第十章 中学校・高等学校の国語科の評価

 

一 国語科の評価とは何か

 

〔国語科の評価は、教師が、毎日行っている指導の反省や再計画を組織的にしていくことである。〕

1 評価というと、特にあらたまって行わなければならないむずかしい仕事であるように考えがちであるが、評価は特別の臨時の仕事でなく、すべての教師が毎日行っていることである。どんな教師も自分の指導の反省なしに、学習指導をすることはない。また、生徒の学習の成果についても、むとんちゃくであるはずがない。しかし、今までの国語教師の評価は、とかく思いつきであって、生徒の成長を考えて、科学的、計画的に行うことが少なかった。

2 生徒の国語の力の欠陥・実情を知り、適切な計画を立てるために必要な調査をし、学習の始まりとともに、親切な行きとどいた観察をし、学習後、習得したことや成長の度合を正しく測定し、それらを次の計画を考える資料とするなど、評価を組織的な仕事としていけばよいのである。

〔国語科の評価は、生徒の国語の力の成長を計り、この基礎の上に立って指導法の反省をしたり、学習指導の計画を改善したりしていくために行われる。〕

1 国語科の評価は、ある期間の学習の結果を試験して、採点し、知識や理解力の差等をつけたり、進学の判定をしたりするために行うのではない。ひとりひとりの生徒の実態をつかんで、生徒の国語の力がいっそうよく伸びていくようにするために行うのである。

2 国語科の評価は、指導法の改善に役だてなければならない。国語の教師は生徒の国語の力の成長を助ける責任者である。生徒は、地域差・学校差・個人差において千差万別である。その実情に応じて、効果のある指導をするには、その方法に絶えず改善を加えていかなければならない。そのためには、評価を行って、反省の資料を見つけなければならない。

3 国語科の評価は、結局、教育課程の修正や改善に資するのである。教師は、生徒ひとりひとりの実態をつかみ、毎時間の授業や成果を計って、学習指導の目標に照し合わせる。そうして、その目標が適切であったか、どこまで達せられたかを見る。これによって、目標や学習の内容が適当であったかどうかを検討する。また、指導の方法を反省する。したがって、国語科の評価は、国語学習指導計画の全面的な改善に関することであって、国語教師の仕事の最もたいせつなことの一つである。

〔国語科の評価は、国語科の目標を基準とし、さらに、各学校・各学年の目標によって評価されなければならない。〕

1 国語科の評価は、国語科の目標を基準とし、中学校では、第一章国語科の目標のうち、二、三、四の各節にしるされているところを参照して、その根本的な方策を立てる。なお、第二章にしるされているところに従って、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことのそれぞれにわたって、評価すべき範囲を規定する。

2 高等学校でも、同じく第一章の二、三、四の各節をよく見て、参照するとともに、第四章にしるされているところによって、それぞれの範囲を規定する。

3 文法については、第六章の二の文法学習指導の目標などに示されているところによって、適当に評価を行う。

4 漢文についても、第七章の三の漢文学習指導の目標などに示されているところによって、適当に評価を行う。

5 習字についても、同じく第八章の二の習字学習指導の目標に基いて評価をなし、なお、評価の基本となるものをも用意して、なるべく客観的であるようにする。