付   録

(1) 図画工作教育の表現材料選択の基礎

 図画工作教育の目標中,表現力の養成は,大きな分野を占めるものである。したがって,その表現活動に適切な材料をうることは,図画工作教育実施上たいせつなことである。

 表現材料の選択は,種々の観点からこれを実施することができるが,まず材料の性質上と,図画工作教育の目標の二つの点から選択することが便利であろう。

 表現材料といっても,その数はきわめて多いものであるが,おもなものについて,上に述べた二つの点から検討することにする。

1 紙

 材料の性質

 描画や各種の図の表現に使用する場合と,立体構成などに使用する場合とで,紙の種類・質・大きさなどに相違が出てくる。

 材料利用上からの評価

2 木  材

 材料の性質

 木材を選択するには,用途によって次の事項について検討しなければならない。

 材料利用上からの評価

3 金  属

 材料の性質

 一般に使用されている金属は,鉄・銅・亜船・錫(すず)・鉛・アルミニウム・ニッケル・各種の合金などで,形状により針金・板金・円棒・角棒・管,に別けられる。

 材料利用上からの評価

4 粘  土

 材料の性質

 粘土はその性質上各種の立体表現が容易であり,可塑性に富むので広く使用される。

 材料利用上からの評価

5 竹

 材料の性質

 竹は豊富で入手しやすく,種々の特質をもっているので,広く使用される。

 材料利用上からの評価

6 糸・布

 材料の性質

 糸・布は編み物・袋物・刺しゅう・染色の材料として使用されるが,このほか,各種の材料と併用することもあり,また緊結材料や,補強材料として,使用される場合もある。

 材料上からの評価

7 セメント

 材料の性質

 セメントは,粉末をしていて,これに水を加えて放置すると凝固する。型わくを使えば,成形も思うようになり,耐熱・耐酸などのすぐれた性質があるため広く使用される。また彫型の材料として使用されることもある。

 材料利用上からの評価

8 緊結材料・接着材料

 材料の性質

 製作物は,同一素材を成形して形作る場合もあるが,多くは同一素材または異なった素材を部分的に成形して組み立てることが多い。この部分を結合するものが接着材料である。

 緊結および接合材料には種々のものがあるが,以下述べるものがおもなものである。

 材料利用上からの評価

9 絵具・鉛筆その他

 材料の性質

 描図や各種の図の表現には主として,各種の絵具類・鉛筆・木炭・コンテ・墨などが使用される。絵具は各種の有彩色画,鉛筆・木炭・コンテ・墨などは主として無彩色画に,また両者の混用による表現も広く行われる。

10 着色材料・塗装材料

 材料の性質

 着色材料は主として,木材の素地の色を望みの色に変化させるときに使われ,塗装材料は木材および金属の表面に一般に流動性の物質を塗り,平面を美化したり,保護するときに用いる。着色材料や塗装材料には,その原料・性状・用途によって分けられる。

 材料利用上からの評価

 

(2) 設 備・備 品

 図画工作教育は,設備・備品の整い方に左右されることが,きわめて大きい。したがって,図画教室・工作教室の設備・備品を整えることは指導を進める上にたいせつである。設備・備品には常に心がけて望ましい設備・備品をもつようにしたい。以下図画・工作にわけて,主要な設備・備品について触れてみる。

1 図画指導上

2 工作指導上

 工作指導上必要な教室は,木工室・金工室・塗装室・動力室・材料準備室などであるが,実際は比較的大きな教室で各種の実習をなし,他に材料準備室がある程度が実情であろうが,一応各室について触れることにする。

 

                   (3) 参 考 書

1 図画工作教育関係書

2 そ の 他

生 徒 用

(参考書の目録は,日本図書館協会および全国学校図書館協議会によって委嘱された参考図書資料調査委員会によって作成された資料に基いて作られたものである。)

 

              (4)美術館・博物館その他

 工芸方面の研究および,指導に関する機関としては,次のものをあげることができる。

 1 国の機関

 2 地方の機関

 3 そ の 他

あ と が き

 本書の編修にあたっては,多くの人の協力を得たが,中でも次の方々の研究討議の結果によるところが多い。ここにしるして謝意を表する次第である。

 

 

中学校   学習指導要領

高等学校

図画工作編(試案)

昭和26年(1951)改訂版

MEJ2117

昭和27年2月25日印刷

昭和27年3月1日発行

    著作権所有  文 部 省

         東京都千代田区神田淡路町2の13

    発 行 者  錦 織 登 美 夫

         新潟県新津市本町3丁目

    印 刷 者  錦 織 豊 松

         株式会社 東洋館印刷所

       東京都千代田区神田淡路町2の13

発 行 所  株式会社 東洋館出版社

   電話・神田(25)3442番 振替・東京96823番

                  定価82円