あ と が き  本書の編修に際しては、多くの人の協力を得たが、中でも次の人々の研究討議の結果によるところが多い。 千葉大学教授           浅見 錦吾

国立国語研究所員         芦沢  節

東京大学教授           阿部 吉雄

東京都教育庁指導主事       安藤 新太郎

昭和女子大学教授         石森 延男

東京教育大学教授         石井 庄司

東京教育大学教授         石山 脩平

東京大学助教授          市古 貞次

東京都目黒区立第八中学校長    遠藤 圭二

東京都中央区立紅葉川中学校教諭  大村  浜

東京都杉並区立和田中学校長    小川 俊一郎

東京教育大学講肺         垣内 松三

ローマ字教育研究所員       鬼頭 礼蔵

東京都立日比谷高等学校教諭    清田  清

東京都教育庁指導主事       倉沢 栄吉

国立国語研究所員         輿水  実

東京工業大学教授         小林 英夫

東京都文京区立第八中学校教諭   佐藤利右衛門

国立国語研究所員         上甲 幹一

埼玉大学助教授          関  宦市

山梨大学講師           鳥山 榛名

法政大学教授           長沢 規矩也

横浜国立大学講師         中山 彌一

東京都新宿区立落合中学校長    野島 秀義

成蹊大学教授           飛田  隆

成蹊大学付属中学校教諭      飛田 多喜雄

東京都立日比谷高等学校教諭    増淵 恒吉

東京都立新宿高等学校教諭     宮田 豊太郎

日本大学教授           山田 忠雄

東京都立小石川高等学校教諭    渡辺  修

 

文部省初等中等教育局       藤井  信男

中等教育課文部事務官

文部省初等中等教育局       富山  民蔵

中等教育課文部事務官

文部省初等中等教育局       渋谷  宗光

中等教育課文部事務官

文部省初等中等教育局       小山  定良

初等教育課文部事務官

文部省大臣官房          金田  吉尾

総務課文部事務官

文部省調査普及局         松 尾  拾

国語課文部事務官

文部省管理局           原田  貞親

検定課文部事務官

 なお、第九章の「中学校の国語科におけるローマ字学習の指導」については、本省国語課のローマ字に関する学習指導要領編修協議会の協力を得た。

 

〔補 訂〕

中学校高等学校学習指導要領国語科編(昭和二十六年改訂版)の高等学校の部分の補訂
(文初中第六二二号 昭和二十七年八月八日)
 

一、(一八ページから一九ぺージまでについて)   (右傍腺のところが補訂の文)

(高等学校の国語学習指導の目標)

1 まとまった意見の発表ができる。

2 いろいろな会で司会ができる。

3 形式の整った話をすることができる。

4 劇や映画やラジオの鑑賞や批評ができる。

5 論文・論説を読んで理解する。

6 文語文や漢文がある程度まで読める。

7 古典の現代的意義がわかる。

8 現代文学の鑑賞や批評ができる。

9 翻訳された世界文学を楽しむ。

10 新聞や雑誌を理解して読むことができ、事実と宣伝とを区別することができる。

11 いろいろの読書技術、たとえば、深く読む、ざっと読む、情報を得る、だいたいを知る、楽しみのために読書するなどの技術を身につける。

12 当用漢字が完全に読める。当用漢字表中の重要な漢字が正しく書ける。

13 目的に応じて手紙や実用的な書類が書ける。

14 創作したり、論文を書いたりすることができる。

15 それぞれの場合に応じた文章表現ができる。

16 文語のきまりのあらましがわかる。

17 国語の変遷のあらましがわかる。

18 国語生活に対する理想を高め、国語・国字に関心を持つ。

 (中略) 高等学校の国語学習指導の目標は、(十二字削除)学校のおかれている地域社会の必要と、学習者個人個人の発達の違いとを考慮して具体的なものにして行かなければならない。

 高等学校の国語科は、必修の「国語科(甲)」および選択の「国語(乙)」・「漢文」の三つの科目に分れているが、「国語(甲)」は右に掲げた目標のすべてにわたって、すべての生徒が学習するものであり、「国語(乙)」・「漢文」は生徒の必要と能力とに応じて、これらの目標のうちのいくつかに重点をおいて学習するものである。

 なお、「国語(甲)」には漢文の学習を含み、「国語(乙)」には漢文を主とする学習は含まないのである。

二、(一〇六ページの一〇行から一一行までについて) (高等学校の国語科の計画の立て方)

(原文)

 高等学校の国語学習指導の計画を立てるについては、なお、生徒の必要と能力と興味とに応じて、国語科の目標のうちのあるものを取り上げて、いっそう詳しく学習するコースも考えなければならない。

(補訂)

 高等学校の国語学習指導の計画を立てるについては、なお、生徒の必要と能力と興味とに応じて、国語科の目標のうちのいくつかに重点をおいて学習する「国語(乙)」・「漢文」のコースを考え合わせなければならない。

三、(一〇八ページの二行から四行までについて) (高等学校の国語科の計画を立てる上の一般的注意)

(原文)

 要するに、高等学校においては、文法・作文・文学などをまったく切り離して取り扱ってはならない。それらはすべて国語科に統一され、学習の単元は聞くこと、話すこと、読むこと、書くことの経験を含まなければならない。ただ漢文については、特別の計画が立てられてもよい。

(補訂)

 要するに、高等学校においては、文法・作文・文学などを、まったく切り離して取り扱ってはならない。それらはすべて国語科に統一され、学習の単元は聞くこと、話すこと、読むこと、書くことの経験を含まなければならない。

 ただ「国語(乙)」および「漢文」については、「国語(甲)」と見合わせて、特別な計画が立てられてもよい。

四、(一三六ページ一二行から一三八ページ五行までについて)   (右傍線のところが補訂の文) (高等学校の国語科の計画のうち、「読むこと」の具体的目標)

第一学年

1 実用文を速く読む。

2 古典に読みなれる。

3 研究・調査のために書物の利用ができる。

4 よい映画を選び、それを理解する。

5 いろいろな詩を味わう。

6 長編小説のおもしろさがわかる。

7 いろいろな読書技術を身につける。

8 余暇を利用して文学を味わう。

9 漢文訓読の方法がわかる。

第二学年

1 エッセイ論説などに読みなれる。

2 古典の鑑賞ができる。

3 新聞の論説が読める。

4 劇の鑑賞ができる。

5 近代詩を味わう。

6 短編小説の鑑賞ができる。

7 漢文がある程度理解できる。

第三学年

1 目的に適した書物を選び、書物に適した読み方ができる。

2 国文学史のだいたいがわかる。

3 翻訳された世界文学に読みなれる。

4 劇の演出ができる。

5 いろいろな文学の形式や特徴がわかる。

6 国語・国字問題に関心を持つ。

7 読書技術が身につく。

8 読書習慣が身につく。

9 漢文の批評・鑑賞がある程度できる。

五、(一九四ページ一三行から一九七ページ四行までについて)   (右傍線のところが補訂の文) (高等学校の国語科の各学年の単元の例)

第一学年

 講義や講演の聞き方

 放送の聞き方

 発表のしかた

 会話のしかた

 筋のとおった文章の書き方

 大意や中心思想のとらえ方

 和歌と俳句

 長編小説の読み方

 映画の選び方と見方

 国語と外国語との比較

 学級文集の編集

 図書館の利用

 古典の現代的意義

 漢文入門

第二学年

 議事の進め方

 討議のしかた

 社交的な手紙の書き方

 生活記録の書き方

 創作集の編集

 雑誌の選択と読み方

 短編小説

 詩の味わい方

 エッセイの読み方

 図書の選択と利用

 国語の変遷

 脚色のしかた

 文学と教養

 漢文の読み方

第三学年

 ラジオの批判的な聞き方

 インタービューのしかた

 ノートの取り方の改善

 宣伝文や広告文の書き方

 書式一般

 論説・論文の書き方

 新聞の批判的な読み方

 日本文学の思潮

 世界文学作品

 ジャーナリズム研究

 公衆に対する演説のしかた

 司会のしかた

 国語・国字の改善

 日本文学と漢文学

六、(一九七ページ一三行の次に、2の項目の追加として補訂する) (高等学校の国語科の単元の取扱についての注意)

 「国語(甲)」の中の漢文を主とする単元の例は、各学年に一つずつあげられているが、その数や時間配当は学校の実状によっていろいろに計画されてよい。その単元は三年間に配当することが適当であるが、その学習を一か年もしくは二か年にまとめることも考えられる。また、その他の単元においても、必要に応じて漢文を学習することが考えられる。

七、(一九七ページ一六行から一七行までについて) (高等学校の国語科の単元の取扱についての注意)

(原文)

4 生徒の必要と能力と興味とによって、あるコースが選ばれた場合には、それに応じたいろいろな単元が用意されなければならない。 (補訂)

4 生徒の必要と能力と興味とによって、「国語(乙)」・「漢文」が選ばれた場合には、それに応じたいろいろな単元が用意されなければならない。「国語(乙)」については、古典や現代文学に限ることなく、いろいろな学習を計画することが望ましい。「漢文」については、第七章を参照して学習を計画することが望ましい。

八、(二〇六ページ一四行から二〇七ページ三行までについて) (高等学校の国語科の漢文学習の範囲)

(原文)

 (上略)漢文の中の語の配置などは国語と違っており、訓読する場合には特別の符号もあり、いろいろ変った表記法があるから、漢文を原文のままで自由に読んでいくには、それだけの知識と技能とが必要である。また、高等学校においては、生徒の志望・趣味・個性などによって、そうした漢文のみを特に選択して学習することも必要である。

(補訂)

 (上略)漢文の中の語の配置などは国語と違っており、訓読する場合には特別の符号もあり、いろいろ変った表記法があるから、漢文を原文のままで自由に読んでいくには、それだけの知識と技能とが必要である。また、高等学校においては、「国語(甲)」の中でも学習されるのであるが、その上に生徒の忘望・趣味・個性などによって、そうした漢文を特に選択して学習することも必要である。

九、(二一八ページ一行から七行までについて)   (右傍線のところが補訂の文) (漢文学習指導の段階)

1 訓点のつけかたがわかる。

2 訓点のついた漢文が読める。

3 漢語・漢文の構造がわかる。

4 漢文の文体や漢詩の形がだいたいわかる。

5 漢文の文章や詩の鑑賞ができる。

6 漢語・漢文が国語・国文学に及ぼした影響を正しく理解する。

7 漢語・漢文がわが文化に及ぼした影響を正しく理解する。

 右のことは、「国語(甲)」の中の漢文学習と選択の「漢文」とを通じて考慮されなければならない。

 

(付) 委 員 名         (五十音順) 東京大学教授          阿部 吉雄

東京都指導主事         安藤 新太郎

東京教育大学教授        石井 庄司

昭和女子大学教授        石森 延男

国立国語研究所員        岩淵 悦太郎

東京都立西高等学校教諭     大原  誠

東京教育大学付属高等学校教諭  尾関 富太郎

東京大学教授          加藤 常賢

東京都立日比谷高等学校教諭   清田  清

東京都指導主事         倉沢 栄吉

国立国語研究所員        輿水  実

東京都立江北高等学校教諭    嵯峨  寛

東洋大学教授          竹田  復

法政大学教授          長沢 規矩也

お茶の水女子大学教授      波多野 完治

成蹊大学教授          飛田  隆

東京都立日比谷高等学校教諭   増淵 恒吉

東京教育大学教授        山岸 徳平

大正大学教授          吉井 泰順
 
 


 

MEJ 2108    昭和二十六年(一九五一)改訂版

中学校高等学校 学習指導要領 国語科編(試案)

 
 
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昭和二十六年九月二十五日 印刷    定価 八十九円   昭和二十六年十月  一日  発行  
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