第十三章 第八学年の数学科指導
一、文字を用いること。
いろいろな量の間にある関係を式に書き表わしたり,また,表わされたものを理解できるようになること。
(二) 予備調査
2.今までに出た簡単な公式を,文字によって書くことができるかどうか。
3.簡単な公式を用いて,数値計算をすることができるかどうか。
4.数の四則計算で基礎になる法則がわかっているかどうか。
(三) 指導方法──生徒の活動
2.文字と数字とを用いた式の書き方を習う。
3.単項式の加法・減法を習う。
4.単項式の乗法・除法を習う。
5.括弧の用法を習う。
6.共通因数を括り出すことを習う。
7.括弧をはずすことを習う。
8.簡単な多項式の乗法を習う。
(四) 指導結果の考査
(2) 日常生活で,式を用いていろいろな関係を表わしているか。
2.テストによって
(2) 単項式の四則計算をする能力。
(3) 式に書き表わすとき,単位をそろえているかどうか。
(4) 簡単な多項式について乗法を行う能力。
(5) 括弧をはずす能力。
(6) 共通因数を括り出す能力。
二、一次方程式を理解し,これを適用すること。
文章を読んで関係ある量を見出だし,その関係を式に書き表わし,それを用いて計算すること。
(二) 予備調査
2.単項式・簡単な多項式についての計算ができるかどうか。
(三) 指導方法──生徒の活動
2.方程式の意味について話し合う。
3.方程式の解法を習う。
4.移項の意味を習う。
5.数字を分母とする簡単な分数の形をした項を持つ方程式の解法を習う。
6.連立方程式の意味を習う。
7.連立方程式の解法を習う。
8.一次不等式の意味を習う。
9.不等式についての基本的な性質を考える。
10.簡単な不等式の解法を習う。
(四) 指導結果の考査
(2) 日常生活に,方程式の考えを用いているかどうか。
(3) 根の意味がわかっているかどうか。
2.テストによって
(2) 方程式を解く能力。
(3) 不等式を解く能力。
(4) 不等式の取り扱い。
(5) 日常生活に起こることがらを,方程式にまとめる能力。
(6) 日常生活に起こることがらを,不等式にまとめる能力。
三、座標の観念を明らかにし,これを用いること。
座標の観念を明らかにして,物の位置をいい表わしたり,方程式・不等式をグラフで解いたりすること。
(二) 予備調査
2.グラフのかき方がわかっているかどうか。
3.数直線についてわかっているかどうか。
(三) 指導方法──生徒の活動
2.平面上の点の位置のいい表わし方について話し合う。
3.一次函数のグラフをかくことを習う。
4.直線の式を書くことを習う。
5.一次力程式をグラフで解くことを習う。
6.連立方程式をグラフで解くことを習う。
7.一次不等式をグラフで解くことを習う。
8.いろいろな問題をグラフで解くことを習う。
(四) 指導結果の考査
(2) 原点・座標軸・縦軸・横軸の意味がわかっているか。
(3) ダイヤグラムなどを読む能力があるか。
2.テストによって
(2) 一次方程式をグララで解く能力。
(3) 直線の式を書く能力。
(4) 一次不等式をグラフで解く能力。
(5) 直線の勾配と係数との関係を知っているか。
四、間接に量を測ること。
量の大きさを計器や図で求められない場合に,計算などによって求めることを指導すること。
(二) 予備調査
2.秤の取り扱い方が身についているか。
3.複雑な物の体積の測り方がわかっているか。
(三) 指導方法──生徒の活動
(重さなどを用いて)
2.長さを,直接に測らないで知る方法について話し合う。
3.速さを測る方法について話し合う。
4.面積を計算で求めることについて話し合う。
5.面積を重さなどで測ることについて話し合う。
6.体積を計算で求めることについて話し合う。
7.体積を重さで測ることについて話し合う。
8.重さを体積で測ることについて話し合う。
9.三平方の定理を習う。
10.三平方の定理を用いて,長さを計算する。
11.三角比を用いて,長さや角を計算する。
(四) 指導結果の考査
いろいろな量の大きさ測り方を工夫しているか。
2.テストによって
(2) 錐体の体積や目方を計算する能力。
(3) 直角三角形を解く能力。
(4) 二辺とそのはさむ角を知って,その三角形の面積を求めること。
(5) 副尺の読み方
五、平方数・平方根数や三角比についての表を用いること。
平方数・平方根数・三角比の意味を理解して表の構成を知り,またその表を使用する能力を養うこと。
(二) 予備調査
2.一次式で表わされる変化の変化率が一定であることがわかっているか。
(三) 指導方法──生徒の活動
2.平方表の使い方を練習する。
3.平方根数の意味について話し合う。
4.平方根表にある比例部分が,どうしてできたものであるかということについて話し合う。
5.平方根表の使い方を練習する。
6.三角比の意味について話し合う。
7.三角比の表の比例部分の意味について話し合う。
8.三角比の表の使い方を練習する。
(四) 指導結果の考査
(2) 変数のわずかな変化を考えると,それの変化率が一定であるとみられることがわかっているか。
(3) 日常生活に表を用いて,計算能率を高めているか。
2.テストによって
(2) 平方数・平方根数の表を用いる能力。
(3) 正弦・余弦・正接の意味が理解されているか。
(4) 三角比を用いる能力。
(5) 三角比の表を用いる能力。
六、力や重心の基本的な法則を理解し,これを用いること。
重心の位置とその意味,力の合成・分解の仕方を明らかにして,これを用いて物の坐りやいろいろな機械のはたらきを明らかにし,生活を合理化すること。
(二) 予備調査
2.仕事の観念が明らかになっているか。
3.三角比の意味が理解されているか,また,これを用いることができるか。
4.質の均等なものを真中で支えると,水平に支えられることがわかっているか。
(三) 指導方法──生徒の活動
2.構造物などで,力がどんなに働いているかを調べる。
3.重心の意味とその位置について話し合う。
4.物の坐りの安定度について話し合う。
(四) 指導結果の考査
(2) 安定しているかどうかという考えで,物をみているかどうか。
(3) 物を作るとき,安定ということを考えているか。
2.テストによって
(2) 斜面やねじの働きを理解しているか。
(3) 日常生活に力の合成・分解を用いているか。
(4) 一般の力に対する回転能や仕事の意味の理解。
(5) 物の坐りの安定度についての理解。
(6) 水平面・鉛直線の意味の理解。