第一章 水産の教育の目標
水産の教育の目標はすべての人の生活を充実させ,更に豊かな生活を創造するために,他の教科で学んだ基礎の上に,次の五つの方面を発達させることにある。
1. 水産業および他の職業,または日常の実際生活を合理的・能率的に営む基礎となる技能。
(2) 漁具の手入れ,保存や使い方についての初歩の技術的能力。
(3) 水泳や小型漁船を操ることに対する訓練および航海をする基礎となる技術的能力。
(4) 漁獲物を処理・加工し利用する基礎となる技術的能力。
(5) 魚・貝・そう類の繁殖を助けたり,養殖したりする基礎となる技術的能力。
2. 水産業および他の職業,または日常の実際生活を合理的・能率的に営む基礎となる知識。
(7) 水産業の経営とその環境との関係の理解。
3. 水産業およびこれと関係あるいろいろな産業・職業・仕事についての理解。
(9) 各種の水産業の一般およびこれと関係ある産業・職業・仕事についての理解。
(10) わが国の水産業の特質とその重要性ならびにこれに関係ある他の産業についての理解。
(11) 各地方の水産業の実態およびこれに関係あるいろいろな産業・職業・仕事についての理解。
4. 人間生活にいっそう役立つものを合理的・能率的に生産しようとする態度。
(13) 水産物の利用価値をいっそう高めようとする態度。
(14) 伝統の中に価値あるものを発見し,更にこれを発展させようとする熊度。
(15) 協力して水産業およびその他の産業の発達をはかろうとする態度。
(16) 仕事をいっそう合理的・能率的にしようとして,科学的・研究的にくふうする態度。
(17) 真実なものの姿をつきとめ,これに従おうとする態度。
5. 職業や仕事の個人的・社会的意義を理解し,これに打ちこむ態度。