単元一 空気はどのようにはたらいているか。
(一) 指導目標
日常生活に必要な空気の性質,生物の呼吸や大気中に起こる現象を理解し,それを活用して気象の変化に適切な処理をする能力と科学的な態度を養う。
(二) 指導方法——児童の活動
2,種子の呼吸について実験する。
3,花や葉の呼吸について実験する。
4,燃焼の実験をする。
5,呼吸に関する保健の問題について話しあう。
6,空気の不可入性について話しあい,重さのあることを実験する。
7,空気の重さを測定する。
8,温度計を使用することから温度とはどんなものかを考え,また物質の膨張について研究する。
9,温度の標準点としての融点・沸点の実験をする。そして物質の気・液・固の三態について話しあいをする。
10,気圧を測る実験をする。
11,気圧を利用した道具を使用して,それがどんな理によるものかを考える。そして真空について話しあいをする。
12,湿度を測る実験をする。物を乾燥すること・湿りを防ぐことについて調べる。
13,郷土の気象を観測する。
14,各地の気象記録を調査する。
15,気象の変化・風・雨・雪などはどうして起こるかについて話しあう。
16,観側記録の整理をし,互に話しあって評価する。
17,気象台の仕事を調べる。
18,測候所などを見学する。
19,ラジオ・新聞などの天気概況・天気予報について研究する。
20,風水害・かん害(早害)・雪害・霜害などの防止対策について話しあう。
2,実験・観側等の学習の態度を記述尺度法によって考査する。
3,観測記録を提出させ,一対比較法あるいは記述尺度法によって考査する。
4,次の事項についての理解の状態を,再生法・完成法・訂正法等によって考査する。
(2) われわれが大気中にいてその圧力を感じない理由。
(3) 天気図をみて,その気象のありさまを説明すること。
(4) 風や空の模様をみて,明日の天気を判断すること。
(一) 指導目標
日常生活に必要な水の性質・生命を保つための水の必要・水の衛生・水害防止に関する問題を理解する。
(二) 指導方法——生徒の活動
2,動物の成分としての水分の量の測定・調査をする。
3,はち植えに水を与えたものと,与えないものとの比較実験をする。
4,水に適応した生物の分布を調査する。
5,水の用途を調査する。(家庭で使用する水・社会で使用する水について。)
6,使用水量の調査をする。(毎月の使用水量の記録をとる。)
7,量水計の構造・はたらきを研究する。
8,近在の天然にある水の分布,それらの水の使用状況について調査する。天水の水の量の季節による消長の調査をする。
9,井戸水の季節による増減の調査をする。
10,井戸の分布・深さ・水量・水温・水質の調査をする。
11,上水・下水施設の見学をする。
12,上水・下水の系統について図を作る。
13,同上水量の一年間の変化を調査する。
14,上水の使用量(使用者別)の調査をする。
15,水質の検査の実験をする。(化学的または細菌について。)
16,蒸りゅう水をとる実験,残さの検査をする。
17,水の電解の実験をする。
18,水の合成の実験をする。
19,物質の分子構造について話しあう。
20,水の深さと水庄の関係を実験する。
21,水の圧力の伝わり方を観察する。
22,水圧利用の工場の見学をする。
23,水圧機の構造を研究する。
24,水害防止(治水工事・森林保護植林)について話しあう。
2,実験・観察・測定・調査等の学習の態度を記述尺度法によって考査する。
3,実験・観察・測定・調査の記録を提出させ記述尺度法によって考査する。
4,実験・測定等の熟練の度を記述尺度法によって考査する。
5,実験の操作の順序を排列法によって考査する。
6,次の事項を,再生法・選択法・真偽法・完成法・訂正法・作文法・判定法等によって考査する。
(2) 水の衛生についての理解。
(一) 指導目標
火の人間生活上の意義・日常生活に必要な燃料・熱量・熱膨張・伝導・ふく射・石炭ガス工業を理解する。
(二) 指導方法——生徒の活動
2,家庭の燃料消費数量を調査する。
3,熱源燃料の種類の調査をする。
4,こんろ・かまど等の種類・構造の調査研究をする。
5,炭焼きがまの見学をする。
6,炭焼きの実験をする。
7,木炭と薪との比較研究をする。
8,木炭の発熱量の測定実験をする。
9,燃料を有効に使う研究をする。(家庭におけるこんろ・かまど・ふろのたき方の研究。)
10,熱の伝わり方を研究する。(伝導の実験・対流の実験・ふく射の実験)
11,石炭乾りゅうの実験をする。
12,ガスこんろ・ガスメートルの構造と機能の研究をする。
13,ガスの有効安全な使い方を研究する。
14,ガス会社の見学をする。
15,家庭における火の始末を調査し,調査結果について話しあいをする。
16,火事の原因・件数・損害の調査をする。
17,消防施設の調査(家庭・学校・社会)をする。
18,消防署の見学をする。
19,消火器・消火銃等の原理・構造・使い方の研究をする。
20,火事と天気の関係を研究する。
2,実験・観察・測定・調査・見学等の学習の態度を記述尺度法によって考査する。
3,実験・観察・測定・調査の記録を提出させ,記述尺度法あるいは一対比較法によって考査する。
4,実験・測定等の熟練の度を記述尺度法によって考査する。
5,実験の操作の順序を排列法によって考査する。
6,次の事項を再生法・選択法・真偽法・完成法・訂正法・作文法・判定法等によって考査する。
(2) カロリーについての理解。
(3) 熱の伝わり方に関する理解。
(一) 指導目標
日常の食品・食品の貯蔵・仕事と食物の量との関係など,日常生活において必要な栄養に関する問題を理解する。
(二) 指導方法——生徒の活動
(2) 一人一日当りのカロリーを算出する。
3,乳を搾る処を見学する。
4,バター,チーズ製造所の見学をする。
5,牛乳より成分を分ける実験をする。
6,栄養素の出す熱量を研究し,保健食量の調査をする。
(各職業による量の違いを調査する。)
7,活動の種類によるカロリー消費量を調べる。
8,近在のみその造り方を調べる。
9,みそ・しょうゆ醸造場の見学をする。
10,豆腐作りの実験をする。
11,主食の反当り収量の調査をする。
(石数あるいはキロ数,熱量について集計。)
12,家庭の食品貯蔵法を調べる。
13,家庭の貯蔵食品の種類を調べる。
14,季節に関しないで利用できる食品貯蔵法(例,カン詰・びん詰・乾物)を調べる。
15,貯蔵食品中にできる毒素について話しあう。
16,貯蔵食品の害虫を調べる。
17,栄養失調の症状の現われたものの調査をする。
18,皮膚・髪・歯の状態と食物との関係を調べる。
2,実験・調査・見学等の学習の態度を記述尺度法によって考査する。
3,実験・調査等の記録を提出させ,記述尺度法によって考査する。
4,実験・調査等の熟練の度を,記述尺度法によって考査する。
5,実験の操作の順序を排列法によって考査する。
6,次の事項についての理解の状態を,再生法・選択法・真偽法・組み合わせ法・完成法・訂正法・判定法等によって考査する。
(2) 食品の含有している栄養素について。
(3) 日常の食物とその栄養について。
(4) 食品の貯蔵に関して。
(5) 食物と疾病との関係について。
(一) 指導目標
植物の成長・植物体の構造・物質のとり入れ方・同化・ふえ方・遺伝・品種改良に関して理解する。
(二) 指導方法——生徒の活動
(2) 根・茎などの先端の成長を観察する。
(2) 細胞のふえ方について,特に根の先端の細胞分裂の状態を観察する。
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種子の呼吸の実験をする。
花や葉の呼吸の実験をする。 |
(3) 葉の気孔の開閉のはたらきを調べる。
(4) 葉から水分の蒸発する状態を調べる。(蒸散の実験)
(5) 根・茎から水分を補うことを調べる。
(6) 根から物質を補うことを研究する。水耕法の実験をする。
(7) 窒素・りん・カリ肥料の必要なことを研究する。栽培実験をする。
(8) 炭酸を同化することを研究する。水草の切り口から気ほう(気泡)の出るのを見る実験をする。葉にでんぷんの形成を見る実験をする。
(受精──結実──種子)
(2) 酵母やカビの殖え方を顕微鏡によって観察する。
6,掛け合わせてできた植物を調べる。
7,品種改良について研究する。つぎ木による繁殖法について研究する。
8,品種改良によって作り出される作物の実例を集める。
2,実験・観察等の学習の態度を記述尺度法によって考査する。
3,実験・観察等の記録を提出させ,記述尺度法あるいは一対比較法によって考査する。
4,実験・観察等の熟練の度を記述尺度法によって考査する。
5,実験の操作の順序を排列法によって考査する。
6,次の事項について,再生法・選択法・真偽法・組み合わせ法・図解法・完成法・訂正法・判定法等によって考査する。
(2) 植物体の構造についての理解。
(3) 植物体の物質のとり入れ方についての理解。
(4) 肥料の必要性についての理解。
(5) 炭酸同化についての理解。
(6) ふえ方・遺伝・品種改良についての理解。
(一) 指導目標
どんな動物のどんなところが人生に役だっているか,また人生に害を与えているかを知り,動物の利用についての眼を開くとともに 進んで愛護の気持をもつようになる。
(二) 指導方法——生徒の活動
2,人は動物の利用価値をさらに高めるために,どんな努力をしているかについて話しあい,また論文を書く。
3,動物を飼育することは,どんな意味があるかについて話しあいをし,また論文を書く。
4,動物の飼育にあたって,どんな注意が必要かについて話しあう。
5,野生の動物と飼育動物とを比較してみる。
6,野生の動物が,飼育によってどんなに変わってきたかについて話しあう。
7,動物の品種改良について研究し,話しあう。
8,人生に対する有害な動物について調べる。
9,有害なわけと,防止の方法とについて調べて話しあいをする。特に,ノミ・シラミなどの外部寄生虫,およびサナダムシ・ジストマのような内部寄生虫,ならびにそのなかだちをする動物について,保健の立場から話しあう。
2,観察記録・論文等を提出させて記述尺度法によって考査する。
3,次の事項についての理解の状態を,再生法・選択法・真偽法・判定法等によって考査する。
(2) 動物を飼育する意味。
(3) 動物を飼育する場合の注意。
(4) 動物の品種改良。
(5) 人生に対して有害な動物の種類と有害なわけ及びその防止法。