第七章 第八学年の学習指導法

 

 単元3.金  工

 日常生活において金属製品は相当重要な役割を占めている。金属材料の持っている特性によって,他のものでは果たすことができないたいせつなはたらきをしている。それだけにまた木工品などに比べて製作もむずかしい。金属を材料として工作するには,板金工作・鍛造・鋳造・彫金・メッキ等いろいろあるが,板金工作を除いては,いずれもその作業にはかなりの技術と設備とを必要とし,また材料を手に入れることもむずかしい。板金加工は加工の方法も比較的容易であるし,材料もある程度のものは準備できる。この単元の製作物としては,できるだけあきかんなどを利用できるものを選んだ。現在金属製品は高価でもあり手に入りにくいので,廃物を利用して製作をしたり,修理したり,日常生活に役立たせるよう指導する。板金工作をするにあたって学習しなければならない基礎的な事がらは次のようなものである。

   意匠の考え方

   工作図の描き方

   材 料

   けがきのしかた

   裁断のしかた

   折り曲げのしかた

   はんだづけの材料と工具

   はんだづけの方法

   びょうによる接合の方法

   折り曲げによる接合の方法

   しぼりの工作のしかた

   透かし彫りの方法

   わが国の透かし彫り

   塗料の種類

   塗装のしかた

   製品を買うにあたって必要なこと

   日常生活での応用

   学校における製作と工業生産との関係

 単元4.電  気

 日常生活に電気の応用される範囲はだんだん広くなって来ているので,電気についての簡単な知識と技術を持っていれば日常生活に役立つことが多い。日常生活に応用されている程度の電気についての技術はそんなにむずかしいものではないが,これにはある程度の知識と,木工・金工の技術が必要であるので,木工・金工の次にこの単元を学習することが適当であると思われる。

 この単元では,電気についての知識を養うために,製作のほか二,三の実験も加えた。この単元を指導するにあたって学習しなければならない基礎的な事がらは次のようなものである。

   発  電

   直流と交流

   導体と不導体

   導体の形と抵抗

   オームの法則

   直列と並列

   電  線

   電流による発熱

   電熱器

   電線の安全電流

   配  線

   短  絡

   保護装置

   電気による発光

   電  球

   電流の磁気作用

   変圧器

   製品を買うにあたって必要なこと

   日常生活における応用

   学校における製作と工業生産との関係

   電線のつなぎ方

   コードと配線器具とのつなぎ方

   クリートの取り付け

   木台の取り付け

   木  工

   板金加工

   はりがね細工

   塗  装