第六章 第一学年の図画工作指導

 

(一) 指導目標 (二) 教材例 (三) 描画材料

 クレヨンを主とし,鉛筆を補助材料として使う。

 色紙を描写材料として,それを切ったり,ちぎったりしたものを,はりつけて表現することも,試みさせる。

(四) 指導方法──児童の活動

 児童の活動は児童の状態によりだいたい次のようになる。

(五) 結果の考査
描写の興味
描くことが

非常に好き

好   き 普   通 あまり好ま

ない

さっぱり好ま

ない

観   察
非常によく

注意して見る

よく注意し

て見る

普   通 あまり注意

しない

不 注 意
表現範囲
非常に多方面

である

多方面であ

普   通 狭   い 非常に狭い
技   法
極めてたくみ た く み 普   通 拙   い 極めて拙い
目立って

器用

器   用 普   通 不 器 用 目立って

不器用

 

(一) 指導目標 (二) 教材例 (三) 描写材料

 クレヨンを主とし,鉛筆を補助材料として使う。

 色紙を描写材料として,それを切ったり,ちぎったりしたものを,はって表現させることもよい。この方法は,形や色を,大づかみに表現させるに適している。

(四) 指導方法──児童の活動

 この学年の児童は,写生といっても,モデルと画面とをよく見くらべてかくような能力は,まだ発達していない。最初に見た印象によってかくことが多く,結果から見て,記憶によってかく場合と,大差のないものとなることが多い。

 児童の活動は,次のようになることが多い。

(五) 結果の考査

 「—対比較法」及び次のような,「記述尺度」による。
 
観   察
くり返して非常によく観察する よく観察する
普   通
あまり観察しない ほとんど観察しない
表   現
極めてのびのびと豊かである 豊かである
普   通
縮んでいる 縮んで極めて貧弱である
目立って器用 器   用
普   通
不 器 用
目立って不器用

 

(一) 指導目標 (二) 教材例 (三) 指導方法──児童の活動

 粘土による表現は,表現材料が変わるだけで,表現の態度とか,気持とかは,描画とあまり変らない。

 児童の活動は,だいたい次のようになることが多い。

(四) 結果の考査

 「一対比較法」により,また次のような「記述尺度」による。
 
興   味
大いに興味を持つ 興味を持つ
普   通
あまり興味を持たない 興味を持たない
観   察
よく注意して見る 注意して見る
普   通
あまり観察しない ほとんど観察しない
技   法
物の形を非常によくとらえて作る 物の形をよくとらえて作る
普   通
拙   い ほとんど形を成さない
清   潔
机や着物を少しもよごさない 机や着物をよごさない
普   通
机や着物なよごす 机や着物をたいへんよごす

 

(一) 指導目標 (二) 指導方法──児童の活動 (三) 結果の考査

 次の例のような「組み合わせ法」によって考査する。

 標準色の幾つかがある風景画(その他の絵でもよい)を示して,物の色と,色の名とを,線で結びつけさせる。

(四) 備考   (一) 指導目標 (二) 指導方法──児童の活動 (三) 結果の考査

 次のような「記述尺度」による。
 
集 め 方
非常に根気よく集める 根気よく集める
普   通
根気が乏しい ほとんど集めない
整   理
非常にきちんと整理する きちんと整理する方
普   通
秋序が乏しい 整理できない
形に対する感覚
形の特徴を非常によくとらえる 形の特徴をよくとらえる
普   通
形の特徴をなかなかとらえられない 形に対して無関心

 

(一) 指導目標 (二) 数材例 (三) 指導方法──児童の活動

 この種の教材の指導方法としては,これまで,模作法と創作法とが採用せられていた。

 模作法の中にも,標本や工作図を示し,時には半製標本まで作って,全工程を幾つかに区切り,各区切りについて一々製作の順序方法を説明して作らせる徹底した模倣製作から,単に標本や図を示して,ひととおりの工作法を説明するに止めるものまでいくとおりもの方法がある。

 創作法の中にも,ほとんど放任に近いものから,適当な参考品を示したり,誘導的な説明をしたり,暗示を与えたりするものまで,いくとおりもの方法がある。

 極端な模作法は,単なる技術の会得には役立つけれども,工夫創造の力を養うには適さない,また無計画で放任的な,名ばかりの創作法は,児童の創造性を伸ばすことにならない,要は,学年相応の工夫創作力を養うにはどうしたらよいか,また,学年相応の技術の指導をするにはどうしたらよいかを考えて,適当な指導方法を案出するにある。

 しかし,一般的に,この種の教材に対する児童の活動は,だいたい次のような活動が考えられる。

 最初に児童の製作意欲を高める指導の必要なことはいうまでもない。

(四) 結果の考査

 次の「記述尺度」によって考査する。
 
製作の興味
作ることが非常に好き
好   き
普   通
あまり好まない 興味を持たない
技   術
非常にたくみ
た く み
普   通
拙   い
非常に拙い
創 作 力
目立って創意工夫に富む 創意工夫に富む
普   通
創作力が乏しい 目立って創作力が乏しい
工具・材料の整理
極めてよく整理する よく整理する
普   通
乱   雑
極めて乱雑
目立って器用
器   用
普   通
不 器 用
目立って不器用

 

(一) 指導目標 注意 物を製作するには,何かほしいという欲求があって,それを満足させるために,どんな形状・構造のものを,どんな材料で,どんな順序・方法で作るかの計画を立てて作る場合と,何か材料(資源)があって,その利用法はないかを考えて作る場合とがある。この教材は,後者に属するもので,次の単元八の教材は,前者に属するものである。本来からいえば,製作教材は,この二つの方面だけで組み立ててよいのであるが,それだけでは,材料の扱い方や,工作法を会得するには不利であるから紙工・竹木工・金工のような教材のとり方とならんで,この種の教材をとる必要がある。

(二) 指導方法──児童の活動

(三) 結果の考査

 次の「記述尺度」による。
 
材料を見つけ出す力 常に注意してよく材料を見つけ出す 材料を見つけ出すことに常に関心を持つ
普   通
材料を見つけ出すことにあまり注意しない 材料を見つけ出す能力がない
工夫考案の力 非常によく材料を利用する 材料をよく利用する
普   通
材料を利用する力が乏しい ほとんど材料の利用ができない

 

(一) 指導目標 (二) 指導方法──児童の活動 (三) 結果の考査

 次の「記述尺度」による。
 
題目を見つけ出す力 すばらしい題目を見つけ出す よい題目を見つけ出す
普   通
題目を見つけ出す力が乏しい 題目をほとんど見つけ出せない
材料を見つけ出す力 適当な材料を非常によく見つける 材料をよく見つける
普   通
あまり材料が見つけ出せない どんな材料がよいのかわからない
材料を利用する力 非常によく材料を利用する 材料をよく利用する
普   通
材料がうまく使えない ほとんど材料の利用ができない