四,指導方針

(一)計画と指導

1,組織的発展的に指導し特に正課では広く基礎的なものについて指導する。

2,正課では課外体育ならびに他教科との連絡を密にする。

3,スポーツのコーチは原則として教職員がこれにあたる。

4,遊戯及びスポーツを中心とする指導を行いスポーツマンシップを養う。

5,各個人に機会を均等に与え,体力に応じた運動に親しませ,運動を自主的に実践させるよう創意工夫する。

6,能力に応じた組分けをして班別指導を行う。

7,運動は季節に応じて指導し,各種目を広く経験する機会を与える。

8,身体に関する計測,診断,統計等の科学的観察にもとづき目標を定めて指導する。

9,業間,放課後その他自由時間を活用し体育の生活化をはかる。

10,団体競技の指導では特に社会生活に必要な徳性を養う。

11,中学校以上の女子の指導にはなるべく女子があたるようにする。

12,初潮期の身心の変化に留意して指導する。

13,号令,指示,合図,呼称等を必要とする場合はなごやかな気持を与えるような態度,用語,口調で行う。

14,集合,番号,整とんその他秩序を保つに必要な動作,開列及び隊列行進はそれ自体の訓練を目的とせず必要な場合にのみ行う。

15,準備運動としての徒手体操は度過ごして次の運動の興味をそぐような結果にならないようにする。

16,課外運動はその重要性に鑑み全学徒に自治的に行わせる。

17,教職員はつとめて課外運動に参加し管理と指導にあたる。

(衛 生) 18,自己の健康について関心をもたせ健康生活に関する理解を与えこれを生活化させる。

19,採光,換気,校具,携帯品.運動場,調理場,水のみ場,便所等について特に衛生的考慮をはらう。

20,服装は簡易,軽快,清潔にして品位をたもたせる。

21,姿勢に関しては常に具体的に指導する。

22,虚弱者,形態異常者,要注意者の指導の適正をはかり必要な場合には医師の指導のもとに医療体操を行う。

23,伝染病の予防及び取扱いについては衛生当局と協力してあらゆる必要な手段を講ずる。

(三)体育思想 24,体育の価値を理解させ,家庭生活はもとより社会生活に役立たせる。

25,身体に関する諸記録を活用し,体育の目的と効果について本人ならびに父兄の自覚と関心を高める。

26,父兄と教職員の懇談会,映画,講話,新聞,ラジオ,運動会等により学徒並びに一般社会の体育思想を深め協力を促す。

(四)組織と管理 27,体育の企画運営の全校的組織を設けて指導の徹底をはかる。特に高等教育諸学校では権威ある企画運営の中心的指導機関を設ける。

  上記機関は校友会体育部と密接な人的連絡を保ち終始共同の目標のもとに運営する。

28,運動の施設と時間を男女平等に与え,特に中学校以上では男女別に運動場を使用させる。

29,管理を十分にして危険の防止につとめる。

(五)施設と用具 30,施設の充実,維持,改善及び修理に格別の努力をはらうとともに校外のレクリエーション施設を利用し,全学徒が十分運動できるようにする。

31,校舎,運動場その他の施設用具は常に清潔に保ち衛生的であり且つ安全に使用し得るよう常に整備しておく。

(六)試 合 32,体育の重要行事として不断に校内競技会を催し,健全な競技を普及し学友間の親和とスポーツマンシップの向上をはかる。

33,小学校では原則として対外試合を行わない。

34,校外の競技会に参加する場合は学業に支障のないようにするとともに主催者,出場者資格,参加回数,練習期間,時期,経費,応援その他につき関係運動団体または相手校と協定する。

35,選手は固定することなく本人の意志,健康,年齢,操行,学業その他を考慮してそのつどきめる。

36,女子の校外体育行事参加については特に教育的考慮をはらう。

37,女子スポーツでは原則として女子規則を採用する。

38,応援は学徒としての品位を保ち追う応援の範囲を超えて相手に妨害を与えないようにする。