第六章  ローマ字の学習指導
ま え が き

 ローマ字の学習は、社会生活をしていく上に、どのような意義があるか。ローマ字の学習指導を国語教育の一環として行うためにはどんな目標が考えられるか。また、ローマ字の学習指導を行うためにはどのような計画と方法があるか。ローマ字の学習指導を国語教育の一環として行おうとする人たちのために、このようなことについて、具体的に考えていくのが、この章のねらいである。

 

第一節 ローマ字の学習指導はどう考えたらよいか

 ローマ字は、表音文字であり、単音文字であるから、話しことばや書きことばに対する反省を強め、ことばの決まりについての児童の自覚を高めることができる。また、ローマ字は、書いたり、印刷したりするのに能率の高い文字組織であるから、ローマ字を多く用いる社会的習慣ができれば、社会生活の能率と一般国民の文化水準を高めることができる。なお、ローマ字は、現在多くの国がその国語を書き表わす文字として用いているから、国際間の理解・親善を深める上に役だつ。

 ローマ字の学習指導が、国語の学習指導の中で、どのような位置を占めるかを考えると、次のようになる。

 このように、ローマ字の学習指導を通じて国語力の充実をはかり、国語生活の改善に資することができるから、ローマ字の学習指導は、国語学習指導の中で一つの重要な位置を占める。

 

第二節 ローマ字の学習指導の一般目標は何か

 ローマ字の学習指導の一般目標として、次のことがあげられる。

 
第三節 小学校におけるローマ字学習指導の目標は何か

 ローマ字教育が国語教育の一環として行われるかぎり、小学校におけるローマ字の学習指導の目標は、一般的には、国語学習指導の原則によって、ローマ字が表音文字である長所を生かし、これをじゅうぶんに使いこなす力を身につけさせることであることはいうまでもない。

 以上の立場から、だいたい次の二つの目標が考えられる。

 
第四節 ローマ字の学習指導はどう計画したらよいか

一 初期の段階 (注)かっこの中の数字は、三年生からローマ字学習を始めた場合の三年生の基準を示す。

(一) 読むことの学習指導はどうしたらよいか

(二) 書くことの学習指導はどうしたらよいか 二 やや進んだ段階(注)かっこの中の数字は、三年生からローマ字の学習を始めた場合の四年生に対する基準を示す。

(一) 読むことの指導はどうしたらよいか

(二) 書くことの指導はどうしたらよいか 三 さらに進んだ段階(注)かっこの中の数字は、三年生からローマ字学習を始めた場合の六年生に対する基準を示す。

(一) 読むことの指導はどうしたらよいか。

(二) 書くことの指導はどうしたらよいか  
第五節 ローマ字の学習指導における評価はどうしたらよいか

 ローマ字の学習指導の評価については、一般国語学習指導の評価の方法を準用して、ローマ字の学習指導目標が達成されたかどうかを見きわめるとともに、特に、次の点について調べる。

一 初期の段階

二 やや進んだ段階 三 さらに進んだ段階