一 被服(第十年級)
(二) 婦人の被服生活につき経済的計画能力を養う。
(三) 婦人服の裁縫技術の能力を養う。
(2) 婦人の被服生活につき,その地方での被服資源・材料・形・着用・手入れ・保存・更生等について調査する。
(3) 退蔵衣類の利用法につき研究する。
(4) 参考資料について準備する。
婦人子供服精義 牛込 ちゑ 昭和4年 文 洋 社
洋裁全書婦人服編 主婦之友編集 昭和21年 主婦之友社
日本洋裁専門 成田 順 昭利21年 墨水書房
(6) 各部縫い方の標本を準備する。
(7) 教師は十分なる技術を練磨しておく。
(8) その他生徒の活動に対し,これを誘導する方法について研究する。
B 婦人の被服の種類と数量につき話し合う。
C 婦人の服装につき,雑誌・新聞・参考書等に書いてあることにつき調査・批判する。
D 和服の変遷について調べる。
E 婦人の生活と被服の形につき調査し話し合う。
F 和洋服の長所短所について討議する。
G 各自の一年間の被服の計画を立て,それを互にクラスで討議し批評し合う。
B 材料の活かし方について話し合う。
C 毛・絹・人絹・木綿の特質についての調査
D 被服が活動的,能率的であると同時に美的であることの必要について討議する。
B 仕立方についてくふうし教師と話し合う。
C 実習によりその技術を練習する。
D 仕立品について報告書を作成する。
E 執告書について話し合う。
(二) 婦人服の裁縫に関する知識の習得の程度については図解法等によって考査する。
(三) 作品を使用してみて,その適否を調べ,記述尺度法により考査し,その技術については品等法により考査する。
(二) ゆで物の温度とゆでる目的の正しい理解
(三) あえ物の栄養価値の批判と特に衛生的な取り扱い
(四) 日常食としてこれらの方法の栄養的価値の明らかな認識
(2) 地方におけるみそ及びしょうゆの製法や品質等の調査
(3) みそ・しょうゆの種類及びその成分の調査
(4) できればみそ及び塩の見本の準備
(5) みそ・しょうゆ・塩の各単一の,又は各種混合のいろいろの混合割合をもって作ったしるの準備
(6) だしのとり方の研究,材料の準備
(7) ゆで物に必要な器具・燃料に対する調査と準備
B 生徒がしるを作った時の経験についての話し合い
C みそ・しょうゆの成分の研究(表の作成)
D 一箇月における実際使用量より,一日一人当たりの食塩消費量の計算(実習,報告書の作成,討議)
E 口に合う塩加減のしるを作って,その塩の含量の算出(実習・比較)
F しるの塩味の基準となるべきものを実験し,みそ・しょうゆを使用する場合の使用量算出
G だしのいろいろなとり方を実習し,塩・みそ・しょうゆとの関係の研究
H しるの中に入れるみによって味の変わることの調査(実習)
I みそ・しょうゆ・塩等のしるにおいて同じ塩味の場合それらの価格の市価による計算
(二) 実習については品等法・記述尺度法等によって考査する。
(二) 献立を作る場合,基準量を定めることはどんな利益があるかの理解
(三) 計量器や代用計量器を用いることの必要の会得と代用計量器のくふう
(四) 献立作成の場合,なぜ時間を考慮しなければならないかの理解
(五) 栄養献立の値段を知り,食物の予算と全体の予算の関係を学ぶ。
(六) 実際の献立を立て,それが調理できる能力
(2) 郷土においては,基準量を定めるにどんな方法を用いているか調査する。
(3) 基準量と体積とを,各種の主食について調べ,又,混合使用の場合も考えて調査しておく。
(4) 副食物の材料中おもなもの,例えば,大根・にんじん・ごぼう・いも・ねぎ等のようなものの一人分の材料を目測練習するためこれらを準備する。
(5) 献立実施の際,手順を研究してそれに要する時間を調査しておく。
(6) 調理の方法による廃棄量の相違を調査し,その値段の関係を調べる。
(7) だいたいの家計費の標準を調べておく。
B 外国人の基準量についての調査
C 主食一人分の基準量のできあがりの量についての話し合い
D いろいろの主食について,一人分の基準量の会得(実習,参考書の利用,討議)
E 基準量を定めることは,調理の場合どんな利益があるか(実習・観察,報告書の作成,討議)
F 計量器についての話し合い
G いろいろの代用計量器の研究(製作・実習・討議)
(二) 代用計量器のくふうについては,品等法によって考査する。
(三) 献立に時間を考慮することの考査は,記述尺度法・再生法等による。
(二) 病人の心理を理解し,これを扱うにはどうすればよいかの会得
(三) 主治医の指示は忠実に実行しなければならないことの理解
(四) 看護人が交代する際の心得の会得
(2) 病気の流行,災害の突発等に注意するよう,新聞の切り抜き等の用意
(3) 地方の衛生事情の調査
(4) 地方の防疫施設の調査
(5) 地方の死亡率及び死亡原因の統計調査
(6) 診療所・看護婦養成所等があったら,それらとの連絡
(2) 看護の経験について話し合う
(3) 看護の苦心について,他人に聞いたことがあれば話し合う。
(4) 看護の意味について,参考書によって研究したことに基づいて話し合う。
(5) 看護に必要な心得について,参考書によって理解し,討議してなお疑問があれば教師に質問する。
(6) 病状の変化ということについて研究し話し合う。
(7) 看護の心得について論文を書く。
(8) 論文に基づき,報告会を開いて討議する。
(9) 看護の心得を体得するため,病院などにおいて実際に練習する。
(二) 論文について,記述尺度法により考査する。
(三) 看護実習の態度について,記述尺度法・比較法等によって考査する。
(二) 「成熟」への発達の希望
(三) いかに個性の特徴が発達して行くかの理解
(四) 願わしい社会関係へ加入の理解
(五) 願わしい社会関係への加入並びにその認識
(2) 成人であるとの責任の問題の研究
教室又は,集合場に「成熟」の意味を描写した風刺画などを掲示する。
(2) 成熟した男女と児童との注意喚起の行い方の違いを列記する。良くつりあった家庭と将来の幸福との関係を論議する。家庭が「成熟」を助長する方法を示唆する。
(3) 有名人の顕著な個性を論議研究する。孤独・退屈・嫉妬・偏見・高慢の感情・態度を列記し,これが他人に及ぼす関係を論議する。
(4) 上級中学生と下級中学生の相違点を論議する。
(5) 余暇をいかに使いつつあるかを記録し,これを他の生徒のものと比較し,改善の計画を立てる。各生徒の趣味を公開し,又は趣味を植えつけるために社会人を招待し,趣味について話をしてもらう。趣味を持つことの利益を論議する。興味ある趣味を探す。
(6) 慰楽的,又は教育的余暇活動の観点から社会の観察,各家庭においてこれらを使用することの決定,社会活動選定の基礎となるべき事実の列記
(7) 無記名男女関係の質問書を級討議用として手交する。
(8) 帰宅時刻,金銭の取得,友人の選定・無視等,両親と青年男女の間の紛争の原因を論議する。家庭に関係ある問題の解決のために家族会議を開くことの利益を論議する。
帰宅時刻問題の解決に家族会議の実行による威力を示す。
(9) 世慣れるために実行すべき計画の選定(社会活動に接触するほど,男女関係は好転し,家庭関係は改善される)
単元4. 結婚の計画 1. 目 標
(二) 好伴侶を選ぶ能力
(三) 結婚の心構えをいかに準備すべきかの理解
(四) 結婚を前提とする相互責任の認識
(五) 結婚生活安定に対する経済計画の関係の認識
(六) 結婚に関係ある法律の重要性の認識
(七) 性及び性と健全なる家庭生活との関係の理解
(八) 家庭生活の調節に精神的指導の必要なわけの認識
(2) 性教育に関する講演者の選択
(3) 日本における古来より現代に至るまでの結婚形式の調査・研究,及び諸外国における結婚形式の調査・研究
(2) 幸福な結婚に対し,妻が保持しなければならない条件を父親の立場からどう思うかの調査表を作成する。この表と前記男生徒の思想と比較する。
(3) 結婚に必要な条件を調べ,これを自分の保特する条件と比較し,その欠陥を是正するように計画を立てる。
(4) 結婚決定前に二人以上の男子と交際することが望ましいことを論議する。
(5) 女子が自分の希望する男子と交際し,彼我の境遇や思想が近似しているか否かを決定するには,どうしたらよいかの方法を論議する。
(6) 各級生徒は幾組かの夫妻に相手の社会的,教育的,経済的背景を知ることの重要性を質問し,各答を比較してみる。
(7) 著しく不つりあいな夫妻の結婚生活の幸福について話し合う。
(8) 生徒は父と母といずれに似ているか,その似ている所を表に作り,相続性を調べる。結婚生活の幸福に重大関係を有する遺伝性について話し合う。
(9) 認識・感情・新経験・安全感・信念等,一般人生の必須事項の論議・研究,これら必須事項の満足に行われている実例の報告
(10) 婚約中の二人が結婚前に論議すべき事項表の作成,結婚失敗の理由調査
(11) 協力の基ともなり,紛争の種ともなる次のような家庭活動及び家庭機能を列記してこれを説明する。
B 日常生活における分担業務
C 交人の選択
D 近親者に対する責任
E 子女及び家庭建設に対する欲求度
第一年度の簡単な予算を立てる。
金銭取り扱いの紛争原因を列記する。
金銭取り扱いに対し男女いずれが責任を持つべきかにつき既婚者の夫妻に相談し,責任分担計画を提出させる。
家庭貯蓄に対して数案を作成する。
弁護士,又はその他の有資格者を教室に招いて結婚に関する法律の講議並びに生徒の質疑に応ずる(議題は事前に準備する)
(14) 健全な性に関係ある事項の論議
医師・看護婦又は資格ある人々の協力を得て,男女性解剖学を学び,これが幸福な結婚に貢献すべき素因を討議する。
(15) 「精神的」という言葉の意味を討議し,精神的訓練をいつはじめるべきかを示唆する。社会人を教室に招いて,家庭生活における精神的発展とその重要性について話し合う。
単元6.乳幼児の理解と保育 1. 目 標
(二) 乳幼児の保健のためには,衣食住においていかにあるべきかの会得
(三) 乳幼児の心身の発達を助長し促すものとして,おもちゃや遊ばせ方の重要さの理解
(四) 乳幼児のしつけは,やがて成人となり,その性格を形成するとともにその行動をも規制する基礎となるものであることの理解及び正しいしつけ方の会得
(2) 乳幼児の被服やおむつの布地・仕立・枚数等の調査
(3) 託児所・幼稚園・乳児院等があれば,これらとの連絡
(4) 乳幼児の年齢による語い(語彙)の増加の調査及び統計の作成
(5) 地方における乳幼児の遊びの調査
(6) 市販のおもちゃ及び地方におけるおもちゃの分類・調査
(7) 年齢によって運動の発達を表わした絵などあれば準備しておく。幼児のかいた絵など年齢別に収集できれば準備しておく。
乳幼児の基礎的躾け方 山下俊郎 昭和14年 新年堂
保健婦教本(小児編) 中央社会事業協会恩賜財団愛育会 昭和19年 刀江書院
B 各月による乳幼児の発達の平均を調べ,グラフの作成
B 地方における乳幼児の育て方の観察・調査
C 子守りの経験についての話し合い
D 子守りの仕方について,他人から聞いたことがあれば互に話し合う。
E 乳幼児の一日の生活についての話し合い
F 保育ということについて参考書によって研究し,その結果を話し合う。
保健婦教本 中央社会事業協会 昭和19年 刀江書院
(小児編) 恩賜財団愛育会
育児実習書 斎 藤 文 雄 昭和19年 株式会社右文館
小 林 彰
H 乳幼児の遊びの年齢別による調査
I 現在ある乳幼児のおもちゃの選び方・与え方の調査
J 乳幼児にはどんなことをしつけたらよいかを,実際に観察し,又,参考書によって研究し,その結果による討議
(3) じょうぶな育て方
B 乳幼児の食物の研究
C 乳幼児に適当な運動,その他よい健康的習慣についての調査
D 食物の与え方,遊ばせ方・しつけ方等の実習
(二) 論文によって,記述尺度法を用いて考査する。
(三) 保育実習の技術的方面のことについては記述尺度法によって考査する。
(二) 家務処理の方法の会得
(三) 家務処理方法運営の会得
(2) 地方における年中行事を加味した家庭年中行事例の作成
(3) 地方において家事研究団体等のある場合には,これとの連絡
(4) 家務分担実例等の調査
(5) 家務計画の実例等の調査
(6) 整とんの実例調査
(7) よき家務計画の実例の収集
(2) 生徒の家庭における家務処理の観察・調査
(3) 生徒の母親などが,家務のためにどのくらいの時間を費やしているかの調査
(4) 地方における家務処理の実際調査,その方法及び時間について
(5) 家務の運営が悪いたあに,いかなる損があったか,又よい運営のために利益を得たかの調査・話し合い
(6) 生徒が実際に分担している家務についての話し合い
(7) 家務処理の方法の研究・討議
(8) 家務の分担表の作成
(9) 家務計画表の作成
(10) 行事表の作成
(11) 家務能率を挙げる家具・じゅう具の研究
(12) 生徒の家庭における上記の計画による家務処理の結果について報告書の作成
(13) 生徒の報告書に基づいての討議
(二) 家務処理の各項目については,作文法・記述尺度法・真偽法によって考査する。
(三) 作成した表については,品等法・記述尺度法によって考査する。
家 庭 編
(高等学校用)
昭和22年7月16日発 行 同日翻刻発行
昭和22年11月13日再版印刷 同日再版翻刻印刷
昭和22年11月17日再版発行 同日再版翻刻発行
(昭和22年11月17日 文部省検査済)
APPROVED BY MINISTRY 昭和23年度用
OF EDUCATION 定格3円50銭
(DATE Nov.13,1947)
東京都千代田区神田岩本町三番地
翻刻発行者
中等学校教科書株式会社
代表者 阿部眞之助
東京都中央区銀座西二丁目三番地
東京都千代田区神田岩本町三番地