第2節 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

 

第1款 各学科に共通する各教科の目標及び内容

 

 〔国 語〕

 1 目 標

   言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で理解し表現する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1)社会生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うことができるようにする。

  (2)社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,思考力や想像力を養う。

  (3)言葉がもつよさを認識するとともに,言語感覚を養い,国語を大切にしてその能力の向上を図る態度を養う。

 

 2 各段階の目標及び内容

 ○1段階

  (1)目 標

   ア 社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けるとともに,我が国の言語文化に親しむことができるようにする。

   イ 筋道立てて考える力や豊かに感じたり想像したりする力を養い,社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,自分の思いや考えをまとめることができるようにする。

   ウ 言葉がもつよさを認識するとともに,幅広く読書をし,国語を大切にして,思いや考えを伝え合おうとする態度を養う。

  (2)内 容

  〔知識及び技能〕

   ア 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)社会生活に係る人とのやり取りを通して,言葉には,考えたことや思ったことを表す働きがあることに気付くこと。

    (イ)相手を見て話したり聞いたりするとともに,間の取り方などに注意して話すこと。

    (ウ)漢字と仮名を用いた表記や送り仮名の付け方を理解して文や文章の中で使うとともに,句読点の使い方を意識して打つこと。

    (エ)表現したり理解したりするために必要な語句の量を増し,話や文章の中で使うとともに,言葉には,性質や役割による語句のまとまりがあることを理解すること。

    (オ)接続する語句の役割,段落の役割について理解すること。

    (カ)日常よく使われる敬語を理解し使うこと。

    (キ)文章の構成や内容の大体を意識しながら音読すること。

   イ 話や文章の中に含まれている情報の扱い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)考えとそれを支える理由や事例,全体と中心など,情報と情報との関係について理解すること。

    (イ)比較や分類の仕方,辞書や事典の使い方などを理解し使うこと。

   ウ 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)生活に身近なことわざや慣用句などを知り,使うこと。

    (イ)書くことに関する次の事項を取り扱うこと。

      ㋐ 文字の組み立て方を理解し、形を整えて扱うこと。

    (ウ)幅広く読書に親しみ,読書が,必要な知識や情報を得ることに役立つことに気付くこと。

  〔思考力,判断力,表現力等〕

  A 聞くこと・話すこと

    聞くこと・話すことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 社会の中で関わる人の話などを,話し手が伝えたいことの中心に注意して聞き,話の内容を捉えること。

   イ 目的に応じて,話題を決め,集めた材料を比較するなど伝え合うために必要な事柄を選ぶこと。

   ウ 話の中心が明確になるよう話の構成を考えること。

   エ 相手に伝わるように,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などを工夫すること。

   オ 目的や進め方を確認し,司会などの役割を果たしながら話し合い,互いの意見の共通点や相違点に着目して,考えをまとめること。

  B 書くこと

    書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 相手や目的を意識して,書くことを決め,集めた材料を比較するなど,伝えたいことを明確にすること。

   イ 書く内容の中心を決め,内容のまとまりで段落をつくったり,段落相互の関係に注意したりして,文章の構成を考えること。

   ウ 自分の考えとそれを支える理由や事例との関係を明確にして,書き表し方を工夫すること。

   エ 間違いを正したり,相手や目的を意識した表現になっているかを確かめたりして,文や文章を整えること。

   オ 書こうとしたことが明確になっているかなど,文章に対する感想や意見を伝え合い,自分の文章のよいところを見付けること。

  C 読むこと

    読むことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 登場人物の行動や心情などについて,叙述を基に捉えること。

   イ 段落相互の関係に着目しながら,考えとそれを支える理由や事例との関係などについて,叙述を基に捉えること。

   ウ 登場人物の心情や情景について,場面と結び付けて具体的に想像すること。

   エ 目的を意識して,中心となる語や文を見付けて要約すること。

   オ 文章を読んで理解したことに基づいて,感想や考えをもつこと。

 ○2段階

  (1)目 標

   ア 社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けるとともに,我が国の言語文化に親しんだり理解したりすることができるようにする。

   イ 筋道立てて考える力や豊かに感じたり想像したりする力を養い,社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,自分の思いや考えを広げることができるようにする。

   ウ 言葉がもつよさを認識するとともに,進んで読書をし,国語を大切にして,思いや考えを伝え合おうとする態度を養う。

  (2)内 容

  〔知識及び技能〕

   ア 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)社会生活に係る人とのやり取りを通して,言葉には,相手とのつながりをつくる働きがあることに気付くこと。

    (イ)話し言葉と書き言葉に違いがあることに気付くこと。

    (ウ)文や文章の中で漢字と仮名を使い分けて書くこと。

    (エ)表現したり理解したりするために必要な語句の量を増し,話や文章の中で使うとともに,語彙を豊かにすること。

    (オ)文と文との接続の関係,話や文章の構成や種類について理解すること。

    (カ)日常よく使われる敬語を理解し使い慣れること。

    (キ)文章を音読したり,朗読したりすること。

   イ 話や文章の中に含まれている情報の扱い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)原因と結果など,情報と情報との関係について理解すること。

    (イ)情報と情報との関係付けの仕方を理解し使うこと。

   ウ 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)親しみやすい古文などの文章を音読するなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと。

    (イ)生活の中で使われる慣用句,故事成語などの意味を知り,使うこと。

    (ウ)書くことに関する次の事項を取り扱うこと。

      ㋐ 用紙全体との関係に注意して、文字の大きさや配列などを決めて書くこと。

                     ㋑ 目的に応じて使用する筆記具を選び、その特徴を生かして書くこと。

    (エ)日常的に読書に親しみ,読書が,自分の考えを広げることに役立つことに気付くこと。

  〔思考力,判断力,表現力等〕

  A 聞くこと・話すこと

    聞くこと・話すことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 社会の中で関わる人の話などについて,話し手の目的や自分が聞きたいことの中心を捉え,その内容を捉えること。

   イ 目的や意図に応じて,話題を決め,集めた材料を比較したり分類したりして,伝え合う内容を検討すること。

   ウ 話の内容が明確になるように,話の構成を考えること。

   エ 資料を活用するなどして,自分の考えが伝わるように表現を工夫すること。

   オ 互いの立場や意図を明確にしながら,計画的に話し合い,考えを広げたりまとめたりすること。

  B 書くこと

    書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 目的や意図に応じて,書くことを決め,集めた材料を比較したり分類したりして,伝えたいことを明確にすること。

   イ 筋道の通った文章となるように,文章全体の構成を考えること。

   ウ 目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりするとともに,事実と感想,意見とを区別して書いたりするなど,自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫すること。

   エ 引用したり,図表やグラフなどを用いたりして,自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫すること。

   オ 文章全体の構成や書き表し方などに着目して,文や文章を整えること。

   カ 文章全体の構成が明確になっているかなど,文章に対する感想や意見を伝え合い,自分の文章のよいところを見付けること。

  C 読むこと

    読むことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 登場人物の相互関係や心情などについて,描写を基に捉えること。

   イ 事実と感想,意見などとの関係を叙述を基に押さえ,文章全体の構成を捉えて要旨を把握すること。

   ウ 人物像を具体的に想像したり,表現の効果を考えたりすること。

   エ 目的を意識して,文章と図表などを結び付けるなどして,必要な情報を見付けること。

   オ 文章を読んで理解したことに基づいて,自分の考えをまとめること。

 

 3 指導計画の作成と内容の取扱い

  (1)指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,言葉の特徴や使い方などを理解し自分の思いや考えを深める学習の充実を図ること。

   イ 2の各段階の内容の〔知識及び技能〕に示す事項については,〔思考力,判断力,表現力等〕に示す事項の指導を通して指導することを基本とすること。

   ウ 2の各段階の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「A聞くこと・話すこと」に関する指導については,高等部卒業後の生活に必要な話し言葉を身に付け,活用できるよう指導すること。

   エ 2の各段階の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「B書くこと」に関する指導については,筆記具を用いる技能の指導に偏ることなく,文章を書く場面を設けるよう工夫すること。

   オ 2の各段階の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「C読むこと」に関する指導については,発達の段階に応じた様々な文章に接し,日常生活において読書活動を活発に行うようにするとともに,他教科等における読書の指導や学校図書館等における指導との関連を図るようにすること。

  (2)2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 2の各段階の内容のうち,文字に関する事項については,次のとおり取り扱うこと。

    (ア)生活場面や関わる相手が多様になることに応じて,平仮名,片仮名,漢字,ローマ字などの文字を取り扱うようにすること。

    (イ)これまでに学習した句読点の使い方や長音,撥(はつ)音などの表記について,高等部においても正しくより適切に用いることができるよう引き続き指導すること。

   イ 2の内容の指導に当たっては,学校図書館などを目的をもって計画的に利用しその機能の活用を図るようにすること。その際,本などの種類や配置,探し方について指導するなど,生徒が必要な本を選ぶことができるよう配慮すること。

   ウ 教材の取扱いについては,次の事項に留意すること。

    (ア)生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等に応じ,興味・関心ある話題や身近な題材から,高等部卒業後の生活に関連する題材まで,様々な種類や形式の文,文章を取り扱う機会を設けること。

 

 〔社 会〕

 1 目 標

   社会的な見方・考え方を働かせ,社会的事象について関心をもち,具体的に考察する活動を通して,グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。

  (1)地域や我が国の国土の地理的環境,現代社会の仕組みや働き,地域や我が国の歴史や伝統と文化及び外国の様子について,様々な資料や具体的な活動を通して理解するとともに,情報を適切に調べまとめる技能を身に付けるようにする。

  (2)社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考えたり,自分の生活と結び付けて考えたり,社会への関わり方を選択・判断したりする力,考えたことや選択・判断したことを適切に表現する力を養う。

  (3)社会に主体的に関わろうとする態度や,よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度を養うとともに,多角的な思考や理解を通して,地域社会に対する誇りと愛情,地域社会の一員としての自覚,我が国の国土と歴史に対する愛情,我が国の将来を担う国民としての自覚,世界の国々の人々と共に生きていくことの大切さについての自覚などを養う。

 

 2 各段階の目標及び内容

 ○1段階

  (1)目 標

          学習の問題を追究・解決する活動を通して,次のとおり資質・能力を育成することを目指す。

   ア 我が国の国土の様子と国民生活,自然環境の特色,先人の業績や優れた文化遺産,社会参加するためのきまり,公共施設の役割と制度,農業や水産業の現状,産業と経済との関わり,外国の様子について,様々な資料や具体的な活動を通して,社会生活との関連を踏まえて理解するとともに,情報を適切に調べまとめる技能を身に付けるようにする。

   イ 社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考える力,自分の生活と結び付けて考える力,社会への関わり方を選択・判断する力,考えたことや選択・判断したことを表現する力を養う。

   ウ 社会に主体的に関わろうとする態度や,よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度を養うとともに,多角的な思考や理解を通して,地域社会に対する誇りと愛情,地域社会の一員としての自覚,我が国の国土に対する愛情,我が国の歴史や伝統を大切にして国を愛する心情,我が国の産業の発展を願い我が国の将来を担う国民としての自覚や平和を願う日本人として世界の国々の人々と共に生きることの大切さについての自覚を養う。

  (2)内 容

   ア 社会参加ときまり

    (ア)社会参加するために必要な社会生活に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐  地域の人々と互いに協力することの大切さを理解し,自分の役割や責任を果たすための知識や技能を身に付けること。

㋑ 社会生活の中で状況を的確に判断し,自分の役割と責任について考え,表現すること。

    (イ)社会生活を営む上で大切な法やきまりに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 社会生活を営む上で大切な法やきまりがあることを理解すること。

㋑ 社会生活を営む上で大切な法やきまりの意義と自分との関わりについて考え,表現すること。

   イ 公共施設の役割と制度

    (ア)公共施設の役割に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 生活に関係の深い公共施設や公共物の役割とその必要性を理解すること。

㋑ 生活に関係の深い公共施設や公共物の利用の仕方を調べ,適切な活用を考え,表現すること。

    (イ)制度に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 我が国の政治の基本的な仕組みや働きについて理解すること。

㋑ 国や地方公共団体の政治の取組について調べ,国民生活における政治の働きを考え,表現すること。

   ウ 我が国の国土の自然環境と国民生活

    (ア)我が国の国土の自然環境と国民生活との関連に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 自然災害は国土の自然条件などと関連して発生していることや,自然災害が国土と国民生活に影響を及ぼすことを理解すること。

㋑ 関係機関や地域の人々の様々な努力により公害の防止や生活環境の改善が図られてきたことを理解するとともに,公害が国土の環境や国民の生活に影響を及ぼすことを理解すること。

㋒ 災害の種類や発生の位置や時期,防災対策などに着目して,国土の自然災害の状況を捉え,自然条件との関連を考え,表現すること。

㋓ 公害の発生時期や経過,人々の協力や努力などに着目して,公害防止の取組を捉え,その働きを考え,表現すること。

   エ 産業と生活

    (ア)我が国の農業や水産業における食料生産に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

      ㋐ 我が国の食料生産は,自然条件を生かして営まれていることや,国民の食料を確保する重要な役割を果たしていることを理解すること。

      ㋑ 食料生産に関わる人々は,生産性や品質を高めるよう努力したり輸送方法や販売方法を工夫したりして,良質な食料を消費地に届けるなど,食料生産を支えていることを理解すること。

      ㋒ 生産物の種類や分布,生産量の変化などに着目して,食料生産の概要を捉え,食料生産が国民生活に果たす役割を考え,表現すること。

      ㋓ 生産の工程,人々の協力関係,技術の向上,輸送,価格や費用などに着目して,食料生産に関わる人々の工夫や努力を捉え,その働きを考え,表現すること。

   オ 我が国の国土の様子と国民生活,歴史

    (ア)我が国の国土の様子と国民生活に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

      ㋐ 我が国の国土の地形や気候の概要を理解するとともに,人々は自然環境に適応して生活していることを理解すること。

      ㋑ 地形や気候などに着目して,国土の自然などの様子や自然条件から見て特色ある地域の人々の生活を捉え,国土の自然環境の特色やそれらと国民生活との関連を考え,表現すること。

    (イ)我が国の歴史上の主な事象に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

      ㋐ 我が国の歴史上の主な事象を手掛かりに,関連する先人の業績,優れた文化遺産などを理解すること。

      ㋑ 世の中の様子,人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して,我が国の歴史上の主な事象を捉え,世の中の様子の変化を考え,表現すること。

   カ 外国の様子

    (ア)グローバル化する世界と日本の役割に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

      ㋐ 異なる文化や習慣を尊重し合うことが大切であることを理解すること。

      ㋑ 外国の人々の生活の様子などに着目して,日本の文化や習慣との違いについて考え,表現すること。

 ○2段階

  (1)目 標

          学習の問題を追究・解決する活動を通して,次のとおり資質・能力を育成することを目指す。

   ア 我が国の国土の様子と国民生活,自然環境の特色,先人の業績や優れた文化遺産,社会参加するためのきまり,公共施設の役割と制度,工業の現状,産業と情報との関わり,外国の様子について,様々な資料や具体的な活動を通して,社会生活との関連を踏まえて理解するとともに,情報を適切に調べまとめる技能を身に付けるようにする。

   イ 社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考える力,自分の生活と結び付けて考える力,社会への関わり方を選択・判断する力,考えたことや選択・判断したことを適切に表現する力を養う。

   ウ 社会に主体的に関わろうとする態度や,よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度を養うとともに,多角的な思考や理解を通して,地域社会に対する誇りと愛情,地域社会の一員としての自覚,我が国の国土に対する愛情,我が国の歴史や伝統を大切にして国を愛する心情,我が国の産業の発展を願い我が国の将来を担う国民としての自覚や平和を願う日本人として世界の国々の人々と共に生きることの大切さについての自覚を養う。

  (2)内 容

   ア 社会参加ときまり

    (ア)社会参加するために必要な社会生活に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

      ㋐ 社会の中で互いに協力しながら,社会生活に必要な知識や技能を身に付けること。

      ㋑ 社会生活の中で状況を的確に判断し,国民としての権利及び義務,それに伴う責任について考え,表現すること。

    (イ)社会生活を営む上で大切な法やきまりに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

      ㋐ 社会の慣習,生活に関係の深い法やきまりを理解すること。

      ㋑ 社会の慣習,生活に関係の深い法やきまりの意義と自分との関わりについて考え,表現すること。

   イ 公共施設の役割と制度

    (ア)公共施設の役割に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

      ㋐ 地域における公共施設や公共物の役割とその必要性を理解すること。

      ㋑ 地域における公共施設や公共物の利用の仕方を調べ,適切な活用を考え,表現すること。

    (イ)制度に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

      ㋐ 生活に関係の深い制度について理解すること。

      ㋑ 生活に関係の深い制度について調べ,その活用を考え,表現すること。

   ウ 我が国の国土の自然環境と国民生活

    (ア)我が国の国土の自然環境と国民生活との関連に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

      ㋐ 自然災害から国土を保全し国民生活を守るために国や県などが様々な対策や事業を進めていることを理解すること。

      ㋑ 国土の環境保全について,自分たちにできることなどを考え,表現すること。

   エ 産業と生活

    (ア)我が国の工業生産に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

      ㋐ 我が国では様々な工業生産が行われていることや,国土には工業の盛んな地域が広がっていること及び工業製品は国民生活の向上に重要な役割を果たしていることを理解すること。

        ㋑ 工業生産に関わる人々は,消費者の需要や社会の変化に対応し,優れた製品を生産するよう様々な工夫や努力をして,工業生産を支えていることを理解すること。

        ㋒ 工業の種類,工業の盛んな地域の分布,工業製品の改良などに着目して,工業生産の概要を捉え,工業生産が国民生活に果たす役割を考え,表現すること。

        ㋓ 製造の工程,工場相互の協力関係,優れた技術などに着目して,工業生産に関わる人々の工夫や努力を捉え,その働きを考え,表現すること。

    (イ)我が国の産業と情報との関わりに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

      ㋐ 大量の情報や情報通信技術の活用は様々な産業を発展させ,国民生活を向上させていることを理解すること。

      ㋑ 情報の種類,情報の活用の仕方などに着目して,産業における情報活用の現状を捉え,情報を生かして発展する産業が国民生活に果たす役割を考え,表現すること。

   オ 我が国の国土の様子と国民生活,歴史

    (ア)我が国の国土の様子と国民生活に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

        ㋐ 世界における我が国の国土の位置,国土の構成,領土の範囲などを大まかに理解すること。

      ㋑ 世界の大陸と主な海洋,主な国の位置,海洋に囲まれ多数の島からなる国土の構成などに着目して,我が国の国土の様子を捉え,その特色を考え,表現すること。

    (イ)我が国の歴史上の主な事象に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

      ㋐ 我が国の歴史上の主な事象を手掛かりに,世の中の様子の変化を理解するとともに,関連する先人の業績,優れた文化遺産を理解すること。

      ㋑ 世の中の様子,人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して,我が国の歴史上の主な事象を捉え,世の中の様子の変化を考え,表現すること。

   カ 外国の様子

    (ア)グローバル化する世界と日本の役割に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

      ㋐ 我が国は,平和な世界の実現のために国際連合の一員として重要な役割を果たしたり,諸外国の発展のために援助や協力を行ったりしていることを理解すること。

      ㋑ 地球規模で発生している課題の解決に向けた連携・協力などに着目して,国際社会において我が国が果たしている役割を考え,表現すること。

 

 3 指導計画の作成と内容の取扱い

  (1)指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,生活に即した具体的で分かりやすい内容を取り上げ,社会的事象の見方・考え方を働かせ,事象の特色や意味などを考え,説明したり表現したりするなど,自ら意欲的に取り組むことのできる活動の充実を図ること。

   イ 各教科等との関連を図り,指導の効果を高めるようにするとともに,中学部の社会科の学習との関連を踏まえて,系統的,発展的に指導できるようにすること。

   ウ コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用して,情報の収集やまとめなどを行うようにすること。

  (2)2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 各学校においては,地域の実態を生かして,生徒が興味・関心をもって学習に取り組めるようにするとともに,観察や見学,聞き取りなどの調査活動を含む具体的な体験を伴う学習を通し,自分の生活と結び付けて考えたことをまとめることで将来の社会生活に生かせるようにすること。

   イ 2の内容については,次の事項について配慮するものとする。

    (ア)日本国憲法が基本的人権の尊重,国民主権及び平和主義を基本的原則としていることについて触れること。

    (イ)情報を適切に調べまとめる技能が身に付くよう,地図帳や地球儀,各種の資料で調べ,まとめる活動を取り入れること。

    (ウ)アについては,身近な生活の中でのきまりから日本国憲法まで幅広く取り上げ,秩序ある社会生活を保つためには,それらを遵守することが大切であることに気付くようにするとともに,主体的に社会参加するための基礎的な力を養うこと。

    (エ)イについては,選挙などの国民の政治参加の方法や意味についても取り上げること。また,地域の公共施設について,その地域にある意味や,それらの利用がよりよい社会生活を送ることにつながることなどを考えることができるようにすること。

    (オ)ウについては,我が国の豊かな自然環境が国民生活に多くの恩恵を与えている一方で,地震災害,津波災害,風水害,火山災害,雪害などの自然災害と,大気の汚染,水質の汚濁などの公害を取り上げ,自然災害や生活環境に関心をもち,日常生活の中で必要な注意事項を考えることにより,環境保全のためには国民一人一人の協力が必要であることに気付くようにすること。

    (カ)エの(ア)の「食料生産」,「工業生産」については,食料生産や工業の盛んな地域の具体的事例を通して調べることとし,稲作のほか,野菜,果物,畜産物,水産物などの中から,また,金属工業,機械工業,化学工業,食料品工業などの中から,それぞれ一つを取り上げること。また,消費者や生産者の立場などから多角的に考えて,これからの産業の発展について自分の考えをまとめることができるようにすること。

    (キ)2段階のオの(ア)の㋐の「領土の範囲」については,竹島や北方領土,尖閣諸島が我が国の固有の領土であることに触れること。

    (ク)カについては,我が国や諸外国には国旗があることを理解し,それを尊重する態度を養うようにすること。

    (ケ)社会的事象については,生徒の考えが深まるよう様々な見解を提示するよう配慮し,多様な見解のある事柄,未確定な事柄を取り上げる場合には,有益適切な教材に基づいて指導するとともに,特定の事柄を強調し過ぎたり,一面的な見解を十分な配慮なく取り上げたりするなどの偏った取扱いにより,生徒が多角的に考えたり,事実を客観的に捉え,公正に判断したりすることを妨げることのないよう留意すること。

 

 〔数 学〕

 1 目 標

   数学的な見方・考え方を働かせ,数学的活動を通して,数学的に考える資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1)数量や図形などについての基礎的・基本的な概念や性質などを理解するとともに,日常の事象を数学的に解釈したり,数学的に表現・処理したりする技能を身に付けるようにする。

  (2)日常の事象を数理的に捉え見通しをもち筋道を立てて考察する力,基礎的・基本的な数量や図形などの性質を見いだし統合的・発展的に考察する力,数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に表現したり目的に応じて柔軟に表したりする力を養う。

  (3)数学的活動の楽しさや数学のよさを実感し,数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学を生活や学習に活用しようとする態度を養う。

 

 2 各段階の目標及び内容

 ○1段階

  (1)目 標

  A 数と計算

   ア 整数,小数,分数及び概数の意味と表し方や四則の関係について理解するとともに,整数,小数及び分数の計算についての意味や性質について理解し,それらを計算する技能を身に付けるようにする。

   イ 数の表し方の仕組みや数を構成する単位に着目し,数の比べ方や表し方を統合的に捉えて考察したり,数とその表現や数量の関係に着目し,目的に合った表現方法を用いて計算の仕方を考察したりするとともに,数量の関係を簡潔に,また一般的に表現する力を養う。

   ウ 数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさに気付き学習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

  B 図形

   ア 図形の形や大きさが決まる要素や立体を構成する要素の位置関係,図形の合同や多角形の性質について理解し,図形を作図したり,三角形,平行四辺形,ひし形,台形の面積を求めたりする技能を身に付けるようにする。

   イ 図形を構成する要素や図形間の関係に着目し,構成の仕方を考察したり,図形の性質を見いだしたりするとともに,三角形,平行四辺形,ひし形の面積の求め方を考え,その表現を振り返り,簡潔かつ的確な表現に高め,公式として導く力を養う。

   ウ 図形や数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさに気付き学習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

  C 変化と関係

   ア 比例の関係や異種の二つの量の割合として捉えられる数量の比べ方,百分率について理解するとともに,目的に応じてある二つの数量の関係と別の二つの数量とを比べたり,表現したりする方法についての技能を身に付けるようにする。

   イ 伴って変わる二つの数量の関係に着目し,その変化や対応の特徴を表や式を用いて考察したり,異種の二つの量の割合を用いた数量の比べ方を考察したりする力を養う。

   ウ 数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさに気付き学習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

  D データの活用

   ア データを円グラフや帯グラフで表す表し方や読み取り方,測定した結果を平均する方法について理解するとともに,それらの問題解決における用い方についての技能を身に付けるようにする。

   イ 目的に応じてデータを収集し,データの特徴や傾向に着目して,表やグラフに的確に表現し,それらを用いて問題解決したり,解決の過程や結果を多面的に捉え考察したりする力を養う。

   ウ データの活用について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさに気付き学習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

  (2)内 容

  A 数と計算

   ア 整数の表し方に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 万の単位を知ること。

      ㋑ 10倍,100倍,1000倍,1/10の大きさの数及びその表し方の理解を深めること。

      ㋒ 億,兆の単位について知り,十進位取り記数法についての理解を深めること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

 ㋐ 数のまとまりに着目し,大きな数の大きさの比べ方や表し方を統合的に捉えるとともに,それらを日常生活に生かすこと。

   イ 整数及び小数の表し方に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ ある数の10倍,100倍,1000倍,1/101/100などの大きさの数を,小数点の位置を移してつくること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 数の表し方の仕組みに着目し,数の相対的な大きさを考察し,計算などに有効に生かすこと。

   ウ 概数に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

 ㋐ 概数が用いられる場面について知ること。

 ㋑ 四捨五入について知ること。

      ㋒ 目的に応じて四則計算の結果の見積りをすること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 日常の事象における場面に着目し,目的に合った数の処理の仕方を考えるとともに,それを日常生活に生かすこと。

   エ 整数の加法及び減法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

  大きな数の加法及び減法の計算が,2位数などについての基本的な計算を基にしてできることを理解すること。また,その筆算の仕方について理解すること。

 ㋑ 加法及び減法の計算が確実にでき,それらを適切に用いること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 数量の関係に着目し,計算の仕方を考えたり,計算に関して成り立つ性質を見いだしたりするとともに,その性質を活用して,計算を工夫したり,計算の確かめをしたりすること。

   オ 整数の乗法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 2位数や3位数に1位数や2位数をかける乗法の計算が,乗法九九などの基本的な計算を基にしてできることを理解すること。また,その筆算の仕方について理解すること。

      ㋑ 乗法の計算が確実にでき,それを適切に用いること。

      ㋒ 乗法に関して成り立つ性質について理解すること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

  数量の関係に着目し,計算の仕方を考えたり,計算に関して成り立つ性質   を見いだしたりするとともに,その性質を活用して,計算を工夫したり,計算の確かめをしたりすること。

   カ 整数の除法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 除数が1位数や2位数で被除数が2位数や3位数の場合の計算が,基本的な計算を基にしてできることを理解すること。また,その筆算の仕方について理解すること。

      ㋑ 除法の計算が確実にでき,それを適切に用いること。

      ㋒ 除法について,次の関係を理解すること。

        (被除数)=(除数)×(商)+(余り)

 ㋓ 除法に関して成り立つ性質について理解すること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 数量の関係に着目し,計算の仕方を考えたり,計算に関して成り立つ性質を見いだしたりするとともに,その性質を活用して,計算を工夫したり,計算の確かめをしたりすること。

   キ 小数とその計算に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ ある量の何倍かを表すのに小数を用いることを知ること。

 ㋑ 小数が整数と同じ仕組みで表されていることを知るとともに,数の相対的  な大きさについての理解を深めること。

      ㋒ 小数の加法及び減法の意味について理解し,それらの計算ができること。

 ㋓ 乗数や除数が整数である場合の小数の乗法及び除法の計算ができること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 数の表し方の仕組みや数を構成する単位に着目し,計算の仕方を考えるとともに,それを日常生活に生かすこと。

   ク 小数の乗法及び除法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

     ㋐ 乗数や除数が小数である場合の小数の乗法及び除法の意味について理解す ること。

      ㋑ 小数の乗法及び除法の計算ができること。

      ㋒ 余りの大きさについて理解すること。

      ㋓ 小数の乗法及び除法についても整数の場合と同じ関係や法則が成り立つことを理解すること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 乗法及び除法の意味に着目し,乗数や除数が小数である場合まで数の範囲を広げて乗法及び除法の意味を捉え直すとともに,それらの計算の仕方を考えたり,それらを日常生活に生かしたりすること。

   ケ 分数とその計算に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 等分してできる部分の大きさや端数部分の大きさを表すのに分数を用いることについて理解すること。また,分数の表し方について知ること。

      ㋑ 分数が単位分数の幾つ分かで表すことができることを知ること。

     ㋒ 簡単な場合について,分数の加法及び減法の意味について理解し,それら   の計算ができることを知ること。

      ㋓ 簡単な場合について,大きさの等しい分数があることを知ること。

 ㋔ 同分母の分数の加法及び減法の計算ができること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 数のまとまりに着目し,分数でも数の大きさを比べたり,計算したりでき るかどうかを考えるとともに,分数を日常生活に生かすこと。

      ㋑ 数を構成する単位に着目し,大きさの等しい分数を探したり,計算の仕方を考えたりするとともに,それを日常生活に生かすこと。

   コ 数量の関係を表す式に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

 ㋐  四則の混合した式や()を用いた式について理解し,正しく計算すること。

      ㋑ 公式についての考え方を理解し,公式を用いること。

      ㋒ 数量を□,△などを用いて表し,その関係を式に表したり,□,△などに数を当てはめて調べたりすること。

      ㋓ 数量の関係を表す式についての理解を深めること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

  問題場面の数量の関係に着目し,数量の関係を簡潔に,また一般的に表現したり,式の意味を読み取ったりすること。

      ㋑ 二つの数量の対応や変わり方に着目し,簡単な式で表されている関係について考察すること。

   サ 計算に関して成り立つ性質に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 四則に関して成り立つ性質についての理解を深めること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 数量の関係に着目し,計算に関して成り立つ性質を用いて計算の仕方を考えること。

  B 図形

   ア 平面図形に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

 ㋐ 平行四辺形,ひし形,台形について知ること。

     ㋑ 図形の形や大きさが決まる要素について理解するとともに,図形の合同に  ついて理解すること。

 ㋒ 三角形や四角形など多角形についての簡単な性質を理解すること。

      ㋓ 円と関連させて正多角形の基本的な性質を知ること。

      ㋔ 円周率の意味について理解し,それを用いること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 図形を構成する要素及びそれらの位置関係に着目し,構成の仕方を考察し図形の性質を見いだすとともに,その性質を基に既習の図形を捉え直すこと。

 ㋑ 図形を構成する要素及び図形間の関係に着目し,構成の仕方を考察したり,  図形の性質を見いだし,その性質を筋道を立てて考え説明したりすること。

   イ 立体図形に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 立方体,直方体について知ること。

      ㋑ 直方体に関連して,直線や平面の平行や垂直の関係について理解すること。

 ㋒ 見取図,展開図について知ること。

      ㋓ 基本的な角柱や円柱について知ること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 図形を構成する要素及びそれらの位置関係に着目し,立体図形の平面上での表現や構成の仕方を考察し,図形の性質を見いだすとともに,日常の事象を図形の性質から捉え直すこと。

   ウ ものの位置に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

 ㋐ ものの位置の表し方について理解すること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 平面や空間における位置を決める要素に着目し,その位置を数を用いて表現する方法を考察すること。

   エ 平面図形の面積に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 三角形,平行四辺形,ひし形,台形の面積の計算による求め方について理解すること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 図形を構成する要素などに着目して,基本図形の面積の求め方を見いだすとともに,その表現を振り返り,簡潔かつ的確な表現に高め,公式として導くこと。

  C 変化と関係

   ア 伴って変わる二つの数量に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 簡単な場合について,比例の関係があることを知ること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 伴って変わる二つの数量を見いだして,それらの関係に着目し,表や式を用いて変化や対応の特徴を考察すること。

   イ 異種の二つの量の割合として捉えられる数量に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

     ㋐ 速さなど単位量当たりの大きさの意味及び表し方について理解し,それを  求めること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

 ㋐ 異種の二つの量の割合として捉えられる数量の関係に着目し,目的に応じ  て大きさを比べたり,表現したりする方法を考察し,それらを日常生活に生かすこと。

   ウ 二つの数量の関係に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

     ㋐ ある二つの数量関係と別の二つの数量の関係を比べる場合に割合を用いる  場合があることを理解すること。

      ㋑ 百分率を用いた表し方を理解し,割合などを求めること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 日常の事象における数量の関係に着目し,図や式などを用いて,ある二つの数量の関係と別の二つの数量の関係との比べ方を考察し,それを日常生活に生かすこと。

   D データの活用

   ア データの収集とその分析に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 数量の関係を割合で捉え,円グラフや帯グラフで表したり,読んだりすること。

      ㋑ 円グラフや帯グラフの意味やそれらの用い方を理解すること。

 ㋒ データの収集や適切な手法の選択など統計的な問題解決の方法を知ること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 目的に応じてデータを集めて分類整理し,データの特徴や傾向に着目し,問題を解決するために適切なグラフを選択して読み取り,その結論について多面的に捉え考察すること。

   イ 測定した結果を平均する方法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 平均の意味や求め方を理解すること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

 ㋐ 概括的に捉えることに着目し,測定した結果を平均する方法について考察  し,それを学習や日常生活に生かすこと。

  〔数学的活動〕

   ア 内容の「A数と計算」,「B図形」,「C変化と関係」及び「Dデータの活用」に示す学習については,次のような数学的活動に取り組むものとする。

    (ア)日常の事象から数学の問題を見いだして解決し,結果を確かめたり,日常生活等に生かしたりする活動

    (イ)数学の学習場面から数学の問題を見いだして解決し,結果を確かめたり,発展的に考察したりする活動

    (ウ)問題解決の過程や結果を,図や式などを用いて数学的に表現し伝え合う活動

 ○2段階

  (1)目 標

  A 数と計算

   ア 整数の性質,分数の意味,文字を用いた式について理解するとともに,分数の計算についての意味や法則について理解し,それらを計算する技能を身に付けるようにする。

   イ 数とその表現や計算の意味に着目し,発展的に考察して問題を見いだしたり,目的に応じて多様な表現方法を用いながら,数の表し方や計算の仕方などを考察したりするとともに,数量の関係を簡潔かつ一般的に表現する力を養う。

   ウ 数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさを実感し,学習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

  B 図形

   ア 平面図形を縮小したり,拡大したりすることの意味や,立体図形の体積の求め方について理解し,縮図,拡大図を作図したり,円の面積や立方体,直方体,角柱,円柱の体積を求めたりする技能を身に付けるようにする。

   イ 図形を構成する要素や図形間の関係に着目し,構成の仕方を考察したり,図形の性質を見いだしたりするとともに,円の面積や立方体,直方体,角柱,円柱の体積の求め方を考え,その表現を振り返り,簡潔かつ的確な表現に高め,公式として導く力を養う。

   ウ 図形や数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさを実感し,学習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

  C 変化と関係

   ア 比例や反比例の関係,比について理解するとともに,伴って変わる二つの数量を見いだし,それらの関係について表や式を用いて表現したり,目的に応じて比で処理したりする方法についての技能を身に付けるようにする。

   イ 伴って変わる二つの数量の関係に着目し,目的に応じて表や式,グラフを用いて変化や対応の特徴を考察したり,比例の関係を前提に二つの数量の関係を考察したりする力を養う。

   ウ 数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさを実感し,学習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

  D データの活用

   ア 量的データの分布の中心や散らばりの様子からデータの特徴を読み取る方法を理解するとともに,それらを問題解決における用い方についての技能を身に付けるようにする。

   イ 目的に応じてデータを収集し,データの特徴や傾向に着目して,表やグラフに的確に表現し,それらを用いて問題解決したり,解決の過程や結果を批判的に捉え考察したりする力を養う。

   ウ データの活用について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさを実感し,学習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

  (2)内 容

  A 数と計算

   ア 整数の性質及び整数の構成に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 整数は,観点を決めると偶数と奇数に類別されることを理解すること。

      ㋑ 約数,倍数について理解すること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 乗法及び除法に着目し,観点を決めて整数を類別する仕方を考えたり,数の構成について考察したりするとともに,日常生活に生かすこと。

   イ 分数に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 整数及び小数を分数の形に直したり,分数を小数で表したりすること。

      ㋑ 整数の除法の結果は,分数を用いると常に一つの数として表すことができることを理解すること。

      ㋒ 一つの分数の分子及び分母に同じ数を乗除してできる分数は,元の分数と同じ大きさを表すことを理解すること。

      ㋓ 分数の相等及び大小について知り,大小を比べること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

  数を構成する単位に着目し,数の相等及び大小関係について考察すること。

㋑ 分数の表現に着目し,除法の結果の表し方を振り返り,分数の意味をまとめること。

   ウ 分数の加法及び減法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 異分母の分数の加法及び減法の計算ができること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

 ㋐ 分数の意味や表現に着目し,計算の仕方を考えること。

   エ 分数の乗法及び除法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 乗数や除数が整数や分数である場合も含めて,分数の乗法及び除法の意味について理解すること。

      ㋑ 分数の乗法及び除法の計算ができること。

 ㋒ 分数の乗法及び除法についても,整数の場合と同じ関係や法則が成り立つ  ことを理解すること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 数の意味と表現,計算について成り立つ性質に着目し,計算の仕方を多面的に捉え考えること。

   オ 数量の関係を表す式に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

 ㋐ 数量を表す言葉や□,△などの代わりに,axなどの文字を用いて式に表  したり,文字に数を当てはめて調べたりすること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 問題場面の数量の関係に着目し,数量の関係を簡潔かつ一般的に表現したり,式の意味を読み取ったりすること。

  B 図形

   ア 平面図形に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 縮図や拡大図について理解すること。

      ㋑ 対称な図形について理解すること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 図形を構成する要素及び図形間の関係に着目し,構成の仕方を考察したり,  図形の性質を見いだしたりするとともに,その性質を基に既習の図形を捉え直したり,日常生活に生かしたりすること。

   イ 身の回りにある形の概形やおよその面積などに関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

     ㋐ 身の回りにある形について,その概形を捉え,およその面積などを求める  こと。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

 ㋐ 図形を構成する要素や性質に着目し,筋道を立てて面積などの求め方を考 え,それを日常生活に生かすこと。

   ウ 平面図形の面積に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 円の面積の計算による求め方について理解すること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 図形を構成する要素などに着目し,基本図形の面積の求め方を見いだすとともに,その表現を振り返り,簡潔かつ的確な表現に高め,公式として導くこと。

   エ 立体図形の体積に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 体積の単位(立方センチメートル(cm3),立方メートル(m3))について理解すること。

      ㋑ 立方体及び直方体の体積の計算による求め方について理解すること。

      ㋒ 基本的な角柱及び円柱の体積の計算による求め方について理解すること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 体積の単位や図形を構成する要素に着目し,図形の体積の求め方を考えるとともに,体積の単位とこれまでに学習した単位との関係を考察すること。

     ㋑ 図形を構成する要素に着目し,基本図形の体積の求め方を見いだすととも  に,その表現を振り返り,簡潔かつ的確な表現に高め,公式として導くこと。

  C 変化と関係

   ア 伴って変わる二つの数量に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

 ㋐ 比例の関係の意味や性質を理解すること。

      ㋑ 比例の関係を用いた問題解決の方法について理解すること。

 ㋒ 反比例の関係について理解すること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

  伴って変わる二つの数量を見いだして,それらの関係に着目し,目的に応じて表や式,グラフを用いてそれらの関係を表現して,変化や対応の特徴を見いだすとともに,それらを日常生活に生かすこと。

   イ 二つの数量の関係に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

        ㋐ 比の意味や表し方を理解し,数量の関係を比で表したり,等しい比をつくったりすること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 日常の事象における数量の関係に着目し,図や式などを用いて数量の関係の比べ方を考察し,それを日常生活に生かすこと。

  D データの活用

   ア データの収集とその分析に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 代表値の意味や求め方を理解すること。

      ㋑ 度数分布を表す表や柱状グラフの特徴及びそれらの用い方を理解すること。

      ㋒ 目的に応じてデータを収集したり,適切な手法を選択したりするなど,統計的な問題解決の方法を理解すること。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 目的に応じてデータを集めて分類整理し,データの特徴や傾向に着目し,代表値などを用いて問題の結論について判断するとともに,その妥当性について批判的に考察すること。

   イ 起こり得る場合に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

     ㋐ 起こり得る場合を順序よく整理するための図や表などの用い方を理解する  こと。

    (イ)次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

      ㋐ 事象の特徴に着目し,順序よく整理する観点を決めて,落ちや重なりなく調べる方法を考察すること。

  〔数学的活動〕

   ア 内容の「A数と計算」,「B図形」,「C変化と関係」及び「Dデータの活用」の学習やそれらを相互に関連付けた学習において,次のような数学的活動に取り組むものとする。

    (ア)日常の事象を数理的に捉え,問題を見いだして解決し,解決過程を振り返り,結果や方法を改善したり,日常生活等に生かしたりする活動

    (イ)数学の学習場面から数学の問題を見いだして解決し,解決過程を振り返り統合的・発展的に考察する活動

    (ウ)問題解決の過程や結果を,目的に応じて図や式などを用いて数学的に表現し伝え合う活動

 

 3 指導計画の作成と内容の取扱い

  (1)指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育むべき資質・能力の育成に向けて,数学的活動を通して,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,数学的な見方・考え方を働かせながら,日常の事象を数学的に捉え,数学の問題を見いだし,問題を自立的,協働的に解決し,学習の過程を振り返り,概念を形成するなどの学習の充実を図ること。

   イ 数量や図形についての基礎的な能力の維持や向上を図るため,適宜練習の機会を設けて計画的に指導すること。また,段階間の指導内容を円滑に接続させるため,適切な反復による学習指導を進めるようにすること。

   ウ 2の内容の「A数と計算」,「B図形」,「C変化と関係」及び「Dデータの活用」の指導の間の関連を図ること。

  (2)2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 思考力,判断力,表現力等を育成するため,各段階の内容の指導に当たっては,具体物,図,言葉,数,式,表,グラフなどを用いて考えたり,数学的な表現を用いて説明したり,互いに自分の考えを表現し伝え合ったりするなどの学習活動を積極的に取り入れるようにすること。

   イ 「A数と計算」の指導に当たっては,次の(ア)及び(イ)について留意するものとする。

    (ア)具体物などの教具を適宜用いるとともに,計算に当たっては計算機を活用するなどして,数と計算についての意味の理解を深めるよう留意すること。

    (イ)負の数については,社会科,理科,職業科及び家庭科などと関連を図りながら,取り扱うことができるものとする。

   ウ 1段階の内容に示す事項については,次の(ア)から(シ)までに留意するものとする。

    (ア)内容の「A数と計算」のア,イ,エ,オ及びカについては,職業科や家庭科との関連を図りながら,次の㋐についての金銭の価値や処理に親しむことを取り扱うものとする。

      ㋐ 金種の理解と金銭の処理

       a 金種を用いる。

       b 様々な種類の貨幣や紙幣のもつ価値を理解する。

       c おつりを扱うこと。

    (イ)内容の「A数と計算」のアの(ア)の㋒については,大きな数を表す際に,3桁ごとに区切りを用いる場合があることに触れるものとする。

    (ウ)内容の「A数と計算」のウの(ア)の㋒,エ,オ及びカについては,簡単な計算は暗算でできるよう配慮するものとする。また,暗算を筆算や見積りに生かすよう配慮するものとする。

    (エ)内容の「A数と計算」のオについては,乗数又は被乗数が0の場合の計算についても取り扱うものとする。

    (オ)内容の「A数と計算」のオの(ア)の㋒及びコの(ア)の㋐については,換法則,結合法則,分配法則を扱うものとする。

    (カ)内容の「A数と計算」のカの(ア)の㋓については,除数及び被除数に同じ数をかけても,同じ数で割っても商は変わらないという性質などを扱うものとする。

    (キ)内容の「A数と計算」のキ及びケについては,小数の0.10.01と分数の1/101/100を数直線を用いて関連付けて取り扱うものとする。

    (ク)内容の「A数と計算」のキの(ア)の㋓については,整数を整数で割って商が小数になる場合も含めるものとする。

    (ケ)内容の「B図形」のアについては,平行四辺形,ひし形,台形などの合同な図形で平面を敷き詰めるなどの操作的な活動を重視するよう配慮するものとする。

    (コ)内容の「B図形」のアの(ア)の㋔については,円周率は3.14を用いるものとする。

    (サ)内容の「C変化と関係」のウの(ア)の㋑については,歩合の表し方について触れるものとする。

    (シ)内容の「Dデータの活用」のアについては,複数の帯グラフを比べることにも触れるものとする。

   エ 2段階の内容に示す事項については,次の(ア)から(オ)までに留意するものとする。

    (ア)内容の「A数と計算」のアの(ア)の㋑については,最大公約数や最小公倍数を形式的に求めることに偏ることなく,具体的な場面に即して取り扱うものとする。

    (イ)内容の「A数と計算」のエについては,逆数を用いて除法を乗法の計算としてみることや,整数や小数の乗法や除法を分数の場合の計算にまとめることも取り扱うものとする。

    (ウ)内容の「B図形」のイの(ア)の㋐については,およその大きさや形を捉え,それらに基づいて適切に判断したり,能率的な処理の仕方を考え出したりすることができるように,日常生活に関連させて取り扱うものとする。

    (エ)内容の「B図形」のウの(ア)の㋐については,円周率は3.14を用いるものとする。

    (オ)内容の「Dデータの活用」のアの(ア)の㋐については,データ全体を扱う指標として平均値,中央値,最頻値などを取り扱うものとする。

  (3)数学的活動の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 数学的活動は,基礎的・基本的な知識及び技能を確実に身に付けたり,思考力,判断力,表現力等を高めたり,数学を学ぶことの楽しさや意義を実感したりするために,重要な役割を果たすものであることから,2の内容の「A数と計算」,「B図形」,「C変化と関係」及び「Dデータの活用」に示す事項については,数学的活動を通して指導するようにすること。

   イ 数学的活動を楽しめるようにするとともに,数学を生活に活用することなどについて実感する機会を設けること。

 〔理 科〕

 1 目 標

   自然に親しみ,理科の見方・考え方を働かせ,見通しをもって,観察,実験を行うことなどを通して,自然の事物・現象についての問題を科学的に解決するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1)自然の事物・現象についての基本的な理解を図り,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

  (2)観察,実験などを行い,解決の方法を考える力とより妥当な考えをつくりだす力を養う。

  (3)自然を愛する心情を養うとともに,学んだことを主体的に生活に生かそうとする態度を養う。

 

 2 各段階の目標及び内容

 ○1段階

  (1)目 標

  A 生命

   ア 生命の連続性についての理解を図り,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

   イ 生命の連続性について調べる中で,主に予想や仮説を基に,解決の方法を考える力を養う。

   ウ 生命の連続性について進んで調べ,生命を尊重する態度や学んだことを生活に生かそうとする態度を養う。

  B 地球・自然

   ア 流れる水の働き,気象現象の規則性についての理解を図り,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

   イ 流れる水の働き,気象現象の規則性について調べる中で,主に予想や仮説を基に,解決の方法を考える力を養う。

   ウ 流れる水の働き,気象現象の規則性について進んで調べ,学んだことを生活に生かそうとする態度を養う。

  C 物質・エネルギー

   ア 物の溶け方,電流の働きについての理解を図り,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

   イ 物の溶け方,電流の働きについて調べる中で,主に予想や仮説を基に,解決の方法を考える力を養う。

   ウ 物の溶け方,電流の働きについて進んで調べ,学んだことを生活に生かそうとする態度を養う。

  (2)内 容

  A 生命

   ア 植物の発芽,成長,結実

     植物の育ち方について,発芽,成長及び結実の様子に着目して,それらに関わる条件を制御しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

㋐ 植物は,種子の中の養分を基にして発芽すること。

      ㋑ 植物の発芽には,水,空気及び温度が関係していること。

      ㋒ 植物の成長には,日光や肥料などが関係していること。

 ㋓ 花にはおしべやめしべなどがあり,花粉がめしべの先に付くとめしべのも  とが実になり,実の中に種子ができること。

    (イ)植物の育ち方について調べる中で,植物の発芽,成長及び結実とそれらに関わる条件についての予想や仮説を基に,解決の方法を考え,表現すること。

   イ 動物の誕生

     動物の発生や成長について,魚を育てたり人の発生についての資料を活用したりする中で,卵や胎児の様子に着目して,時間の経過と関係付けて調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 魚には雌雄があり,生まれた卵は日がたつにつれて中の様子が変化してかえること。

      ㋑ 人は,母体内で成長して生まれること。

    (イ)動物の発生や成長について調べる中で,動物の発生や成長の様子と経過についての予想や仮説を基に,解決の方法を考え,表現すること。

  B 地球・自然

   ア 流れる水の働きと土地の変化

     流れる水の働きと土地の変化について,水の速さや量に着目して,それらの条件を制御しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

     ㋐ 流れる水には,土地を侵食したり,石や土などを運搬したり堆積させたり する働きがあること。

      ㋑ 川の上流と下流によって,川原の石の大きさや形に違いがあること。

      ㋒ 雨の降り方によって,流れる水の速さや量は変わり,増水により土地の様子が大きく変化する場合があること。

    (イ)流れる水の働きについて調べる中で,流れる水の働きと土地の変化との関係についての予想や仮説を基に,解決の方法を考え,表現すること。

   イ 天気の変化

     天気の変化の仕方について,雲の様子を観測したり,映像などの気象情報を活用したりする中で,雲の量や動きに着目して,それらと天気の変化とを関係付けて調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

 ㋐ 天気の変化は,雲の量や動きと関係があること。

 ㋑ 天気の変化は,映像などの気象情報を用いて予想できること。

    (イ)天気の変化の仕方について調べる中で,天気の変化の仕方と雲の量や動きとの関係についての予想や仮説を基に,解決の方法を考え,表現すること。

  C 物質・エネルギー

   ア 物の溶け方

     物の溶け方について,溶ける量や様子に着目して,水の温度や量などの条件を制御しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 物が水に溶けても,水と物とを合わせた重さは変わらないこと。

      ㋑ 物が水に溶ける量には,限度があること。

 ㋒ 物が水に溶ける量は水の温度や量,溶ける物によって違うこと。また,この性質を利用して,溶けている物を取り出すことができること。

    (イ)物の溶け方について調べる中で,物の溶け方の規則性についての予想や仮説を基に,解決の方法を考え,表現すること。

   イ 電流の働き

     電流の働きについて,電流の大きさや向きと乾電池につないだ物の様子に着目して,それらを関係付けて調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 乾電池の数やつなぎ方を変えると,電流の大きさや向きが変わり,豆電球の明るさやモーターの回り方が変わること。

    (イ)電流の働きについて調べる中で,電流の大きさや向きと乾電池につないだ物の様子との関係についての予想や仮説を基に,解決の方法を考え,表現すること。

  (3)内容の取扱い

   ア (2)の「A生命」のアの「植物の発芽,成長,結実」については,次のとおり取り扱うものとする。

    (ア)(ア)の㋐の「種子の中の養分」については,でんぷんを扱うこと。

    (イ)(ア)の㋓については,おしべ,めしべ,がく及び花びらを扱うこと。また,受粉については,風や昆虫などが関係していることにも触れること。

   イ (2)の「A生命」のイの「動物の誕生」の(ア)の㋑については,人の受精に至る過程は取り扱わないこと。

   ウ (2)の「B地球・自然」のアの「流れる水の働きと土地の変化」の(ア)の㋒については,自然災害についても触れること。

   エ (2)の「B地球・自然」のイの「天気の変化」の(ア)の㋑については,台風の進路による天気の変化や台風と降雨との関係及びそれに伴う自然災害についても触れること。

   オ (2)の「C物質・エネルギー」の指導に当たっては,ものづくりを通して行うよう配慮すること。

   カ (2)の「C物質・エネルギー」のアの「物の溶け方」については,水溶液の中では,溶けている物が均一に広がることにも触れること。

   キ (2)の「C物質・エネルギー」のイの「電流の働き」の(ア)の㋐については,直列つなぎと並列つなぎを扱うものとする。

 ○2段階

  (1)目 標

  A 生命

   ア 生物の体のつくりと働き,生物と環境との関わりについての理解を図り,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

   イ 生物の体のつくりと働き,生物と環境との関わりについて調べる中で,主にそれらの働きや関わりについて,より妥当な考えをつくりだす力を養う。

   ウ 生物の体のつくりと働き,生物と環境との関わりについて進んで調べ,生命を尊重する態度や学んだことを生活に生かそうとする態度を養う。

  B 地球・自然

   ア 土地のつくりと変化,月の形の見え方と太陽との位置関係についての理解を図り,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

   イ 土地のつくりと変化,月の形の見え方と太陽との位置関係について調べる中で,主にそれらの変化や関係について,より妥当な考えをつくりだす力を養う。

   ウ 土地のつくりと変化,月の形の見え方と太陽との位置関係について進んで調べ,学んだことを生活に生かそうとする態度を養う。

  C 物質・エネルギー

   ア 燃焼の仕組み,水溶液の性質,てこの規則性及び電気の性質や働きについての理解を図り,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

   イ 燃焼の仕組み,水溶液の性質,てこの規則性及び電気の性質や働きについて調べる中で,主にそれらの仕組みや性質,規則性及び働きについて,より妥当な考えをつくりだす力を養う。

   ウ 燃焼の仕組み,水溶液の性質,てこの規則性及び電気の性質や働きについて進んで調べ,学んだことを生活に生かそうとする態度を養う。

  (2)内 容

  A 生命

   ア 人の体のつくりと働き

     人や他の動物について,体のつくりと呼吸,消化,排出及び循環の働きに着目して,生命を維持する働きを多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

 ㋐ 体内に酸素が取り入れられ,体外に二酸化炭素などが出されていること。

      ㋑ 食べ物は,口,胃,腸などを通る間に消化,吸収され,吸収されなかった物は排出されること。

      ㋒ 血液は,心臓の働きで体内を巡り,養分,酸素及び二酸化炭素などを運んでいること。

      ㋓ 体内には,生命活動を維持するための様々な臓器があること。

    (イ)人や他の動物の体のつくりと働きについて調べる中で,体のつくりと呼吸,消化,排出及び循環の働きについて,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

   イ 植物の養分と水の通り道

     植物について,その体のつくり,体内の水などの行方及び葉で養分をつくる働きに着目して,生命を維持する働きを多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

  植物の葉に日光が当たるとでんぷんができること。

      ㋑ 根,茎及び葉には,水の通り道があり,根から吸い上げられた水は主に葉から蒸散により排出されること。

    (イ)植物の体のつくりと働きについて調べる中で,体のつくり,体内の水などの行方及び葉で養分をつくる働きについて,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

   ウ 生物と環境

     生物と環境について,動物や植物の生活を観察したり資料を活用したりする中で,生物と環境との関わりに着目して,それらを多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 生物は,水及び空気を通して周囲の環境と関わって生きていること。

      ㋑ 生物の間には,食う食われるという関係があること。

      ㋒ 人は,環境と関わり,工夫して生活していること。

    (イ)生物と環境について調べる中で,生物と環境との関わりについて,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

  B 地球・自然

   ア 土地のつくりと変化

     土地のつくりと変化について,土地やその中に含まれる物に着目して,土地のつくりやでき方を多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 土地は,礫(れき),砂,泥,火山灰などからできており,層をつくって広がっているものがあること。また,層には化石が含まれているものがあること。

 ㋑ 地層は,流れる水の働きや火山の噴火によってできること。

      ㋒ 土地は,火山の噴火や地震によって変化すること。

    (イ)土地のつくりと変化について調べる中で,土地のつくりやでき方について,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

   イ 月と太陽

     月の形の見え方について,月と太陽の位置に着目して,それらの位置関係を多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 月の輝いている側に太陽があること。また,月の形の見え方は,太陽と月との位置関係によって変わること。

    (イ)月の形の見え方について調べる中で,月の位置や形と太陽の位置との関係について,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

  C 物質・エネルギー

   ア 燃焼の仕組み

     燃焼の仕組みについて,空気の変化に着目して,物の燃え方を多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

       ㋐ 植物体が燃えるときには,空気中の酸素が使われて二酸化炭素ができること。

    (イ)燃焼の仕組みについて調べる中で,物が燃えたときの空気の変化について,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

   イ 水溶液の性質

     水溶液について,溶けている物に着目して,それらによる水溶液の性質や働きの違いを多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

 ㋐ 水溶液には,酸性,アルカリ性及び中性のものがあること。

      ㋑ 水溶液には,気体が溶けているものがあること。

      ㋒ 水溶液には,金属を変化させるものがあること。

    (イ)水溶液の性質や働きについて調べる中で,溶けているものによる性質や働きの違いについて,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

   ウ てこの規則性

     てこの規則性について,力を加える位置や力の大きさに着目して,てこの働きを多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 力を加える位置や力の大きさを変えると,てこを傾ける働きが変わり,てこがつり合うときにはそれらの間に規則性があること。

      ㋑ 身の回りには,てこの規則性を利用した道具があること。

    (イ)てこの規則性について調べる中で,力を加える位置や力の大きさとてこの働きとの関係について,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

   エ 電気の利用

     発電や蓄電,電気の変換について,電気の量や働きに着目して,それらを多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けること。

      ㋐ 電気は,つくりだしたり蓄えたりすることができること。

      ㋑ 電気は,光,音,熱,運動などに変換することができること。

      ㋒ 身の回りには,電気の性質や働きを利用した道具があること。

    (イ)電気の性質や働きについて調べる中で,電気の量と働きとの関係,発電や蓄電,電気の変換について,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

  (3)内容の取扱い

   ア (2)の「A生命」のアの「人の体のつくりと働き」については,次のとおり取り扱うものとする。

    (ア)(ア)の㋒については,心臓の拍動と脈拍とが関係することにも触れること。

    (イ)(ア)の㋓については,主な臓器として,肺,胃,小腸,大腸,肝臓,腎臓,心臓を扱うこと。

   イ (2)の「A生命」のウの「生物と環境」については,次のとおり取り扱うものとする。

    (ア)(ア)の㋐については,水が循環していることにも触れること。

    (イ)(ア)の㋑ついては,水中の小さな生物を観察し,それらが魚などの食べ物になっていることに触れること。

   ウ (2)の「B地球・自然」のアの「土地のつくりと変化」については,次のとおり取り扱うものとする。

    (ア)(ア)の㋑については,流れる水の働きでできた岩石として礫(れき)岩,砂岩,泥岩を扱うこと。

    (イ)(ア)の㋒については,自然災害についても触れること。

   エ (2)の「B地球・自然」のイの「月と太陽」の(ア)の㋐については,地球から見た太陽と月との位置関係で扱うものとする。

   オ (2)の「C物質・エネルギー」の指導に当たっては,ものづくりを通して行うよう配慮すること。

   カ (2)の「C物質・エネルギー」のエの「電気の利用」の(ア)の㋐については,電気をつくりだす道具として,手回し発電機,光電池などを扱うものとする。

 

 3 指導計画の作成と内容の取扱い

  (1)指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,理科の学習過程の特質を踏まえ,理科の見方・考え方を働かせ,見通しをもって観察,実験を行うなどの,問題を科学的に解決しようとする学習活動の充実を図ること。

   イ 2の各段階で育成を目指す思考力,判断力,表現力等については,当該段階において育成することを目指す力のうち,主なものを示したものであり,実際の指導に当たっては,他の段階で掲げている力の育成についても十分に配慮すること。

  (2)2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 問題を見いだし,予想や仮説,観察,実験などの方法について考えたり説明したりする学習活動,観察,実験の結果を整理し考察する学習活動,科学的な言葉や概念を使用して考えたり説明したりする学習活動などを重視すること。

   イ 観察,実験などの指導に当たっては,指導内容に応じてコンピュータや情報通信ネットワークなどを適切に活用できるようにすること。

   ウ 実験を行うに当たっては,身の回りのことや生活に関わるものを取り扱うこと。

   エ 生物,天気,川,土地などの指導に当たっては,野外に出掛け地域の自然に親しむ活動や体験的な活動を多く取り入れるとともに,生命を尊重し,自然環境の保全に寄与する態度を養うようにすること。

   オ 天気,川,土地などの指導に当たっては,災害に関する基礎的な理解が図られるようにすること。

   カ 科学技術が日常生活や社会を豊かにしていることや理科で学習することが様々な職業などと関係していることに触れること。

   キ 個々の生徒が主体的に問題を解決する活動を進めるとともに,日常生活や他教科等との関連を図った学習活動,目的を設定し,計測して制御するという考え方に基づいた学習活動が充実するようにすること。

   ク 博物館や科学学習センターなどと連携,協力を図ること。

  (3)観察,実験などの指導に当たっては,事故防止に十分留意すること。また,環境整備に十分配慮するとともに,使用薬品の管理及び廃棄についても適切な措置をとるよう配慮すること。

 

 〔音 楽〕

 1 目 標

   表現及び鑑賞の幅広い活動を通して,音楽的な見方・考え方を働かせ,生活や社会の中の音や音楽,音楽文化と豊かに関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1)曲想と音楽の構造などとの関わり及び音楽の多様性について理解するとともに,創意工夫を生かした音楽表現をするために必要な技能を身に付けるようにする。

  (2)音楽表現を創意工夫することや,音楽を自分なりに評価しながらよさや美しさを味わって聴くことができるようにする。

  (3)音楽活動の楽しさを体験することを通して,音楽を愛好する心情と音楽に対する感性を育むとともに,音楽に親しんでいく態度を養い,豊かな情操を培う。

 2 各段階の目標及び内容

 ○1段階

  (1)目 標

   ア 曲想と音楽の構造などとの関わりについて理解するとともに,創意工夫を生かした音楽表現をするために必要な歌唱,器楽,創作,身体表現の技能を身に付けるようにする。

   イ 音楽表現を創意工夫することや,音楽のよさや美しさを自分なりに見いだしながら音楽を味わって聴くことができるようにする。

   ウ 主体的・協働的に表現及び鑑賞の学習に取り組み,音楽活動の楽しさを体験することを通して,音楽文化に親しみ,音楽経験を生かして生活を明るく豊かなものにしていく態度を養う。

  (2)内 容

  A 表 現

   ア 歌唱の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)歌唱表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,歌唱表現を創意工夫すること。

    (イ)次の㋐及び㋑について理解すること。

      ㋐ 曲想と音楽の構造や歌詞の内容との関わり

      ㋑ 声の音色や響きと発声との関わり

    (ウ)創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐から㋒までの技能を身に付けること。

      ㋐ 範唱を聴いたり,ハ長調及びイ短調の楽譜を見たりして歌う技能

      ㋑ 呼吸及び発音の仕方に気を付けて,自然で無理のない,響きのある歌い方で歌う技能

      ㋒ 互いの歌声や副次的な旋律,伴奏を聴いて,声を合わせて歌う技能

   イ 器楽の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)器楽表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,器楽表現を創意工夫すること。

    (イ)次の㋐及び㋑について理解すること。

 ㋐ 曲想と音楽の構造との関わり

      ㋑ 多様な楽器の音色と演奏の仕方との関わり

    (ウ)創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐から㋒までの技能を身に付けること。

      ㋐ 範奏を聴いたり,ハ長調及びイ短調の楽譜を見たりして演奏する技能

      ㋑ 音色や響きに気を付けて,旋律楽器及び打楽器を演奏する技能

      ㋒ 各声部の楽器の音や伴奏を聴いて,音を合わせて演奏する技能

   ウ 創作の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)創作表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,創作表現を創意工夫すること。

    (イ)次の㋐及び㋑について,それらが生み出す面白さなどと関わらせて理解すること。

      ㋐ いろいろな音の響きやそれらの組合せの特徴

      ㋑ 音やフレーズのつなげ方や重ね方の特徴

    (ウ)創意工夫を生かした表現で旋律や音楽をつくるために必要な,課題や条件に沿った音の選択や組合せなどの技能を身に付けること。

   エ 身体表現の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)身体表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,身体表現を創意工夫すること。

    (イ)次の㋐及び㋑の関わりについて理解すること。

      ㋐ 曲想と音楽の構造との関わり

 ㋑ 曲想と体の動きとの関わり

    (ウ)創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐から㋒までの技能を身に付けること。

      ㋐ 曲の速度やリズム,曲想に合わせて表現する技能

      ㋑ 設定した条件に基づいて,様々な動きを組み合わせてまとまりのある表現をする技能

 ㋒ 友達と動きを組み合わせて表現をする技能

  B 鑑 賞

   ア 鑑賞の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)鑑賞についての知識を得たり生かしたりしながら,曲や演奏のよさなどを見いだし,曲全体を味わって聴くこと。

    (イ)曲想及びその変化と,音楽の構造との関わりについて理解すること。

 ○2段階

  (1)目 標

   ア 曲想と音楽の構造や背景などとの関わり及び音楽の多様性について理解するとともに,創意工夫を生かした音楽表現をするために必要な歌唱,器楽,創作,身体表現の技能を身に付けるようにする。

   イ 音楽表現を創意工夫することや,音楽を自分なりに評価しながらよさや美しさを味わって聴くことができるようにする。

   ウ 主体的・協働的に表現及び鑑賞の学習に取り組み,音楽活動の楽しさを体験することを通して,音楽文化に親しむとともに,音楽によって生活を明るく豊かなものにしていく態度を養う。

  (2)内 容

  A 表 現

   ア 歌唱の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)歌唱表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,歌唱表現を創意工夫すること。

    (イ)次の㋐及び㋑について理解すること。

      ㋐ 曲想と音楽の構造や歌詞の内容との関わり

      ㋑ 声の音色や響き及び言葉の特性と発声との関わり

    (ウ)創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐及び㋑の技能を身に付けること。

      ㋐ 創意工夫を生かした表現で歌うために必要な発声,言葉の発音,身体の使い方などの技能

      ㋑ 創意工夫を生かし,全体の響きや各声部の声などを聴きながら,他者と合わせて歌う技能

   イ 器楽の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)器楽表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,器楽表現を創意工夫すること。

    (イ)次の㋐及び㋑について理解すること。

      ㋐ 曲想と音楽の構造との関わり

      ㋑ 多様な楽器の音色や響きと演奏の仕方との関わり

    (ウ)創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐及び㋑の技能を身に付けること。

     ㋐ 創意工夫を生かした表現で演奏するために必要な奏法,身体の使い方など   の技能

     ㋑ 創意工夫を生かし,全体の響きや各声部の音などを聴きながら,他者と合  わせて演奏する技能

   ウ 創作の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)創作表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,創作表現を創意工夫すること。

    (イ)次の㋐及び㋑について,表したいイメージと関わらせて理解すること。

      ㋐ 音のつながり方の特徴

      ㋑ 音素材の特徴及び音の重なり方や反復,変化,対照などの構成上の特徴

    (ウ)創意工夫を生かした表現で旋律や音楽をつくるために必要な,課題や条件に沿った音の選択や組合せなどの技能を身に付けること。

   エ 身体表現の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)身体表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,身体表現を創意工夫すること。

    (イ)次の㋐及び㋑の関わりについて理解すること。

      ㋐ 曲想と音楽の構造との関わり

      ㋑ 曲想や音楽の構造と体の動きとの関わり

    (ウ)創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐から㋒までの技能を身に付けること。

      ㋐ 曲の速度やリズム,曲想に合わせて表現する技能

      ㋑ 設定した条件に基づいて,様々な動きを組み合わせたり,即興的に動いたりしてまとまりのある表現をする技能

      ㋒ 友達と動きを組み合わせたり,即興的に表現したりする技能

  B 鑑 賞

   ア 鑑賞の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)鑑賞についての知識を得たり生かしたりしながら,曲や演奏のよさなどについて自分なりに考え,曲全体を味わって聴くこと。

    (イ)次の㋐及び㋑について理解すること。

      ㋐ 曲想及びその変化と,音楽の構造との関わり

      ㋑ 音楽の特徴とその背景となる文化や歴史などとの関わり

  〔共通事項〕

  (1)1段階と2段階の「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 音楽を形づくっている要素や要素同士の関連を知覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら,知覚したことと感受したこととの関わりについて考えること。

   イ 音楽を形づくっている要素及びそれらに関わる用語や記号などについて,音楽における働きと関わらせて理解すること。

 

 3 指導計画の作成と内容の取扱い

  (1)指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育むべき資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,音楽的な見方・考え方を働かせ,他者と協働しながら,音楽表現を生み出したり音楽を聴いてそのよさなどを見いだしたりするなど,思考,判断し,表現する一連の過程を大切にした学習の充実を図ること。

   イ 2の各段階の内容の「A表現」のアからエまでの指導については,(ア)及び(イ)の各事項を,「B鑑賞」のアの指導については,(ア)及び(イ)の各事項を,適切に関連させて指導すること。

   ウ 2の各段階の内容の〔共通事項〕は,表現及び鑑賞の学習において共通に必要となる資質・能力であり,「A表現」及び「B鑑賞」の各事項の指導と併せて,十分な指導が行われるよう工夫すること。

   エ 2の各段階の内容の「A表現」のアからエまで及び「B鑑賞」のアの指導については,適宜,〔共通事項〕を要として各領域や分野の関連を図るようにすること。

   オ 国歌「君が代」は,時期に応じて適切に指導すること。

  (2)2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 各段階の指導に当たっては,音や音楽との一体感を味わえるようにするため,指導のねらいに即して体を動かす活動を取り入れるようにすること。

   イ 各段階の指導に当たっては,音や音楽及び言葉によるコミュニケーションを図る指導を工夫すること。その際,生徒の言語理解や発声・発語の状況等を考慮し,必要に応じてコンピュータや教育機器も効果的に活用すること。

   ウ 生徒が学校内及び公共施設などの学校外における音楽活動とのつながりを意識できるような機会をつくるなど,生徒や学校,地域の実態に応じて,生活や社会の中の音や音楽,音楽文化と主体的に関わっていくことができるよう配慮すること。

   エ 合奏や合唱などの活動を通して,和音のもつ表情を感じることができるようにすること。また,長調及び短調の曲においては,Ⅰ,Ⅳ,Ⅴ及びV7などの和音を中心に指導すること。

   オ 我が国や郷土の音楽の指導に当たっては,そのよさなどを感じ取って表現したり鑑賞したりできるよう,楽譜や音源等の示し方,伴奏の仕方,曲に合った歌い方や楽器の演奏の仕方など指導方法について工夫すること。

   カ 各段階の「A表現」のアの歌唱の指導に当たっては,次のとおり取り扱うこと。

    (ア)歌唱教材については,我が国や郷土の音楽に愛着がもてるよう,共通教材のほか,長い間親しまれてきた唱歌,それぞれの地方に伝承されているわらべうたや民謡など日本のうたを含めて取り上げるようにすること。

    (イ)生徒の実態や学習状況及び必要に応じて,相対的な音程感覚などを育てるために,移動ド唱法を取り上げるようにすること。

    (ウ)変声期の生徒に対して適切に配慮すること。

   キ 各段階の「A表現」のイの楽器については,次のとおり取り扱うこと。

    (ア)各段階で取り上げる打楽器は,簡単に操作できる楽器,木琴,鉄琴,和楽器,諸外国に伝わる様々な楽器を含めて,生徒の実態や発達の段階及び生活年齢を考慮して選択すること。

    (イ)各段階で取り上げる旋律楽器は,既習の楽器を含めて,鍵盤楽器や和楽器,電子楽器などの中から生徒の実態や発達の段階及び生活年齢を考慮して選択すること。

    (ウ)合奏で扱う楽器については,各声部の役割を生かした演奏ができるよう,楽器の特性を生かして選択すること。

   ク 各段階の「A表現」のウの創作の指導に当たっては,次のとおり取り扱うこと。

    (ア)即興的に音を出しながら音のつながりを試すなど,音を音楽へと構成していく体験を重視すること。

    (イ)どのような音楽を,どのようにしてつくるかなどについて,生徒の実態に応じて具体的な例を示しながら指導すること。

    (ウ)つくった音楽については,指導のねらいに即し,必要に応じて記録できるようにすること。記録の仕方については,図や絵によるものなど,柔軟に指導すること。

    (エ)拍のないリズム,我が国の音楽に使われている音階や調性にとらわれない音階などを生徒の実態に応じて取り上げるようにすること。

   ケ 各段階の「B鑑賞」の指導に当たっては,気付いたり感じたりしたことを自分なりに体の動きや絵,言葉で表現できるよう指導を工夫すること。

   コ 〔共通事項〕に示す「音楽を形づくっている要素」については,生徒の発達の段階や指導のねらいに応じて,音色,リズム,速度,旋律,テクスチュア,強弱,形式,構成などから,適切に選択したり関連付けたりして必要に応じて適切に指導すること。

   サ 〔共通事項〕の(1)のイに示す「用語や記号など」については,小学校学習指導要領第2章第6節音楽の第3の2の(9)に示すものに加え,生徒の実態や学習状況を考慮して,中学校学習指導要領第2章第5節音楽の第3の2の(10)に示すものを音楽における働きと関わらせて理解し,活用できるよう取り扱うこと。

   シ 歌唱教材は,次に示すものを取り扱うこと。

    (ア)生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた,日常の生活に関連した曲

    (イ)主となる歌唱教材については,各段階とも(ウ)の共通教材を含めて,独唱,斉唱及び合唱で歌う曲

    (ウ)共通教材

      ㋐ 1段階及び2段階の共通教材は,次に示すものとする。

       「赤とんぼ」 三木露風(みきろふう)作詞    山田耕筰(やまだこうさく)作曲

       「荒城の月」 土井晩翠(どいばんえい)作詞   滝廉太郎(たきれんたろう)作曲

       「早春賦」  吉丸一昌(よしまるかずまさ)作詞 中田 章(なかだあきら)作曲

       「夏の思い出」江間章子(えましょうこ)作詞   中田喜直(なかだよしあき)作曲

       「花」    武島羽衣(たけじまはごろも)作詞 滝廉太郎(たきれんたろう)作曲

       「花の街」  江間章子(えましょうこ)作詞   團伊玖磨(だんいくま)作曲

       「浜辺の歌」 林  古渓(はやしこけい)作詞  成田為三(なりたためぞう)作曲

   ス 器楽教材は,次に示すものを取り扱うこと。

    (ア)生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた,指導のねらいとの関係において適切であり,身近で親しみのもてるもの。

    (イ)主となる器楽教材については,既習の歌唱教材を含め,楽器の演奏効果を考慮し,簡単な合奏などの曲

   セ 創作教材は,次に示すものを取り扱うこと。

    (ア)生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた指導のねらいとの関係において適切であり,身近で親しみのもてるもの。

   ソ 音や音楽の特徴を身体表現するために適した教材は,次に示すものを取り扱うこと。

    (ア)主となる教材については,既習の歌唱教材や器楽教材を含め,音や音楽を聴いて体を動かすことができるものを中心に,生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた指導のねらいとの関係において適切であり,親しみのもてるもの。

   タ 鑑賞教材は,次に示すものを取り扱うこと。

    (ア)主となる鑑賞教材については,既習の歌唱教材や器楽教材を含め,我が国や郷土の伝統音楽及び諸外国の様々な音楽のうち,生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた曲想を感じ取り,情景を思い浮かべやすい様々な種類の曲

    (イ)音楽を形づくっている要素の働きを感じ取りやすく,曲の雰囲気や音楽の構造に気付きやすい曲

    (ウ)楽器の音色や人の声の表現の違いなどによる演奏の特徴が聴き取りやすい様々な演奏形態による曲

 〔美 術〕

 1 目 標

   表現及び鑑賞の幅広い活動を通して,造形的な見方・考え方を働かせ,生活や社会の中の美術や美術文化と豊かに関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1)造形的な視点について理解するとともに,表現方法を創意工夫し,創造的に表すことができるようにする。

  (2)造形的なよさや美しさ,表現の意図と工夫などについて考え,主題を生み出し豊かに発想し構想を練ったり,美術や美術文化などに対する見方や感じ方を深めたりすることができるようにする。

  (3)美術の創造活動の喜びを味わい,美術を愛好する心情を育み,感性を豊かにし,心豊かな生活を創造していく態度を養い,豊かな情操を培う。

 

 2 各段階の目標及び内容

 ○1段階

  (1)目 標

   ア 造形的な視点について理解するとともに,意図に応じて表現方法を工夫して表すことができるようにする。

   イ 造形的なよさや美しさ,表現の意図と工夫などについて考え,主題を生み出し豊かに発想し構想を練ったり,美術や美術文化などに対する見方や感じ方を広げたりすることができるようにする。

   ウ 楽しく美術の活動に取り組み創造活動の喜びを味わい,美術を愛好する心情を培い,心豊かな生活を創造していく態度を養う。

  (2)内 容

  A 表 現

   ア 感じ取ったことや考えたこと,目的や機能などを基に,描いたり,つくったりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)対象や事象を見つめ感じ取ったことや考えたこと,伝えたり使ったりする目的や条件などを基に主題を生み出し,構成を創意工夫し,心豊かに表現する構想を練ること。

    (イ)材料や用具の特性の生かし方などを身に付け,意図に応じて表現方法を工夫して表すこと。

  B 鑑 賞

   ア 美術作品や生活の中の美術の働き,美術文化などの鑑賞の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)美術作品などの造形的なよさや美しさを感じ取り,作者の心情や表現の意図と工夫などについて考えるなどして,見方や感じ方を広げること。

    (イ)生活の中の美術や文化遺産などのよさや美しさを感じ取り,生活を美しく豊かにする美術の働きや美術文化について考えるなどして,見方や感じ方を広げること。

  〔共通事項〕

   ア 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)形や色彩,材料や光などの働きを理解すること。

    (イ)造形的な特徴などから全体のイメージで捉えることを理解すること。

 ○2段階

  (1)目 標

   ア 造形的な視点について理解するとともに,意図に応じて自分の表現方法を追求して創造的に表すことができるようにする。

   イ 造形的なよさや美しさ,表現の意図と創造的な工夫などについて考え,主題を生み出し豊かに発想し構想を練ったり,美術や美術文化などに対する見方や感じ方を深めたりすることができるようにする。

   ウ 主体的に美術の活動に取り組み創造活動の喜びを味わい,美術を愛好する心情を深め,心豊かな生活を創造していく態度を養う。

  (2)内 容

  A 表 現

   ア 感じ取ったことや考えたこと,目的や機能などを基に,描いたり,つくったりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)対象や事象を深く見つめ感じ取ったことや考えたこと,伝えたり使ったりする目的や条件などを基に主題を生み出し,創造的な構成を工夫し,心豊かに表現する構想を練ること。

    (イ)材料や用具の特性の生かし方などを身に付け,意図に応じて表現方法を追求し,自分らしさを発揮して表すこと。

  B 鑑 賞

   ア 美術作品や生活の中の美術の働き,美術文化などの鑑賞の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)美術作品などの造形的なよさや美しさを感じ取り,作者の心情や表現の意図と創造的な工夫などについて考えるなどして,見方や感じ方を深めること。

    (イ)生活や社会の中の美術や文化遺産などのよさや美しさを感じ取り,生活や社会を美しく豊かにする美術の働きや美術文化について考えるなどして,見方や感じ方を深めること。

  〔共通事項〕

   ア 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)形や色彩,材料や光などの働きを理解すること。

    (イ)造形的な特徴などから全体のイメージで捉えることを理解すること。

 

 3 指導計画の作成と内容の取扱い

  (1)指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,造形的な見方・考え方を働かせ,表現したり鑑賞したりする資質・能力を相互に関連させた学習の充実を図ること。

   イ 2の各段階の内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導については相互の関連を図り,特に発想や構想に関する資質・能力と鑑賞に関する資質・能力とを総合的に働かせて学習が深められるようにすること。

   ウ 2の各段階の内容の〔共通事項〕は,表現及び鑑賞の学習において共通に必要となる資質・能力であり,「A表現」及び「B鑑賞」の各事項の指導と併せて,十分な指導が行われるよう工夫すること。

   エ 2の各段階の内容の「B鑑賞」の指導に当たっては,作品等について説明したり,話し合ったりして,周りの人と共有できる機会を設けるようにすること。

   オ 2の各段階の内容の「B鑑賞」の指導に当たっては,生徒や学校の実態に応じて,地域の美術館や博物館等と連携を図ったり,それらの施設や文化財などを積極的に活用したりするようにすること。また,学校図書館等における鑑賞用図書,映像資料等の活用を図ること。

  (2)2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 「A表現」の指導に当たっては,材料や用具の安全な使い方や保管について指導するとともに,活動場所について事前の点検や安全指導をするなどして,事故防止について徹底すること。

   イ 生徒が個性を生かして活動することができるようにするため,学習活動や表現方法などに幅をもたせるようにすること。

   ウ 「A表現」の指導に当たっては,活動の全過程を通して生徒が実現したい思いや願いを大切にしながら活動できるようにし,自分のよさや可能性を見いだし,生涯にわたり,楽しく豊かな生活を創造する態度を養うようにすること。

   エ 各活動において,互いのよさや個性などを認め尊重し合うようにすること。

   オ 互いの個性を生かし合い協力して創造する喜びを味わえるようにするため,適切な機会を選び共同で行う創造活動を経験させること。

   カ 「A表現」及び「B鑑賞」の学習を通して学んだことが,生活や社会の中で生かせるようにすることや,作品や用具等を大切に取り扱うことを理解して使えるよう指導すること。

   キ 見る力や感じ取る力,考える力,描く力などを育成するために,スケッチの学習を効果的に取り入れるようにすること。

   ク 美術の表現の可能性を広げるために,写真・ビデオ・コンピュータ等の映像メディアの積極的な活用を図るようにすること。

   ケ 日本及び諸外国の作品の独特な表現形式,漫画やイラストレーション,図などの多様な表現方法を活用できるようにすること。

   コ 表現の材料や題材などについては,地域の身近なものや伝統的なものも取り上げるようにすること。

   サ 〔共通事項〕の指導に当たっては,生徒が造形を豊かに捉える多様な視点をもてるように,以下の内容について配慮すること。

    (ア)〔共通事項〕のアの(ア)の指導に当たっては,形や色彩などの造形の要素に着目して,生徒が実感的に理解できるようにすること。

    (イ)〔共通事項〕のアの(イ)の指導に当たっては,造形的な特徴などを基に,見立てたり,心情などと関連付けたりして全体のイメージなどに着目して,生徒が実感的に理解できるようにすること。

   シ 生徒が鑑賞に親しむことができるよう,校内の適切な場所に鑑賞作品などを展示するとともに,学校や地域の実態に応じて,校外においても生徒作品などの展示の機会を設けるなどすること。

   ス 創造することの価値に気付き,自分たちの作品や美術作品などに表れている創造性を大切にする態度を養うとともに,必要に応じて,美術に関する知的財産権や肖像権などについて触れるようにすること。また,こうした態度を養うことが,美術文化の継承,発展,創造を支えていることへの理解につながるよう配慮すること。

 

 〔保健体育〕

 1 目 標

   体育や保健の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,合理的・計画的な解決に向けた主体的・協働的な学習過程を通して,心と体を一体として捉え,生涯にわたって心身の健康を保持増進し,豊かなスポーツライフを継続するための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1)各種の運動の特性に応じた技能等並びに個人生活及び社会生活における健康・安全についての理解を深めるとともに,目的に応じた技能を身に付けるようにする。

  (2)各種の運動や健康・安全についての自他や社会の課題を発見し,その解決に向けて仲間と思考し判断するとともに,目的や状況に応じて他者に伝える力を養う。

  (3)生涯にわたって継続して運動に親しむことや,健康の保持増進と体力の向上を目指し,明るく豊かで活力ある生活を営む態度を養う。

 

 2 各段階の目標及び内容

 ○1段階

  (1)目 標

   ア 各種の運動の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能等や心身の発育・発達,個人生活に必要な健康・安全に関する事柄などを理解するとともに,技能を身に付けるようにする。

   イ 各種の運動や健康・安全な生活を営むための自他の課題を発見し,その解決のための方策を工夫したり,仲間と考えたりしたことを,他者に伝える力を養う。

   ウ 各種の運動における多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,自己の最善を尽くして自主的に運動をする態度を養う。また,健康・安全に留意し,健康の保持増進と回復に積極的に取り組む態度を養う。

  (2)内 容

  A 体つくり運動

    体つくり運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動を通して,体を動かす楽しさや心地よさを味わい,その行い方や方法を理解するとともに,仲間と積極的に関わったり,動きを持続する能力などを高める運動をしたりすること。

   イ 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動についての自他の課題を発見し,その解決のための方策を工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

   ウ ほぐしの運動や体の動きを高める運動の多様な経験を通して,きまりを守り,仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,自主的に運動をすること。

  B 器械運動

    器械運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 器械運動の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能を理解するとともに技を身に付けること。

   イ 器械運動についての自他の課題を発見し,その解決のための方策を工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

   ウ 器械運動の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,仲間と協力したり,場や器械・器具の安全を確保したりし,自主的に運動をすること。

  C 陸上競技

    陸上競技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 陸上競技の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能を理解するとともに技能を身に付けること。

   イ 陸上競技についての自他の課題を発見し,その解決のための方策を工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

   ウ 陸上競技の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,自主的に運動をすること。

  D 水泳

    水泳について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 水泳の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能を理解するとともに泳法を身に付けること。

   イ 水泳についての自他の課題を発見し,その解決のための方策を工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

   ウ 水泳の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,自主的に運動をすること。

  E 球技

    球技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 球技の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能を理解するとともに技能を身に付け,簡易化されたゲームを行うこと。

   イ 球技についての自他の課題を発見し,その解決のための方策を工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

   ウ 球技の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,自主的に運動をすること。

  F 武道

    武道について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 武道の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能を理解するとともに,基本動作や基本となる技を用いて,簡易な攻防を展開すること。

   イ 武道についての自他の課題を発見し,その解決のための方策を工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

   ウ 武道の多様な経験を通して,きまりや伝統的な行動の仕方を守り,仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,自主的に運動をすること。

  G ダンス

    ダンスについて,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア ダンスの楽しさや喜びを味わい,その行い方を理解するとともに,技能を身に付け,表現や踊りを通した交流をすること。

   イ ダンスについての自他の課題を発見し,その解決のための方策を工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

   ウ ダンスの多様な経験を通して,仲間の表現を認め助け合ったり,場や用具の安全を確保したりし,自主的に運動をすること。

  H 体育理論

    体育理論について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文化としてのスポーツの意義に気付くこと。

   イ 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文化としてのスポーツの意義についての課題を発見し,その解決のための方策を工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

   ウ 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文化としてのスポーツの意義についての学習に積極的に取り組むこと。

  I 保健

    健康・安全に関する事項について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 心身の発育・発達,傷害の防止及び疾病の予防等を理解するとともに,健康で安全な個人生活を営むための技能を身に付けること。

   イ 健康・安全に関わる自他の課題を発見し,その解決のための方策を工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

 ○2段階

  (1)目 標

   ア 各種の運動の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能等や心身の発育・発達,個人生活及び社会生活に必要な健康・安全に関する事柄などの理解を深めるとともに,目的に応じた技能を身に付けるようにする。

   イ 各種の運動や健康・安全な生活を営むための自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝える力を養う。

   ウ 各種の運動における多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,生涯にわたって運動に親しむ態度を養う。また,健康・安全に留意し,健康の保持増進と回復に自主的に取り組む態度を養う。

  (2)内 容

  A 体つくり運動

    体つくり運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動を通して,体を動かす楽しさや心地よさを深く味わい,その行い方や方法の理解を深めるとともに,仲間と自主的に関わったり,動きを持続する能力などを高める運動をしたりするとともに,それらを組み合わせること。

   イ 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動についての自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

   ウ 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動の多様な経験を通して,きまりを守り,自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,見通しをもって自主的に運動をすること。

  B 器械運動

    器械運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 器械運動の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能の理解を深めるとともに,目的に応じた技を身に付け,演技すること。

   イ 器械運動についての自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

   ウ 器械運動の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や器械・器具の安全を確保したりし,見通しをもって自主的に運動をすること。

  C 陸上競技

    陸上競技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 陸上競技の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能の理解を深めるとともに,目的に応じた技能を身に付けること。

   イ 陸上競技についての自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

   ウ 陸上競技の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,見通しをもって自主的に運動をすること。

  D 水泳

    水泳について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 水泳の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能の理解を深めるとともに,目的に応じた泳法を身に付けること。

   イ 水泳についての自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

   ウ 水泳の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,見通しをもって自主的に運動をすること。

  E 球技

    球技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 球技の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能の理解を深めるとともに,目的に応じた技能を身に付け,ゲームを行うこと。

   イ 球技についての自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

   ウ 球技の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,見通しをもって自主的に運動をすること。

  F 武道

    武道について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 武道の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能の理解を深めるとともに,基本動作や基本となる技を用いて,相手の動きの変化に応じた攻防を展開すること。

   イ 武道についての自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

   ウ 武道の多様な経験を通して,きまりや伝統的な行動の仕方を守り,自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,見通しをもって自主的に運動をすること。

  G ダンス

    ダンスについて,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア ダンスの楽しさや喜びを深く味わい,その行い方の理解を深めるとともに,目的に応じた技能を身に付け,表現や踊りを通した交流や発表をすること。

   イ ダンスについての自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

   ウ ダンスの多様な経験を通して,一人一人の表現や役割を認め助け合ったり,場や用具の安全を確保したりし,見通しをもって自主的に運動をすること。

  H 体育理論

    体育理論について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文化としてのスポーツの意義に関する基礎的な知識を身に付けること。

   イ 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文化としてのスポーツの意義についての課題を発見し,よりよい解決のために仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

   ウ 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文化としてのスポーツの意義についての学習に自主的に取り組むこと。

  I 保健

    健康・安全に関する事項について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 心身の発育・発達,傷害の防止及び疾病の予防等の理解を深めるとともに,健康で安全な個人生活及び社会生活を営むための目的に応じた技能を身に付けること。

   イ 健康・安全に関わる自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

 

 3 指導計画の作成と内容の取扱い

  (1)指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,体育や保健の見方・考え方を働かせ,運動や健康についての自他の課題を見付け,個々の生徒の障害の状態等に応じて,その解決のための活動の充実を図ること。また,運動の楽しさや喜びを味わったり,健康の大切さを実感したりすることができるよう,留意すること。

   イ 2の各段階の内容の「A体つくり運動」,「H体育理論」及び「I保健」については,3学年間にわたって取り扱うこと。

  (2)2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 学校や地域の実態を考慮するとともに,個々の生徒の障害の状態等,運動の経験及び技能の程度などに応じた指導や生徒自らが運動の課題の解決を目指す活動を行えるよう工夫すること。

   イ 各領域の特性に応じた,知識及び技能の効果的な獲得や,思考力・判断力・表現力等の育成が図られるよう,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を積極的に活用するなどして,指導の効果を高めるよう工夫すること。

   ウ 運動を苦手と感じている生徒や,運動に意欲的に取り組まない生徒への指導を工夫すること。

   エ 「A体つくり運動」から「Gダンス」までと「I保健」との関連を図る指導を工夫すること。

   オ 「A体つくり運動」については,実生活に役立てるため,自分の体力や生活に応じた運動を考えることができるよう指導を工夫すること。

   カ 「D水泳」については,泳法との関連において指導を行う場合は,水中からのスタート及びターンを取り上げること。

   キ 「E球技」については,個の能力だけでなく,より集団を意識したゲームを取り扱うものとする。

   ク 「F武道」については,武道場や用具の確保が難しい場合は指導方法を工夫して行うとともに,安全面に十分留意すること。

   ケ 「H体育理論」については,オリンピック・パラリンピックなどの国際大会の意義や役割,フェアプレイの精神等に触れるとともに,運動やスポーツを「すること」,「知ること」,「見ること」,「応援すること」などの多様な関わり方についても取り扱うようにすること。

   コ 自然との関わりの深いスキー,スケートや水辺活動などの指導については,生徒の障害の状態等,学校や地域の実態等に応じて積極的に行うようにすること。

   サ 集合,整頓,列の増減,方向転換などの行動の仕方を身に付け,能率的で安全な集団としての行動ができるようにするための指導を行う場合は,「A体つくり運動」から「Gダンス」までの領域において適切に行うものとする。

   シ 言語能力を育成する言語活動を重視し,筋道を立てて練習や作戦について話し合う活動や,個人生活における健康の保持増進や回復について話し合う活動などを通して,コミュニケーション能力や思考力の育成を促し,主体的な学習活動の充実を図ること。

 

 〔職 業〕

 1 目 標

   職業に係る見方・考え方を働かせ,職業など卒業後の進路に関する実践的・体験的な学習活動を通して,よりよい生活の実現に向けて工夫する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1)職業に関する事柄について理解を深めるとともに,将来の職業生活に係る技能を身に付けるようにする。

  (2)将来の職業生活を見据え,必要な事柄を見いだして課題を設定し,解決策を考え,実践を評価・改善し,表現する力を養う。

  (3)よりよい将来の職業生活の実現や地域社会への貢献に向けて,生活を改善しようとする実践的な態度を養う。

 

 2 各段階の目標及び内容

 ○1段階

  (1)目 標

   ア 職業に関する事柄について理解するとともに,将来の職業生活に係る技能を身に付けるようにする。

   イ 将来の職業生活を見据え,必要な事柄を見いだして課題を設定し,解決策を考え,実践を評価し,表現する力を養う。

   ウ よりよい将来の職業生活の実現や地域社会への参画に向けて,生活を工夫しようとする実践的な態度を養う。

  (2)内 容

  A 職業生活

   ア 勤労の意義

     勤労に対する意欲や関心を高め,他者と協働して取り組む作業や実習等に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)勤労の意義を理解すること。

    (イ)意欲や見通しをもって取り組み,その成果や自分と他者との役割及び他者との協力について考え,表現すること。

    (ウ)作業や実習等に達成感を得て,計画性をもって主体的に取り組むこと。

   イ 職業

     職業に関わる事柄について,他者との協働により考えを深めたり,体験したりする学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)職業に関わる知識や技能について,次のとおりとする。

      ㋐ 職業生活に必要とされる実践的な知識及び技能を身に付けること。

      ㋑ 職業生活を支える社会の仕組み等の利用方法を理解すること。

      ㋒ 材料や育成する生物等の特性や扱い方及び生産や生育活動等に関わる技術について理解すること。

      ㋓ 使用する道具や機械等の特性や扱い方を理解し,作業課題に応じて正しく扱うこと。

      ㋔ 作業の確実性や持続性,巧緻性等を高め,状況に応じて作業すること。

    (イ)職業生活に必要な思考力,判断力,表現力等について,次のとおりとする。

      ㋐ 作業や実習における役割を踏まえて,自分の成長や課題について考え,表現すること。

      ㋑ 生産や生育活動等に関わる技術について考えること。

      ㋒ 作業上の安全や衛生及び作業の効率について考え,改善を図ること。

      ㋓ 職業生活に必要な健康管理や余暇の過ごし方について考えること。

  B 情報機器の活用

    職業生活で使われるコンピュータ等の情報機器を扱うことに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 情報セキュリティ及び情報モラルについて知るとともに,表現,記録,計算,通信等に係るコンピュータ等の情報機器について,その特性や機能を知り,操作の仕方が分かり,扱えること。

   イ 情報セキュリティ及び情報モラルを踏まえ,コンピュータ等の情報機器扱い,収集した情報をまとめ,考えたことを発表すること。

  C 産業現場等における実習

    産業現場等における実習を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 職業など卒業後の進路に必要となることについて理解すること。

   イ 産業現場等における実習での自己の成長について考えたことを表現すること。

 ○2段階

  (1)目 標

   ア 職業に関する事柄について理解を深めるとともに,将来の職業生活に係る技能を身に付けるようにする。

   イ 将来の職業生活を見据え,必要な事柄を見いだして課題を設定し,解決策を考え,実践を評価・改善し,表現する力を養う。

   ウ よりよい将来の職業生活の実現や地域社会への貢献に向けて,生活を改善しようとする実践的な態度を養う。

  (2)内 容

  A 職業生活

   ア 勤労の意義

     勤労に対する意欲や関心を高め,他者と協働して取り組む作業や実習等に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)勤労の意義について理解を深めること。

    (イ)目標をもって取り組み,その成果や自分と他者との役割及び他者との協力について考え,表現すること。

    (ウ)作業や実習等を通して貢献する喜びを体得し,計画性をもって主体的に取り組むこと。

   イ 職業

     職業に関わる事柄について,他者との協働により考えを深めたり,体験したりする学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)職業に関わる知識や技能について,次のとおりとする。

      ㋐ 職業生活に必要とされる実践的な知識を深め技能を身に付けること。

      ㋑ 職業生活を支える社会の仕組み等の利用方法について理解を深めること。

      ㋒ 材料や育成する生物等の特性や扱い方及び生産や生育活動等に関わる技術について理解を深めること。

     ㋓ 使用する道具や機械等の特性や扱い方の理解を深め,作業課題に応じて効   果的に扱うこと。

      ㋔ 作業の確実性や持続性,巧緻性等を高め,状況に応じて作業し,習熟すること。

    (イ)職業生活に必要な思考力,判断力,表現力等について,次のとおりとする。

      ㋐ 作業や実習において,自ら適切な役割を見いだすとともに,自分の成長や課題について考え,表現すること。

      ㋑ 生産や生育活動等に係る技術に込められた工夫について考えること。

      ㋒ 作業上の安全や衛生及び作業の効率について考え,他者との協働により改善を図ること。

 ㋓ 職業生活に必要な健康管理や余暇の過ごし方の工夫について考えること。

  B 情報機器の活用

    職業生活で使われるコンピュータ等の情報機器を扱うことに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 情報セキュリティ及び情報モラルについて理解するとともに,表現,記録,計算,通信等に係るコンピュータ等の情報機器について,その特性や機能を理解し,目的に応じて適切に操作すること。

   イ 情報セキュリティ及び情報モラルを踏まえ,コンピュータ等の情報機器を扱い,収集した情報をまとめ,考えたことについて適切に表現すること。

  C 産業現場等における実習

    産業現場等における実習を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 職業など卒業後の進路に必要となることについて理解を深めること。

   イ 産業現場等における実習で課題の解決について考えたことを表現すること。

 

 3 指導計画の作成と内容の取扱い

  (1)指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,職業に係る見方・考え方を働かせ,作業や産業現場等における実習など実践的な活動と知識とを相互に関連付けてより深く理解できるようにするとともに,生活や社会の中から問題を見いだして解決策を考え,実践を評価・改善して,新たな課題の解決に向かう過程を重視した学習の充実を図ること。

   イ 2の各段階の目標及び内容については,3学年間を見通した全体的な指導計画に基づき,生徒の学習状況を踏まえながら系統的に展開されるように適切に計画すること。その際,中学部の職業・家庭科をはじめとする各教科等とのつながりを重視すること。また,各項目及び各項目に示す事項については,相互に有機的な関連を図り,総合的に展開されるように適切な題材を設定して計画を作成すること。さらに,高等部における家庭科等と関連付けて効果的に指導を行うとともに,持続可能な開発のための教育を推進する視点から他教科等との関連を図ること。

   ウ 生徒一人一人のキャリア発達を促していくことを踏まえ,発達の段階に応じて望ましい勤労観や職業観を育むとともに,自己に対する理解を深め,自らの生き方を考えて進路を主体的に選択することができるよう,将来の生き方等についても扱うなど,組織的かつ計画的に指導を行うこと。

   エ 地域や産業界との連携を図り,校内外の作業や産業現場等における実習の充実を図ること。産業現場等における実習については,作業や就業体験活動等を踏まえ,段階的・系統的に指導するとともに,地域社会への参画や社会貢献の意識が高まるよう計画すること。

  (2)2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 実習の指導に当たっては,施設・設備の安全・衛生管理に配慮し,学習環境を整備するとともに,火気,用具,材料などの取扱いと事故防止の指導を徹底するものとする。その際,適切な服装や防護眼鏡・防塵(じん)マスクの着用等による安全・衛生の確保に努めること。

   イ 実際的な知識及び技能を習得し,その理解を深めることで概念が育まれるとともに,働く喜びや仕事のやりがいを実感できるよう,実践的・体験的な学習活動を充実すること。

   ウ 生徒が習得した知識や技能を生活に活用したり,職業や生活の変化に対応したりすることができるよう,問題解決的な学習を充実させるとともに,家庭や地域,企業などとの連携・協働を図ること。

   エ 職業生活に生きて働く実践的な知識や技能及び態度の形成とその活用に重点を置いた指導が行われるように配慮すること。

   オ 職業生活に必要な健康管理や余暇については,将来を見据え自立活動と関連させながら具体的に指導すること。

   カ 「A職業生活」については,社会科の内容「ア社会参加ときまり」及び「エ産業と生活」などと関連させて指導すること。

   キ 「B情報機器の活用」については,家庭生活における情報機器の取扱い等についても取り上げること。

 

 〔家 庭〕

 1 目 標

   生活の営みに係る見方・考え方を働かせ,衣食住などに関する実践的・体験的な学習活動を通して,よりよい生活の実現に向けて工夫する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1)家族・家庭の機能について理解を深め,生活の自立に必要な家族・家庭,衣食住,消費や環境等についての基礎的な理解を図るとともに,それらに係る技能を身に付けるようにする。

  (2)家庭や地域における生活の中から問題を見いだして課題を設定し,解決策を考え,実践を評価・改善し,考えたことを表現するなど,課題を解決する力を養う。

  (3)家族や地域の人々との関わりを考え,家族の一員として,よりよい生活の実現に向けて,生活を工夫し考えようとする実践的な態度を養う。

 

 2 各段階の目標及び内容

 ○1段階

  (1)目 標

   ア 家族・家庭の機能について理解し,生活の自立に必要な家族・家庭,衣食住,消費や環境等についての基礎的な理解を図るとともに,それらに係る技能を身に付けるようにする。

   イ 家庭や地域における生活の中から問題を見いだして課題を設定し,解決策を考え,実践を評価・改善し,考えたことを表現するなど,課題を解決する力を養う。

   ウ 家族や地域の人々との関わりを通して,よりよい生活の実現に向けて,生活を工夫し考えようとする実践的な態度を養う。

  (2)内 容

  A 家族・家庭生活

   ア 自分の成長と家族

     自分の成長と家族や家庭生活などに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)自分の成長と家族や家庭生活との関わりが分かり,家庭生活が家族の協力によって営まれていることに気付くこと。

    (イ)家族とのよりよい関わり方について考え,表現すること。

   イ 家庭生活での役割と地域との関わり

     家族との触れ合いや地域の人々と接することなどに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)家庭生活において,地域の人々との協力が大切であることに気付くこと。

    (イ)家族と地域の人々とのよりよい関わり方について考え,表現すること。

   ウ 家庭生活における健康管理と余暇

     家庭生活における健康管理や余暇に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)健康管理や余暇の有効な過ごし方について理解し,実践すること。

    (イ)健康管理や余暇の有効な過ごし方について考え,表現すること。

   エ 乳幼児や高齢者などの生活

     乳幼児や高齢者と接することなどに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)乳幼児や高齢者などの生活の特徴,乳幼児や高齢者などとの関わり方について気付くこと。

    (イ)乳幼児や高齢者などとのよりよい関わり方について考え,表現すること。

  B 衣食住の生活

   ア 食事の役割

     食事の役割に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)生活の中で食事が果たす役割について理解すること。

    (イ)健康によい食習慣について考え,工夫すること。

   イ 日常食の調理

     日常食の調理に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)日常生活と関連付け,用途に応じた食品の選択,食品や調理用具等の安全と衛生に留意した管理,材料に適した加熱調理の仕方について知り,基礎的な日常食の調理ができること。

    (イ)基礎的な日常食の調理について,食品の選択や調理の仕方,調理計画を考え,表現すること。

   ウ 衣服の選択

     衣服の選択に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)衣服と社会生活との関わりが分かり,目的に応じた着用,個性を生かす着用及び衣服の適切な選択について理解すること。

    (イ)衣服の選択について考え,工夫すること。

   エ 布を用いた製作

     布を用いた製作に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)目的に応じた縫い方及び用具の安全な取扱いについて理解し,適切にできること。

    (イ)目的に応じた縫い方について考え,工夫すること。

   オ 住居の基本的な機能と快適で安全な住まい方

     住居の基本的な機能や快適で安全な住まい方に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)家族の生活と住空間との関わりや住居の基本的な機能について知ること。

    (イ)家族の安全や快適さを考えた住空間について考え,表現すること。

  C 消費生活・環境

   ア 消費生活

     消費生活に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 購入方法や支払方法の特徴が分かり,計画的な金銭管理の必要性に気付くこと。

      ㋑ 売買契約の仕組み,消費者被害の背景とその対応について理解し,物資・サービスの選択に必要な情報の収集・整理ができること。

    (イ)物資・サービスの選択に必要な情報を活用して購入について考え,表現すること。

   イ 消費者の基本的な権利と責任

     消費者の基本的な権利と責任に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)消費者の基本的な権利と責任,自分や家族の消費生活が環境や社会に及ぼす影響について気付くこと。

    (イ)身近な消費生活について,自立した消費者として責任ある消費行動を考え,表現すること。

 ○2段階

  (1)目 標

   ア 家族・家庭の機能について理解を深め,生活の自立に必要な家族・家庭,衣食住,消費や環境等についての基礎的な理解を図るとともに,それらに係る技能を身に付けるようにする。

   イ 家庭や地域における生活の中から問題を見いだして課題を設定し,解決策を考え,実践を評価・改善し,考えたことを表現するなど,課題を解決する力を養う。

   ウ 家族や地域の人々との関わりを通して,よりよい生活の実現に向けて,生活を工夫し考えようとする実践的な態度を養う。

  (2)内 容

  A 家族・家庭生活

   ア 自分の成長と家族

     自分の成長と家族や家庭生活などに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)自分の成長と家族や家庭生活の関わりが分かり,家庭生活が家族の協力によって営まれていることを理解すること。

    (イ)家族とのよりよい関わり方について考え,工夫すること。

   イ 家庭生活での役割と地域との関わり家族や地域の人々などに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)家庭生活において,地域の人々との協力が大切であることを理解すること。

    (イ)家庭と地域の人々とのよりよい関わり方について考え,工夫すること。

   ウ 家庭生活における健康管理と余暇

     家庭生活における健康管理や余暇に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)健康管理や余暇の有効な過ごし方について理解を深め,実践すること。

    (イ)健康管理や余暇の有効な過ごし方について考え,工夫すること。エ乳幼児や高齢者などの生活乳幼児や高齢者と接することなどに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)乳幼児や高齢者などの生活の特徴が分かり,乳幼児や高齢者などとの関わり方について理解すること。

    (イ)乳幼児や高齢者などとのよりよい関わり方について考え,工夫すること。

  B 衣食住の生活

   ア 必要な栄養を満たす食事

     自分に必要な栄養を満たす食事に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)自分に必要な栄養素の種類と働きが分かり,食品の栄養的な特質について理解すること。

    (イ)一日分の献立について考え,工夫すること。

   イ 日常食の調理

     日常食の調理に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)日常生活と関連付け,用途に応じた食品の選択,食品や調理用具等の安全と衛生に留意した管理,材料に適した加熱調理の仕方について理解し,基礎的な日常食の調理が適切にできること。

    (イ)基礎的な日常食の調理について,食品の選択や調理の仕方,調理計画を考え,工夫すること。

   ウ 衣服の手入れ

     衣服の手入れに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)衣服の材料や状態に応じた日常着の手入れについて理解し,適切にできること。

    (イ)衣服の材料や状態に応じた日常着の手入れについて考え,工夫すること。

   エ 布を用いた製作

     布を用いた製作に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)製作に必要な材料や手順が分かり,製作計画について理解すること。

    (イ)布を用いた簡単な物の製作計画を考え,製作を工夫すること。

   オ 住居の基本的な機能と快適で安全な住まい方

     住居の基本的な機能や快適で安全な住まい方に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)家族の生活と住空間との関わりが分かり,住居の基本的な機能について理解すること。

    (イ)家族の安全や快適さを考えた住空間の整え方について考え,工夫すること。

  C 消費生活・環境

   ア 消費生活

     消費生活に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)次のような知識及び技能を身に付けること。

      ㋐ 購入方法や支払方法の特徴が分かり,計画的な金銭管理の必要性に気付くこと。

      ㋑ 売買契約の仕組み,消費者被害の背景とその対応について理解し,物資・サービスの選択に必要な情報の収集・整理ができること。

    (イ)物資・サービスの選択に必要な情報を活用して購入について考え,工夫すること。

   イ 消費者の基本的な権利と責任

     消費者の基本的な権利と責任に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)消費者の基本的な権利と責任,自分や家族の消費生活が環境や社会に及ぼす影響について理解すること。

    (イ)身近な消費生活について,自立した消費者として責任ある消費行動を考え,工夫すること。

 

 3 指導計画の作成と内容の取扱い

  (1)指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,生活の営みに係る見方・考え方を働かせ,体験的な活動と知識とを相互に関連付けてより深く理解するとともに,生活の中から問題を見いだして解決策を考え,実践を評価・改善して,新たな課題の解決に向かう過程を重視した学習の充実を図ること。

   イ 各段階における目標・内容については,3学年間を見通した全体的な指導計画に基づき,生徒の学習状況を踏まえながら系統的に指導ができるようにすること。その際,中学部の職業・家庭科をはじめとする各教科等とのつながりを重視すること。また,各項目及び各項目に示す事項については,相互に有機的な関連を図り,総合的に展開されるよう適切な題材を設定して計画を作成すること。さらに,高等部における職業科等と関連付けて効果的に指導を行うととともに,他教科等との連携も図ること。

   ウ 「B衣食住の生活」の2段階の「ア必要な栄養を満たす食事」及び「ウ衣服の手入れ」については,それぞれ1段階の「ア食事の役割」及び「ウ衣服の選択」の内容を十分に踏まえるとともに,各段階に示された事項の関連を図りながら,総合的に指導するよう計画すること。

   エ 家庭や地域との連携を図り,校内外での実践的・体験的な学習活動の充実を図り指導の効果を高めること。実践的・体験的な学習活動については,校内での体験的な学習活動と関連させ,段階的・系統的に指導するよう配慮すること。

  (2)2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 指導に当たっては,衣食住などに関する実習等の結果を整理し考察する学習活動や,生活や社会における課題を解決するために言葉や図表,概念などを用いて考えたり,説明したりするなどの学習活動の充実を図ること。

   イ 指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークを積極的に活用して,実習等における情報の収集・整理や,実践結果の発表などを行うことができるように工夫すること。

   ウ 資質・能力の育成を図り,一人一人の個性を生かし伸ばすよう,生徒の興味・関心を踏まえた学習課題の設定,技能の習得状況に応じた指導や教材・教具の工夫など個に応じた指導の充実に努めること。

   エ 生徒が,学習した知識及び技能を生活に活用したり,生活や社会の変化に対応したりすることができるよう,生活や社会の中から問題を見いだして課題を設定し解決する学習活動を充実するとともに,家庭や地域社会,企業などとの連携を図るように配慮すること。

   オ 「B衣食住の生活」については,日本の伝統的な生活についても扱い,生活文化を継承する大切さに気付くことができるよう配慮すること。また,「B衣食住の生活」の各段階の「イ日常食の調理」については,地域の食文化や和食についても取り上げること。

   カ 「C消費生活・環境」のア及びイについては,「A家族・家庭生活」又は「B衣食住の生活」の学習との関連を図り,実践的に学習できるようにすること。また,アについては,身近な消費行動と関連を図った物資・サービスや消費者被害を扱うこと。(ア)の については,クレジットなどの三者間契約についても扱うこと。

  (3)実習などの指導については,次の事項に配慮するものとする。

   ア 施設・設備の安全管理に配慮し,学習環境を整備するとともに,火気,用具,材料などの取扱いに注意して事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。その際,服装を整え,衛生に留意して用具の手入れや保管を適切に行うこととする。

   イ 食に関する指導については,家庭科の特質に応じて,食育の充実に資するようにすること。

   ウ 乳幼児や高齢者などと関わるなど校外での学習について,事故の防止策及び事故発生時の対応策等を綿密に計画するとともに,相手に対する配慮にも十分留意すること。

   エ 調理に用いる食品については,安全・衛生に留意すること。また,食物アレルギーについても配慮すること。

 〔外国語〕

 1 目 標

   外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を通して,コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1)外国語の音声や文字,語彙,表現,言語の働きなどについて,日本語と外国語との違いに気付くとともに,読むこと,書くことに慣れ親しみ,聞くこと,読むこと,話すこと,書くことによる実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身に付けるようにする。

  (2)コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,身近で簡単な事柄について,聞いたり話したりするとともに,音声で十分に慣れ親しんだ外国語の語彙などが表す事柄を想像しながら読んだり書いたりして,自分の考えや気持ちなどを伝え合うことができる基礎的な力を養う。

  (3)外国語の背景にある文化に対する理解を深め,他者に配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。

 

 2 各段階の目標及び内容

 ○1段階

  (1)目 標

   ア 音声や文字,語彙,表現などについて日本語と外国語との違いに気付くとともに,読むこと,書くことに慣れ親しみ,聞くこと,話すことを中心とした実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な力を身に付付けるようにする。

   イ コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,身近で簡単な事柄について,聞いたり話したりするとともに,音声で十分に慣れ親しんだ外国語の語彙などを真似ながら読んだり,外国語の文字をなぞって書いたりして,自分の考えや気持ちなどを伝え合うことができる基礎的な力を養う。

   ウ 外国語の背景にある文化について理解し,相手に配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。

  (2)内 容

  〔英 語〕

   〔知識及び技能〕

   ア 英語の特徴等に関する事項

     実際に英語を用いた場面や状況等における言語活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)英語の音声及び簡単な語句や基本的な表現などについて,日本語との違いに気付くこと。

     ㋐ 英語の音声を聞いて話したり,文字を見て読んだり書いたりして日本語の音声や文字などとの違いに気付くこと。

      ㋑ 英語の音声や文字も,事物の内容を表したり,要件を伝えたりするなどの働きがあることに気付くこと。

      ㋒ 簡単な語句や基本的な表現などが表す内容を知り,それらを使うことで要件が相手に伝わることに気付くこと。

   〔思考力,判断力,表現力等〕

   イ 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝え合ったりすることに関する事項

     具体的な課題等を設定し,コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,情報を整理しながら考えなどを形成し,これらを表現することを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)簡単な事柄について,伝えようとした内容を整理した上で,簡単な語句などを用いて自分の考えや気持ちなどを伝え合うこと。

    (イ)身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語彙などが表す事柄を想像しながら読んだり,書いたりすること。

   ウ 言語活動及び言語の働きに関する事項

     言語活動に関する事項

     イに示す事項については,アに示す事項を活用して,例えば,次のような言語活動を通して指導する。

    (ア)聞くこと

      ㋐ 自分に関する簡単な事柄について,簡単な語句や基本的な表現を聞き,それらを表すイラストや写真などと結び付ける活動。

      ㋑ 日付や時刻,値段などを表す表現など,身近で簡単な事柄について,表示などを参考にしながら具体的な情報を聞き取る活動。

    (イ)話すこと[発表]

 ㋐ 簡単な語句や基本的な表現を用いて,自分の趣味や得意なことなどを含めて自己紹介をする活動。

    (ウ)話すこと[やり取り]

      ㋐ 挨拶を交わしたり,簡単な指示や依頼をして,それらに応じたり断ったりする活動。

    (エ)書くこと

 ㋐ 活字体の大文字,小文字を区別して書く活動。

      ㋑ 相手に伝えるなどの目的をもって,身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語彙などを書き写す活動。

     ㋒ 相手に伝えるなどの目的をもって,身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ語彙などを書き写す活動。

    (オ)読むこと

     ㋐ 活字体で書かれた文字を見て,どの文字であるかやその文字が大文字であるか小文字であるかを識別する活動。

      ㋑ 活字体で書かれた文字を見て,その読み方を発音する活動。

     言語の働きに関する事項

     言語活動を行うに当たり,主として次に示すような言語の使用場面や言語の働きを取り上げるようにする。

    (ア)言語の使用場面の例

 ㋐ 特有の表現がよく使われる場面

       ・挨拶

       ・自己紹介

       ・買物

       ・食事

       ・道案内

       ・旅行 など

      ㋑ 生徒の身近な暮らしに関わる場面

       ・学校での学習や活動

       ・家庭での生活

       ・地域での生活 など

    (イ)言語の働きの例

      ㋐ コミュニケーションを円滑にする    

      ・挨拶をする            

      ・呼び掛ける            

      ・相づちを打つ         

      ・聞き直す など      

     ㋑ 気持ちを伝える     

      ・礼を言う  

      ・褒める      

      ・謝る など             

     ㋒ 事実・情報を伝える            

      ・説明する  

      ・報告する  

      ・発表する など      

 ㋓ 考えや意図を伝える           

      ・意見を言う            

      ・賛成する  

      ・承諾する  

      ・断る など             

     ㋔ 相手の行動を促す  

      ・質問する  

      ・依頼する  

      ・命令する など      

 

 〔その他の外国語〕

    その他の外国語については,〔英語〕に示す内容に準じて指導を行うものとする。

 ○2段階

  (1)目 標

   ア 音声や文字,語彙,表現などについて日本語と外国語との違いに気付くとともに,読むこと,書くことに慣れ親しみ,聞くこと,話すこと,読むこと,書くことによる実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な力を身に付けるようにする。

   イ コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,身近で簡単な事柄について,聞いたり話したりするとともに,音声で十分に慣れ親しんだ外国語の語彙などが表す事柄を想像しながら読んだり書いたりして,自分の考えや気持ちなどを伝え合うことができる基礎的な力を養う。

   ウ 外国語の背景にある文化について理解し,他者に配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。

  (2)内 容

  〔英 語〕

   〔知識及び技能〕

   ア 英語の特徴等に関する事項

      実際に英語を用いた場面や状況等における言語活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)英語の音声及び簡単な語句や基本的な表現などについて,日本語との違いに気付くこと。

㋐ 英語の音声を聞いて話したり,簡単な語彙などを読んだり書いたりして日本 語の音声や文字などとの違いに気付くこと。 

 ㋑ 英語の音声や文字も,事物の内容を表したり,要件を伝えたりするなどの働きがあることに気付くこと。

      ㋒ 簡単な語句や基本的な表現などが表す内容を知り,それらを使うことで要件が相手に伝わることに気付くこと。

   〔思考力,判断力,表現力等〕

   イ 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝え合ったりすることに関する事項

      具体的な課題等を設定し,コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,情報を整理しながら考えなどを形成し,これらを表現することを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

    (ア)身近で簡単な事柄について,伝えようとする内容を整理した上で簡単な語句や基本的な表現などを用いて伝え合うこと。

    (イ)身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語彙などが表す事柄を想像しながら読んだり,書いたりすること。

   ウ 言語活動及び言語の働きに関する事項

     言語活動に関する事項

     イに示す事項については,アに示す事項を活用して,例えば,次のような言語活動を通して指導する。

    (ア)聞くこと

     ㋐  自分のことや学校生活など身近で簡単な事柄について,簡単な語句や基本的な表現を聞き,それらを表すイラストや写真などと結び付ける活動。

      ㋑ 日付や時刻,値段などを表す表現など,身近で簡単な事柄について,具体的な情報を聞き取る活動。

      ㋒ 友達や家族,学校生活など,身近で簡単な事柄について,簡単な語句や基本的な表現で話される短い会話や説明を,イラストや写真を参考にしながら聞いて,必要な情報を聞き取る活動。

    (イ)話すこと[発表]

      ㋐ 簡単な語句や基本的な表現を用いて,身近で簡単な事柄について,自分の考えや気持ちを話す活動。

    (ウ)話すこと[やり取り]

      ㋐ 身近で簡単な事柄について,自分の考えや気持ちを伝えたり,簡単な質問をしたり質問に答えたりして伝え合う活動。

    (エ)書くこと

     ㋐ 相手に伝えるなどの目的をもって,身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ語彙などを書き写す活動。

      ㋑ 相手に伝えるなどの目的をもって,身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語彙などを書き写す活動。

    (オ)読むこと

     ㋐ 日常生活に関する身近で簡単な事柄を内容とする掲示やパンフレットなどから,自分が必要とする情報を得る活動。

      ㋑ 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語彙などを,挿絵がある本などの中から識別する活動。

     言語の働きに関する事項

      2段階の言語活動を行うに当たっては,1段階の言語の働きに関する事項を踏まえ,生徒の学習状況に応じた言語の使用場面や言語の働きを取り上げるようにする。

  〔その他の外国語〕

    その他の外国語については,〔英語〕に示す内容に準じて指導を行うものとする。

 

 3 指導計画の作成と内容の取扱い

  (1)外国語科においては,英語を履修させることを原則とすること。

  (2)指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,具体的課題等を設定し,生徒が外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせながら,コミュニケーションの目的や場面,状況などを意識して活動を行い,英語の音声や語彙,表現などの知識を,五つの領域における実際のコミュニケーションにおいて活用する学習の充実を図ること。

   イ これまでに学習した外国語との関連に留意して,指導計画を適切に作成すること。

   ウ 外国語科を設ける場合は,生徒の障害の状態や実態に応じて,指導目標を適切に定め,3年間を通して外国語科の目標の実現を図るようにすること。

   エ 指導内容や活動については,生徒の興味や関心,経験などに合ったものとし,他の教科等で学習したことを活用したり,学校行事で扱う内容と関連付けたりするなどの工夫により,指導の効果を高めるようにすること。

   オ 指導計画の作成や授業の実施に当たっては,ネイティブ・スピーカーや英語が堪能な地域人材などの協力を得る等,指導体制等の充実を図るとともに,指導方法の工夫を行うこと。

   カ 外国語を通して他者とコミュニケーションを図ることの必要性や楽しさを味わうことができるよう工夫すること。

  (3)2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 言語材料については,生徒に身近で簡単なものから扱うようにするとともに,語句,連語及び慣用表現については活用頻度の高いものを用い,必要に応じて繰り返し活用しながら体験的な理解を図るようにすること。

   イ 1段階のウの②に示す事項については,2段階においても指導すること。

   ウ 生徒の実態や教材の内容などに応じて,情報機器等を有効に活用し適切な言語材料を十分に提供できるようにすること。

 

 〔情 報〕

 1 目 標

   情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,身近にある情報機器の操作の習得を図りながら,問題の解決を行う学習活動を通して,問題を知り,問題の解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用し,情報社会に主体的に参画するための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1)身近にある情報と情報技術及びこれらを活用して問題を知り,問題を解決する方法について理解し,基礎的な技能を身に付けるとともに,情報社会と人との関わりについて理解できるようにする。

  (2)身近な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題を知り,問題を解決するために必要な情報と情報技術を適切かつ効果的に活用する力を養う。

  (3)身近にある情報や情報技術を適切に活用するとともに,情報社会に参画しようとする態度を養う。

 

 2 各段階の目標及び内容

 ○1段階

  (1)目 標

   ア 効果的なコミュニケーションの方法や,身近にあるコンピュータやデータの活用について知り,基礎的な技能を身に付けるとともに,情報社会と人との関わりについて知る。

   イ 身近な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題を知り,問題を解決するために必要な情報と情報技術を活用する力を養う。

   ウ 身近にある情報や情報技術を活用するとともに,情報社会に関わろうとする態度を養う。

  (2)内 容

  A 情報社会の問題解決

    身近にある情報や情報技術を活用して問題を知り,問題を解決する方法に着目し,解決に向けた活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

    (ア)身近にある情報やメディアの基本的な特性及びコンピュータ等の情報機器の基本的な用途,操作方法及び仕組みを知り,情報と情報技術を活用して問題を知り,問題を解決する方法を身に付けること。

    (イ)情報に関する身近で基本的な,法規や制度,情報セキュリティの重要性,情報社会における個人の責任及び情報モラルについて知ること。

    (ウ)身近にある情報技術が人や社会に果たす役割と及ぼす影響について知ること。

   イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

    (ア)目的や状況に応じて,身近にある情報や情報技術を活用して問題を知り,問題を解決する方法について考えること。

    (イ)情報に関する身近で基本的な,法規や制度及びマナーの意義,情報社会にお いて個人の果たす役割や責任,情報モラルなどについて考えること。

    (ウ)身近にある情報や情報技術の活用について考えること。

  B コミュニケーションと情報デザイン

    身近なメディアとコミュニケーション手段及び情報デザインに着目し,目的や状況に応じて受け手に分かりやすく情報を伝える活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

    (ア)身近なメディアの基本的な特性とコミュニケーション手段の基本的な特徴について,その変遷を踏まえて知ること。

    (イ)身近にある情報デザインが人や社会に果たしている役割を知ること。

    (ウ)身近にある情報デザインから,効果的なコミュニケーションを行うための情報デザインの基本的な考え方や方法を知り,表現する基礎的な技能を身に付けること。

   イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

    (ア)身近なメディアとコミュニケーション手段の関係を考えること。

    (イ)コミュニケーションの目的に合わせて,必要な情報が伝わるような情報デザインを考えること。

    (ウ)効果的なコミュニケーションを行うための情報デザインの基本的な考え方や方法に基づいて,表現の仕方を工夫すること。

  C 情報通信ネットワークとデータの活用

    情報通信ネットワークを介して流通するデータに着目して,情報通信ネットワークや情報システムにより提供されるサービスを利用し,問題を知り,問題の解決に向けた活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

    (ア)情報通信ネットワークの基本的な仕組みや情報セキュリティを確保するための基本的な方法について知ること。

    (イ)身近なデータを蓄積,管理,提供する基本的な方法,情報通信ネットワークを介した情報システムによるサービスの提供に関する基本的な仕組みと特徴について知ること。

    (ウ)データを表現,蓄積するための基本的な表し方と,データを収集,整理する基本的な方法について知り,基礎的な技能を身に付けること。

   イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

    (ア)情報通信ネットワークにおける情報セキュリティを確保する基本的な方法について考えること。

    (イ)情報システムが提供するサービスの利用について考えること。

    (ウ)データの収集,整理及び結果の表現の基本的な方法を適切に選択し,実行すること。

 ○2段階

  (1)目 標

   ア 効果的なコミュニケーションの方法や,身近にあるコンピュータやデータの活用について理解し,基礎的な技能を身に付けるとともに,情報社会と人との関わりについて理解する。

   イ 身近な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題を知り,問題を解決するために必要な情報と情報技術を適切かつ効果的に活用する力を養う

   ウ 身近にある情報や情報技術を適切に活用するとともに,情報社会に参画しようとする態度を養う。

  (2)内 容

  A 情報社会の問題解決

    身近にある情報や情報技術を活用して問題を知り,問題を解決する方法に着目し,解決に向けた活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

    (ア)身近にある情報やメディアの基本的な特性及びコンピュータ等の情報機器の基本的な用途,操作方法及び仕組みを踏まえ,情報と情報技術を活用して問題を知り,問題を解決する方法を身に付けること。

    (イ)情報に関する身近で基本的な,法規や制度,情報セキュリティの重要性,情報社会における個人の責任及び情報モラルについて理解すること。

    (ウ)身近にある情報技術が人や社会に果たす役割と及ぼす影響について基本的な理解をすること。

   イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

    (ア)目的や状況に応じて,身近にある情報や情報技術を適切かつ効果的に活用して問題を知り,問題を解決する方法について考えること。

    (イ)情報に関する身近で基本的な,法規や制度及びマナーの意義,情報社会において個人の果たす役割や責任,情報モラルなどについて,それらの背景を捉え,考えること。

    (ウ)身近にある情報や情報技術の適切かつ効果的な活用と望ましい情報社会の在り方について考えること。

  B コミュニケーションと情報デザイン

    身近なメディアとコミュニケーション手段及び情報デザインに着目し,目目的や状況に応じて受け手に分かりやすく情報を伝える活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

    (ア)身近なメディアの基本的な特性とコミュニケーション手段の基本的な特徴について,その変遷を踏まえて理解すること。

    (イ)身近にある情報デザインが人や社会に果たしている役割を理解すること。

    (ウ)身近にある情報デザインから,効果的なコミュニケーションを行うための情報デザインの基本的な考え方や方法を理解し表現する基礎的な技能を身に付けること。

   イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

    (ア)身近なメディアとコミュニケーション手段の関係を捉え,それらを目的や状況に応じて適切に選択すること。

    (イ)コミュニケーションの目的に合わせて,適切かつ効果的な情報デザインを考えること。

    (ウ)効果的なコミュニケーションを行うための情報デザインの基本的な考え方や方法に基づいて表現し,振り返り,表現を見直すこと。

  C 情報通信ネットワークとデータの活用

    情報通信ネットワークを介して流通するデータに着目して,情報通信ネットワークや情報システムにより提供されるサービスを活用し,問題を知り,問題の解決に向けた活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

   ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

    (ア)情報通信ネットワークの基本的な仕組みや情報セキュリティを確保するための基本的な方法について理解すること。

    (イ)身近なデータを蓄積,管理,提供する基本的な方法,情報通信ネットワークを介した情報システムによるサービスの提供に関する基本的な仕組みと特徴について理解すること。

    (ウ)データを表現,蓄積するための基本的な表し方と,データを収集,整理,分析する基本的な方法について理解し,基礎的な技能を身に付けること。

   イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

    (ア)目的や状況に応じて,情報通信ネットワークにおける情報セキュリティを確保する基本的な方法について考えること。

    (イ)情報システムが提供するサービスの効果的な活用について考えること。

    (ウ)データの収集,整理,分析及び結果の表現の基本的な方法を適切に選択し,実行し,振り返り,表現を見直すこと。

 

 3 指導計画の作成と内容の取扱い

  (1)指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,情報と情報技術を活用して問題を知り,主体的,協働的に制作や話合いなどを行うことを通して解決策を考えるなどの探究的な学習活動の充実を図ること。

   イ 学習の基盤となる情報活用能力が,中学部や中学校までの各教科等において,教科等横断的な視点から育成されてきたことを踏まえ,情報科の学習を通して生徒の情報活用能力を更に高めるようにすること。また,他の各教科等の学習において情報活用能力を生かし高めることができるよう,他の各教科等との連携を図ること。

   ウ 情報科を設ける場合は,生徒の障害の状態や実態に応じて,指導目標を適切に定め,3年間を通して情報科の目標の実現を図るようにすること。

   エ 社会科,数学科及び職業科などの内容との関連を図るとともに,教科の目標に即した調和のとれた指導が行われるように留意すること。

  (2)2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 情報の信頼性や信憑(ぴょう)性を確認する基礎的な能力の育成を図るとともに,知的財産や個人情報の保護と活用など,情報モラルの育成を図ること。

   イ 目標及び内容等に即して,コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用した実習を積極的に取り入れ,身近にある情報機器の操作の習得を図ること。その際,必要な情報機器やネットワーク環境を整えるとともに,内容のまとまりや学習活動,学校や生徒の実態に応じて,適切なソフトウェア,外部装置などを選択すること。

   ウ 思考力,判断力,表現力等を育成するため,情報と情報技術を活用して問題を知り,問題を解決する過程において,考えたり,調べたりしたことを説明したり記述したりするなどの言語活動の充実を図ること。

   エ 情報機器を活用した学習を行うに当たっては,照明やコンピュータの使用時間などに留意するとともに,生徒が自らの健康に留意し望ましい習慣を身に付けることができるよう配慮すること。

   オ 授業で扱う具体例,教材・教具などについては,生活に関連の深いものを取り上げるとともに,情報技術の進展に対応して適宜見直しを図ること。

   カ 「A情報社会の問題解決」については,この教科の導入として位置付け,「Bコミュニケーションと情報デザイン」や「C情報通信ネットワークとデータの活用」との関連性に配慮すること。

   キ 「C情報通信ネットワークとデータの活用」のアの(ア)及びイの(ア)については,身近にある情報機器を操作し,情報セキュリティを確保する活動を取り入れること。

 

第2款 主として専門学科において開設される各教科の目標及び内容

 〔家 政〕

 1 目 標

   家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,生活の質の向上と社会の発展に寄与する職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1)生活産業に関することについて理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2)生活産業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ課題を解決する力を養う。

  (3)職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

 

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1)生活産業の概要

   ア 生活産業の意義と役割

   イ 生活産業の基礎

   ウ 使用する器具や機械,コンピュータ等の情報機器の取扱い

  (2)被服

   ア 被服の機能と基本的な構成

   イ 被服製作の工程

  (3)クリーニング

   ア クリーニングの種類と特徴

   イ クリーニングの工程

  (4)手芸

   ア 手芸の種類と特徴

   イ 刺しゅう,編物,染色,織物及びその他の手芸に係る製作

  (5)調理

   ア 食品の種類とその特徴

   イ 栄養と栄養素

   ウ 調理における衛生管理

   エ 調理の工程

  (6)住居

   ア 住居の機能や室内環境

   イ 住居の管理

   ウ インテリア

  (7)保育

   ア 子供の発達と生活

   イ 子供との関わり

  (8)家庭看護

   ア 病気の予防や疾病の状態

   イ 食事や排泄(せつ),衣生活,移動の援助

 

 3 指導計画の作成と内容の取扱い

  (1)指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,生活に関連する産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。

   イ 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。

   ウ 〔指導項目〕の指導に当たっては,実験・実習を適切に取り入れること。

  (2)2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 〔指導項目〕の(2)から(8)までについては,生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うことができること。

   イ 〔指導項目〕の(4)のイについては,刺しゅう,編物,染色,織物及びその他の手芸に係る製作の中から選択して,基礎的な技法を扱うこと。

   ウ 〔指導項目〕の(5)については,家政科の特質に応じて,食育の充実を図ること。また,実習に用いる食品については,安全・衛生に留意し,食物アレルギーについても配慮すること。

   エ 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意すること。

 

 〔農 業〕

 1 目 標

   農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業や農業関連産業を通じ,地域や社会の健全で持続的な発展に寄与する職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1)農業に関することについて理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2)農業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ課題を解決する力を養う。

  (3)職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

 

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1)農業の概要

   ア 農業の意義と役割

   イ 農業の基礎

   ウ 農器具や農業機械,コンピュータ等の情報機器の取扱い

  (2)農業生物の栽培と管理

   ア 作物の種類と特徴

   イ 野菜の種類と特徴

   ウ 果樹の種類と特徴

   エ 草花の種類と特徴

   オ 樹木の種類と特徴

   カ 栽培と管理の工程

  (3)農業生物の飼育と管理

   ア 家畜の種類と特徴

   イ 飼育と管理の工程

  (4)食品の加工と管理

   ア 食品加工の種類と特徴

   イ 食品の加工と管理の工程

  (5)地域資源を生かした農業

   ア 地域資源の特色

   イ 地域資源の活用

 3 指導計画の作成と内容の取扱い

  (1)指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。

   イ 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。

   ウ 〔指導項目〕の指導に当たっては,実験・実習を適切に取り入れること。

  (2)2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 〔指導項目〕の(2)から(5)までについては,生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うことができること。

   イ 〔指導項目〕の(2)については,同(2)のアからオの中から選択して,基礎的な栽培管理を扱うこと。

   ウ 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意すること。

 

 〔工 業〕

 1 目 標

   工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,ものづくりを通じ,地域や社会の健全で持続的な発展に寄与する職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1)工業に関することについて理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2)工業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ課題を解決する力を養う。

  (3)職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

 

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1)工業の概要

   ア 工業の意義と役割

   イ 工業の基礎

   ウ 各種の工具や機械及び機器類,コンピュータ等の情報機器の取扱い

  (2)木材加工による製品

   ア 木材の種類と特徴

   イ 各種の工具や機械などの操作

   ウ 木材製品を製造する工程

  (3)金属加工による製品

   ア 金属の種類と特徴

   イ 各種の工具や機械などの操作

   ウ 金属製品を製造する工程

  (4)セラミック加工による製品

   ア セラミックスの種類と特徴

   イ 各種の工具や機械などの操作

   ウ セラミック製品を製造する工程

  (5)紙加工による製品

   ア 紙の種類と特徴

   イ 各種の工具や機械などの操作

   ウ 紙製品を製造する工程

  (6)布の加工による製品

   ア 布の種類と特徴

   イ 各種の工具や機械などの操作

   ウ 布製品を製造する工程

  (7)皮革の加工による製品

   ア 皮革の種類と特徴

   イ 各種の工具や機械などの操作

   ウ 皮革製品を製造する工程

  (8)印刷

   ア 印刷材料や印刷方法の種類と特徴

   イ 各種の工具や機械などの操作

   ウ 印刷の工程

 

 3 指導計画の作成と内容の取扱い

  (1)指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向 けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。

   イ 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。

   ウ 〔指導項目〕の指導に当たっては,実験・実習を適切に取り入れること。

  (2)2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 〔指導項目〕の(2)から(8)までについては,生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うことができること。

   イ 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止や環境保全の指導を徹底し,安全と衛生に十分配慮すること。また,排気,廃棄物や廃液などの処理についても,十分留意すること。

 

 〔流通・サービス〕

 1 目 標

   流通・サービスの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,流通業やサービス業を通じ,地域や社会の健全で持続的な発展に寄与する職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1)流通やサービスに関することについて理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2)流通業やサービス業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ課題を解決する力を養う。

  (3)職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

 

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1)流通業やサービス業の概要

   ア 流通業やサービス業の意義と役割

   イ 流通業やサービス業の基礎

   ウ 事務機器,機械や道具,コンピュータ等の情報機器の取扱い

  (2)商品管理

   ア 商品管理業務の内容と特徴

   イ 商品管理の方法

  (3)販売

   ア 販売業務の内容と特徴

   イ 販売の方法

  (4)清掃

   ア 清掃業務の内容と特徴

   イ 清掃の方法

  (5)事務

   ア 事務業務の内容と特徴

   イ 事務処理の方法

 

 3 指導計画の作成と内容の取扱い

  (1)指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,流通・サービスの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。

   イ 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。

   ウ 〔指導項目〕の指導に当たっては,実験・実習を適切に取り入れること。

  (2)2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 〔指導項目〕の(2)から(5)までについては,生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うことができること。

   イ 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止や環境保全の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意すること。また,排気,廃棄物や廃液などの処理についても,十分留意すること。

 

 〔福 祉〕

 1 目 標

   福祉の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,福祉を通じ,地域や社会の健全で持続可能な福祉社会の発展に寄与する職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1)福祉に関することについて理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2)福祉に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ課題を解決する力を養う。

  (3)職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

 

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1)社会福祉の概要

   ア 社会福祉の意義と役割

   イ 社会福祉サービスの基礎

   ウ 福祉機器や用具,コンピュータ等の情報機器の取扱い

  (2)介護・福祉サービス

   ア 介護の職務

   イ 介護の基礎

  (3)介護を必要とする人

   ア こころとからだの理解

   イ 介護を必要とする人の理解

  (4)生活支援の技術

   ア 生活支援の内容

   イ 生活支援の実践

 

 3 指導計画の作成と内容の取扱い

  (1)指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,福祉の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。

   イ 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。

   ウ 〔指導項目〕の指導に当たっては,実験・実習を適切に取り入れること。

  (2)2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

   ア 〔指導項目〕の(2)から(4)までについては,生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うことができること。

   イ 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止などの指導を徹底し,安全と衛生に十分留意すること。

 

第3款 指導計画の作成と各教科全体にわたる内容の取扱い

 

 1 指導計画の作成に当たっては,個々の生徒の知的障害の状態,生活年齢,学習状況及び経験等を考慮しながら,第1款及び第2款の各教科の目標及び内容を基に,3年間を見通して,全体的な指導計画に基づき具体的な指導目標や指導内容を設定するものとする。

 2  個々の生徒の実態に即して,教科別の指導を行うほか,必要に応じて各教科,道徳科,特別活動及び自立活動を合わせて指導を行うなど,効果的な指導方法を工夫するものとする。その際,各教科等において育成を目指す資質・能力を明らかにし,各教科等の指導内容間の関連を十分に図るよう配慮するものとする。

 3 個々の生徒の実態に即して,生活に結び付いた効果的な指導を行うとともに,生徒が見通しをもって,意欲をもち主体的に学習活動に取り組むことができるよう指導計画全体を通して配慮するものとする。

 4 第1章第2節第1款の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳に示す内容について,各教科の特質に応じて適切な指導をするものとする。

 5 生徒の実態に即して学習環境を整えるなど,安全と衛生に留意するものとする。

 6 生徒の実態に即して自立や社会参加に向けて経験が必要な事項を整理した上で,指導するように配慮するものとする。

 7 学校と家庭及び関係機関等とが連携を図り,生徒の学習過程について,相互に共有するとともに,生徒が学習の成果を現在や将来の生活に生かすことができるよう配慮するものとする。

 8 生徒の知的障害の状態や学習状況,経験等に応じて,教材・教具や補助用具などを工夫するとともに,コンピュータや情報通信ネットワークを有効に活用し,指導の効果を高めるようにするものとする。