一、そろばんを使って,加法や減法をすること。
そろばんを使って,加法や減法をさせ,計算能率の向上をはかること。
(二) 予備調査
2.5以上の基数を5と5以下の基数とに分解することができるかどうか。
3.10に対する補数がいえるかどうか。
2.そろばんを用いるときの正しい姿勢を習う。(姿勢を正しくし,そろばんを自分の正面に置いて,左手で軽くそろばんをおさえる。)
3.そろばんに置いてある数を読む。
4.数の位取りとそろばんの位取りとの関係を考える。(定位点の位置について,定位点の用い方について)
5.指の使い方,数のおき方について習い,それを練習する。(珠を入れるとき,そろばんをおさえ,珠を軽くはじいて,他の珠が動かないようにする。また,初めのうちは,食指だけを使うが,必要に応じて,一珠を入れるとき,おや指を使う。)
6.1から10までの数を置くことを繰返えし練習して,基数の構成を考える。数と置かれた珠の形とが結びつけられるように練習する。
7.加法・減法で,基数になる珠の動かし方を練習する。
8.加法・減法を繰返えし練習する。
(2) 5や10に対する補数が容易にいえるかどうか。
(3) 数を正しくおいているかどうか。
(4) 日常生活に,そろばんを使うようになったかどうか。
(2) 減法における計算の仕方がわかっているのか。
(3) 加法・減法が正しくできるか。
(4) 加法・減法の速さ。
二、筆算で加法や減法をすること。
筆算で加法や減法をさせ,計算能力の向上をはかるとともに,数系列の観念を明らかにすること。
(二) 予備調査
2.上の逆算としての減法が暗算でできるかどうか。
3.整数は,1,10,100,‥‥を単位として,書き表わしたものであることがわかっているかどうか。また,位取りの観念が明らかになっているかどうか。
435
+357 |
一の位で,5と7を見て12といって2を書く,10の位で,まず,3を見,繰上った1を加えて4といい,次に,5を加えて9とする。 |
0+3=?
3+4=7, 3+3=6, 3+2=5, 3+1=4
3+0=?
3.減法を,次のような仕方ですることを習う。
654
−429 |
一の位で14から9を引いて5と書く,十の位で,まず,5を見,繰下った1を引いて4といい,次に2を引いて2とする。 |
3−2=1,3−1=2,─→3−0=?
3−1=2,3−2=1,─→3−3=?
(2) 繰下る場合に,繰下った数を引くことを忘れないか。
(3) 日常生活に筆算を用いる能力。
(2) 具体的なことがらに対して加法・減法を用いる能力。
三、暗算で,二位数に基数をかけること。
(基数)×(二位数)=(二位数)
2.位取りについてわかっているかどうか。たとえば
(2) 30×4で30は10を単位として3であるから30×4は10を単位として3×4である。したがって30×4は120である。
4.360+24というような形式の加法が,暗算でできるかどうか。
2.基数に二位数をかける計算をする。(これをそのままで計算してもよいが,被乗数と乗数とを交換して,上の形式に帰着するようにもしてみる。)
3.二位数に基数をかける計算で三位数に繰上るものを習う。
4.0を適当に処理して,上の計算に帰着できるものを習う。
(2) 何回ということが,倍観念として,とらえられているかどうか。
(3) 乗法の記号を用いて,式に書き表わす能力。
(4) 計算ができ易いように,被乗数と乗数とをきめて,計算しているかどうか。
(2) 乗法を日常生活に適用する能力。
四、暗算で,基数ないし三位数を,基数あるいは二位数で割ること。
(三位数)÷(基数)商が二位数で余りなし。
2.0を適当に処理して,上の形に帰着するものができるかどうか。
3.位取りについて,わかっているかどうか。
2.0を適当に処理して,上の除法に帰着できるものを計算する。
3.二位数を基数で割って割切れ,商が二位数となるものを計算する。
4.0を適当に処理して,上の乗法に帰着できるものを計算する。
5.二位数を基数で割って,余がある場合の計算をする。
6.上の乗法で,答えを約幾らと概算してみる。
7.三位数を基数で割って,商が二位数となり,余りのないものについて計算する。
8.三位数を二位数で割る。答えを概算する。
(2) 包含除の意味がわかっているかどうか,また,そのとき除法を使っているかどうか。
(3) 仮商を立てるとき,全く当てもの式によるか,または,除数を適当な位で四捨五入したものを用いているかどうか。
(4) 除法で,答を概算してから,計算に取りかかっているかどうか。
(5) 日常生活に除法を使っているかどうか。
(6) 約という言葉の意味の理解。
(7) 約という言葉を用いる能力。
(8) 除法の記号を用いて式を書く能力。
(9) 余りの意味の理解。
(2) 除法における概算能力。
(3) 日常生活に除法を適用する能力。
五、単位分数の意味を理解し,分母が同じである分数について,簡単な加減法をすること。
あるものを等分したとき,その一部の大きさを教え,また,具体に即して,簡単な同分母分数に関する加法,減法を指導すること。
(二) 予備調査
2.同じ大きさのものを見つける能力。
2.—つのものを,形は違っているが大きさの同じ幾つかの物に分け,それに対して分数を用いることを習う。
3.単位のものを幾つかに分けることから,一に対する分数の意味を考える。
4.幾つかの何分の一の意味を考える。
5.抽象した数について,何分の一の意味かわかる。
6.分母が同じである分数の簡単な加法と減法を練習する。
(2) 具体的なものに対して分数を用いる能力。
(2) 抽象数に対して,何分の一の大きさを計算する能力。
(3) 分数の簡単な加法・減法をする能力。
六、表や絵にかいたり,また,かいたものを理解すること。
日常生活に起こるいろいろなことがらを,表や絵に表わしたり,また,表わされたものを理解したりして,子供の生活を指導すること。
(二) 予備調査
2.長さの割合に,線を引くことができるかどうか。
3.定木を使って,直線を引くことができるかどうか。
4.三角定木を使って,直角を作ることができるかどうか。
5.分類表などを作ったり,また,その表を読んだりすることができるかどうか。
6.ひもで円をかく能力。
2.普通の図では,北を上向きにすることを習う。
3.方位や距離を考えて,ものの位置を図にかき表わす。
4.コンパスの使い方を習う。
5.円の半径,直径について習う。
6.円の直径がその円を二つに分けることを考える。
7.一点からの距離が一定な点は円の周上にあることを考え,二点からぞれぞれきまった距離にある点の位置を,図にかき表わすことや,正三角形・二等辺三角形の書き方を習う。
8.コンンパスを使って,いろいろな模様をかいてみる。
2.縮図の初歩を習い,大きなものの形を図にかくことを練習する。
3.縮尺の表わし方を習う。(実際の長さと図上の長さの割合で書き表わす。)
2.与えられた紙にまとまるように,道順を示すような案内図を書く。また,それを読む。
(2) 円を使って距離の一定なことを示す能力。
(3) 方位を日常生活に使う能力。
(4) 地図や縮図を日常生活に使う能力。
(5) 地図や図を作るとき,大体の略図をかくかどうか。
(6) 日常生活で道順を案内図にかく能力。
(2) 迷路などで,道順の連結状態を明らかにする能力。
七、重さや広さの観念を明らかにすること。
重さや広さの観念を得させ,また,それらを測る方法を教えて,子供の日常生活を合理化すること。
(二) 予備調査
2.軽いか重いかが感覚的にわかるかどうか。
2.広さを比べるのに,ある適当なものを基準として,両方が何倍であるかを調べる。
3.広さの単位として「平方メートル」を習う。
4.矩形・正方形の面積の求め方を習う。
2.重さを測る計器の種類を調べる。
3.計器の取り扱い上の注意について研究する。
4.重さの単位として「グラム」を習う。
5.基準の重さのものを手に持ってみる。また,それをもとにして,いろいろなものの重さを手に持って調べる。
(2) ものの広さを目測する能力。
(3) 計器の取り扱いが十分にできる能力。
(4) ものの重さの概略を知る能力。
矩形や正方形の面積を計算する能力。