次にあげたのは,主な教材が導入される学年を示したものである。即ちその教材によって示される内容が数学的な知識としてとり上げられる学年を示したもので,単に観念として現われる学年を示したものではない。観念として持っているものが,教材として取り上げられるまでの経過は,能力表を見れば理解することができる。また,教材によっては,くりかえし練習の必要なものがある。このような教材についてはもちろんくりかえし練習しなければならないが,これをことさらに教材として取り上げることはしなかった。それ故,この指導内容の一覧表は能力表と子供の発達の様子とを見比べて,適切に取扱われなければならない。
2.100までの整数を読んだり書いたりすること。
3.順序数と集合数との関係及び数の大きさ,順序,それらの関係を明らかにすること。
4.5及び10を単位にして100迄数えたり,2を単位にして20まで数えること。
5.加法と減法の意味及びその相互関係を理解すること。
6.数の構成を明らかにし,加法・減法の基本的な操作を理解すること
7.一つの集合とみなしたり,あるいは数個の集合に分けたりして,その概数をとらえること。
8.絵や模型を使って,物の概略の形や物の概略の配列を表わすこと。
2.二位数から基数,あるいは二位数を引く計算をすること。
3.乗法九九を習得し,等分除・包含除の意味を理解すること。
4.繰り上がりのある加法や,繰下がりのある減法について,概算ができること。
5.長さや容積を測ったり,広さや角の観念を用いたりすること。
6.いろいろな表を作ったり,理解したりすること。
2.筆算で加法減法をすること。
3.暗算で,二位数に基数をかけること。
4.暗算で,基数ないし三位数を,基数あるいは二位数で割ること。
5.単位分数の意味を理解し,分母が同じである分数について,簡単な加減法をすること。
6.表や絵にかいたり,またかいたものを理解すること。
7.重さや広さの観念を明らかにすること。
2.二位数あるいは三位数に,二位数あるいは三位数をかける計算をすること。
3.上の逆算として考えられる範囲の除法をすること。
4.小数や小数点の意味を理解すること。
5.いろいろな図やグラフをかいたり,また,それを用いたりすること。
6.対称形や回転体の基本的な性質を理解すること。
2.小数で割る計算をすること。
3.整数や分数について,倍関係を明らかにすること。
4.歩合や百分率を計算すること。
5.平均や延べを用いること。
6.乗法や除法を,そろばんを使ってすること。
7.表や形を全体としてみること。
8.立体を立方体で作ったり,その体積を計算したりすること。
2.平面図形を正方形で作ったり,その面積を計算したりすること。
3.比の意味を理解し,この観念を量や形に適用すること。
4.函数の観念を理解すること。
2.四則計算の基礎になる法則を理解し,これを用いること。
3.比例・反比例の観念を理解し,これを用いること。
4.直接に量を測ること。
5.投影で立体を表わすこと。
6.単一機械のはたらきを明らかにし,これを用いること。
2.一次方程式を理解し,これを適用すること。
3.座標の観念を理解し,これを用いること。
4.間接に量を測ること。
5.平方数・平方根数や三角比についての表を用いること。
6.力や重心の基本的な法則を理解し,これを用いること。