ま え が き | ||
総 目 標 | ||
単元1 家庭の収入 | ||
単元2 家庭の支出と予算 | ||
一般家庭 | 単元3 買い物をじょうずにし,物価騰貴をおさえるには | |
単元4 じょうずな消費 | ||
単元5 収入の余った場合,不足した場合 | ||
単元6 家計簿記のくふうと記入 | ||
選 択 | ||
単元7 家庭の経済準備(貯蓄および保険) |
ま え が き
これまでの家庭科では,その学習を指導するに当って,とかく家庭管理や家庭経済の部面を,その他の部面ほどに重要視せず,またその内容の取り扱いが必ずしも実際的でなかったうらみがある。
新しい日本をつくるためには,今までよりもっとよい家庭生活を建設しなければならない。しかるに一般家庭の主婦は,ただただ家庭内の毎日の仕事に追いまわされ,また一般家庭の生活は,食物費に収入の七割前後を奪われ,生活の充実向上はおろか,その安定さえもおびやかされているありさまである。
ここに取りあげたものは,新しい日本を建設するために,現在の日本の家庭が,解決を求められている時間と労力および物と金の能率問題である。これらの課程を学習することによって,生徒を通してその家庭生活を刷新することができるであろうし,またそれを切望するものである。
これまでは主婦が朝早くから夜おそくまで,ただただ家庭の仕事に忙殺され,また家庭生活に没頭することをもって,日本女性の一大美点であるかのようにみずから考え,また他からもそうされて来たのであるが,今後の日本における主婦の生活は,もっと広い視野から見直されなければならない。すなわち家務に忙殺されるのではなくて,時間と労力および物と金との余裕を生み出し,家庭生活を楽しむとともに,読書や研究によって教養を高め,あるいは近隣・友人・親類とのよい間がらをつくって,ともに向上し,あるいは職業,社会事業に従い,かくして社会の一員としての責任をも,十分に果たすべきである。
家庭経済を安定向上させるには,適当な収入を得ることが,もとよりたいせつであるけれども,その支出および物の消費を正しくじょうずにすることも,またこれに劣らず肝要である。その上そのことは,健全な産業を栄えさせ,物価を安定させて,住みよい日本をつくるためにも,必要欠くことのできない条件である。
指導方法として,この部面は実習が少ないので,指導材料を十分豊富に持っていなければ,その目的を達成することが困難であろう。
ここにあげた事がらは,たとえばせんたく,そうじ,台所のあと片づけなど,家務一般にわたっての標準を示したものである。生徒がこれを家庭で実際におこなった結果に,努力のかいを見いだすことができたならば,よい実習だということができるであろう。また考えようによっては,学校内でも実習ができる。すなわちたとえば家庭科としての設備が不十分であっても,生徒の手によって学校の諸設備を整理したり,備品の購入年月・価格・使用年限などの記録をつくったり,これらを修繕することなどは適切な,実習とみなすことができる。
指導の一手段として,たとえば二組か三組をいっしょにして,専門家を招き,一,二時間を使って,台所道具の取り扱い,修繕などについて実習したり時間をじょうずに使う能力を養うために,あるいは社会事業に活躍している婦人を招いて,どうしてその時間を生み出すことができるかを聞き,あるいは図書館の司書を招いて,生み出した時間でどんな本を読んだらよいか,その指導を受け,あるいはその地方で模範とされる主婦を招いて,家庭外にどんな奉仕をしているか,またどんな社会施設を利用しているかを,話してもらうことも大いに価値のあるものである。
総 目 標
1.正しい生活基準をまもり,家庭経済の安定と向上とをはかって行くために,必要な知識と能力とを身につけること。
2.経済生活を良心的に営む信念と態度とを持つようになること。
3.経済社会を繁栄させて物価を安定にし,また社会の幸福を増すことに,消費者の立場から寄与する精神と実践的態度とを養うこと。
単元1 家庭の収入
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1 正しい生活
基準をまも り,また,家 庭経済の安定 と向上とをは かって行くた めに,まず家 庭には収入, ことに所得の 必要なこと, および収入の 種類について 理解を深くす ること
2 所得の源泉
3 正しい手段
4 収入の側か
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1 家族の生活に必要な収入,ことに所得
(2) 収入のおもな種類 イ.経常収入,すなわち所得と,臨時収入との区別——
ロ.実収入と,実収入外の収入との区別——家庭は実収
2 家族の生活をささえるためにことにたいせつな所得は,
3 勤労所得のおもなもの,財産所得のおもなもの——それ
4 家庭の収入が,余裕があり,安定でなければ,よい家庭
収入の余裕と安定とを増すには, (1) 他の家族の者も働いて所得を得る (2) 本職業のかたわら,副職業をも持つ (3) 財産をいろいろの種類や場所に分散する
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1 問題または討議
(1) よい家庭生活とは,どんな生活か。 (2) 収入を継続して得ることができなかったならば,家族の暮
(3) これまでに収入を得たことのある経験について,その目的・
(4) 臨時収入や実収入外の収入で,毎日の生活をささえて行っ
(5) 所得によって家族の生活をささえるのがなぜ健全であるか。 2 調査 (1) 級の共同作業によって,級または学校全体の生徒について,
イ.職業および収入の種類,その調査,家庭数に対する割合 ロ.臨時収入の種類 ハ.勤労所得は家族のだれが得るか 3 問題または討議 (1) 憲法は職業選択の自由をなぜ認めているか。また,私有財 (2) どういう理由から,肉体的労働にも,精神的労働に対する (3) 財産が,家族の勤倹力行によってできた例を話し合う。 (4) また財産が,社会の恩感によってできるものである理由を 4 調査 (1) 生徒について,その家庭の財産の種類を調べ,更にこれを,
5 問題または討議 (1) 日本の経済を破壊から再建に向かわせるには,勤労所得を
(2) その所得高は,一般に何によって定まるか(イ)賃銀・給料,
(3) 地代,ことに大都市の地代は,社会の進歩につれて,あが
(4) 利子だけで暮らしている家庭では,その生活に対する考え
(5) 利率低落の傾向は,なぜ経済社会の健全な発達を助けるこ
(1) 勤労に危険分散主義を応用して,その所得を安定させるこ
(2) 財産に危険分散主義を応用する方法を,具体的に考える。 (3) 銀行預金に危険分散主義を応用してあったために,利益の
(4) 株券の所有に危険分散主義を応用するには,どうすればよ
(5) どんな家事の手伝い,または手づくりをして,間接に収入
(6) どんな手伝い,または手づくりをして,間接に家庭の収入
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家族経済学
総論・収入論・ 支出論 (松平友子) 東洋経済新報
新聞 |
単元2 家庭の支出と予算
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1 家庭の支出
の内容・種類 などに対する 理解を深め, 予算をつくり 家計簿記を記 入する素地と すること
2 所得の高と
3 文化費ひい
4 正しい生活
5 正しい生活
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1 生活のための支出
(1) 時間上の区別——現在の生活のための支出と,将来の
(2) 対象上もしくは目的上の区別——生活必要費(食物費・
(3) 性質上の区別——費と臨時費 (4) 純財産高に及ぼす結果上の区別——実支出と実支出外
2 所得の高と生活費の割合どの開係およびそれらの生活費
(1) 所得の高と食物費の割合,および食物費の役割 (2) 所得の高と被服費の割合,および被服費の役割 (3) 所得の高と住居費の剤合,および住居費の役割 (4) 所得の高と光熱費の割合,および光熱費の役割 (5) 所得の高と文化費の割合,および文化費の役割
3 家庭の文化費を多くするくふう (1) 生活必要費をじょうずに使って,少ない費用でその効
(2) 社会施設を利用する。
4 収入の剰余をつくって,所得の少ない家庭のために,間
5 正しい生活基準のめやす (1) 明かるくて不安のない生活は,負債があっては望めない
(2) 生活の安定向上には将来の備えが必要なこと——正し
6 正しい生活基準をまもる最も有効な手段は,予算生活を
7 支出の予算をつくるには (1) 民主的手段によって,家族間に理解と協力とを得る (2) 家庭の収入の種類や金額を明らかに知る。 (3) 経常収入からは,経常費だけでなく,その必要な金額
(4) 臨時収入は,非常の場合および特別の目的(旅行をす
(5) 支出科目間のつりあいを適当にとる。——家計調査や
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1 表をつくること,観察すること。
(1) 級の共同作業によって内閣統計局家計調査をもととして表
イ.収入別一箇月一世帯平均総支出内訳を調べて,総支出を
ロ.収入別一箇月一世帯平均実支出内訳を調べて,実支出を
2 問題または討議 (1) どんな物に支出すれば,それを食物費とするか。家族の生
(2) 同じく,被服費以下についてどうか。 3 表をつくること,観察すること。 (1) 上の表によって イ.最も割合の多いもの,その次に多いものは何費か,何%
ロ.収入の多少によってその割合が,特に目だって増減する
ハ.同一収入階段では,給料生活者と労働者との間に,生活
(2) 級の共同作業によって,各自家庭の支出内訳を材料として
4 問題または討議 (1) 生活費中,一般に食物費の割合が最も多く,しかも所得の
(2) 家庭の文化費を間接に補う社会施設に,どんなものがある
5 討議 (1) どこの家庭も,それぞれに相当の文化費を持つことのでき
6 問題 (1) 家庭の支出が,その収入につりあうようにするには,どう
(2) 不時の出費があっても,つねに収支のつりあいを保つこと
(3) 将来の備えをつくるには,平素の生活基準をどうすればよ
7 問題または討議 (1) 予算を立ててこづかいを使った場合と,立てないで使った
(2) どうすれば予算に対する家族の理解と協力とが得られるか。
(3) 租税や保険料の支払に備えて予算をつくるには,どうする
(4) 冬の光熱費の増加に備えて予算をつくるには,どうするか。 (5) 臨時費の予算をとる必要がないのに,臨時収入がある場合
8 話を聞く 経験の豊かな主婦を招いて,予算生活の実際について話を聞く。 9 実演 予算をつくるための,家族会議を劇にするのもよい。 10 実習 (1) 自分のこづかいについて,予算を立てる。 (2) 共同作業によって,牧入の大・中・小のそれぞれにつき,
(3) 最少限度に必要な家具の種類とその費用,またそれがあれ
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家族経済学提要 総論・収入論・
支出論
家事会計論・経済準備論
内閣統計局家計調査報告 生計費論
最低生活費の研究
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単元3 買い物をじょうずにし,物価騰貴をおさえるには
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1 自分や家族
の買い物をじ ょうずにする 関心と能力と を養うこと
2 物価に対す
3 価格および
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1 買い物をじょうずにする一般的注意——物は買い入れ方
によって高くつく。 (1) 平素から望ましい態度を持つこと。 イ.用途の同じ品物をいろいろと比較研究しておく。 ロ.買う店の信用・特長などに注意をはらっている。 ハ.団体購入や消費組合(生活協同組合)の利用につい
ニ.好機をのがさず買いおく方がよい物,その都度必要
ホ.被服類・家具類などについては,あらかじめ買い物
(2) 買い入れに際して必要な注意 イ.ぜひ必要な物か,収入にふさわしい物かどうか。 ロ.品質をよく調べ,レッテルに注意する。 ハ.価格が公正であるか,数量が正確であるか。 ニ.他の店の物と比較する。 ホ.持ち帰ることのできる買い物は,配達させないで,
2 物価の上がり下がりするわけと,それを望ましい状態に
(1) 物はまた,その時の物価が高ければ,買い物が高くつ
(2) 物価は一面,個々の物の需要と供給との関係で,変動
(3) 物価は他面,貨幣の需要と供給との関係,ことにその
(4) 日本における最近の物価変動の状態 (5) 消費者側から物価騰貴をおさえる方法 イ.通貨を縮少させ,また産業資金を豊かにするために,
ロ.不合理な需要をおさえ,また健全な産業を栄えさせ
ハ.配給組織を合理化し,価格や配給の統制を,支持し
3 生活必需品の価格および配給の統制と,消費者の支持協
(1) 生活必需品の価格および配給統制の実情と,その理由 (2) これに対して消費者が理解し,支持協力する方法をく
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1 問題と討議
(1) たとえば100円で買える副食物の種類,数量を調べ,その
(2) 調理実習の買い物当番が買って来た品物について,その
(3) じょうずな買い物,へたな買い物の経験を話し合う。 (4) まとめて買う方がよい物,およびそのよい時期と,その都度
(5) 適当な機会にまとめて買うことのできる用意はどうするか。 (6) 規格品または既製品を買うことの可否を話し合う。 (7) 現金買い,掛け買い,月賦買いの可否を論ずる。 (8) どんな店から買うのがよいか。 (9) 個人商店,消費組合,団体購入の優劣を話し合う。 (10) 消費組合に加入している家庭の者は,その組織や実状を話
2 調査 レッテルまたは広告を集め,商品の種類,用途,製造所など
3 練習 食料・衣料・身のまわり品・食器・家具・学用品などを持ち
4 実演 考えなしで買い物をする客と,注意深く,じょうずに買い物を
5 問題または討議 (1) 増産されて供給が増せば物価はどうなるか。また一般家庭が
(2) 一般に生活程度を高めれば,需要は増して物便は高くなる
(3) 政府の財政がつりあいを得ないで,赤字公債を出す結果,
(4) 貨幣の価格が暴落すれば,物価はどう変わるか。またその
(5) 通貨を縮少させるには,一般家庭ではどうすればよいか。 (6) 生産を増すに必要な産業資金を多くするには,家庭でどう
(7) 社会の限られた生産力が正しく使われて,健全な産業が栄
(8) 粗悪,不正もしくは偽造商品の実例,およびその製造・販
(9) 新聞・雑誌などの広告を批判する 6 調査 (1) 日本銀行調査の物価指数と,日本銀行券発行高とを調べて,
(2) 商品を限定し,それについて,その地方における価格の動
(3) 一定の商品について,その配給径路と各段階の価格とを調
7 見学 一般商店・配給所・消費組合・小売り市場・卸売り市場など。 8 問題または討議 (1) 登録制や通帳または切符制によって,現に配給されている
(2) やみ市について論ずる (3) 優良品や模範優良店を,推奨する実行方法を話し合う (4) 値下げ運動や,不正商人への不買同盟について話し合う 9 練習 (1) 配給調味料の消費計画をつくる (2) 衣料切符の点数の消費計画をつくる |
家族経済単提要 総論・収入論・
支出論 (松平友子)
日本経済の生態 (波多野鼎)
東洋経済 新報のような経済雑誌
新聞
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単元4 じょうずな消費
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1 物の価値を
知り,浪費や ぜいたくの害 悪を悟って, これをたいせ つに使う精神 を養うこと
2 自分の持ち
3 廃物や未利
4 科学的で簡
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1 生活の豊かさと消費のしかた——予算額を最大限度に生
かして,充実した生活をするには,買い物のしかたのほか に,更に消費のしかたが大いに関係すること。 2 物をたいせつにしなければならない理由と,浪費やぜい
(1) 物をたいせつにしなければならない理由 (2) 浪費やぜいたくの害悪 (3) 浪費やぜいたくに陥っていないかを,日常生活につい
3 消費をじょうずにするくふう (1) 学用品について (2) 食物について (3) 被服について (4) 住居について (5) 光熱について (6) 教化・娯楽・交際などについて——せっかく文化費
4 破損品や廃物,未利用物を利用するくふうと実行
5 日本経済の再建と家庭の消費 (1) 国内消費量の約80〜90%は,家庭で消費するといわ
(2) 日本経済を再建して,一般家庭が明かるくて平和な文
(3) 上のことは,どれも家庭における消費の節約ないし物
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1 問題または討議
(1) 日常生活にどんなにいろいろの物が必要か。試みに,けさ
(2) それらの費用を概算する。またその費用はどうして得られ
(3) 自分で物をつくった時の骨折りを語る。また,買った物を
(4) 農業・漁業などの例から,生産には天地の恩恵もあること
(5) 産業を盛んにし,教育・科学・芸術・宗教などの普及発達
(6) 貧しい家庭の多いこと,自分の家でも,もっとほしい物が
(7) ぜいたくをしたり浪費をすれば,家庭の生活はどうなるか。
(8) 物価が高くなれば,輸出貿易はどういう影響を受けるであ
(9) 生活程度が一般に低くなれば,国民の休位や教養ひいては
(10) 自分および自分の家で,ぜいたくなことや,むだをしては
2 見学 食料品・衣料・身のまわり品・学用品・家具・薬品その他家
3 問題または討議 (1) 短くなった鉛筆,小さくなった消しゴム,その他学用品の
(2) 家族の食習慣は,食物を浪費することがあるから,反省する。 (3) 共同献立・共同炊事の利用の可否および利用法を話し合う。 (4) 被服・家具・食器などについて,一つ物を幾通りにも使う
(5) どんな住居の手入れを自分でするか,またできるか。 (6) 節電・節炭の重要性とその方法とを話し合う。 (7) 太陽熱・魔法びん・火無しこんろの利用の実例を話し合う。 (8) 読み物,娯楽などの選び方とその方法を話し合う。 (9) 社会施設の利用や近隣の家庭などと協力して,物や施設を
4 練習または作業 (1) 食物の消費について,次のような練習をする。 イ.できるだけ少ない費用で,保健に適する献立をつくる。 ロ.比較的短い時間で,しかも手軽な方法で,栄養があり,
ハ.残り物やくず物を出さない調理法の研究と練習をする ニ.各家庭が,虫やねずみの害,腐敗などによって受ける食
(2) 一定の上着をとり,これと調和するその他の被服を選定す
(3) 自分のへやまたは戸だな,押入れ,台所などを立体的に利
(4) 家庭菜園の栽培計画表をつくる。そして上の図とともに展
(5) たとえば,はだ着,くつ下など,すべて物をなが持ちさせ
5 展示 (1) 自分で破損を修理した家具 (2) 死蔵品・廃物・未利用物を更生,利用した作品 6 問題または討議 (1) 被服の数を少なくして,しかも容儀を整え,不衛生になら
(2) 交際費,結婚のひろう,出産祝いなどにつき,科学的で簡
7 見学 広い家,狭い家,文化的設備の整っている家庭,簡素ではあ
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家族経済学提要
総論・収入論・ 支出論 (松平友子)
新聞・雑誌の記事 |
単元5 収入の余った場合,不足した場合
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1 予算実行の
結果を決算す ることの必要 を理解し,そ の方法を知る こと
2 決算して確
3 決算して確
4 家庭経済に
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1 決算の必要とその方法
(1) 買い物や消費のしかたがじょうすであったかどうか,
(2) 収支の科目別に,予算と対照させて勘定書きをつく
2 決算の結果,収入の剰余があった場合 (1) 収支のつりあいを得て,収入の剰余を産み出すことに
(2) 従って,剰余の適当な処置として,次の方法が一般的
イ.何かの意味で,負債となるものがある家庭では,
ロ.次には,非常準備金やその他の目的のためにたくわ
ハ.生活の向上と社会への経済奉仕に使う。 3 収入に不足を生じた場合 (1) 収入の不足を生ずる原因 (2) 不足に対する当面の処置——次の三段ある。 イ.預金引出金・保険金などの非常準備費でしまつする。 ロ.それでも不足するときは,所得を生じないか,また
ハ.万やむをえない場合に,負債を借り入れる。 (3) 不足に対する根本の処置——経常的に生ずる収入不足
4 家庭経済と負債 (1) 家庭経済における負債は,独立心を妨げ,卑屈で暗い
(2) 負債を借り入れる先 イ.親類・友人などから借り入れる時は,とかく将来に
ロ.銀行・保険会社・郵便局・信託会社・恩給金庫・庶
(3) 負債を返す方法——前記の根本的処置をすみやかに
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1 問題または討議
(1) 予算をつくり,実行しても,いっこうに決算をしなかった
(2) 決算の結果,収支の関係がどんな状態であることが明らか
(3) 決算をするには,収入や支出を科目別にした金額が,はっ
(1) 家庭の生活基準をしだいに高めて行くには次のような場合,
イ.やお屋に青物代150円,家主に先月分の家賃300円の借り
ロ.家主に滞り借金がまだ100円残っていて,本月分の収入
ハ.どこの払いも滞っていなくて,またどこからも借りがな
ニ.将来の備えができる見通しがだいたいついていて,余っ
ホ.家庭は社会に対して,どんな経済奉仕ができるか。また
(1) 家庭はどんな原因から,収入の不足を生ずるであろうか。 (イ)収入の側から生ずる原因,(ロ)支出の側から生ずる原因,(ハ)
(2) 収入不足に対する当面の策として,どんな方法があろうか。
(3) 経常的に生ずる収入不足を,根本的に生じないようにする
(4) 生活基準を立てなおす一つの手段として,住居を家賃の安
(1) 家庭の負債には,どんなものがあるか。その利害はどうか。 (2) 家庭の負債はどんなところから借り入れることができるか。 (3) 親類・友人などから借りることは,避けた方がよいといわ
(4) 親類や友人などから負債を申し込まれた場合にどうするか。 (5) 負債を返す方法は,どうするか 2 見学 質屋・庶民金庫・恩給金庫の業務(銀行・信託会社・保険会
3 調査 (1) 銀行・簡易生命保険・保険会社・信託会社などの貸付の条件 (2) 質屋・庶民金庫・恩給金庫について |
家族経済学提要家事会計論,
経済準備論 (松平友子)
二宮翁夜話
福翁自伝
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単元6 家計簿記のくふうと記入
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1 家計簿記の
記入が予算生 活の第一歩で あることを理 解し,帳簿を くふうする能 力を養うこと
2 家計簿記を
3 家計簿記の
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1 家計簿記と予算生活——数字のないところに,計画は立
たない。予算を立て,これと照らし合わせながら,実際に 収支し,会計期未に反省を行い,正しい生活基準をまもり ながら,生活の安定向上を期待するには,必ず家計簿記を 正しく記入しなければならないこと。 2 家計簿記に記入する材料——簿記学上の取引 3 使用帳簿の組織のくふう
4 使用帳簿の任務および記入法
5 家計簿記における決算の手続および方法——帳簿の締め
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1 問題または討議
(1) こづかい帳を記入しているか。それによって,どんな便益
(2) 各自の家庭では,金銭出納の責任をだれが担当しているか。
(3) 家計簿記は,どんなことを材料として記入するものであろ
(4) 市販および家庭で記入の家計簿記を持ち寄り,その組織や
2 作業または練習 (1) 級の共同作業によって,その地方における中等程度の給料
(2) きめた使用帳簿のけい線を引き,各帳簿をつくって,その
(3) 上の仮設例題を,どの帳簿のどの欄に記入すべきかを見わ
(4) つくった帳簿に,上の仮設例題を記入する。なお,その所
(1) 家計簿記の決算を練習する。——使用帳簿を締め切り,表
(2) 記入および決算に要した時間数の,それぞれの級の平均を
(3) 練習して得た経験から,各自,家計簿記の組織および形式
(4) その結果を級でいっせいに練習したものと比較して調べる。 イ.その答は一致しているか ロ.所要時間はどうか
3 討議 家計簿記の練習をして得た感想,および今後,各自家庭の簿
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種々の家計簿記の帳簿
家事経済新講 家族経済学提要 家計簿記論
標準家計簿記教科書
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単元7 家庭の経済準備(貯蓄および保険)
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1 生活の安定
向上に備える ことの必要, ならびにその 手段としての 貯蓄および保 険の機能を理 解し,その励 行に努める意 欲を強めるこ と
2 貯蓄および
3 家庭経済上
4 家庭経済上
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1 生活の安定向上と将来への経済準備
(1) 生活の安定向上を妨げる種々の事がら (2) これらの事故に対する手段 イ.極力事故を予防すること。 ロ.起った事故を,早くとりしずめること。 ハ.事故による損害を救うための経済準備をすること。
2 貯蓄の機能 (1) 家庭経済上の機能 (2) 経済社会上の機能 3 保険の機能 (1) 家庭経済上の機能 (2) 経済社会上の機能
4 家庭経済上に適当な貯蓄の種類とその概要 (1) 預貯金——郵便貯金・銀行預金など (2) 有価証券——公債証券・債券・株券 (3) 信託——指定金銭信託・生命保険信託など
5 家庭経済上に適当な保険の種類とその概要 (1) 生命保険——終身保険・生存保険・養老保険・年金保
(2) 社会保険——簡易生命保険・郵便年金・健康保険・厚
(3) 火災保険——動産保険・不動産保険など。 6 貯蓄および保険の長短と,その利用法 |
1 問題または討議
(1) 各自はどんな目的から貯蓄しているか。またどんな場合に
(2) 家庭の収入は,どんな事故のために不安定となるか。 (3) 家庭の支出は,どんな事故のために,臨時に多くいること
(4) 生活不安を起すこれらの事故に対して,どんな方法をとる
イ.事故の起るのを予防する手段として ロ.起った事故の拡大を,極力早くとりしずめる手段として ハ.事故による損害を,救うための経済準備として (1) 貯蓄の形式には,死蔵と投資との二種がある。家庭経済の
(2) 経済社会の立場から,同じく死蔵と投資とに区別して,貯
(3) 収入のあった時すぐたくわえる場合と,そうでない場合,
(4) 産業資金を供給し,物価を安定にするには,結局どんな条
(5) 家庭の経済準備としては,貯蓄するほかに,いろいろの保険
(6) 保険会社は,保険料でつくった一種の団体基金を,安心し
2 調査および作表 できれば,諸国における貯蓄および保険利用の統計を調べ,
3 問題または討議 (1) 普通預金や定期預金や当座預金を,実際に預け入れ,又引き
(2) どの種類の預貯金をするのが適当か(イ)さしあたり入用
(3) 私どもの貯蓄で国債を消化することが,物価を安定にし,
(4) 有価証券の相場の変動が,株券にことに激しいのはなぜか。 (5) 株券の相場の変動から生ずる利益を目的として,株券を
(6) 有価証券への投資について必要な注意事項を話し合う。 (7) 生命保険信託が,なぜいっそう十分に遺族保護の目的に適
4 調査および作表 (1) 共同作業によって,級の家庭でしている貯蓄の種類,その
(2) 郵便局・信用組合・銀行・証券会社などの営業案内や,新
イ.預貯金について——(イ)郵便貯金,その他の貯金(貯蓄
ロ.有価証券について——(イ)その種類,内容のだいたい,
(3) 営業案内や新聞,雑誌の広告などにより,信託会社の業務の
(4) 指定金銭信託について,次の事がらを調べる。 (イ)内容のだいたい (ロ)銀行預金との異同 (ハ)どんな目
5 見学 郵便局・信用組合・銀行・信託会社・有価証券取引所などの業務。 6 問題または討議 (1) 社会保険の制度は,今後ますますその普及と充実とが望ま
(2) 火災保険の保険料はいくらぐらいか。実例を話し合い,
(3) 保険料の払込方法も話し合う。 (4) 火災保険金額は,被保険物の時価を越えて契約しても,
(5) 貯蓄と保険とを比較して,その異同を話し合う。 イ.経済上の必要を生じた場合に,これを満たすことのでき
ロ.ある種の事故に備える目的で蓄積した場合,他の種の事
ハ.蓄積を続けなかった場合にこれまでの蓄積はどうなるか。 (6) 次の費用に対して備えるには,貯蓄と保険と,いすれが適
(イ)子女の教育費 (ロ)結婚費 (ハ)火災による復旧費 (ニ)
(7) 貯蓄と保険と,それぞれの長所を利用して,生活の安定向上
7 調査および作表 (1) 共同作業によって,級の家庭でかけている保険の種類,そ
(2) 郵便局・保険会社などから営業案内の類や,社会保険に関
イ.生命保険について——(イ)終身保険・生存保険・養老保険・
ロ.社会保険について (イ)簡易生命保険の種類 加入年齢,
ハ.火災保険について——(イ)動産保険と不動産保険との
(ロ)どんな場合に利用するか (ハ)契約の手続 ニ.その他,一般家庭の利用に適当な保険の種類と概要 8 展示 集めた営業案内・切り抜きの類,つくった表,貯蓄および保
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家族経済学提要 家事会計論
経済準備論
新聞,経済雑誌 統計 各種信用機関の営業案内 |
家庭経済の全般にわたる学習活動として
1 P.T.A.の集会に書籍・パンフレット・ポスターなど
を展示するのもよい。 2 学報に論説を書くのもよい。 |
3 家庭寮で総合的に実習するのもよい。
4 新聞や雑誌の記事を切り抜き,または書き抜き,これを類別
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