身心の発育や発達に応ずる教材を選んで実施させることは体育の効果を高める上に欠くことのできない要件である。
今各時期における発育発達の様相とこれに適する運動ならびに教材について観察すればおおむね次のとおりである。
この時期においては紳経系統,筋肉系統の発達はまだ幼稚である上に循環系統呼吸系統等も十分発達していないから,力と持久性を必要とする強い運動を行わせることは避けなければならない。また程度の高い技術的運動も適当でない。
精神方面の発達も一般に幼稚であって,複雑な運動を学習することは困難である。しかして自己中心的なこと,想像作用が極めて盛んで擬人化が広く行われること及び模倣傾向の強いこと等の特徴は前時期から引き続き残されている。
そこでこの時期の児童の体育では彼等の自然遊戯を基調とした全身的運動及び快活な音楽を伴なう説話遊戯,模倣遊戯等を中心とするがよい。
年齢 | 身体的特徴 | 精神的特徴 | 適当な運動 |
6
年 | 7 年 |
1,歯の交換が始まる
2,骨格が強固になる 脊椎の生理的わん曲の生成が始まる 3,筋力及び運動の器用性の発達は著しくなる 4,肺臓は小さい 5,心臓は小さい 6,全体としてなお著しく幼児的特性が続いている |
1,知覚が発達する
2,筋力の基礎的支配ができるようになる 3,発音機関の支配が完成する 4,持久は困難である 5,有意注意は弱い 6,好奇心は強い 7,想像は極めて生き生きとしている 8,記憶表象は弱くて不正確である 9,自己中心的である 10,道徳的標準は反射的に形成される 11,闘争,狩猟,競争,追跡,登はん,模倣等の欲求が現われ始める |
1,豊富な戸外運動
2,良好な姿勢を漸次養成する運動 3,知覚生活を豊富にする運動 4,全身的な大筋群の運動 5,音楽を伴なう運動 6,簡単な集団的遊戯 7,現在出現している欲求に立脚した運動 (一日 4—5時間の運動 10—11時間の睡眠) |
7
年 | 8 年 |
1,身体の発達はまだ著しくない | 1,創造が弱化する
2,現実に対する欲求が生ずる 3,自己中心的傾向が減少する |
1,運動調整能力を助成する運度
2,団体的精神を助成する簡単な運動 (一日 4—5時間の運動 10—11時間の睡眠) |
8
年 | 9 年 |
1,運動調整能力が発達する | 1,有意注意が容易となる
2,記憶が発達する 3,自己中心性は減少して社会的存在となる 4,失望に陥りやすい 5,冒険を愛好する 6,自己の現実を知ろうとする |
1,規則のやゝ複雑な運動
2,自己統制を発達させる運動 3,競争的運動及び自己の力を試す運動 (一日 4—5時間の運動 10—11時間の睡眠) |
従って教材としては次に掲げるようなものが適当と思われる。
運 動
類別 | 形 式 | 内 容 | |||
一・二年 | 三 年 | ||||
体
操 |
徒
手 |
上
下 肢 |
屈 伸 |
遊戯として行う |
腕の屈伸・脚の屈伸 |
挙 振 | 腕の挙振・脚の挙振 | ||||
回 旋 | 腕の回旋 | ||||
跳 躍 | 片脚跳び・両脚跳び | ||||
くび | 屈・転・回旋 | くびの屈・くびの転・くびの回旋 | |||
胸 | 伸 | 胸の伸展 | |||
背腹 | 屈 ・ 倒 | 体の前後屈・休の前後倒 | |||
体側 | 屈 ・ 倒 | 体の側屈・体の側倒 | |||
胴体 | 転 ・回旋 | 体の側転・体の回旋 | |||
器械 | 跳躍・転回
(跳び箱・マット) |
跳び上がり下がり・跳び越し前転 | |||
懸 垂
(登棒・鉄棒) |
棒登り
脚懸け上がり・脚懸け回転 逆上がり |
||||
遊
戯 |
遊 戯
|
かけっこ・リレー
鬼遊び・けん遊び
球送り・球入れ
水遊び |
かけっこ・リレー
幅跳び・高跳び・なわ跳び 球投げ 鬼遊び・押し出し遊び |
||
球 技 | フットベースボール
ドッジボール 対列フットボール |
||||
水 泳 | 沈み方・浮き方・立ち方・呼吸のし方
犬かき・平泳 |
||||
ダ ン ス | 表現遊び
生活環境から取材して表現させる (例)まりつき・鬼ごっこ・たこあげ・ちょうちょう・小馬 |
徒手体操では学徒の要求と能力に応じ教材を分解,複合して行うとともに循環及び呼吸系統を刺げきし身体諸機能の能率を十分上げるように行う。
ダンスでは民踊その他適当なものを参考作品として用いてもよい
衛 生
類 別 | 内 容 |
一・二・三 年 | |
身 体 の 清 潔 | 手 ・ 足 |
口・歯・顔 | |
髪 | |
か ら だ | |
衣 食 住 の 衛 生 | 衣 服 |
食 事 | |
清 掃 | |
休 養 ・ 睡 眠 | 休 養 |
睡 眠 | |
皮 膚 の 摩 擦 | 摩 擦 |
姿 勢 | 静 止 時 |
運 動 時 | |
身 体 の 測 定 | 体 重 |
病 気 の 予 防 | トラホーム |
近 視 | |
む し ば | |
寄 生 虫 病 | |
傷 害 の 防 止 | け が |
や け ど |
衛生では理論と実際を行う
(二)小学校高学年(約10年—12年)
身体はその発達を継続しているが満十年頃からすでに男女の身体的特徴の分化が始まり,興味の相異により異性から離れようとする傾向が生じ
女児はしだいに女性的になる。
筋肉はかなり発達してやや強い運動に耐え,運動の神経支配及び循環,呼吸系統等も次第に発達する。
精神方面では今や想像の世界から離れて,いっそう多く現実を理解するとともにいわゆる記憶の黄金時代を現出し,運動調整能力の発達とあいまって複雑な動作の学習ができるようになる。
そのほかこの時期の著しい特徴として見逃すことのできないのは団体意識が発達することと競争心が強烈になることである。
そこでこの時期の体育では活ぱつな団体的,競争的運動がその中心となるべきであり,他面広い範囲にわたって熟練を習得せしめなければならない。
特に女児には律動的運動をも与えることが適当である。
年齢 | 身体的特徴 | 精神的特徴 | 適当な運動 |
9
年 | 10 年 |
1,全体として幼児的特性はうすらぐ
2,女児の身体は著しい発達を始める |
1,あらゆる種類の熟練が容易に獲得される
2,団体に属しようとする欲求が強くなる 3,男女はいっしょにいることをきらいはじめる |
1,社会性の発達を促す運動
2,熟練度の発達を促す運動 3,競争的運動及び自己の力を試す運動 (一日 4時間の運動 9—10時間の睡眠) |
10
年 | 12 年 |
1,脊柱は生理的わん曲を完成して固定的となる
2,永久歯の大部分が生えそろう 3,身体の急速な成長の時期に入る 4,男児は特に肩及び胸が広くなる 5,女児は骨盤の形が女性的となる 6,女児の一部には月経が始まる |
1,高等精神作用が発達しはじめる
2,記憶は最も盛んになる 3,感情が強い 4,意志しょう動が強くなる 5,女児は特に律動感情が強い 6,女児には恐怖心が起りやすい 7,群居本能は男児に特に強い 8,協同精神,忠誠心が発達する 9,競争心が極めて盛んである |
1,背筋及び腹筋を特に強める運動
2,胸かくの発達を促進する運動 3,精神的内容の豊富な運動 4,自己統制の訓練を含む運動 5,同情,従順,名誉心,正義感を養う運動 6,女児には律動に対する欲求を満足させる運動 (一日 4時間の運動 9—10時間の睡眠) |
従って教材としては次に掲げるようなものが適当と思われる。
運 動
△印 男児のみ
◎印 女児のみ
類別 | 形 式 | 内 容 | ||||
四 年 | 五 ・ 六 年 | |||||
体
操 |
徒
手 |
上
下 肢 |
屈 伸 | 腕の屈伸・脚の屈伸 | ||
挙 振 | 腕の挙振・脚の挙振 | |||||
回 旋 | 腕の回旋 | |||||
跳 躍 | 片脚跳び・両脚跳び | |||||
くび | 屈・転・回旋 | くびの屈・くびの転・くびの回旋 | ||||
胸 | 伸 | 胸の伸展 | ||||
背腹 | 屈 ・ 倒 | 体の前後屈・休の前後倒 | ||||
体側 | 屈 ・ 倒 | 体の側屈・体の側倒 | ||||
胴体 | 転 ・回旋 | 体の側転・体の回旋 | ||||
器械 | 跳躍・転回
(跳び箱・マット) |
跳び上がり下がり・跳び越し
前転 |
跳び上がり下がり・跳び越し
前転・腕立て転回 |
|||
懸 垂
(登棒・鉄棒) |
棒登り
脚懸け上がり・脚懸け回転 逆上がり |
棒登り
△脚懸け上がり・△脚懸け回転 逆上がり・△け上がり |
||||
遊
戯 |
遊 戯
|
かけっこ・リレー
幅跳び・なわ跳び 球投げ 鬼遊び・押し出し遊び |
かけっこ・リレー
幅跳び・高跳び・なわ跳び 球投げ 鬼遊び・△馬乗り遊び △すもう |
|||
球 技 | フットベースボール
ドッジボール 対列フットボール |
ポートボール
ソフトボール ワンアウトボール フットボール |
||||
水 泳 | 沈み方・浮き方・立ち方・呼吸のしかた 犬かき・平泳ぎ | 平泳ぎ・横泳ぎ・速泳ぎ
潜水 飛びこみ |
||||
ダ ン ス | ◎表 現
1,自然運動によって基礎的身体をつくる 2,生活環境や生活感情から取材して創作的表現に導く (例) (イ)生活環境—はねつき・ぶらんこ・泳ぎ・麦かり (ロ)生活感情—喜び・希望 |
徒手体操では学徒の要求と能力に応じ教材を分解,複合して行うとともに循現及び呼吸系統を刺げきし身体諸機能の能率を十分上げるように行う。
ダンスでは民踊その他適当なものを参考作品として用いてもよい。
衛 生
類 別 | 内 容 |
四・五・六 年 | |
身 体 の 清 潔 | 手 ・ 足 |
口・歯・顔 | |
目・耳・鼻 | |
髪 | |
か ら だ | |
衣 食 住 の 衛 生 | 衣 服 |
食 事 | |
清 掃 | |
採光・換気 | |
休 養 ・ 睡 眠 | 休 養 |
睡 眠 | |
皮 膚 の 摩 擦 | 摩 擦 |
姿 勢 | 静 止 時 |
運 動 時 | |
身 体 の 測 定 | 体 重 |
身 長 | |
胸 囲 | |
病 気 の 予 防 | トラホーム |
近 視 | |
む し ば | |
結 核 | |
急性伝染病 | |
寄 生 虫 病 | |
傷 害 の 防 止 | け が |
や け ど | |
看護法(消毒法を含む)
及び救急処置 |
看 護 法 |
救急処置 |
衛生では理論と実際を行う。
(三)中学校「約13年—15年」
この時期においては男女ともに身長,体重が著しく増し,心臓,肺臓,筋肉等にも格段の発達が見られるが持久力の発達はまだ十分でない。女子の身体はますます女性的となり漸次活ぱつな運動に適しなくなる。
精神的には今までの外界に奪われていた心が内界に転じ,自我にめざめはじめる。団体意識は強くなり,その群団生活はますます強固になる。
そこでこの時期の体育ではやはり団体的,競争的運動がその中心となってよいが過度にならぬよう注意を要する。特に女子の場合には過労になったり過度に感情を興奮させたりする運動は避けなければならない。
年齢 | 性 | 身体的特徴 | 精神的特徴 | 適当な運動 |
13 年 | 15 年 |
男 | 1,身長,体重は著しく増す
2,肺臓及び心臓の顕著な発達が始まる 3,筋力が急速に増大し始める 4,運動速度と正確度が増す 5,持久力はなお貧弱である |
1,知覚は完成に近くなる
2,記憶はなお盛んである 3,思考作用が急速な発達を始める 4,食物等に嫌悪を生ずる 5,英雄崇拝が著しくなる 6,権威に対して反抗的となる 7,自我意識が強くなる 8,原理に対して服従する 9,団体に属しようとする欲求が強い 10,闘争,競争,自己誇示の傾向が強くなる 11,冒険的野心的となる |
1,呼吸及び血行をよくする運動
2,中等度の持久性運動 3,多方面の運動 4,活動的,団体的,競争的運動 5,勇気を養成する運動 (一日 2—3時間の運動 8—9時間の睡眠) |
女 | 1—5まで男子にほゞ同じ
6,筋力と肺活量は依然男子におとる 7,二次性徴が顕著となる 8,大多数の者に月経が現われる |
1—8まで男子にほゞ同じ
9,競争,自己誇示の傾向が強くなる 10,団体に属しようとする欲求,闘争的傾向はあるが男子に比して弱い 11,感情は激しく且つ不安定となる 12,憂うつになる傾向がある 13,親友が出来る 14,美的情操の発達を見る |
1—4まで男子に同じ
5,過労にならない運動 6,明朗性を与える運動 7,過度に感情を興奮させない運動 8,感情の自己統制を養成する運動 9,美的感情を豊かにする運動 (一日) 2—3時間の運動 8—9時間の睡眠) |
従って教材としては次に掲げるようなものが適当と思われる。
運 動
類別 | 形 式 | 内 容 | |||
女 子 | 男 子 | ||||
体
操 |
徒
手 |
上
下 肢 |
屈 伸 | 腕の屈伸・脚の屈伸 | |
挙 振 | 腕の挙振・脚の挙振 | ||||
回 旋 | 腕の回旋 | ||||
跳 躍 | 片脚跳び・両脚跳び | ||||
くび | 屈・転・回旋 | くびの屈・くびの転・くびの回旋 | |||
胸 | 伸 | 胸の伸展 | |||
背腹 | 屈 ・ 倒 | 体の前後屈・休の前後倒 | |||
体側 | 屈 ・ 倒 | 体の側屈・体の側倒 | |||
胴体 | 転 ・回旋 | 体の側転・体の回旋 | |||
器械 | 跳躍・転回
(跳び箱・マット) |
跳び上がり下がり・腕立て跳び越し
前転・倒立・腕立て転回 |
|||
懸 垂
(鉄 棒) |
脚懸け上がり・脚懸け回転
逆上がり・け上がり・腕立て回転 |
||||
ス
ポ
|
ツ |
陸上
競技 |
走 | 各 種 走 | 短距離走・中距離走・長距離走
継走・障害走 |
|
跳 | 幅跳び・高跳び
跳び越し・なわ跳び |
幅跳び・高跳び | |||
す も う | すもう | ||||
球技 | 野 球 型 | ワンアウトボール
フットベースボール ソフトボール |
ワンアウトボール
ソフトボール 軟式ベースボール |
||
ろ う 球 型 | バスケットボール
ハンドボール |
バスケットボール
ハンドボール |
|||
し ゅ う 球 型 | スピードボール | サッカー
スピードボール タッチフットボール ラグビー |
|||
庭 球 型 | バレーボール
テニス |
バレーボール
テニス |
|||
水泳 | 泳 | 平泳ぎ・横泳ぎ・速泳ぎ・背泳ぎ
潜行 |
平泳ぎ・横泳ぎ・速泳ぎ・背泳ぎ
潜行 |
||
飛びこみ | 立ち飛びこみ・逆飛びこみ | 立ち飛びこみ・逆飛びこみ | |||
水泳心得 | 水泳心得 | 水泳心得 | |||
ダ
ン ス |
ダ ン ス | 表現
一,表現技術 2,生活環境や生活感情から取材して創作的表現に導く (ロ)生活感情—喜び・希望・想い出・愁い |
|||
理
論 |
体 育 理 論 | 体育史・体育の目的・各種運動の解説・運動練習法・スポーツマンシップ・家庭体育・社会体育・国際競技・余暇の利用・運動衛生 |
徒手体操では学徒の要求と能力に応じ教材を分解,複合して行うとともに循環及び呼吸系統を刺げきし身体諸機能の能率を十分上げるように行う。
ダンスでは民踊その他適当なものを参考作品として用いてもよい。
衛 生
類 別 | 内 容(男女共通) |
衣 食 住 の 衛 生 | 衣服・食物・住居 |
皮 膚 の 摩 擦 | 摩擦 |
姿 勢 | 静止時・運動時 |
身 体 の 測 定 | 身長・体重・胸囲・体温・脈はく・呼吸 |
病 気 の 予 防 | 急性伝染病・結核・寄生虫病・近視・歯疾・免疫 |
社会生活の衛生 | 国民栄養・都市衛生・農村衛生・職業の衛生 |
看護法(消毒法を含む)及救急処置 | 看護法・救急処置 |
精神衛生 | 性格異常・精神病その他 |
衛生では理論と実際を行う
(四)高等学校(仮称)「約16年—18年」
この時期においては男女とも身長,体重の増加はますます著しく,心臓,肺臓筋肉等の発達ははなはだ顕著である。持久力の発達も見られるがこれは女子では男子ほど著しくない。この時期の終わりまでに身体的発育はほゞ完了する。
この時期には精神的にも著しい変化が起る。すなわち自我意識が強くなり批判的反抗的となり,また独立の精神が生じてくる。そこに心的動揺が現われ感情,意志ともにますます不安定になる。女子は特に感情が強くなる。団体意識は漸次弱まり個性が現われてくる。
従ってこの時期の体育では団体的,競争的運動を行わせるとともに男子には特に筋力,持久力を増大させる運動を加え,女子には優美さと軽快さを養うような運動を与えなければならない。しかもこの時期において特に顕著である心の動揺を防ぎ,絶えず活動を求める欲求を満足させるような活ぱつで明朗な運動を与えなければならない。
年齢 | 性 | 身体的特徴 | 精神的特徴 | 適当な運動 |
16 年 | 18 年 |
男 | 1,身長,体重の増加は尚続く
2,心臓及び肺臓の発達がはなはだ顕著となる 3,持久力が増大する 4,高度の運動調整能力の発達を見る |
1,孤独を好む傾向が現われる
2,自己劣視の傾向が現われる 3,批判的反抗的となる 4,しばしば煩もんにおちいる 5,好むスポーツは熱中する 6,感激性に富む,しかし不安定である 7,理想を追求する 8,自由と独立の欲求が強烈となる 9,責任感が強くなる 10,社会的標準に応ずる道徳的行動をする 11,性感情が高まる 12,指導者となり他人を支配しようとする |
1,筋力の増大をはかる運動
2,持久力を増大させる運動 3,機敏生を促進する 4,明朗性を与える運動動 5,自治的,団体的,競争的運動 6,熱中することのできる運動 7,創造性の豊富な運動 (一日 2時間の運動 8—9時間の睡眠) |
女 | 1,及び4男子に同じ
2,筋調が低下する 3,ほとんどすべての者に月経が現われる 5,持久力,投げる力,打つ力は男子ほど強くない |
1—12まで男子にほぼ同じ
13,感情はますます激しくなる 14,はじらいの心が強くなる 15,自然美を楽しむ |
1,強度の跳躍を含まない運動
2,明朗性を与える運動 3,自治的,競争的,団体的運動 4,自然美を楽しむ運動 (一日) 2時間の運動 8—9時間の睡眠) |
従って教材としては次に掲げるようなものが適当と思われる。
運 動
類別 | 形 式 | 内 容 | |||
女 子 | 男 子 | ||||
体
操 |
徒
手 |
上
下 肢 |
屈 伸 | 腕の屈伸・脚の屈伸 | |
挙 振 | 腕の挙振・脚の挙振 | ||||
回 旋 | 腕の回旋 | ||||
跳 躍 | 片脚跳び・両脚跳び | ||||
くび | 屈・転・回旋 | くびの屈・くびの転・くびの回旋 | |||
胸 | 伸 | 胸の伸展 | |||
背腹 | 屈 ・ 倒 | 体の前後屈・休の前後倒 | |||
体側 | 屈 ・ 倒 | 体の側屈・体の側倒 | |||
胴体 | 転 ・回旋 | 体の側転・体の回旋 | |||
器械 | 跳躍・転回
(跳び箱・マット) |
跳び上がり下がり・腕立て跳び越し
倒立・前転・腕立て転回 |
|||
懸 垂
(鉄 棒) |
脚懸け上がり・脚懸け回転
逆上がり・け上がり・腕立て回転 |
||||
ス
ポ
|
ツ |
陸上
競技 |
走 | 各 種 走 | 短距離走・中距離走・長距離走・継走・障害走 | |
跳 | 幅跳び・高跳び
跳び越し・なわ跳び |
幅跳び・高跳び・三段跳び | |||
投 | 砲丸投げ・円盤投げ | ||||
す も う | すもう | ||||
球技 | 野 球 型 | フットベースボール
ソフトボール |
ソフトボール
軟式ベースボール |
||
ろ う 球 型 | バスケットボール
ハンドボール |
バスケットボール
ハンドボール |
|||
し ゅ う 球 型 | スピードボール | サッカー
スピードボール タッチフットボール ラグビー |
|||
庭 球 型 | バレーボール
テニス |
バレーボール
テニス |
|||
水泳 | 泳 | 平泳ぎ・横泳ぎ・速泳ぎ・背泳ぎ・立泳ぎ
潜行 |
平泳ぎ・横泳ぎ・速泳ぎ・背泳ぎ・立泳ぎ
潜行 |
||
飛 び こ み | 立ち飛びこみ・逆飛びこみ | 立ち飛びこみ・逆飛びこみ | |||
救 助 法 | 救助法 | 救助法 | |||
ダ
ン ス |
ダ ン ス | 表現
一,表現技術 2,生活環境や生活感情から取材して創作的表現に導く (ロ)生活感情—喜び・希望・想い出・愁い |
|||
理
論 |
体 育 理 論 | 体育史・体育の目的・各種運動の解説・運動練習法・スポーツマンシップ・家庭体育・社会体育・国際競技・余暇の利用・運動衛生 |
徒手体操では学徒の要求と能力に応じ教材を分解,複合して行うとともに循環及び呼吸系統を刺げきし身体諸機能の能率を十分上げるように行う。
ダンスでは民踊その他適当なものを参考作品として用いてもよい。
衛 生
類 別 | 内 容(男女共通) |
衣 食 住 の 衛 生 | 衣服・食物・住居 |
姿 勢 | 静止時・運動時 |
身 体 の 測 定 | 身長・体重・胸囲・体温・脈はく・呼吸 |
病 気 の 予 防 | 急性伝染病・結核・寄生虫病・近視・歯疾・免疫 |
社会生活の衛生 | 国民栄養・都市及び農村の衛生・国民優生・人口問題
職業の衛生 |
精 神 衛 生 | 性格異常・精神病その他 |
性 教 育 | 性教育 |
衛生では理論と実際を行う。
(五)大学(仮称)「約19年—22年」
男子においては体重はなおいく分増加を示し,筋力の発達は著しいが女子では体力はすでにほぼ完成し以後ほとんど変化を示さない。
精神的には漸次反省的,肯定的となり,種々な文化領域に進出する。しかして此の時期の終りころまでには一個の男子または女子として完成し,おのおのその特色を示すようになる。
この時期においては性に応じてあらゆる形の運動が可能であるから学徒にはその中から各自に適する種目をなるべく多く選んで行わせることが望ましいが,その運動としては全身的であり且つ高度の熟練を要するものが推奨される。
年齢 | 性 | 身体的特徴 | 精神的特徴 | 適当な運動 |
19 年 | 22 年 |
男 | 1,二次性徴がほぼ完成する
2,身長の増加は停止する 3,骨格は完成に近くなる 4,幅員の発育はなお継続する 5,筋力は著しく増大する 6,高級な運動調整能力が急速に発達する |
1,反省的になる
2,肯定的になる 3,感情が安定し落ち着きを見せる 4,理解力が発達する 5,人生及自然の美を感ずる 6,指導者的性格が発達する 7,運動に対する興味を失うものが現われる |
1,急速運動,永続運動及び力の練習を豊富に含む
2,専門的技術を要する運動 3,スポーツマンシップを養成する運動 4,自然美を楽しむ運動 (一日 2時間の運動 8時間の睡眠) |
女 | 1—3及び6は男子に同じ
4,体重の増加は停止する 5,筋力の発達はほとんど停止する |
1—7まで男子に同じ | 1,運動調整能力を高める運動
2,スポーツマンシップを養成する運動 (一日 2時間の運動 8時間の睡眠) |
従って教材としては次に掲げるようなものが適当と思われる。
運 動
類別 | 形 式 | 内 容 | |||
女 子 | 男 子 | ||||
体
操 |
徒
手 |
上
下 肢 |
屈 伸 | 腕の屈伸・脚の屈伸 | |
挙 振 | 腕の挙振・脚の挙振 | ||||
回 旋 | 腕の回旋 | ||||
跳 躍 | 片脚跳び・両脚跳び | ||||
くび | 屈・転・回旋 | くびの屈・くびの転・くびの回旋 | |||
胸 | 伸 | 胸の伸展 | |||
背腹 | 屈 ・ 倒 | 体の前後屈・休の前後倒 | |||
体側 | 屈 ・ 倒 | 体の側屈・体の側倒 | |||
胴体 | 転 ・回旋 | 体の側転・体の回旋 | |||
器械 | 跳躍・転回
(跳び箱・マット) |
跳び上がり下がり・腕立て跳び越し
前転・後転・倒立・腕立て転回 |
|||
懸 垂
(鉄 棒) |
逆上がり・け上がり・腕立て回転 | ||||
ス
ポ
|
ツ |
陸上
競技 |
走 | 短距離走・中距離走・長距離走・継走・障害走 | ||
跳 | 幅跳び・高跳び・三段跳び | ||||
投 | 砲丸投げ・円盤投げ | ||||
球技 | 野 球 型 | ソフトボール | ソフトボール
ベースボール |
||
ろ う 球 型 | バスケットボール
ハンドボール |
バスケットボール
ハンドボール |
|||
し ゅ う 球 型 | スピードボール | サッカー
スピードボール タッチフットボール ラグビー |
|||
庭 球 型 | バレーボール
テニス ピンポン |
バレーボール
テニス |
|||
水泳 | 泳 | 平泳ぎ・横泳ぎ・速泳ぎ・背泳ぎ・立泳ぎ | 平泳ぎ・横泳ぎ・速泳ぎ・背泳ぎ・立泳ぎ
潜行 |
||
飛 び こ み | 立ち飛びこみ・逆飛びこみ | 各種飛こみ | |||
救 助 法 | 救助法 | 救助法 | |||
ダ
ン ス |
ダ ン ス | 表現
一,表現技術 二,作品創作 |
|||
理
論 |
体 育 理 論 | 体育史・体育の目的・各種運動の解説・スポーツマンシップ・学校体育・家庭体育・社会体育・国際競技・余暇の利用・体育管理・運動衛生 |
徒手体操では教材を学徒の要求と能力に応じ分解,複合して行うとともに循環及び呼吸系統を刺げきし身体諸機能の能率を十分上げるように行う。
ダンスでは民踊その他適当なものを参考作品として用いてもよい。体育指導養成機関においては社交ダンスを取り入れてもよい
衛 生
類 別 | 内 容(男女共通) |
学徒の衛生 | 身体検査・体力測定・運動衛生・青年期の病気の予防 |
国民栄養 | 国民栄養の標準・食糧の生産と消費 |
国土衛生 | 風土の衛生・都市及び農村の衛生 |
職業の衛生 | 工場の衛生・鉱山の衛生その他 |
国民優生 | 遺伝・遺伝病その他 |
人口問題 | 人口増加の要因その他 |
衛生統計 | 衛生統計の作成と観察その他 |
精神衛生 | 性格異常・精神病その他 |
医療制度及び社会保険 | 医療制度・社会保険 |
公衆衛生施設 | 保健所・療養所その他各種公衆衛生の施設 |
衛生では知的ならびに実践的指導を適当に配合して行う。