教科外の諸活動(たとえば,学校の諸行事やクラブ活動など)や,学校外の生活に音楽がいかに関連をもっているか。
音楽は 教科外の諸活動や学校外の生活と,次のような点において大いに関連をもっている。
1 学校の諸行事
学校のいろいろな集合は堅苦しい窮屈なものではなく,なごやかな楽しいものでありたい。たとえば朝の会合におけるリズミカルな音楽に合わせた体操,好ましい歌曲の歌唱,軽快なリズムに乗った行進などは,その日の学習を楽しくスタートさせる源泉となるであろう。
2) 学芸会・音楽会
児童にとって,学芸会・音楽会その他これに準じる催しは,非常に待望する行事である。この機会に,日ごろ学習された音楽が演奏されたり,音楽劇(唱歌劇)が演出されたりする。あるいはまた,聞いたり,見たりする鑑賞の態度が養われる。
3) 運動会
運動会に音楽が不可欠のものであることはいうまでもない。拡声されたレコードの放送は,運動会のふんい気を作り,遊戯と行進の音楽は,運動会に美しさと秩序とを与える。
4) 遠 足
遠足においては,気分の解放に伴って自然に歌声が伴う。また,疲労に際して元気をふるい出させる点において役だつ。
5) 儀 式
卒業式などの儀式においてもまた,音楽は必要なものである。
音楽的なクラブ活動としての,学校合唱隊・学校合奏団・器楽練習グループなどの諸活動は,児童の学校生活にうるおいと明るさとを与え,音楽学習を推進させる上からも有効である。
2) レコード コンサ一ト
いろいろな音楽レコードを鑑賞することは,児童に音楽の選択や解釈をする力と機会とを与え,鑑賞力の向上を期待することができる。
3) 校内放送
校内放送の設備のある学校においては,さまざまな変化に富んだプログラムを企画し放送して,全校の児童が楽しいひとときを過ごすことができよう。
児童の校外生活において,音楽活動も健全な営みがなされなければならない。健康な音楽生活が営まれるためには,わらべ歌・民謡その他さまざまな音楽による遊びや,作業をしながら歌などが適切に始動されなければならない。また,地域杜会においてなされる音楽会や音楽映画の鑑賞会などは,ふるって鑑賞するように奨励すべきであろう。さらに,ラジオによる音楽の聴取も,児童の校外生活における音楽活動を活発にするものであるから大いに奨励すべきである。
4 そ の 他
近ごろ出版される雑誌には,音楽に関する記事が少なくない。また,児童向きの音楽の本も少しずつ出版されている。これらは,学校図書館・学級文庫または家庭において愛読させて,音楽への興味や関心を深め,音楽の知識を高めるようにしたいものである。