第7章 貿 易 実 務

 第1 目 標

 

 第2 単元の例

 

 第3 学習指導上の要点

 1.国際的な取引においては,国内商業と異なった面について,種々の専門的な知識と技能とを必要とする。たとえば,遠距離の海上運送,それに伴う海上保険,通関手続,外国為替などの分野において,特にこの事が要求される。貿易実務科が,この要求に応じる科目であることは,目標1に示されたとおりである。

 2.貿易の実務について学習する間に,世界の経済情勢についての知識を得たり,さらに,わが国の将来の発展は,貿易の振興のいかんにかかっていることを認識することがたいせつである。貿易の振興のためには,信用を重んじ,正確を尊び,能率的に事務を処理する態度・習慣を養うことが,根本要件であって,この事が目標2に掲げられた趣旨である。

 3.この科目は,商業経済を始めとし,簿記会計・商業計算・商業外国語・商品・文書実務・タイプライティングなどの諸科目の学習を基として,それらを総合して学習するものである。それらの諸科目に分化された学習が前提となり,その立体的な応用の面が,貿易実務科であると言うことができる。この事が,目標3の示す意味である。

 4.上記の理由によって,この科目は,関係諸科目の学習がなされた後で,それらの運用,実践として,高学年において学習されることが適当であろう。

 5.民間貿易が再開されて以来,その実務は,いろいろな変遷をたどって来た。管理貿易の下に,煩雑な手続きを必要とした時代から,自由貿易に復帰して,国際市場において自由競争を行うようになった。このような問題については,商業経済科において学習することとして,この科目においては,もっぱら自由貿易による実務を中心として学習することが適当であろう。単元の配列についても,この前提に従って考慮し,自由貿易の実務を,一連の流れに従ってはあくすることが,学習上の効果を多くするであろう。

 6.上記の単元の例の中で,単元3はこの科目の中心となるものであるからここに相当多くの時間を配当する必要があろう。契約の成立に関連して,外国電報についても学習する必要があるであろう。又,単元5においては,通関手続についても,研究しなければならないであろう。

 7.この科目が国際取引を対象とするのに対して,商業実践科においては,国内取引を対象とする。この点において,この二つの科目は異なるけれども,基礎的な科目の学習を総合して,実務を中心として,学習する点においては,両者共通の性格を持っている。したがって,上記のほか,一般的な指導上の注意については,商業実践科の章を参照することが望ましい。

 この科目の学習についての,準備と活動の例は,次のとおりである。

 1.教師の準備と活動

 2.生徒の準備と活動  

 第4 学習指導計画の一例

 1.単元名  取引先を選ぶには,どのようにするか。

 2.目 標

 3.教材区分と時間配当  4.準備と資料  5.学習活動  6.他の教科・科目との関連  7.評 価  

 第5 参 考 書

   書    名         著    者     発 行 所

   貿易実務誌          浜 口 源 蔵    同  文  

   貿易実務入門            〃          〃

   貿易慣習の研究        上 坂 酉 三    千 倉 書 房

   外国貿易論             〃       東 洋 書 房

   貿易実務              〃       泰  文  社

   貿易経営実務            〃       東 洋 出 版 社

   海上売買論             〃       泰   文 社

   外国貿易の手続き          〃       文  雅  堂

   貿易取引条件の研究         〃       泰  文  社

   民間貿易の実務        古 田 英 雄    ダイヤモンド社

   貿易業務論          中 井 省 三    宝  文  

   貿易の基礎知識        日本貿易会      泉  文  

   輸出入の新方式        外国為替管理委員会  商  工  

   実践貿易の実務        桐 本 陸 良    ダイヤモンド社

   輓近外国貿易実践       栗 原 一 平    宝  文  

   最新外国貿易実践       加 藤   操    七  星  社

   各国輸入関係手続要覧     商工省貿易局     内外商工時報発行所

   海上運送実務         牧 野 幾久男    巌  松  堂

   船荷証券の研究        矢 野   剛    文  雅  堂

   海上保険実務誌        坂 本   毅       〃

   海上保険綱要         藤 本 幸太郎    清 水 書 院

   共同海損論             〃          〃

   海上危険論          加 藤 由 作    巌  松  堂

   海上損害論             〃          〃

   各国領事輸出査証手続     名古屋貿易斡旋所   同     左

   各国原産地標記法       柴 田 英 吉    柴田貿易事務所

   関税論            小 林 行 昌    巌  松  堂

   関税及税関          綿 貫 音次郎       〃

   商業信用状論         伊 沢 幸 平    有  斐  閣

   外国為替の基礎知識      東京銀行調査部    実業の日本社

   最新外国為替実務誌      大 槻 為 八    同  文  

   外国為替(理論と実務)    小 林 行 昌    秦  文  社

   海商法            田 中 説 二    千 倉 書 房

   海商上の諸問題           〃       有  斐  閣

   海商法研究          小町谷 操 三    岩 波 書 店

   同本貿易経済年鑑       通  産  省    貿易資科出版社