単元 実用的な手紙の書き方
2 社会科、職業・家庭科などの学習に伴い、社会に関する認識が高まってくる上に、実際に社会へ出る日も近いことは、実用的な手紙への関心を深めている。
3 一般の社会生活の中で、書く生活の大部分は、手紙を書くことである。実用的な手紙はことに多い。実用的な手紙に書き慣れ、じゅうぶん用の足りる、正確な手紙を書く力を持つことは、社会生活を円満にしていく上に、たいせつなことである。また、多くの生徒は、いろいろな職業につくであろうが、それらの生徒には、よい実用的な手紙を書く能力がたいへん重要である。
4 生徒の八○パーセントは、手紙を実際に書いたことがある。それは自分で書いたものもあり、父母のために代筆したものもある。
5 学用品・運動具・洋服などの商店や製造所から、いろいろの広告の手紙を初め、案内状などの実用的な手紙を受け取って、いろいろ、実用的な手紙の実例を見る機会も重なっている。
6 もし、生徒が、前に「社交的な手紙」を学んでいるなら、卒業を前にして実用的な手紙を学ぶことは、適当である。
7 実用的な手紙を書く機会が増すとともに、読む機会も多く、いろいろな人の文章、いろいろな字体の手紙に接することができる。手紙の書き方についても、読んだり話し合ったりして、手紙を書くことを中心に、豊かな言語活動をすることができる。
2 実用的な手紙には、どんな種類があるかを学ぶ。
3 実用的な手紙を書くには、どういう点に注意しなければならないかを学ぶ。
4 筆無精でなく、気軽に手紙を書く態度や習慣をつける。
5 実用的な手紙の形式や文体などを学び、各種の実用的な手紙が書けるようになる。
6 実用的な手紙を書くことをとおして、社会についての認識を深める。
7 次のような点について、特に、能力を増す。
ロ 必要な用件を、わかりやすく、速く書く。
ハ いろいろの書き方の手紙を速く読みとる。
ニ 必要に応じて、気軽に、速く手紙を書く。
ロ 細かいことについて調べたことを話し合ったり、報告や解説をしたりする。
ハ 研究したことや、研究のための資料を整理しておく。
ニ 住所録を整理しておく。
2 実用的な手紙と社交的な手紙との関係。
3 それぞれの実用的な手紙の特色・組み立て・順序など。
4 一般的な手紙に特有な、用語や敬語の使い方。
5 硬筆・毛筆による細字の書き方。
6 封筒・びんせん・はがきなどの書き方。
7 ごく一般的な漢字のくずし方。
8 普通の、身近な郵便規則。
そのとき感じた困難。
どんな用事の手紙が、書かれることが多いか。
書く場合の困難はどういう点にあるか。
メモをもとにして、訪問の手続や行動に関する注意を、見やすくまとめる。
学校長などからの紹介状を謄写版刷りにする。
4 集めた手紙(A 商店・会社など、実社会から集めたもの)について研究する。
ロ 分担する手紙の種類によってグループになり、それぞれ、次のようなことについて調べる。
内容として、どういうことが書いてあるか。
どういう組み立てで、どういう順序に書いてあるか。
何に、何で、書いてあるか。
どんな形式で書いてあるか。
どんな用語が使われているか。
どんな文体が使われているか。
どんな書体で書いてあるか。
ロ それぞれ、次のことを用心にして調べる。
どんな場合に書いた手紙か。
特におもしろく思った点、またはすぐれた書きぶりであると思った点。
ロ 参考書を速く読みながら要点を書きとめる。
8 実用的な手紙を社交的な手紙と比べて、その特色を箇条書きにする。
9 作家その他有名な人の手紙の中から、いくつかを選び、パネル討論の形で研究する。
10 各グループによる、それぞれ分担している手紙の書き方についての研究発表会をする。
11 実際に必要な手紙を書いて発送する。
12 実際にいろいろの用件について手紙を書く練習をする。
14 書いた手紙・はがき・封筒および集めた手紙の中の適当なものの展示会をする。
ロ 実用的な手紙の種類。
ハ 実用的な手紙の書き方。
ニ 敬語。
ホ 手紙用語。
へ 郵便規則。
3 いろいろの手紙を書いているとき、また、書かれた手紙について、次のような点に重点をおいて調べたり、観察したりする。
ロ 毛筆なり硬筆なりが、どの程度に使いこなされているか。
ハ どのくらい速くきれいに書けるか。
ニ 字の書き方が読みやすくなっているか。
ホ 文意がはっきりわかるか、また、わかりやすいか。
へ 必要な用件が、明確にわかり、さらに味わいがあるか。
ト ことばづかいは適当か。
チ 実物見本などをよく利用しているか。
5 集めた手紙を分類するとき、いろいろの筆跡がどのくらい読めるかを観察する。
6 手紙の書き方についての研究発表の際に、各種の手紙の書き方が、どのくらい、はっきりと理解されたか、参考書はどのくらい活用されているかを観察する。
7 展示会を見て、特に次のような点について観察する。
ロ 手紙について、深く関心を持っているかどうか。
ハ 文字の書き方が、どのくらい整ってきたか。
ニ 文字の書き方について、関心を持っているかどうか。
9 次のような項目について反省させる。
ロ 社交的な手紙と実用的な手紙との区別がわかったかどうか。
ハ 実用的な手紙の種類がわかったかどうか。
ニ はがきの表が形よく書けるようになったか。
ホ 封筒がらくに書けるか。
ヘ それぞれの手紙の用件の軽い重いがわかるようになったか。
ト 郵便のきまりがだいたいわかったか。
チ 資料を集めたり整理したりしてあるか。
ロ 具体的な指導が適切であったか、特に、特殊な生徒への指導が適切であったか。
ハ 学習活動がかたよりはしなかったか。
ニ 時間は適当であったか。