第三章 教   材

 

 教材は,日常生活を豊かにし,日常生活に直接に役立つような経験を与えるものを選ばなければならない。これらの経験は,日常生活に役立つものを製作したり,使用したりする手の技術と,正確に物事を処理したり,製作したりする技術と,知的に物事を処理するための計画を立てる技術を形づくるものである。したがって教材は,次の点を選択の基準として選んだ。

(1)現在及び将来の生活の必要をみたすのに直接役立つものであること。

(2)日常使用するものを正しく,注意深く使用することを学ぶのに役立つものであること。

(3)環境をよく理解し,生徒みずからの努力によってよりよいものにしようとする意志を伸ばすことができるものであること。

(4)生徒の興味や能力に適したもので,また,材料や道具がたやすく得られるものであること。

(5)生徒に自己信頼の感を与え,かれらの能力に対して満足と誇りを与えるようなものであること。

(6)学校においてのみならず,家庭においても実習の機会が十分与えられ,それによって十分に個性を伸ばすことができるものであること。

(7)将来の職業の選択に対して役立つような基礎経験を与えるものであること。

 以上の点を考慮し,単元として木工・竹工・金工・電気・やきもの製作・コンクリート工・織物及び染色を選んだ。各単元における製作物としては次のようなものが考えられる。しかしこれは一つの例であり,生徒及び教師の意見,生徒の環境や発達の程度,学校の設備や教師の配置の状態等を考慮し,単元の選択,製作物の選択,各単元の時間の配当,指導の順序等を適宜取捨し変更することが望ましい。また,練習の機会を十分に与え,みずからの個性や適不適を知らせるために,一つの単元を技術や知識の程度に応じて各学年に分配して指導してもよい。

 次に,各学年に対する単元の配当と,時間の配当と,各単元における製作物の例をあげるが,必ずしもそれらはその学年だけに限られているものではない。

第七学年

単元1.木  工 70%

1.ちりとりの製作

2.本立の製作

3. スケッチ箱の製作

4.額ぶちの製作

5.いすの製作

6.机の製作

単元2.竹  工 30% 1.衣紋かけの製作

2.竹ぼうきの製作

3.花筒の製作

4.物置台の製作

5.竹かごの製作

第八学年

単元3.金  工 60%

1.筆立の製作

2.バット(角型容器)の製作

3.しゃくしの製作

4.ローソク立の製作

5.盆の製作

6. たばこセットの製作

灰おとし

マッチ立

たばこ入

単元4.電  気 40% 1.電池を使った点燈

2.配線の工事

3.電球を使ったいろいろな実験

4.電気スタンドの製作

5.電気コンロの製作

6. ベルを使ったいろいろな実験

第九学年

単元5.やきもの製作 30%

1. さらの製作

2. 茶わんの製作

3. ふた物の製作

4.きゅうすと水差の製作

5.花びんの製作

6. 動物と人物の模型の製作

7.おもちゃ(人形・はと・すず)の製作

単元6.コンクリート 30% 1.歩道ブロックの製作

2.コンクリート歩道の工事

3.コンクリートの流しの製作

4. コンクリートの腰掛の製作

単元7.染色と織物 40% 1.綿糸の染色

2.毛糸の染色

3.しぼり染めによるふろしきの製作

4.描き染めによるテーブルセンターの製作

5.こうしじまの灰ざら敷の製作

6.ネクタイの製作

7.つづれ織りの製作