一、小数をかける計算をすること。
整数あるいは小数に,小数をかける計算を指導し,計算の合理化をはかること。
(二) 予備調査
2.小数に整数をかける計算ができるかどうか。
3.小数点の位置及びその移動についての理解がどの程度であるか。
2.験算の仕方を考える。
3.小数に小数をかける計算をする。
(2) 小数をかける計算の意味の理解の程度。
(2) 日常生活に,上の計算を適用する能力。
二、小数で割る計算をすること。
整数あるいは小数を,小数で割る計算を指導し,計算の合理化をはかること。
(二) 予備調査
2.小数を整数で割る計算ができるかどうか。
3.分数では,分母・分子に同じ数をかけても,あるいは同じ数で割っても,その値の変わらないことが,わかっているかどうか。
2.小数で割る計算で,商の概数を求めることを習う。
3.小数で割る計算を分数に直して計算する。
(2) 普通の除法についても,除数が1/10,1/100,1/1000,‥‥になれば商が10倍,100倍,1000倍,‥‥になること及び,除数が10倍,100倍,1000倍になると,商が1/10,1/100,1/1000,になることを用いているかどうか。
(2) 日常生活に,上の計算を適用する能力。
三、整数や分数について倍関係を明らかにすること。
二つの整数について,あるいは二つの単位分数について倍観念を明らかにし,計算の合理化をはかること。
(二) 予備調査
2.単位分数を大きさの順序に並べることができるかどうか。
2.倍数・約数の意味を話し合う。
3.倍数・約数の数系列における位置を考える。
4.単位分数について,倍関係を考える。
(2) 倍数・約数という言葉の意味を理解しているかどうか。
(2) 分数の分子・分母に同じ数をかけても,また,同じ数で割っても,その値の変わらないこと。
四、歩合や百分率を計算すること。
日常生活に起こることがらについて歩合や百分率を計算し,割合の観念を明らかにして,新聞や雑誌にあらわれるいろいろな歩合や百分率を理解する能力,及び日常生活に歩合や百分率を用いる能力を養うこと。
(二) 予備調査
2.分数を,分母が100である分数に直すことができるかどうか。
2.四捨五入の意味について話し合う。
3.歩合の意味について話し合い,この計算を練習する。
4.ある量の何割を,歩合の意味から求めてみる。
5.百分率の意味について話し合い,この計算を練習する。
6.目的に応じて正確度を定め,歩合や百分率を計算する。
7.百分率が100より大きければ,その量が増したことを示し,100より小さければ,その量が減ったことを示すものであることを話し合う。
8.速さの計算をする。
(2) 新聞,雑誌等にある歩合や百分率の意味がわかっているかどうか。
(3) 割合を歩合や,百分率のほかに,どんな方法を用いて表わしているか。
(2) そのほかの方法で割合を表わす能力。
(3) あるものの何割を計算する能力。
(4) 四捨五入の意味の理解。
(5) 四捨五入をする能力。
(6) 概数をとって,歩合や百分率を計算する能力。
五、平均や延べを用いること。
平均や延べの考えを理解し,日常生活にこれを用いて,生活の合理化をはかること。
とくに、平均時間や延時間を用いること。
(二) 予備調査
2.ならすという言葉の意味がわかっているかどうか。
3.延べの考えを,観念としてらもっているかどうか。
2.平均の計算,特に平均時間の計算をする。
3.延べの意味について話し合う。
4.延べ時間の計算をする。
5.不十進諸等数についての乗法及び除法を習う。
(2) 日常生活に平均とか延べとかいう言葉を用いるかどうか。
(2) 延べの計算。
(3) 不十進諸等数に整数をかける能力。
(4) 不十進諸等数を整数で割る能力。
六、乗法や除法をそろばんを使ってすること。
そろばんで,三位数あるいは四位数に整数をかけたり,三位数あるいは四位数を整数で割ったりする計算を指導し,珠算による乗法・除法の仕方の基本を理解させること。
(二) 予備調査
2.そろばんの位取りができるかどうか。
3.そろばんで加法ができるかどうか。
4.そろばんで減法ができるかどうか。
2.珠算による除法の仕方を習う。(筆算の仕方と比べて,除数と商との部分積を引く位置に注意して)
(2) 日常の簡単な除法に珠算を用いているかどうか。
(3) 部分積を置く位置を間違わないかどうか。
(4) 小数についての乗法や除法で,位取りを間違わないかどうか。
(2) 整数や小数についての除法。
七、表や形を全体としてみること
統計表などをみるとき,全体としてみて,その大勢を知ってから個々の計算にうつるとか,物の形等をいい表わすとき,全体としてみて,その特徴をとらえてから,細かい形の性質について調べるとかする態度を養うこと。
(二) 予備調査
2.形の概略をとらえて,図に書く能力があるかどうか。
2.与えられた表(統計表などで,概数をとると,そこにある量の割合が簡単な比になるもの)を比の関係を用いて調べる。
3.いろいろな数で表わされた表を見て,その大勢について話し合う。
2.平行四辺形・ひし形・てい形などの言葉について話し合う。
3.平行線をかき,その性質を話し合う。
4.いろいろな四辺形の間にある関係について話し合う。
5.複雑な形を簡単な形に分解していく。
6.分解したものから原の形を構成する。
7.形とその物の機能との関係を調べる。
8.形が同じものをみつける。またその図形から形が同じものの性質を考える。
(2) 新聞や雑誌にある表について,その表にある概数をとらえて,処理したり,処理の結果をたしかめたしているかどうか。
(3) 物の形の特徴をとらえて,その物をスケッチしているかどうか。
(4) 平行線が正しく引けるかどうか。
(2) 平行四辺形・ひし形をかく能力。
(3) 相似な立体図形の基本的な性質の理解(相似な立体図形では,縦・横・高さの割合が同じであること。また,体積の割合は,相似比の三乗になること)
(4) 表にある数を簡単な整数比としてとらえて,その大きさの割合の概略を知る能力。
八、立体を立体で作ったり,その体積を計算したりすること。
立体について,次の二つのことがらをわからせる。
2.立体の体積を計算すること。
2.立体の大体の形をとらえることができるかどうか。
2.屋根の傾斜面のようなものを,立方体で構成するには,どんなにしなければならないかを考える。
3.上のようなことや,割り切れない除法のことなどから,極限の意味を考える。
4.立方体の体積を計算する。
5.図形についての量の単位について話し合う。
(2) 上のような能力を使って,立体の図をかいているかどうか。
(3) 立体の体積の観念を用いて,生活を合理化しているかどうか。
(2) 直方体を組み合わせてできていると考えられるものを,直方体に分解する能力や,その体積を計算する能力。
(3) 日常生活に起こる問題に対して,体積の計算を用いる能力。