第三章 英語に対する社会の要求
英語に対する社会の要求
教材を選ぶには二つの基準がある。英語に対する社会の要求(social needs)と生徒の興味とである。生徒は社会が求め,社会から受けいれられる一員になるのであるから,社会の要求を明らかにし,生徒の興味を考慮して教材を選ばなければならないからである。
社会は常に変わって行くので,英語に対する社会の要求もまた常に変わって行く。それゆえ社会の要求はしばしば調査する必要があるのである。
社会の要求についての調査
毎学年のはじめに,生徒の父兄や種々の職業人に対して次のような質問書を送って回答を求め,指導の計画と実行との資料として活用するのがよい。
(三)書き方では
二. あなたの職業には英語のどんな能力と知識が必要ですか。
(三)書き方では
調 査 表
この「学習指導要領」(Course of Study)と教科書とを作る前に,昭和21年10月東京都内の中等学校生徒の父兄約1000名について調査した結果は次の通りである。
二. 英語の学習において次のうちどの項目に重点をおくことを望みますか。
読み方と解釈 67 語 集 3
作 文 26 習 字 1
三. 次のうちどれを読ませたいと思いますか。
外国の風俗,習慣 43 自然と科学 27
手紙,日記 42
昭和22年度の「学習指導要領」と教科書とは,この調査の結果を資料として作られたのである。
東京と地方とでは大きな差異があるのであろうから,それぞれの地方においてこのような調査の行われることが望ましい。