第12章 商 品

 

 第1 目 標

 第2 単元の例  第3 学習指導上の要点

 1.商品科は,わが国の平和産業の発展と,貿易の振興のために,活躍しようとする生徒にとって,重要な商品・資材の自然科学的ならびに技術的方面の知識を習得し,これを基礎として,日本および世界の産業の実情を総合的に理解しようとする科目である。

 2.商品科は,自然科学的技術的なものと,経済的なものとの,二つの要素を包含している。この両方面は,商品の特質や産業事情を理解するために,等しく重要なものであって,いずれの一方をも軽視することはできない。しかし,この科目の究極のねらいは,商品の特質や産業事情を経済的な立場から理解することであって,自然科学的または技術的方面の知識は,その手段ないし裏づけとなるわけである。現代の商品やその生産は,進歩した科学・技術を基礎としているので,そうした知識がなくては,とうてい,これを理解することができないからである。しかし,同時に,ここに商品科で要求されるところの科学的な知識・技能の深さに,ある限界が存することが認められるのであって,この商品科の学習によって,商品生産の技術家が養成されるものではないことを,注意しなければならない。

 3.商品科の学習を指導する上において,上記のような5つの目標が考えられる。目標1に掲げられた自然科学的技術的の特質は,商品・資材の原料や資源や生産方法などによって決定されるので,これらを理解する過程において目標3に掲げられた能力や態度が養われる。目標2に掲げられた経済的の特質は,主として自然科学的技術的特質によって影響を受け,需要供給の消長や価格の騰落や取引方法などにおよぶものであって,この特質を理解する過程において,目標4に掲げられた能力や態度が養われるわけである。また,自然科学的技術的特質との経済的特質との相関関係を総合的に理解することによって,はじめて,目標5が達成されることになるであろう。

 4.現代の経済社会においては,物資の生産は特定の需要を目的としないで,一般市場を対象として行われるのが普通である。生産された物資が市場に現れ,流通過程におかれる時に,これを商品と呼ぶわけである。今日,われわれの周囲にある万般の物資は,ほとんど皆,商品として取り扱われたか,あるいは,取り扱われようとしているものであるから,商品科でいう商品とは,広く生産によって実質的な価値を与えられている物資一般と解することが適当であろう。そしてこの科目の目ざすところが産業事情の理解にもあるからには,最終消費用として,小売店の店頭に陳列されてあるものよりも,産業上の基礎物資に多くの興味が注がれるのが当然であろう。また,これらの基礎物資についての理解が無ければ,店頭の商品も,貿易商品も,あるいは構造物のような商品も,理解することができないわけである。このような観点から,質的に,あるいは量的に,重要度の高い,代表的な商品を選択して,一般的な研究態度を養えば,この科目の目標の大半は達成されることになるであろう。

 5.商品科の性格は,以上のようであるから,他の教科や科目と関連する面は,かなり広い。特に,社会科・理科・家庭科の各教科や,商業経済・貿易実務・統計調査・商業外国語の各科目とは,密接な関連があるから,これらとは常に連絡を密にして,学習を進めて行かなければならない。したがって,また,商品科の学習は,なるべく高学年において行うほうが,効果が大きいと思われる。

 6.単元の例においては,単に,食料品・衣料品・燃料品・金属・化学工業製品と区分したが,これらの全部について学習することは必ずしも必要ではなくて,重要度の異なるに応じて,適宜に取捨選択してもさしつかえはないし,また,それぞれの中の個々の特定商品についても,生徒個々の興味や環境に応じて,任意に選択し,自発的な活動によって,調査・研究を進めて行くことがよい。

 それぞれの品目の中で取り上げられる個々の特定商品の例としては,次のようなものが考えられよう。

 この科目の学習についての,準備と活動の例を示せば,次のとおりである。

 1.教師の準備と活動

 2.生徒の準備と活動  第4 学習指導計画の一例

 1.単元名 衣料品は,どのように生産され,どんな特質を持ち,どのように人生に役だち,また,どのように取引されているか。

 2.目 標

 3.教材区分と時間配当  これは,衣料繊維の各品目について,ひととおり全部を学習するものとして時間配当の計画を立てた。

 4.準備と資料 綿花と綿糸についての例のみをあげる。

 5.学習活動 綿花と綿糸についての例のみをあげる。  6.他の教材・科目との関連

 商品科は,人文科学と自然科学との両方面にわたる科目であるから,ほとんどあらゆる教科と関連が深いのであるが,特に,この単元においては社会科・理科・農業科・工業科・家庭科との関連が密接である。

 7.評 価

 第5 参 考 書

    書   名             著    者     発 行 所

   商品学               石 井  頼 三   春  秋  社

   輸出入品の知識           中 村    耀   ダイヤモンド社

   高等商品学             河 合  諄太郎   三  省  堂

   商品の科学             白 崎  享 一   国  勢  社

   ダイヤモンド産業叢書        諸      氏   ダイヤモンド社

   経済地理通論            佐 藤    弘   同  文  館
 
                     国 松  久 彌  

   日本国勢図会            白 崎  享 一   国  勢  社