第7節 情 報

 

第1款 目 標

 

   情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,情報産業を通じ,地域産業をはじめ情報社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1) 情報の各分野について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2) 情報産業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

  (3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,情報産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

 

第2款 各 科 目

 

第1 情報産業と社会

 1 目 標

   情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,情報産業を通じ,地域産業をはじめ情報社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要な基礎的な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1) 情報産業と社会について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2) 情報産業と社会との関わりに関する課題を発見し,情報産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。

  (3) 情報技術者に必要とされる情報活用能力の習得を目指して自ら学び,情報社会に主体的かつ協働的に参画し寄与する態度を養う。

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1) 情報社会の進展と情報産業

   ア 情報社会の進展

   イ 情報社会における問題解決

   ウ 情報社会の将来と情報産業

  (2) 情報とコミュニケーション

   ア 情報の表現

   イ 情報の管理

   ウ 情報技術を活用したコミュニケーション

  (3) コンピュータとプログラミング

   ア コンピュータの仕組み

   イ アルゴリズムとプログラム

   ウ 情報通信ネットワークの活用

  (4) 情報産業が果たす役割

   ア 情報セキュリティ

   イ 情報産業の役割

   ウ 情報技術者の責務

 3 内容の取扱い

  (1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

   ア 情報産業が社会で果たしている役割を扱うとともに,社会の情報化について,情報技術者の業務内容と関連付けて考察するよう留意して指導すること。

   イ 社会の情報化が人々の生活に与えている影響について,身近にある具体的な事例を課題として取り上げ,情報社会の将来について主体的かつ協働的に考察させ,情報産業に携わる者に求められる倫理観を踏まえ合理的かつ創造的に課題を解決できるよう留意して指導すること。

  (2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

   ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,人々の生活が情報を基盤として成り立っていることを踏まえて,これまでの社会の変遷についても扱うこと。イについては,情報社会の進展によって将来的に生じることが予想される問題についても扱うこと。ウについては,情報に関する最新の技術などについても扱うこと。

   イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,コンテンツ及びメディアとサービスについても扱うこと。ウについては,コミュニケーションに関わるハードウェア及びソフトウェアを扱うこと。

   ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,周辺機器や規格の標準化についても扱うこと。イについては,データの型,データ構造,アルゴリズム,モデル化及びシミュレーションについて扱うこと。ウについては,社会を支えているネットワークシステムと関連付けながら,データベースの活用について扱うこと。

   エ 〔指導項目〕の(4)のアについては,情報セキュリティの重要性や情報セキュリティ対策に関する法規について扱うこと。ウについては,法令遵守をはじめとする情報技術者の使命と責任及びこれからの情報技術者に求められる資質・能力について扱うこと。また,社会や産業全体の課題及びその解決のために情報が果たしている役割,働くことの社会的意義や役割,情報産業に携わる者に求められる倫理観についても扱うこと。

 

第2 課題研究

 1 目 標

   情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,社会を支え情報産業の発展を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1) 情報の各分野について体系的・系統的に理解するとともに,相互に関連付けられた技術を身に付けるようにする。

  (2) 情報産業に関する課題を発見し,情報産業に携わる者として解決策を探究し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決する力を養う。

  (3) 情報産業に関する課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,情報産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1) 調査,研究,実験

  (2) 作品制作

  (3) 産業現場等における実習

  (4) 職業資格の取得

 3 内容の取扱い

  (1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

   ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,〔指導項目〕の(1)から(4) までの中から,個人又はグループで情報産業に関する適切な課題を設定し,主体的かつ協働的に取り組む学習活動を通して,専門的な知識,技術などの深化・総合化を図り,情報産業に関する課題の解決に取り組むことができるようにすること。なお,課題については,(1)から(4)までの2項目以上にまたがるものを設定することができること。

   イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにすること。

 

第3 情報の表現と管理

 1 目 標

   情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,情報産業の維持と発展を支える情報の表現と管理に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1) 情報の表現と管理について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2) 情報の表現と管理に関する課題を発見し,情報産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。

  (3) 適切な情報の表現と管理を目指して自ら学び,情報産業の維持と発展に必要な情報の表現と管理に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1) 情報の表現

   ア 情報社会と情報の表現

   イ メディアの特性とその表現

   ウ データサイエンスとデータの表現

   エ 情報の発信とコミュニケーション

  (2) 情報の管理

   ア 情報の管理とドキュメンテーション

   イ コンピュータによる情報の管理と活用

   ウ 情報の保護とセキュリティ

 3 内容の取扱い

  (1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

   ア 実習を通して,情報通信機器や情報技術を積極的に活用して創造的に表現しようとする主体的かつ協働的な態度を養うことができるよう留意して指導すること。

   イ 生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,具体的な課題を設定し,グループ活動を行うことなどを通して,情報共有の有効性や情報管理の重要性,個人及び組織の責任などについて考察するよう留意して指導すること。

  (2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

   ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,具体的な事例を取り上げ,情報の表現における多様な技術や技法について扱うこと。イについては,文字,音・音楽,静止画,動画などのメディアの特性と役割,効果的な表現について扱うこと。ウについては,データから有益な情報を見いだし,評価,検証及び可視化して表現するなどのデータサイエンスの手法について扱うこと。エについては,コンピュータや情報通信ネットワークを活用した情報の発信及び効果的なプレゼンテーションの方法について扱うこと。

   イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,情報を有効に共有し活用するために必要な情報の整理や分類の重要性及び様々なドキュメントの作成方法について扱うこと。イについては,コンピュータを用いて,情報の階層化や構造化による整理や分類及び情報を活用するために必要な抽出や共有などを扱うこと。ウについては,情報の適切な保護と管理,安全かつ有効な共有と活用について扱うこと。

 

第4 情報テクノロジー

 1 目 標

   情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,情報社会を支える情報テクノロジーの活用に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1) 情報テクノロジーについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2) 情報テクノロジーの利用,開発及び管理などに関する課題を発見し,情報産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。

  (3) 情報テクノロジーの安全かつ効率的な利用,開発及び管理を目指して自ら学び,情報システムの構築,運用及び保守などに主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1) 情報社会の進展と情報テクノロジーとの関わり

   ア 情報社会を支える情報テクノロジーと情報システム

   イ これからの情報社会と情報テクノロジー

  (2) ハードウェアの仕組みと活用

   ア コンピュータの構造と内部処理

   イ 周辺機器とインタフェース

   ウ ハードウェアによる情報セキュリティ技術

   エ 情報システムを構成するハードウェア

  (3) ソフトウェアの仕組みと活用

   ア オペレーティングシステムの仕組み

   イ 応用ソフトウェアの仕組み

   ウ ソフトウェアによる情報セキュリティ技術

   エ 情報システムを構成するソフトウェア

 3 内容の取扱い

  (1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

   ア 社会で利用されている具体的な情報システムや情報テクノロジーに着目させ,それぞれの適性や限界について理解できるよう留意して指導すること。

   イ 生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,適切な情報技術を選択し,実習を通して理解できるよう留意して指導すること。

  (2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

   ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,情報テクノロジーが情報産業以外の他の産業とも深く結び付いていることを扱うこと。イについては,情報化による効率の向上が情報社会の様々な面に見られることを扱うこと。

   イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,情報の流れに着目させ,組込型コンピュータが情報システムの一部として価値を生み出していることを扱うこと。

   ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,オペレーティングシステムの役割,ファイルシステムの種類や機能,ソフトウェアの不具合の修正や機能拡張,開発環境及びユーザインタフェースを取り上げ,それぞれの特徴について扱うこと。ウについては,携帯情報端末のセキュリティについても扱うこと。

 

第5 情報セキュリティ

  1 目 標

   情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,健全な情報社会の構築と発展を支える情報セキュリティの確保に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1) 情報セキュリティについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2) 情報セキュリティに関する課題を発見し,情報産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。

  (3) 情報セキュリティが保たれた情報社会の構築を目指して自ら学び,情報システムの運用と管理に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1) 情報社会と情報セキュリティ

   ア 情報セキュリティの現状

   イ 情報セキュリティの必要性

  (2) 情報セキュリティと法規

   ア 情報セキュリティ関連法規

   イ 情報セキュリティ関連ガイドライン

  (3) 情報セキュリティ対策

   ア 人的セキュリティ対策

   イ 技術的セキュリティ対策

   ウ 物理的セキュリティ対策

  (4) 情報セキュリティマネジメント

   ア 情報セキュリティポリシー

   イ リスク管理

   ウ 事業継続

 3 内容の取扱い

  (1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

   ア 生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,適切な情報セキュリティ技術を選択し,実習を効果的に取り入れるとともに,情報セキュリティ技術の必要性について考察するよう留意して指導すること。

   イ 情報セキュリティに関する諸問題について,主体的に考察する学習活動を取り入れ,情報技術者が情報セキュリティにおいて果たすべき役割及び責務について理解できるよう留意して指導すること。

  (2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

   ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,情報セキュリティの三要素である機密性,完全性,可用性に加えて,責任追跡性,真正性,信頼性についても扱うこと。イについては,情報技術者の役割についても扱うこと。

   イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,具体的な事例を取り上げ,情報セキュリティに関連する法規や個人情報保護に関連する法規,知的財産権に関連する法規などについて扱うこと。イについては,具体的な事例を取り上げ,情報セキュリティに関連するガイドラインについて扱うこと。

   ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,情報セキュリティの啓発などを扱うこと。イについては,不正アクセス,不正プログラムなどを扱うこと。ウについては,情報を扱う場所の入退室管理などを扱うこと。

   エ 〔指導項目〕の(4)のアについては,情報セキュリティを確保するための体制,運用規定,基本方針,対策基準などについて扱うこと。イについては,情報資産に対する脅威について実効性のある対策とその運用について扱うこと。ウについては,事業継続計画,監査及び第三者認証について扱うこと。

 

第6 情報システムのプログラミング

 1 目 標

   情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,情報システムのプログラミングに必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1) 情報システムのプログラミングについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2) 情報システムのプログラミングに関する課題を発見し,情報産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。

  (3) 情報システムの開発,運用及び保守を目指して自ら学び,情報社会の発展に向けた情報システムのプログラミングに主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1) 情報システムの設計

   ア 情報システムの要求分析と定義

   イ 情報システムのモデル化

   ウ 情報システムの分割

  (2) データ構造とアルゴリズム

   ア データの型

   イ データ構造

   ウ アルゴリズム

  (3) プログラミング

   ア プログラム言語の種類と特性

   イ プログラムの作成

   ウ プログラムの統合

  (4) 情報システムの開発管理と運用・保守

   ア 情報システムの開発工程の管理

   イ 情報システムの運用と保守

   ウ 情報システムのセキュリティ

 3 内容の取扱い

  (1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

   ア 社会で活用されている情報システムを取り上げ,情報システムの機能や構造を考察するよう留意して指導すること。

   イ 情報システムのプログラミングに関する具体的な課題を設定し,解決する方法について考察するよう留意して指導すること。

  (2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

   ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,モデルを表記する適切な方法について扱うこと。ウの分割は,機能要素の単位で行うこと。

   イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,数値型,文字型,論理型などを扱うこと。イについては,配列,リスト,レコードなどを扱うこと。ウについては,具体的な事例を取り上げ,データ構造の選択と効率的なアルゴリズム及びその表記方法について扱うこと。

   ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,目的に応じた適切なプログラミング言語の選択について扱うこと。イについては,関数の定義と使用によるプログラムの構造化についても扱うこと。ウについては,統合の前後でプログラムの動作を確認する実習を取り入れること。

   エ 〔指導項目〕の(4)のアについては,プロジェクトマネジメントなどを扱うこと。イについては,情報システムの運用と保守に必要なドキュメントについても触れること。ウについては,情報システムのセキュリティを高める具体的な方法について扱うとともに,情報産業に携わる者に求められる倫理観にも触れること。

 

第7 ネットワークシステム

 1 目 標

   情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,ネットワークシステムの活用に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1) ネットワークシステムについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2) ネットワークシステムに関する課題を発見し,情報産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。

  (3) ネットワークシステムの安全かつ効率的な活用を目指して自ら学び,ネットワークシステムの開発,運用及び保守などに主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1) ネットワークの基礎

   ア ネットワークシステムの役割

   イ データ通信の仕組みと働き

   ウ ネットワークの仮想化

  (2) ネットワークの設計と構築

   ア ネットワークの設計

   イ ネットワークの構築

   ウ ネットワークの分析と評価

  (3) ネットワークシステムの開発

   ア ネットワークシステムを活用したサービス

   イ ネットワークサーバの構築

   ウ ネットワークアプリケーションの開発

  (4) ネットワークシステムの運用と保守

   ア ネットワークシステムの運用管理

   イ ネットワークシステムの保守

   ウ ネットワークシステムのセキュリティ対策

 3 内容の取扱い

  (1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

   ア 社会で利用されているネットワークシステムに着目させ,ネットワークシステムの開発,運用及び保守などと関連付けて考察するよう留意して指導すること。

   イ ネットワークシステムに関する具体的な課題を設定し,解決する学習活動を取り入れること。

  (2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

   ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,データ通信の基本構成について扱うこと。

   イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,有線通信と無線通信の双方について扱うこと。

   ウ 〔指導項目〕の(3)のイについては,生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,実機若しくはインターネット上のサーバ又はその両方を扱うこと。また,公開を前提としたサーバのアクセス制御,暗号化などのセキュリティ対策について扱うこと。ウについては,ネットワークアプリケーションを取り上げ,ネットワークシステムの開発の概念について扱うこと。

   エ 〔指導項目〕の(4)のア及びイについては,ネットワークシステムを安全かつ適切に活用するために必要な運用と保守の具体的な内容について扱うこと。ウについては,具体的な事例を取り上げ,ネットワーク上の脅威に関する管理や防止対策などについて扱うこと。

 

第8 データベース

 1 目 標

   情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,情報社会を支えるデータベースの活用に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1) データベースについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2) データベースに関する課題を発見し,情報産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。

  (3) データの安全かつ効率的な活用を目指して自ら学び,データベースの利用,構築,運用及び保守などに主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1) データベースと私たちの社会

   ア データベースと社会との関わり

   イ データベースを支える情報技術

   ウ データベースの目的と機能

   エ データベースのデータモデル

  (2) データベース管理システムとデータベースの設計

   ア データベース管理システムの働き

   イ データの分析とモデル化

   ウ データベースの正規化

  (3) データとデータベースの操作

   ア データの操作

   イ データベースの定義

   ウ データベースの操作

  (4) データベースの運用と保守

   ア データベースの運用管理

   イ データベースの保守

 3 内容の取扱い

  (1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

   ア 社会で利用されている具体的なデータベースを取り上げ,実習を通して,データベースの設計や操作,運用と保守などの視点から社会の中でデータベースが果たす役割を理解できるよう留意して指導すること。

   イ 生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,適切なデータベース操作言語やデータベース管理システムを選択すること。

  (2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

   ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,データベースが私たちの生活や企業などで利用されていることを扱うこと。その際,データベースの機能や目的についても触れること。イについては,多くのデータベースがネットワークを介して様々なアプリケーションの下で動作していること及びデータベースの最新の技術動向について触れること。エについては,関係モデルを扱うこと。

   イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,データベースの機能と役割について扱うこと。イについては,E-Rモデルを扱うこと。ウについては,第一正規形から第三正規形までを取り上げ,正規化の内容や必要性について扱うこと。

   ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,関係演算を扱うこと。イについては,データ定義言語を取り上げ,データベースの作成,表の作成や削除などを扱うこと。ウについては,データベース操作言語を取り上げ,表の問合わせや結合,ビューの作成などを扱うこと。

   エ 〔指導項目〕の(4)のアについては,データベースの運用管理のための組織体制,データベースの動作管理,セキュリティ管理及びバックアップなどについて扱うこと。イについては,運用に伴う障害管理やリカバリなどの保守について扱うこと。

 

第9 情報デザイン

 1 目 標

   情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,情報デザインの構築に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1) 情報伝達やコミュニケーションと情報デザインとの関係について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2) 情報デザインの手法,構成,活用に関する課題を発見し,情報産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。

  (3) 情報デザインによる効果的な情報伝達やコミュニケーションの実現を目指して自ら学び,コンテンツやユーザインタフェースのデザインなどの構築に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1) 情報デザインの役割と対象

   ア 社会における情報デザインの役割

   イ 情報デザインの対象

  (2) 情報デザインの要素と構成

   ア 情報デザインにおける表現の要素

   イ 表現手法と心理に与える影響

   ウ 対象の観察と表現

   エ 情報伝達やコミュニケーションの演出

  (3) 情報デザインの構築

   ア 情報の収集と検討

   イ コンセプトの立案

   ウ 情報の構造化と表現

  (4) 情報デザインの活用

   ア 情報産業における情報デザインの役割

   イ ビジュアルデザイン

   ウ インタラクティブメディアのデザイン

 3 内容の取扱い

  (1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

   ア 情報デザインに関する具体的な事例を取り上げ,情報伝達やコミュニケーションと関連付けて考察するよう留意して指導すること。

   イ 実習を通して,情報の収集,整理,構造化,可視化などの学習活動を行わせるとともに,地域や社会における情報伝達やコミュニケーションに関する具体的な課題を設定し,解決の手段を作品として制作,評価及び改善する学習活動を取り入れること。

  (2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

   ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,具体的な事例を取り上げ,社会において情報デザインが果たす役割について扱うこと。イについては,情報伝達やコミュニケーションの仕組みとそこで使われるコンテンツを扱うこと。

   イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,形態や色彩とその働きについて扱うこと。イについては,造形や色彩が人間の心理に与える影響と,情報デザインへの応用について扱うこと。ウについては,対象を観察する方法と,その結果を表現する技術について扱うこと。エについては,レイアウトや配色などを扱うとともに,意味や考えの演出についても触れること。

   ウ 〔指導項目〕の(3)のイについては,目的を明確にしてコンセプトを決める方法を扱うこと。ウについては,コンセプトに沿った情報の構造化と表現を扱うこと。

   エ 〔指導項目〕の(4)のアについては,製品やサービスの普及,操作性やセキュリティの確保において情報デザインが果たす役割について扱うこと。イについては,視覚情報の提供について考慮したデザインを扱うこと。ウについては,双方向性について考慮したデザインを扱うこと。

 

10 コンテンツの制作と発信

 1 目 標

   情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,コンテンツの制作と発信に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1) コンテンツの制作と発信について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2) 情報社会におけるコンテンツの制作と発信に関する課題を発見し,情報産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。

  (3) 情報社会で必要とされるコンテンツの創造を目指して自ら学び,コンテンツの制作と発信に主体的かつ協動的に取り組む態度を養う。

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1) 情報社会とコンテンツ

   ア コンテンツの役割と影響

   イ メディアの種類と特性

   ウ コンテンツの保護

  (2) 静止画のコンテンツ

   ア 静止画による表現

   イ 静止画の編集

   ウ 静止画のコンテンツ制作

  (3) 動画のコンテンツ

   ア 動画による表現

   イ 動画の編集

   ウ 動画のコンテンツ制作

  (4) 音・音声のコンテンツ

   ア 音・音声による表現

   イ 音・音声の編集

   ウ 音・音声のコンテンツ制作

  (5) コンテンツの発信

   ア コンテンツ発信の手法

   イ コンテンツの統合と編集

   ウ コンテンツの発信と評価

 3 内容の取扱い

  (1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

   ア 生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,適切なアプリケーションソフトウェアを選択すること。その際,実習を効果的に取り入れるとともに,コンテンツの制作と発信について知的財産権に配慮すること。

   イ 〔指導項目〕の(2)から(4)までについては,生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うことができること。

  (2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

   ア 〔指導項目〕の(1)については,具体的な事例を取り上げて扱うこと。また,コンテンツの制作や保護に必要な理論や方法についても触れること。

   イ 〔指導項目〕の(2)のイ,(3)のイ,(4)のイについては,素材をコンピュータに取り込んで加工したり,素材そのものをコンピュータで作成したりするために必要な方法について扱うこと。

   ウ 〔指導項目〕の(5)のアについては,コンテンツを発信するための様々な手法について扱うこと。イについては,複数の種類のコンテンツの統合と編集について扱うこと。ウについては,様々な機器や環境における表示の互換性などについても扱うこと。

 

11 メディアとサービス

 1 目 標

   情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,メディア及びメディアを利用したサービスの活用に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1) メディア及びメディアを利用したサービスについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2) メディアを利用したサービスに関する課題を発見し,情報産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。

  (3) メディアを利用したサービスの安全かつ効果的な運用と管理を目指して自ら学び,メディアを利用したサービスの設計などに主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1) メディアと情報社会

   ア メディアの機能

   イ メディアの活用

  (2) メディアを利用したサービス

   ア メディアを利用したサービスの機能

   イ メディアを利用したサービスの活用

  (3) メディアを利用したサービスの役割と影響

   ア メディアを利用したサービスと情報社会との関わり

   イ メディアを利用したサービスと情報産業との関わり

 3 内容の取扱い

  (1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

   ア 実習を効果的に取り入れ,メディアを利用してコンテンツを提供するサービスの全体像について考察するよう留意して指導すること。

   イ 生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,適切なコンテンツ開発環境及びコンテンツ管理のための適切なシステムや運用サービスを選択すること。

  (2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

   ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,多様なメディアの定義と特徴について扱うこと。イについては,メディアを活用している身近な事例を取り上げ,利用者の目的や状況に合わせたメディアの適切な選択について扱うこと。

   イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,社会で用いられているメディアを利用したサービスの種類と特徴について扱うこと。イについては,メディアを利用したサービスを分析する実習や新たなサービスを企画し提案する実習を行うこと。また,センサなどと組み合わせたサービスについても触れること。

   ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,メディア及びメディアを利用したサービスの変遷と今後の展望について扱うこと。イについては,メディアを利用したサービスが情報産業として成り立つための条件について扱うこと。

 

12 情報実習

 1 目 標

   情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,情報産業を担う情報技術者として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

  (1) 情報の各分野について総合的に捉え体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

  (2) 情報の各分野に関する課題を発見し,情報産業に携わる者として合理的かつ創造的に解決する力を養う。

  (3) 情報の各分野に関する課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,情報システムの開発やコンテンツの制作及びこれらの運用などに主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

 2 内 容

   1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。

  〔指導項目〕

  (1) 情報システムの開発のプロセス

   ア 情報システムの開発の概要

   イ 情報システムの設計

   ウ 情報システムの開発と評価

   エ 情報システムの運用と保守

  (2) コンテンツの制作のプロセス

   ア コンテンツの制作の概要

   イ 要求分析と企画

   ウ コンテンツの設計と制作

   エ コンテンツの運用と評価

  (3) 実習

   ア 情報システムの開発実習

   イ コンテンツの制作実習

   ウ 情報システム分野とコンテンツ分野を関連させた総合的な実習

 3 内容の取扱い

  (1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

   ア 課題解決に向けた計画の立案や実習を通して,情報システムの開発,コンテンツの制作などの一連の工程を理解できるよう留意して指導すること。その際,知的財産権の扱いにも配慮すること。

   イ 生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,〔指導項目〕の(1)及び(2) から1項目以上を選択するとともに,(3)のアからウまでの中から1項目以上を選択し,実習を行わせること。その際,具体的な課題を設定し,開発又は制作した作品を実験的・実証的に確認する学習活動を取り入れること。

  (2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

   ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,ウォーターフォールやプロトタイピングなどの開発モデルを取り上げるとともに,一連の工程や関連するシステム情報及びデータなどを記録する文書化について触れ,それぞれの工程の意義や目的について扱うこと。イ及びウについては,インターネットに接続された機器や情報セキュリティに関する技術を扱い,情報の取扱いの重要性に触れること。

   イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,コンテンツの制作工程について扱い,コンテンツ産業の現状や労働環境などについても触れること。また,イ及びウについては,面接法やブレーンストーミングなどを取り上げ,利用者の要求などについて調査し分析する手法について扱うとともに,その結果を反映させた企画の提案方法についても扱うこと。エについては,コンテンツの発信方法の種類や特性についても扱うこと。

   ウ 〔指導項目〕の(3)については,情報システム分野とコンテンツ分野の学習成果に基づいて,適切な課題を設定し,プログラミングなどの情報技術を活用した実習を行うこと。

 

第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

 

 1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

  (1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,情報の科学的な見方・考え方を働かせ,社会の様々な事象を捉え,専門的な知識や技術などを基に情報産業に対する理解を深めるとともに,新たなシステムやコンテンツなどを地域や産業界等と協働して創造するなどの実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。

  (2) 情報に関する各学科においては,「情報産業と社会」及び「課題研究」を原則として全ての生徒に履修させること。

  (3) 情報に関する各学科においては,原則としてこの章に示す情報科に属する科目に配当する総授業時数の10分の5以上を実験・実習に配当すること。

  (4) 地域や産業界,大学等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。

  (5) 障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。

 2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

  (1) 情報産業に関する課題の発見や解決の過程において,協働して分析,考察,討議するなど言語活動の充実を図ること。

  (2) 個人情報や知的財産の保護と活用について扱うとともに,情報モラルや職業人として求められる倫理観の育成を図ること。

  (3) コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用を図り,学習の効果を高めるよう工夫すること。

 3 実験・実習を行うに当たっては,施設・設備の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。