単元一 着物は何からつくるか。
(一) 指導目標
着物に使っている織物の繊維に関心を持ち,それらの繊維を見分け,性質をきわめ,それに基づいて織物の正しい使い方,扱い方になれ,また洗たく・染色等を通じて,日常生活において実際に行われている事象の本質をとらえ,正しく処理する能力を養う。
(二) 指導方法——生徒の活動
2,植物繊維の特徴及び細胞について調べ話しあう。
3,人造繊維の特徴及び紙について調べ,話しあう。
4,動物繊維の特徴について調べ,話しあう。
5,自然の恩恵及びその利用について話しあいをする。
6,なめし皮について書物を読み,観察・実験をし,また話しあう。
7,織物の織り方について調べ,実験をし,話しあう。
8,織物の発達過程・発明者の努力について書物を読んで調べ,話しあいをする。
9,熱の移動の仕方・保温について観察・実験をし,話しあう。
10,衣服材料としての空気の動きについて観察し,実験し,話しあう。
11,石けんの洗浄作用について実験し,話しあう。
12,正しい洗たくの仕方について実験し,観察し,話し合う。また練習する。
13,しみ抜きについて実験・観察・実習をし,また話しあいをする。
14,染色の準備にはどんなことが必要か,また精練・漂白作用について研究をし,実験・観察・実習をし,話しあいをする。
15,染色の歴史及び研究者の努力について書物を読み,話しあう。
16,色の民主化の歴史について話しあう。
17,染料の性質・天然染料・人造染料について調べ,観祭・実験をし,話しあう。
18,染め方について教師の示範を観察し,実習をし,話しあう。
19,媒染剤,助剤について調べ,その使い方について実験・実習をし,話しあう。
2,実験・観察・実習の態度について記述尺度法によって考査する。
3,実験・実習の技術について記述尺度法によって考査する。
4,実験・実習の操作の順序を記述尺度法によって考査する。
5,観察・実験の記録を提出させ,記述尺度法あるいは一対比較法によって考査する。
6,次の事項についての理解の状態を,再生法・選択法・真偽法・訂正法・判定法等によって考査する。
(2) 繊維の性質と見分け方。
(3) 織物の使い方,扱い方。
(4) 洗たく,染色方法の科学的根拠。
(一) 指導目標
人や動物が生きていろいろな活動を営むのは,外から栄養となる物をとり入れるからであることを知り,人や動物のからだのたくみなしくみと,栄養の大切なことを理解する。
(二) 指導方法——生徒の活動
2,次の事がらについてその経験を発表し,話しあいをする。
(2) つかれたときにはどんな食物がほしくなるか。
(3) つかれをなおすにはどんな方法がよいか。
4,エネルギーに関する次の事項について,書物を読んで調べ,また自分の経験から考え,話しあう。
(2) 呼吸によって外界から取り入れた酸素のはたらき。
(3) 心臓のはたらき。
(4) 食物をとる意味。
(5) 食物の消化と吸収。
(6) 体物質の分解によって生じたものはどうして除かれるか。
(2) 人や動物は食物を求めたり,敵をさけたりするために行動すること。
(3) 環境の変化と知覚。
(4) 中枢神経と刺げきの伝達。
(5) 反射運動。
(6) 筋肉と骨格による運動。
7,必要な栄養価をとるためには,量をたくさんとったのと,栄養価の高いものを少量とるのとどちらがからだのためによいかについて研究をし,話しあう。
8,酵素のはたらきを応用して人生に役だたせている場合を調べて話しあう。
9,運動をした後では全身に変化が感じられるのはなぜかを考えて話しあう。
10,「健康なからだ」という題で論文を書く。
2,論文,観察の記録等を提出させ,記述尺度法あるいは一対比較法によって考査する。
3,次の事項についての理解の状態を,再生法・選択法・真偽法・作文法・組み合わせ法等によって考査する。
(2) エネルギーについて。
(3) 食物の消化と吸収について。
(4) 排せつについて。
(5) 人や動物の活動のたくみなしくみについて。
(6) 栄養価について。
(一) 指導目標
海に対する理解を深めるとともに,海よりとれる物の利用更生に関心を持ち,物事を正しく精しく見,処理する能力と養う。
(二) 指導方法——生徒の活動
2,世界地図によって,海の広さ・深さ・分布について調べ,話しあいをする。
3,近在の海岸線・海水の温度・塩分・波の浸蝕状態・潮せきなどを観察し,記録する。また話しあいをする。
4,地図によって海流を調べ話しあう。
5,海そうの打ち上げと季節の関係について調べ,報告する。
6,いそのものの採集と季節の関係について調べ,報告する。
7,季節ととれる魚(又は出まわる魚)の関係について調べ,記録し,また話しあう。
8,月の位置と潮せき時刻の関係について調べ,記録する。
9,海水よりの製塩について研究し,話しあいをする。
10,プランクトンの季節による変化の有様を調べる。
11,養殖場を見学する。
12,大謀網を見学する。
13,近在の魚獲高と季節との関係について調べる。
14,海底の地形図を作る。
15,近在の海を利用する工業の調査をし,またその工場などを見学する。
16,食塩の用途について調べ,その系統図を作り話しあいをする。
17,家庭の食塩の使用量を調べる。
18,塩田または製塩場を見学する。
19,海上運輸について調べる。
2,観察・調査・見学の態度並にその記録・報告書等のできばえについて記述尺度法によって考査する。
3,次の事項についての理解の状態を,再生法・選択法・真偽法・図解法・判定法等によって考査する。
(2) 海そうの打ち上げ・いそのものの採集・とれる魚の種類・プランクトンなどと季節との関係。
(3) 製塩の方法
(4) 食塩の用途
(一) 指導目標
地球の表面での山や川の分布と,それらがどのような経過によってできたか,それらを作る岩石には,どんなものがあってどうして形成されたか。また地球の内部はどうなっていると考えられるか,なお今日でもたえず地球の表面には変動があること,そしてこれらの現象がわれわれの生活に深い関係をもっていることを理解する。また土質について究明する。
(二) 指導方法——生徒の活動
2,郷土の用水・地下水について観察し,話しあう。
3,長い年月の間に郷土の地形がどんなに変わってきたかについて調査し,話しあいをする。
4,地形の変化における空気と水の作用について調べ,話しあいをする。
5,砂やどろをまぜた水について,たい積の実験をし,観察する。
6,地形図を眺めて地形とその成因を考える。
7,郷土の地形図を作って互いに批評しあう。
8,地層の観察を実地または模型について行う。
9,火山・温泉を実地について観察し,また絵・写真等によってその有様を調べる。なお地震についても書物を読み,経験のある人の話を聞き,また絵・写真等によって調べる。
10,侵蝕・気象・植物・動物によって岩石から土の出来る有様を調べる。
11,岩石・鉱物・化石の採集と,それを分類して標本を作る。なお学校の標本について観察する。
12,岩石の分布・成因について調べ,話しあう。
13,地球内部の構造について,いろいろな現象から推定し,また話しあいをする。
14,噴火・地震・津波・こう水・山崩れなどに関する新聞雑誌記事・ラジオニュースなどを集めて整理する。
15,噴火・地震・津波,地盤の隆起・沈降などによる災害について調べ,その防止対策について研究し,話しあいをする。
16,近在の土の種類を調べ,採集し,分類して標本を作る。
17,土質の分布図を作る。
18,土質と作物の種類との関係について調べ,話しあいをする。
19,土の分析の実験をし,観察する。
2,実験・標本の作成等の態度・技術について記述尺度法によって考査する。
3,作成した標本・観察記録等のできばえについて、記述尺度法あるいは一対比較法によって考査する。
4,次の事項についての理解の状態を,再生法・真偽法・判定法等によって考査する。
(2) 岩石の種類とその成因。
(3) 地球表面の変動,及びその現象とわれわれの生活との関係。
(4) 土の種類。
(5) 土質と作物との関係。
(一) 指導目標
われわれが日常生活に用いるもの,また産業・交通などの設備や運営の資材や燃料などに用いるものには地下から得たものが多い。このような地下資源は地下でどのようにしてできたか,それを見つけ出し,それから有用な物質をとり出すにはどうしたらよいか,また日本にはどんな地下資源が豊かでどんなものが乏しいか,などについて理解し,なお物をその特性に応じて利用し,物を節約する態度を養い,進んで新しい資源開発に対する関心を持つようになる。
(二) 指導方法——生徒の活動
2,鉱物の結晶形・硬さ・へき開(劈開)・條こん(條痕)・密度・色・透明度・光沢などについて調べて,鉱物を識別してみる。
3,郷土の有用鉱物について調査する。
4,地下の有用鉱物をどうして見出すかの研究をし,話しあいをする。
5,鉱石の分析実験をする。
6,鉱床の露頭を観察し,また鉱物を採集し,分類して標本を作る。
7,選鉱・や金(治金)の進歩について研究し,話しあいをする。
8,石炭及び石炭からとれるものについて調べ,その系統図を作ってみる。
9,石油及び石油からとれるものについて調べ,その系統図を作ってみる。
l0,いろいろな燃料について比較し,また発熱量について研究し,話しあいをする。
11,日本の地下資源について調べ,その分布図を作ってみる。
12,鉱床とその成因について研究し,話しあいをする。
13,地球の歴史について研究し,話しあいをする。
14,鉱山の見学をする。
2,実験・観察・製作の態度・技術について,記述尺度法によって考査する。
3,生徒の作成した標本・分布図・系統図・実験観察の記録等のできばえについて記述尺度法あるいは一対比較法によって考査する。
4,次の事項についての理解の状態を,再生法・真偽法・完成法・作文法・判定法等によって考査する。
(2) 地下の有用鉱物を見つけ出す方法。
(3) 石炭・石油の成因と利用,及びそれから取り出したものの種類と利用。
(4) 日本の地下資源について。
(一) 指導目標
すまいについて,建築材料の種類とその性質・構造物の強さ・合理的な間取り・通風・採光・保温及び耐震・耐火構造・更に建物の建て方について理解し,それによって,すまいについての正しい見方・考え方・取り扱い方を修得する。
(二) 指導方法——生徒の活動
2,自宅の平面図を作ってみる。
3,近在の家の間取り・屋根の形などを調べ,他の地方の建築と比較してみる。
4,職業と間取りとの関係について調べて,話しあいをする。
5,風土と建物との関係について調査研究をし,話しあいをする。(例,屋根のこう配と積雪との関係)
6,建築現場の見学をする。
7,小屋組の調査研究をし,また木材の組み方,特に三角形構造の強さについて実験をして調べる。
8,建築材料の観察・調査をする。
9,建築材料の産地について調べる。
10,近在に産する建築材料の調査をする。
11,木材見本の製作をする。
12,壁の構造について研究し,話しあいをする。
13,柱の傾きについて調査し,その原因の研究をする。
14,耐震構造の実験をする。
15,焼け残った家と耐火構造との関係について調べてみる。
16,能率のあがるすまいの設計をし,また模型の製作をしてみる。そして互に批評しあう。
17,間取りと通風との関係について調べ,話しあう。
18,堀建小屋を建ててみる。
19,自分の住んでいる村や町の一区画をえらび,そこの建物について次のようなことを調べてみる。
(2) 屋根の材料──草ぶき・瓦・スレート・とたん等の割合。
2,実験・製作・設計の態度・技術について,記述尺度法によって考査する。
3,生徒の作成した木材見本・すまいの観察記録・調査物・設計・模型等について,そのできばえを,記述尺度法あるいは一対比較法によって考査する。
4,次の事項についての理解の状態を,再生法・真偽法・組み合わせ法・訂正法・判定法・図解法によって考査する。
(2) すまいの合理的な間取り・通風・採光・保温・耐震・耐火構造。
(3) 風土と建物との関係。