりする。
(例) ○正方形の縦・横をいくらかずつ増したり減じたりすると,その面積は,どれだけになるかを計算するのに,次のような等式を用いる。 (a+b)2=a2+2ab+b2 (a+b)(a-b)=a2-b2 ○元利合計などを計算するとき計算が簡単になるように,公式を変形して用いる。 |
○等式を変形するのに必要な基本的な性質を理解し,これを用いる。
○文字を含んだ式(単項式)の四則計算をする。 ○公式の中にある必要な文字を未知数として,その式を解く。 ○基礎的な等式を知り,それを,計算するときに用いる。 ○簡単な式について,かっこでくくったり,かっこをはずしたりする。 ○公式を用いて,面積や体積を計算する。 |
○一次式 |
⑥座標の概念を用いて,具体的な物の位置や図上の点の位置などを表わしたり,また,表わされたものを理解したりする。
(例) ○台風の中心の緯度や経度を,ラジオの気象通報によって知り,そのコースを知るために,地図上で台風の位置を見つける。 ○地図を写しとったり,拡大あるいは縮小したりするとき,主要な点の位置を,座標によって示す。 |
○座際の概念を用いて,グラフ・地図・数表などを理解したり読んだりする。
○直線上の点の位置は,基準になる点と,正の方向とを定めることによって表わされることを知り,これを用いる。 ○平面上の点の位置は,二つの座標軸を設けることによって表わされることを知り,これを用いる。 |
○座標
○横軸(x軸) 縦軸(y軸) ○横座標 (x座標,) 縦座標 (y座標) |
⑦自然や社会におけるいろいろな現象を理解するのに,関係概念を用いる。
(例) ○税額と,収入・扶養家族数・基礎控除額・扶養控除額および税率との関係を調べる。 ○新聞などで,料理のことを読むとき,カ氏をセ氏に変えるために,カ氏温度とセ氏温度との関係を知る。 |
○具体的な現象,あるいは量の変化を,他の一つの量との関係において理解する。
○具体的な二つの変量に関連して対応の観念を理解する。 ○いくつかの変化する具体的な量の間に関係を予想し,これを見いだすために,これらを表に表わしたり,グラフにかいたりする。 ○表やグラフに表わされた二つの変化する量について,変化の特徴や規則性を見いだす。 ○一次式で表わされる関係をグラフに示すと,直線になることを知り,これを用いる。 ○関係ある二つの変数について,一つの変数がわずかに変化した場合に,他の変数は,だいたい前者に比例して変化することを知り,これを用いる。 |
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⑧社会,あるいは国家に関して,日常に行われる経済行為や現象について理解したり,それに関する仕事や計算をしたりする。
(例) ○国の財政について理解し,自主的に納税に協力するために税率を知って,自分の家の税額を計算して,申告する。 ○自分の将来の安全を図ったり,社会の不安を協力によって除いたりする方法として,保険について調べる。 ○銀行などの金融機関か,社会における事業に対して果している役割を調べる。 |
○利息の計算に必要な要素の間の関係および単利と複利との関係を理解し,これを用いて利息の計算をする。また,このとき複利表を用いたりする。
○手形・小切手などの意味と社会における役割とを知り,これに関する割引計算などをする。 ○いろいろな保険制度などについて理解し,これに関する計算をする。 ○いろいろな経済変動を,指数を用いて調べる。 ○国や自治体などの予算や決算の見方を知る。 |
○税,税率
○銀行割引 ○割引率 ○手形 ○小切手 ○かわせ ○保険, 保険金, 保険料, 保険料率 |
⑨自然や人工物で,具体的な物や図形について,合同や相似なものを見いだしたり,これを用いて,図形の性質を調べたりする。また,縮図を作ったり,縮図を利用して,長さや角を測ったりする。
(例) ○田地を測量するのに,三角形の合同や相似の条件を用いる。 ○灌漑の計画を立てるために,一つの用水路の受け侍つ面積を,地図や縮図から計算する。 |
○簡単な図形(平行線・正三角形・二等辺三角形・平行四辺形・長方形・ひし形・円・球など)の基礎的性質を知ったり,これを用いたりする。
○三角形の決定条件を知り,これを用いて,縮図などを作る。 ○相似の条件を理解し,これを用いて,図形を拡大したり縮小したりする。 ○相似比を用いて,相似形の長さ・面積・体積の間にある関係を知り,これを用いて相似形のこれらの量を計算する。 ○縮図を利用して,長さ・角・面積などを側る。 |
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⑩自然物・建造物あるいは美術品などについて,対称形を見いだしたり,また,対称形の性質を理解して,それを用いたりする。
(例) ○学校や公園を美化するために,花壇や池の配置に対称形を用いる。 ○学校の記章や自分の団体のマ一クの図案に,対称形を用いる。 |
○具体的な物について,対称形の概念を理解し,対称形と,対称形でないものとを区別する。
○点対称・線対称・面対称および対称の中心・対称軸・対称面などの用語の意味を知り,それを用いる。 ○対称形について,その基本的な性質を知り,また,それを用いて対称形を作る。 ○対称形の美しさを知り,これを用いる。 |
○対称
○点対称,線対称, 面対称 ○対称の中心, 対称軸,対称面 ○二等分線 ○垂直二等分線 |
⑪人工物や美術品などについて,回転体を見いだしたり,回転体の性質を知って,それを利用したりする。
(例) ○野球のバットなどの良しあしをいうのに,回転体の性質を用いる。 ○回転体の性質をもとにして,近代工業生産品の形と,そこで使われる動力の運動との関係を知る。 |
○具体的なものについて,回転体の概念を理解し,回転体と,回転体でないものとの区別をする。
○回転・回転体および回転の中心・回転軸などの用語の意味を知り,これを用いる。 ○回転体の基本的な性質を知り,これを用いて,図形を作る。 ○回軸体は美しい形であり,製作も便利であることを知る。 |
○回転
○回転体 ○回転の中心, 回転軸 |
⑫日常生活において,測量したり工作したりするときに,三平方の定理(ピタゴラスの定理)を利用する。
(例) 家庭や学校の農園,あるいは野球のダイヤモンドなどを作るとき,3,4,5の長さの比を利用して,直角を作る。 |
○三平方の定理を理解し,具体的な測量や計算などに利用する。
○平方の意味を理解し,平方数を計算する。 ○平方根の意味を理解し,簡単な数の平方根を,数表を用いて求める。 ○補間法を用いて,数表にない数の平方や平方根を求める。 ○三平方の定理を用いて,直角三角形を解く。 |
○平方
○三平方の定理 (ピタゴラスの定理) ○平方根 ○根号(√) ○斜辺 |
⑬日常生活においてよく現れる器具などの展開図や投影図を読んだり,作ったりする。
(例) ○電気を有効に用いるために,電燈のかさをくふうするのに,展開図を用いる。 ○家庭の器械などを修理するために,その設計図を用いて分解したり,組み立てたりする。 |
○簡単な立体図形の展開図を作ったり読んだりする。
○簡単な立体の投影図を作ったり読んだりする。 ○投影図に関する用語(投影図・平面図・立両図・平画面・立画面・基線など)の意味を知り,それを用いる。 |
○投影図
○平面図,立面図 ○平画面,立画図 ○基線 ○展開図 |
⑭日常生活において,三角比を用いて測量する。
(例) 高さをくわしく測る方法を研究するときに,三角比を用いて木の高さを測ったものと,縮図によって求めたものとを比べてみる。 |
○三角比の意味を理解し,それを利用して,長さや角を測る。
○三角比を用いて,直角三角形を解く。 ○数表を用いて,三角比の値や,角の大きさを求める。 |
○三角比
○正弦(sin) ○余弦(cos) ○正接(tan) |