二 各学年の単元の選び方および展開のしかたへの注意

 

 前の「伝記の選び方と読み方」「会議の進め方」「実用的な手紙の書き方」というのは、単元の例にすぎない。各学年において、次のようなことを考えて、単元を選ぶべきである。

第一学年

 国語学習の反省と設計

 日常の話しことばの改善

 ラジオの聞き方

 朗読のしかた

 伝記の選び方と読み方

 脚本の読み方

 辞書や参考書の使い方

 図書館の利用のしかた

 余暇を利用して読書しよう

 ノートや答案の書き方

 日記や記録の作り方

 交際のための手紙の書き方

 語いをふやすには、どうしたらよいか

 文集の編集

第二学年

 改まった場合のあいさつや紹介のしかた

 会話のしかた

 会議の進め方

 研究発表のしかた

 電話の使い方

 読書の方法技術の改善

 詩の味わい方

 シナリオの読み方

 文章の作り方

 要約や抜粋の作り方

 宣伝とポスター

 共通語と方言

 郷土の民話と伝説を調べよう

 クラス雑誌を作ろう

第三学年

 討議・討論のしかた

 放送のしかた

 劇の演出

 新聞の読み方

 現代文学を選んで読む

 文学と人生

 古典入門

 実用的な手紙の書き方

 創作のしかた

 日本語の構造と特質

 言語と社会生活

 世論の調べ方

 学校新聞の編集

 右は便宜上学年別に配当したが、基本的なものは毎年設けられてもよい。各学年の読書指導の具体的内容については、別に取り上げることにする。ここにあげたのは、一つの案であって、教師は学校の設備・環境、生徒の学力によって適当に取捨選択すべきである。一つの単元に与えられる時間は、一般に、その単元の範囲による。一単元にかける時間は、普通十五、六時間から二十時間ぐらいで、少なくとも十時間ぐらいはかけなければならないであろう。また、国語科の単元は、もっと大きな単元の中で、その一部分として取り扱ってもよい。そこに他教科特に社会科と理科との連絡が考えられる。ある単元を学習する間に発見された個人個人の技術上の弱点に着眼して、読むこと、書くこと、話すこと、聞くことの練習の時間を設けることも必要である。