第九学年
第九学年
生 活 経 験
技   能
用   語
1日常生活に関して起こる具体的な問題を,正の数,負の数を用いて解く。

(例)○物価や株価の変動をよく知って,貯蓄や投資を有効にするために,その上がり下がりを正の数,負の数を用いて計算する。

○符号の法則の意味を理解する。

○正の数,負の数に関する四則計算をする。

○温度計などに関連して,数直線の意味を理解し,負の数の位置を知る。

○数直線に関連して,0の意味を知る。

○数直線
2日常生活に関連して起る具体的な問題を,分数や小数あるいは歩合,百分率などを用いで解く。

(例)○国の財政状況をよく知って,税の完納に協力するため,国の歳入における税の占める割合を分数や百分率で表わして,他の歳入とくらべる。

   ○肥料の有効成分の百分率を知って,有効に各種の肥料を混合する。

○分数の四則に関する計算をする。

○小数の乗法,除法に関する計算をする。

○歩合,百分率の三つの用法に関する計算をする。

 
3自然や社会における現象を理解したり,問題を解決したりするのに,比例や反比例を用いる。

(例)○国の政策を理解して協力するため主要な物資を実績や重要度に比例して分配することを理解する。

   ○貯蓄の投資的意味を知ったり,利息が期間や元金に比例して増加することを知る。

   ○工場経営を調べる時,原価を見積もるために,人件費が賃銀ベースに比例するものとして考える。

○具体的なことがらについて,比例する変化の特徴を理解し,これを用いる。

○比例関係を式に表わしたり,その式を用いて問題を解いたりする。

○比例定数と,グラフにおける比例の直線のこうばいとの関係を知ったり,これを用いたりする。

○こうばい
4日常生活に関係して超こる,具体的問題を解くのに,方程式を用いる。

(例)たとえば自分で商売するときの資本として,10年後に一定額のおかねを得るには,毎年どれだけずつ貯蓄すればよいか計算する。

次方程式を解く。

○連立一次方程式の意味を理解し,これを用いて,簡単な場合についての問題を解く。

○グラフにかいて,方程式や連立方程式の意味を知ったり,それらを用いて,問題を解いたりする。

○方程式の根の検算をする。

○—次方程式

○連立方程式

○移項

○定数項

5日常生活に用いられる基礎的な公式や等式を知ったり,用いたりする。

(例)正方形の縦横をいくらかずつ増すと,その面積はどれくらい増すかを計算するのに,

   a2−b2=(a+b)(a−b)

   (a+b)2=a2+2ab+b2

などの等式を用いる。

○等式を変形するのに必要な基本的な性質を理解し,これを用いる。

○文字を含んだ式(単項式)の四則計算をする。

○公式の中にある必要な文字を,未知数として,これを解く。

○基礎的な等式を知り,それを計算する場合に用いる。

○簡単な式について,かっこでくくったり,かっこをはずしたりする。

○公式を用いて,面積や体積を計算する。

○一次式
6座標の概念を用いて,具体的な物の位置や図上の点の位置などを表わしたり,また,表わされたものを理解したりする。

(例)○自分の町の場所や日本の世界における位置を知るために,地図によって経度,緯度を読む。

   ○地図や洋裁のデザインの型紙などを作るのに,主要な点の位置を座標に表わし,これによって図を写したり,拡大したりする。

○座標の概念を用いて,グラフ,地図,数表などを理解したり,読んだりする。

○直線上の点の位置は,基準になる点と,正の方向とを定めることによって表わされることを知り,また,これを用いる。

○平面上の点の位置は,二つの座標軸を設けることによって表わされることを知り,また,これを用いる。

○座標

○横軸(x軸)

 縦軸(y軸)

○横座標

 (x座標)

 縦座標

 (y座標)

7自然や社会におけるいろいろな現象を理解するのに,関係概念を用いる。

(例)○工場の製品の原価と賃銀との関係を調べて賃銀問題を理解するために,原価と人件費,原料費,消耗品費,機械器具の原価償却費及び生産額などとの関係を考えて,人件費と原価,生産高との関係を調べる。

   ○外国の料理法を新聞で読んだりするときカ氏温度計の度をセ氏温度計の度に換算するために,その間にある関係を知る。

   ○銀行預金の利子計算をするために,期間の端下の部分に対する利子を,単利法によって計算する。

○具体的な現象,あるいは量の変化を他の一つの量との関係において理解する。

○具体的な二つの変数に関連して,対応の観念を理解する。

○具体的ないくつかの変化する量の間に関係を予想し,これを見いだすために,これらを表に表わしたり,グラフにかいたりする。

○表やグラフに表わされた二つの変化する量について,変化の特徴や規則性を見いだす。

○一次式で表わされる関係をグラフに示すと,直線になることを知り,これを用いる。

○関係ある二つの変数について,一つの変数がわずかに変化した場合に他の変数は,だいたい,前者に比例して変化することを知ったり,また,これを用いたりする。

○カ氏温度計
8社会あるいは国家に関し,日常に行われる経済的行為や現象について理解したり,それに関する仕事や計算をしたりする。

(例)○自主的に納税申告をするために,税率を知って自分の家の税を計算して申告する。

   ○自分の将来の安全を図ったり,社会の不安を協力によって除く方法として,保険に関する計算をする。

○利子の計算に必要な要素の間の関係及び単利と複利との関係を理解し,これを用いて利子の計算をする。また複利表を用いる。

○銀行などの金融機関が,社会における事業経営などに対して果たしている役割を調べる。

○手形,小切手などの意味と社会における役割とを知り,これに関する割引計算などをする。

○国家の財政について理解し,その個人生活への影響を調べる。

○保険や社会の安全保障制度などについて理解し,それに関する計算をする。いろいろの経済変動が国家及び個人生活に及ぼす影響を考え,これを指数などによって調べる。

○税,税率

○銀行割引

○割引率

○手形

○小切手

○かわせ

○保険

 保険金

 保険料

 保険利率

6人工物や自然における具体的な物や図形について,合同や相似なものを見いだしたり,これを用いて図形の性質を知ったりする。縮図を作ったり,縮図を利用して長さや角を測ったりする。

(例)耕地整理のために,田地の測量をするとき,三角形の合同や相似の条件を用いる。

○簡単な図形,(平行線,正三角形,二等辺三角形,平行四辺形,長方形,ひし形,円,球など)の基礎的性質を知ったり,これを用いたりする。

○三角形の決定条件を知り,これを用いて,縮図などを作る。

○相似の条件を理解し,これを用いて,図形を拡大したり縮小したりする。

○相似比を用いて,相似形の長さ,面積,体積の間にある関係を知り,これを用いて相似形に関係ある量を計算する。

○縮図を利用して長さや角,面積などを測る。

 
10自然物・建造物あるいは美術品などに,対称形を見いだしたり,また,対称形の性質を理解したり,それを利用したりする。

(例)○学校や公園を美化するために,花壇や池の配置に対称形を用いる。

   ○学校の記章や自分の団体のマークの図案に対称形を用いる。

○具体的な物について,対称形の概念を理解し,対称形と対称形でないものとを区別する。

○点対称,面対称,線対称,及び対称の中心,対称軸,対称面などの用語の意味を知り,それを用いる。

○対称形について,その基本的な性質を知り,また,それを用いて対称形を作る。

○対称形の持つ美術的意味を理解し,これを用いる。

○対称

○点対称,線対称,面対称

○対称軸,対称の中心,対称面

○二等分線

○垂直二等分線

11人工物や美術品などについて回転体を見いだしたり,回転体の性質を知ってそれを利用したりする。

(例)弟妹のためのおもちゃや家庭の器具を,施盤やドリルなどを用いて作るとき,回転体の性質を用いる。

○具体的なものについて,回転体の概念を理解し,回転体と回転体でないものを区別する。

○回転,回転体及び回転の中心,回転の軸などの用語の意味を知り,これを用いる。

○回転体の基本的な性質を知り,また,それを用いて図形を作る。

○回転

○回転体

○回転の中心

○回転軸

12日常生活において,測量したり工作したりする時に,三平方の定理(ピタゴラスの定理)を利用する。

(例)家庭や学校の農園,あるいは野球のダイヤモンドなどで,直角を作る時に3,4,5の長さの比を利用する。

○三平方の定理を理解し,具体的な測量や計算などに利用する。

○平方の意味を理解し,平方数を計算する。

○平方根の意味を理解し,簡単な数の平方根を,数表を用いて求める。

○補間法を用いて,数表にない数の平方や平方根を求める。

○三平方の定理を用いて,直角三角形を解く。

○平方

○三平方の定理

(ピタゴラスの定理)

○平方根

○根号(√)

○斜辺

13日常生活に,おいてよく現われる器具などの展開図や投影図を読んだり作ったりする。(例)○電気を節約するために,電燈のかさをくふうして作るのに,展開図を用いる。

   ○家庭の器械などを修理するために,その設計図を用いて分解したり,組み立てたりする。

○簡単な立体図形の展開図を作ったり,読んだりする。

○展開図を用いて,立体を作る。

○簡単な立体の投影図を作ったり読んだりする。

○投影図に関する用語,すなわち投影図,平面図,立面図,平画面,立画面,基線などの意味を知り,それを用いる。

○投影図

○平面図

 立面図

○平画面

 立画面

○基線

○展開図

14日常生活において,三角比を用いて測量する。(第三学年の後期において)

(例)村の耕地整理のために,田地の測量奉仕をする時,田の広さや川の幅を測るのに三角比を利用する。

○三角比の意味を理解し,それを利用して,長さや角を測る。

○三角比を用いて,直角三角形を解く。

○数表を用いて,三角比の値や角の大きさを求める。

○三角比

○正弦(sin)

 余弦(cos)

 正接(tan)

 

               算数数学科指導内容一覧表

              (算数数学科学習指導要領改訂)

              Approved by Ministry of Education

                (Date Sept. 15,1948)

               昭和23年9月15日 翻刻印刷

               昭和23年9月30日 翻刻発行

              (昭和23年9月30日 文部省検査済)

                  定価 金5円20銭

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