第七章 第六学年の家庭科指導

 

 第六学年の指導内容

 六学年は全く前青年期である。思考は現実的・論理的となるから,いろんな生活方式の合理性を探究させるによく,まだ機械的記憶が盛んであるから,主要食品の栄養価などは,好んで暗記するであろう。物を収集する興味によって,小ぎれを集めたり,台所用品の広告やカタログなどを集めたり,食べられる野菜を採集したりさせるのもおもしろい。以下家族の保健衛生を中心題目として,この学年の指導内容の基準としての試案を示すことにする。

第 一 学 期

第 二 学 期

第 三 学 期

単元(一) 健康な日常生

 活

 A 家族の健康

 B 住居と衛生

 C 運動具・遊び道具

  の製作・修理(男)

 D 運動服の製作(女)

 E 簡単な洗たく

 F 食物のとり方

単元(二) 家庭と休養

 A 適当な眠りと休息

 B 家具・建てつけの

  手入れ(男)

 C 寝まき又はじゅば

  んの製作(女)

 D 家庭の楽しいひと

  時

単元(三) 簡単な食事の

 支度

 A 蒸しいも

 B 青菜のひたし

 C いり卵

 D 台所用具とその扱い方

単元(四) 老人の世話

 

1 目   標

(1) 明かるい家庭生活に家族の健康がどんなに必要であるかを理解する。

(2) 家族の健康のために,家族のみんなの心がけなければならない事を理解する。

2 指導の方法──児童の活動

(1) 家族のだれかが病気の時の家族の心配,骨折り,失費などについて話し合う。

(2) 家族のものの病気やけがが,家庭生活をくらくすることについての経験の発表,話し合い。

(3) 病気やけがをしないための,ふだんの心がけや習慣について話し合う。

安全第一

清潔法

食物のとり方

運動のし方

休養のし方

(4) 今年の学習計画を,だいたい上の線に沿って追求することにきめる。

3 指導結果の考査

 健康保持のための心がけについて,再生法・組み合わせ法・訂正法等によって考査。

 

1 目   標

(1) 保健のために清潔の必要なことを理解する。

(2) 住居や器物等にふだんの清潔法を実行する習慣を養う。

(3) 目下の困難な住宅事情を少しでも気持よく衛生的であるように工夫する態度を養う。

2 指導の方法──児童の活動

(1) 家庭において,とかく不潔になりやすい所と物とを調べる。話し合いによってまとめる。

 [まとめ方一例]

(2) それぞれに適当な清潔法について話し合う。特に台所は食物調理の場所であるから,各自の家の台所についての考察点を話し合ってきめる。

(3) 清潔の実行方法を問題とし,もっとよく清潔を保つ方法はないかを話し合う。一週とか,月とかで定期的にする掃除,臨時に行う大掃除,近所と共同でしなければならない掃除などを研究する。

(4) 目に見えない不潔を指摘する者があったら,次のような問題を話し合う。

(5) 害毒を媒介する動物の防除について話し合う。(備考参照)

(6) 下水とかちり捨て場とかの不潔になっている所を手分けして調査する。

できれば協同して薬剤をまくとか,さらえるとか,ちりを焼くとか,肥料に利用するとか,適宜の処置をする。

3 指導結果の考査

(1) 窓の開閉が宜しきを得るようになったかどうかを観察。

(2) 夕オル,ハンカチ・下着類及び頭髪やつめや手足などの点検。

(3) 外出から帰ったらうがいをするか,食前に手を洗うかなど,衛生上の習慣を観察する。

 

1 目   標

(1) 手製器具の有利さを認め,これに興味を持つ。

(2) 物をたいせつにする良習慣を養う。

(3) 工作能力の発展。

2 指導方法──児童の活動

(1) 手製運動具・遊び道具等を集めて陳列する。

(2) それらの実費・耐久性等を商品と比較してみる。

(3) 運動具・遊び道具等の製作を計画し,製図する。

(4) 運動具・遊び道具等の手入れを要する個所を調べ,方法を研究する。

(5) 実習。

 

1 目   標

(1) 最も活動に適する表着の形を理解する。

(2) 適切な村料を選ぶ能力を養う。

(3) 裁ち方・縫い方の基礎,特に上衣のえり,下衣の上部の始末についての技術を習得する。

(4) たびたび洗たくすることの必要とその方法を会得する。

2 準   備

 運動服のほかに,シャツ及び普通のブラウスや下ばきのでき上がり標本,少なくとも大中小三つの型紙。

3 指導の方法──児童の活動

(1) 運動服のいろいろな実物見本・写真・絵等を見る。

(2) 形について標本を観察し,又使用の目的から,運動服としての特徴を話し合う。

(3) 材料の選択について話し合う。

 はげしい活動と,たびたびの洗たくに耐えることを主眼として,適当な布地の選択要領が決定される。みんなで,得られた材質の目的に対する評価をする。

(4) 製作

(5) でき上がったら,運動してみて,自分で評定し,話し合う。

(6) 平常の手入れ,特に汗のついた場合の処置を話し合う。

(7) 洗たくの問題を発見する。

4 指導結果の考査

(1) 製作品について記述尺度法による考査。

(2) 運動服の特徴について,再生法・真偽法・完成法等による考査。

 

1 目   標

(1) 保健と容儀と経済の上から,洗たくが必要であることの理解。

(2) 早めに洗たくすることの必要の理解。

(3) 洗たくの技術の習得。

(4) 簡単な洗たくを,手まめに実行し,いつも身なりを清潔にする習慣の養成。

2 準   備

 実習用の汚れ物,洗たく用具,洗剤,前掛など。洗たく用水。

3 指導の方法──児童の活動

(1) 各自の家庭の洗たくの状況について調査する。

(2) 洗たくの必要と,早めに洗たくすることの有利な理由を,持ち寄った汚れ物を中心として話し合う。

(3) 洗たく手順や方法の話し合い。

 しゃがんだ姿勢と立った姿勢,腰掛けた姿勢などの検討。

 下洗い,本洗いの区別とその理由。

 洗たく用水の量,洗剤の種類や分量,洗い水の温度,洗い方の手法の得失。

(4) 実習(洗たく設備のない所でも,なるべく工夫して実習する)

(5) すすぎ方,干し方の実習。

(6) 実習後の話し合い。

 どんなしばり方をしたか,何度すすいだか,どんな場所を選んで干したか,干す時にどんな注意をしたか,どんな道具があったら便利であるか。

(7) 後始末の成績を,みんなで査察し,話し合う。

(8) 仕上げ実習。

4 指導結果の考査

(1) 洗たくの技術,仕上がり品について記述尺度法による考査。

(2) 再生法・真偽法・完成法等による洗たくの必要や方法についての理解の考査。

 

1 目   標

(1) 家族の健康を保つ上に,栄養のたいせつなことを理解する。

(2) 食品に対する興味を深め,進んで研究的態度を養う。

(3) 正しい食事の態度と心構えを作る。

2 準   備

 主要食品の分析表,完全な栄養弁当の見本。

3 指導の方法──児童の活動

(1) 「病は口より入る」ということわざについての話し合い。

(2) 自分やほかの人の病気の原因についての発表。

(3) 食物を食べなければよいか,食べれば何でもよいかについての話し合い。

(4) 自分の毎日食べている食物についての調査,その分類。

 [例]

(5) 空腹の時,満腹の時の気持の発表,話し合い。

(6) 口から入った食物が,体内で,どんな働きをするかについての研究。

(7) 消化や吸収の経路を,図によって見る。自分で図をかく。

(8) 栄養を営むのは,食物のうちのどういうものかを研究する。

(9) 主要食品についてその栄養価を研究する。

(10) 自分の弁当の食品の栄養価を調査する。

(11) 自分の弁当の栄養価を研究し計算する。

(12) 児童の発育と必要な栄養価を研究する。

(13) 自分の弁当の栄養価と,標準になる栄養価とを比較して表と作る。

(14) 自分の朝夕の食物を調べて,その栄養価を研究する。

(15) 自分の食物には,どういう栄養素が足りないかを研究する。

(16) 栄養価を十分にするためには,どうすればよいかを話し合う。

(17) 保健の上から,食事についての注意を話し合う。

(18) 食事の際に実行している礼法を調べる。話し合う。

4 指導結果の考査

(1) 健康と栄養との関係についての理解を考査──再生法・真偽法・判定法・完成法等。

(2) 研究の報告をさせ,記述尺度法によって考査。

 

1 目   標

(1) 家庭は心身の最もよい休養の場所でなければならないことを理解する。

(2) 家族の健康保持のために,適当な休息と睡眠とに注意する必要があることを理解する。

(3) 休養のために住居やその設備あるいは被服等に必要な考慮を払う態度を養う。

(4) 睡眠についてのよい習慣を発展させる。

2 準   備

(1) その地方の一般家庭の寝室,寝具その他睡眠,休息に関する風俗習慣の調査。

(2) 児童の睡眠時間の調査。

(3) 睡眠に関する児童の習慣,習癖の調査──例えばよいっぱり,朝寝ぼう,寝行儀,歯ぎしり,寝ごとなど。

3 指導の方法──児童の活動

(1) 各自の家族の睡眠時間,その他眠りの事情(寝室・寝まきなどの如き)の調査。

(2) よく眠れない時は,どんな気持ちがするかの経験についての発表。

(3) 休まないで動き続けた時の経験についての発表。

(4) 運動したり,勉強したりして疲れた時,それをどうして直すかについての話し合い──仕事をかえる,遊ぶ,茶をのむ,食べる,休む,眠るなどのうちで,休息と眠りとの大切なことの発見。

(5) 家族のものの休息の方法と場所と設備などについての調査──横になる,

 半臥の姿勢をとる,あんま,入浴,茶をのむなど。

(6) いろいろな休息の方法について,その意味を研究する。

(7) 休む場所として種々なものがあるが,家庭が最もたいせつな場所であることについての話し合い。

(8) 睡眠結果の調査について,その差がどこから来るかについて,いろいろな角度から研究する。

(9) 眠りの時間の多少の原因について研究する。

(10) 自分の眠りの時間が多いか少ないかについて標準時間と照らし合わせて研究し,又その原因を研究する。

(11) よく眠るにはどうしたらよいかを話し合う。

(12) 自分の家についてよく眠る条件に合うかどうかを研究し,これに対する処置を研究し,発表する。

(13) 夢をみる原因について話し合う。

(14) よく眠るために寝具や寝まきについての考えを話し合う。

(15) 寝具の敷き方,あげ方,清潔,日に干すことなどについて話し合う。

(16) 寝まきの手入れについて話し合う。

4 指導結果の考査

(1) 学校における課業と遊びの転換,適度の休息をとるようになったかどうかを記述尺度法などで考査。

(2) 早寝早起きの習慣についての児童の記録によって考査。

(3) 家庭の観察によって,眠りの状態の向上について考査。

 [備考]

 

 

 

1 目   標

 五年二の5に同じ

2 指導の方法──児童の活動

(1) 家具や建てつけの手入れを要する個所を調べて来て,目録を作る。例えば戸障子のきしみ,金具のさび,回転部の不調,その他ほつれ,ねじれ,ひわれ,ひずみなど。

(2) 手入れ法の討議と実習。

 例えは,とぐ,油をひく,ろうをひく,油をさす,洗う,分解して掃除するなど。

 

1 目   標

(1) 睡眠中の衛生と容儀の点から寝まきの形をきめることを理解する。

(2) 寝まきやじゅばんは,たびたび洗たくする必要のあることの理解。

(3) 洗たくに耐える材料を選ぶ途を会得する。

(4) 裁ち方・縫い方の基礎を習得する。

2 準   備

 教師‥‥実物標本,部分標本,型紙

 児童‥‥裁ち紙,用布

3 指導の方法──児童の活動

(1) どんな形の寝まきを用いているか,又知っているかについての発表。

(2) 寝まきの種々な標本,写真,絵を見る。

(3) どんな形が子供に一番よいかを話し合う。

(4) 自分で縫う寝まきの形を決定し,そのわけを発表する。

(5) 製作の計画を立てる。

 A 上衣の一 シャツから発展した形

 B 上衣の二 筒そで上衣

 C 下衣

 Aの取の扱い方にならう。

4 指導結果の考査

(1) 製作品について 記述尺度法によって考査。

(2) 図解法・排列法等によって,寝まき又はじゅばんの部分,裁ち方,縫い方の順序等について調査。

 

1 目   標

(1) 家族と楽しみを同じくすることのできる性格を発展させる。

(2) なるべく多くの楽しみ方を覚える。

(3) 家族と楽しみを同じくして,我を張らず,不平を言わぬ態度を養う。

2 指導の方法──児童の活動

(1) 家庭の娯楽の種類の共同調査と話し合い(社会科で学習している場合は,それを利用できる)。

 [例]

(2) 各種の遊び方の得失について話し合う。(例えば,少数でしか遊べないものと大勢で楽しめるもの,単純でたわいないものと,熟練を要し,実力の差がはなはだしくておもしろくないものなど)。

(3) そのうち,みんながやってみようというものをきめ,規則や方法等をくわしく研究し,話し合う。

(4) 遊び終ったら,たがいに遊び方の態度を批判し,話し合う。

(5) うちで実際に遊んだ結果について報告し,どうすればもっとおもしろく遊べるか,,どういう場合におもしろくなかったかなどを話し合う。

(6) 遊びの結果,家庭に寄与した点があれば,それを報吉する。

(7) 教師は,心の休養の場所としての家庭の意義を取り上げて問題とし,家庭にこれををはばむなんらの暗い所もないようにするのが,家族全員の責任であり,主婦のとりわけ心を配らなければならないところであることを話して聞かせる。そうして,児童が積極的に家庭の諸関係へ働きかけることを期待する。

3 指導結果の考査

(1) 級友との遊びの態度について記述尺度法で考査。

(2) 父兄の報告を求めて考査。

 

1 目   標

(1) 食事の支度を手伝うことによって,食生活に深い関心を持つ。

(2) 自分で調理することによって,調理の喜びを感じ,進んで工夫・発展しようとする態度を養う。(特に男子にも緊急の場合キャンプ生活の場合などのための興味を起させる)

(3) 蒸し方の要領を会得する。

(4) 蒸し煮の要領を会得する。

(5) 蒸し器の特徴とその要領を理解する。

(6) いり卵の要領を会得する。

2 指導の方法──児童の活動

(1) キャンプとか遠足の計画を立て,男女共に,その人数や食事回数によって,どのくらいの量の食物がいるかなどを考え,持って行くいも,卵,野菜などを話し合う。この場合,特に男の子のみの場合の案を立ててみてもよい。

(2) この話し合いを通して,男子は,自分たちも食事の支度について知っていなければ困ることのあることを覚る。

(3) 簡単な調理にも,いろいろな方法のあることを知るとともに,野外のはだか火で蒸し器もないような場合,どうするかなどを話し合う。

 

1 準   備

 さつまいも適量,塩はいもの目方の百分の一,教師は種類のちがった蒸し器をなるべく多く用意する。

2 指導の方法──児童の活動

(1) 蒸しいもを食べた時の経験について,そのできあがり工合,おいしさ等を発表。

(2) 各自の家の蒸し器について調べて,図説する。

(3) 用意された種々の蒸し器について話し合う。

(4) 蒸し方の計画を立てて話し合う。

(5) いもを用意する。実習。(さつまいもは洗って,いたんだ部分だけ取り去り,一部分は1cmくらいの輪切りにし,他はなるべく大きさを一様に切り,そのうち三つ四つめ目方を測ってみることにする。)

(6) 蒸し方の研究

3 指導結果の考査

 再生法等で蒸す手順,方法などを考査。

 

1 準   備

 なるべくあくの少ない青菜 200g しょうゆ 20cc

2 指導の方法──児童の活動

(1) 菜のひたしを作るには,どんな方法があるかを話し合う。

(2) 菜に含まれている灰分やビタミンを逃がさないようにするには,どうしたらよいかを話し合う。

(3) 作り方の実習

(4) あくの強いものはどうするかについて研究する。(蒸し煮にして水にさらすか,ゆでるかする。)

(5) ゆでる方法と蒸し煮にする方法とどちらがよいかを,実地に研究し,結果について発表する。

3 指導結果の考査

 再生法等によって作り方・手順等についての理解を考査。

 

1 準   備

 鶏卵1個 塩0.5g  砂糖3g 布き油少量 なべ はし

2 指導の方法──児童の活動

(1) いも・青菜・卵の栄養価を調べて比較する。

(2) 卵の栄養上の特質,卵が少なかったり,あまり高価であったりする場合は,何がその代りになるかを話し合う。

(3) 調理実習

3 指導結果の考査

 調理法の手順などについて,再生法・排列法などで考査。

 

1 目   標

(1) 調理用具の初歩的な使用法を会得する。

(2) 計器の用途と食品計量の意義を理解する。

(3) 自分の力又は家人への協力により,台所を科学的にすることの興味と関心とを養う。

2 準   備

 できるだけの台所用品の調査。

3 指導の方法──児童の活動

(1) 「簡単簡単な食事の支度」の経験から,台所用品の意味を話し合い,問題を発見する。

(2) 各自の家庭についての調査によって 台所用品を便宜な方式で分類する。

(3) 最も普通な調理用具とその扱い方の研究と実習。

(4) 台所用計器とその扱い方の研究と実習。

(5) 実習からの発展として,けがの手当法に及ぶもよい。

(6) 台所用具の便不便の検討から,備え附けの多寡が問題となったら,「道具は仕事の半分」ということ,道具立ては簡素にして,変化は縦横の技能を養うことについて話し合う。

4 指導結果の考査

(1) 調理用具,計器の使用を実施して,その技術について記述尺度法等で考査。

(2) 調理用具や計器などの使用上の注意について,再生法・真偽法・完成法等で考査。

(3) 台所の改善についての作文を作らせて,記述尺度法などで,その興味,意見の如何を考査。

 

1 目   標

(1) 家族の一人として,老人の健康保持に一層よく役立つ途を会得する。

(2) 老人の心持や体力を理解し,こまやかな心遣いができるようになる。

(3) 老人の世話が,家庭和楽の一つの中心であることに興味を持つ。

(4) 一般に年長者に対する態度を養う。

2 指導の方法──児童の活動

(1) 自分の家庭,ほかの人の家庭について,老人があるかないかを発表する。

(2) 何歳以上を老人とするかについて話し合う。体力や精神力が,必ずしも年齢によってきめられないが,年は争えないところもあり,先ず配給の主食量や菓子などで,一応の基準とすることなども話し合う。

(3) どんなことが老人に喜ばれるか,どんなことか老人の気持に合わないかを話し合い,双方に分けて黒板に列挙してみる。

 例えば,気に入らないことは,

 なぜ気に入らないかを話し合う。そこから自然に老境の身体的特徴に移る。

(4) 老人のからだの特徴について話し合い,表を作る。例えば,

(5) おのおの老人を喜ばせることを話し合って研究する。例えば,柔らかい,消化しやすい食物を作る,新聞を読んであげる。ラジオを調節してあげる,煙草の火をとってあげる,肩をもんであげる,着物の脱ぎ着を手伝ってあげる,湯たんぼの世話をする,けがの起らぬよう手をとってあげる,湯殿では殊に注意する。など。

(6) あんまの要領を実習する。

 教師がけいこ台になってやって,指先の力の入れ工合を試してやる。

(7) すき間風を防ぐとか,湯たんぽを入れてあげるとか,防寒と採暖の方法を話し合い,火のたき方を復習する。

(8) 家に老人がいなくても,父母,長上の疲労や病気に同じような奉仕ができることを話し合う。

(9) これまでよりも奉仕の途が広くなった喜び,これからもっと拡げられることを話し合う。

3 指導結果の考査

(1) 老人の身体についての特徴を,再生法,真偽法,組み合わせ法,完成法などで考査。

(2) 老人の世話についての心がけの習得状態を再生法・真偽法・完成法などで考査。

(3) 老人の世話について家庭へ質間し,その報告によって考査。