五 地域社会の利用

 

〔地域社会の利用によって、豊かな国語学習が期待される。〕  教育課程の中で地域社会を資料として使うことを問題とするとき、多くの教師はこのような活動が、社会科や理科に限ってなされるべきだと考えがちである。しかしながら、実地見学はすべての教科の分野に、すなわち国語の分野をも含めて、必要である。

 実地見学の際には、生徒たちは、会見をしたり、工場・銀行や公共機関の機能についての説明を聞いたりすることで、ことばを注意して聞く場合が多くある。学級が実地見学や遠足から教室へもどったときには、話したり、書いたりするための興味ある題目を持っている。生徒たちの直接経験ほど、話合いや発表や作文のよい題目となるものはない。

 国語の学習は、放送局や映画館や劇場や新聞社や印刷所への見学によって、興味を覚えるであろう。これらのすべての経験は、国語科の目標と密接に関係を持っている。その他、作家誕生の地とか、古典や現代作品の中で記憶されるようになった場所への見学も価値あるものである。

 国語学習の目的を持つ見学は、直接的に文学や言語につながりを持っているものだけに限る要もないし、また限られるべきでもない。実地見学は、生徒たちに討論したり、書いたりするのに興味ある材料を提供し、それによって、生徒たちが自分を有効に表現できる才能を伸ばすものであれば、実地見学の種類に制限を付すべきではない。