第五節 辞書の利用について
(二) 辞書をひくことによって、その誤りを正し、まちがいのないものにすることが大切である。
(三) 児童・生徒の国語学習において、できるだけ辞書を活用することが望ましい。
(四) 辞書を利用することによって、語いを豊かにし、ことばを正しくし、しかも、興味ふかく学習することができる。
(五) 辞書の利用によって、ものごとに定義をつける習慣をやしなうことができる。
二 現在の辞書について
(二) 日常主として使用するものには、百科辞典・漢和辞典・国語辞典などがある。
(三) 辞書を児童の学習につかうばあいには、教師は、細心の注意と準備とをもって、その選択・活用法などを指導しなければならない。
三 児童・生徒の学習辞書について
児童・生徒用の学習辞書は、つぎのような条件を備えていることが望ましい。
(二) 製本・ていさい・組かた・そうていなど、すべてよく吟味してあること。
(三) 文章はすべて、児童・生徒の生活言語によって表記され、表記法が統一されていること。
(四) ことばの定義・意義などが正しいこと。
(五) できるだけ用例によって説明されていること。
(六) 図絵などによって、たやすく理解させるようにしてあること。
(七) 引きかたが簡単で、つかいやすいものであること。
(八) ことばの構造や用法がはっきり示されていること。
四 辞書利用についての一般的注意
(二) その辞書の特色をのみこんで、十分に利用できるようにする。
(三) これに親しみ、その価値を体得していく。
(四) 辞書によって、発音の書き表わしかたが違っているものがあるから注意する。
(五) 調べようとすることばや、ことがらの意味を正しくとらえる。
(六) 一つの辞書で理解できないときは、他の辞書をひくようにして、あくまでも研究的であること。
(七) ことがらや、ことばの意味をしらべるだけでなく、図絵もよく参照すること。
(八) 辞書をひくことは、ことばのいいかえを知っていくことではない。そのことばや、ことがらを自分のものとして、生活の中に生かすためであることを忘れないようにする。
(九) 辞書に賴りすぎて、自分でくふうしたり、思索したり、考えたりする態度を失ってはならない。
(十) 辞書使用が学習上の負担にならないように注意する。
五 辞書に興味をもたせるにはどうするか
(二) 自分の疑問が辞書によって、解決した喜びを感じさせる。
(三) はやく、たしかに辞書がつかえるように、そのつかいかたになれさせる。
(四) かんたんな辞書をつくらせる。
2 集めたことばを、自分の考えかたで、分類してみる。たとえば、連想語を集めるとか、同じへんの字、同じかんむりの字、同じつくりの字など書いてみるとかして、国語教科書のことばを整理して辞書ふうにまとめる。
3 他教科で学習したことがらを整理し、それに注解を加えて、辞書をつくってみる。
4 国語の教材と結んで外来語を集め、整理する。