単元一 動物の生活
(一)指導目標
身辺にある動物に親しみと愛好の気持を起し,動物の生活の様子を正確に観察する態度を養う。
(二)指導方法——児童の活動
2,公園・動物園・牧場等へ行って,飼ってある動物を見る。
3,絵葉書・廣告・写眞・絵等の動物の絵を集める。
4,絵から切り抜いた動物や絵葉書等で動物画集を作る。
5,愛育している動物を学校へ持って来て特徴を見る。
6,ミミズを植木ばちの土の中に入れ,教室で飼って観察する。
7,ハツカネヅミを教室で飼って観察する。
8,水そうでキンギョ・メダカ・フナ・タニシ等を飼って観察する。
9,カエルを箱庭で飼う。ハイを捕ってたべさせる。
10,オタマジャクシを捕りに行く。教室で飼ってみる。
11,カブトムシ・カマキリ等を飼ってみる。
12,いろいろな鳥の巣の標本を見る。鳥の標本を見る。
13,鳥の巣箱を校庭の樹に掛けて観察する。
14,鳥の絵を集める。
15,アオムシ・ケムシ等を捕って来て飼育箱で飼う。
16,いろいろな動物が何をたべるか話しあいをする。——ウシ・ウマ・ヤギ・ヒツジ・イヌ・ネコ・ニワトリ・アヒル・ブタ・ネズミ・カラス・スズメ・メジロ・カナリヤ・ハト・キンギョ・サル・ライオン・ゾウ・アオムシ・ケムシ・アリ・カマキリ・バッタ・ノミ・カ。
17,クモの巣を観察する。クモの卵を見つける。
18,アリの巣を見つける。巣を観察する。
19,ツバメの巣を観察する。
(2)その特徴を直観的につかんで発表するかどうか。(例えばウサギを見たとき「赤いきれいな眼ですね」とか,「長い耳ですね」とか)
(3)野外へ出たとき,虫や魚や鳥などを見つけ,注意深く見守ろうとするか。
(4)飼育した虫・魚・オタマジャクシなどを,親しみをもって世話するか。
(5)巣箱に来る鳥によく注意しているか。
(6)動物にえさを與え,何をよくたべるかについていろいろ試みるか。
3,口頭で次の考査をする。
(2)動物の画を示して,そのすむ場所を答えさせる。
(2)ニワトリの世話やウサギの世話などをすすんでするようになったか。その態度。
(一)指導目
生活の環境にある植物に親しみと興味を持ち,植物の生活の様子を正確に観察する態度を養う。
(二)指導方法——児童の活動
2,花や葉を集めて「ままごと」遊びをする。
3,木の葉を集めていろいろな細工物を作る。(マツ葉細工・ササの葉の帆かけ舟・ツバキの葉の舟等)
4,木の葉の上に紙を当て,クレオンや鉛筆でこすって,木の葉の形を写しとる。
5,摘み草をする(ツクシ・レンゲソウ・タンポポ等)・スミレ・タンポポ等を花畠や箱庭に植える。
6,ナズナの穂のガラガラを作る。
(ナズナの茎に多数の実のついたものを取り,そのまま振るか,茎を指先でまわすかすると,カラカラと音を出す。また一つ一つの実を軽く引っ張って半ば茎から引き裂き,ブラブラした形にしておいて振れば,いっそうよく音を出させることができる。)
7,スズメノテッポウの笛を作る。
(スズメノテッポウの穂を抜き去った残りの葉を用いて笛を作ることができる。折り曲げて,口にくわえて吹くとピーと嗚る。)
8,おし花をする。
(花を新聞紙の間にはさんでおしておく。乾くまでそのままにしておけばおし花ができる。おし花にする花はスミレ・レンゲソウなどのように水分の少ないものがよく,タンポポなどのように水分の多いものはよくない。)
9,ツバナ抜きをする。
(チガヤの穂のまだ出ないものを探し,一番先の葉を持って引き抜く。)
10,入学記念の木を植える。
(発芽後一・二年ぐらいまでの(10—20cmぐらい)苗木を植えるのが適当。マツ・スギ・ヒノキ・サワラ・イチョウ・アオギリ・サクラ・ケヤキ・アオキ・カエデ・スズカケノキ・ツバキ等,実生で生えているのを採集して。)
11,種まきをする。
(一年生の草花・野菜等の種子をまいて育てる。アサガオ・インゲン・へチマ・ホウキグサ・ホウセンカ・ケイトウ等)
12,野山や庭で草花や木の芽生えを掘り取って,箱庭に植える。
(木の芽生えには,マツ・カシ・ケヤキ・カエデ・ツバキ・ヤツデ等,花や葉の美しいものには,タンポポ・ナズナ・オオバコ・カタバミ・サギゴケ・シロツメクサ・ミヤコグサ・リュウノヒゲ,春に咲く小形のリンドウ・カヤツリグサ・スゲ・シダ・コケの類等)
13,球根を植える。
(チューリップ・ヒヤシンス・クロカス・スイセン等)
14,球根の水栽培。
(ヒヤシンス・クロカスをガラスビンに水を入れたものの上にのせて育てる。根を水中に下し,根の観察に都合がよい。)
15,木の実ひろい。
(秋,林に行って,クリ・ドングリ等を拾い集める。集めたクリを持ち寄って形を比べる。球形のもの,半球形のもの,平たいものなどいろいろの形があることを見る。いがに包まれているクリの実を割って見る。落ちているドングリを拾う。また木になっている様子を見る。細長いドングリ・丸いドングリの形を比べ,それぞれなっている木が違うことを観察する。ドングリのこま・笛などを作る。)
16,もみじ拾い。
(林や庭で秋の紅葉を集める。カエデ・イチョウなど。)
17,水そうにクロモ・クワイ・キンギョモ・ホテイソウなどを入れて観察する。
18,着物などに附いて遠くへ運ばれる種子や実を観察する。(ヌスビトハギ・ヤブジラミなど)
19,季節に出る野菜・果物のいろいろな種類を観察する。
20,季節の野菜や果物の画をかく。形を切り抜いて帳面にはる。
21,八百屋の店先でいろいろな野菜を観察する。
22,自宅で使う野菜・果物を調べる。
(2)ままごと遊びなどに,葉や茎や花の特徴を生かしているか。
(3)箱庭で植物の特徴をよくつかんで植えているか。
(4)スズメノテッポウの笛や草笛などで,鳴るまで根気よく工夫して作るか。また友だちに教えを請い,教師に指導を求めるか。その態度。
(5)記念の木に関心を持ち,すすんで世話をしているか。
(2)おし花(いろいろな花を集めているか。特徴を生かしているか。)
(3)ドングリのこま・ドングリのやじろべえ。(ドングリの形の上の特徴をいかによくつかみ,これを利用し,またよくまわり,よく立つように工夫してあるか。)
(4)野菜の画または切り抜き(その野菜の特徴をよくつかんでいるか。)
4,野菜や果物の絵をかいたものを與えて,それを出る季節の順にならべさせる。
5,家庭で庭木や草花や野菜の世話をしたり,球根の水栽培や芽生えをとって植えたりなどしているか,その態度はどうかについて,家庭に問ひ合わせて記述尺度法によって考査する。
(一)指導目標
空と土の諸現象について,自然の偉大さを知り,また自然の妙趣を味わうとともに,その恩恵を感得し,すすんで自然の眞相を探ろうとする態度を養う。
(二)指導方法——児童の活動
2,日中影絵をする。
3,建物の北側と南側の暖かさの違いを比べてみる。
4,時刻により影の移ることを観察する。
5,季節により太陽の出る位置入る位置の違うことを調べる。
6,夜と晝の違いを話しあう。
7,イヌ・ネコ・ニワトリなどの日なたぼっこをしているのを観察する。
8,三日月は西の方の空に見え,早く沈むことを観察する。
9,満月が東の方に見えることを観察する。
10,月夜は星空より明るいことを観察する。
11,月の見えない晩のあることを観察する。
12,晝間の月を観察する。
13,三日月・半月・満月の形の変わることを観祭する。
14,一番星・二番星などを見つける。
15,夕方西の空に,よいの明星(金星)を見つける。
16,空気があることを調べる。
17,風を起すいろいろな方法を試みる。
18,強い風の後の被害について話しあう。
19,夏,風の吹く時,吹く所は涼しくて物陰の吹かない所は暑いこと,また冬,風の吹く時寒いことを観察する。
20,風を利用する風車や,農家でもみがらなどを風で選り分けるところを観察したり,あるいはその絵を見たりする。
21,人が風を起して利用する場合を調べる。(扇・うちわ・扇風機など)
22,皿に水を入れて,蒸発してへることを観察する。
23,ぬれた洗たく物の乾くことを観察する。
24,雪・霜・氷などがとけて水になることを観察する。
25,庭や畠の土を箱に入れ,箱庭を作って,山や谷川を作り,水を流して観察する。
2,児童の作成した日々の天気の絵日記について記述尺度法によって考査する。
(絵日記のできばえや,また根気よく観察して作っているかどうかについて)
3,観察の結果得た知識について,再生法・選択法等によって考査する。
例,次のような図を印刷したものを用意し,前の日に,月をよく見ておくように課題し,翌日昨夜の月はどの形であったか印をつけさせる。(またはクレオンで色をぬらせる。)
4,主として自然現象の関連について,考え方の理解の状態を,判定法等によって考査する。
例,晴れ・曇り・雨・雪・風の日の情景を描いた絵を示して,次のようなことをきいてみる。
○ドングリの実や,クリの実がたくさん落ちるのはどんな日でしょう。
○かげができるのはどんな日でしょう。
○霜柱の立つのはどんな日でしょう。
○洗たく物がよく乾くのはどんな日でしょう。
(2)空と土に関する自然現象についてよく質問するかどうか。どんな質問をするか。
単元四 機械と道具のはたらき
(一)指導目標
身辺にある機械・道具について,その構造・機能を理解し,これに慣れ親しみ,すすんで改良の工夫をする態度を養う。
(二)指導方法——児童の活動
2,キビガラ・ヤマブキのしんで作った豆人形の足に,ブリキ板の小片をはりつけ,画用紙にのせ,下から磁石をあてがってすもうをとらせる遊びをする。
3,家庭の道具について,どんなに仕事を助けているかを調べて来て話しあう。
4,学校で使っている道具・機械について,力の助けになることを観察する。
(井戸ポンプ・工作道具・自轉車など)
5,人・動物・エンジン・モーター等の力で動かす機械を観察する。又は絵で見る。
(電車・自動車・飛行機・汽車・荷車・馬車・牛車・自轉車など)
6,電気モーター・扇風機・電車等電気で動くものを観察する。
7,箱に土など重いものを入れてそのまゝ引っ張るときと,下に車やころを入れて引っ張るときとを比べてみてそのわけを考える。
8,重いものをてこで持ち上げて,そのわけを考える。
2,日常の仕事に機械や道具をすすんで使って行こうとするかどうかの態度,また機械や道具を使うときの態度について,記述尺度法によって考査する。
3,観察の結果得た知識について,再生法・選択法等によって考査する。