施設—いろいろなへや、台所、井戸、水道、ふろ場、物置等、主要な家具、それらの施設や家具の役割用途(物資の入手や保全、生命の保護、厚生慰安等にふれる)
菜園・家畜・家きん—それらの有用性
家庭の楽しい行事—交通機関を利用する行楽などにも触れる。
児童の一日の生活—起居寝食に必要な良習慣、家庭の慰安娯楽におよぶ。
2 家庭には児童たちの安全を保つために、いろいろな設備がしてあること。
3 注意したり整とんしたりすることによって家庭はもっと美しくなること。
4 たがいに親切をつくしあえば家庭生活はもっと楽しくなること。
5 家庭には慰安娯楽のいろいろな方法があること。
6 家庭の人たちは楽しい時間を作るためにおたがいに助けあうこと。
7 菜園の作物や家畜は人々によって世話をされ保護されていること。
学 校
学校の成員—職員・小使・上級生等、それらの人々が自分たちのためにつくしてくれる仕事
登校下校—交友、通学の道すじ、交通機関、交通の安全におよぶ。
学用品—文房具の生産・分配・消費・保全におよぶ。
学校行事—学校給食・遠足・学芸会・運動会等の日行事および年行事
2 学校には自分たちの健康で安全な生活ができるように、いろいろの施設がしてあること。
3 学校用品や給食の材料の生産や分配に、社会の多くの人々の力が働いていること。
4 いろいろな交通機関が自分たちに利便を与えていること。
5 学校には自分たちの生活を楽しくするためのいろいろな施設や行事があること。
6 自分たちが楽しい時間をすごすためには、きまりを守ったり、他人にめいわくをかけぬようにして、おたがいに仲よく協力しなければならないこと。
7 注意したり整とんしたりすることによって学校が美しくなり楽しくなること。
友だち
児童はこれによって家庭や学校から得る経験とはまた別な貴重な経験を得るのである。その点に着眼をおいて、子どもどうしのつきあいや遊びや協同学習を通じて、民主的社会の一員としての基本的な理解と態度とを養うことを目的とする。その内容としては
友だちとの交際—友だちの名まえのよびかた、訪問、誕生日その他の招待、病気や不幸の見まい、境遇の違う友達、心身に欠陥のある友だち、遠方の友だちとの通信、けんか
遊 び—遊びのきまり(ルール)、順番を待つこと、遊び道具の貸借、おもしろい遊び、危険な遊び、家人や近所に迷惑をかける遊び
おもちゃ—おもちゃの種類(危険なおもちゃ)、おもちゃの買いかた、作りかた、保存のしかた、おもちゃの貸借、おもちゃ屋の店、児童のしゅう集品
愛がん動物
協同学習—話しあい、協同作業、文房具の貸借
登校下校—道すじ、交通機関、交通の安全、道くさ、助けあい
友だちの家の人たち—友だちの家の成員、職業
2 友だちどうし楽しく生活するためにはいろいろな方法があること。
3 楽しい時間をすごすためには友だちどうし助けあわねばならないこと。
4 友だちどうし楽しく遊ぶためにはきまり(ルール)にしたがわなくてはならないこと。
5 楽しく遊ぶためには他人の権利を尊重しなければならないこと。
6 自分たちは両親のおかげをうけていること。
7 自分たちは世間の人々の世話になっていること。
8 社会には児童たちの安全を保つためにいろいろな設備がしてあること。
健康な生活
教室、通風—温度、清潔、姿勢(すわる姿勢、立つ姿勢、歩く姿勢)
児童一日の生活—起床・就寝・睡眠時間・活動と休息・食事(定時、間食)の時刻および分量、買食い、排せつ(規律・清潔)等に関する良習慣の確立、身体の清潔、家の清潔
衣服—衣服の材料、季節と衣服、衣服の保全(衣料の生産・分配につながる)衣服の清潔
安全な生活—家庭や学校の危険防止、交通の安全(通路歩行および交通機関利用に関して)
2 健康法を守れば健康な強い身体になれること。
3 家庭や学校や社会には児童たちの健康や安全を保つためにいろいろな施設がしてあること。
4 人間は食料や衣服を動物や植物から得ていること。
5 家庭でも学校でも自分たちの衣食住の心配をしていてくれること。
6 衣食住について社会の多くの人々に世話になっていること。
7 家庭でも学校でも季節季節にその用意をすること。
交際および協力—配給(物資の生産・運搬・通信につながる)、留守の依頼、手つだい、道具の貸借、慶弔慰問、生活改善、共同耕作、趣味娯楽等
利便の共用—井戸や用水、共同ぶろ(公衆衛生、大掃除につながる)等
子どもと近所のおとな—応待のしかた、お使いの口上、お手つだい等
公共施設—役場・学校・警察・消防署・公会堂・図書館・郵便局・公園・神社・仏閣・教会・農業会等・およびその利用のしかた
公共のために働いている人々—医師・警官・消防夫・夜警・郵便集配人等
子供の近所での遊び—遊び場所(危険な遊び場所—交通につながる)、遊びかた
2 近所の人々は忙しいときに力を貸しあっていること。
3 近所の人々は利便を共同にしていること。
4 近所の人々は保健衛生に協力していること。
5 各人が保健衛生の良習を守れば公衆衛生は改善されること。
6 近所の人たちは生活の改善に協力していること。
7 近所の人々は祝いごとや娯楽をともにしていること。
8 われわれの生活に必要な物資の生産・分配には多くの人々の力が働いていること。
9 医師・警官・消防夫・郵便集配人等は社会の福利のためによく働いていること。
10 社会には人々の福利のために設けられた公共施設があること。
農 家
農家の作物や動物—附近の農家の作物の種類、家畜の種類とその有用性、養蚕、作物の病害、害虫や益虫、作物を荒らす鳥獣、土地や気候と農業との関係
農家の人々の仕事—一年中の仕事、一日の仕事、男女の仕事、子供の仕事、近所の協力
農家の道具—農具・車、その他(それらの生産・分配につながる)
生産物の供出や販売—農業会、交通・運輸につながる。
農家の人々の楽しみ—一日のうちの楽しみ、一年のうちの楽しみ
2 農村と町とはたがいに依存しあっていること。
3 人間は食料や衣料を動植物から得ていること。
4 農家の人々の生活は土地や気候などの自然的条件によって影響されていること。
5 農家の人々は生産や販売に関してたがいに協力していること。
商 店
商品の経路—生産・注文・運搬・配給等の経路(配給と自由販売)
商店のある場所—交通につながる。
商店の家のつくりかたや設備—店・かんばん・陳列だな・電話・自転車・リヤカー等
商店の人々—主人・家人・店員等(店員の休養や娯楽につながる)
商店へのお使いのしかた
2 生活に必要な品物を手にいれるために近所の人たちは協力していること。
3 いろいろな商店があるために近所の生活は大きな利便を得ていること。
4 交通のひんぱんなところに商店ができること。
5 生活の必要をみたすために、社会の人たちが広く協力していること。
郵便集配人
郵便局—郵便局の仕事の概略、手紙の旅、局員の勤務と休養
封書・はがきのだしかた—宛名、差出人の名まえ、切手のこと
封書・はがき・電報はどんなことに使うか
郵便集配人への協力
その他の通信機関
2 郵便集配人は夜中でも仕事をしていること。
3 通信機関によってわれわれはおたがいに交際したり助けあったりできること。
4 通信機関によって遠くの土地と速く通信ができること。
公共のために働く人たち
警察官—警察署・駐在所・派出所・交番、盗難防止、生命の保護(危害防止・交通安全・公衆衛生)経済取締等、その勤務と休養
消防夫—消防署・監視所・消防組・消防ポンプ・でぞめ式(防火宣伝・夜警・火の用心につながる)これらの人々の勤務と休養、急病災害の報知、非常災変に処するこれらの人々の活動(海難・水害、その他の災書)
2 公共のために働く人々のおかげで私たちは安全かつ幸福に生活ができること。
3 公共のために働く人々はいつでも仕事にかかる用意をしていること。
4 公共のために働く人々に協力しなければならないこと。
いなかの生活
部落と交通—部落の分布、にぎやかな所、交通ひんぱんな道路、交通機関
村のくらし—職業、おもな物産、商店
村の慰安娯楽—娯楽機関や年中行事、その他村人の慰安娯楽の求めかた
昔の村と今の村—その土地の人々が昔どんな生活をしていたか
区域と交通—商店区域とその他の区域、交通のひんぱんな道路、交通機関
町のくらし—職業、おもな物産、物産の原料の入手と販路
町の慰安娯楽—娯楽機関、年中行事
その土地の起りと昔の生活
理解事項
2 郷土の人々は職業上たがいに協力していること。
3 町といなかとはおたがいに産物を交易しあっていること。
4 町でもいなかでも生活必需品の多くを他の土地に求めること。
5 自然的条件が人間の生活に大きな影響を与えていること。
6 厚生慰安の活動も環境と密接不離な関係をもつこと。
7 いなかと町とは厚生慰安の上でも相互に依存していること。
8 人はよりよい生活条件を求めて移動する傾向があること。
動植物と人間の生活(できるならば大昔と比較する)
衣食住と動植物—衣服の植物性原料と動物性原料
家具・燃料・紙
これ等の物資の生産地と生産地よりの運搬
生命資源の保護と動物—犬・猫、益鳥・益虫
愛がん動物と鑑賞用植物
動植物の飼育栽培法のくふう—くふうの効果、品種の改良
大昔の人々はどのように動植物を利用したか
2 動植物を育て、保護し、うまく利用することによって、人間の生活は進歩してきたこと。
3 自然的条件は動植物および人間に大きな影響を与えること。
4 動植物の飼育栽培法をくふうすればいっそう人間生活に役立つこと。
5 衣食住その他に関する物資を得るために、一つの土地と他の土地とはたがいに依存していること。
6 動植物はわれわれに楽しみを与えてくれること。
7 われわれの祖先は動植物を利用する方法をくふうし発達させてきたこと。
郷土の交通運輸(できるならば文明の開けない前の交通運輸と比較する)
汽車と電車—駅の機構、そこに働く人々、乗客と貨物と郵便物(どんな物資がどこからくるか、またどこへいくか)、駅の附近、トンネルと鉄橋、鉄道や電車のできる前の道路と、できた後の道路、鉄道や電車の開通による部落の変化(昔の宿場と今のにぎやかな所)、鉄道や電車と産業・観光との関係。
港と船着場—河川・運河・湖沼・海の交通・運輸、般の種類、乗客と貨物、その行先(海外との交通や貿易にはここで深くたちいる必要はない)港や船着場とその付近、鉄道や道路との関係、船と観光や魚つり
大昔の人々の交通運輸—人間はどのようにしてはじめて交通運輸の方法を学んだか
2 一つの土地と他の土地とはたがいに産物を交易すること。
3 交通・運輸の発達は一つの土地と他の土地との間の相互依存関係を増大すること。
4 一つの土地と他の土地との相互依存関係が増大すれば交通運輸が発達すること。
5 交通運輸の発達は郷土の生活をかえること。
6 人々の生活様式はその住んでいる土地の自然的条件と深い関係をもつこと。
7 われわれの祖先は苦心して交通・運輸の道を開き、方法をくふうしてきたこと。
したがって、その内容としては次のものが考えられるであろう。
地域社会の慰安娯楽
地域社会における危険防止の施設と方法(自然の災害・疾病などに対して)
昔の郷土のくらし(政治や経済のしくみ〔名主・庄屋等〕、昔の人の慰安娯楽とその有用性)
郷土の附近に発見された遺跡・遺物(石器・土器・金属器・住居跡・貝塚)—郷土室・博物館
大昔の人の衣食住の入手の方法(狩猟・牧畜・農耕)
2 社会が複雑になってくると、それを統制していくためにいろいろの施設が必要になってくること。
3 昔の人々の経験は現在の人々に役立つこと。
4 昔にくらべて、保健や娯楽に関する諸種の施設がましてきたこと。
5 祖先がその生活を豊かにかつ安全にするためには、おおぜいで協力する必要があったこと。
6 昔は今にくらべて、くらしは簡単素朴であるが、それだけに多くの苦心がはらわれていたこと。
7 われわれの祖先は、困難な自然環境に適応しながら、いろいろな施設を作りだしたこと。
8 郷土を切りひらいた人々は、後世のものが働きよいように考えて、いろいろの仕事をしたこと。
9 われわれの祖先はよい生活を求めて移動してきたこと。
10 われわれの祖先は困難な自然環境で生活を切り開くため、周囲の動植物の利用のしかたを発見したこと。
昔の交通通信
昔の交通
昔の街道の交通(一里塚、昔の宿場、関所、松並木、道しるべなど)
水運(渡し舟、河岸、渡し場、船橋など)
むかしの乗物(かご・牛・馬など)
交通と町の発達(宿場・城下町・港町・津・市など)
昔の通信の方法(飛脚・馬によるもの・のろし・太鼓・かがり火・手旗)
2 新しい生活環境を切り開くのには、交通や通信の方法をくふうすることがたいせつであること。
3 交通の道すじは、気候や地勢、天然資源のいかんによって左右されていること。
4 交通・通信機関の発達が、近代の日本の建設に大きな役割を演じてきたこと。
5 交通・通信機関によって、われわれの生活は大きな恩恵を受けていること。
6 交通・通信機関には、多くの人々が働いていること。
7 社会の統制には、交通・通信が不可欠であること。
8 交通・通信機関の発達によって時間の利用度が増してきたこと。
資源の保護利用
鉱産資源—石材・石油・石炭・銅・鉄・貴金属・宝石等
土じょう資源—肥えた土じょうとその保存利用、開墾、新田開発
水産資源—貝塚・養魚・製塩・養殖、郷土の魚貝類海草類・漁場・漁港・漁業組合・水産試験所
林産資源—果樹・木炭(炭焼き)、製材所・製紙、その運搬の施設
自然美—郷土の天然記念物、公園・名所・自然の景色
動物資源—牛・馬・羊・山羊・鶏等の家畜・家きん、養蚕・益鳥・毛皮獣、牧場・馬市などのこと。製乳・製糸
その他の諸施設—農事試験所、測候所、観光関係の諸施設
資源の保護・利用・開発につくした人々の話—作物や品種の改良・移入
狩猟生活から農業・牧畜および鉱業の起りまで
2 資源のたくみな利用によって生活が向上してきたこと。
3 われわれの生命の保護保全には、資源の保護利用が大きな役割をもっていること。
4 郷土を切り開いてきた人々は、郷土の資源をうまく利用することにより、現在の郷土の生活をつくりあげてきたこと。
5 昔にくらべていまの世の中は、資源の保護利用が進んできたこと。
6 社会が進歩し、ひろがるにつれて生活を維持するために資源の保護利用の必要がましてくること。
7 機械文明の世の中となって、資源の濫用が資源の枯渇を招きやすいこと。
昔の商工業
その内容としては
商業の起り—商業の起り、市の発生、商人の出現、商人の社会的位置、貨幣
いなかの店と町の店
郷土で開かれる市—その種類と時期
大昔の人はどんなふうにして物を作ったか—石器・土器・金属器の作りかた
職人の起り
水車の利用
2 分業が進むにつれて、われわれの生活はきわめて能率的になってきたこと。
3 困難な環境の中の生活では、物を賢明に生産し、消費し、じょうずに利用する必要のあること。
4 さまざまな生活物資を入手するため、人々はたがいに依存していること。
5 工業の進歩によって、われわれの生活は飛躍的に発展してくること。
6 気候や自然資源が、工業や商業の方法や種類に大きな影響を与えていること。
7 困難な自然環境を克服するためには、工業の力がきわめて大きいこと。
衣食住の今昔—昔の人の衣食住、新しい形式方法材料器具の発見、歴史的変遷、職業による相違、衣食住の合理化
郷土の衣食住—季節や行事との関係、気候風土に基づく特徴、他の土地との比較
衣食住の資源
○牧畜業(産額・主産地、用途、条件と経営法、飼料、品種改良、)
○漁業(魚貝海藻類の種類と主要漁獲地、漁獲物の利用法、近海漁業、湖や河川の漁業、遠洋漁業、養殖、漁獲物、漁場、海流、各種の漁船と道具、魚鮮発見法、漁獲物の輸送、加工)
○水産業—施設(漁業協同組合・魚市場・水産試験所)網元と漁業権、漁村の生活(保健、厚生慰安、協力の組織)危険防止(海洋気象台、無線電信・ラジオ)
○林 業—植林、濫伐と水害、山で働く人々(炭焼・木こり)
○鉱 業—炭坑のありさまと施設、鉱山で働く人々、燃料問題
2 祖先の人たちは、衣食住の様式を改良するためにつねに苦心してきたこと。
3 発明発見により、衣食住の方法が合理化され、生活を向上させたこと。
4 発明発見は、環境を統御する手段となること。
5 科学の発達により、狭い地域に多くの人々が住むことが可能になったこと。
6 林産物や鉱産物は、時代により社会生活に役立つありさまが違うこと。
7 現在の日本の食生活は、農業や水産業の生産のいかんにより、重大な影響を受けること。
8 衣食住やそれと関連する諸産業は、気候風土に影響されることが多いこと。
9 発明発見により、諸産業の方法は改良され進歩したこと。
10 くふうにより生産物の質と量とを向上させることができること。
11 満足できる衣食住は、多くの人々のみえない労苦の結果、可能になること。
現代の交通・通信・運輸
交通路—陸海空とその長短
交通・運輸の機関—汽車・電車・自動車・船舶・航空機
通信の方法と施設—郵便・電信・電話・海底電線・無線電信・ラジオ・郵便局・電信局・放送局
交通・通信・運輸にたずさわる人—業務と勤務時間
新しい交通・通信—エレベーター・エスカレーター・航空機の発達・ロケット・電送写真・印刷通信機・テレビジョン、海底トンネル
交通・通信・運輸に関する諸問題—所要の時間と料金・労力・輸送力・事故防止
産業との関係—工・鉱・商・漁(農・林)
2 交通・通信・運輸の発達は、社会生活に大きな変化を与えること。
3 社会生活は便利になればなるほど、いちじるしく相互依存の度をたかめること。
4 交通・通信・運輸は、人々の生活においてしだいに重要な意味をもってきたこと。
5 人間は、あらゆる空間を征服しようとしていること。
6 交通機関が大規模に活動するほど、事故の際の損害もまた大きいこと。
7 交通・通信・運輸を円滑に活動させるためには、大きな人員を要すること。
保健と厚生慰安
その排除—医者・病院・療養所・健康相談所・健康法・治療法・予防法・予防注射・消毒・清掃、おもな医学上の発見
事 故—機械薬品による傷害・火災・交通事故・天災
その防止—鉱山工場の危害防止、防火、交通標識、信号、交通機関の安全装置、退避、救急法と輸血
厚生慰安—種類(人々により、土地〔日本・世界〕より異なる)、効用
その施設—公園・運動場・劇場・映画館・美術館・博物館・図書館・動植物園
保健と厚生慰安の歴史—変遷とその理由
2 発明発見をもっとも意義あらしめるためには、それによってすべての人の幸福がはかられなければならないこと。
3 科学的な知識は、迷信を減少させること。
4 合理的な研究と準備とは、危険を防止することに役立つこと。
5 芸術作品も、発明発見により保護され、普及させられること。
6 厚生慰安の方法も、時代と場所とによって変化があること。
7 厚生慰安の方法や施設は、世の中が複雑になればなるほど、くふうを加える必要があること。
8 慰安の方法やそのための施設は、必ずしも健全であるとはかぎらぬこと。
政 治(国民の福祉のための組織と施設)
学 校—組織、自治会、委員会
諸施設
都道府県—裁判所・都道府県庁・都道府県会
国 —内閣・議会・諸官庁
公共物—公共財産の保護、公共施設の活用
政治のかたち—立憲政治、憲法と法律、選挙、政党、男女同権
諸問題—配給、供出、住宅、都市(国土)計画、引揚者、失業者、労働問題、協同組合
2 発明発見は、たえず考えかたや生活のしかたを変化させていること。
3 人間は、生命や財産資源を保護するために、発明発見を利用すること。
4 人間の社会生活には、自主的な統制が必要であること。
5 公共物を尊重する人のみが、その恩恵に浴する資格があること。
6 政治は、人民の幸福のためにおこなわれるものであること。
工 業—種類と発達の理由、変遷(家内工業と工場工業、産業革命)
その発達の条件—自然・資本・労力・原料資材・販路・輸送、他の産業や交通との関係
工業に関する諸問題—大量生産・分業・工場・工業地帯・労働問題・危険防止・保健と厚生慰安
動 力—人力・畜力・火力・水力・風力・電力
おもな動力資源とその施設—木炭・ガス・石炭・石油・電気・炭坑・油田・発電所等
2 動力の利用が進むと、社会生活はいちじるしい変化をきたすこと。
3 発明発見、とくに動力の活用は、家庭生活を改造すること。
4 工業の発達は、たえず他の産業や交通・運輸と関連していること。
5 機械生産の発達によって、人間の労力は軽減したこと。
6 機械生産の結果、人間の生活は、物質的に豊かになってきたこと。
7 大量生産や資源の利用は、これまで必ずしも公共の福祉のみを目的とはしていなかったこと。
8 機械は、生命・財産・資源を保護するとともに、逆にこれらを傷つけることもあること。
9 大量生産は、祖先の不断の努力によってかち得られたものであること。
10 工業は、人口を都市ないし特定の地域に集中しようとすること。
新聞とラジオ
新聞社—情報の入手から、読者の手にはいるまで
ラジオ—聴取者、プログラム、ラジオの利用、放送局、外国放送、新聞との効用の差異
新聞、ラジオ以外のもの—雑誌・単行本・映画・テレビジョン
2 通信の発達は、人々の意見の交換をきわめて容易にしてきたこと。
3 新聞やラジオは、多くの人々の知識を豊かにし、判断の資料を供給していること。
4 新聞やラジオは、正しく使用された場合に、民主的な生活を促進し得ること。
5 新聞やラジオは、教育および慰安に役立つこと。
6 新聞は、真実の報道をするために努力していること。
7 新聞やラジオは、報道に要する時間を短縮するために、最善をつくしていること。
8 新聞やラジオは、人間生活のすべての面に役立っていること。
個人経済—収入と支出、経費の合理化、貯蓄
郷土の商業—特産物、市場、商店(マーケット・デパート)等
商業発達の条件—位置・人口・産業・交通
物資の流通—統制経済と自由経済、配給と闇、生産者と消費者
対外貿易—見返り物資、貿易再開、主要輸出入品と相手国
金融機関—銀行・取引所・無盡・講・質屋・保険
国家経済—貨幣・物価・インフレーション・税金・経済安定本部・物価庁・大蔵省・商工省・農林省
2 商業の発達は、交通・運輸の発達を条件とすること。
3 商業は、特殊な条件をそなえた土地にいちじるしく発達すること。
4 人間の生活水準の向上は、必ず商業を進展させること。
5 国内の商業は、たえず対外貿易の影響をこうむること。
6 ふつう物資は、移動することによって価値をしょうずること。
7 需要が供給よりも大であるときは、一般に統制の必要をしょうずること。
8 大量生産の時代になって、商業のしかたが進んできたこと。
わが国と関係の深い国々
おもな国々—中国、アメリカ等
外国との関係—交際の歴史、進駐軍、放出物資、ララ物資、現在における貿易
外国の生活—衣食住のありさま、子どもの生活、家庭・学校その他の諸施設、慰安、生活の合理化、機械力
世界における日本—外国および外国人に対する正しい態度、外国との相互依存、過去の交易、戦争の放棄、講和会議、通商、国際連合、移民、世界平和と日本人の使命
2 機械文明の発達は、各国相互間の依存の度をたかめること。
3 日本は、将来多くの国々と密接な関係をもつこと。
4 科学が進歩し普及している国々では、日常の生活も合理化されて便利であること。
5 異なった土地に住み、異なった生活をする人々は、多くの共通の欲求をもつが、これらの欲求をみたす方法としては異なった慣習を作ったこと。
6 日本人と外国の人たちとは、等しく人類の一員として、たがいにその慣習を尊敬しあい、幸福をねがいあわなければならないこと。
7 日本は今後、世界平和をねがい、世界文化に寄与すべき使命をもつこと。
現在の社会とその将来(現在の社会の諸問題)
衣食住の現状—配給、食糧問題、見返り物資、住宅問題、燃料問題
生活の改善—衣食住の合理化、因襲の打破、くふうとむだの排除、科学の尊重
保健、厚生慰安—施設の完備、公共心の養成、発明発見、余暇の善用
政 治—憲法の精神の実現、封建的なものの打破、正しい選挙、文化国家、世界平和
その他の社会問題—動力の問題、輸送の問題、労働問題、農地問題、国土計画・都市計画の問題、救済事業(引揚者、不具老疾者、孤児・浮浪児、傷い軍人)
2 生活の改善には、発明発見をたくみに使いこなす必要があること。
3 機械生産の発達した現代においては、人々の厚生慰安にもちいる時間がふえたこと。
4 人間は常に、より豊かな、より楽しい社会を建設しようとしていること。
5 現在の社会を改善することは、現在の青少年に与えられた任務であること。
6 戦争の防止のためには、あらゆる努力が払われなければならないこと。
7 将来の社会においては、いよいよ個人の人格が尊重されること。
8 将来の社会においては、不合理な因襲や圧迫によって、不当な取り扱いを受けるようなことから守られること。
9 日本の現在直面している困難を解決するためには、国内の人々の協力と諸外国の援助とが必要であること。
Approved by Ministry of Education
(Date Aug. 25, 1948)
昭和二十三年九月十五日翻刻発行
(昭和二十三年八月二十五日文部省検査済)
代表者 木村 淵之助
代表者 松村 九兵衛