高等学校工作教育の目標は,第1章第4節で詳しく述べてあるので明かであろう。本章においては,この目標を達成するために,高等学校工作教育はいかなる内容を,いかなる組織で,どのようなコースで学習させたらよいかを述べるのである。
本書はわが国全地域を対象にする,高等学校工作教育の計画であるから,いきおい具体牲を欠くうらみがあるが,具体的な地方計画としての高等学校工作教育課程は,地域社会の要求や,生徒の興味・適性・必要によって作られなければならない。さらに各学校においては,地方計画を,この学校が属している地域の実態や,要求に合うように作成すべきである。
本章は以上述べた考えから,高等学校工作教育課程作成の参考として示すことにする。
高等学校芸能科工作教育課程は,高等学校工作教育の目標達成のための指導内容とその組織の方法をおもに示すものであるから,それは高等学校の工作教育の目標から導き出されなければならない。第1章第4節に示されている高等学校工作教育の目標を達成するための工作科における生徒の活動をあげると次のようである。
1 個人としての生徒をできるだけ完成する助けとして
1) 工芸の創造をとおして生徒の興味・適性・能力をできるだけ発展させる。
(2) 工芸品を構成する諸種の材料およびその用法について理解すること。……工芸・建築・彫刻など。
(3) 工芸品製作の技能を発展すること。……工芸・建築・図案など。
(4) 余暇を有効に利用するため,多くの興味や技能を発展させること。……鑑賞・工芸・彫刻・図案・図法製図など。
(2) 工芸品の美的価値を鑑賞する能力を発展させること。……鑑賞
(3) 自己の生活を維持するために必要な工芸品を選択するにあたって,高尚な趣味を発展させること。……鑑賞
(4) 工芸品を調和よく配置配合する能力を発展させること。……鑑賞・図案など。
1) 創造的な表現力および価値評価をする能力を,社会生活に活用する技能を発展させる。
(2) 創造力および評価力を,学校生活の美化改善に活用する技能を発展させること。……生活の美化・鑑賞
(3) 創造力および評価力を,地域社会の改善美化に活用する技能を発展させること。……生活の美化・鑑賞
(2) 工芸品の優秀な意匠や技術を尊重する態度を発展させること。……鑑賞・工芸概論
(3) 東西,古今の工芸をとおして,広く外国を理解し,親善的態度を発展させること。……鑑賞・工芸概論
(4) 地域社会および国としての工芸文化の維持発展のために諸施設に対する理解を発展させること。……工芸概論
(2) 工芸に関する基礎的な技能を発展させること。……工芸・建築・彫刻・図案など。
(3) 工芸品の経済的価値に対する理解を発展させること。……工芸概論・鑑賞・図案など。
(4) 国民の工芸に対する関心の度が,いかにその国の工芸的産業に影響するかの理解を発展させること。……工芸概論
(5) 地域社会または国としての資源と工芸的産業との関係に対する理解を発展させること。……工芸概論・鑑賞・図案など。
(2) 彫 刻
(3) 建 築
(4) 図 案
(5) 色 彩
(6) 図法・製図
(7) 鑑 賞
(8) 生活の美化
(9) 工芸概論
第1節 高等学校生徒と工作教育
1 個人としてできるだけ発達させること。
2 社会人および公民としてできるだけ向上させ,国家および社会の有能な形成者として必要な資質を養うこと。
3 職業的興味・適性を発展させること。
の三つのおもな目標をもって中学校を卒業した生徒を成長させるために望ましい環境や経験を与えることを目的としている。
このような目的をもつ高等学校教育は,社会の必要と個人の必要に基いてなされることが根本である。一般に中学校の生徒は,個性の自覚と発達がまだじゅうぶんに明らかでないが,高等学校ではようやく個性の方向も明りょうになり,生徒自身もこれを自覚するようになるから,個性の必要に応する教育が大きな割合をしめるのである。
青年期である高等学校生徒は,男女ともに心身の発達の著しい時期である。この時代はものについての考え方が理論的であると同時に感情的である。すなわちこの二つの相反する性格をもっている。理論をふりまわして理屈をいうが,一面きわめて感情的,非合理な反面をもっている。この時代の生徒が,理論を重んじながら感情的であることは,自我意識が発達してきたからである。個性の自覚発達が明らかになってくるからである。すなわち高等学校の時代になると,他人のいうがままには動かなくなる。道徳的信念をもって,教師や親の考えを批判するようになり,こうして自分の意見や計画や理想が構成され,生徒の態度・興味・理想などがはっきりしてくる。特に青年期である高等学校の時代は,この完成に近い時期である。望ましい態度・興味・理想を完成させるためには,青年は主観的な考えや行動だけでなく,客観的に考えたり行動することが必要になる。このようにして自分の理想と現実社会との調和を求めることによって,生徒の成長発達も期待できるわけである。
高等学校の生徒に表われるこの傾向は,工作教育にいかに影響してくるだろうか。
前にも述べたように,高等学校時代は,自己の理想と現実との調和を求める時期であり,その欲求が芸術に向かうときは理想を追求する芸術に対して激しい関心をもつようになり,主観客観の調和といっても,むしろ主観的要素の多い芸術,たとえば超現実派または抽象派の絵画や彫刻などに興味をもつものが多くなってくる。また理想と現実との調和への欲求が,理論的・合理的な造形へ向かうときは,近代工芸の追求する機能的な工芸や最も新しい近代建築などに対する興味となって表われてくる。
以上は高等学校生徒の欲求の現れの例をあげたにすぎないが,この例でも明らかなように,高等学校生徒の興味や欲求は非常に個性的となる。高等学校になって,図画工作を分離し,さらに工作の指導内容もいくつかに区分し,各生徒の個性的な欲求に適合するようにしなければならない理由はここにあるのである。
第2節 生徒の編成
高等学校芸能科工作では,生徒の編成は,学校全体の教育課程の編成によって決定されるが,それは各教科の生徒数・教師・教室設備などで決定されるのであるから,芸能科工作として望ましい生徒の編成を研究して学校全体の教育課程の編成に協力するとともに,工作教育の目標達成に努めねばならない。芸能科工作の生徒の編成は一概にはいえないが,大別すると次のようになろう。
学年単位の編成
学年の組織を解いた編成
以下芸能科工作において,六単位の講座をもつ場合の編成を示してみよう。
1 学年単位の編成
学年を解かないで同一学年で編成する場合,次の三とおりが考えられる。
(1)
学年
単位 講座 |
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(1)は図示のように,各講座が学年で固定しているので,同学年だけの級編成となる。各学年ではその学年の講座しか選択できない。すなわち第2学年以後では前学年で工作の単位を習得した者と習得しない者を同一に指導していくのであるから,じゅうぶんに生徒の必要や適性に応じた指導をするのに困難である。教員数・教室数などの少ない学校では,この編成になりがちであるが,生徒の編成という点からは高等学校教育の望ましいあり方に添わないので,できるだけ避けるべきである。
学年
単位 講座 |
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(2)は同学年生だけのクラス編成であるが,どの学年でも,習得単位数の相違によって級の編成するのであるから(1)の欠点を補うことができ,選択制の本質を発揮したよい編成である。しかし(1)の編成は3学級6時間であるのに対して(2)は6学級12時間を要するので,理想的であるが,多くの教師と教室数を必要とする。
学年
単位 講座 |
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(3)は同学年内でどの講座も選択できる編成であるが,(2)以上に教室数や教員を必要とするが,高等学校工作教育の点からは望ましい編成である。
学年のいかんにかかわらず同一講座の選択者で編成する場合には,次の二とおりが考えられる。
(1)
学年
単位 講座 |
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(1)は学年のいかんにかかわらずどの講座も選択できる場合の編成である。1の(3)の学年を解いたまったく自由に編成した場合で,教育数・教室数は1の(1)と比べて大きな変化はないが,学校全体の教育課程において選択科目が,完全講座制をとることをたてまえとしなければ実現はむずかしい。完全講座制をとる学校および生徒数の少ない学校では実施が容易であるから,その実現が望ましい。
学年
単位 講座 |
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または 2・3 |
または 2・3 |
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(2)は(1)の編成の場合に講座間の連絡や程度の差異などを考慮してある制限を加えるというよりガイダンスとして採用される場合である。
第3節 学習のコース
学習のコースは,工作教育における生徒の歩むコースであるから,いかなるコースを設けるかは,工作教育課程ではきわめてたいせつである。
学習コースは,まず生徒の必要・興味・適性にかなったコースでなければならない。この原則によって決定されたコースが,工作教育の目標および社会の実態に照し合わせて,これを調和させてはじめて高等学校工作教育課程の学習コースとなるのである。
第1節で高等学校工作教育における生徒の学習傾向について述べたが,さらに詳しく高等学校生徒はいかなる目標をもって芸能科工作を選択し学習しているかを調べてみると,一般に次のようである。
2 広い造形的教養を身につけるため,工芸の理解や鑑賞を主として学びたいが,表現活動は望まない。
3 造形文化の理解に興味をもっている。
4 表現活動とともに,鑑賞および造形文化の理解にも興味をもち,これらを融合して学びたい。
2 表現活動を主にするもの。
3 1,2を融合したもの。
以上述べた理由から,これらのコースは,次に示す内容をもつことが望ましい。
工芸・彫刻・建築・図案の鑑賞・色彩の理論および応用,工芸概論・生活の美化
2 表現活動を主にしたもの
工芸・彫刻・建築・図案・図法・製図・生活の美化
3 表現技術の習得や鑑賞や造形文化の理解活動を融合したもの
1,2に示した内容を含む。
第4節 指 導 内 容
1 工 芸
1) 指 導 目 標
(2) 工芸品を構成している材料の構成方法の良否を判断し,あわせて,それが使用目的に適しているか否かを理解させる。
(3) 普通の工具の使用法・手入れ方・保存法に慣れさせる。
(4) 工芸品を鑑賞する能力を養い,わが国の工芸の発展に寄与する基礎的な能力を養う。
(5) 技術的職業への適性を発展させる。
(2) 製作は,材料の質や量に対して無理な工作をしないようにする。
(3) 実習にあたっては,工具やその他の必要なものがじゅうぶんに整備されていなければならないことを理解させる。
(4) 実習は基礎的技術力と創作的表現力が身につくように,二つの関連を考えながら指導することがたいせつである。
(5) 題材は,設計・製作・使用・鑑賞と相互に関連がとれるようなものを選ぶことが望ましい。
(6) 修理工作も適宜とり入れて指導するようにする。
(7) 工具や機械の正しい使用法・手入れ法・保存法についても適宜指導することがたいせつである。
(8) 実習には,危険が伴うことがあるので,危険防止については,じゅうぶん注意することがたいせつである。
(9) 実習には,作業の結果や能率や衛生上の点を考えて,適切な場所を選定したり,また適切な処置をするようにする。
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木材について
1 木材の横断面の外観について理解させる。 2 木材の縦断面の外観について理解させる。 3 木材の色および光沢について理解させる。 4 木材の乾燥法について理解させる。 5 木材の収縮について理解させる。 6 木材の欠点について理解させる。 そり・割れ・節・入皮・あて・虫食・きず,など。 7 主要木材はどんなものであるか。また工作実習に
8 木材の市販形態や,木材の規絡,木材の積算法な
緊結材料について 1 木工において緊結は何のためにするかを理解させ
2 くぎ類にはどんな種類があるかまた,どんなとき
3 くぎ以外の緊結材料には,どんなものかあるか,
こう着材料について
2 膠着材料と木材との関係,強度,使用法などの点
3 にかわ・でん粉・カゼインなど普通の接着材料に
木工用具,木工機械について 1 かんなの構造・機能・種類についての理解や使用
2 のこぎりの構造・機能・種類についての理解や使
3 のみの構造・機能・種類についての理解や使用法・
4 きり類の構造・機能・種類についての理解や使用
5 定木類の使用法の指導
6 つち類の使用法の指導 7 緊結用具の使用法の指導 8 帯のこぎり盤,円のこぎり盤,かんなけずり盤,木
工作法について 1 木工において一つの作品をまとめる順序方法につ
木材塗装法について 1 木材塗装の目的についての理解 2 塗料の種類やそれぞれの特ちょうについての理解 3 塗装をするには,着色材料・目止め材料・仕上げ
4 塗装法の理解と木工に普通使用される塗装材料の
木工実習 1 木工実習題材は,基木的な工作法や技法が含まれ
たとえば,板けずり,角柱けずり,板のはぎ合わせ,
2 創作的な題材を選ぶ。これは個人製作や共同製作
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講義・研究発表など実物標本・図版使用
講義・実習 各種の標本・図版など使用
講義および実習を通して,接着材料に対する
平かんな,その他のかんな,図版による理解
両刃のこぎり,その他ののこぎり
尾入れのみ・つきのみ・その他ののみ
三つ目・四つ目・つぼぎり・電気ドリルなど
下端定木・曲尺・スコヤ・けひき・その他の定木
木づち・金づち・げんのうなど。 はた金・クランプ・その他
講義・実習 木取り,平板や角柱の処理(かんなかけ)
講義・実習 各種塗料の見本,各種塗装用具使用
講義・実習 |
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金工材料について
1 針金・板金・円棒・角棒・管など金工材料について
2 ハンダろう・黄銅ろう・銀ろう・塩化亜鉛・塩酸な
3 ま研布(金剛砂を布にまいたもの)と石など金属表
金工用具について 1 尺度・コンパス・カリパス・直角定木・けがき針・
2 くり切り・てこばさみ・金ひきのこぎり・たがねな
3 打抜き・目打・ドリルなど,主として穴をあけるに
4 やすりなど金属をけずる工具についての理解や使用
金工法について 1 針金細工においては,針金の伸ばし方・曲げ方・切
2 ブリキ細工においては,板金の折り方・曲げ方・ハ
3 銅・黄銅細工においては,黄銅ろうづけ・銀ろうづ
4 鉄細工については,鉄の鍛合鋼の焼入れ,焼もどし
金工実習 金工実習題材は,各種の基本工作法が習得できるように
針金細工としては,わたし網・火ばちおおい・鳥かごな
板金細工としては,筆先・筆立状差その他 銅・黄銅細工としては,バックルの製作後のろうづけ,
鉄細工としては,千枚とおし・ドライバーなど。 |
講義・実習
講義・実習
折台・打木・曲げ棒・木づち・ハソダごて・
黄銅ろう・銀ろう・硼砂・くぼめ台・木ち・
火床・火ばし・ハンマー
講義・実習 |
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編 物
1 基礎偏みについて理解し,その編み方を習得する。 2 基礎編みに必要な用具を理解し,その扱い方になれ
刺しゅう 1 刺しゅうの基礎について理解し,その方法を習得す
2 刺しゅうに必要な用具を理解し,その扱い方になれ
袋 物 1 袋物製作について理解し,その工作法を習得する。 2 袋物製作に必要な工具や用具を理解し,その扱い方
染 色 1 染色の基礎について理解し,その方法を習得する。 2 染色に必要な用具を理解し,その扱い方になれる。 実 習 1 糸布工作は,適宜に製作題材を選定し,製作する。 2 木工・竹工その他の材料と総合して,製作題材を選
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講義・実習 (職業・家庭科と関連をとる)
題材選定は職業・家庭科とじゅうぶん連絡を
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その他の材料によるもの | 1 竹を材料にする製作は,必要に応じて,製作に無理
のない工作法や題材を選定する。 2 粘土による製作は,本章第2節に独立した章として
3 プラスティックス
に占める位置についての理解 (2) プラスティックスの工芸品製作材料としての性質
(3) プラステイックスの工作法についての概略の理解 (4) 高度の用具や工具を必要としない簡単な工作の
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講義・実習
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2 彫 刻
1) 指 導 目 標
(2) 彫像や塑像に必要な基礎技術を養う。
(3) 彫刻品に対する関心を高め,鑑賞力を養う。
(4) 粘土による成形・焼成・薬焼の簡易な実習を通して,窯芸の理解を深める。
(5) 各種の材料による彫像・塑像によって得た立体的な表現力を日常生活(たとえば余暇善用のための助けとするなど)に生かすようにする。
(2) 鑑賞の指導では,すぐれた美術作品をただちに対象にして扱うこともあるが,それらの美術作品の生れる過程を直接実習を通して経験し,その後において美術作品に接することは,鑑賞を高める上に効果のあるものであるから,これを指導上に生かすことがたいせつである。
(3) 材料としては,粘土・セメント・石こう・木材などが主になるが,これらの選定にあたっては,製作の目的に従って,適当のものを入手できるように研究することがよい。
(4) 彫像や塑像の実習には,適切な材料・用具・設備などを整えることが指導を進める上に必要であるから,材料貯蔵装置・共用具などや,できれば焼成装置も必要なものは整えることがたいせつである。
(5) 指導にあたっては,模刻させる場合・写生させる場合・自由に作らせる場合などいろいろあるが,指導の目標,生徒の能力などを考えて,適宜取り入れることがよい。
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工芸的彫刻の意義
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彫刻を工芸として応用したものを主として指導対象にする。
1 純粋彫刻と工芸彫刻との相違 2 美と用の目的に一致する作品の持つべき条件は何か。 3 工芸彫刻と日常生活との関係の理解 4 一品製作と量産の工芸彫刻品についての理解 |
講義・研究発表・討議など。
写真・印刷物その他使用
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彫刻の実習
彫刻の材料
製 作
丸 彫 り
石こうの型どり
窯 芸(ようげい)
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各種の彫像・塑像の材料の研究
1 粘土の可塑性の有無や適否,色沢・含有物の有無・乾燥収縮焼しまりの度合 2 木材の質度・せん維・乾燥収縮・色・光沢・木材欠点の有無 3 石こう・セメントなどの可塑性の有無,硬度・光沢・吸水性の適否
びわ・とち・やつでのようなはっきりした大きな葉をとり,粘土板上に模刻する。 1 なるべく実物と同じ大きさに作る。 2 上方からの光線をとって,だいたいの形を作り,凹凸をつけて,順次細部を模刻する。 3 大きな基本になる形をよく見るようにする。
手・足・耳などを丸彫りにする。 1 石こうの模刻を手本にして実習してもよい。また写生作でもよい。 2 大きな基本の形を見落さないようにする。 3 作品は,粘土の柔らかいうちに石こうかけして,石こうどりしてもよい。 マスクの製作 1 粘土板を斜めに傾け,イーゼルの上にのせ,粘土板の中央に木片または,しゅろなわを結びつけて,粘土のはげ落ちるのを防ぐようにする。 2 模刻から始めることがよいであろう。 3 目・鼻・口などがばらばらになりがちとなるので,全体のつりあいを考えて実習を進めること。 4 製作品は,石こうどりしてもよい。
石こうの型どりは,粘土作品を他の材料(ここでは石こうであるが)におきかえて,保存することと,石こうの美しさをねらって,石こうを材料にする作品を得る目的などによって型どりをする。 1.石こうに水を加えて起る化学変化に注意する。(熱度および硬度などの変化に注意) 2.石こうの型どりの方法(たとえば,こわし型・よせ型などの方法)の理解と,その製作方法について指導する。
1.どんな木彫の工芸品かあるか。(たとえば能面・各種の装飾用彫刻・各種の置物・ぼん・人形玩具(がんぐ)・ブローチなど) 2.彫刻法の理解 3.仕上げ法について 4.木彫の実習
粘土その他を材料にする陶磁器を多量に製作するに応用されたものか窯芸である。 1.古来広く世界各地で,美しい工芸品が作られていることの理解 2.製作実習にあたっては,器物その他の成形には,いろいろな方法のあることの理解とその実習 3.製作品の乾燥は,素焼として重要な準備工程であることを理解させ,素焼のために必要な乾燥の研究 4.焼成の窯の形成,使用洗の理解と,できうれば,焼成の実習をする。 5.素焼ができたら,薬焼をする。薬焼は,うわ薬を素焼の表面にかけてさらに焼くことである。このとき表画に模様をつけるのは,前もって素焼の素地にそれをうわ薬でかくがこれを下絵という。これらのことをできうれば実習を通して理解する。 |
実験に必要な用具・材料
粘土・石こう・粘土へら・湿布・イーゼル・模刻用手本・木心その他補助材料など。
石こう,石こう溶解の容器,はけ・粘土へら・はり金・その他石こう型どりの補助用具や材料
実物・標本・写真,各種の図版木彫の材料および用具
実物・標本・写真・各種の図版,薬焼に必要な粘土その他の材料や用具 窯場が附近にあったり,また機会があれば,窯場を見学 |
3 建 築
1) 指 導 目 標
(2) 住み心地よく美しい建築(住居)を創案設計製図する能力を養う。
(3) 小家屋の建設や改善修理を行う知識と技能を得させる。
(2) 模型製作を通して立体構成するとか,また,家庭や,校内の小屋の建設や改善修理もよい学習の対象となる。
(3) 建築物は実際に使用してみるとか,その中にすまってみてはじめてそのもののよさが理解できるものであるが,しかし空間を占める複雑な立体構成を心の中に描きながら設計図をかき,さらに,模型製作にまで進めることは学習を効果あるように進めるよい方法である。
(4) 建築物の材料や構造については,設計し製図する学習に関連して指導し,研究させることがたいせつである。
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建築の変遷
日本建築 西洋建築史 現代建築 |
生活と建築文化について理解鑑賞させる。 同 上 和風・洋風の長所の理解や日本の風土と日本人の現代生活に適した現代建築を理解させる。 |
講義・研究討議・写真・幻燈・映画反射幻燈など使用
見学 |
建築芸術
一般芸術 建築芸術の特質 |
特に造形芸術一般に対する理解を深めさせる。 用と美とを一体としている実際 芸術の理解(特に創造と鑑賞について) |
講義
研究討議
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美の構成原理
色 形 材質 構造
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色彩や形体,ならびに材質の美しさを感じるのはどんな場合かを研究する。
形体構造において空間とバランス 色彩・形体のリズム 機能美 |
色紙・木材・金属・布など使用
美的構成実習 造形品の鑑賞 必要な用具材料その他使用(抽象形体を含む) |
建築芸術の理解鑑賞 | 平面設計や実際の建物などをみて,いかにそれが使いよく美しくできているかの理解鑑賞
内部・外観・構造の全体がいかにつごうよく,美しくできているかの理解鑑賞 |
写真・図・実際の建築物について指導し青写真を含む。 |
建築材料
おもな建築資材 (たとえば,木材 金属・石材・れんが・ タイル・セメント・ 石灰,各種の塗料な ど) |
1.材料の種類・性質・強度・特質・用途について
2.建築材料の進歩について 3.おもな産地について 4.建築材料の製造法の常識的理解について 5.その他 |
1.材料一覧表の作成(種類強度,その他を含めて) 2.材料標本の収集・観察 3.材料の強弱実験・塗装実験 必要な用具その他 材料標本 実験用器具 塗装実験用具・材料 |
構造について
和風・洋風のおも な家の構造と力の関 係(どうすればじょ うぶな家ができる か) |
1.構造と力の関係 2.構造と材料との関係 3.構造と気候風土との関係
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建築中の家について,または模型について指導する。(すじかい・火打土台・ほおずえなど力の三角応用など)
実験用資料その他 |
建築方法
(現代建築) 和風建築 洋風建築 和洋をとり入れた
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1.和風・洋風の建築の理解 2.構造・材料の相違による建築方法の理解
3.建築物の機能・形体空間・色彩の総合から美しさが得られるように設計建築することが必要であることの理解
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図によって指導するもの 模型製作によるもの 実際の建設によるもの 実際の建築物の観察によるものなどによって指導をする。 必要な用具や材料としては 模型資材 表現用具など |
実 習
図上設計
模型製作
小屋の製作
修 理 |
住宅設計の条件研究
(2) 使用条件 (3) 使用・材料 (4) 構 造 (5) 建 築 費 (6) 建築法規 (7) そ の 他 たとえば住宅および住宅似外の
(2) 工 場 (3) 学 校 (4) 映 画 館 (5) 郷土博物館 (6) 停 車 場 (7) 公 会 堂 (8) 山 小 屋 (9) 共同作業場
(2) 内部構造を主にしたもの (3) 内部構造および外観を主にしたもの (4) 庭園その他をとり入れたもの (5) そ の 他 温室・物置・自転車置場・農舎 畜舎・売店・プール・その他 1.改善修理法の理解 2.修 理 実 施 修理箇所の検討 破損程度の理解 修理方法の適用 |
講 義 研究討議
製 図 実 習 製図の順序方法 製図用具。材料 (図法・製図と関連をとる)
各種の材料(木材・紙・粘土石こう・その他)使用 (工芸実習と関連をとる)
建築資材および建築用具使用 (工芸実習と関連をとる)
修理用材および各種用具の使用 (生活の美化と関連をとる) |
4 図 案
1) 指 導 目 標
(2) 個人生活・社会生活を維持するために必要な製作品を選択する能力を発展させる。
(3) 工芸美に対する感受性を鋭敏にし,工芸を鑑賞する能力を発展させる。
(4) 図案の創造力を,生活の美化改善に活用する能力を発展させる。
(5) 東西の現在および過去の工芸品の意匠の特性を理解する能力を発展させる。
(6) 工芸図案と,工芸品の経済的価値についての理解を発展させる。
(7) わが国の工芸品が世界的に発展するためにはその図案がいかにあるべきかの理解を発展させる。
(2) 図案の指導は,特に工芸実習や製図の指導と密接な関連をもつて実施することがたいせつである。
(3) 図案の指導では,目的によって図案を実材の作品に移すことなく紙上やその他の材料(たとえば,石こう・粘土など)による指導で終ることもあるが,なるべく実材の作品に移してみるようにする。
(4) 図案の指導は,生活の美化の指導とじゅうぶんに関連をとって指導しなければならない。
(5) 図案の指導では,豊富な参考資料を用意し,生徒の創造力を引き出す刺激としたり,理解・鑑賞の助とすることがたいせつである。
図案の参考資料としては,印刷された図案集や参考書のようなものを備えることもよいが,それよりは,むしろ実際に用いられている各種の工芸品などの実物を集めることが望ましい。
(6) 生徒の中には,よい構想はもっていても,これを表現する方法や技術をもたないために,できた作品がよくない場合もあるから,構想をたやすく表現できる表現方法の指導にも心をくばることがたいせつである。しかし表現方法の末に起って,図案作成の本質を見失うことのないように注意する。
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図案の意義および使命
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1.図案には主として工芸品(時に産業および装飾にも及ぶが)を製作の前提として,その形状・構造・装飾などに関する作者の計画を具体的に表示したものや,商品の宜伝・広告・また美化・展示などに対する計画図示が,個人生活や社会生活の生活美化に対することを目的にしたものなどがある。
2.図案を立案をするものと,それを実材に移して製作するものとは,同一の人であることもあり,別人であることもある。 3.計画の表示は紙上でするのが主であるが,時には粘土・石こう・木材その他の材料で表示することもある。 4.図案の表示法には,手がきのスケッチ・正投影図法・軸測投影図法(等角投影図法も含む)・斜投影図法などのいろいろな方法がある。 5.図案は実材作品を指示するのが本体であるが,図案と実材作品との間には実感上の相違がある場合が多い。したがって,図案は実材作品に具体的に表示された場合の予想をもって製作されなければならない。紙上に表示された図案が一見よくできていても,それを実材作品に移したとき,よくなかったならばその図案はよい図案といえない。 6.図案の目指す実材作品は主として実用目的をもっているものであるから,用と美との調和に留意して製作しなければならない。 7.図案の製作にあたっては,その作品の使用目的,美感・材料工作方法・構造・製作費などを考えてじゅうぶんに創意を発揮しなければならない。 8.図案の製作にあたっては,その作品の使用者(老・若・男・女・民族・職業の別など),時(季節・時間など),処(室内・屋外・寒地・暖地・国内・外国など)などを考え,それを用いる生活環境や自然環境への適応,時代の動きや民族性への適合を考えて清新なものになることが必要である。 9.図案には,印刷物や染織物などのような平面図案と,器物・器具・建物などのような立体図案とがある。 図案には,用途の上からみて,宜伝図案・商業図案・服装図案・工芸図案・室内装備図案,その他がある。 図案には,材料または加工法の上からみて,金属工芸図案・木材工芸図案・漆器工芸図案・陶磁工芸図案・硝子工芸図案・染色図案,その他がある。 以上は図案の分類についてみたのであるが,この他にいろいろな分類法や,名称がある。 |
講義・研究
発表・討議 など
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図案の構成要素 | 図案を構成するには,構成材料・構成美・内容の三つが考えられる。
1.図案は,色・形・空間・質感・量感などが構成要素となつて構成されている。そしてこれらの構成要素は,木材・金属・繊維その他各種の物質材料によって支持されているのであるから,これらの物質的材料も図案構成上重要な意義をもっている。 2.図案の構成美は,対称・均衡・律動・変化・統一など,美の構成要素と一致する。 3.図案する物の用が,図案の内容となる。物のもつ用は人間生活要件からくるものであるから,図案の内容とは,人の生活要件または生活感情であるということもできる。 |
講義・研究発表・討議
など |
器物・器具類の図案
器物・器具類図 案の基礎
器物・器具類の 価値評価および 鑑賞
器物・器具類の 図案の創作
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1.器物,器具類には製作材料上からみて,木竹製品・金属製品・陶磁器製品・漆器製品・ガラス製品・皮革製品,その他,新興材料製品や,またこれらの材料の複合製品などがあり,使用上からみて,食器・文房具・運動具・装身具・家具・祭器などがある。 2.器物・器具類は人が使うのであるから,人体各部の大きさ・人の体力・人の行動などを基準にして作らなければならない。多くの器物・器具類に定寸のあるのはこのためである。 3.器物・器具類は,用途の上から当然備えなければならない機能があるから,これを無視してはならないが,既定の規範にぱかりとらわれていてはよい創案は生れない。それぞれの器物器具について,造形上の自由の許される範囲で用途と環境とに応じた創作をしなければならない。 4.器物・器具類の図案は,習慣にのみとらわれないで,必要性の根源にさかのぼって,その必要を満たす新しい方法を考えるのも,独自の形体美を構成する一方法である。 5.器物・器具の図案は,それが一品製作の方法によって作られるか,量産製作の方法によるかによって図案上にも差異があるものであるから,製作過程に適合する図案を作らなければならない。 6.器物・器具類図案の紙上表示法には,手がきのスケッチ・第1角法・第3角法・軸・投影図(等角投影図も含む)・斜投影図などいろいろな表示法があるから,立案する物に応じて適当な表示法を選ばなければならない。 1.手近にある器物・器具類につき,図案の基本要件からみて,その価値を評価し,鑑賞する。 2.外国でばどんな器物や器具類が使われているかを研究し,生活の改善と器物・器具類の図案との関係について考察する。 3.過去と現代の器物・器具類の特性を比較して,その相違を知り,将来の動向を考察する。
1.木竹・金属・粘土・糸布・ガラス・プラスチックスその他の材料による食器・文房具・装身具・家具などの図案を創作する。 2.紙上または模型による表示を主とするが,可能なものは実材作品としてその図案を移してみる。 |
講義・研究発表など
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室内装備図案
室内装備図案の 立案の基礎
学校および住宅 諸室の装備立案 |
1.室内装備図案は,室の目的に応じて,室全体の空間・色彩・所要の器具類を美的,合理的,総合的に整備することである。 2.装備すべき室には公共建築物,住宅における各室・事務室・作業室などから,船舶車輛などの内部に至るまで,非常に範囲が広く,またそれぞれの室は性格を異にしているのであるから,その室の目的に応じその室における生活様態,人の動きを考え。能率上・健康上・経済上・心理上から要求される諸条件を有機的に統一するようにしなければならない。 3.その室を構成する諸要素の構成材料・工作法・仕上がりの効果を考えて立案しなければならない。 4.室内を構成する各要素が一つの空間に相対照し結合されたときの空間的・立体的構想をつかんで立案しなければならない。 5.量感・質感・色感・構成感などの調和に注意して立案しなければならない。 6.壁面・窓・天井・床・諸器具など相互の形と色の調和に注意して立案しなければならない。 7.室の大きさ・尺度に注意して立案しなければならない。 8.建築構造を生かし,形体組織上の様式の統一に注意して立案しなければならない。 9.計画の表示方法には,室平面図・器具配置図・天じょうおよび床伏図・展開図・透視図・見取図模型などがある。 1.その地方における室内装備の実例について見学し,その適否について比較研究する。 2.昔と今,わが国と外国の室内装備の図案や写真により,その相違・良否を比較検討する。 3.室内装備と生活との関係について理解する。
1.自分の学校および住宅の諸室の装備について考え,現状において可能な範囲の装備改善を立案しそれを実現させる(建築の学習と関連) 2.住宅諸室の理想的装備を立案する。 |
講義・研究発表・討議
同上の表示
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染織図案
染織図案
染織図案
染織図案
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1.染織図案は,織物図案と染物図案とに分れるがいずれも地質・柄・色の三要素からなっている。 2.染織図案においては地質(絹・麻・木綿・毛・スフ・人絹などの材料およびたて糸とよこ糸の組織・糸の細太・地膚の加工・よりの有無など)染料(天然染料・鉱物性染料・人造染料)染め方(ひたし染・かた染・ひき染)工程が考慮されなければならない。 3.染織図案には,しま・かすり・小絞・友禅・絵羽などいろいろな名称をもっているものであり,それぞれ図案構成上の特異性をもっていることに留意する。 4.染織品の用途は衣服用・室内装飾用・服飾品用などであるが,使う者の年齢・性別・用途(和服用・洋服用・ふだん着・外出着・儀式用など)を考慮して立案しなければならない。 1.手近で集められる染織物につき,地質・織りまたは染め,染料・図案の関係を研究し,その適否を評価し,鑑賞する。 2.染織図案と生活との関係について理解する。 3.わが国および外国の過去の染織図案を集め,民族や時代による好みの違いや,特色について理解し,鑑賞する。
適当な題目を選んで染物図案または織物図案をかく。 |
講義・研究発表・討議
講義 実物・写真印刷物などの鑑賞
図案の紙上表示 |
服飾図案
服飾図案
流行に関
服飾品の図案
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1.服飾品には,かぶるもの・着るもの・しめるもの・はくもの・持つものなどいろいろあるが,服飾図案はこれら相互の形体・色彩・質の上の統—調整をはからなければならない。 2.服飾の図案は,それを用いる人の年令・性別,それを身につける季節・環境などに適合するように計画をしなければならない。 3.服飾品の図案は民族性・生活様式・時代の動きなどに根拠をおき,気候・風土への適合,保健・衛生上の顧慮,運動の自由や作業の能率などの諸条件を満足させるように計画しなければならならない。 4.服飾品の図案は,清新でしかも品位があり,それを身につける人に喜びと誇りを感じさせるように計画しなければならない。そのためには威容を保つこと,風教上の問題,流行などについて考慮する必要がある。 1.流行はどうして起るか,どのようにして流行するかについて研究する。 2.最近数年間における流行の変遷について研究する。 3.昨年と今年の流行を比較し,服飾品の備うべき要件を,どちらがより満足きせているかを研究する。
適当な題目を選んで服飾品の図案をかく。また実物製作もする |
講義・研究発表・討議など
講義および実物・写真印刷などによる比較研究
図案の紙上表示・製作 |
5 色 彩
1) 指 導 目 標
(2) 色の三属性以外の物体特有の質感について理解し,色の見方(比較方法)の技能を養う。
(3) 基礎的な色彩混合を理解し,日常生活に必要な混色指能を養う。
(4) 色に伴う感情・色の対比現象・色の明視性などを理解して,応用色彩の基礎を養う。
(5) 色の諸性質・色彩の原理・現象などと関連して,色を実際生活に活用する技能を発展させる。
(2) 基本的な色彩理論の指導では,文部省の中学校図画工作科学習資料色彩編を参照することもよい。
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三属性の相互関係・系統的変化
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色彩の三属性の相互関係や系統的変化を理解し,色の記憶・色の分類整理・色の選定などの助けとする。
1.清色や濁色など,いろいろな有彩色の色相がどの純色色相に従属するかについての色相を比較当合をし,それぞれの色相を見分ける。 2.清色や濁色などいろいろな有彩色の明度が,無彩色の明度段階のいずれにあたっているかについて,明度の比較当合をし,有彩色の個有明度を見分ける。 3.清色や濁色などいろいろな有彩色の彩度を低彩度・中彩度・高彩度に分類する。 4.同一色相の色を,明度と彩度を基にして配列する。(色立体の等色相面) 5.同一明度の色を,色相と彩度を基にして配列する。(色立体の等明度面) 6.あらゆる色を,色相・明度・彩度の三属性に従って配列する。(色立体) 以上の理解は次の諸項に関連をもつ。 1.色相関係における対照的配色と融和的配色 2.明度関係における対照的配色と融和的配色 3.彩度関係における対照的配色と融和的配色 4.無彩色と有彩色の関係における対照的配色と融和的配色 |
1.講 義
研究・実験 2.色の配列は適切な標準色紙があれば各自に実習させたいが標準色紙のない場合は単に理解させるにとめてもよい。 |
物 体 色
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物体色という中には,色料で途装したものの色,染色したものの色,自然物である動植物の色,岩石・金属などの色などいろいろなものが対象となる。これらの色の特質を理解して,色彩の応用面(たとえば配色など)に利用する。このためには次のようなことを指導にとり入れる。
1.塗装による色と,染色した色との比較,またいろいろな色料を使わないものの色との比較 2.光沢色と無光沢色との比較 3.透明色と不透明色との比較 4.金属や金属粉末による色の理解 5.いろいろな物体の色を特定の標準色に合わせる技能 6.所要の色に染色または調色する技能
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講 義
実験・実習
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混 色
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望む色を混合によって作ることは,日常生活でしばしば起ることで,このためには,混色法を常識として身につけておくことが必要である。
1.明清色・暗清色・明濁色・暗濁色などそれぞれの有彩色の色相は,混色上からはどう違うか,これを絵の具の混合と関連して実習してみる。 2.色ごまによる混色法を実習し,色料混合法とを比較して,両者の相違を検討してみる。 3.スポットライト,または幻燈器を用い,色光混合を実験することにより,色料混合法,色ごま混合法との相違を比較検討する。 4.印刷における網版混合,絵画における点描混合,織物における紡織混合法などを検討し,これらの混合法が,1.2.3.の混合法のいずれにあたるかを調べてみる。 |
講 義
実験・実習 (描画・図
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色の感情
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色の感情は,色彩の応用には常に考えなければならないもので,特に配色作品の効果を左右する重要な要素となるものであるから,色彩の応用については第一に考えなければならない。
色彩の感情には,単純なもの,複雑なものと,いろいろに考えられるが,それらの中,基本的なものとして,一応次のものが考えられる。これを基礎として,特定の目的に対する配色を行い,色彩感情の表現性を理解する。 1.色の暖かい涼しいの感情 2.色の軽い重いの感情 3.色のはで,じみの感情 4.色の強い弱いの感情 5.濁色に共通する感情 6.無彩色に共通する感情 7.個々の色に対する個有感情 8.材料や質感の相違による色の感情 以上の点を基礎にして,その応用例としては次のようなものが考えられよう。 1.暖かい配色と涼しい配色,暖かい色と涼しい色の配色 2.はでな配色とじみな配色,はでな色とじみな色の配色 3.軽快な配色と重厚な配色 4.情熱的配色と理知的配色 5.刺激的配色と沈静的配色 6.固い配色と柔らかい配色 |
講 義
実験・実習 ・討議
講 義
(図案との関連をとる)
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色の対比
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色の対比も色彩の応用には常に考えなければならない問題である。
一般に色の対比現象といえば,いろいろな対比が複合しているため,複雑に見えるが,それらのものの中から基本的なものをとり出し,またそれを応用して,特定の目的のために対比現象をとり入れて配色を行うことのできるものに,次のものがある。 1.色相の対比 2.明度の対比 3.彩度の対比 4.補色の対比 5.面積の対比 以上の対比を基礎とし,その応用例として次のようなことを研究する。 1.日本人は黄色人種だといわれるが,色の対比上どんな色がよいか。 2.色の黒い人にはどんな色がよいか。 3.背の低い人にはどんな色がよいか。 4.肥満している人にはどんな色がよいか。 5.じみな服地をあざやかに見せるにはどうすればよいか。 |
講義・実験
・実習 討 議
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色の明視
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一般に明視とは,照明の強弱・視標の大きさを条件にした視力をさすが,図画や工作の指導で扱う明視は,視標(文字や模様)の色と地色(バック)との相対的な色の差が視力におよぼす影響を扱うことが主になるであろう。
基本的題材例を基礎にしてその応用的題材で,色の明視の法則を活用できるように指導したい。 1.いろいろな色紙を一定の大きさに切り,特定の地色の紙にはりつけ,見る距離をしだいに大きくとりながら目だつ色,目だたない色の順位を調べる。 2.1.の実験を地色のみを換えたものでやってみる。 3.1.2.の実験の結果を図表に表わし,はられている色と他色との差がどうなっている場合に目だちまたは目だたないか,この結果を色相の差・明度の差・彩度の差に分けて観察してみる。 以上を基礎にした応用題材としては, 1.道路標識・看板・ポスター・電車・自動車(特に大型バスなど)・信号器などに明視を活用した配色を観察してみる。 2.看板・ポスターなどの作成に明視の法則性を活用する。 |
講 義
実験・実習
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色の活用
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色の諸性質・色彩の原理・現象などと関連して,色の活用技能を発達させるには,次の指導内容が考えられよう。
(A) 室内の機能的配色 室内の配色を通して,色の機能に最も一致した表現技能を養うことができる。この指導としては, 1.教室の配色にはどういう色が気分よく落ち着いて学習できるか,その配色設計をしてみる。 2.工場内部の色はどういう色か,気分よく仕事の能率を上げることができるか,工場の種類,室の使用目的によってその配色設計をしてみる。 3.住宅の配色にはどういう色がよいか,住う目的や,作業目的によってその配色設計をしてみる。 4.商店の配色にはどういう色がよいか,商店の種類によって配色設計をしてみる。 5.照明効果を上げるには室内の色をどんな色にすればよいか,その配色設計をしてみる。 (B) 服装の配色における主調色 服装配色を通して,服装配色に重要な主調色を選ぶ技能を養うには,次のような指導内容が考えられよう。 1.事務服にはどういう色が主調色としてよいかを図案の実習を通して色を決める。 2.運動服にはどういう色が主調色としてよいかを図案の実習を通して色を決める。 3.外出着にはどういう色が主調色としてよいかを図案の実習を通して色を決める。 4.年令・性別・個性・季節・風習・流行などを考えた配色を行いその主調色を決める。 5.2色配合・3色配合などのときは,その色の面積対比などを考えて,どれかを主調色とする。 また,ほぼ等面積の場合は配色によるその感覚を主として考えさせる。 (C) 色彩批判 環境にある色彩作品について,その批判力を増し,日常生活に色を応用する技能を発達させるには,次の観点で指導を進めることがよいであろう。 1.そのものの色は,目的とするところが表現されているか。 2.そのものの色は,機能的な配色であるか。 3.そのものの色は,調和の上からよいか。 4.そのものの色を,目的に適合させるには,色をどう換えればよいか。 (D) 以上を通して目的・環境・場所・季節などに対応する配色を行い,よい調和をうる技能を身につけるようにしなければならない。 (E) 各種塗料の効果的使用 1.美感・機能・安全などの条件を考えて適切な塗料の配色 2.塗料による被覆力・質感などを考えて配色 3.建築物・交通機関・工芸品などに用いられている塗料の使用法や,配色に対する批判力 |
講 義
図上または模型によって室内配色の実習
講 義 実 習
講 義 研究・討議
講 義 実 習 (工芸実習などと関連をとる) |
6 図法・製図
1) 指 導 目 標
(2) 他人のかいた図を読みとる力を発達させる。
(3) 立体的に物をとらえる能力を発達させる。
(4) 正確・精密に仕事をする習慣を養う。
(5) 製図の発達が,造形文化の発達に大きな影響をもっていることを理解させる。
(2) 工芸・建築・図案などの学習とじゅうぶんに関連をとって指導を進めることがたいせつである。
(3) 読図力が身についていれば,実習にあたって,作業に計画性ができ,能率が上がるものであることを注意する。
(4) 製図の実習では,これに必要な用具をじゅうぶんに使いこなすことがたいせつで,数多い用具を使用するよりは,基本的な用具の使用にじゅうぶんなれて,正確に美しく製図できるようにすることがよい。
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点の投影図
線の投影図
平 面 の 投 影 図 立 体 の 投 影 図 |
1.主として第1象限における点の投影図
1.線分の投影図 2.曲線の投影図 各種平面形の単角度の投影図 必要に応じて複角度の場合も指導する。 1.角住の投影図 2.角すいの投影図 3.円柱円すい・球の投影図 4.立体の切断面 5.簡単な相貫体の投影図 6.立体表面の展開図 |
講 義
実 習
講 義 実 習 講 義 実 習 実 習
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等角投影図
斜投影図
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1.約束に従って作図の方法の理解
2.立体図案や説明図のような表現には,等角投影図法が多く用いられることの理解 1.斜投影図の意味 2.立画面への立体の斜投影図
(2) 説明用の図として多く用いられることの理解
(2) この図法は,ある種の説明図の表現には,きわめて便利な方法であることの理解 |
講 義
実 習 講 義 実 習
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透 視 図
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1.透視図の意味
2.透視図の約束 基画・面面・視点・停点・心点・地平線・視線・視野・各種の符号,その他 3.線透視図
(2) 平行透視図・有角透視図・傾斜投影図の違い。 5.平面形の透視図 6.立体の透視図 |
講義研究
発表
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製 図
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1.製図の種類
(2) 機械製図にも製作図・工程図・組み立て図など使用目的によって多少の違いのあることの理解
(2) 鉛筆製図による製図を中心にして,墨入れ製図は補助的にする。
(2) 製図の規格と読図との関連のあることの理解 (3) 製図規格のおもなもの,たとえば,線の用法・文字・寸法記入法・尺度・切断面・略写法などについての理解
(2) 第1角法と第3角法による図示におけるそれぞれの特徴
(2) 文字の練習 (3) 複写製図 (4) 実測製図 (5) 設計製図 |
講義
製図実習
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7 鑑 賞
1) 指 導 目 標
(2) 建築や工芸品などの鑑賞によって,材料および構成方法の適否を判断する能力を養う。
(3) わが国および外国の現代建築・工芸の動向について理解させる。
(4) 東西の過去の建築・工芸品の特質および各時代の思潮の美術との関連について理解を深めさせる。
(5) 建築・工芸の発達に寄与する能力を発達させる。
(6) 建築・工芸品を愛好し尊重する態度を養う。
(7) 生活環境を美化改善する態度を養う。
(8) 郷土の美術品に関心を持ち,これを理解し鑑賞させる。
(9) 鑑賞を通して国際理解を深めさせる。
(2) 一品製作のものと機械製作のものとには,それぞれ違った美しさをもつことを理解させる。
(3) 用の立場から作られたもの,美の立場から作られたもの,両者の中間的な立場で作られたものなどがあるが,いずれの場合でも用と美の調和について理解させる。
(4) 材料の相違によってそれぞれ違った美しさをもつことを理解させる。
(5) 庭園と建築物との調和,風景と建築物との調和など,環境との調和のよい悪いによって,建築物そのものの美しさを増したり減じたりすることを理解させる。
(6) 工芸品と室内との調和,工芸品相互の調和など,環境との調和のよい悪いによって,工芸品の美しさを増したり減じたりすることを理解させる。
(7) 工芸品の鑑賞は展覧会・美術館・博物館などを利用し,建築物の鑑賞は修学旅行その他の機会を利用してなるべく実際の作品を観察させるようにする。
(8) 印刷物・写真などの利用は,できるだけできのよいものを選択すること。また,実物反射幻燈機などを使用することはよい方法である。
(9) 表現と関連して取り扱う場合や鑑賞だけを取り扱う場合など適宜に資料を選択する。
(10) 東西の過去の作品の鑑賞については,工芸概論などと関連して取り扱うことが望ましい。
(11) 工作教室その他学校の適当な場所に作品や複製画・写真などを展示して常に鑑賞できるようにする。
各種様式の現代建築および各種の現代工芸品
東西の各時代や各様式における代表的建築
東西の各時代における各種の著名な工芸品
(2) 次の表は東西の歴史的な著名作品の一部を示したものであるから,実状に即して適宜に採択されたい。
(3) 次の表は特に歴史的な作品を重視する意味で示したものではない。現代の作品については適宜にそれぞれの作品を採択してほしい。
(4) 次表の○印は,文部省編集の図画工作科鑑賞資料に掲載されたものである。
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出 雲 大 社
法 隆 寺 全 景 ○ 〃 金 堂 ○薬 師 寺 東 塔 ○唐 招 提 寺 金 堂 ○法 隆 寺 夢 殿 ○正 倉 院 宇 佐 八 幡 ○平 等 院 鳳 凰 堂 醍 醐 寺 五 重 塔 厳 島 神 社 寝 殿 造 ○東 大 寺 南 大 門 円 覚 寺 舎 利 殿 石 山 寺 多 宝 塔 武 家 造 ○鹿 苑 寺 金 閣 慈 照 寺 銀 閣 ○姫 路 城 ○妙 喜 庵 茶 室 待 庵 西 本 願 寺 書 院 ○桂 離 宮 松 琴 亭 ○京 都 御 所 清 涼 殿 二 条 城 二 の 丸 御 殿 ○赤 坂 離 宮 議 事 堂 二 コ ラ イ 堂 帝 国 ホ テ ル 海上ビルディング・其の他 東京国立博物館 各種競技場(野球・陸上) 橋梁(聖橋・隅田川の各橋その他) 現 代 住 宅 建 築 |
飛 鳥 〃 奈 良(白鳳) 〃 (天平) 〃 〃 平 安(前期) 〃 (後期) 〃 〃 〃 鎌 倉 〃 〃 〃 室 町 〃 桃 山 〃 〃 江 戸 〃 〃 明治・大正・昭和 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 |
仏 寺 建 築 〃 仏 寺 建 築 〃 〃 〃 神 社 建 築 仏 寺 建 築 〃 神 社 建 築 住 宅 建 築 仏寺建築(天竺様) 〃 (唐 様) 〃 (和 様) 住 宅 建 築 〃 〃 城 郭 建 築 茶 屋 建 築 殿堂建築(書院造) 茶 室 建 築 殿 堂 建 築 〃 〃
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奈 良 〃 奈 良 〃 〃 〃 大 分 宇 治
広 島 奈 良 鎌 倉
京 都 〃 兵 庫 京 都 〃 〃 〃 〃 東 京 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 |
・各様式の建築
・自然と建築との調和 ・庭園と建築との調和 ・各時代の思潮と建築 ・各様式の特質 ・近代建築における用と美の調和
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庭 園(日 本)
龍 安 寺 の 石 庭
西 芳 寺(苔 寺) の 庭 大 徳 寺 の 方 丈 庭 桂 離 宮 の 庭 明 治 神 宮 外 苑 そ の 他 |
〃 〃 〃 東 京 〃 |
・各様式の特質と美しさ
・建築物との調和 ・日本風と西洋風との様式や美しさの相違 |
建 築(東 洋)
○夕 ー ジ マ ハ ー ル
ア ン コ ー ル ワ ッ ト 承 徳 ラ マ 教 寺 院 |
18 |
仏 印 中国・北京 |
・各様式の特質と美しさの相違 |
建 築(西 洋)
○パ ル テ ノ ン 神 殿
○セントソフィア寺院 サ ン = マ ル コ 寺 ラ ン ヌ 大 会 堂 ノ ー ト ル ダ ム 寺 院 ウエストミンスター寺院 ○聖 ペ テ ロ 寺 ○べ ル サ イ ユ 宮 殿 ア メ リ 力 高 層 建 築 ア メ リ カ 住 宅 建 築 各 国 の 現 代 建 築 |
A.D 6 12 A.D 13
16 17 19 |
ビ ザ ン チ ン ロ マ ネ ス ク ゴ シ ッ ク 〃 〃 ル ネ ッ サ ン ス
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コンスタンチノーブル ベ ニ ス フ ラ ン ス 〃 ロ ン ド ン ロ ー マ フ ラ ン ス ア メ リ カ 〃 |
・各様式の特質と美しさの相違
・国民性と建築 ・西洋各国の近代建築における用と美の調和
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工 芸(日 本)
1.金属工芸
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家 屋 文 鏡
銅 鐸 御 物 龍 首 水 瓶 御 物 柄 香 炉 御 物 金 銅 花 形 合 子 東大寺 八 角 燈 籠 薬師寺 塔 水 煙 土師神社 帯 金 具 和 鏡 数 種 平 等 院 鳳 凰 中尊寺 須 彌 壇 金 具 春日神社 梅 樹 文 甲 胄 牡 丹 蝶 鳥 鏡 茶 釜(蘆屋釜・天命釜) 石田英一作 鍜 金 香取秀真作 錬 金 津田信夫作 〃 清水亀蔵作 彫 金 民 芸 品 現代金属工芸品各種 (例)置時計・電気スタンド・椅子・装身具・その他 アルミニウム軽合金製品 アルマイト製品 プラスチック製品 |
〃 飛 鳥 奈 良 〃 〃 〃 平 安 〃 〃 〃 鎌 倉 〃 室 町 明治・大正・昭和 〃 〃 〃 〃
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響 銅 彫 金 透 彫 彫 金
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正 倉 院 〃 〃 東 大 寺 薬 師 寺
宇 治 平 泉 奈 良 東京国立博物館 |
・金属工芸の特質と材料美や技法
・近代金属工芸における用と美の調和 ・構造と美
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2.木竹工芸
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玉 蟲 厨 子
琵 琶・阮 咸・ 琴 片輪車蒔絵螺鈿手箱 雛菊蒔絵螺鈿硯箱 器 物(鎌倉彫・根来塗・春慶塗) 都久夫須神社内部蒔絵 〃 花鳥欄間 宝 巌 寺 双 鹿 欄 間 光悦作舟橋蒔絵硯箱 光琳作八橋蒔絵硯箱 器物(津軽塗・輪島塗・春慶塗・根来塗・吉野塗など) 六角紫水作 漆 工 民 芸 品 現代木材工芸品各種 (例)椅子・卓子・戸棚・タンス・衝立・装身具・其の他 |
奈 良 平 安 鎌 倉 〃 桃 山 〃 桃 山 江 戸 〃 〃
明治・大正・昭和 〃 |
漆 工 〃
漆 工 彫 刻 彫 刻 漆 工
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正 倉 院
鶴岡八幡宮
滋 賀 〃 滋 賀 東京国立博物館 〃
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・木竹工芸の特質と材料美や技法
・漆工の特質と材料美 ・近代木竹工芸の用と美の調和 ・構成と美
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3.窯 芸
土 器(縄文土器・弥生式土器)
屋 根 瓦 茶 道 具 (瀬 戸 焼) 長次郎作 楽 焼 獅 子 仁 清 作 藤 の 茶 壺 仁 清 作 茶 碗 古 九 谷 染 附 手 附 鉢 古九谷草花模様塵卸壺 柿右衛門作領青海波文様五寸四 伝柿右衛門作 鳳 凰 桐文徳利 乾山作 赤 絵 筒 茶 碗 民 芸 品 現代窯芸品(陶磁器・硝子器など) (例)食器・花瓶・飾皿・置物・その他 |
飛 鳥 室 町 桃 山 江 戸 〃 〃 〃 〃 〃 〃 明治・大正・昭和 〃 |
陶 器 楽 焼 陶 器 〃 〃 〃 〃 〃 楽 焼 |
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・製法の相違による美しさの相違
・各種材料の材料美 ・形態と意匠の美しさ
・大量製産品の美しさ
・用と美の調和 ・個性表現の美しさ |
4.染 織,そ の 他
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天 寿 国 曼 茶 羅
法 隆 寺 獅 子 文 錦 纐 纈 屏 風 臈 纈 屏 風 夾 纈 屏 風 能 衣 裳 衣 裳 元 祿 頃 の 衣 裳 友 禅 染 龍 村 平 蔵 作 染 織 民 芸 品 現 代 染 織 品 (例)壁かけ・屏風・被服・服飾品・その他 皮革製品鞄・靴その他 合 成 樹 脂 製 品 人 形 |
〃 奈 良 〃 〃 室 町 桃 山 江 戸 〃 明治・大正・昭和 〃 |
〃 染 色 〃 〃 〃 〃
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法 隆 寺 正 倉 院 〃 〃
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・各種表現技法の特質
・各種の材料美 ・用と美の調和
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工 芸(朝鮮・中国・その他)
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盃 (中 国)
唐 三 彩 皿 ( 〃 ) 唐 三 彩 馬 ( 〃 ) 赤 絵 物 ( 〃 ) 万 歴 五 彩 壺( 〃 ) 高 麗 焼 (朝 鮮) 李 朝 焼 ( 〃 ) イ ン ド 更 ■(イ ン ド) ジ ャ バ 更 ■(ジ ャ バ) オーイーノコエ (ギリシア) ア ム フ ー ラ( 〃 ) 現 代 イギリス インダストリアルアート アメリカ モ ダ ン ア ー ト |
唐 〃 宋 明
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瓷 器 〃 〃 〃 〃 〃 染 色 〃 |
東京芸術大学 |
8 生 活 の 美 化
1) 指 導 目 標
(2) 生活の美化の要点,方法を研究し,理解する。
(3) 生活の美化へ美的な感覚と技能を活用する態度と習慣を養う。
(4) 個人生活・家庭生活・社会生活の美化に関心をもち積極的に参加する態度と実行力を養う。
(5) 図案やその他の学習で養われた知識・感覚・技能を実生活に活用する能力を養う。
(2) 生活の美化とはどのような事であるかを具体的に理解させる。単に飾るという意味だけではなく,整理・整とんの方法も合理的に生活構成することもまた生活の美化の要素として考えなければならない。
(3) 指導にあたっては単に具体例により批評,検討するだけでなく,その改善効果をも体験しうるように心がけることがたいせつである。
(4) 生活の美化の問題を考えることによって,工作の学習問題をその中から見いだすことが非常に多いのであるから,その機会をじゅうぶん活用しなければならない。
(5) 服装・室内の配置構成・庭園・公園・公共施設・美しい街等,および生活の美化に関連する展覧会・展示会の見学などなるべく生活美化のすぐれた実例に接する機会を与えるようにする。
(6) 特定の個人に関係するような具体例はなるべく避けたいが,やむを得ない場合には本人に不快の感をいだかせないようじゅうぶん注意して取り扱われなければならない。
(7) 次に示す指導内容は,特に時間を設けて取り扱うこともよいが,他の学習に関連して取り扱ったり,また幾つかの項を整理統合して,組み合せて取り扱ったりして,それぞれ生徒の実情に応じて具体的に取り扱うことが望ましい。
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家庭生活の美化
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生徒各自のへや
1.生徒各自の家庭における勉強べやなど,その現状が満足すベきものであるかを考える。 2.室内調度品の配置配合 3.室内の彩光・照用についてのくふう 4.机上の整備・美化 5.室内・壁面の装置・装飾および各自の趣味に合う表現 家庭の各室 1.玄関・客間・居間(茶の間)・台所・湯殿・便所 その他家庭生活に密接に関連する各室を,それぞれの特質に応じて,現状を検討し,改善美化の計 画をたてて実施する。 2.各室を美化するために整理・整とんしたりその他花を飾ったり絵をかけたりするなど適切な方法を考えて実施する。 庭園の美化 1.花園・菜園の配置設計計画をたて,家庭の人々と協力して改善美化に努める。 2.屋外の設備・装置などを改善美化する計画をたてて実施する。 食生活の美化(食卓や食事室を中心) 一般に食物の味については関心がもたれているが,気持のよい食事をするための食卓や食事室の配置配合は,軽く見られがちになるので,この方面に関心をもつように指導する。 料理と食器 1.食物の盛り方も,色や形の点を考えて,見た目に美しくとり合わせることが必要である。 2.食器の形と色や質の点も考えて,よいとり合わせを考える。 3.弁当箱の形・色・質・機能について,それぞれの特徴を理解し,日常生活に生かすようにする。 |
生徒各自の研究発表,討議(図案・色彩・鑑賞・指導内容と関連をとる)
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学校生活の美化 | 教室の美化
1.学習室の机の配置,器具・備品の整とん・整備 2.壁面の装置・装飾 3.掲示板や告知板の美的配置 校舎内の美化 1.校具・備品の整とん・配置 2.掲示場の美化 3.集合場(生徒控室,講堂など)・特別教室・廊下広間・階段などの美化整備 4.展覧会・展示会その他の行事に関連する設備などの美化計画実施 校庭の美化 1.学校園の計画 2.校内案内標識の配置 3.屋外掲示場の計画 4.運動会場,その他学校行事に関連する場合などの計画 |
生徒の研究発表・討議・実習など,(図案・色彩・鑑賞の指導内容と関連をとる) |
社会生活の美化 | 町。村の美化(地域社会〉
1.街頭の広告・ビラなどが,適切にはられたり,置かれたりしているかについて検討して関心を高める。 2.商店やその他の看板の実物や,はられたり置かれている実際について検討し,改善美化に関心を高める。 3.道路標識の形体・色彩の効果について研究し,よい標識を図案設計をする。 4.緑地運動と関連して,街路樹の配置・形などについて研究をする。 公共施設の美化 1.地域社会の公園・遊園地などの現状を批判検討し,なるべく実情に即した改善案の研究をする。 2.公園遊園地などの設計 3.公会堂・公民館・音楽堂・公衆便所などを主として形体の美しさの点から検討し研究する。 4.交通・運輸機関に関する形体・色彩などの研究 都市の美化 1.地域社会の実情を調査研究し,改善案の設計 2.都市美と自然環境との調和 3.都市美と建築との関係 4.都市美と道路との関係 5.理想の農・山・漁村・小都市・中都市・大都市などの図上設計 6.住宅地域・官庁街・学校・公園・緑他などを一つの都市としてまとめて理想的に図上設計 |
講義・生徒の研究・発表・討議・見学・実習など)
(図案・色彩・鑑賞の指導内容と関連をとる) |
服装の美化 | 生徒各自の衣服
1.衣服は,どのような目的や機能を備えていなければならないかの理解 2.各自の衣服について,構造・形・色・生他などについて調査研究 3.各自の衣服が,生活に適しているか否かについて研究し,よい点と改めたい点について,調査を進める。 4.服装に調和する附属品として帽子・はきもの(くつ・げた・ぞうりなど)・くつ下・たび・かさ・手袋・バンド・かばん・手さげなどについて,形・色・質などの選び方を研究する。 5.学校の制服およびそれ以外の衣服についても研究する。 美しい服装 1.衣服の機能・用途・種類などについて考える。 2.衣服の種類 儀礼用衣服・外出着(晴着)・平常衣(仕事衣)・学生服などのそれぞれの機能や形・色などの点について考える。 3.衣服の差異 性別・年令別・職業別・季節別を考える。 4.衣服に調和する附属品について研究する。 5.流行と服装,趣味と服装について考える。 6.服装は,着用される時・場所,着用者によく適合しているとき美しいものであることの理解 7.美しい服装は,装飾の多いこと,豪華であることよりも,むしろ着用する人の人がら,高い趣味性が,形・色・模様などに現われるところに,真の美しさやよさのあることの理解 和服と洋服 1.現在われわれは,服装の点で二重の生活をしているが,これはどんな理由によるかを考える。 2.住宅の問題が服装に関係することの理解。 3.和服・洋服のそれぞれの特質について考える。 4.和服・洋服のそれぞれの欠点について考える。 5.和服・洋服のそれぞれの附属品について考える。 6.和服・洋服のそれぞれの美しさについて考える。 服飾美化の実習 1.服飾について適当な題材を選び,図案の構成や製作をする。 2.図案構成にあたっては,形・色・質・配色の点についてじゅうぶんに指導する。 3.服飾品の現物を中心にして,その色・形・質などを中心にして,目的によっていろいろな取合せの実習をする。 |
講義研究発表・実習など。 |
9 工 芸 概 論
1) 指 導 目 標
(2) 美に対する感受性を鋭敏にする。
(3) 工芸品に対する鑑賞力を養う。
(4) 情緒の過度の緊張を和らげるための美的情操を発展させる。
(5) 工芸の人生に対する意義および価値の理解を得させる。
(6) 工芸とわが国の産業および貿易との関係について理解させる。
(2) 美術も工芸も美に密接な関連があるから,その表われを比較してみることも必要である。
(3) 各種の工芸材料と,それに関連する技術について理解させるとき,それぞれの地域社会の特質,実状に応じて,手近なものから実物に即して指導することが望ましい。
(4) 工芸は生活そのもの,生活の実体であるという観点に立って指導することが望ましい。
(5) 新しい工芸の研究には,それが現在の生活にどのような関係をもつものであるかを,現代の生活を背景とし,社会機構や,思想傾向などもじゅうぶん考慮して将来への動向が推察できるように指導する。
(6) わが国の工芸の発達については,各時代の社会機構にじゅうぶん注意するとともに,わが国工芸と大陸との影響とに関して指導し,日本の工芸の特質について正しい理解を与えるようにする。
(7) 工芸材料とその技法については,全般的にその概要を理解させるようにしたい。
(8) 現代工芸の動向については絶えず注意する。
(9) 工芸生産には,一品製作(個人作家の至芸を重視した工芸・民芸など)量産製作の工芸があり,これらの特質や相互の関係を理解させ,将来わが国経済の確立や,貿易の発展に寄与しうる資質を養うように指導する。
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芸術と工芸 | 芸術の分類に関するいろいろの説
芸術の分類からみると 1. 自然の模倣芸術…………………絵画・彫刻など
2. 実用性の少ない自由芸術………絵画・彫刻・音楽・詩文
3.視覚芸術…………………………絵画・彫刻・工芸・建築など 4.空間芸術…………………………絵画・彫刻・工芸・建築など |
指導・研究発表・討議など |
工芸の性質 | 工芸の性質についてのいろいろな説
1.工芸は美術の分野であるとする説 工芸は純粋美術ではないが,生活に美術が応用されたものであって,工芸,すなわち,工芸美術という考え方で,美的価値が非常に重視されている。この場合には,実用品は工芸から区別して考えられる。 2.工芸は用と美とを兼ねたものとする説美的価値と,実用的価値を同等に見る考え方である。 3.工芸は生活の要具であるとする説工芸の美的価値をその実用性に基くものとする。 4.機能主義に立つ工芸観 極度に工芸の装飾性を排し,すべての生活的造形物をその機能面からのみ見ようとする考え方である。 5.機能主義に反対する工芸観 以上の諸説から次のことが考えられる。 1.工芸は生活の必要によって作られるといえる。 2.工芸は材料によって,その形に制約を受ける。 3.工芸の形は材料とともにその生産技術によっても制約される。 4.工芸技術の発展と新しい材料の発見によって変化し発展する。また新しい工芸は人間の生活を変化させることもある。 5.工芸は生活の表現でもあり,生活を構成する重要な要素の一つでもある。 6.人間の精神的生活の欲求に適合しようとするところに,工芸の美が考えられる。 7.人間の物質的生活の欲求に適合しようとするところに,工芸の用がある。 8.人間の生活を便利にし,円滑にする意欲の表現として,工芸を考える。工芸の形は人間の生活技巧の具体化したものである。 9.工芸には機能を追求する面と,美を追求する面とがある。しかし機能即美の考え方もあり,また工芸にあっては美も機能の一面であるとの考え方もある。 |
講義・研究発表・討議など
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工芸の分類 | 材料による分類
1.木材工芸 2.竹材工芸 3.金属工芸 4.陶磁工芸 5.皮革工芸 6.紙材工芸 7.繊維工芸 8.セメント工芸 9.ガラス工芸 10.牙角工芸 11.石材工芸 12.漆工芸 13.プラステイックス工芸 14.その他 用途による分類 1.文房具 2.遊具・玩具 3.家具 4.服飾品 5.食器 6.厨房器具 7.照明器具 8.装飾品 9.その他 生産方式による分類 1. 手工芸品
2. 一品製作工芸
生活部面による分類 1.食生活に関係する工芸 2.衣生活に関係する工芸 3.住生活に関係する工芸 4.社会生活(交通・運動・通信・生産および職業生活・学習生活など)に関係する工芸 |
講義・研究発表・討議など
講義・研究発表・討議など
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生活と工芸 | 食生活と工芸
1.生徒各自の食生活において,実際に使用している工芸品を列挙し,分類してみる。 2.一般生活において,食生活に最少限必要な工芸品はどのようなものであるかを研究する。 3.将来いっそうよい生活をするためには,現在使用している工芸品をどのように改善すればよいかを研究する。 衣生活と工芸 1.生徒各自の衣生活について,実際に使用しているものを列挙し,分類してみる。 2.一般生活において,衣生活に最少限必要な工芸品はどのようなものであるかを研究する。この場合,年令・性別・職業別等の違いを考慮する。 3.将来,いっそうよい生活をするためには,現在使用しているものを,どのように改善・整理すればよいかを研究する。 住生活と工芸 1.生徒各自の住生活の実際に使用されている工芸品を列挙し分類してみる。 2.生徒各自の家庭生活を基準として,一般的に住生活に最少限必要な工芸品はどのようなものであるかを研究する。この場合,地域社会の風俗習慣・生活様式・家族の状態・職業別等についても考慮して研究する。 3.2の場合,住居建築に関してもまた室内の装置についてもそれらの工芸的部面について研究してみるとよい。 4.将来,いっそうよい生活をするためには,現在の工芸のあり方を,どのように改善し,整理してゆけばよいかを研究する。 学習生活と工芸 1.生徒各自の生活の実際について,学習生活に関係する工芸品を列挙して,分類してみる。 2.各自の学習生活に最少限必要な工芸品はどのようなものであるかを研究する。 3.将来,その学習生活の能率をいっそう向上させるためには,現在のものをどのように改善整理してゆけばよいかを研究する。 工芸による生活 1.工芸は生活の用具である。むしろそれは生活を構成する重要な部分であるから工芸を省いては,われわれの現在の生活は成立しない。 2.よい生活をするためには,よい工芸品を選択してそれを巧みに使用することがたいせつである。 どのような工芸品がよい工芸品であり,どのように使用することがよいのであるかを研究する。 3.工芸品は,使われるもの,われわれの生活の中で働くものである。われわれは工芸品のそれぞれの特質をよくわきまえて,それを愛し,われわれの生活の中でその機能をじゅうぶんに,長く発揮させるようにしなければならない。 |
講義・研究発表・討議など
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工芸様式 | 工芸の様式
1.工芸の様式は美術の様式と同様に,時代・民族の異なるに従って,異なる様式が生れる。 2.気候・風土の相異は,生活の様式に影響するように工芸の様式にも影響する。 3.工芸の様式は,また,材料や,その民族の技術性によっても制約され決まってくる。 |
講義・研究・発表討議など |
工芸の要素 | 工芸の機能
1.人間の生活を離れては,工芸は存在しないから工芸の機能は生活の中における工芸のはたらきである。 2.工芸の機能は一般に用といわれるもの,すなわち,その実用性である。 3.工芸の機能は時代・民族などによって,それぞれの社会機構・社会思想などの影響をうけていろいろの形で現れる。 4.工芸において,機能と美とは対称的に考えられる場合もあるが,一致するもののように考えられる場合もある。 5.近代から現代にいたる工芸品は,一般に機能の面が非常に重要視されている傾向をもっている。 工芸の美 1.工芸の美は,用と美というように,対称的に取り扱われている場合もある。 2.工芸の機能が極度に重視されて現れると,機能がそのまま美と考えられることもある。また,人間の装飾本能に基いて工芸に要求される美は,用に対立するものとして考えられた美である。 3.装飾性から生れ出る美は工芸においては,遊びといわれるもので,この遊びが人間生活の上に重要な意義をもつものであると考えられる。 4.この装飾性からくる工芸の美は,絵画や彫刻における美とはやや趣を異にするものであるが,人間の本能的欲求に基くものである点では互いに深い関連性かあるといわねばならない。 工芸の材料 1.工芸の機能は材料の制約を受けるが,この制約にうち勝とうとする欲求から,新しい材料が求められる。そして新しい材料は工芸の機能を拡充する。 2.工芸の美もまた材料に関係する。美の欲求は新しい材料を求め,新しい材料は美の内容を拡充するとともに,さらに新しい美を生み出す。 3.古い時代においては,工芸材料は,自然的環境によって大きな制約をうけ,地域差による,工芸 様式の差異が大きかったのであるが,運輸交通のしだいに開けるに従って,その制約はしだいに除かれることとなった。 工芸の技法(四つの要素との関連) 1.工芸の技法もまた,工芸の機能と美,すなわち,工芸の形態に大きな影響をもつものである。 2.技法の発達は,新しい機能的欲求を満足させるようになるとともに,機能的要求は技法の発達を促すものである。 3.技法の発達は工芸の美にも関係する。技法は美を生み出すとともに,美のための技法も考えられる。 4.技法はまた材料の可能性をも拡充する。機能・美・材料・技法,という工芸の四つの要素は互に深い関係にあって,工芸の価値を決定する。 |
講義・研究発表・討議など
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工芸の発達 | 1.工芸はどのようにして作られたか,原始時代の人たちの生活からのこされたものについて,研究する。
2.古い時代の遺品の中の工芸的な作品によって,その時代の人間の生活の有様を理解することができる。 3.人間の最初の造形はその生活上の必要に迫られて自然から得た,物質的材料を,加工することによって得られた。 4.各種の石器・土偶・紋(じょう)紋式土器・弥生(やよい)式土器。等について研究する。 5.砡(ぎょく)器(勾(まが)玉・管(くだ)玉・切子玉・臼(うす)玉等)金属器(刀・槍(やり)・甲冑(かっちゅう)・銅鐸(たく)等) 日本の工芸の変遷 1.貴族趣味の工芸──玩(がん)賞を主とする ○飛烏・奈良時代──外国(朝鮮・中国)の影響の著しい時代 ○平安時代──遺唐使の廃止に伴いわが民族工芸が創建せられた時代,貴族全盛の時代で,平安貴族の優雅,えん麗な趣味がその工芸の上にあふれている。 2.武家趣味の工芸──実利的生活の特色がある。 ○鎌倉時代──表面には平安時代の様式が残っているが内面に質素な気風が含まれている。武家や禅家の堅実な,簡素の生活に適合する工芸 ○室町・東山時代──枯淡な茶趣味,中国工芸からの影響 ○戦国時代──地方都市の発達・地方工芸への刺激・工芸の民衆化の傾向 ○織豊時代──復古的傾向と町人趣味の芽ばえが見られる。貴族生活を民衆化しようとする矛盾,征韓の役と陶業 3.町人趣味の工芸──新しい様式と浪費への傾向 ○江戸時代──財力によって築かれる文化低級な趣味と黄金の濫費,江戸の文化と京・大阪の文化,工芸の遊戯化と煎茶の趣味 4.明治・大正時代──江戸時代の継続と外国文化の影響,工芸の玩賞と骨とう趣味,民衆趣味,民芸への運動 西洋工芸の変遷 1.エジプトの文化と工芸 2.バビロン・アツシリア 3.ギリシア 4.ローマ 5.初期キリスト教の時代 6.ビザンチン 7.ロマネスク 8.ゴシック 9.ルネッサンス 近代の動き 1.ウイリアム=モリス 2.アール=ヌーボー 3.セセッション 4.ファンクショナリズム 5.コムポジショナリズム 6.エクスプレッショニズリズム 7.ワォルター,グロビュウス,モホリ,ナギー 8.ル=コルビジェ 9.インターナショナリズム |
講義・研究発表・討議など。
(各種の資料使用) |
材料と技術 | 下に示す項目については,日本の現状を概説するとともに,諸外国の状況にも触れる。
木材工芸 1.工芸材料としての木材,わが国の木材 2.生産技術の現状(概要) 3.木工品(使用上,産業,貿易の上から) 竹材工芸 1.工芸材料としての竹材,わが国の竹材 2.生産技術の現状(概要) 3.竹工品 金属土芸 1.工芸材料としての金属,我国の金属 2.生産技術の現状(概要) 3.金属製品(金工品) 陶磁工芸 1.工芸材料としての陶土,わが国の陶土 2.生産技術の現状(概要) 3.陶磁器 ガラス工芸 1.工芸材料としてのガラス,わが国のガラス 2.生産技術の現状(概要) 3.ガラス 繊維工芸 1.工芸材料としての繊維,わが国の繊維 2.生産技術の現状(概要) 3.繊維製品 新材料による工芸 1.新しい工芸材料 2.新材料の生産技術の現状(概要) 3.新しい材料の工芸品 |
講義・研究発表・討議など |
工芸品の評価と鑑賞 | 工芸品の評価
1.いろいろな工芸品を実際的に批判し,その価値を評価する。 2.用途に対する適合性を研究する。形体の適合性の研究にとどまらず,用途に対して適切な材料が使用されているか,また材料の加工,仕上げなどが適切であるかどうか,構成の技術かすぐれているかどうか,などについて研究し,さらに,生産方式意匠の効果価格などの点についても研究する。 3.工芸の評価では,単にそのものの批判にとどまらず,一つの工芸品について,それを使用する人,およびそれが使用される場所についての研究もまた重要なことである。 4.なるべく多くの種類の工芸品についていろいろな角度から研究して正しい判断をなしうるようにする。 工芸品の鑑賞 1.見ることを主体とする鑑賞は,工芸品にあってはそれを美術的に取り扱うことを意味する。よい工芸品を見て楽しむことは文化人の教養としてよい趣味ではあるが,時にそれが骨とう趣味に堕する危険のあることも忘れてはならない。 2.過去の工芸品を鑑賞しその時代の生活を研究したり,郷土に保存されている民芸品の鑑賞,技術の伝統などについて研究し,新しい時代の工芸品やその生産へのよい示唆をくみとることは意義深い学習である。 |
講義・研究発表・討議など |
日本現代工芸の動向 | 1.現代のわが国の工芸は,どのような動きを見せているか。
2.工芸品の使用材料や製作方法において,これを過去に比較してどのような差異を認めることができるか。 3.わが国の工芸品が海外に観迎されるには,どんな点に考慮を払わなければならないか。 4.工芸作品の発表機関にはどんなものがあるか,またどんな方法でそれを発表しているか。 |
講義・研究発表・討議(図版・展覧会見学など) |