(四) 各学年の具体的目標  以下に掲げた目標は一応各学年に分けてあるが、それがそれぞれの学年だけに限られるものでないことはいうまでもない。 第一学年

1 掲示や広告などを読んで正しく内容をつかむ。

2 新聞や雑誌などから話題になるような部分を読みとる。

3 日記や伝記・記録などを正しく順を追って読む。

4 読書案内や序文や注意書の使用に慣れる。

5 国語の辞書や漢字の辞書の使用に慣れる。

6 受け取った手紙の正しい扱い方、読み方に慣れる

7 物語や小説の筋をつかむ。

8 脚本や台本を興味深く読む。

9 韻文のリズムを味わう。

10 感想や随筆などを読むことに興味を持つ。

11 説明的な文の要点をつかむ。

12 効果的な文章表現の技術に注意して読む。

13 好きな作品の内容を詳しく読む。

14 余暇を楽しい読書にも使うような態度や習慣を養う。

15 学級文庫などで喜んで読書するような習慣をつける。

16 ローマ字文に慣れる。

第二学年

1 規約や掲示文などを批判的に読む力を伸ばす。

2 新聞や雑誌などの中の重要な記事を拾って読む習慣をつける。

3 日記や伝記・記録などについて、記事の内容を確かめながら読む。

4 読書案内や序文や注意書・目次・索引などを利用する。

5 各種の辞書や参考書の使いわけができる。

6 社交的な手紙を読み、相手の心持をつかむ。

7 物語や小説の背景などに注意して読む。

8 脚本・台本・シナリオの読みに慣れる。

9 韻文の鑑賞に慣れる。

10 感想や随筆を読んで内容について考える。

11 説明的な文を詳しく読む。

12 注釈を利用したりしてやさしい古典の物語を読む。

13 文章の構成や修辞に注意して読む。

14 文学作品の内容を深く味わって読む。

15 楽しみのための読書の能力を伸ばす。

16 図書館などで良書を選択して読む。

17 ローマ字で書かれた書物を自由に利用する。

第三学年

1 広告や規約などの内容を読んで批評する。

2 新聞や雑誌などの効果的な活用のしかたを知る。政治・経済・文化などの記事に関心を持つ。

3 日記や伝記・記録などについて、その時代や生活を考える。

4 読書案内・序文・目次・索引・図表などを自由に活用する。

5 各種の辞書や参考書を使いこなす。

6 実用的な手紙や届書その他書式を理解し、用件を正しくつかむ。

7 物語や小説に作者の考え方がどう生かされているかを考えて読む。

8 脚本・台本・シナリオなどの演出について研究する。

9 日本の代表的な韻文を鑑賞する。

10 感想や随筆を読んで研究する。

11 研究や論文などの読みに慣れる。

12 内外の古典に関心を持つ。

13 文法的な構成、日本語の特性などに注意して読む。

14 現代文学のおもなものを選んで鑑賞する。

15 生活を豊かにするにふさわしい読書の態度を身につける。

16 図書館などでの読書や書物選択の態度・習慣を身につける。

 右の目標は、むろん一般的なもので、学校の実態によって、入れ替えてもさしつかえない。なお、これを全体として、次のようなことが目標になる。 1 漢字の読みに慣れる。

2 黙読による読みを速める。

3 材料によっては、忠実な精読をする。

4 語感を養い、語いを増す。

5 絶えず文法に注意する。

6 健全な読書の習慣をつける。

7 教養のための書物を読もうとする態度を身につける。

8 やさしい文語文や漢文体の文章を読む。

9 広く世界の代表的古典について関心を持つ。