Ⅱ 単元

第一単元 職業に関する理解

Ⅰ 目  標

 職業および職業人に関する基礎的理解は,職業指導の第一段階をなすものである。それは,わが国の現勢ならびに社会状況との密接な関連のもとに行われなければならない。また職業および職業人に関する将来の予想も考慮されなければならない。かかる学習は,生徒の社会的関心を高くし,職業に関する興味を喚起し,職業人についての認識を拡充するものであって,進学するものにとっても,就職するものにとっても,また将来の職業生活に対しても重要な準備となるものである。そしてこの職業的理解によって,生徒の観察と判断は十分に行われ,自己の進路は適正に選ばれ,さらに個性の伸長と社会に寄与するよき方法が企図されることになるのである。この趣旨にしたがって次の事項について理解をはかるのである。

 

Ⅱ 指導方法

 

Ⅲ 結果の考査 (注意)結果の考査については本書総説6の(3)を参照するがよい。

 教師は次の諸項について,再生法・訂正法・組合せ法・記述尺度法・記録法・作文法などのうち,適当な方法によって考査する。

 1,いろいろの職業の内容や特質,2,わが国の職業情勢,3,職業相互間の関係,4,職業のわが国や社会にとっての重要性,5,記録・図表などの見方,ならびに作成の能力,6,いろいろの職種の名称・作業内容・作業条件・年齢・男女別・所要性能・安全率,7,職業と生活との関係,報酬,8,個性および適材,9,学校と職業との関係,10,職業の変遷と職業の将来の動向,11,労働運動の意義と沿革,12,仕事の能率,13,生産増強の諸方策,14,職業人の健康保持のための施設・法規・制限など,15,労働基準法 16,職業病,17,職業人の教養,18,生徒や職業人の余暇の利用,19,職業人の道徳上の問題,20,社会と職業との関係,21,女子の特性と職業,女子職業人の家庭生活,22,選職や就職に対する準備とその方法,23,進学の準備とその方法など。これらの諸項についての理解程度を考査する。

 これらの諸事項は教科書の各課の内容の主要な点である。教師は上記の考査の結果によって,生徒の学習効果を判定し,生徒おのおのの理解の不足をさらに補うよう指導計画をたて,これを実施する。また考査の結果を次の学習へ発展する材科に利用する。

 

第二単元 職 業 研 究

Ⅰ 目  標

 

Ⅱ 指導方針

 

Ⅲ 結果の考査 (注意)結果の考査については本書の総説6の(3)を参照するがよい。

 

第三単元 職 業 実 習

Ⅰ 目  標

Ⅱ 指導方法  

Ⅲ 結果の考査 (注意)結果の考査については本書総説6の(3)を参照するがよい。

 個々の生徒について,上記の考査の結果がどうなっているかを整理して,適性検査やその他の諸検査の結果と照合して,職業的不適合のないように,個別指導の資料とし,またこの単元の内容の妥当性を検討する。

 

第四単元 職 業 選 択

Ⅰ 目  標

 教師は生徒がその興味・適性・能力その他を考慮して,将来の職業を選択する能力を高めることを援助する。

 

Ⅱ 指導方法

 

Ⅲ 結果の考査 (注意)結果の考査については本書の総論6の(3)を参照するがよい。

 教師は次のような考査を行う。

 

第五単元 学校選択

Ⅰ 目  標

 職業はいずれも社会的責任をもっている。学校を選択することは,その学校を卒業した後,どんな職業に就かうとするかを定めることでもある。だから学校をえらぶにあたっては,将来自分が就こうとする職業の社会的責任についても考慮しなければならない。したがって職業を選択する場合の原則は,学校選択の場合の条件である。即ち,自分の能力や性格に最も適した方向を考えるとともに,家庭環境の事情や社会の情勢などを考えねばならない。また家庭の経済事情が進学に適さない場合でも,これを補う育英事業もだんだんさかんになってくるのであるから,これを利用するもよい。学校選択の第一の条件は,本人の能力・性格・趣味などの問題である。なお必ずしも学校にはいらなくとも通信教授が行われるようになったら,これを利用して,働きながら勉強する方法もいくらもあるから,人間は一生あらゆる機会を利用して,自己修養に努力すべきである。こうした趣旨から,本単元の指導目標をあげると次のとおりである。

 

Ⅱ 指導方法

 

Ⅲ 結果の考査 (注意)結果の考査については本書総論6の(3)を参照するがよい。

 教師は次のような考査をする。

 教師は上記の考査結果にもとづいて,生徒に対する学校選択についての指導の適否や要否を判定し,さらに必要な場合には指導を行う。