第五章 単元指導細案例

 

一 被服(第十年級)

単元2. 婦人服 1. 目 標 (一) 活動的,能率的な婦人の服装について理解する。

(二) 婦人の被服生活につき経済的計画能力を養う。

(三) 婦人服の裁縫技術の能力を養う。

2. 指導の方法 (一) 教師の準備と活動
    (参 考 書)   (著  者)  (発行年月)   (発行所)

    婦人子供服精義   牛込 ちゑ    昭和4年    文 洋 社

    洋裁全書婦人服編  主婦之友編集   昭和21年    主婦之友社

    日本洋裁専門    成田   順   昭利21年    墨水書房

     (二) 生徒の活動
       3. 指導結果の考査       (一) 婦人服製作の基礎理論については,報告書により総合的に考査し,又,図解法・判定法等によって分析的に考査する。

      (二) 婦人服の裁縫に関する知識の習得の程度については図解法等によって考査する。

      (三) 作品を使用してみて,その適否を調べ,記述尺度法により考査し,その技術については品等法により考査する。

 

二 食物 第十年級 単元2. 調理技術の要点 その一 1. 目 標 (一) 塩・しょうゆ・みそのからみ,調味料としての効果,調理に際しての使用量を,塩化ナトリウムの含量を基礎として決定する習慣を養い広く応用できるようになる。

(二) ゆで物の温度とゆでる目的の正しい理解

(三) あえ物の栄養価値の批判と特に衛生的な取り扱い

(四) 日常食としてこれらの方法の栄養的価値の明らかな認識

2. 指導の方法 (一) 教師の準備と活動 (二) 生徒の活動 3. 指導結果の考査 (一) 理論的なことは報告書や生徒のノート・学習状態等により考査する。

(二) 実習については品等法・記述尺度法等によって考査する。

 

第十二年級 単元1. 家族の栄養を常に保つには 1. 目 標 (一) 日本人の基準量について知ること

(二) 献立を作る場合,基準量を定めることはどんな利益があるかの理解

(三) 計量器や代用計量器を用いることの必要の会得と代用計量器のくふう

(四) 献立作成の場合,なぜ時間を考慮しなければならないかの理解

(五) 栄養献立の値段を知り,食物の予算と全体の予算の関係を学ぶ。

(六) 実際の献立を立て,それが調理できる能力

2. 指導の方法 (一) 教師の準備と活動 (二) 生徒の活動 3. 指導結果の考査 (一) 基準量を定めることの利益の会得については,再生法等によって考査する。

(二) 代用計量器のくふうについては,品等法によって考査する。

(三) 献立に時間を考慮することの考査は,記述尺度法・再生法等による。

 

三 家庭衛生(第十年級) 単元2. 看護の心得(上手な家庭看護) 1. 目 標 (一) 病気の回復にとって看護がどんなに重要であるかということの理解

(二) 病人の心理を理解し,これを扱うにはどうすればよいかの会得

(三) 主治医の指示は忠実に実行しなければならないことの理解

(四) 看護人が交代する際の心得の会得

2. 指導の方法 (一) 教師の準備と活動 (二) 生徒の活動 3. 指導結果の考査 (一) 看護の心得について記録法により,その理解の程度を考査する。

(二) 論文について,記述尺度法により考査する。

(三) 看護実習の態度について,記述尺度法・比較法等によって考査する。

四 家族関係と子供(第十二年級) 単元2. 「成熟」の意味 1. 目 標 (一) 「成熟」の意味の認識

(二) 「成熟」への発達の希望

(三) いかに個性の特徴が発達して行くかの理解

(四) 願わしい社会関係へ加入の理解

(五) 願わしい社会関係への加入並びにその認識

2. 指導の方法 (一) 教師の準備と活動 (二) 生徒の活動  

単元4. 結婚の計画

1. 目 標 (一) 結婚成功型の人物でありたいこと

(二) 好伴侶を選ぶ能力

(三) 結婚の心構えをいかに準備すべきかの理解

(四) 結婚を前提とする相互責任の認識

(五) 結婚生活安定に対する経済計画の関係の認識

(六) 結婚に関係ある法律の重要性の認識

(七) 性及び性と健全なる家庭生活との関係の理解

(八) 家庭生活の調節に精神的指導の必要なわけの認識

2. 指導法 (一) 教師の準備と活動 (二) 生徒の活動  

単元6.乳幼児の理解と保育

1. 目 標 (一) 乳幼児の心身の発達や生理的特徴等もすべて保育の基調となるものであり,したがつて保育は育児において最も重要な位置を占めるものであることの理解

(二) 乳幼児の保健のためには,衣食住においていかにあるべきかの会得

(三) 乳幼児の心身の発達を助長し促すものとして,おもちゃや遊ばせ方の重要さの理解

(四) 乳幼児のしつけは,やがて成人となり,その性格を形成するとともにその行動をも規制する基礎となるものであることの理解及び正しいしつけ方の会得

2. 指導の方法 (一) 教師の準備と活動 (二) 生徒の活動
五 住居と家事経理(第十一年級) 単元4.能率的な家務処理 1. 目 標 (一) 家務処理の目的の理解

(二) 家務処理の方法の会得

(三) 家務処理方法運営の会得

2. 指導の方法 (一) 教師の準備と活動 (二) 生徒の活動 3. 指導結果の考査 (一) 家務処理の実施報告書に基づいて,記録法によって理解の程度を考査する。

(二) 家務処理の各項目については,作文法・記述尺度法・真偽法によって考査する。

(三) 作成した表については,品等法・記述尺度法によって考査する。

 

学習指導要領

家 庭 編

(高等学校用)

 

昭和22年7月12日印 刷 同日翻刻印刷

昭和22年7月16日発 行 同日翻刻発行

昭和22年11月13日再版印刷 同日再版翻刻印刷

昭和22年11月17日再版発行 同日再版翻刻発行

(昭和22年11月17日 文部省検査済)

APPROVED BY MINISTRY   昭和23年度用

    OF EDUCATION      定格3円50銭

 (DATE Nov.13,1947)